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早期乳がんの術後ビスホスホネート、ベネフィットは閉経女性のみ?/Lancet

 早期乳がんに対するビスホスホネート製剤による術後補助療法は、骨再発を抑制し、生存期間の改善をもたらすが、明確なベネフィットは治療開始時に閉経に至っている女性に限られることが、Early Breast Cancer Trialists’ Collaborative Group(EBCTCG)の検討で示された。術後ビスホスホネート療法は、早期乳がん女性の無骨転移生存、無病生存、全生存を改善するとの報告がある一方で、全体では有意な効果はないものの、閉経後または高齢女性でベネフィットを認めたとの報告がある。これは、ビスホスホネート製剤は性ホルモンが低下した女性(閉経または卵巣抑制療法)にのみベネフィットをもたらすとの仮説を導く。Lancet誌オンライン版2015年7月23日号掲載の報告より。リスクとベネフィットをメタ解析で評価 研究グループは、早期乳がんに対する術後ビスホスホネート療法のリスクとベネフィットを評価するためにメタ解析を実施した(Cancer Research UKなどの助成による)。 早期乳がんの治療においてビスホスホネート製剤と対照を比較した無作為化試験のうち交絡因子のないすべての試験から個々の患者のデータを抽出した。 主要評価項目は、再発、遠位再発、乳がん死とした。初回遠位再発の部位(骨、その他)、閉経状況(閉経後[自然閉経、人工閉経]、閉経前)、ビスホスホネート製剤のクラス(アミノビスホスホネート[ゾレドロン酸、イバンドロネート、パミドロネート]、その他[クロドロネート])でサブグループ解析を行った。 intention-to-treat集団において、log-rank法を用いてビスホスホネート製剤と対照の初回イベント発生の率比(RR)を算出した。閉経後女性の骨再発を28%、乳がん死を18%抑制 26試験に参加した1万8,766例のデータを解析した。1万8,206例(97%)が2~5年(中央値3.4年)の治療を受け、フォローアップ期間中央値は5.6年であった。この間に3,453例が初回再発し、2,106例が死亡した。 対照と比較したビスホスホネート製剤の全体的な効果は、再発(RR:0.94、95%信頼区間[CI]:0.87~1.01、2p=0.08)、遠隔再発(0.92、0.85~0.99、2p=0.03)、乳がん死(0.91、0.83~0.99、2p=0.04)のいずれも有意水準の境界近くであったが、骨再発(0.83、0.73~0.94、2p=0.004)の抑制効果は明確であった。 閉経前女性では、どの評価項目にも明らかな効果は認めなかったが、閉経後女性1万1,767例の解析では、再発(RR:0.86、95%CI:0.78~0.94、2p=0.002)、遠位再発(0.82、0.74~0.92、2p=0.0003)、骨再発(0.72、0.60~0.86、2p=0.0002)、乳がん死(0.82、0.73~0.93、2p=0.002)が著明に改善された。 一方、ビスホスホネート製剤の骨再発抑制効果は、高齢女性で高く(2p=0.03)、閉経後女性で大きい傾向がみられたものの(2p=0.06)、年齢と閉経状況は密接に関連するため、どちらがより強く関連するかは決定できない。 薬剤のクラス、投与スケジュール、エストロゲン受容体(ER)の状態、局所リンパ節転移の有無、腫瘍の悪性度、併用化学療法の有無による差は認めなかった。また、乳がん以外の原因による死亡に差はなかったが、骨折はビスホスホネート製剤で有意に少なかった(RR:0.85、95%CI:0.75~0.97、2p=0.02)。 著者は、「ビスホスホネート製剤は、主にアロマターゼ阻害薬による治療を受けている閉経後ER陽性乳がん患者において、骨量減少や骨折リスクの抑制を目的に使用される。今回の解析結果は、これに加え、腫瘍に対する効果も有することを示しており、広範な閉経後女性において術後ビスホスホネート療法を考慮すべきであることが示唆される」と指摘している。

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中等症~重症のアトピー、トファシチニブで治療可能?

 中等症~重症のアトピー性皮膚炎(AD)に対する治療は不適切であることが多い。米国・エール大学のLauren L. Levy氏らは、こうした患者に対して経口ヤヌスキナーゼ阻害薬トファシチニブの投与を試みた。その結果、症例数が非常に少なく対照群が設定されていないなど限界はあるものの、中等症~重症ADの治療にトファシチニブが有用である可能性が示唆されたという。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2015年7月17日号の掲載報告。 対象は標準治療に抵抗性の中等症~重症AD連続患者6例で、トファシチニブによる治療を行い、効果をSCORAD(Scoring Atopic Dermatitis)indexにて評価した。 主な結果は以下のとおり。・全例において、皮膚炎のある体表面積の減少、ならびに紅斑・浮腫・苔癬化・擦過傷の軽減が観察された。・8~29週の治療によりSCORADは36.5から12.2へ66.6%減少した(P<0.05)。・有害事象はみられなかった。

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統合失調症治療、洞察力向上へのサポートが重要

 統合失調症患者は、将来の出来事の現象学的特徴を思い描いたり(エピソード洞察の構成要素)、予定した行動を実行する(展望記憶の構成要素)というような、特定の未来に向けた思考や行動への関与が困難である。しかし、エピソード洞察を用いて未来に向けた行動を適切に導くことに障害があるのかどうかについても不明なままであった。オーストラリア・クイーンズランド大学のAmanda D. Lyons氏らは、統合失調症とエピソード洞察について検討を行った。British Journal of Clinical Psychology誌オンライン版2015年7月14日号の掲載報告。 研究グループは、統合失調症患者群と非臨床群(対照)の行動評価を行い、エピソード洞察を評価する厳密な基準を満たしているかを調べた。評価では、研究者らの洞察力の機能的応用への着目に合わせて、被験者に対して問題を同定し、自己解決して、将来に向けた意図を適切に実行することを要求した。 主な結果は以下のとおり。・対照と比較して統合失調症患者は、問題を後で解決させられることができるアイテムを自発的に得る傾向が低かった。また、これらのアイテムを用いて問題を解決する傾向もまた低かった。・群間およびタスク間で相互作用はみられず、これら2つの洞察力の構成要素が同程度に混乱を来していることが示された。・対照群ではみられなかったが、臨床群において、アイテム取得とアイテム使用は全般的な認知機能の能力と相関していた。・臨床的変数との有意な関連は認められなかった。・エピソード洞察を機能的な方法で適用する能力は、統合失調症では損なわれており、幅広い認知機能障害の少なくとも一部分を反映するものと思われた。今後の検討において、これらの問題をどのように修正するかだけでなく、日常生活におけるこれらの問題の関連についても明らかにする必要である。 本検討における医療者にとってのポイントは以下が挙げられる。・統合失調症患者はエピソード洞察が困難であり、その問題は、行動に先立って洞察する能力に及んでいるように思われる。・未来の予定行動は、ルーチンおよび適応計画の中心を成すため、エピソード洞察における問題は、機能的困難に関連し、結果として統合失調症患者が経験するさまざまな機能的困難につながると思われる。・今後の研究において、エピソード洞察が低下した人への介入が可能かどうかを明らかにする必要である。・介入は、治療的ツールを含むことが考えられる。たとえば、洞察力を伴う行動の実行を支援したり促すようなサポート、あるいは認知訓練プログラムを用いて洞察力を働かせる能力や傾向の改善を働きかけるものなどである。関連医療ニュース 統合失調症への支持療法と標準的ケア、その差は 第1世代と第2世代抗精神病薬、認知機能への影響の違いは 統合失調症へのアリピプラゾール+リハビリ、認知機能に相乗効果:奈良県立医大  担当者へのご意見箱はこちら

