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男性の鉄欠乏性貧血【日常診療アップグレード】第40回

男性の鉄欠乏性貧血問題45歳男性。健診で軽度の貧血を指摘された。無症状である。悪性腫瘍の家族歴はない。バイタルサインは正常で、身体診察でも異常を認めない。Hb 10.7g/dL(基準値:13.5~17.5)、MCV 76fL(基準値:83~101)、フェリチン35ng/mL(基準値:20~250)である。痔の既往があるというので、1年後の再検査とした。

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10月7日 おなかを大切にする日【今日は何の日?】

【10月7日 おなかを大切にする日】〔由来〕気温が下がることでお腹が冷えて腸のぜん動運動が鈍くなったり、寒暖差による自律神経の乱れから便秘など腸の不調が出やすいこの時期に、腸活への関心を高めてもらいお腹の調子を良くして健康な毎日を送ってもらおうと、ビオフェルミン製薬が「じゅうような(10)おなか(07)」の語呂合わせから制定。関連コンテンツ下痢後に急速に進行する筋力低下と腱反射低下【日常診療アップグレード】副作用編:下痢(抗がん剤治療中の下痢対応)【かかりつけ医のためのがん患者フォローアップ】コーヒー摂取量と便秘・下痢、IBDとの関連は?ピロリ除菌後の胃がんリスク~日本の大規模コホート餅は胃内で硬くなる!?胃に丸餅10個確認された症例

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副作用編:副腎不全(irAE)【かかりつけ医のためのがん患者フォローアップ】第5回

今回は、免疫チェックポイント阻害薬(ICI)治療中の「副腎不全」についてです。副腎不全はICIにより引き起こされる内分泌関連の免疫関連有害事象(irAE)の1つです。副腎不全が進行すると倦怠感、食欲不振、低血圧、低Na血症などを呈し、場合によっては急性副腎クリーゼに至ることもあります。治療機関が遠方の場合には、自宅近くのクリニックを受診するケースもあります。今回は、副腎不全で受診された際に有用な鑑別ポイントや、患者さんへの対応にフォーカスしてお話しします。【症例1】65歳、男性主訴倦怠感、食欲低下病歴進行胃がんに対し、SOX+ニボルマブ療法を開始。3コース終了後より、全身倦怠感、食欲低下を自覚し、かかりつけ医(クリニック)を受診。バイタルサイン血圧 92/60mmHg、脈拍 96/分、体温 36.3℃身体所見皮膚冷感あり、軽度の脱水徴候を認める。ステップ1 鑑別と重症度評価は?抗がん剤治療中の倦怠感や食欲不振のほとんどが使用中の抗がん剤によるものですが、ICI使用時はさまざまなirAEを念頭におく必要があります。他の要因も含めて押さえておきたいポイントを挙げます。(1)倦怠感や食欲不振の原因服用中または直近に投与された抗がん剤の種類と投与日を確認。他の原因(感染、腫瘍進行、代謝性疾患ほか)との鑑別。倦怠感以外の症状やバイタルの変動を確認。鑑別疾患とポイント画像を拡大する(2)症状からirAEを推察する(逆引きマニュアル)クリニックなど一次診療の場では、詳細な画像検査や内分泌・免疫関連の特殊検査を行うことは困難です。そのため、まず症状から「もしかするとirAEかもしれない」と推測することが大切になります。たとえば、倦怠感や食欲不振といった一見よくある症状でも、その背景に副腎不全や甲状腺のトラブルといった免疫関連の副作用が隠れていることがあります。以下の表は症状から想定されるirAEを逆引きマニュアルとして作成しました。逆引きマニュアル画像を拡大するステップ2 対応は?では、冒頭の患者さんの対応を考えてみましょう。来院時は倦怠感が強く、血圧も低下傾向でした。化学療法はSOX+ニボルマブ療法をすでに3コース実施していましたが、詳しく問診すると最初の2コースはそれほどの倦怠感や食欲不振はありませんでした。わずかに冷汗もあり、血糖測定を実施したところ低値であったため、グルコースを含んだ輸液を行い、治療機関へ救急搬送を行いました。搬送先の病院で精査が行われ、下垂体前葉機能低下による副腎皮質機能低下症(irAE)と診断されました。ホルモン補充療法を実施され、現在も化学療法を継続中です。副腎皮質機能低下症患者における急性副腎不全(副腎クリーゼ)の対応急性副腎不全(副腎クリーゼ)は、副腎ホルモンが急激に不足し、放置すれば致死的となる緊急病態です。主な原因は、(1)慢性副腎不全患者に感染や外傷などのストレスが加わり、必要量が急増した場合、(2)長期ステロイド治療中の患者で不適切な減量・中止を行った場合、の2つが多いです。発症の誘因としては、とくに胃腸炎などの感染症の頻度が高く、そのような場合は通常量の1.5~3倍のヒドロコルチゾン(コートリル)の補充が必要となります。もし、コルチゾール補充療法を行っている患者が発熱などを主訴に来院した場合は、副腎クリーゼの可能性を勘案し、医療機関の指示どおり手持ちのコートリルを通常用量より多く内服したか確認を行い、直ちに治療機関へ受診もしくは連絡するよう指導いただければ幸いです。1)柳瀬 敏彦. 日本内科学会雑誌.2016;105:645-646.2)日本肺学会. 肺. 2021;61.講師紹介

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第287回 ヘパリン吸入で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)入院患者の挿管か死亡が減少

