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糖尿病性腎症に合併する高K血症、patiromerが有効/JAMA

 糖尿病性腎症で高カリウム血症の合併がありRAAS阻害薬を服用している患者に対し、patiromerを4.2~16.8g、1日2回投与することで、血中カリウム値は有意に低下し、52週にわたり維持されたことが報告された。米国・シカゴ大学のGeorge L. Bakris氏らが、306例の患者を対象に行った、patiromerの用量範囲探索、無作為化非盲検第II相試験「AMETHYST-DN」の結果、報告した。JAMA誌2015年7月14日号で発表した。軽度/中程度群ごとに3通りの投与量について、4週間後の変化を比較 試験は2011年6月~2013年6月にかけて、ヨーロッパ48ヵ所の医療機関を通じて、2型糖尿病患者306例を対象に行われた。被験者のeGFRは15~60mL/分/1.73m2で、血中カリウム値は5.0mEq/L超であり、治験開始前からRAAS阻害薬を服用していた。 ベースライン時の血中カリウム値に応じて、被験者を軽度または中程度高カリウム血症に分類。patiromerの投与量について各群の被験者を無作為に3群に分け、軽度群では4.2g、8.4g、12.6gを、中程度群では8.4g、12.6g、16.8gを、いずれも1日2回投与した。 主要有効性エンドポイントは、ベースラインから4週時(または初回patiromer滴定)の平均血中カリウム値の変化だった。また副次有効性エンドポイントは、52週間の平均血中カリウム値の変化などとした。主要安全性エンドポイントは、52週間の有害事象であった。いずれの投与量でも血中カリウム値が有意に低下 結果、主要エンドポイントの平均血中カリウム値(最小二乗平均減少幅)は、軽度群の4.2g群が0.35(95%信頼区間[CI]:0.22~0.48)mEq/L、8.4g群が0.51(0.38~0.64)mEq/L、12.6g群が0.55(0.42~0.68)mEq/Lだった。 中程度群では、8.4g群が0.87(0.60~1.14)mEq/L、12.6g群が0.97(0.70~1.23)mEq/L、16.8g群が0.92(0.67~1.17)mEq/Lだった(ベースライン時からの変化に関するp<0.001)。 4~52週にかけて、毎月の血中カリウム値の有意な低下は維持された。 治療に関連する最も多く認められた有害事象は、低マグネシウム血症(7.2%)、消化管関連では便秘(6.3%)だった。低カリウム血症(<3.5mEq/L)は5.6%だった。

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Ht値と脳卒中・冠動脈疾患リスクは関連する

 ヘマトクリット(Ht)値と循環器疾患(CVD)リスクの関連については、一貫した結果が得られていない。九州大学(現 九州医療センター)の後藤 聖司氏らは、一般的な日本人集団(久山町研究)において、Ht値と脳卒中および冠動脈疾患(CHD)発症との関連性を調査した。その結果、Ht値の増加および減少はどちらもCVDのリスク増加と関連していたが、Ht値の影響はCVDのサブタイプにより異なることが示唆された。Atherosclerosis誌オンライン版2015年7月10日号に掲載。 著者らは、1988年に40歳以上であった地域在住の日本人2,585人を19年間追跡調査した。これらの被験者を、ベースライン時のHt値の男女別の四分位数に応じて4群に分類した。 主な結果は以下のとおり。・追跡期間中、301例(虚血性:210例、出血性:91例)が脳卒中を発症し、187例がCHDを発症した。・虚血性脳卒中のリスクは、Ht値の最低四分位(Q1:男性44.7%以下、女性39.3%以下)および最高四分位(Q4:男性49.7%以上、女性43.8%以上)の両方で、基準とした第3四分位(Q3:男性47.1~49.6%、女性41.7~43.7%)より高かった。なお、多変量補正ハザード比(95%信頼区間)は、Q1が1.55(0.99~2.43)、Q2が1.44(0.93~2.23)、Q3が1.00、Q4が1.62(1.06~2.50)であった(傾向のp=0.86)。・Ht値と出血性脳卒中のリスクは線形の逆相関を示した(Q1:1.91[1.03~3.54]、Q2:1.26[0.68~2.34]、Q3:1.00、Q4:0.81[0.41~1.61]、傾向のp=0.009)。・CHDのリスクはQ4で大幅に増加した(Q1:1.13[0.71~1.80]、Q2:1.08[0.69~1.71]、Q3:1.00、Q4:1.60[1.04~2.46]、傾向のp=0.13)。