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ADVICE試験:心房細動アブレーションにおいてアデノシンによるdormant conductionの確認は必要か?(解説:高月 誠司 氏)-395

 心房細動のトリガーの多くは肺静脈に存在し、肺静脈入口部周囲を焼灼し、肺静脈と左心房との電気伝導をブロックすることで心房細動を予防するというのが、発作性心房細動に対するカテーテルアブレーションである。これを肺静脈隔離と呼ぶが、肺静脈隔離後にアデノシンを急速静注すると、一時的に肺静脈と左房との伝導が再開することがある。これをdormant conduction (DoC)と呼んでいる。dormantとは休んでいるという意味である。 アデノシンは心房筋に対して、IKアデノシンという外向きKチャネルを活性化し、細胞の静止膜電位を深くし、活動電位持続時間を極端に短縮する。肺静脈隔離後の組織には完全に焼灼されていないところが部分的に存在し、焼灼の影響で膜電位が上昇し、可逆的な伝導ブロックを起こしているところがあると考えられ、そのような部位にアデノシンが作用すると、膜電位が低下し伝導性が再開する。これがアデノシンによってDoCが顕在化する機序と考えられている。 ADVICE試験は多施設共同試験で、肺静脈隔離後にアデノシンによるDoCの有無を確認し、DoCがあった場合には追加焼灼する群(DoCあり/焼灼あり群)、追加焼灼しない群(DoCあり/焼灼なし群)にランダム割り付けを行い、DoCがなかった群(DoCなし群)と3群間で比較した。 肺静脈隔離は1本1本個別に行い、DoCは534例中284例(53%)で、肺静脈2,085本中、437本(21%)で認めた。147例がDoCあり/焼灼あり群、137例がDoCあり/焼灼なし群に割り付けられた。 結果、有症状の心房性不整脈再発の回避率はDoCあり/焼灼あり群で69.4%と最も高く、次いでDoCなし群の55.7%、DoCあり/焼灼なし群では42.3%と最も低かった。dormant conductionを残すと、それが心房細動再発に関連することが明確にされた試験であり、肺静脈隔離後には推奨すべき手技であろう。隔離した肺静脈はアデノシン静注や時間経過によって再伝導することがあると知られているが、本検討では隔離直後ではなく、20分後にアデノシン静注試験を行っており、そのことも好結果につながった可能性がある。

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わかる統計教室 第1回 カプランマイヤー法で生存率を評価する セクション4

インデックスページへ戻る第1回 カプランマイヤー法で生存率を評価するセクション4 カプランマイヤー法の生存曲線を比較するセクション1 セクション2 セクション3■いよいよ最後の確認ポイント!再度確認です。このデータの目的は何だったでしょう?「重症心不全のような致死的な疾患に対する薬剤の治療効果を、治療後の生存期間の延びでみようとしたもの」でした。では、これから2つの群の生存曲線を比較する方法について勉強していきましょう。■“log-rank test”と“generalized Wilcoxon test”いろいろな検定方法の中で、生存曲線で2群間に有意な差があるかどうかを調べる検定方法では“log-rank test”と“generalized Wilcoxon test”が使われます。しかし、それぞれの名前や計算方法は、別の機会に学習するとして、どちらの検定でもp値が算出されるということだけ覚えておいてください。この重症心不全のデータの場合は、log-rank testを用いています。とにかくp値にだけ着目してください。p値の判定については、p値が0.05以下ならば「母集団に違いがある」「有意な差がある」ということを表します。ですから、今回のデータでいえば、log-rank testにおけるp値が0.0033で0.05より小さいので、製品A群とプラセボ群の生存曲線に違いがある、つまり有意な差があるといえることになります。これで「2群間の生存曲線に違いがある」と判定できるのです。■生存曲線のグラフに着目p値とともに生存曲線のグラフをみてください。生存曲線は、製品A群がプラセボ群より上側に位置しています。製品A群の生存率はプラセボより高く、製品A群の追加による生命予後の改善があったと解釈できるわけです。この解釈は研究に適用した1,251例の患者データから引き出されたものですが、検定結果(=p値)によって、この解釈は別の患者についてもいえることになります。■2つの検定の違いは何?基本的な考え方だけご説明します。log-rank testは、期別死亡率がどの時点でも同等であると考えて用いるものです。generalized Wilcoxon testでは、最初のほうは例数が多いため信頼性が高く、後のほうは例数が少ないことから信頼性が低いとして、期別死亡数に重み付けをして検定計算しています。たとえば、難治性のがんのように大半の患者が死亡してしまうような時は、generalized Wilcoxon testが用いられるということになります。■ハザード比=0.56とは?ハザード比というのは、「疾患による死亡の『危険』が、治療によってどれくらいの倍率で抑えることができたか」ということです。言い換えれば、生存率がどれくらいの倍率で高くなるか、ということを計算した結果ということになります。このデータでは、「ハザード比は0.56だから、プラセボ群で治療するより製品A群のほうが生存率は1.78(1÷0.56)倍高くなる」ということになります。ちなみに、図にある「95%CI」はハザード比の95%信頼区間のことです。データをみると0.40~0.78なので、製品A投与によって、生存率が1.29~2.48倍の範囲で高くなるということです。つまり、95%の確率でその範囲内に収まるということになります。そして、「Cox比例ハザードモデル」というのはハザード比の算出方法を指しています。[ハザード比の算出は、多変量解析のCox比例ハザードモデルで、目的変数をアウトカム(死亡、打ち切り)、説明変数を観察期間、群(製品A群、プラセボ群)として算出します]※検定、信頼区間などは別の機会に学習していきます。■今回のポイント1)p値を確認!「0.05のバーをくぐると有意差あり」2)ハザード比は“危険回避度合”、つまり生存率の高まりを示す!次回より、リスク比(相対危険度)とオッズ比を学習します。インデックスページへ戻る

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102)1日に摂りたい野菜の量を簡単に!【高血圧患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話医師将来の健康のことを考えると、野菜はたっぷり食べたいですね。患者どのくらい食べたらいいですか?医師それでは、両手でお茶碗の形にしてみてください。患者はい……(両手でお茶碗の形にする)。医師この両手に生野菜を小さく盛ると70g、温野菜なら片手で70g、小皿1皿分が70gになりますね。患者なるほど。医師糖尿病の人は、がんにもなりやすいといわれています。血糖値を下げるだけでなく、がんを予防するためにも1日に5皿分(350g)は摂りたいものですね。患者それなら、私は野菜不足です。もっと野菜を頑張って摂るようにします(気づきの言葉)。●ポイント日本の5 A DAY(ファイブ・ア・デイ)運動の野菜料理5皿(1皿70g)を手ばかりを用いてわかりやすく説明1)Li M, et al. BMJ Open. 2014; 4 : e005497.

