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わかる統計教室 第2回 リスク比(相対危険度)とオッズ比 セクション4

インデックスページへ戻る第2回 リスク比(相対危険度)とオッズ比セクション4 “後ろ向き研究”で使える手法はオッズ比のみ!セクション1 セクション2 セクション3■コホート研究とケースコントロール研究を知る!前回までの説明で、オッズ比について何となくわかっていただけたと思います。しかし、リスク比のほうが使い勝手が良いように思われた方も多いのではないでしょうか?では、なぜオッズ比が臨床研究で使われるのかというと、それなりにオッズ比の活用法があるからです。代表的な臨床研究として、「コホート研究」と「ケースコントロール(症例対照)研究」がありますが、後者の研究で集めたデータを解析する場合、リスク比は不可、オッズ比は可だといわれています。このことを説明する前に、「コホート研究」と「ケースコントロール研究」とは何かを簡単に説明しておきましょう。臨床研究は「前向き」か「後ろ向き」か、で分けることができ、コホート研究は前向きの研究、ケースコントロール研究は後ろ向きの研究とされています。具体例で説明していきましょう。喫煙の有無と不整脈の有無の関連性を調べたいとします。1)コホート研究不整脈がない人をランダムに400人抽出し、今までに喫煙をしたことがあるかどうかを調査し、その後の2年間において、喫煙の有無別に不整脈が発生したかを追跡調査します。調査開始時点では不整脈は発生しておらず、それから2年後(未来)に不整脈の発生を調べます。このような研究をコホート研究といいます。この研究は2年後の未来へ向かって調べる研究であり、「前向き」の研究といいます。2)ケースコントロール研究不整脈があると診断された200人とランダムに選んだ健常者200人について、過去の喫煙の有無を調査します。すでに不整脈があると診断された人と健常者がいて、その時点から過去にさかのぼって喫煙をしていたかどうかを調べます。このような研究をケースコントロール研究といいます。この研究は過去へ向かって調べる研究であり、「後ろ向き」の研究といいます。この2つの研究の違いを、原因と結果という因果関係からみてみましょう。上記の例では、喫煙の有無が原因変数で不整脈が結果変数です。コホート研究は、未来の結果変数(不整脈の有無)を調べる研究であり、ケースコントロール研究は過去の原因変数(喫煙の有無)を調べる研究となります。それでは、ケースコントロール研究で集めたデータを解析する場合、リスク比は不可、オッズ比は可だということについて説明します。■ケースコントロール研究ではオッズ比が使われる!次の表11のデータを、ケースコントロール研究(後ろ向き研究)で集めたデータということにします。この分割表から、喫煙者が不整脈になるリスクは56%です。この数値から、一般的に喫煙する人が不整脈となるリスクが5割を超えているといってもよいでしょうか?この事例は、ケースコントロール研究で集めたデータという設定です。不整脈があると診断された200人とランダムに選んだ健常人200人について、過去の喫煙の有無を調査したものです。したがって、全対象者における不整脈のリスクは200÷400の50%で、調査対象者のサンプリング(抽出)に依存します。サンプリングに依存しているリスクを用いてリスク比を計算するのは、大きな間違いとなります。ただし、リスク比の値を順位で検討するだけであれば、リスク比を使用しても構いません。しかしながら、この制限の下にリスク比を使うのなら、最初からオッズ比を使えばよいということになります。このような理由から、ケースコントロール研究の場合は、オッズ比を用います。■ロジスティック回帰分析とはケースコントロール研究ではオッズ比を用いることを学習しました。さらにもう1つ、知っておいてもらいたい「ロジスティック回帰分析」について、説明していきます。下の表12をご覧ください。結果に対していくつかの原因が考えられる場合、それぞれの原因が、結果にどの程度影響を及ぼしていると思いますか?一目みただけでは、なかなかわからないですね。このデータでは、結果は「不整脈の有無」、原因は「喫煙」「飲酒」「ギャンブル嗜好」の3つを想定しています。今までの学習を思い出して、少し面倒ですが表13でこのデータの分割表、オッズ比、リスク比を求めてみましょう。では、結果を解釈していきましょう。結果をみるかぎり、不整脈に影響度の最も強いのは喫煙の有無、次にギャンブル嗜好です。飲酒の有無は3番目でした。ギャンブル嗜好のほうが飲酒の有無より影響度が高いのは、何かおかしな気がしませんか?この結果が事実かどうかは、喫煙の有無、ギャンブル嗜好、飲酒の有無のそれぞれの原因の関係をみればわかります。つまり、不整脈という結果に対する原因がいくつか考えられる、ということです。これは「不整脈を説明する変数がいくつかある」ということと同じです。では、原因同士の関係性を調べてみましょう。まず、表14の「原因要因(影響要因)相互の分割表」というものを作成し、リスク比を求めていきます。飲酒の有無と喫煙の有無、ギャンブル嗜好と喫煙の有無、ギャンブル嗜好と飲酒の有無で、原因要因相互の分割表を作ってみます。このように飲酒と喫煙、ギャンブルと喫煙、ギャンブルと飲酒のそれぞれの関係性や影響度合いをみていきます。上の表14 の結果をみて、どのようなことがいえるでしょうか?ギャンブル好きは7人中6人が喫煙者、ギャンブル嫌いは13人中11人が非喫煙者です。リスク比も5.57と高く、両者に強い関係性を感じます。飲酒の有無と喫煙の有無のリスク比は1.40、ギャンブル嗜好と飲酒の有無のリスク比は1.86とそれほど大きな値でなく、関係性は弱いようです。感覚的には、リスク比5.57というと強い関係性があるように思えますが、結論からいえば評価する際の統計学的な基準はありません。言い換えれば、「リスク比が●以上の値だから、強い相関がある」ということはありませんが、リスク比同士を比較して、“強い”“弱い”と評価することはできるということです。では表13と表14を基に、リスク比で、原因2つと結果(不整脈の有無)の関係をみてみましょう。喫煙の有無とギャンブル嗜好を原因にして、表15のように図式化してみます。喫煙するからギャンブルが好きなのか、ギャンブルが好きだから喫煙するのか、因果関係の方向はわかりませんが、両者の関係は強いことはわかります。そして、ギャンブル嗜好と不整脈の関係が強いのは、ギャンブル嗜好が喫煙の有無の影響を受けているからだと考えられます。このため、喫煙の有無の影響を除外したうえで、ギャンブル嗜好と不整脈との関係を調べる必要が出てきます。これを「真の相関関係」といいます。そして、これを解決してくれる解析手法が「ロジスティック回帰」なのです。■原因要因相互の関係で「強い相関はない」⇒ロジスティック回帰分析の必要なし!ロジスティック回帰の計算は複雑なので、残念ながらExcelなどではできません。計算方法は、別の機会にするとして、アイスタットソフトウエア「マルチ多変量」で解いてみましょう。(※ソフトウエアはアイスタット社から1ヵ月間、無料で貸し出します。詳細はこちら)では、「マルチ多変量」で解析した結果を表16に示します。このようにロジスティック回帰を行うと、オッズ比が出力されます。オッズ比から順位が把握できるので、不整脈の原因要因の1位は喫煙の有無で、次に飲酒の有無となります。ギャンブル嗜好は、不整脈にそれほど影響がないことがわかります。つまり、表16の結果と表13の結果が異なるということは、原因要因が多数あるときは、ロジスティック回帰を使わなければいけないということです。原因要因が相互に無関係と解釈できれば、分割表のオッズ比とロジスティック回帰のオッズ比の順位は同じになります。したがって、表14で示した原因要因相互の分析をして強い相関がないことがわかれば、ロジスティック回帰分析をする必要はありません。ここで、表16のp値について説明しておきます。p値が0.05以下であれば、今回のサンプル20人から、何十万人という母集団においても、その原因は不整脈に影響を及ぼすと判断されます。表16は、3要因ともp値は0.05以上なので、母集団においてこれら3要因が原因であるかどうかはわからないということです。オッズ比が14.053とかなり大きいのに、p値は0.05を下回らないのは不思議な感じがしますね。それはサンプルが25人と少ないからでしょう。統計学の解析手法では、少ないサンプルからは有意差判定ができないと判断したのです。ロジスティック回帰について、ここでは「原因要因相互の関係を考慮してオッズ比を算出する解析手法」くらいに理解いただければ、よしとしてください。ところで、分割表から求められたリスク比から、母集団についても「影響がある/ない」といえると思いますか?次回はこの内容について解説していきます。■今回のポイント1)“後ろ向き研究” で使える手法は、オッズ比のみ! リスク比は不可!!2)ケースコントロール研究では、オッズ比が使われる!3)原因要因相互の関係で「強い相関はない」⇒ロジスティック回帰分析の必要なし!インデックスページへ戻る