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抗精神病薬の治療域、若年者と高齢者の差はどの程度か

 高齢統合失調症(LLS)患者は抗精神病薬による有害反応の影響を受けやすく、治療ガイドラインでは抗精神病薬の低用量を推奨している。しかし、LLS患者における最適な投与量、それに関連するD2/3R占有率については研究がほとんど進んでいなかった。カナダ・Centre for Addiction and Mental HealthのGraff-Guerrero A氏らは、LLS患者における抗精神病薬減量後のドパミンD2/3受容体(D2/3R)占有率の変化と臨床効果、血中プロラクチンおよび抗精神病薬濃度などを評価した。その結果、臨床的安定と関連するD2/3R占有率の最低値は50%で、D2/3R占有率が60%を超えると錐体外路症状(EPS)が起こりやすいことを明らかにした。JAMA Psychiatry誌オンライン版2015年7月1日号の掲載報告。 研究グループは、LLS患者において抗精神病薬を減量した際の線条体ドパミンD2/3受容体占有率への影響、臨床的特徴、血中薬物動態の評価を目的に、非盲検単群前向き試験を行った。対象は大学附属の3次医療センターの外来診療患者で、追跡期間は3~6ヵ月(2007年1月10日~2013年10月21日)とした。被験者は臨床的安定が保たれているLLSの外来患者35例(年齢50歳以上で、オランザピンあるいはリスペリドンの単剤療法を6~12ヵ月間同量投与)で、追跡は2013年10月21日に完了し、2014年10月22日~2015年2月2日に解析を行った。 ベースライン時から最大40%漸減し、減量前後(減量後は最低3ヵ月経過)にC11標識ラクロプライドを用いたPET画像診断、臨床効果の測定、血中薬物動態測定を実施した。主要評価項目は、抗精神病薬による線条体ドパミンD2/3Rの占有率、臨床効果(陽性・陰性症状評価尺度、簡易精神症状評価尺度、Targeted Inventory on Problems in Schizophrenia、Simpson-Angus Scale、Barnesの薬原性アカシジア評価尺度、Udvalg for Kliniske Undersogelser Side Effect Rating Scale)、血中薬物動態(プロラクチンおよび抗精神病薬の血中濃度)を評価した。 主な結果は以下のとおり。・減量後、全サンプルのドパミンD2/3R占有率は、平均6.2(SD 8.2)%減少した(70[12]%から64 [12]%へ、p<0.001)。・臨床的安定と関連するD2/3R占有率の最低値は50%であった。・D2/3R占有率が60%を超えるとEPSが起こりやすかった。・ベースライン時にEPSを認めた例の90.5%(21例中19例)、減量後にEPSを認めた例の76.9%(13例中10例)で、線条D2/3R占有率が60%を超えていた。・臨床的悪化を認める患者(5例)は臨床的安定を維持している患者( 29例)に比べ、ベースライン時のD2/3R占有率が低かった(58[15]% vs.72[10]%、p=0 .03)。・減量後、Targeted Inventory on Problems in Schizophreniaのスコアが上昇し(p=0.046)、陽性・陰性症状評価尺度(p=0.02)、簡易精神症状評価尺度(p=0.03)、Simpson-Angus Scale(p<0.001)、Barnesの薬原性アカシジア評価尺度(p=0.03)、Udvalg for Kliniske Undersogelser Side Effect Rating Scale(p<0.001)のスコア、プロラクチン(p<0.001)、抗精神病薬の血中濃度(オランザピン:p<0 .001、リスペリドン+metabolite 9-hydroxyrisperidone:p=0.02)のすべてにおいて低下を認めた。  結果を踏まえて、著者らは「LLS患者の抗精神病薬の治療域は50~60%であり、これまでに報告されていた若年者の65~80%よりも低いことが示された」と述べている。関連医療ニュース 抗精神病薬の単剤化は望ましいが、難しい 高齢統合失調症、遅発性ジスキネジアのリスク低 統合失調症のD2/3占有率治療域、高齢者は若年者よりも低値:慶應義塾大学  担当者へのご意見箱はこちら

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第1回 英語プレゼンに必要なチカラとは?

英語プレゼンはなぜ重要か?画像を拡大する研究成果を世界に発信するなら論文を書けばいいと思うかもしれない。確かに論文発表は重要だが、どこの誰か顔の見えない論文発表では説得力が半減する。学会発表の持つライブでの迫力、「コイツがこの研究をしているのか!」とface-to-faceでワカラセル力は、プレゼンテーションならではである(ミュージシャンのライブに行くのと、CDを聴くのとでは全然違うのと同じ。そもそも違うのだ)。だから、まず、いい研究を世界で認めてもらうには、いい論文と同時に、いい英語プレゼンが重要だとわかってほしい。英語に惑わされるな!では、「よい英語プレゼン」とはなんだろう? 上手な英語で発表すること? これは日本人が最も勘違いするポイントであり、英語プレゼンコンプレックスの源でもある。英語(英会話)が上手な人なら、世界に何億人もいる。われわれはそのone of themになることを求めているのではない。「英会話力≠英語プレゼン力」だと認識しよう。英語プレゼンであなたが本当にやらなければならないことは?画像を拡大するでは、本当の英語プレゼン力とは何か?それはメッセージを伝えられる力。そして、あなたがやらなければならないことは、上手に「英語プレゼン」をこなすことではなく、英語のプレゼンを道具として使い、あなたのイイタイコト、熱いメッセージを最大限効果的に相手に伝えることなのだ。私の目標は、それに必要な技術と勉強法を皆さんにお伝えすることである。次回は、英語プレゼンで最も重要な「メッセージ」を伝えるための極意、『魔法の7行ルール』を中心に解説する予定です。講師紹介

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CVD予防のためのスタチン開始基準、費用対効果を検証/JAMA