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20年以内に胃がん発症の可能性がある人は?/BMJ

 悪性徴候がなく胃内視鏡検査により生検を受けた人において、20年以内に胃がんを発症するのは、正常粘膜の人では約256人に1人、胃炎は85人に1人、萎縮性胃炎50人に1人、腸上皮化生39人に1人、異形成19人に1人であることが、スウェーデン・カロリンスカ研究所のHuan Song氏らによる検討の結果、示された。同国低リスク集団40万人超を対象とした観察コホート研究の結果、明らかにしたもの。著者は、「さらに費用対効果の検討を行い、長期的な胃の前がん病変の内視鏡サーベイランスの施策に、これらの数字を生かしていく必要がある」とまとめている。BMJ誌オンライン版2015年7月27日号掲載の報告より。悪性徴候がなく胃生検を受けた40万5,211人を追跡 検討は、スウェーデンの全国疾患レジスターデータから、1979~2011年に悪性徴候がなく胃生検を受けた40万5,211人を対象とした。 主要評価項目は胃がんの発生で、ベースラインの生検結果に基づく粘膜変化別患者群(Correa’s cascade群とその他診断群)で評価した。Correa’s cascade群は、正常粘膜、軽度の粘膜変化あり、胃炎、萎縮性胃炎、腸上皮化生、異形成の各群に分類された。 スウェーデン一般集団を参照値とした標準化発生率で相対リスクを推算し評価した。Correa’s cascade群内の各粘膜変化患者群の検討では、Cox回帰モデルを用いて正常胃粘膜患者群との比較によるハザード比を算出して評価した。胃粘膜病変の進行度に伴い胃がんリスク増大が明らかに フォローアップの当初2年を除外後、Correa’s cascade群には28万8,167例(平均年齢56歳、男女比:1対1.24)、その他診断群には5万4,130例が分類された。Correa’s cascade群の追跡期間は約10年(腸上皮化生の7.9年以外は同等)であった。 追跡期間中、胃がんと診断された人は全コホートでは1,599例であった。そのうちCorrea’s cascade群は1,273例であった。 Correa’s cascade群の胃がんの粗年間発生率は、正常粘膜群20×10-5(標準化発生率1.0)、軽度の粘膜変化あり42×10-5(同1.5)、胃炎59×10-5(同1.8)、萎縮性胃炎100×10-5(同2.8)、腸上皮化生129×10-5(同3.4)、異形成263×10-5(同6.5)であった。 Cox回帰モデルによる検討の結果、胃粘膜病変の進行に伴いリスクが増大することが示され、最も高い異形成群のリスクは正常粘膜群の10.9倍であった(ハザード比:10.9、95%信頼区間[CI]:7.7~15.4)。 発生率の増大はフォローアップ期間を通して一定してみられ、各群間の累積発生率の差は広がり続けた。

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ポンプ本体全内面を生体材料で構成した全置換型人工心臓、初の臨床例を報告/Lancet

 新たに開発された生体弁を用いた全置換型人工心臓CARMAT TAH(C-TAH)の、最初の臨床使用例2例の報告が、フランス・パリ大学のAlain Carpentier氏らにより発表された。2例とも最終的には死亡となったが、うち1例は150日目に退院することができたという。著者は「今回の経験知は、生体材料を用いた全置換型人工心臓の開発に重要な貢献をもたらすことができた」と述べている。Lancet誌オンライン版2015年7月28日号掲載の報告。2例に行われた初の施行例 本検討の目的は、両室心不全で移植不適者であり死が目前に迫った患者について、C-TAHの安全性と使用の可能性を評価することであった。C-TAHは、植込み型の電気駆動型拍動式両室ポンプの人工心臓装置で、バッテリー以外の部品は1装置に収められ、患者の心室を摘出して置換する。これまで、末期の心疾患患者に対する人工心臓の開発では、血栓塞栓症や出血の合併症が重大な課題となっており、これら合併症の発生は生体弁では低率であることからC-TAHが開発された。 研究グループは、フランスの3つの心臓外科センターから、2例の男性患者を選出し、植込み置換手術を行った。 患者1は76歳で、2013年12月18日にC-TAH移植を施行。患者2は68歳で2014年8月5日に移植が行われた。これまで重大な課題であった血栓問題は克服 両心バイパスに要した時間は、患者1が170分、患者2は157分であった。 両患者とも術後12時間以内に抜管。呼吸機能および循環機能は迅速に回復し、精神状態も良好であった。 患者1は23日目に心タンポナーデを呈し再介入が必要となった。術後出血により抗凝固薬は中断。C-TAHは良好に機能し心拍出量は4.8~5.8L/分であったが、74日目に、装置故障により死亡した。 剖検では、抗凝固薬が約50日間投与されなかったにもかかわらず、生体弁またその他臓器からも血栓は検出されなかった。 患者2は、一過性の腎不全および心嚢液貯留で排液を要したが、それ以外は術後経過に問題はみられず150日目に退院となった。ウェアラブルシステムのみで技術的補助は必要としなかった。 自宅に戻ってから4ヵ月後、低心拍のためC-TAHを交換。しかし多臓器不全で死亡した。

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アストラゼネカ、肺がん免疫併用療法で提携を発表

 アストラゼネカは、8月5日、自社のグローバルバイオ医薬品研究開発部門であるメディミューンと、ドライバー遺伝子およびエピジェネティックに特化するオンコロジー専門企業Mirati Therapeutics, Inc.(本社:米国カリフォルニア州、以下、Mirati社)が臨床試験に関する独占的提携を締結したことを発表した。当該第I/II相試験では、メディミューンの治験薬である抗PD-L1免疫チェックポイント阻害剤durvalumab(MEDI4736)とMirati社の治験薬であるスペクトラム選択性ヒストンデアセチラーゼ(ヒストン脱アセチル化酵素)(HDAC)阻害剤mocetinostatとの併用療法について、安全性および有効性を評価する。 Durvalumab (MEDI4736)はプログラム細胞死リガンド1(PD-L1)を標的とするヒトモノクローナル抗体。一方、Mocetinostatはクラス1HDAC酵素を選択的に阻害することで、durvalumabのようなチェックポイント阻害剤の免疫系に対する効果を向上させる可能性を持つ。アストラゼネカのプレスリリースはこちら(PDFがダウンロードされます)