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軽度認知障害に対するγ-セクレターゼ阻害薬の可能性は

 アルツハイマー病(AD)の早期診断は臨床管理において重要であり、早期段階の患者を臨床試験に組み込むことで、疾患修飾薬の評価を行うことができる。米国・ブリストル・マイヤーズ スクイブ社のVladimir Coric氏らは、軽度認知障害(MCI)期の症候性前認知症期(prodromal AD:PDAD)における、γ-セクレターゼ阻害薬avagacestatの安全性を評価するとともに、脳脊髄液(CSF)バイオマーカーが認知症と臨床診断される前にPDADを特定できるかどうかを検討した。その結果、avagacestatの有効性は認められず、用量制限有害作用と関連していることが示された。また、PDAD患者はCSF陰性のMCI患者と比較すると、臨床的に認知症への進行率および脳萎縮率が高いことが明らかとなった。著者らは「CSFバイオマーカーとアミロイドPET所見は相関しており、いずれの方法も脳内アミロイドパチーの存在を確認したりPDADの鑑別に利用できる」とまとめている。JAMA Neurology誌オンライン版2015年9月28日号掲載報告。 研究グループは、2009年5月26日~2013年7月9日に、外来患者1,358例をスクリーニングして、MCIおよびCSFバイオマーカーの基準を満たしたPDAD患者263例を、avagacestat群(132例)とプラセボ群(131例)に無作為化し、avagacestatの安全性および忍容性について、無作為化プラセボ対照比較試験(第II相試験)を実施した。また、バイオマーカーの分析感度を評価するため、MCI基準を満たすがCSFバイオマーカー陰性の患者102例を、非無作為化観察コホートとして同様に観察した。 主な結果は以下のとおり。・avagacestat 50mg/日群は、中断率は19.6%と低く、忍容性は比較的良好であった。・avagacestat 125mg/日群は、主に消化管の有害事象のため中断率が43%と高かった。・avagacestat群では、非黒色腫皮膚がんおよび非進行性の可逆的な尿細管作用の増加が観察された。・重篤有害事象の発現頻度は、avagacestat群(49例、37.1%)がプラセボ群(31例、23.7%)より高かった。これは非黒色腫皮膚がんが高率に発現したためと考えられた。・2年後に認知症へ進行していた患者の割合は、観察コホート(6.5%)よりPDADコホート(30.7%)で高かった。・PDADコホートにおける脳萎縮率は、観察コホートの約2倍であった。・PETでの異常なアミロイド蓄積とCSF所見との一致率は約87%であった(κ=0.68、95%信頼区間:0.48~0.87)。・重要な臨床評価項目において、avagacestat群とプラセボ群とで有意な治療の差は観察されなかった。関連医療ニュース 早期アルツハイマー病診断に有用な方法は 認知症、早期介入は予後改善につながるか 軽度認知障害からの進行を予測する新リスク指標  担当者へのご意見箱はこちら

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2型糖尿病の超過死亡リスクは多様/NEJM

 2型糖尿病患者は一般集団よりも全死因死亡率が15%、心血管死亡率は14%高く、55歳未満では血糖値が目標値内であっても死亡リスクが約2倍に上昇するなど、超過リスクはきわめて多様であることが、スウェーデン・イエーテボリ大学のMauro Tancredi氏らの調査で示された。2型糖尿病患者の最も頻度の高い死因は心筋梗塞であり、そのリスクは脂質低下薬や降圧薬、良好な血糖コントロールにより低減するが、それでも一般集団に比べ死亡の超過リスクが残存する。同氏らは最近、1型糖尿病患者において、HbA1c値が目標値(≦6.9%)でも死亡リスクが2倍に達することを報告していた。NEJM誌2015年10月29日号掲載の報告より。約255万例で死亡の超過リスクを評価 研究グループは、血糖コントロールや腎合併症の病態が異なる2型糖尿病患者において、全死因死亡および心血管系の原因による死亡の超過リスクを評価するレジストリベースの検討を行った(スウェーデン政府などの助成による)。 対象は、1998年1月1日以降にスウェーデン全国糖尿病レジスター(Swedish National Diabetes Register)に登録された2型糖尿病患者であった。1人の患者に対し、一般集団から5人の対照を無作為に選び、年齢、性別、居住県を適合。全参加者は、スウェーデン原因別死亡登録により2011年12月31日まで追跡された。 255万2,852例(糖尿病群:43万5,369例、対照群:211万7,483例)が解析の対象となった。平均年齢は糖尿病群が65.8±12.6歳、対照群は65.5±12.5歳、女性はそれぞれ44.5%、45.1%であった。糖尿病群でスウェーデン生まれ(82.9 vs.87.6%)、大学卒以上(15.7 vs.23.4%)が少なかった。 糖尿病群の平均HbA1c値は7.1%、罹患期間は5.7年であった。平均フォローアップ期間は、糖尿病群が4.6年、対照群は4.8年だった。75歳以上の血糖コントロール良好例ではリスクが低下 全体の死亡率は糖尿病群が17.7%(7万7,117/43万5,369例)であり、対照群の14.5%(30万6,097/211万7,483例)に比べ有意に高かった(補正ハザード比[HR]:1.15、95%信頼区間[CI]:1.14~1.16)。 心血管死亡率も、糖尿病群が7.9%と、対照群の6.1%に比し有意に高かった(補正HR:1.14、95%CI:1.13~1.15)。 全死因死亡および心血管死の超過リスクは、年齢がより低いほど、血糖コントロールが不良なほど、腎合併症が重度であるほど増加した。 対照群と比較して、血糖コントロールが良好な糖尿病患者(HbA1c値≦6.9%)の全死因死亡HRは、55歳未満の患者では1.92(95%CI:1.75~2.11)と約2倍高かったが、75歳以上の患者では0.95(95%CI:0.94~0.96)と低かった。 また、正常アルブミン尿の患者では、対照群と比較した死亡のHRは、HbA1c値≦6.9%・55歳未満の患者が1.60(95%CI:1.40~1.82)と高リスクであったのに対し、75歳以上の患者は0.76(95%CI:0.75~0.78)と低リスクであり、65~74歳の患者もリスクが低かった(HR:0.87、95%CI:0.84~0.91)。 著者は、「一般集団と比較した2型糖尿病患者の死亡率はきわめて多様であった。大規模な患者群では著明な超過リスクが認められたが、年齢層や血糖コントロール、腎合併症の病態の違いによっては、死亡リスクが低下する場合もあった」としている。