ヘパリン吸入で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)入院患者の挿管か死亡が減少オーストラリア国立大学が英国のKing’s College Londonと協力して手掛けた試験の解析で、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)入院患者の挿管か死亡を減らす未分画ヘパリン(UFH)吸入の効果が示されました1-3)。新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は2019年12月に中国で報告されて世界に広がりました。流行の第一波でのCOVID-19患者は5例に1例近くが低酸素血症を発現し、それが入院の主な原因となりました。入院したCOVID-19患者のかなりが急性呼吸不全となり、7~8例に1例ほど(12~14%)が挿管での侵襲性人工呼吸を必要としています。その後の新参株の流行での入院、急性呼吸不全、死亡率は集団免疫の向上を背景にして低下しました。しかし挿管患者の生存は低いままのようです。少し前の報告になりますが、2020年8月末~2021年7月中旬までの約1年間に発表された試験を探してメタ解析したところ、COVID-19で挿管した患者の死亡率は流行第一波よりその後のほうがむしろ上昇しており、それぞれ62.2%と72.6%でした4)。ヘパリンはよく知られる血液の抗凝固活性に加えて抗炎症作用やウイルス全般を阻止する作用を有し、肺損傷に有益なことが示唆されています。SARS-CoV-2に限って言うと、スパイクタンパク質と細胞受容体ACE2の結合を妨げるヘパリンの効果が報告されています。UFHはスパイクタンパク質に結合して変形を強い、ACE2に結合できなくして感染を阻止します。UFHは炎症を封じる作用も有します。その抗炎症作用がCOVID-19の肺損傷に寄与する好中球細胞外トラップ(NET)生成や肺の過度の炎症を鎮める働きを担うようです。それに、ヘパリンのおはこの抗凝固作用も有益なようで、微小血管血栓症などのCOVID-19で重視すべき病変を制限しうることが示唆されています。4年近く前の2022年の始めに発表されたオーストラリア国立大学の研究者によるレトロスペクティブ解析では、入院COVID-19患者のUFH吸入と酸素指標の改善の関連が、挿管しているかどうかを問わず認められています5)。同研究チームは今回の解析で、未挿管のCOVID-19入院患者のUFH吸入の効果を調べました。7ヵ国の10病院での6つの無作為化試験の結果を集めて、あらかじめ決めていた計画に沿ってメタ解析しました。7ヵ国の1つのオーストラリアでは事務手続きの遅れにより被験者を集められず、実質的には6ヵ国で組み入れられた被験者478例が解析されました。その結果、挿管か死亡した患者の割合は、標準治療に加えて噴霧UFHを吸入する群(UFH吸入群)では11.2%、標準治療のみを行う群では22.4%でした。すなわちUFH吸入群の挿管か死亡の発生率は標準治療群の半分ほどで済みました(オッズ比:0.43)1)。UFHの効果はSARS-CoV-2に限らず種々のウイルス、さらには細菌にも有効かもしれません。ヒトのあちこちの組織の表面で発現するヘパラン硫酸などのプロテオグリカンとの相互作用を頼りに侵入しようとするそれら病原体一揃いなどをUFHは阻止できそうです。それに緑膿菌やインフルエンザウイルスなどの病原体の数々の接着を制限する作用があり、それらの働きによって肺炎や菌血症を防ぎうることがヒトや動物での検討で示唆されています。実際、研究チームはインフルエンザや呼吸器合胞体ウイルス(RSV)などのSARS-CoV-2以外の呼吸器感染症へのUFHの効果を確かめる試験を欧州で実施するつもりです2,3)。また、吸入用のヘパリンの開発にも取り組んでいます。 参考 1) van Haren FMP, et al. eClinicalMedicine. 2025 Sep 27. [Epub ahead of print] 2) Low-cost drug shows promise for patients with life-threatening respiratory infections/Australian National University(ANU) 3) Low-cost drug shows promise for patients with life threating respiratory infections/King’s College London 4) Xourgia E, et al. Expert Rev Respir Med. 2022;16:1101-1108. 5) van Haren FMP, et al. Br J Clin Pharmacol. 2022;88:2802-2813.

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IPFに対するnerandomilast、第III相試験のアップデート解析(FIBRONEER-IPF)/ERS2025