 2013年11月、米国心臓病学会(ACC)と米国心臓協会(AHA)は、脂質異常症におけるスタチン治療の新ガイドラインを発表した。米国・ハーバード公衆衛生大学院のAnkur Pandya氏らは、心血管疾患(CVD)の1次予防における本ガイドラインの費用対効果プロフィールの検証を行った。新ガイドラインでは、LDLコレステロールの目標値を設定せず、動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)の10年リスク(≧7.5%)をスタチン治療導入の指標としているが、リスク判定に使用されるPooled Cohort Equationsは過大評価を引き起こす可能性があるため、実臨床で閾値の幅を広げた場合などに、不要な治療による甚大なコスト増大やスタチン誘発性糖尿病のリスク上昇の懸念があるという。JAMA誌2015年7月14日号掲載の報告。マイクロシミュレーション・モデルでQALYの増分コストを評価 研究グループは、米国人における10年ASCVDリスクの至適な閾値を確立するために、ACC/AHAガイドラインの費用対効果分析を行った(米国国立心肺血液研究所[NHLBI]の助成による)。ガイドラインの他の要素は、一切変更しないこととした。 仮想的な100万人の成人(40~75歳)の生涯健康アウトカムおよびCVD関連コストを予測するマイクロシミュレーション・モデルを開発した。モデルのパラメータのデータソースには、国民健康栄養調査(NHANES)、スタチンのベネフィットや治療に関する臨床試験およびメタ解析などが含まれた。 これらを用いて、ASCVDイベント(致死的/非致死的な心筋梗塞、狭心症、心停止、脳卒中)の予防効果および質調整生存年(QALY)の増分コストを算出した。費用対効果は許容範囲内、リスク閾値を広げても基準満たす ACC/AHAガイドラインの推奨閾値である10年ASCVDリスク≧7.5%では、成人の48%でスタチン治療が適切と判定され、10年ASCVDリスク≧10%と比較した1QALY当たりの増分費用対効果比(ICER)は3万7,000ドルであった。これは、一般に使用される費用対効果の閾値である5~10万ドル/QALYを下回っていた。 リスクの閾値をさらに緩めると、10年ASCVDリスク≧4.0%(成人の61%でスタチン治療が適切と判定)のICERは8万1,000ドル/QALY、≧3.0%(同67%)のICERは14万ドル/QALYであり、それぞれの費用対効果の閾値である10万ドル/QALYおよび15万ドル/QALYを満たしていた。 40~75歳の成人1億1,540万人において、10年ASCVDリスクの閾値を≧7.5%から≧3.0%へ転換すると、さらに16万1,560件のCVDイベントが回避されると推算された。また、これらの費用対効果の結果は、スタチンの毎日の服薬、価格、スタチン誘発性糖尿病のリスクに関連した効用値の損失(disutility)の変化に対し感受性を示した。 確率論的感度分析では、10年ASCVDリスクの至適な閾値が≦7.5%となる確率は、費用対効果の閾値が一般的に使用される10万ドル/QALYの場合は99%以上であり、5万ドル/QALYでは86%以上であった。また、費用対効果の閾値が10万ドル/QALYの場合に、10年ASCVDリスクの至適な閾値が≦5.0%となる確率は93%以上であった。 著者は、「ACC/AHAコレステロール治療ガイドラインで推奨されているスタチン治療導入の閾値である10年ASCVDリスク≧7.5%の費用対効果プロフィール(ICER:3万7,000ドル/QALY)は許容範囲内であったが、これを≧4.0%、≧3.0%に緩めても、費用対効果の閾値はそれぞれの基準値である10万ドル/QALYおよび15万ドル/QALYを満たし、毎日の服薬に関する患者の好みや価格の変動、糖尿病のリスクに感受性を示した」とまとめている。

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喘息の最新治療~気管支サーモプラスティ

 2015年7月から、気管支喘息を外科的に治療するという国内初の医療機器「アレア気管支サーモプラスティシステム」が販売開始となった。これを受けて、2015年7月16日、都内にてメディアセミナー(主催:ボストン・サイエンティフィック ジャパン株式会社)が開催された。 これまで、喘息治療は吸入薬や内服薬などによる薬物治療が主体であった。しかし、吸入薬を使用する際の手技の差や、呼気量が低下しすぎて薬を吸うことすらできない患者の存在、薬を定期的に使用していても発作をコントロールできない場合があるなどの課題があった。さらに、発作が起きない状態が続くと薬物の使用を自己中断してしまうこともあるという患者のアドヒアランスの悪さも問題となっていた。これらの課題を解決する方法として、気管支サーモプラスティが注目されている。喘息の外科的治療・気管支サーモプラスティとは 「気管支サーモプラスティ(BT)」は、気管支鏡を用いた治療法である。気管支鏡に電極付きのカテーテルを挿入し、高周波電流にて65℃で10秒間気管支壁を温めることで、喘息の原因となる肥厚した気道平滑筋の量を健常人に近付け、気管支の収縮を抑制し、発作を起きにくくする。 治療は気管支を3つのブロックに分けて行われ、それぞれ約3週間空けて実施される。所要時間は1回あたり約1時間で、1~2泊の短期入院で行われる。BT施行後は、治療前と同じ喘息治療薬を継続するが、症状によっては減量を考慮することもできるという。 なお、本治療の適応は18歳以上の高用量吸入ステロイドおよび長時間作用型β2刺激薬で喘息症状が抑制できない患者である。BTが注目されている理由 BTは気管支をつまんだり焼いたりすることがない、非侵襲的な治療法である。 気管支平滑筋に直接作用するため、吸入薬の手技に問題がある、肺活量が落ちて吸入薬が吸えない、アドヒアランスに問題があるなど喘息患者の抱えるさまざまな問題を解決する可能性がある。 また、気管支鏡を応用した手技であるため、気管支鏡を実施している施設であれば比較的容易に施行できることも魅力の1つである。 さらに、3回という少ない回数の治療で効果が5年間継続することがわかっている。臨床試験において、喘息で救急外来を受診した患者は、BT施行前1年間と比較して、施行後は78%も減少していた(5年間の平均)。BTの注意すべき点 BTは施行直後1日以内に呼吸症状の一時的な悪化がみられることが多いという。しかし、適切な処置で通常1週間以内に症状は消失するため、施行後の慎重な観察が必須である。 なお、術中に発作の可能性がある体調不良の患者には施行できない。演者の太田 健氏(国立病院機構東京病院 院長)は、「術前の問診によるBT施行可否の判断と、あらかじめ患者の症状を安定させる薬を飲ませておくことで、術中の発作を予防しておくことが重要である。当院でBTを行った2症例は、術前3日間と術後2日間の経口副腎皮質ステロイド投与で問題なく施行できた」と語った。 さらに、演者の東田 有智氏(近畿大学医学部 呼吸器・アレルギー内科 教授)は、喘息患者は気管支が敏感になっているため、気管支鏡を入れること自体がリスクであることを指摘した。そのうえで、「BT前後に副腎皮質ステロイドなど喘息症状を抑える薬を投与することで、リスクを抑制できる」と前投薬の重要性を繰り返し強調した。BTに望まれること BTを安全かつ効果的に実施するためには、治療時の前投薬の服用や治療後に今までの喘息治療薬を継続することなど患者に対する各種指導をしっかりと行っていくことが重要となってくる。 さらに、本治療法は欧米で2000年ごろから研究・臨床試験が開始され、2011年から一般的な治療となった新しい選択肢である。日本では本年4月から保険適用となったため、治療経験はまだ少ない。そのため、専門医が治療データを収集し、BT治療後も含めた喘息管理を行っていくことが望まれる。 BTの施行で従来の喘息治療薬を用いてもコントロール不能な患者、あるいはアレルギーや副作用などの理由で薬物を使用できなかった患者の症状を緩和できる可能性がある。BTの普及は、治療に難渋していた喘息患者にとって新たな治療の選択肢となりうると大いに期待されている。