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薬剤溶出ステント vs.ベアメタルステント、5年追跡結果/Lancet

 ST上昇型心筋梗塞(STEMI)患者に対する、エベロリムス薬剤溶出ステントの安全性と有効性を評価したEXAMINATION試験の長期5年フォローアップの結果が、スペイン・バルセロナ大学病院のManel Sabate氏らにより報告された。エベロリムス薬剤溶出ステント(EES)群 vs.ベアメタルステント(BMS)群の主要複合アウトカム発生について、EES群の有意な低下が示されたという。これまで新世代薬剤溶出ステントの長期追跡の報告は少なく、著者は、「今回得られた所見はSTEMI患者を対象とした、新たな生体吸収性ポリマーベース金属ステントや生体吸収性スキャフォールドの評価基準とするべきである」と述べている。Lancet誌オンライン版2015年10月28日号掲載の報告。1,489例をEES群とBMS群に無作為化しフォローアップ EXAMINATION試験は、イタリア・スペイン、オランダの12施設で、2008年12月31日~10年5月15日に、発症から48時間以内のSTEMI患者1,489例をEES(751例)またはBMS(747例)を受ける群に無作為に割り付けて行われた。無作為化にはコンピュータ制御の中央システム(電話による)が用いられ、層別化も中央施設で行われた。 主要アウトカムは患者指向のエンドポイントで、全死因死亡・心筋梗塞・血行再建術の複合であった。これまで最長2年のフォローアップ評価では、EES群の血行再建術およびステント血栓症の発生が有意に抑制されたことが示されたが、同複合アウトカムの有意差は示されなかった。 今回、研究グループは、長期5年の同複合アウトカムをintention to treat解析にて評価した。全死因死亡・心筋梗塞・血行再建術の複合アウトカム発生が有意に低下 5年時点の評価データが入手できたのは、EES群731例、BMS群727例であった(両群とも97%)。両群特性は類似しており、抗血小板2剤併用療法の使用についても1年超以降に減少、5年時点の使用率はEES群10%(64/648例)、BMS群9%(57/622例)であった。 結果、5年時点の患者指向複合エンドポイントの発生は、EES群21%(159/751例)、BMS群26%(192/747例)で、EES群の有意な低下が認められた(ハザード比[HR]:0.80、95%信頼区間[CI]:0.65~0.98、p=0.033)。この差は主にEES群の全死因死亡が有意に抑制されたことによるものであった(65例[9%] vs.88例[12%]、HR:0.72、95%CI:0.52~0.10、p=0.047)。 一方、2年時点評価で有意差が示された血行再建術の発生は、5年時点では有意な低下がみられなかった(12% vs.16%、HR:0.77、95%CI:0.59~1.01、p=0.06)。ステント血栓症も有意な低下がみられなかった(2% vs.2%、同:0.65、0.31~1.36、p=0.25)。 心筋梗塞の5年時点の発生は、EES群5%(35/751例)、BMS群4%(27/747例)であった(HR:1.27、95%CI:0.77~2.10、p=0.35;目標血管関連発生HR:0.90、p=0.71/非目標血管関連発生HR:2.44、p=0.07)。

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イピリムマブ、メラノーマの術後補助療法にも適応拡大:FDA

 米国食品医薬品局(FDA)は2015年10月28日、術後の再発抑制を目的として、イピリムマブ(商品名:ヤーボイ)のStage IIIメラノーマに対する術後補助療法の適応を承認した。 抗CTLA-4モノクローナル抗体イピリムマブは、2011年から切除不能のメラノーマの治療薬として承認されていた。今回は術後補助療法への適応拡大となる。当該適応に関するイピリムマブの効果と安全性は951例のRCTで検証された。被験者はメラノーマ切除後の補助療法として、イピリムマブあるいはプラセボに割り付けられた。結果、イピリムマブ群の再発率は49%、PFSは26ヵ月、一方プラセボ群の再発率は62%、PFSは17ヵ月であった。全生存期間は未達である。 この試験でのイピリムマブの有害事象は、皮疹、疲労感、掻痒感、頭痛、体重減少、嘔気が主なものだった。また、内分泌腺、消化器系、肝臓、皮膚、神経系の自己免疫障害を来す可能性もあることから、発育中の胎児に悪影響を考慮し妊婦には禁忌となっている。FDAのプレスアナウンスメントはこちら。

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災害対策について「伴に」考える研究会 第5回定例会のご案内

 順天堂大学大学院医学研究科 研究基盤センター分室の坪内 暁子氏ら『災害対策について「伴に」考える研究会』は、順天堂大学総合診療科と共同で、11月13日(金)18時30分より第5回定例会を開催する。 開催概要は以下のとおり。【日時】2015年11月13日(金) 18:30~21:30(※18:00開場)【場所】東京都文京区本郷2-1-1順天堂大学医学部10号館1階105号室周辺地図はこちら【内容】《統一課題》感染症流行や災害発生時における 臨床面でリスクの高い層の特徴と対策《講演》座長:内藤 俊夫氏(順天堂大学大学院医学研究科 総合診療科学 教授)(1)慢性疾患患者・高齢者の特徴と東京都の取り組み   許 俊鋭氏(東京都健康長寿医療センター長)(2)乳幼児・障害児の特徴と避難所生活での留意点   米山 明氏(心身障害児総合医療療育センター 外来療育部長)(3)3.11における妊産婦支援の取組みと、その後の制度構築   久保 隆彦氏(医療法人社団シロタクリニック 名誉院長)《グループ討論》司会:坪内 暁子氏(順天堂大学研究基盤センター分室)テーマに沿った討論並びに発表(第2回定例会以降の形式)【参加費】無料【参加方法】下記の問い合わせ先まで、メールまたは電話にてご連絡ください。※研究会メンバー以外の方も参加可能です。※2回目以降のご参加は研究会メンバーの推薦が必要です。※参加をご希望の場合は、11月12日(木)午前中までにご連絡をお願いいたします。【問い合わせ先】順天堂大学研究基盤センター分室 坪内 暁子(世話人)E-mail:sociomed.sciences@juntendo.ac.jp電話:03-3813-3111内線:3294【主催】災害対策について「伴に」考える研究会順天堂大学総合診療科/研究基盤センター本講演会の詳細はこちら

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~プライマリ・ケアの疑問~  Dr.前野のスペシャリストにQ!【消化器編】