 ホスホジエステラーゼ4B(PDE4B)阻害薬nerandomilastは、特発性肺線維症(IPF)患者を対象とした国際共同第III相試験「FIBRONEER-IPF試験」1)、進行性肺線維症(PPF)患者を対象とした「FIBRONEER-ILD試験」2)において、主要評価項目の努力肺活量(FVC)の低下を有意に抑制したことが報告されている。欧州呼吸器学会(ERS Congress 2025)において、FIBRONEER-IPF試験のデータ最終固定時の解析結果をJustin M. Oldham氏(米国・ミシガン大学)が報告した。本解析において、FVCの低下抑制効果は76週時まで維持された。また、主要な副次評価項目に有意差はみられなかったものの、nerandomilast高用量群では死亡リスクの数値的な低下がみられた。【FIBRONEER-IPF試験】・試験デザイン:国際共同第III相無作為化プラセボ対照試験・対象:%FVC(FVCの予測値に対する実測値の割合)が45%以上で、%DLco(一酸化炭素肺拡散能の予測値に対する実測値の割合)が25%以上の40歳以上のIPF(12ヵ月以内のHRCTに基づく診断を受け、UIP[通常型間質性肺炎]またはprobable UIPパターンを有する)患者1,177例試験群1(低用量群):nerandomilast低用量(9mg、1日2回) 392例試験群2(高用量群):nerandomilast高用量(18mg、1日2回) 392例対照群(プラセボ群):プラセボ 393例・評価項目[主要評価項目]52週時におけるFVCのベースラインからの絶対変化量[主要な副次評価項目]初回急性増悪、呼吸器疾患による入院、死亡のいずれかの発生 本発表では、76週時までのFVCの絶対変化量、データの最終固定時までのイベント発生に関する解析結果が示された。主な結果は以下のとおり。・既報のとおり、主要評価項目の52週時におけるFVCのベースラインからの絶対変化量は、プラセボ群が-183.5mLであったのに対し、低用量群が-138.6mL、高用量群が-114.7mLであり、いずれもプラセボ群と比較して有意にFVCの低下を抑制した(それぞれp=0.02、p<0.001)1)。・76週時においても、プラセボ群と比較して低用量群および高用量群のFVCのベースラインからの低下は抑制され、52週時よりもプラセボ群との差は大きい傾向にあった。・データ最終固定時(平均投与期間14.8ヵ月、平均追跡期間16.4ヵ月)において、主要な副次評価項目のイベントは286例に発生し、104例が死亡した。・主要な副次評価項目については、低用量群および高用量群のいずれも、プラセボ群に対する差はみられなかった(それぞれハザード比[HR]:0.92、0.99)。・%FVCが10%超低下または死亡のリスクは、高用量群で低下する傾向がみられた(HR:0.75、95%信頼区間[CI]:0.59~0.95)。・死亡のリスクは、高用量群で数値的な低下がみられた(HR:0.66、95%CI:0.41~1.08)。・死亡のリスクを抗線維化薬の併用薬別にみると、高用量群のうち抗線維化薬の併用がない集団で低下する傾向がみられ、ニンテダニブを併用する集団でも数値的な低下がみられた。HR(95%CI)は以下のとおり。<低用量群> 併用なし:0.56(0.21~1.49) ニンテダニブ併用:1.02(0.51~2.04) ピルフェニドン併用:1.23(0.58~2.59)<高用量群> 併用なし:0.26(0.07~0.91) ニンテダニブ併用:0.64(0.30~1.37) ピルフェニドン併用:1.12(0.51~2.47)・nerandomilast投与群で最も多く発現した有害事象は下痢であった(プラセボ群18.3%、低用量群32.1%、高用量群42.3%)。下痢は、とくにニンテダニブを併用する集団で多かった(それぞれ31.2%、50.5%、62.4%)。投与中止に至った有害事象は、それぞれ13.0%、13.5%、16.1%に発現した。ニンテダニブを併用する集団では、nerandomilast投与群の投与中止に至った有害事象が多かった(それぞれ13.9%、18.5%、23.0%)。 本結果について、Oldham氏は「nerandomilastを単剤または既承認の薬剤との併用において、IPF治療に用いることを支持するものである」とまとめた。 なお、FIBRONEER-IPF試験とFIBRONEER-ILD試験の統合解析の結果が、ポスター発表で示された。統合解析において、抗線維化薬の併用なしの集団では、低用量群(HR:0.55、95%CI:0.34~0.88)および高用量群(同:0.41、0.24~0.70)で死亡リスクが低下する傾向がみられた。また、ニンテダニブを併用する集団でも、高用量群で死亡リスクが低下する傾向が示された(同:0.59、0.37~0.94)。

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直近5年、アクセプトされた論文があると答えた医師は何割?/医師1,000人アンケート

 オンラインジャーナルやオープンアクセスジャーナルの普及に加え、生成AIを活用した検索や翻訳・要約も広まりつつあり、論文の閲覧・執筆を取り巻く状況が大きく変化している。今回CareNet.comでは会員医師約1,000人を対象に、論文閲覧・執筆の最近の状況についてアンケートを実施した(2025年8月26~27日実施)。論文検索の手段、PubMed以外で多かったのは 興味のある論文を見つけるための主な手段について、76.5%の医師がPubMedと回答し、医中誌(39.1%)、ケアネット・m3・日経メディカルなどの論文紹介記事(38.4%)、所属する学会の学会誌(19.6%)などが続いた。 年代別にみると、PubMedとの回答が最も多いのは共通していたが、20~50代では75%以上を占めたのに対し、60代では59.0%と若干低い傾向がみられた。一方、ケアネット・m3・日経メディカルなどの論文紹介記事との回答は20~50代では40%以下だったのに対し、60代では51.2%であった。そのほか、XなどのSNSからの情報との回答は全体で4.0%と低いものの、20~30代では10.9%と他世代と比較して高かった。ひと月に読む平均論文数は、アブスト・本文ともに1~5本との回答が最多 アブストラクトのみおよび本文全体について、平均して月何本の論文を読むか聞いた質問では、ともに1~5本との回答が最も多く、アブストラクトのみ1~5本は49.6%、本文全体を1~5本は28.6%であった。 年代別、所属する施設の病床数別にみた結果に大きな差はみられなかったが、月に本文全体を6本以上読むと回答した医師は、200床以上の医療機関に勤務する医師で多い傾向がみられた(12.1%)。 論文を読む主な目的としては、専門領域の情報収集が79.2%と最も多く、他科領域の情報収集(25.7%)、論文執筆・学会発表・講演準備のため(24.4%)、個人的な興味関心(18.5%)が続いた。直近5年、筆頭著者としてアクセプトされた論文がある医師は約4割 直近5年に“筆頭著者”としてアクセプトされた論文の本数は、1~3本(29.2%)、4~6本(5.2%)、7~10本(2.2%)、11本以上(1.7%)と続き、総計すると1本以上との回答は38.3%であった。同じく直近5年に“責任著者”としてアクセプトされた論文の本数は、1~3本(5.5%)、4~6本(1.9%)、7~10本(0.8%)、11本以上(1.7%)と続き、総計すると1本以上との回答は9.9%であった。 年代別にみると、“筆頭著者”としてアクセプトされた論文数が1本以上あると回答した割合は年代が高くなるにつれ減少し、20~30代(51.3%)、40代(49.4%)、50代(34.0%)、60代(20.1%)であった。一方“責任著者”としての論文数が1本以上あると回答した割合は50代で最も高く(13.9%)、60代・40代(9.0%)、20~30代(7.0%)であった。 病床数別にみると、“筆頭著者”および“責任著者”としてアクセプトされた論文数が1本以上あると回答した割合は200床以上の施設に勤務する医師で最も高く、それぞれ48.2%、14.6%であった。自由回答で最近の変化を聞いた質問では、「医局を離れて縁がなくなった(60代、消化器内科)」、「倫理委員会を求められるので、大学などの組織にいないと研究の論文が出せない傾向について、是正したくない人たちも多いことを感じる(60代、小児科)」といった意見が寄せられ、所属施設による影響もうかがわれた。 医学論文を執筆・投稿する主な目的について聞いた質問では、専門医や指導医、学位などの取得・更新のためが最も多く38.5%を占めた。次に多かったのは医学論文を執筆・投稿することはない(34.5%)で、この回答を年代別にみると、60代で最も多く49.6%、50代(35.6%)、40代(28.6%)、20~30代(23.5%)であった。 このほか、診療科別にみた論文閲覧状況、自由回答で聞いた最近感じている変化など、アンケート結果の詳細は以下のページにて公開している。『医師の論文閲覧&執筆状況』