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注意が必要な高齢者の昼寝

 睡眠障害は、高齢者で多く見られ、とくに認知症リスクのより高い高齢者に多く認められる。しかし、これまでに、日中の睡眠における臨床的、医療的および神経心理学的な相関は検討されてこなかった。オーストラリア・シドニー大学のNathan Cross氏らは、アクチグラフィーを使用し、高齢者(とくに認知症リスクを有する高齢者)における昼寝の特徴や効果を調査した。Journal of sleep research誌オンライン版2015年6月21日号の報告。 対象は、認知症リスクを有する包括的医療、精神・神経生理学的評価を受けた高齢者133人(平均年齢:65.5歳、SD:8.4歳)。昼寝の睡眠習慣を測定するために、アクチグラフィーと睡眠日誌を使用した。主な結果は以下のとおり。・アクチグラフィーより、昼寝の睡眠習慣は83.5%(111/133人)の高齢者で認められた。しかし、持続時間や時間帯はまちまちであった。・昼寝をする高齢者は、医療負担、BMIが有意に高く、軽度認知障害(MCI)のリスクが有意に高かった。・より長く、より頻繁な昼寝は、認知機能の低さや抑うつ症状レベルの高さと関連していた。また、昼寝の時間帯は、夜間の睡眠の質(入眠後の、睡眠潜時や覚醒)と関連していた。 結果を踏まえ、著者らは「本研究では、認知症リスクを有する高齢者にフォーカスして調査を行ったが、昼寝は、うつや認知機能といった根底にある神経生物学的変化と関連していた。このことから、高齢者の精神・認知機能の転帰との関連を解明するためにも、昼寝の特徴をより定期的に観察する必要がある」とまとめている。関連医療ニュース 長期ベンゾジアゼピンの使用は認知症発症と関係するか 認知症の日中の眠気、レビー小体型でより多い 認知症の不眠にはメラトニンが有用  担当者へのご意見箱はこちら

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優れた抗血栓性を目指し、ポンプ本体の内面をすべて生体材料で構成したCARMAT完全植込み完全置換型の開発と世界最初の臨床応用(解説:許 俊鋭 氏)-394

 2008年に、僧帽弁形成手術で世界的に著名な心臓外科医Alain Carpentier氏が、真に心臓移植の代替治療となりうる完全植込み完全置換型(fully implantable artificial heart)の臨床治験を、2011年までに実施する準備ができたと発表した1)。 ポンプ本体の内面はすべて生体材料 (“biomaterials”or a“pseudo-skin”of biosynthetic、microporous materials)で構成され、これまでの人工心臓でまったく未解決の問題であった、ポンプ内血栓形成が生じない人工心臓をつくるという、きわめて野心的なプロジェクトであった。 CARMAT完全植込み完全置換型(C-TAH)は、4つの生体弁を持つ電気駆動型拍動流拍動完全置換型で、現時点では体外のバッテリーと接続し、エネルギーは体外から供給するシステムではあるが、近い将来、経皮的エネルギー伝送により完全植込み型デバイスになることも可能である。ポンプ内面は、表面処理された生物心膜組織(processed bioprosthetic pericardial tissue)および拡張ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)から成り、抗凝固療法の軽減が潜在的に可能である2)。12頭の牛(体重102~112kg)を用いた平均3日間の実験で、4頭が4日以上(最長10日)生存した。まったく抗凝固療法なしで術後管理されたが、剖検では2頭に小さな腎梗塞がみられたのみであった。 2015年になって立て続けに3本の論文2)3)4)が発表され、本論文はその1つで2013年から始まった臨床例の最初の報告である。ただし、この臨床試験では当初目指した完全植込みには至らず、デバイスは外径8mmのきわめて屈曲性に富んだドライブラインで、体外のリチウムイオンバッテリーに接続して使用している。 C-TAHは2人の男性の患者に植え付けられた。患者1(76歳)は、2013年12月18日の植込み症例、患者2(68歳)は2014年8月5日の植込み症例で、C-TAH植込み手術の人工心肺時間は、157分、170分であった。2例とも術後12時間以内に抜管され、呼吸および循環機能は急速に回復した。 患者1は、術後23日に心タンポナーデのために再開胸止血手術施行し、以後抗凝固療法を中止した。C-TAHは良好に機能し、4.8~5.8L/分の良好な流量が得られた。術後74日目にデバイス機能不全のため患者は死亡した。抗凝固薬なし期間が50日間あったにもかかわらず、剖検ではポンプ内や末梢臓器に血栓はみられなかった。 患者2は、一時的な腎不全と心嚢液貯留に対してドレナージを必要としたが、それ以外は問題なく、術後150日で携帯電源システムとともに自宅に戻った。在宅4ヵ月後に低心拍出状態になりデバイス交換を試みたが、多臓器不全のために患者は死亡した。 本論文掲載決定時にはすでに3症例目の植込みが成功していて、術後104日目で退院直前の状態にある。 日本では、年間20万例が心不全のため死亡している。人口の高齢化とともに心不全はますます増加傾向にあり、65歳以上の循環器疾患医療費はがんを中心とした新生物医療費の2倍(13.3% vs.27.4%、2011年)を要している。心臓移植の対象となる65歳未満の心不全死亡は2万例弱であり、全心不全死亡数の9.7%にしか過ぎない。しかも、日本における年間心臓移植数は40例弱であり、2万例の65歳未満心不全死亡数はおろか、現在心臓移植登録・待機している400例に対しても極端に少ない。 すなわち、心臓移植治療はその絶対数において末期心不全に対する標準的治療とはなり得ない。そのため、米国で2002年に年齢などにより心臓移植適応除外となった症例に対する、心臓移植代替治療としての植込み型補助人工心臓(LVAD)を用いたDestination Therapy(DT)がFDAにより承認され、保険償還が始まった。DTは当初2年生存を目標にスタートしたが、INTERMACSデータでは現時点で2年生存率60%、3年生存率50%が達成されていて5)、今後、さらに治療成績が向上していくものと考えられる。長期の補助人工心臓の成績向上のために解決しなければならない主な課題として、(1)システムの長期耐久性、(2)抗血栓性の向上、(3)感染防止がある。その中で、今日の第2・第3世代の定常流植込み型LVADにおいて、すでに10年生存症例も報告され「(1)システムの長期耐久性」は達成されているが、「(2)抗血栓性の向上」と「(3)感染防止」はまったく解決できていない課題である。C-TAHは「(2)抗血栓性の向上」を目指した野心的なプロジェクトであり、抗凝固療法なしで50日間管理し、まったく血栓が生じなかったことは大きな成果である。また、C-TAHは近い将来、完全植込みを目標としており「(3)感染防止」にも意欲を示している。 残念なことに、ポンプシステムが第1世代拍動流ポンプであることにより、C-TAHには「(1)システムの長期耐久性」は期待できない。しかし、C-TAHポンプ本体の内面をすべて生体材料で構成するという試みは、今日の長期耐久性に優れた第2・第3世代の定常流植込み型LVAD製造技術と結び付くことにより、植込み型LVADの「(2)抗血栓性の向上」に大きく貢献するものと期待される。 近い将来、経皮的エネルギー伝送システムの導入で有効な「(3)感染防止」技術が確立した暁には、植込み型LVADの心臓移植に匹敵するQOL・長期生存率が達成されるものと期待される。

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背骨が曲がる。骨粗鬆症なの?