第1回 帰してはいけない腹痛の見分け方は? 第2回 専門医でもヒヤリとした腹痛の症例を教えてください! 第3回 腹痛の部位で疾患の鑑別はできる? 第4回 虫垂炎を見逃さないコツは? 第5回 ピロリ菌検査は何を使うのがよい? 第6回 ピロリ菌除菌後にすべきことはある? 第7回 胃潰瘍治療のベストな処方は? 第8回 PPIが効かないとき、プライマリ・ケア医はどうするべき? 第9回 便秘の治療、どうしたらいい? 第10回 便秘症状から重篤な疾患を疑うことはできる? 第11回 GERDの診断と治療について教えてください! 第12回 止瀉薬を出してはいけない下痢の見分け方は? 第13回 過敏性腸症候群、診断のコツは? 第14回 プライマリ・ケアで膵臓がんを早期発見するコツは? 腹痛や虫垂炎、胃潰瘍にGERD。日常臨床でよく遭遇する消化器疾患の診察・検査・治療に関する14の質問を、番組MCを務める総合診療医の前野哲博先生が経験豊富な消化器科専門医 西野徳之先生にぶつけます。プライマリケア医視点のまとめも加え、すぐに現場で役立つ知識を詰め込みました!第1回 帰してはいけない腹痛の見分け方は?プライマリケアで日常的にみるからこそ油断してはいけないのが腹痛。軽症の患者のなかに緊急手術が必要な患者が埋もれていることも。今回はズバリ、帰していい腹痛の条件・帰してはいけない症例をお教えいただきます。精度が高く、診療所でも使える診断ツールは必見です。第2回 専門医でもヒヤリとした腹痛の症例を教えてください!第1回の帰してはいけない腹痛の鑑別に続き、今回も腹痛を取り上げます。腹部の痛みは局在性に乏しいうえ、鑑別疾患も多種多様。専門医ですら重篤な症例を見逃しかけてヒヤっとしたことはあるといいます。今回は西野先生に症例を提示いただき、見逃さないコツを教わります。第3回 腹痛の部位で疾患の鑑別はできる? 腹痛の部位で疾患を鑑別する方法は複数知られていますが、局在性に乏しい腹部疾患では思っているほど役立たないことも。今回は実臨床で使えるひとつの考え方をレクチャーします。前野先生がこれなら研修医にもわかりやすい!と太鼓判を押したスペシャリスト西野先生のノウハウをお見逃しなく!第4回 虫垂炎を見逃さないコツは? この腹痛は虫垂炎?それとも?虫垂炎は決して見逃せない疾患ですが、典型的な症状をきたす患者ばかりでなく、鑑別に苦慮することも多いのではないでしょうか。今回は、確定診断でなくとも虫垂炎を見逃さないコツをズバリお教えいただきます。第5回 ピロリ菌検査は何を使うのがよい? ピロリ菌感染の検査には、呼気試験、血液、便などの様々な検査法があります。どのように検査法を選択し、結果を解釈すればよいのか?専門医が勧める検査方法、またピロリ菌についての最新トピックも交えて明日から使えるノウハウをお届けします。第6回 ピロリ菌除菌後にすべきことはある? ピロリ菌感染が明らかになった際に、何をどんな手順で行うべきか?除菌治療と治療後の注意点を簡潔にレクチャー。また除菌が成功しなかったとき、プライマリケアでどう対応すべきかも解説します。第7回 胃潰瘍治療のベストな処方は? 今回は胃潰瘍の治療がテーマです。胃潰瘍の治療には、主流であるPPIのほかに、H2ブロッカーや粘膜保護薬などの薬が使われています。それぞれの薬の使い分けや注意点はどのように考えればよいのか、薬剤選択についての疑問にズバリお答えします。第8回 PPIが効かないとき、プライマリ・ケア医はどうするべき?胃潰瘍のファーストチョイスとして使われるPPIですが、その効果がなかったとき、プライマリケア医はどのように考えればいいのでしょうか。今回は西野先生に症例を提示いただき、臨床に役立つヒントを見つけていきます。第9回 便秘の治療、どうしたらいい? 今回のテーマは便秘です。便秘は日常臨床で頻繁にみられる症状ですが、生活に支障のある「便秘症」の診断は実は難しいもの。プライマリケア医はどのように情報を集め、どう評価し、どのように治療方針を立てればよいでしょうか。診断、治療についてスペシャリストの知恵を伝授してもらいましょう!第10回 便秘症状から重篤な疾患を疑うことはできる? 実際は重篤な疾患でも、患者の自覚症状は「便秘」ということは往々にしてあります。今回は西野先生が遭遇した症例を例に、便秘を訴える患者の中から異常を見逃さないためのポイントを学びます。第11回 GERDの診断と治療について教えてください! 今回はGERDがテーマです。GERDはプライマリケアできわめてよく遭遇する疾患のひとつですが、どのように診断し、治療すればよいのでしょうか。診断の際に気を付けるべきことなどを解説します。第12回 止瀉薬を出してはいけない下痢の見分け方は? 今回は下痢の治療がテーマです。安易に下痢を止めてはいけないといわれますが、実際には患者さんは薬を希望することもよくあります。どんな条件ならば止瀉薬を出していいのか?処方するときの注意点は?日常診療で感じる疑問にズバリ回答します!第13回 過敏性腸症候群、診断のコツは?今回は過敏性腸症候群がテーマです。過敏性腸症候群は訴えが多彩で、コントロールに難渋することもしばしばある疾患。IBSを治療するうえで必ず除外したい疾患は?どの薬を初めに処方すべきか?コントロール不良の場合、どうやって薬剤を変更していくのか?様々な疑問に答えていきます。第14回 プライマリ・ケアで膵臓がんを早期発見するコツは?自覚症状が出にくく、早期発見が難しいといわれる膵臓がん。しかし発見する機会がないわけではなく、プライマリケアでこそ特に注意して疑ってほしいと西野先生は強調します。今回は異変に気付くためのポイントや考え方についてレクチャーします!

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タバコを吸いやすくさせる添加物

タバコを吸いやすくする添加物 メンソール粘膜への局所麻酔作用で熱感を軽減し、煙を吸いやすくする。 砂糖燃焼で生じる「アセトアルデヒド」がニコチン急性毒性による自覚症状を緩和し、ニコチン吸入をしやすくする。砂糖メンソール成分のミントココア末アンモニア ココア末燃焼で生じる「テオブロミン」による気管支拡張作用で煙を吸いやすくする。カフェインにも同様の作用があることが知られている。 アンモニアニコチンはアルカリ性環境で吸収されやすく、酸性環境では吸収されにくい。アンモニアは粘膜をアルカリ性にし、ニコチンの吸収を早くする。「タバコは、単に葉っぱを紙で巻いたものではない。死ぬまでやめられないように巧妙に開発された製品なのだ」(2000年 WHO世界禁煙デー)社会医療法人敬愛会 ちばなクリニックCopyright © 2015 CareNet,Inc. All rights reserved.清水 隆裕氏

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タバコ関連疾患のピークはこれから

タバコ関連疾患のピークはこれからやって来る!?~紙巻きタバコ販売本数から検証~ 日本の紙巻きタバコ発売本数は1996(平成8)年の3,483億本がピーク。 タバコによる疾患は、約30年ほどの時間差を経て発症します。 日本における各種タバコ病のピークはまだ来ていないと思われます。4,000億本タバコ病のピークはまだ来ていない!?紙巻きタバコ販売本数3,5003,000↑1996(平成8)年3,483億本2,500脳卒中2,0001,5001,00001920肺がんCOPD500304050年607080902000http://www.health-net.or.jp/tobacco/product/pd070000.html胃潰瘍社会医療法人敬愛会 ちばなクリニックCopyright © 2015 CareNet,Inc. All rights reserved.清水 隆裕氏