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ケサンラ、新しい用量でARIA-Eの発症リスクが有意に減少/リリー

 日本イーライリリーは2025年9月18日、「認知症の治療現場の今とケサンラの最新使用法に関するメディアセミナー ~新しい投与スケジュールによりARIA-Eの発現割合が低下~」を開催した。「ケサンラ点滴静注液350mg」(一般名:ドナネマブ)は、2024年9月に「アルツハイマー病による軽度認知障害および軽度の認知症の進行抑制」を効能または効果として国内における承認を取得し、同年11月26日に発売された。 ケサンラの従来の用法および用量は、初回から700mgを4週間隔で3回、その後は1,400mgを4週間隔で少なくとも30分かけて点滴静注するスケジュールであった。一方、抗アミロイドβ抗体薬の投与ではARIA(アミロイド関連画像異常)の発現が懸念される。ARIAは抗アミロイドβ抗体薬の投与に伴って起こるMRIの異常所見の総称で、ARIA-E(浮腫/滲出液貯留)とARIA-H(微小出血/脳表ヘモジデリン沈着)に大別される。このARIA発現のリスク低減を目的に、2025年8月、用法および用量について「通常、成人にはドナネマブ(遺伝子組換え)として初回は350mg、2回目は700mg、3回目は1,050mg、その後は1回1,400mgを4週間隔で、少なくとも30分かけて点滴静注する」と投与量を漸増していくスケジュールへの変更承認を取得した。 本セミナーの冒頭で、日本イーライリリーの片桐 秀晃氏(研究開発・メディカルアフェアーズ統括本部 本部長)は、「国内の65歳以上の高齢者のうち、2022年時点で認知症または軽度認知障害(MCI)に該当する人は約1,000万人、有病率は27.8%と推計され、日本は超高齢化社会に直面している」と述べたうえで、同社の取り組みとして認知症と共生する社会に貢献すべくまい進する姿勢を見せた。認知症は早期の治療開始が鍵 続いて、患者や家族にとっての進行抑制の価値や早期発見・診断の重要性などについて、岩田 淳氏(東京都健康長寿医療センター 副院長)が解説した。まず、一部の患者や家族にある「点滴治療=重症者向け」という認識が、診断・治療開始の遅れを招く原因となることを指摘した。これに対し、専門医の立場ではMCIの段階で速やかにケサンラの投与を開始することが重要とされており、先送りは将来的に投与の適応外となる可能性があるため、MCIを疑う所見があればHDS-R(改訂長谷川式簡易知能評価スケール)やMMSE(ミニメンタルステート検査)の結果にかかわらず、早期に受診・専門医への紹介につなげる必要があるとした。そのうえで、こうした早期介入の目的は治療自体ではなく、患者の治療後のQOLを高めることにあると述べた。薬剤負荷を抑える用量漸増によりARIA-Eが有意に減少 ケサンラの新しい用法・用量の承認の根拠となった「TRAILBLAZER-ALZ 6試験」の結果や、副作用としてのARIAの発症機序について、猪原 匡史氏(国立循環器病研究センター 副院長・脳神経内科部長)が解説した。TRAILBLAZER-ALZ 6試験とは、アミロイドPET検査により脳内にアミロイドβプラーク沈着が認められた早期アルツハイマー型認知症患者(843例)を対象に、沈着量の変化やARIAの発現割合を検討した多施設共同無作為化二重盲検第III相試験である。被験者を350mg開始群(212例)、700mg開始群(208例)、投与スキップ群(210例)、頻回投与群(213例)の4つの群に無作為に割り付け、同じ総投与量を異なる方法で投与した。 主要評価項目は24週時までのARIA-E関連事象の発現割合で、700mg開始群と比較して投与24週時のARIA-E関連事象の相対リスクが20%減少する事後確率を算出し、これが事前に規定した閾値(80%)を超えるか否かを検討した。結果、24週時のARIA-E関連事象の発現割合は、350mg開始群で13.7%、700mg開始群で23.7%であり、相対リスク減少率は40.5%、相対リスクが20%減少する事後確率は94.1%と、事前に規定した閾値を上回った。 副次評価項目について、76週時のMRI検査に基づくARIA-E関連事象の重症度は、700mg開始群と比較して350mg開始群では軽度であり、有意差が認められた(p=0.015、CMH検定)。ベースラインから76週時までの脳内アミロイドβプラークの減少量は、350mg開始群で70.92センチロイド、700mg開始群で72.14センチロイドと同程度であった。 安全性について、治療開始76週時までの有害事象の発現割合は、350mg開始群で93.9%(199/212例)、700mg開始群で92.3%(191/207例)であった。副作用の発現割合は、350mg開始群で53.8%(114/212例)、700mg開始群で53.1%(110/207例)であった。その中でARIA-Eの発現割合は、700mg開始群が23.2%(48例/207例)であったのに対し、350mg開始群は15.1%(32例/212例)と有意に減少していた。 ARIAは、血管周囲の排泄経路障害や血液脳関門の破綻によりアミロイドβが蓄積し、そこに抗アミロイドβ抗体薬が投与されるとアミロイドβのクリアランスに伴い一過性に血管外漏出を引き起こすことで発症する。TRAILBLAZER-ALZ 6試験の結果について同氏は、「投与初期の薬剤負荷を抑える漸増法によってアミロイドβのクリアランス経路に見合った段階的な除去が促され、過度な蓄積を避けることでARIAリスク低減に寄与する可能性を示唆している」と述べた。さらに、抗アミロイドβ抗体薬の治療対象者の多くは高齢者であるため、既存の脳微小出血や抗血栓薬の併用などのARIAのリスク因子について理解し、定期的なMRI検査などで処方医と読影医が連携することが重要であるとした。最後に同氏は、MRI検査によりARIAを早期に捉え、高血圧などの血管障害リスクとなりうる生活習慣病のマネジメントを行っていく必要性を強調した。