骨粗鬆症の症状の一例、背骨の場合では健康圧迫骨折が背骨の1つに発生【骨粗鬆症】圧迫骨折が背骨に多発骨折した! 身長が低くなった! 背中が曲がった!に思い当たったら要注意。よく検査してもらいましょう!監修:習志野台整形外科内科 院長 宮川一郎 氏Copyright © 2015 CareNet,Inc. All rights reserved.

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Vol. 3 No. 4 高尿酸血症のコントロールと治療薬

土橋 卓也 氏製鉄記念八幡病院はじめに高尿酸血症は、痛風関節炎や痛風腎など尿酸塩沈着症としての病態とは別に高血圧、糖尿病、メタボリックシンドローム(MetS)、慢性腎臓病(CKD)などの生活習慣病と密接に関連することが明らかとなってきた。さらに最近の知見より、高尿酸血症が高血圧や糖尿病発症のリスクとなること、尿酸低下療法によって心血管イベントが抑制されることが報告されるようになった。本稿では、心血管疾患リスクとしての尿酸管理の意義と尿酸降下薬を用いた治療方針について概説する。1. 生活習慣病としての高尿酸血症の実態日本人における高尿酸血症の頻度に関して、尿酸値>7mg/dLで定義される高尿酸血症の頻度は、成人男性で21.5%、女性では50歳未満で1.3%、50歳以降で3.7%と報告されている1)。また、高尿酸血症は高血圧者に高頻度に合併することが知られている。われわれが調査した降圧薬服用者667名(平均年齢66.4歳)における高尿酸血症(尿酸値>7mg/dLまたは尿酸低下薬服用者)の頻度は男性で40.6%、女性で8.6%と男性で高頻度に認められ、特に使用降圧薬が3剤以上の者では37.3%と高頻度であった2)。この要因として、3剤以上の降圧薬を必要とする者は肥満やMetS、CKDなど高尿酸血症を合併する病態が多いこと、尿酸値を上昇させる利尿薬の使用頻度が高いことが挙げられる。すなわち、高尿酸血症は他の危険因子とともに心血管疾患リスクが重積した病態を形成することが多いことから、心血管疾患予防のためのtotal risk managementの一環として管理すべき疾患といえる。2. 高尿酸血症の治療(1) 治療方針日本痛風・核酸代謝学会による高尿酸血症・痛風の治療ガイドラインが提唱する高尿酸血症の治療方針では、血清尿酸値が7.0mg/dLを超えている場合、肥満の是正、飲酒制限、プリン体制限などの食事療法、運動など生活習慣修正を指導することが記載されている。痛風関節炎や痛風結節を認めず、高血圧、虚血性心疾患、糖尿病、MetS、CKDなどを合併する例においては、尿酸値が8mg/dL以上に上昇した場合、尿酸低下療法を考慮する。(2) 病型分類に基づく薬剤選択高尿酸血症は、その機序から産生過剰型と排泄低下型に病型分類される(本誌p.36図を参照)に示すように、病型分類を行うためには、尿酸産生量(尿中尿酸排泄量)と尿酸クリアランスを評価する必要がある3)。われわれが、高尿酸血症合併高血圧患者を対象として、24時間家庭蓄尿を用いて病型分類を行ったところ、MetS合併例を含め、約9割が排泄低下型であった4)。日常診療において24時間蓄尿や外来60分法による評価を行うのは困難である。われわれは、日常診療で使用可能な病型分類の指標として随時尿中尿酸/クレアチニン比(UA/Cr)を用いており、随時尿中UA/Crが0.5未満を示す場合、排泄低下型と判断してよいと考えている5)。(3) 尿酸降下薬の選択尿酸生成抑制薬のアロプリノールは尿酸産生過剰型に適した薬剤であり、尿路結石の既往など尿酸排泄促進薬が使用できない症例においても使用される。ただ、腎機能の低下に応じて使用量を減じる必要があり、クレアチニンクリアランス(Ccr)50mL/分以下では100mg/日、30mL/分以下では50mg/日とすべきである。最近発売されたフェブキソスタットやトピロキソスタットは、腎機能低下例においても用量調節が必要なく、使用しやすい薬剤といえる。前述のように高血圧合併高尿酸血症患者の病型はほとんど排泄低下型であることから、ベンズブロマロンなどURAT1阻害薬がより有用であることが多い。実際、アロプリノールを投与中の高血圧患者で随時尿中UA/Crが0.5未満を示し、排泄低下が疑われた15症例において薬剤を排泄促進薬のベンズブロマロンに切り替えたわれわれの検討では、随時尿中UA/Crは0.31から0.51へと有意に上昇し、血清尿酸値も7.3mg/dLから4.7mg/dLへと有意に低下した6)。ベンズブロマロン服用者(平均用量39mg/日)はアロプリノール服用者(平均用量106mg/日)に比し、血清尿酸値が低く(5.6±1.1 vs. 6.6±0.8mg/dL、p<0.01)ガイドラインが提唱する管理目標値≦6mg/dLの達成頻度も61.7%とアロプリノール服用者(18.2%)より高かった2)(本誌p.38図を参照)。これらの結果は、高血圧合併高尿酸血症の治療において尿酸排泄促進薬であるベンズブロマロンがより有用であることを示唆している。ただベンズブロマロンは尿酸排泄量が増加し、尿路結石のリスクが高くなるため、尿のアルカリ化が必要であること、腎機能低下例では作用が減弱するため、アロプリノールを使用するか、両者の少量併用を検討する必要があることに留意する。(4) 尿酸コントロールの目標高尿酸血症・痛風の治療ガイドラインでは、尿酸降下薬による治療の目標値として血清尿酸値6.0mg/dL以下に維持することが望ましいとしている(本誌p.35図を参照)。確かに痛風患者の再発予防の観点からは6.0mg/dL以下にすることの根拠が示されているが7)、心血管疾患リスクとしての管理目標は明確でない。本態性高血圧患者を対象とした治療介入試験であるLIFE試験において、血清尿酸値は全体の平均5.6±1.3mg/dLからアテノロール群で0.8±1.2mg/dL、ロサルタン群で0.3±1.2mg/dL上昇しているが、6.0mg/dL前後であっても血清尿酸値上昇により心血管病発症リスクが増加することが示されており8)、高血圧患者における積極的な尿酸管理の重要性が示唆される。心臓手術を受けた高尿酸血症患者(血清尿酸値≧8mg/dL)141例を対象として、フェブキソスタット群とアロプリノール群に無作為に割り付け、血清尿酸値6.0mg/dL以下を目標として治療を行ったNU-FLASH試験における投与6か月後の血清尿酸値6.0mg/dL以下達成率は、フェブキソスタット群で95.8%と、アロプリノール群の69.6%に比し有意に高率であった9)。さらに、フェブキソスタット群では、投与1か月後からeGFRの有意な増加を認めている。このことは、血清尿酸値6.0mg/dL以下を目指した治療が腎機能保持の観点からも有用であることを示唆している。一方、尿酸は強力な抗酸化作用を有していることから、低値であることも心血管疾患リスクとなる報告が散見されており10)、“the lower, the better”とはいえない可能性がある。現時点では血清尿酸値4~6mg/dLが最もリスクの低い値と推測される。女性は血清尿酸値が男性に比し低値であるが、心血管疾患リスクとしての関与は男性より強いことが報告されていることから11, 12)、女性においてはより厳格なコントロールが望ましい可能性がある。おわりに高尿酸血症の心血管疾患リスクとしての意義を認識し、他のリスク因子とともに管理することが重要である。今後、心血管疾患リスクとしての高尿酸血症の治療開始基準および管理目標について検討する臨床試験が望まれる。文献1)冨田眞佐子ほか. 高尿酸血症は増加しているか?性差を中心に. 痛風と核酸代謝 2006; 30: 1-5.2)榊美奈子ほか. 降圧薬服用者における尿酸管理の現状. Gout and Nucleic Acid Metabolism 2013; 37:103-109.3)日本痛風・核酸代謝学会ガイドライン改訂委員会. 高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン第2版, メディカルレビュー社,東京, 2010.4)宮田恵里ほか. 高血圧患者における高尿酸血症の実態と尿酸動態についての検討. 血圧 2008; 15: 890-891.5)大田祐子ほか. 高尿酸血症合併高血圧患者における高尿酸血症の慣習的病型分類の有用性について. 痛風と核酸代謝 2012; 36: 9-13.6)大田祐子ほか. 高尿酸血症合併高血圧患者におけるアロプリノールからベンズブロマロンへの変更の有用性. 血圧2008; 15: 910-912.7)Shoji A et al. A retrospective study of the relationship between serum urate level and recurrent attacks of gouty arthritis; Evidence for reduction of recurrent gouty arthritis with antihyperuricemic therapy. Arthritis Rheum 2004;51: 321-325.8)Hoieggen A et al. LIFE Study Group: The impact of serum uric acid on cardiovascular outcomes in the LIFE study. Kidney Int 2004; 65: 1041-1049.9)Sezai A et al. Comparison of febuxostat and allopurinol for hyperuricemia in cardiac surgery patients (NU-FLASH Trial). Circ J 2013; 77: 2043-2049.10)Verdecchia P et al. Relation between serum uric acid and risk of cardiovascular disease in essential hypertension ; PIUMA study. Hypertension 2000; 36: 1072-1078.11)Iseki K et al. Significance of hyperuricemia as a risk factor for developing ESRD in a screened cohort. Am J Kidney Dis 2004; 44: 642-650.12)Holme I et al. Uric acid and risk of myocardial infarction, stroke and congestive heart failure in 417,734 men and women in the Apolipoprotein MOrtality RISk study (AMORIS). J Intern Med 2009; 266: 558-570.