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胃食道逆流症の患者は昼寝しないほうが良い?【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第54回

胃食道逆流症の患者は昼寝しないほうが良い? FREEIMAGESより使用 夜間睡眠中の胃酸の逆流は、重度の胃食道逆流症(GERD)と関連しているといわれています。さて、じゃあ昼寝はどうなのよ? ということを調べた論文を見つけました。 私は呼吸器内科医ですから、消化器内科領域の論文にはあまり詳しくありません。専門家にとって当たり前の論文だと困るので、PubMedで「gastroesophageal」「reflux」「nap」のキーワードで調べて、該当論文が他にほとんどないことを確認しておきました。よし、昼寝とGERDの関連性はまだあまり知られていないゾ!(あるいは誰も興味を持たないのか…)。 Nasrollah L, et al. Naps are associated more commonly with gastroesophageal reflux, compared with nocturnal sleep. Clin Gastroenterol Hepatol. 2015;13:94-99. アリゾナ大学からの報告です。GERDの患者において、夜間の睡眠と昼寝はどう違うのかということを調べたのがきっかけのようです。なかなか斬新な発想ですね、私こういうの好きですよ。過去3ヵ月間において、少なくとも週に3回の胸焼けおよび逆流症状がある15人の患者(平均年齢58.5±18.4歳、10人が男性)を登録しました。条件として、夜間の睡眠以外に定期的に昼寝を取っている人という規定があります。そりゃあ年齢的に仕事をリタイアした人も含まれていると思いますが、定期的に昼寝を取る人ってそんなにいるものでしょうか…。登録患者の夜間の平均睡眠時間は446.0±100.7分で、昼寝の平均時間は61.9±51.8分でした。1時間昼寝できるんですか、ああ、私も昼寝がしたい。さて、1時間あたりの逆流イベントの平均は、夜間睡眠中よりも昼寝中で有意に多かったそうです(昼寝中:40.1±69.9/時間 vs. 夜間睡眠中:3.5±4.2/時間、p<0.05)。また、逆流イベントの時間についても昼寝中のほうがやや長かったそうです(昼寝中:1.9±2.8分 vs. 夜間睡眠中:1.5±2.7分)。患者さんも、昼寝中のほうが胸焼け症状が強かったと報告しています。この結果から、GERD患者さんは昼寝中のほうが夜間睡眠中よりも逆流症状を感じやすい可能性があります。睡眠の深さも関係しているんじゃないかなあ、と単純に思いましたが、とりあえずは、GERD患者さんはあまり昼寝を定期的に取らないほうが良いかもしれませんね。インデックスページへ戻る

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急性腰痛症にはNSAID単独で/JAMA

 急性腰痛症(LBP)に対してナプロキセン単独と、ナプロキセンにcyclobenzaprineまたはオキシコドン/アセトアミノフェンを追加投与した場合について、1週間後の機能的アウトカムや痛みに有意差はみられなかったことが示された。米国・アルベルト・アインシュタイン医学校のBenjamin W. Friedman氏らが、救急部門(ED)受診患者を対象に行った無作為化試験の結果、報告した。米国では、LBPでEDを受診する患者が年間250万人超いるという。これらの患者に対しては通常、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、アセトアミノフェン、オピオイド、筋弛緩薬を組み合わせた治療が行われる頻度が高い。今回の結果を踏まえて著者は、「所見は、同患者にはナプロキセンに追加投与は不要であることを支持するものであった」とまとめている。JAMA誌2015年10月20日号掲載の報告。単独、cyclobenzaprineまたはオキシコドン/アセトアミノフェン併用の3群を比較 試験は、急性LBPでEDを受診した患者について、(1)ナプロキセン+プラセボ(単独群)、(2)ナプロキセン+cyclobenzaprine、(3)ナプロキセン+オキシコドン/アセトアミノフェンの10日間投与の1週時点、3ヵ月時点の機能的アウトカムおよび疼痛症状を比較することを目的とし、無作為化二重盲検3群比較にて行われた。試験場所のEDは、ニューヨーク市ブロンクスの1施設であった。 被験者は、2週間未満の非外傷性または非神経根性LBPを呈し、Roland-Morris Disability Questionnaire(RMDQ)による疼痛スコアが5超であった場合、ED退院時に登録を適格とした。RMDQは24の質問項目でLBPを測定し、0(障害なし)~24(障害が最大)の指標で関連機能障害を評価する。 試験は2012年4月に開始され、2,588例が登録評価を受け、323例が適格患者として無作為に、単独群107例、cyclobenzaprine併用群108例、オキシコドン/アセトアミノフェン併用群108例に割り付けられた。 全患者に、ナプロキセン500mgを20錠投与(500mgを1日2回、10日分)。併用錠剤はcyclobenzaprine 5mg、オキシコドン5mg/アセトアミノフェン325mgが、それぞれ60錠投与(単独群にはプラセボ錠剤60錠)され、患者はLBPへの必要性に応じて8時間ごとに1~2錠を服用するよう指示を受けた。また、退院前に標準化された10分間のLBP教育を受けた。 主要アウトカムは、ED退院時と1週時点のRMDQでみた改善であった。1週時点の機能的アウトカム改善に有意差なし フォローアップは2014年12月に完了した。3群の人口統計学的特性は類似していた(平均年齢38~39歳、男性割合44~58%、高卒割合41~57%など)。また、ベースライン時のRMDQスコア中央値は、単独群20(四分位範囲[IQR]:17~21)、cyclobenzaprine併用群19(同:17~21)、オキシコドン/アセトアミノフェン併用群20(同:17~22)であった。 結果、1週時点の平均RMDQ改善スコアは、単独群9.8、cyclobenzaprine併用群10.1、オキシコドン/アセトアミノフェン併用群11.1であった。cyclobenzaprine併用群 vs.単独群の平均RMDQ改善スコア差は0.3(98.3%信頼区間[CI]:-2.6~3.2、p=0.77)、オキシコドン/アセトアミノフェン併用群vs.単独群の同値は1.3(同:-1.5~4.1、p=0.28)、また、cyclobenzaprine併用群 vs.オキシコドン/アセトアミノフェン併用群の同値は0.9(同:-2.1~3.9、p=0.45)であった。