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レーザー虹彩切開術後のプラトー虹彩、日本人では約20%

 長崎県・溝口眼科の溝口 尚則氏は、日本人の原発閉塞隅角症(PAC)および原発閉塞隅角緑内障(PACG)患者におけるプラトー虹彩の有病率、ならびにプラトー虹彩を有する患者の生体パラメーターを明らかにすることを目的として、超音波生体顕微鏡(UBM)を用いて分析する横断的観察研究を行った。その結果、レーザー虹彩切開術(LPI)後のPACおよびPACG患者におけるプラトー虹彩有病率は約20%であること、一方でプラトー虹彩の有無で前眼部に形態学的な違いは認められなかったことなどを報告した。Clinical Ophthalmology誌オンライン版2015年6月29日号の掲載報告。 PACおよびPACG有病率はアジア人で有意に高いことが知られ、LPIは第1選択の治療である。しかし、アジア人対象の報告で、LPIのみでは眼圧上昇を抑制できなかったことが報告されており、術後のプラトー虹彩を伴う虹彩と隅角の接触は隅角閉塞進行の原因の1つであることが示唆されていた。 また、LPI後のプラトー虹彩有病率について、シンガポールからは30%、中国からは60%とするなどの報告がこれまでに寄せられており、研究グループは本邦における状況を明らかにし、患者を見分ける特性を明らかにする検討を行った。 対象は、過去に単眼にLPIを受けたことのある50歳以上の91眼(PAC 58例、PACG 33例)であった(平均年齢:73.5±6.2歳)。 UBM検査を施行し、1象限に毛様体の前方回旋、毛様溝の消失、急峻化した虹彩根部、平坦な虹彩、虹彩と隅角の接触が認められた場合にプラトー虹彩と診断し、これらの基準を2象限以上認めたプラトー虹彩症例をプラトー虹彩あり群とした。また、超音波Aモードにより前眼部の前房深度、水晶体厚、眼軸長などを測定した。 主な結果は以下のとおり。・UBMの判定基準に基づくプラトー虹彩あり群は、91眼中16眼(17.6%)であった。・16眼中、プラトー虹彩を認めたのが2象限であった症例は10眼(62.5%)、3象限が4眼(25%)、4象限が2眼(12.5%)であった。・プラトー虹彩あり群とプラトー虹彩なし群とで前房深度、水晶体厚、眼軸長、水晶体の位置などに統計学的な有意差はみられなかった。

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欧州委員会、新コレステロール低下薬evolocumab(PCSK9阻害剤)承認

 アムジェン社は2015年7月21日、欧州委員会(EC)が、低比重リポ蛋白コレステロール(LDL-C)の低下を必要とするコレステロールコントロール不良患者の治療薬として、プロタンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン9型(PCSK9)阻害剤、evolocumabの販売を承認したと発表した。 ECが承認した、evolocumabの治療対象は以下。■成人の原発性高コレステロール血症(家族性高コレステロール血症ヘテロ接合体[HeFH]と非家族性高コレステロール血症)または混合型脂質異常症患者に対して行う治療として、食事療法に加え: ●スタチンの最大内服可能用量を投与してもLDL-C管理目標値に到達しない患者に対し、スタチン、もしくはその他の脂質低下療法と併用 ●スタチンに対する忍容性不良、もしくはスタチンが禁忌の患者に対し、単独、もしくは他の脂質低下療法と併用■成人あるいは12歳以上の家族性高コレステロール血症ホモ接合体(HoFH)患者に対し、他の脂質低下療法と併せて行う治療 欧州ではハイリスク患者の60%以上が、スタチンをはじめ現在承認されている脂質低下薬を用いても、依然としてLDL-C値を十分に低下できていない状況である。とくに、リスクが高い患者においては、その比率は80%以上にまで上昇する。 evolocumabは、プロタンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン9型(PCSK9)を阻害するヒトモノクローナル抗体。PCSK9は、LDL-Cを血中から取り除く肝臓の働きを低下させる。evolocumabは、PCSK9が肝細胞表面のLDL受容体と結合することを阻害することで効果を発揮する。10件の第III相試験のデータから、高コレステロール患者4,500人以上を含む約6,000人の原発性脂質異常症患者および混合型脂質異常症患者において、evolocumabにより一貫したLDL-C値の低下が示された。各試験では、evolocumab投与によりLDL-Cはプラセボと比較して約55~75%の有意に低下が認められている。FHホモ接合体患者では、evolocumabの投与によりプラセボと比較してLDL-Cに約15~30%の有意な低下が認められた。有害事象プロファイルは、全体的に対照群と同等であったが、evolocumab群の2%以上に発現、もしくは対照群と比較して発現頻度の高かった有害事象は、鼻咽頭炎、上気道感染症、背部痛、関節痛、インフルエンザおよび悪心であった。アムジェン社のプレスリリースはこちら。