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外来ベンゾジアゼピン減少戦略、入院中の不眠症治療標準化がポイント

 不眠症は、頻繁にみられる臨床的愁訴であり、入眠障害、夜間の中途覚醒、早朝覚醒、熟眠障害といった症状を呈する。これらの睡眠障害は、さまざまな精神疾患や身体疾患と関連していることが多く、生活の質の低下や広範な社会的負担につながる可能性がある。ベンゾジアゼピン系薬剤(BZD)は入院患者の不眠症マネジメントに広く用いられているが、とくに高齢者においては、認知機能低下、転倒、骨折などの有害事象との関連が指摘されている。広島大学病院では、より安全な処方実践を促進するため、入院患者向け処方集およびクリニカルパスガイダンスを2021年11月に改訂し、入院中のBZD新規処方開始抑制を目指している。同病院の大本 亜沙妃氏らは、外来患者における睡眠薬処方を分析し、入院時の不眠症治療薬の標準化が、外来の不眠症治療薬処方に及ぼす影響を評価した。Cureus誌2025年7月29日号の報告。 外来患者における睡眠薬処方について、記述統計学的手法を用いて分析するため、医療記録をレトロスペクティブにレビューした。本分析では、入院患者の不眠症治療薬の標準化が、医師による外来患者への不眠症治療薬処方の動向に及ぼす影響を評価した。 主な結果は以下のとおり。・研究期間中、BZDおよびBZD以外の薬剤の処方率が低下したことが示された。・さらに、3ヵ月間にわたり、BZDの新規処方が減少傾向にあることが認められた。 著者らは「入院患者における不眠症治療薬としてのBZDの処方を制限することで、医師による外来患者への不眠症治療薬の処方が適正化される可能性があることが示唆された」と結論付けている。

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移植適応のない再発・難治性大細胞型B細胞リンパ腫、モスネツズマブ+ポラツズマブ ベドチンがPFS改善(SUNMO)/JCO

 移植適応のない再発または難治性大細胞型B細胞リンパ腫(LBCL)に対して、モスネツズマブとポラツズマブ ベドチンの併用(Mosun-Pola)をリツキシマブ、ゲムシタビン、オキサリプラチンの併用(R-GemOx)と比較した第III相SUNMO試験において、Mosun-Polaが全奏効率および無増悪生存期間(PFS)を有意に改善し、サイトカイン放出症候群の発現頻度は低かったことを米国・City of HopeのLihua E. Budde氏らが報告した。Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2025年10月2日号に掲載。 本試験では、自家幹細胞移植に適応のない再発または難治性LBCL患者を、Mosun-Pola群とR-GemOx群に2:1に無作為に割り付けた。主要評価項目は中央判定による全奏効率とPFSであった。 主な結果は以下のとおり。・計208例がMosun-Pola群(138例)とR-GemOx群(70例)に割り付けられた。・PFS中央値は、追跡期間中央値23.2ヵ月でMosun-Pola群が11.5ヵ月(95%信頼区間[CI]:5.6~18)とR-GemOx群(3.8ヵ月、95%CI:2.9~4.1)より有意に延長し、増悪または死亡のハザード比は0.41(95%CI:0.3~0.6)であった(p<0.0001)。・全奏効率は、Mosun-Pola群(70%)がR-GemOx群(40%)より有意に高く(p<0.0001)、完全奏効率はそれぞれ51%と24%であった。・Grade2以上のサイトカイン放出症候群の発現率およびトシリズマブの使用率は、Mosun-Pola群で5%未満であり、患者報告アウトカムはR-GemOx群より改善した。

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若年1型糖尿病へのATG、β細胞機能低下を抑制/Lancet