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妊娠高血圧腎症と新生児の先天性心疾患リスク/JAMA

 妊娠高血圧腎症と新生児の先天性心疾患との関連について検証した結果、非重症の心疾患と顕著に関連していること、重症心疾患との関連は妊娠34週以前発症の場合にみられることなどが明らかにされた。カナダ・モントリオール大学のNathalie Auger氏らが、1989~2012年にケベック州の病院で誕生した新生児194万例超を対象とした住民ベースコホート研究の結果、報告した。妊娠高血圧腎症を呈した母親から生まれた新生児の先天性心疾患リスクは十分に解明されていない。今回の結果を踏まえて著者は、「先天性心疾患の絶対リスクは低かった」とまとめている。JAMA誌2015年10月20日号掲載の報告。有病率を、妊娠高血圧腎症曝露群と非曝露群で比較 検討は、1989~2012年のケベック州全住民を対象に行われた。同対象は、カナダの人口の4分の1を占める。分析には、心疾患の有無を問わず同期間にケベック州の病院で新生児を出産した全女性を包含、対象児は194万2,072例であった。 新生児誕生時の重症または非重症の先天性心疾患の有病率を、妊娠高血圧腎症曝露(妊娠34週未満または以後に発症)群と非曝露群で比較し評価した。全有病率比は1.57、重症例の有病率比は1.25、非重症例は1.56 先天性心疾患の絶対有病率は、妊娠高血圧腎症曝露新生児のほうが、非曝露新生児よりも高率であった。全有病率は、前者が16.7/1,000例、後者は8.6/1,000例で、有病率比は1.57(95%信頼区間[CI]:1.48~1.67)、有病率差(新生児10万例当たり)は577.1例(95%CI:483.0~671.1)であった。 重症先天性心疾患の有病率は、曝露群123.7/10万例、非曝露群75.6/10万例で、有病率比は1.25(95%CI:1.00~1.57)、有病率差は23.6例(同:-1.0~48.2)で、曝露群の増大は認められなかった。 一方、非重症の先天性心疾患有病率は、曝露群1,538.8/10万例、非曝露群789.2/10万例で、有病率比は1.56(95%CI:1.47~1.67)、有病率差は521.1例(同:431.1~611.0)で、曝露群の増大がみられた。 特異的疾患別にみた場合、有病率が最も高かったのは中隔欠損症で、曝露群の同有病率は1,090.9/10万例であった。 発症時期で比較した場合、後期(34週以後)発症と比べて早期(34週未満)発症群では、重症先天性心疾患の有病率比は2.78(95%CI:1.71~4.50)、有病率差は249.6例(同:89.7~409.6)であったが、非重症先天性心疾患については、有病率比5.55(同:4.98~6.19)、有病率差6,089.2例(同:5,350.0~6,828.3)であった。

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パーキンソン病への免荷歩行リハビリ どれほど有効?

 パーキンソン病患者のリハビリテーションの1つとして、機械で足元にかかる重みを軽減した状態で流れるベルトの上を歩行する「部分免荷トレッドミル歩行訓練(PWSTT)」がある。PWSTTのパーキンソン病患者における有用性はこれまで検討されてきたが、運動を行わない場合や、従来の歩行訓練を行った場合と比較した検証はない。このことから、米国イリノイ大学のMohan Ganesan氏らは前向きに研究を行い、運動を行わない群、従来の歩行訓練を行った群と比較して、PWSTを行った群で歩行能力指標が有意に改善することを明らかにした。Archives of physical medicine and rehabilitation誌2015年9月号掲載の報告。 研究グループは、安定量のドパミン受容体作動薬を使用中の特発性パーキンソン病患者60例(平均年齢58歳[SD 15±8.7])を、「歩行訓練を行わない群」「従来の歩行訓練群」「PWSTT群」(各群n=20)の3群に無作為に割り付けた。歩行訓練はどちらも1日30分、週4日間、4週間実施した。主要アウトカムは臨床的重症度と歩行能力指標とした。臨床的重症度はパーキンソン病統一スケール(UPDRS)とそのサブスコアで測定した。歩行能力指標は歩く速度・左右のステップの長さとその変動係数であり、2分間のトレッドミル歩行と10m歩行テストより測定・算出された。アウトカムは、ベースライン時および2週、4週時に評価した。 主な結果は以下のとおり。・「従来の歩行訓練群」と「PWSTT群」では、4週間の歩行訓練により、UPDRS総スコアの有意な改善が見られた。(ベースライン時 vs.4週時 各々p=0.03、p<0.001)・「PWSTT群」は、ベースラインと比較して、4週時においてすべてのUPDRSサブスコア、すべての歩行能力指標で有意な改善を示した。・「PWSTT群」は、「従来の歩行訓練群」と比較して、4週時にすべての歩行能力指標を有意に改善した。 研究グループは、「PWSTTは、パーキンソン病患者における臨床および歩行能力のアウトカムを改善するための有望な介入ツールだ」と結論付けている。

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今後の薬局・薬剤師の役割を議論:日本女性薬局経営者の会

 11月3日、東京都内にて日本女性薬局経営者の会設立記念シンポジウムが開催された。冒頭、会長の堀 美智子氏より「薬局の薬剤師は薬の数を数えて輪ゴムで留めているだけなのでは、などと思われているときだからこそ、患者の安心・安全を担保するために努力していることを社会にアピールしていく必要がある」という設立趣旨が説明された。 基調講演では厚生労働省 医薬・生活衛生局総務課 医薬情報室長の田宮 憲一氏が「薬局・薬剤師の将来像について」をテーマに講演した。コストに合ったメリットを患者が実感できていない現状があることや、薬局の薬剤師業務が調剤に偏重していることなどの問題が挙げられた。これらの問題を解決するために、先月厚労省より発表された「患者のための薬局ビジョン」1)について触れ、今後、患者が医薬分業のメリットを実感できるよう取り組んでいくと述べた。薬局の機能は、いわゆる「門前薬局」から「かかりつけ薬局」へ、「調剤偏重」から「身近な相談窓口」への転換が求められているとし、それに伴い現在検討されている調剤報酬の抜本的な改革についても触れた。そして「2025年までにすべての薬局をかかりつけに」「2035年までに薬局の立地を地域へ」を目指すという具体的な目標を示した。 後半のパネルディスカッションには、国立保健医療科学院 統括研究官の今井 博久氏や、健康保険組合連合会 副会長の白川 修二氏らが登壇し、「これからの薬局・薬剤師のあり方」について意見が交わされた。今井氏は、薬剤師不要論とも取れる声が一部の医師の間で見受けられる一方で、東京や大阪で実施した医師からのヒアリングでは、「多剤処方や不適切処方を改善するために薬剤師との協働が必要である」という意見が多数あったことを紹介し、「薬剤師にはチーム医療における専門的支援の役割を果たしてほしい」と期待を寄せた。また、白川氏からは、「分業は進めるべきだが、負担に見合う効果があるというエビデンスを示していく必要がある」との意見が出された。 最後に堀氏は、薬の管理や剤形の検討など“今までの薬剤師業務”として知られていることを実施していくことはもちろんだが、“化学物質の専門家”である薬剤師が介入することで、処方薬でなくOTC薬で対応可能になるケースがあることや、特定保健用食品や機能性表示食品などの不適切な摂取による体調不良を未然に防ぐことができれば医療機関への受診が不要になることから、薬剤師は医療費削減にも貢献できると訴えた。そして、患者の訴えや観察からどんな薬が影響しているかを考え、より良い提案をするのが薬剤師の役割であり、そのような情報を医療関係者や患者、介護者らと共有し、連携していきたいと語った。【参考】1)厚生労働省. 患者のための薬局ビジョン. (参照 2015.11.05)