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抗精神病薬誘発性高プロラクチン血症、乳がんリスクとの関連は

 最近のメタ解析で、統合失調症女性患者では一般集団と比べ乳がんが多いことが示され(エフェクトサイズ=1.25、p<0.05)、実験および疫学データの蓄積により、乳がん発症におけるプロラクチン(PRL)の影響について、研究者らに注意が促されていた。ベルギーのルーヴェン・カトリック大学精神科医療センターのM. De Hert氏らは、統合失調症女性患者における抗精神病薬誘発性の高プロラクチン血症(HPRL)と、乳がんリスクとの関連について批判的レビューを行った。その結果、プロラクチンが乳がんの発症に関連するという明確なエビデンスは示されなかったことを報告した。Acta Psychiatrica Scandinavica誌オンライン版2015年6月26日号の掲載報告。プロラクチン以外の乳がんリスクファクターが個々の症例により大きく関連している可能性 検討は、MEDLINE データベースを用い、英語で公表された臨床試験について文献検索(1950年から2015年1月まで)を行い、統合失調症女性における乳がんリスク(ファクター)と、HPRLおよび抗精神病薬治療との関連に関わる現在の認識に関するデータを特定、統合した。 高プロラクチン血症と乳がんリスクとの関連についてレビューした主な結果は以下のとおり。・乳がん発症におけるプロラクチンの関与を支持するエビデンスが増えているが、ヒトにおけるプロスペクティブ研究の結果は限定的、あいまい、そして相関的(リスク比の範囲、閉経前女性:0.70~1.9、閉経後女性:0.76~2.03)なデータが混在していた。・さらに、局所のオートクリン/パラクリンPRL loopの増幅または過剰発現が腫瘍形成においてより重要なメカニズムであるにもかかわらず、これらの研究では乳房上皮におけるプロラクチンの局所産生が考慮されていなかった。・今のところ、抗精神病薬が乳房悪性腫瘍および死亡リスクを増加させうるという決定的なエビデンスについても得られていない。・未経産、肥満、糖尿病および不健康な生活習慣(アルコール依存、喫煙、低い身体活動性)といったプロラクチン以外の乳がんリスクファクターが、統合失調症女性における個々の乳がん症例により大きく関連している可能性があった。関連医療ニュース プロラクチン上昇リスクの低い第二世代抗精神病薬はどれか 抗精神病薬による高プロラクチン血症に関するレビュー 統合失調症の自殺にプロラクチンは関連するのか

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マイクロシミュレーションモデルを用いた大腸腺腫検出率と大腸がん検診の解析(解説:上村 直実 氏)-389

 住民検診や企業検診および人間ドックにおいて、使用される検査自体の精度管理は非常に重要である。今回、地域における大腸内視鏡を用いた大腸がん検診では、腺腫検出率(adenoma detection rate:ADR)が高いほど、生涯にわたる大腸がんの発症や大腸がん死亡のリスクが抑制されるとともに、費用対効果にも優れていることがオランダから報告された。 この研究では、大腸がん検診における内視鏡検査の質に対する評価指標とされるADRを、5群に分類して比較検討した結果、内視鏡術者によってはADRに3倍以上のばらつきがみられた。最もADRが低い内視鏡術者は、最もADRが高い術者に比べて、10年以内の大腸がんの発症リスクが約50%、大腸がん死亡のリスクが約60%上昇するとされている。しかし一方では、ADRが高すぎると低リスクの小さなポリープが多く発見され、追加の検査や治療が増加して、患者にとっての合併症のリスクやコスト高などの不利益が、ベネフィットを上回る可能性も示唆されている。 わが国の診療現場においても、大腸内視鏡検査の精度は施設間や術者間の格差が非常に大きいことは経験上明らかである。今後、このような内視鏡診療技術を用いた臨床研究を解析する場合、上記のバイアスの補正をどのように行うかも課題となる。一方、わが国では新たな専門医制度の認定方法が注目されているが、内視鏡や超音波検査などの診療技術に関して、臨床的に満足できる診療精度が担保される専門医ないしは技術認定医を育成するシステムが必要であるものと思われた。

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事例63 院外処方せん(有効期限切れ再発行)の査定【斬らレセプト】