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運動する女性はスポーツブラをつけるべき?【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第48回

運動する女性はスポーツブラをつけるべき? 足成より使用 あまり詳しくありませんが、小学生のころ、女の子はスポーツブラというものをつけるのだと聞いたことがあります。え?違う?まぁ正否はどちらでもよくてですね、今回はスポーツブラに関する話題を取り上げたいワケです。ちなみに私はブラジャーに詳しくありません! Wikipediaによれば、「通常のブラジャーは、乳房の形を美しく整えるためにつくられている。しかし、スポーツ・体育授業など運動時に肩ひもやアンダーバスト部がずれやすく、また、布地の重なりによる熱さで、着用者が不快に感じることがある。さらに、乳房が激しく揺れると、クーパー靭帯を痛め乳房の下垂の原因となることがある。そこで乳房のサポート効果が高いスポーツブラが使用される」と記載されています。ブラジャーにも乳房にもまったく無縁の私にとっては何のこっちゃよくわかりません。 Bowles KA, et al. Do current sports brassiere designs impede respiratory function? Med Sci Sports Exerc. 2005;37:1633-1640. さて、22人の女性がブラジャーを装着せずに呼吸機能検査を受けました。その後、ブラジャーを装着した状態と装着していない状態でエルゴメーターを、またスポーツブラ、ファッションブラを装着した状態と装着していない状態でトレッドミルや呼吸機能検査を受けてもらいました。そして、ブラジャーの圧力やその圧迫感を調べました。その結果、胸の小さな女性の場合、スポーツブラはファッションブラと比較してより圧力が大きいという結果でした(0.861±0.247N/cm2 vs.0.672±0.254N/cm2)。つまり、締め付けが大きいということですね。しかしながらこのブラジャーの圧力の増加は、呼吸機能や不快感への影響はなかったそうです。ふむふむ。というワケで、運動するときにジャマとされているブラジャーですが、ほとんど問題ないという結論になりました。乳首の痛みを予防するためにニプレスをつけて運動する人もいるかと思いますが、スポーツブラでもその乳首の痛みを軽減できることが知られています(Hadi MS. Breast J. 2000;6:407-409.)。男性のプロスポーツ選手はさすがにスポーツブラをつけるワケにはいきませんので、ニプレスを使っている人が多いようですね。インデックスページへ戻る