 発症から間もないステージ3の1型糖尿病の若年患者において、抗胸腺細胞グロブリン(ATG)の2.5mg/kgおよび0.5mg/kgの投与はプラセボと比較して、β細胞機能の低下を有意に抑制することを、ベルギー・ルーベン大学のChantal Mathieu氏らが第II相試験「MELD-ATG試験」の結果で報告した。これは、低用量で安全、安価なATGがこの患者集団における疾患修飾薬となる可能性を示すものだという。研究の成果は、Lancet誌2025年9月27日号で発表された。用量範囲を決定する無作為化プラセボ対照多群比較試験 MELD-ATG試験は、アダプティブデザインを用いてATGの用量範囲を検討する二重盲検無作為化プラセボ対照多群比較試験であり、欧州を中心とする8ヵ国14施設が参加した(欧州連合革新的医薬品イニシアチブ2共同事業体INNODIAの助成を受けた)。 2020年11月24日~2023年12月13日に、年齢5~25歳で、治療開始の3~9週間前にステージ3の1型糖尿病と診断され、Cペプチド濃度0.2nmol/L以上、少なくとも1つの糖尿病関連自己抗体(GADA、IA-2A、ZnT8)が陽性の患者117例(女性63例[54%]、5~9歳21例[18%]、10~17歳76例[65%]、18~25歳20例[17%])を登録した。 被験者を、プラセボ群(31例)、ATG 0.1mg/kg群(6例)、同0.5mg/kg群(35例)、同1.5mg/kg群(12例)、同2.5mg/kg群(33例)に無作為に割り付けた。試験薬は連続2日間で2回に分けて静脈内投与した。 主要アウトカムは、12ヵ月の時点における2時間混合食負荷試験(MMTT)中の刺激Cペプチド濃度の曲線下面積(AUC)の平均値(AUC C-peptide+1)とした。 中間解析により、0.1mg/kg群と1.5mg/kg群は試験から除外された。12ヵ月時のCペプチド濃度平均AUCが高い 主要アウトカムである12ヵ月の時点におけるAUC C-peptide+1の平均値は、プラセボ群が0.411(SD 0.032)nmol/L/分であったのに対し、ATG 2.5mg/kg群は0.535(SD 0.032)nmol/L/分と有意に高(平均群間差:0.124nmol/L/分、95%信頼区間[CI]:0.043~0.205、p=0.0028)、β細胞機能の低下を抑制することが示された。 また、12ヵ月時のATG 0.5mg/kg群のAUC C-peptide+1の平均値は0.513(SD 0.032)nmol/L/分であり、プラセボ群に比べて有意に高く(平均群間差:0.102nmol/L/分、95%CI:0.021~0.183、p=0.014)、β細胞機能低下の抑制効果を認めた。0.5mg/kgは有効で、安全性が高い 有害事象のほとんどはGrade1または2であり、Grade3が11例(ATG 0.5mg/kg群3例、同1.5mg/kg群4例、同2.5mg/kg群4例)、Grade4は2例(いずれも重度低血糖、プラセボ群1例、0.5mg/kg群1例)で発現した。リンパ球減少症が39例(34%)にみられ、用量が高くなるに従って発生率が上昇したが、感染症の発生率に群間の差はなかった。 サイトカイン放出症候群は、プラセボ群では認めなかったが、ATG 2.5mg/kg群で11例(33%)、同0.5mg/kg群で8例(24%)に発現した。血清病もプラセボ群ではみられなかったが、ATG 2.5mg/kg群で27例(82%)、同0.5mg/kg群で11例(32%)に発現した。また、緊急にマスキングの解除(非盲検化)を要する事象が2件(血清病の疑いによる入院[重篤な有害反応]1件、注射部位の皮下感染[重度有害事象]1件)発生した。 著者は、「本試験では、プラセボに比べ2.5mg/kgのATGは機能性β細胞量の減少を効果的に防止し、ATGの最小有効用量は0.5mg/kgであることが示された」「ATG 0.5mg/kgでは、プラセボと比較してHbA1c値が低く、2.5mg/kgと比較して副作用(とくにサイトカイン放出症候群と血清病)が少なかった」「これらの知見は、発症からの時間経過が長くないステージ3の1型糖尿病の小児・青年患者における安全な治療薬としてのATGの可能性を強化するものである」としている。

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次期診療報酬改定では2年目も考慮した改定を強く要望する/日医

 日本医師会(会長:松本 吉郎氏[松本皮膚科形成外科医院 理事長・院長])は、10月1日に定例の記者会見を開催した。会見では、令和8(2026)年度の診療報酬改定へ向けての医師会からの要望事項などが説明された。また、副会長の茂松 茂人氏(茂松整形外科 院長)が、令和7(2025)年防災功労者内閣総理大臣表彰を日本医師会が受賞したことを報告した。これは令和6(2024)年に発生した能登半島地震に際し、医師会が災害派遣などを通じて人命救助に尽力したことなどが高く評価されたもので、本表彰は、平成8(1996)年の阪神・淡路大震災、平成24(2012)年の東日本大震災に続いて3回目となる。次期報酬改定では2年目の対応も重要 松本氏は、「医療機関の窮状を踏まえた次期診療報酬改定に向けて」をテーマに、医師会からの要望・提案事項を4点を説明した。(1)医療の窮状について 診療科別の利益率は、すべての診療科で利益率が悪化している。地域別の利益率も、医業利益率、経常利益ともに地域に関係なくいずれの地域でも低下している。とくに決算期が間近に迫ると利益率が低くなり、経営環境の悪化が鮮明に進んでいることが判明している。さらに近いうちに廃業を考える診療所は約14%にも及んでおり、診療所だけでなく病院についても厳しい経営環境にある。(2)令和7年の対応不足について 令和7年度分の対応不足は、令和6年度改定で2年目は推計値で対応しなければならないため、今般のように物価・賃金などが急激に高騰している中では、結果として不十分な対応となった。繰り返し医師会から要望している令和8年度診療報酬改定の前に、期中改定を求められているような深刻な状況であり、補助金と診療報酬の両面からの早急な対応が必要である。(3)次期診療報酬改定について 次期診療報酬改定について、今後も物価・賃金などが上昇し続けていくことが予想される中、次期改定では改定2年目についても大胆な対応が求められる。とくに昨今の急激なインフレ下では、議論の進め方や柔軟な改定をする必要が出てきている。財務省は、インフレ下であっても先行きが不明であることから、その対応は極めて抑えた改定にしようとしている。そのため改定2年目での乖離が大きくなり、今年実際に生じている大きな問題となっている。物価賃金が大きく上昇した場合については、それに合わせて適切に対応する新たな仕組みの導入の検討を明確化しておく必要があり、方向性としては、大きく2つの方法が提案される。 1つ目には、改定から2年目は調査から3年間ずれることから、物価・賃金が大きく上昇した場合には、それに応じて適切に対応する新たな仕組みの導入の検討を明確化すること。つまり次の改定までの2年間をしっかりと見据えた推計値を含めた改定水準とすること。 2つ目には、2年目の分は物価・賃金それぞれ基本診療料を中心に機動的に上乗せする新たな仕組みを導入し、明確化すること。つまり2年目の分を2年目に確実に上乗せをするということ。(4)令和7年度補正予算での対応 令和7年度補正予算での対応、令和8年度診療報酬改定のいずれも真水によって対応が行われなければならない。これまで十数年間にわたり、財源の適正化という名目のもとで医療費は削られ続けてきた。この約10年間で改定率は積み上げていくと約2%しか上昇していない。医療機関の経営はギリギリであり、適正化などの名目により医療費のどこかを削って、財源を捻出するという方法では、もはや経営は成り立たなくなり、このままでは医療は崩壊する。税収は物価が上がれば増え、保険料は人件費が上がれば料率はそのままであっても全体の収入は増える。経済成長の果実を活用し、あくまで財源を純粋に増やす、いわゆる真水による思い切った緊急的な対策を強く提言する。