解説事例では、高血圧症患者の院外処方せんが、事由D(告示・通知の算定要件に合致していないと認められるもの)を理由に査定となった。病名に対して薬剤の適用はあり、投与日数は1ヵ月内に合計112日分が処方されている。「日数の過剰での査定であれば、事由B(過剰)であるが、なぜか」と問い合わせがあった。確認したところ、審査支払機関から「薬局で調剤されたのが、1処方せん56日分しかないため再発行していないか」と確認があったことが分かった。計算担当者は、カルテに「期限切れ再発行」と記載があったために、そのとおり返事をしていた。「有効期限切れの再発行は、患者の事情であるため保険適用できない」と査定となったものである。院外処方せんの期限は、発行の日を含めて4日間とされており、その日数には日曜や祝祭日が含まれる。よくある患者の勘違いであるが、診療報酬点数表の第5部 投薬通則8には、「天災地変の他やむを得ない場合を除き、保険医が薬剤を再交付した場合は、この薬剤の費用は、被保険者の負担とする」とある。よって、算定要件に合致しないとして事由Dが適用されたのであろう。これは、院外処方せんにも適用され、再発行費用は患者の自費となる。負担のトラブルを防ぐために、前もって院内にその旨の掲示を行っておくことが必要である。

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幅の狭い縫合法が瘢痕ヘルニア予防に有効/Lancet

 正中開腹手術時の切開部の縫合では、創縁から縫合針の刺入部までの幅を狭くしたsmall bite法による連続縫合が、従来の縫合幅の広いlarge bite法よりも、瘢痕ヘルニアの予防に有効であることが、オランダ・エラスムス大学医療センターのEva B Deerenberg氏らが実施したSTITCH試験で示された。正中開腹手術の合併症として、切開部の瘢痕ヘルニアが患者の10~23%にみられ、特定のリスクを有する場合は38%に上るとされる。モノフィラメント縫合糸による連続縫合が、結節縫合に比べ瘢痕ヘルニアの発症を抑制することがメタ解析で示されているが、縫合幅については、スウェーデンの単施設での無作為化試験が1件あるのみで、small bite法による連続縫合で瘢痕ヘルニアが少なかったと報告されている。Lancet誌オンライン版2015年7月15日号掲載の報告。待機的手術560例で瘢痕ヘルニアの発症を評価 STITCH試験は、正中開腹手術切開部の筋膜閉鎖におけるsmall bite法の有用性を、従来のlarge bite法と比較する多施設共同二重盲検無作為化対照比較試験。対象は、年齢18歳以上の待機的手術が予定されている患者であった。 被験者は、31mm縫合針にて縫合幅(創縁から左右の刺入部までの距離)5mm、縫合間隔(刺入部から次の同側刺入部までの距離)5mmで連続縫合を行う群(small bite群)または48mm縫合針にて縫合幅1cm、縫合間隔1cmで連続縫合を施行する群(large bite群)に無作為に割り付けられた。主要評価項目は、瘢痕ヘルニアの発症であった。 2009年10月20日~2012年3月12日の間に、オランダの10施設に560例が登録され、small bite群に276例(年齢中央値62歳、女性50%)、large bite群には284例(63歳、51%)が割り付けられた。フォローアップは2013年8月30日まで行われ、545例(97%、268例、277例)が解析の対象となった。1年瘢痕ヘルニア発症率:13 vs. 21%、有害事象や疼痛は増加せず 手術の種類は、婦人科がsmall bite群15%、large bite群14%、上部消化管がそれぞれ27%、31%、下部消化管が51%、47%、血管が8%、7%であった。 平均切開長は両群とも22±5cmであった。縫い目の数はsmall bite群が45±12ヵ所、large bite群は25±10ヵ所(p<0.0001)、総縫合糸長はそれぞれ110±39cm、95±34cm(p<0.0001)であり、縫合糸長対切開長比は5.0±1.5、4.3±1.4(p<0.0001)、筋膜閉鎖に要した時間は14±6分、10±4分(p<0.0001)だった。 1年時の瘢痕ヘルニアの発症率は、small bite群が13%(35/268例)であり、large bite群の21%(57/277例)に比べ有意に低値であった(p=0.0220)(補正オッズ比[OR]:0.52、95%信頼区間[CI]:0.31~0.87、p=0.0131)。 術後合併症の発症率は両群とも45%であった。イレウス(small bite群:10%、large bite群:12%)、肺炎(13%、14%)、心イベント(9%、11%)、手術部位感染(21%、24%)の発症率に差はなく、重篤な有害事象である創離開(1%、1%)は少なく、入院期間(15±35日、14±24日)もほぼ同等であった。 また、両群間に疼痛スコア(視覚アナログスケール)の差はなく、1年時のQOL(SF-36、EQ-5D)もほぼ同等であった。一方、瘢痕ヘルニア発症例は非発症例に比べ、1年時のSF-36の全体的健康感スコアが有意に低く(p=0.0326)、EQ-5Dの「移動」に関する問題が有意に多かった(p=0.0318)。 著者は、「small bite法は、正中開腹手術における瘢痕ヘルニアの予防において従来のlarge bite法よりも有効で、疼痛や有害事象は増加しなかった」とまとめ、「これらの知見は、既報の唯一の無作為化試験とともに、small bite連続縫合による正中開腹手術の縫合法を支持するエビデンスであり、small bite法は標準的な縫合法と考えられる」と指摘している。