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心肺蘇生への市民介入で後遺症のない生存が増大/JAMA

 日本において2005~2012年に、居合わせた市民(バイスタンダー)による胸骨圧迫およびAEDを用いた除細動の実施率は上昇し、神経学的後遺症のない生存の増大と関連していることが、帝京大学救急医学講座の中原慎二氏らによる全国データの調査分析の結果、明らかにされた。日本の院外心停止(OHCA)後の神経学的後遺症のない生存については、増大が報告されていたが、入院前処置との関連(バイスタンダー介入と生存における増大など)についてはこれまで十分な検討はされていなかった。JAMA誌2015年7月21日号掲載の報告。消防庁収集のOHCAデータを分析 本検討は、2005年1月より消防庁が収集を開始した全国OHCAレジストリ(All-Japan Utstein Registry)のデータを分析したものである。レジストリには、OHCAを発症し救急隊により病院へ搬送された全患者が登録され、患者の特性、入院前介入、転帰が記録されている。 研究グループは同データから2005年1月~2012年の間に、心原性心停止と推測されバイスタンダーによるOHCAに対する介入が確認された患者16万7,912例について分析評価を行った。バイスタンダーによる入院前介入は、公共のAEDを用いた除細動と胸骨圧迫などであった。 主要評価項目は、OHCAから1ヵ月後または退院時点における神経学的後遺症のない生存で、グラスゴー・ピッツバーグ脳機能カテゴリスコア1または2と、全身機能カテゴリスコア1または2と定義した。介入と神経学的後遺症のない生存との関連も評価した。後遺症のない生存、バイスタンダーのみの除細動は救急隊のみ除細動の2.24倍 心原性心停止と推測されバイスタンダー介入が確認されたOHCA数は、2005年の1万7,882件(10万人当たり14.0件、95%信頼区間[CI]:13.8~14.2件)から、2012年は2万3,797件(同18.7件、18.4~18.9件)に増加し、神経学的後遺症のない生存は、587例(年齢補正後の割合:3.3%、95%CI:3.0~3.5%)から1,710例(同:8.2%、7.8~8.6%)に増加していた。 バイスタンダー胸骨圧迫の実施率は38.6%から50.9%へ、バイスタンダーのみの除細動は0.1%から2.3%に増え、バイスタンダー+救急隊の両者による除細動は0.1%から1.4%に増えた。一方で救急隊のみの除細動は26.6%から23.5%に減少していた。 バイスタンダー胸骨圧迫の実施では未実施と比較して、神経学的後遺症のない生存の増大が認められた(8.4%[6,594生存/7万8,592例] vs.4.1%[3,595生存/8万8,720例]、オッズ比[OR]:1.52、95%CI:1.45~1.60)。 また、救急隊のみの除細動(15.0%[6,445生存/4万2,916例])と比較して、バイスタンダーのみの除細動(40.7%[931生存/2,287例])のほうが神経学的後遺症のない生存の増大と関連していた(OR:2.24、95%CI:1.93~2.61)。同様の増大の関連はバイスタンダー+救急隊による除細動(30.5%[444生存/1,456例])でもみられた(OR:1.50、95%CI:1.31~1.71)。一方で、除細動未実施(2.0%[2,369生存/12万653例])では低下が認められた(OR:0.43、95%CI:0.39~0.48)。

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H7N9インフルワクチン、最も力価が高まる製剤は?/JAMA

 不活化単価H7N9インフルエンザワクチンについて、AS03およびMF59アジュバント製剤の2回接種が免疫応答を高めること、最も高力価を示したのはAS03アジュバント製剤であったことが、米国・Group Health Research InstituteのLisa A. Jackson氏らによる第II相二重盲検無作為化試験の結果、報告された。JAMA誌2015年7月21日号掲載の報告より。2種のアジュバントありなしや混合接種などについて免疫原性と安全性を評価 研究グループは、不活化単価H7N9インフルエンザワクチンの免疫原性と安全性について、AS03アジュバントありなしならびに接種スケジュールを混合、またアジュバント製剤と非アジュバント製剤を比較する評価を行った。 試験は、米国5地点で2013年9月~2013年11月に、19~64歳の成人980例を登録して行われた。安全性については2015年1月まで追跡した。 被験者へのH7N9ワクチン接種は、回数は0、21日の2回、名目接種用量は3.75、7.5、15、45μgの各用量にて行われ、AS03またはMF59アジュバントのありなし、接種の混合(1回目と2回目で異なるアジュバント製剤を接種など)が行われた。 主要評価項目は、2回接種後21日時点で赤血球凝集抑制抗体(HIA)力価が40超に達した患者の割合とした。また、初回接種から12ヵ月間のワクチン関連の重大有害事象、7日間でみられた反応や症状を調べた。AS03アジュバント製剤2回接種が最も高力価 結果、2回接種により患者の大半で抗体価検出が可能となった。 40超のHIA力価達成割合は、いずれも15μg量2回接種の、アジュバントなし製剤で2%(95%信頼区間[CI]:0~7%、94例)に対し、AS03アジュバントあり製剤は84%(同:76~91%、96例)、MF59あり製剤は57%(同:47~68%、92例)であった(AS03およびMF59の比較のp<0.001)。 AS03およびMF59アジュバントを混合接種した場合は、幾何学平均力価(GMT)の低下が認められた。1回目にAS03アジュバントを接種し2回目にMF59アジュバントを接種した場合(92例)の接種後21日時点のGMTは41.5(95%CI:31.7~54.4)であった。また、1回目MF59アジュバント、2回目AS03アジュバントの場合(96例)は58.6(同:44.3~77.6)で、いずれも2回ともAS03アジュバントを接種した場合(96例、103.4、95%CI:78.7~135.9)よりも有意に低値であった(p<0.001)。しかし、2回ともMF59アジュバントを接種した場合(94例、29.0、22.4~37.6)と比べると有意に高値であった(p<0.001)。 結果を踏まえて著者は、「今回の試験結果は、接種で混合した場合を含む2つのアジュバントを用いたインフルエンザワクチン製剤について、インフルエンザパンデミック準備プログラムに有益な免疫原性情報を提供するものである」とまとめている。

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夜間高血圧とRAの疾患活動性は関連があるか

 夜間高血圧と関節リウマチ(RA)の全身性炎症はともに独立した心血管疾患の予測因子であるが、夜間高血圧と関節リウマチの疾患活動性にどんな関連があるのかは、ほとんど知られていない。 そこで、大阪市立大学の濱本 佳恵氏らは71例のRA患者に対して24時間自由行動下血圧測定(ABPM)を行い、夜間血圧の下降度合いと関節リウマチの疾患活動性について関連性を調査した。さらに71例のうち、同意が得られた25例について、4週間のリウマチ治療介入後に夜間血圧の下降度合いが改善したかどうか評価するためにABPMを再度行った。 その結果、関節リウマチの疾患活動性が高いほど夜間血圧の下降度合いが小さいことがわかった。 主な結果は以下のとおり。・71例のDAS28-CRPは4.8±1.6、夜間血圧の下降度合いは5.6±8.9%。・DAS28-CRPは夜間血圧の下降度合いと有意かつ独立して逆相関している(標準偏回帰係数β=-0.388、p=0.004)。・25例のDAS28-CRPはリウマチ治療介入後5.4±1.1から3.5±0.8(p<0.0001)と有意に下降した。・夜間収縮期血圧は121.2±22.5mmHgから112.5±18.8mmHg(p=0.02)と有意に下降し、夜間血圧の降下度合いは4.5±9.2%から10.6±5.8%(p=0.002)と有意に上昇した。・日中の血圧とは無関係であることがわかった。