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ICD患者のK値はいくつにすべきか―4.0mEq/Lでは低すぎる(解説:高月誠司氏)

 血清Na濃度は140mEq/Lに対して、細胞内Na濃度は15mEq/L、相補的に血清K濃度は4~5mEq/Lに対して、細胞内K濃度は140mEq/Lと濃度は逆転している。 心筋の静止膜電位は-90mVだが、Naチャネルが開口し、一気に細胞内にNaイオンが流入することにより、膜電位は脱分極し、心筋の活動電位が発生する。活動電位においてKイオンは細胞外に放出され、再分極を担う。 細胞外K濃度が変化すると、静止膜電位に影響する。血清K濃度が上昇すると、静止膜電位は脱分極し、Naチャネルの抑制方向に働く。高K血症は伝導速度の低下や伝導ブロックにつながる。一方で血清K濃度が低下すると静止膜電位は過分極するが、それよりもKチャネルのconductanceの低下による細胞外へのKイオンの放出の抑制が影響する。結果的に活動電位持続時間は延長し、それによって撃発活動など不整脈が誘発される。QT延長によるトルサデポワンなどがよく知られるところである。 本POTCAST Studyは、血清K濃度4.3mEq/L以下のICD植え込み患者を対象に、4.5~5.0mEq/Lを目標に血清K値を積極的に補正する群と通常治療群にランダムに割り付け、心室頻拍の発生やICDの作動、不整脈や心不全による予期しない入院、全死亡を比較した。結果的にK保持性利尿薬やK製剤で補正した積極治療群で有意にイベントが少なかった。実際のK値は積極補正群で4.01mEq/Lから4.36mEq/Lに増加したが、一方、通常治療群では4.0mEq/Lから4.05mEq/Lと変化していなかった。これはデバイス植え込み患者における血清K値の目標値を示した有意義な試験といえるだろう。ただし、eGFR30mL/分/1.73m2以下の患者は除外されている。腎機能低下患者では高K血症に十分注意する必要がある。

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第263回 インフルエンザ全国で流行入り、ワクチンは11月末までに接種を/厚労省