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アトピーに伴う網膜剥離、近年は減少傾向に

 アトピー性皮膚炎(AD)の眼合併症には眼瞼炎、角結膜炎、円錐角膜、虹彩炎、白内障、網膜剥離などがあるが、なかでも網膜剥離は若年者に及ぼす影響が大きい。三重大学の佐宗 幹夫氏らは過去20年におけるAD合併網膜剥離について調査した。その結果、最近10年間でAD合併網膜剥離の患者数は顕著に減少していることを明らかにした。著者は「ADに伴う網膜剥離を予防するためには皮膚炎の管理が重要であることが示唆される」とまとめている。Clinical Ophthalmology誌オンライン版2015年6月23日号の掲載報告。 研究グループは、AD合併網膜剥離の患者数や特徴などを検討することを目的として、1992~2011年の間に三重大学病院で網膜剥離手術を行った連続1,533例(AD合併網膜剥離手術例101例を含む)についてレトロスペクティブに分析した。また、1993年~2011年(1998年を除く)における同院皮膚科の初診AD患者のカルテも調査した。 AD合併網膜剥離患者は、1992~2001年の症例を旧AD群(63例)、2002~2011年の症例を新AD群(38例)とした。主な結果は以下のとおり。・両側網膜剥離の割合は、旧AD群(14/63例)が新AD群(0/38例)より有意に高率であった(p=0.0002)。・新AD群の患者は、旧AD群より有意に年齢が高かった(p=0.0084)。・非AD網膜剥離患者の年間患者は20年間ほぼ変わらなかった。・全網膜剥離患者におけるAD合併網膜剥離患者の割合は、新AD群(38/847例)が旧AD群(63/796例)より有意に低かった(p=0.0038)。・初診AD患者数は、1993年153例から2011年65例へ、19年間でほぼ直線的に減少していた。

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C型肝炎治療が一変、時代は内服療法へ

 2015年7月14日、東京都中央区でギリアド・サイエンシズ株式会社(以下、ギリアド)の主催により、「国内のC型肝炎の70~80%を占める“ジェノタイプ1型”治療のこれから」をテーマに、C型慢性肝炎プレスセミナーが開催された。冒頭では、代表取締役社長 折原 祐治氏により同社の会社紹介が行われた。ギリアドについて ギリアドは、開発当初から患者さんの服薬アドヒアランスを考え、STR(single tablet resume)により、可能な限り1日1回1錠の薬剤を開発している。この特徴に加えて、アクセス・プログラム(薬剤の特許期間中、低所得国の患者さんであっても1日でも早く治療を開始してもらうためのギリアド・サイエンシズ独特のプログラム)を実施し、世界中の「治したい」に応えている点も特徴的である。 折原氏は、「C型肝炎だけではなく、今後はB型肝炎にも注力し、さらに並行してオンコロジー領域の新薬開発に取り組む」と今後の展望を述べた。インターフェロンフリー時代の展望 次に、溝上 雅史氏(国立研究開発法人 国立国際医療研究センター 国府台病院 内科系統括部長、肝炎・免疫研究センター長)より「ジェノタイプ1型のC型慢性肝炎における最新治療~インターフェロンフリー時代の展望~」と題した講演が行われた。 わが国において肝がんは、男性、女性ともに部位別がん死亡数の上位を占め1)、予後不良な疾患といわれている。肝がんの発症原因は、約7割がC型肝炎ウイルス(HCV)の感染といわれており2)、わが国のHCV感染者は、150~200万人に上ると推測されている。 これまで、C型肝炎治療は、インターフェロンによる治療が一般的だったが、患者の多くが高齢(65~76%が60歳超)で合併症を有していることや、すでに治療経験があることなどから、インターフェロンが使えないケースや効かないケースが増加している。 こうした背景の下、インターフェロンフリーの治療薬発売が続いているが、今月3日、新たにジェノタイプ 1 型 C型慢性肝炎治療薬「ハーボニー配合錠」(以下、ハーボニー、一般名:レジパスビル・ソホスブビル配合錠)が、製造販売承認を取得した。ハーボニーは、1)1日1回1錠、12週間の経口投与で治療を完了する抗ウイルス剤、2)SVR12率は100%を達成、3)治療歴、代償性肝硬変の有無、年齢および投与前のNS5A耐性変異の有無にかかわらず、SVR12率は100%、4)HCV RNA合成を直接阻害する世界初の核酸型NS5Bポリメラーゼ阻害剤ソホスブビルとNS5A阻害剤レジパスビルの配合剤、5)良好な安全性と忍容性、などの特性がある。溝上氏は、「これまでHCV治療薬の課題とされている点をクリアする驚くべき薬剤」と驚嘆する。一方、「しっかり服用すれば効果が期待できる薬剤だが、中途半端な服用では、十分な効果が得られない。薬局などの力も借りて、患者さんにしっかりと服用してもらう工夫が必要だ」と指摘した。新薬を待つ患者の声 最後に、米澤 敦子氏(特定非営利活動法人 東京肝臓友の会 事務局長)より「患者視点からのC型慢性肝炎におけるアンメットニーズ~東京肝臓友の会の活動について~」と題した講演が行われた。 東京肝臓友の会は、肝臓病の相談や情報提供を行うほか、講演・交流・相談会を通じて肝炎対策の推進などを行う患者の会である。特徴は、相談を受ける東京肝臓友の会の方自身が、B・C型肝炎患者や自己免疫肝疾患などの治療経験者という点である。ここ最近、同社より発売されたソバルディや、ハーボニーの製造販売承認の取得に伴い、相談件数が増えているという。 米澤氏によると、実際の患者さんからの声として、「うつのため、インターフェロン治療が受けられなかったが、私でも新しい治療は受けられるか」などの相談や、「インターフェロン治療は、仕事との両立が難しく、仕事を辞めざるを得ないケースもあったが、今度の新薬はどうか」といった質問が増えてきているという。 米澤氏は、「薬価が高いため、服用できる患者さんが限られてしまったり、治療開始が遅れる、服用が続けられなくなるといった事態が問題だ」と述べた。 ハーボニーの登場により、今までのインターフェロン療法(注射剤、治療期間24週)から、治療期間12週(1日1回)の内服療法が可能になる。これにより患者さんの治療負担が軽減され、またSVR 100%と効果が優れていることから、実際に治療を受ける患者さんおよび医師からも大きな期待が寄せられている。本剤が1日でも早く患者さんの元へ届くことを願ってやまない。参考文献1)国立がん研究センターがん情報サービス2)工藤正俊 ほか. 肝臓. 2010; 51: 460-484.(PDF)