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1万超の爪からの薬物検出分析、薬物乱用を見抜けるか

 米国・United States Drug Testing Laboratories社の Irene Shu氏らは、薬物の蓄積リスクが高いと考えられる1万を超える爪のサンプルを用いて、ELISA法またはLC-MS-MS法により薬物の検出を試みた。その結果、さまざまな薬物が検出され、薬物の長期使用および乱用を評価するうえで、爪の分析が有用な可能性を示唆した。Journal of Analytical Toxicology誌2015年10月号の掲載報告。 爪(手と足爪)はケラチンでできている。爪の成長に伴い、薬物はケラチン線維に取り込まれ、使用3~6ヵ月後にそのケラチン線維内から検出される。その特性を生かして本研究では、ハイリスク症例から3年間にわたり採取した1万349サンプルについて薬物テストを実施した。全指の爪2~3mmを切り取ってサンプルを採取した(100mg)。得られたサンプルについて、有効とされる方法を用いて分析を行った。最初のテストは主に酵素免疫吸着測定法(ELIZA)により行ったが、一部は液体クロマトグラフィー質量分析法(LC-MS-MS)によって行った。陽性と推定されるサンプルについて、薬物の種類ごとに適した洗浄、微粉砕、分解、抽出などの過程を経て確認試験を行った。 主な結果は以下のとおり。・合計サンプル7,799例を用いてアンフェタミンに関する分析を行った。・すべてのアンフェタミン分析において、濃度は40~57万2,865pg/mg(中央値100~3,687)の範囲にあった。・サンプルの14%で、アンフェタミンとメタンフェタミンが認められ、22例で3,4メチレンジオキシメタンフェタミン陽性(0.3%)、7例でメチレンジオキシアンフェタミン陽性(0.09%)、4サンプルで3,4-メチレンジオキシ-N-エチルアンフェタミン陽性(0.05%)であった。・サンプルの5%(合計7,787例における)で、コカインとその関連分析物が検出された。濃度は20~26万5,063pg/mg(中央値84~1,768)の範囲にあった。・オピオイド濃度は40~11万8,229pg/mg(中央値123~830)の範囲にあった。・オキシコドン(15.1%)、ヒドロコドン(11.4%)は、モルヒネ、コデイン、ヒドロモルフォン、メタドン、2-エチリデン-1,5-ジメチル‐3,3-ジフェニルピロリジン、オキシモルホンなど他のオピオイド(1.0~3.6%)に比べ高率で検出された。・カルボキシ-Δ-9-テトラヒドロカンナビノールカルボン酸の陽性率は18.1%(0.04~262pg/mg、中央値6.41)であった。・サンプル3,039例のうち756例(24.9%)が、エチルグルクロニド陽性(20~3,754pg/mg、中央値88)であった。・爪の中に認められる他の薬物にはバルビツール酸塩、ベンゾジアゼピン、ケタミン、メペリジン、トラマドール、ゾルピデム、プロポキシフェン、ナルトレキソン、ブプレノルフィンがあった。・高感度分析機器、主にLC-MS-MSが、爪における薬物をフェムトグラム(10-15g)単位での検出を可能にしている。本研究では、ハイリスク集団からサンプルを採取しているため、陽性率は非常に高かった。関連医療ニュース 薬物過剰摂取のリスクを高める薬物は 薬物依存合併の初発統合失調症患者、精神症状の程度に違いがあるか 日本人薬物乱用者の自殺リスクファクターは

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1日1単語【Dr. 中島の 新・徒然草】(092)

九十二の段 1日1単語前回は「イングレスからイングリッシュへ」ということで、通勤電車の中でスマホの英語ニュースを聴いているというお話をしました。とはいっても、イヤホンを忘れて出かけることもよくあり、そんな時はスマホで英語ニュースを読んでいます。いつも読んでいるのは BBC ニュースで、だんだん目が慣れてきたせいか、内容の理解にはあまり苦労しません。1つ1つの記事がさほど長くないのも有り難いところです。一方、NBCとかABCニュースなんかはかなり読みにくいです。記事が長めで、話題がアメリカ中心ということがあるのかもしれません。その点、BBCの方がやや視野が広い気がします。ヨーロッパに加えて旧大英帝国各地からニュースが集まってくるのでしょう。さて、いつも英語ニュースを読んでいると繰り返し出てくる単語があることに気づきます。受験英語や医学論文ではあまり遭遇しないけれど、ニュースでよく使われる単語です。で、1日1つ、このような単語をお互いに披露することによって1年後には英語名人になろう、という計画を女房に提案しました。「それはいい!」ということで1日1単語を始めたのですが、これまでのところ、私が一方的に出しているだけで、女房からは1つも単語が返ってきません。せっかくなので、これまでに私が挙げた英単語を7つ、読者の皆さんに紹介します。 reclamation, unleash, exodus, distraction, replicate, resume, demeanorどうですか?見たり聞いたりしたことはあるけれども意味は曖昧、というのが私の正直な気持ちです。どれもニュースでよく使われている単語ではあるのですが。 reclamation は「埋め立て」で、南沙諸島と辺野古で頻出です。leash が犬の鎖なので、un という接頭辞がついた unleash は「解き放つ」になります。exodus はもともと旧約聖書の出エジプト記のことですが、欧州の「大量難民」に転用されています。distraction は「注意散漫」のことで、attraction の反対だと思えばいいですね。replicate は「複製を作る」の意味で、レプリカから推測できます。resume は名詞なら「レジュメ」ですが、動詞だと「再開する」の意味で使われます。「取る」という意味の sume という語根に re という接頭辞がついて、「再びとる」すなわち「再開する」となるわけです。同じ語根を持つ単語として、consume 「消費する」、assume 「決めてかかる、仮定する」、presume 「推定する」があります。demeanor は「態度」で、あまり馴染みのない単語ですが、「目撃者によると、犯人の態度はまるで公園を散歩しているかのようだった」などという文脈で使われています。どれも難しいですが、何とか覚えられるレベルです。ということで、「本日の1語はどれにしようか」と思いつつ、日々英語ニュースを読んでおります。アウトプットを意識すると、心なしか集中力もあがるような気がするから不思議ですね。最後に1句本日の 単語はこれだ 知ってたか!

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妊婦への3種混合ワクチン再接種、2年以内でも安全/JAMA

 妊娠中に破傷風・ジフテリア・無菌体百日咳の3種混合ワクチン(Tdap)を再接種した際、前回のTdap接種が2年以内であっても、早産や在胎週数不当軽量児(SGA)といった有害事象の発生リスクは、前回接種から5年超経過している場合に比べ増大しないことが示された。米国疾病管理予防センター(CDC)のLakshmi Sukumaran氏らが、約3万人弱の妊婦について行った試験で明らかにした。これまで妊娠中のTdap再接種に関する安全性は明らかではなかった。JAMA誌2015年10月20日号掲載の報告。前回接種から2年未満、2~5年以内を5年超と比較 研究グループは、カリフォルニア州やコロラド州などの7つのワクチン接種に関するデータベースを基に、2007年1月1日~13年11月15日に妊娠中だった14~49歳の女性2万9,155例について、後ろ向きコホート試験を行った。 妊娠中にTdapを接種する2年未満、2~5年以内、および5年超前に前回のTdap接種を受けていた場合の、妊婦や出生児への有害事象との関連について分析を行った。 主要評価項目は、妊婦の発熱、アレルギー、局所反応と、早産やSGA、低体重児だった。いずれの有害事象も前回接種が5年超と同等 結果、前回Tdap接種を2年未満、2~5年以内に受けていた群では、5年超経過している群(対照群)に比べ、妊婦や出生児への有害事象発生リスクはいずれも増大しなかった。 早産の発生率は、2年群が6.6%、2~5年群が6.4%、対照群が6.8%だった。2年群の対照群に対する補正後オッズ比は1.15(95%信頼区間:0.98~1.34、p=0.08)で、2~5年群の同オッズ比は1.06(同:0.94~1.19、p=0.33)だった。 SGAの発生率は、2年群が9.0%、2~5年群が8.7%、対照群が9.1%だった。2年群の対照群に対する補正後オッズ比は0.99(同:0.87~1.13、p=0.88)、2~5年群は0.96(同:0.87~1.06、p=0.45)だった。 また、局所反応についても3群で同等だった。