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妊娠初期のSSRI曝露、胎児への影響は

 妊娠初期の選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)曝露と先天性心欠損との関係を示すエビデンスにより、ベネフィットとリスクを慎重に勘案するとの推奨がなされている。妊娠初期のSSRI曝露が、胎児における特定の先天性心欠損(CHD)あるいは先天性奇形(CA)に関連しているか否かを、英国・アルスター大学のAnthony Wemakor氏らが検討した。その結果、妊娠第1期のSSRI曝露はCHD全般と関連しており、とくにファロー四徴症やエプスタイン奇形といった重篤なCHDのほか、肛門・直腸閉鎖/狭窄、腹壁破裂、内反足などのCAとも有意に関連することを報告した。European Journal of Epidemiology誌オンライン版2015年7月7日号の掲載報告。 研究グループは、妊娠第1期のSSRIへの曝露と、それに関連して文献的(指摘)に認められている特定のCHDや他のCAとの関係の特異性を明らかにする検討を行った。1995~2009年の210万例の出産(生児出産、妊娠20週後の胎児死亡、胎児奇形を理由とする妊娠停止を含む)をカバーする12のEUROCAT CA登録において、奇形児の住民ベース症例対照研究を実施した。特異的CHDを有する新生児/胎児(1万2,876例)および非CHDの先天異常を有する新生児/胎児(1万3,024例)を、対照(1万7,083例)と比較した。対照は、文献的にSSRIとの関係がないと判断されたCAとした。 主な結果は以下のとおり。・妊娠第1期のSSRI曝露は、CHD全般と関連していた(レジストリ調整OR:1.41、95%信頼区間[CI]:1.07~1.86、フルオキセチン調整OR:1.43、95%CI:0.85~2.40、パロキセチン調整OR:1.53、95%CI:0.91~2.58)。・また、重篤なCHD(調整OR:1.56、95%CI:1.02~2.39)、特にファロー四徴症(同:3.16、1.52~6.58)およびエプスタイン奇形(同8.23、2.92~23.16)との関連性が認められた。・SSRI曝露との有意な関連は、肛門・直腸閉鎖/狭窄(調整OR:2.46、95%CI:1.06~5.68)、腹壁破裂(同:2.42、1.10~5.29)、腎異形成(同:3.01、1.61~5.61)、内反足(同:2.41、1.59~3.65)においても認められた。・これらのデータは、SSRIが一部の奇形に対し特定の催奇形性を有することを支持するものであった。ただし、本データでは適応症あるいは関連因子による交絡を除外できていなかった。関連医療ニュース 妊娠初期のうつ・不安へどう対処する 抗うつ薬と妊娠中絶との関連は なぜSSRIの投与量は増えてしまうのか  担当者へのご意見箱はこちら

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急速な経年的1秒量低下はCOPD発症の必須要素か?(解説:小林 英夫 氏)-393

 慢性閉塞性肺疾患(COPD)では、1秒量の経年的低下が正常者より急速であるという見解が従来の定説だった。1977年にFletcher氏によって報告され、その後、改変図がさまざまに引用されてきた1)。筆者もFletcher説を学び、厚労省サイトにも掲載されている。今回のLange論文は定説であったFletcher論文に一石を投じたもので、強い印象を与える。COPD発症には、当初からの1秒量(FEV1)低値も重要であって、急速なFEV1減少だけが必須の特性とは限らないと、コペンハーゲン大学 Peter Lange氏らは結論している。 Fletcher 論文を再検討すると、対象が全例「男性」で、年齢30~59歳の1,136例がエントリーされ、792例を8年間観察、25歳時の1秒量を100%として経時的低下をパーセント表示し、解析や算出方法の詳細は記載されていないのである。時代が異なるため、現在の推計学的基準からはいくつか問題点も指摘できよう。 そこで、Lange氏らは、FEV1の低下率が正常範囲であっても、成人早期の呼吸機能が低下していれば、加齢に伴いCOPDを発症する可能性がある、との仮説を前向き検証した。3つの別コホート研究(FOC、CCHS、LSC)のデータを用いたもので、3研究ともに1,000症例以上、また、FOCとCCHSは40歳以下の登録者を平均20年以上追跡している。LSCは50歳代の症例を平均5年追跡し、男性が2割しか含まれていないなど、前2者とは対象内容が大きく異なる。 登録開始時の%FEV1を2別化(80%以上、80%未満)し、最終受診時のCOPD有無でも2別化した全4群において、FEV1の経時的低下率を評価した。登録総数は4,397例、半数が喫煙者で最終観察時にも約2割が喫煙中だった。最終受診時のCOPD発症者は495例で、COPDの診断基準は、GOLD (Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disease)スコアで2以上、呼吸機能検査で%1秒量80%未満かつ1秒率70%未満である。また、1秒量低下が年40mL 以上を迅速低下、未満を正常低下と定義している。 主目的である1秒量経時的低下の解析は、FOCとCCHSから算出された。平均観察22年で、40歳以前のFEV1が予測値の80%未満であった657例中174例(26%)がCOPDを発症し、80%以上であった2,207例からのCOPD発症158例(7%)であり、“成人早期”のFEV1低値集団で発症が多かった(p<0.001)。COPD発症332例中、登録時1秒量正常の158例は、その後平均53±21mL/年で急速に1秒量が低下した。登録時1秒量低値174例は、喫煙曝露は同程度であったにもかかわらず、その後のFEV1低下は平均27±18mL/年で、FEV1正常集団よりも緩徐であった(p<0.001)。これらの結果に基づきLange氏らは、COPDの約半数はFEV1の低下速度が正常かつ成人早期のFEV1が低値であるので、FEV1の急速低下がCOPD発症の必須特性ではないと示唆された、と結論した。 本論文は、COPD発症には1秒量の「低下速度」と「初期値」の2要素が関係しており、COPD発症は単一機序によるものではないことを提示している。下の図はFletcher論文の図にLange論文の結果を追加したものである。 彼らの結果には類似論文が存在し、重篤なCOPD患者においてFEV1がばらつくことや、経年低下が予想より小さい場合があることが報告されている。本論文は症例数や追跡期間などは秀逸だが、3つの研究を検討しているのに2つだけを対象とした解析、対象母数が一定しない、“成人早期”と和訳した対象に20歳代を含まないなどの問題がある。また、1秒量40mL/年以上の低下を迅速と定義しているが、絶対的基準かどうかなど検討の余地はあるが、20歳代からの呼吸機能追跡が加わりlead-timeバイアスが解消されれば、新たな定説となりうるのではないだろうか。

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