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長期ベンゾジアゼピン使用は認知症発症に影響するか

 これまでの観察研究では、ベンゾジアゼピンの使用と認知症リスク増加との関連が報告されている。しかし、研究方法に限界があり、本当に関連しているかどうかは不明のままである。スイス・バーゼル大学のPatrick Imfeld氏らは、ベンゾジアゼピン使用と認知症発症リスクとの関連を、症例対照分析により検証した。Drug safety誌オンライン版2015年6月30日号の報告。 英国の臨床診療研究データリンク(CPRD)に基づく症例対照分析。1998~2013年にアルツハイマー病(AD)または血管性認知症(VaD)と新たに診断された65歳以上の患者2万6,459例を同定し、年齢、性別、追跡期間、一般診療情報、記録年数を1対1でマッチさせた非認知症者をコントロール群とした。調整オッズ比(aORs)は、以前のベンゾジアゼピン使用(投与期間、種類による層別化)とADまたはVaDの発症との関連について、95%信頼区間(CIs)を用いて算出した。 主な結果は以下のとおり。・AD診断前1年以内にベンゾジアゼピン使用を開始した者におけるAD発症のaORは、2.20(95%CI:1.91~2.53)であったが、診断前2~3年以内に開始した者では、無関係であった(aOR:0.99、95%CI:0.84~1.17)。・VaD診断前1年以内にベンゾジアゼピン使用を開始した者におけるVaD発症のaORは、3.30(95%CI:2.78~3.92)であったが、診断前3~4年以内に開始した者では、ほぼ無関係であった(aOR:1.16、95%CI:0.96~1.40)。・前駆期におけるベンゾジアゼピン使用開始を考慮しても、ベンゾジアゼピンの長期使用は、AD(aOR:0.69、95%CI:0.57~0.85)またはVaD(aOR:1.11、95%CI:0.85~1.45)発症リスク増加との関連は認められなかった。関連医療ニュース メラトニン使用でベンゾジアゼピンを簡単に中止できるのか ベンゾジアゼピン処方、長時間型は大幅に減少 長期抗コリン薬使用、認知症リスク増加が明らかに  担当者へのご意見箱はこちら

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高血圧への肥満の影響、30年で著しく増加

 わが国ではこの数十年にわたって、過体重者(BMI:25.0~29.9)と肥満者(同:30.0以上)の割合が増加している。福島県立医科大学放射線医学県民健康管理センター 永井 雅人氏らは、1980~2010年における4つの全国調査を用い、過体重および肥満の高血圧症への影響の経年動向を調べた結果、その影響は有意に増加したことが示された。過体重者および肥満者が増加しないよう、早急に対処する必要性を示唆している。Hypertension Research誌オンライン版2015年7月16日号に掲載。 著者らは、参加者を全集団から無作為にサンプリングした4つの全国調査を用いて、高血圧症(血圧140/90mmHg以上もしくは降圧薬使用)に対する過体重や肥満の影響の経年動向を調査した。各々の調査に選択された参加者(30~79歳)は、1980年10,370人、1990年8,005人、2000年5,327人、2010年2,547人。 主な結果は以下のとおり。・高血圧症に対する過体重および肥満の影響は有意に増加していた(男性:p=0.040、女性:p=0.006)。・過体重者および肥満者について、正常体重者(BMI:18.5~24.9)と比較した高血圧症のオッズ比(多変量調整後)の変化は、1980年から2010年において、男性では1.94(95%信頼区間:1.64~2.28)から2.82(同:2.07~3.83)、女性では2.37(同:2.05~2.73)から3.48(同:2.57~4.72)へと増加していた。・日本人では肥満者は3%のみであり、ほとんどの関連は過体重者でみられた。・高いBMIが、他の有害な健康状態との関係に加え、高血圧症との関連性が増加していることから、体重コントロールに対する取り組みの緊急性が高まっている。

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100)簡単な運動測定でわかる。あなたに合った運動法【糖尿病患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話 患者最近、体力の低下を感じて……。 医師それなら、簡単な体力チェックをやってみましょうか。 患者はい。よろしくお願いします。 医師それでは、この階段の2段目から片脚で立ち上がってみてもらえますか? 患者……ちょっと、難しいですね。 医師では、1段目から両脚で立ち上がってみてください。 患者これなら簡単にできます。 医師それなら、筋トレや水中運動がお勧めです。どちらが、やりやすいですか? 患者家の近くにプールがないので、筋トレですかね。 医師では、効果的な筋トレの方法について説明しますね。 患者よろしくお願いします。●ポイント簡単にできる体力測定法を紹介し、患者さんに適した運動の種類や強度を患者さんと一緒に探します●資料階段を利用した脚筋力テスト: (1)2段目から片脚で立てる→ウォーキング・自転車こぎ (2)1段目から片脚で立てる→ジョギング・スポーツ (3)2段目から片脚で立てないが、1段目からは両脚で立てる→筋トレ・水中運動 1) 村永信吾. 昭和医学会誌. 2001; 61: 362-367. 2) 星野武彦. DxM. 2014; 5.

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