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原発労働者のがんリスク、被爆者と同等/BMJ

 原子力発電所の労働者について、電離放射線の低線量被曝でも累積線量の増加に比例して固形がんリスクは増加することが明らかになった。また、同リスク増加量は、日本の原爆被害者を対象にした試験結果と比較して高線量被曝の場合と同等であることも示された。米国・ノースカロライナ大学のDavid B Richardson氏らが、フランス、英国、米国の原子力産業労働者を対象にした後ろ向きコホート試験「INWORKS」のデータを基に検証し明らかにした。BMJ誌オンライン版2015年10月20日号掲載の報告。原発労働者など約31万人を延べ820万人年追跡 研究グループは、フランス、英国、米国の原子力発電所の労働者など、合わせて30万8,297人について、電離放射線の累積体外被曝量と、固形がん死亡率について調査を行った。フォローアップ中央値は26年、雇用期間中央値は12年、最終フォローアップ時の年齢中央値は58歳だった。 フォローアップ総計は820万人年だった。そのうち死亡は6万6,632人、うち固形がんによるものは1万7,957人だった。白血病以外のがんリスク、累積被曝量1Gy増で48%増 結果、放射線被曝量増加に従い、がん死亡率の線形増加が認められた。 被曝労働者における大腸の累計線量の平均値は、20.9mGy(中央値:4.1mGy)だった。 白血病を除く全がん死亡率は、累積被曝量が1Gy増すごとに10年後には48%(90%信頼区間:20~79)増大すると推算された。また、すべての固形がんについて、各国において同様の関連が認められた。 累積被曝量と固形がん死亡率との関連は、被曝量が0~100mGyの場合にも、それ以外の被曝量の場合ほど正確ではないものの、同様の関連が認められた。また、喫煙やアスベストへの職業上被曝は交絡因子である可能性があるものの、肺がんと胸膜がんを除外しても、被曝量とがん発生率との関連性に影響はなかった。 なお、検討について著者は、線量計の性能についてかなり留意したが、計測誤差が生じる可能性は排除できなかったとしている。 そのうえで、「本検討では、長期間の低線量電離放射線曝露と固形がん死亡との直接的な関連を検討した。低線量被曝よりも高線量被曝のほうが危険だと考えられているが、原発労働者のリスクは、日本の被爆者研究からの推算値と同程度だった」と述べ、「長期被曝のがんリスクの定量化は、放射線防護基準を作成するのに役立つだろう」とまとめている。

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目まぐるしく進歩する、肺がん治療

 2015年10月30日都内にて、「肺分子標的治療の変遷と最新治療」と題するセミナーが開かれた(主催:アストラゼネカ株式会社)。演者である中西 洋一氏(九州大学大学院医学研究院臨床医学部門内科学講座呼吸器内科学分野 教授)は、肺がん治療の変遷を中心に講演。免疫チェックポイント阻害薬の登場により、免疫療法が薬物療法の表舞台に立とうとしている現状に触れ、「将来的には判定方法や副作用への対応など、学会、国の方針自体を整備していく必要がある」と述べた。 以下、セミナーの内容を記載する。「分子標的治療」そして、「免疫療法」へ 肺がんによる死亡は、2012年時点で年間7万1,518人と急増している。その背景にある要因の1つとして、若年女性の喫煙率上昇が挙げられていたことからも明らかであるように、これまで肺がんといえば、タバコに代表される多段階発がん説が基本であった。 しかし、近年たった1つの遺伝子異常が原因で起こる「driver gene mutation」が判明した。これを機にALKやEGFRといった遺伝子の異常を調べて、薬剤を選択する時代が到来。driver oncogene変異陽性患者の予後やQOLが改善したのは記憶に新しい。 さらに、がん免疫を蘇らせるPD-1阻害薬やPD-L1阻害薬といった「免疫チェックポイント阻害薬」の登場で、「免疫療法」が新しいアプローチとして脚光を浴びつつある。「免疫療法」が薬物療法の表舞台に 従来の抗がん剤治療は、がん細胞をターゲットにして攻撃力を高めてきた。これに対し、「免疫チェックポイント阻害薬」のアプローチは異なる。その作用は免疫力の向上だ。 通常、がん組織において免疫細胞は、がん細胞が伝達する「私は味方だ」という偽のシグナルにより攻撃命令を止めていた。つまり、「がんにより免疫が眠らされた」状態にあった。免疫チェックポイント阻害薬であるPD-1阻害薬やPD-L1阻害薬は、このシグナルを解除し、がん細胞を「敵」と正しく判断させて、がん細胞を攻撃する。つまり免疫力の賦活化が作用のポイントとなる。 免疫チェックポイント阻害薬は、複数の試験で有効中止に至るなど、大きな治療効果が期待されている。免疫療法が薬物療法の表舞台に立とうとしているのだ。今後の治療は? 学会、国の方針策定が必要 講演後のディスカッションでは、この免疫療法に関する質問が多数寄せられた。免疫チェックポイント阻害薬は全例調査の対象であり、がん拠点病院など、未知の副作用が起こった場合に他診療科と連携可能な病院が主な拠点となりそうだ。中西氏は「現時点で皮膚科を中心に投与されているが、今後の適応拡大に備え、副作用を積極的に拾うことや、院内に専門チームを設置するといった他診療科にわたる活動が必要だ」と述べた。実際に九州大学では、専門チームの導入にむけた活動が進んでいるようだ。 また、「PD-1阻害薬とPD-L1阻害薬との有効性、安全性の差は?」との質問には、中西氏、および2剤の開発を手掛けるアストラゼネカ株式会社 専務の益尾氏の両名が回答した。 益尾氏は「2剤とも検討段階にあり、優劣は現時点では判断しづらい。PD-1阻害薬とPD-L1阻害薬同士の併用やPD-L1阻害薬+他抗がん剤での併用など、さまざまな検討を行っている」とコメントした。中西氏は、「理屈で言うとPD-1抑制のほうが、がん細胞側のPD-L1抑制よりは危ないようにも思うが、各薬剤の用量設定、反応の強さで異なるため一概には判断できない」と述べた。また、PD-1やPD-L1の発現基準や判定方法がメーカー間でも異なっているため、フラットな状況下で比較できないのが現状課題、としたうえで「共通の判定基準を学会、国としても整えていかなければいけない」とコメントした。編集後記 分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬の登場など、肺がん治療は目まぐるしい発展と進歩を遂げている。しかし、新しい治療に合わせて社会インフラを整備することも必要とされそうだ。 本講演を行った中西氏が委員長を務める「肺がん医療向上委員会 」では、チーム医療の推進や肺がん患者の知識向上を目指した活動を継続している。われわれも患者さんに早期にベストな医療がもたらされるよう、メディアとして活動を応援していきたい。肺がん医療向上委員会はこちら

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