<先週の動き> 1.インフルエンザ全国で流行入り、ワクチンは11月末までに接種を/厚労省 2.公立・大学病院の赤字拡大が過去最大に、人件費高騰で持続性に黄信号/総務省 3.機能強化型在支診・在支病を再定義へ 緊急往診・看取りなどの評価へ/中医協 4.周産期・小児医療の集約化が本格議論へ、地域単位での再編を/厚労省 5.医療事故調査制度創設10年、医療事故判断のプロセスを明文化へ/厚労省 6.有料老人ホーム、囲い込み禁止へ 登録制で参入規制強化へ/厚労省 1.インフルエンザ全国で流行入り、ワクチンは11月末までに接種を/厚労省厚生労働省は、9月22日~28日のインフルエンザの定点報告で患者数4,030人、定点当たり1.04人とし、全国流行入りを公表した。昨季より約5週早く、過去20年で2番目の早さである。定点1を超えたのは15都府県で、沖縄8.98、東京1.96、鹿児島1.68などが高かった。保育園・学校などの休校・学級閉鎖は135施設(前週比増)、東京都内でも9月だけで61件の集団感染が報告された。流行前線は、観光地を含む関東・関西・九州・沖縄で目立ち、今季は台湾・香港で夏に流行したA型(H3N2)が国内でも主流になる可能性が指摘されている。インバウンドや海外渡航を介したウイルス流入が早期流行に影響したとの見方が有力。一方、新型コロナの定点は5.87(前週比0.85倍)と2週連続の減少で、呼吸器感染症の鑑別と同時流行への備えが求められる。新型コロナウイルスの流行は例年どおり12月末~2月と見込まれているが、寒冷化とともに患者は増えるため、高齢者・基礎疾患・小児にはワクチン接種を推奨する。なお、インフルエンザワクチンとして、2~18歳には、経鼻生ワクチン(商品名:フルミスト)が昨季から接種可能で、発症リスクを約28.8%低下させる国内成績がある。副反応は、鼻閉・咳などが多く、妊娠・免疫不全・重度喘息、授乳や同居に免疫不全者がいる場合は不活化ワクチンを用いる。基本対策(手洗い、混雑場面でのマスク、体調不良時の外出回避)を徹底し、学齢期の動向に留意した上で、重症化リスクへの早期介入(抗インフルエンザ薬の適応判断、合併症監視)を行いたい。なお、定点数縮小に伴い今季は「流行レベルマップ」と全国推計患者数の公表が停止されている。 参考 1) インフルエンザ全国で流行入り 厚労省、過去20年で2番目の早さ(日経新聞) 2) インフルエンザ、はや流行期入り 昨シーズンより5週早く 厚労省(朝日新聞) 3) インフルエンザ流行入り、2023年除き2番目の早さ…専門家「訪日客の増加が影響」(読売新聞) 2.公立・大学病院の赤字拡大が過去最大に、人件費高騰で持続性に黄信号/総務省総務省が明らかにした地方公営企業決算によると、2024年度の公立病院事業の経常赤字は3,952億円と過去最大(前年2,099億円の約2倍)となった。844病院のうち83.3%が赤字に陥った。要因は賃上げによる人件費の増加、医薬品や診療材料費の上昇、エネルギー価格の高騰で、2025年度の経営状態について、各団体の試算・発言からは厳しい発言が相次いでいる。四病院団体協議会の定期調査でも、2025年6月単月の経営は前年同月よりさらに悪化しており、24年度通年も医業収支・経常収支とも悪化し、赤字病院割合の上昇が報告された。大学病院の打撃はより深刻とされており、全国医学部長病院長会議の集計では、81大学病院の24年度経常赤字は計508億円に拡大(医薬品費+14.4%、診療材料費+14.1%、給与費+7.0%)している。国立大学病院は25年度、経常赤字が400億円超へ拡大する見通しで、42病院中33病院が現金収支赤字に転落する見込み。このため医療機器の更新や建物整備の先送りが常態化し、高度医療や医学研究や人材育成に支障が出始めている。赤字拡大を受けて、病院団体からは2026年度の診療報酬改定に向けて診療報酬の引き上げ要求が相次いでいる。物価・賃金上昇の「2年分」を本体に反映する大幅プラス改定(四病協・大学病院団体は10%超~約11%を要望)、必要なら期中改定の実施も求めている。このほか、急性期の入院基本料や救急・周産期・小児などの基礎コストを底上げし、夜間・時間外、救急搬送受け入れ、重症患者対応の評価を拡充も求めている。さらに働き方改革に伴う人件費増(医師時間外上限、看護職の処遇改善など)を恒常費として補填も求めている。さらに医薬品・診療材料の市況高騰を包括点数や出来高評価に機動的に転嫁(DPC包括の原価乖離補正、材料価格スライド)するほか、高額な医薬品については費用対効果評価の厳格化・再算定を進め、真に臨床的価値の高い薬剤の適正評価を求めている。また、緊急の補正予算による機器更新・老朽施設更新の原資を確保するほか、地域医療構想のために、地域医療が弱体化しないように、過疎・離島や大学の医師派遣機能に配慮した加算の新設を求めている。同じく大学病院団体側は「このままでは高度医療・人材育成・研究の基盤が損なわれる」とし、診療報酬と公的支援の両輪による早期の資金手当てを求めている。今後、患者負担・給付と負担の議論が行われ、次年度の改定を前に政府で社会保障費について検討される見込み。 参考 1) 令和6年度地方公営企業等決算の概要(総務省) 2) 「令和6年度大学病院の経営状況」(国立大学病院長会議) 3) 全国の公立病院、24年度は過去最大の赤字 人件費増が重荷に(日経新聞) 4) 病院経営がさらに悪化、「かなり深刻」四病協調査 6月単月で(CB news) 5) 国立大病院の赤字、今年度は過去最大400億円超の見通し 物価高や人件費上昇(産経新聞) 6) 81大学病院の経常赤字は昨年より悪化、計508億円の赤字に(日経メディカル) 7) 2024年度に大学病院全体で「508億円の経常赤字」、22年度比で医薬品費が14.4%増、診療材料費が14.1%増と経営圧迫-医学部長病院長会議(Gem Med) 3.機能強化型在支診・在支病を再定義へ 緊急往診・看取りなどの評価へ/中医協厚生労働省は、10月1日に開かれた中央社会保険医療協議会(中医協)の総会で、2026年度改定に向け在宅医療の評価見直しを議論した。2020年から2040年にかけて、85歳以上の救急搬送は75%増加し、85歳以上の在宅医療需要は62%増加することが見込まれ、これに対して在宅医療の質的な充実が求められている。連携型の機能強化型在支診・在支病について、24時間往診体制の「実質的な貢献度」に応じた評価を導入すべきだと支払側が主張する一方、診療側は撤退誘発を懸念し、反対した。厚労省提示のデータでは、連携型在支診の往診体制時間は「常時」と「極めて短い」で二極化しており、緊急往診・看取り実績は在宅緩和ケア充実加算の要件超えが多数認められ、重症患者比率が高い施設も一定数あった。これらを踏まえ、(1)地域の中核として、十分な医師配置を行い、在宅での看取りや重症対応を実施して他機関を支援し、さらに医育機能も担う在宅医療機関を評価すること、(2)在宅緩和ケア充実加算を統合して再設計すること、の2点を主要論点として位置付けた。一方、診療側は、要件を強化したり医育機能を加算の要件に組み込んだりする案に反対を示した。併せて、包括的支援加算の算定にばらつきが生じていることから、要介護度の低い患者の割合を報酬に反映させる支払側の提案に対して、診療側は「要介護度が低くても、通院困難で在宅医療が必要な患者が多数存在する」ため、要介護度のみに着目した評価に反対した。へき地診療所については、派遣元が時間外対応を担う場合に在医総管・施設総管を算定できるようにする方向で双方が賛同した。さらに、退院直後の訪問栄養食事指導を新たに評価することも検討し、入退院支援から急変対応・看取りに至るまで在宅医療を整備し、評価にメリハリを付ける方針を、改定の論点として示した。今後、これらの論点についてさらに検討の上、来年度の改定に盛り込まれる見込み。 参考 1) 中央社会保険医療協議会 総会(厚労省) 2) 在宅医療及び医療・介護連携に関するワーキンググループにおける検討事項等について(同) 3) 訪問診療の報酬に「患者の状態」反映、厚労省案 要介護度低い割合など(CB news) 4) 「在宅医療及び医療・介護連携に関するワーキンググループ」の初会合が開催(日経メディカル) 5) 24時間往診体制への貢献度に応じた評価に意見が分かれる(同) 4.周産期・小児医療の集約化が本格議論へ、地域単位での再編を/厚労省厚生労働省は、10月1日に「小児医療及び周産期医療の提供体制等に関するワーキンググループ」を開催し、少子化と医師偏在の進行を踏まえ、周産期医療と小児医療の提供体制を抜本的に見直す方針を示した。従来の二次医療圏にこだわらず、地域の実情に応じて柔軟に医療圏を設定し、分散した医療資源を集約化する方向性である。小児医療・周産期医療のワーキンググループ(WG)で論点が示され、2025年度末までに一定の取りまとめを行う見通し。周産期医療では、ハイリスク分娩に限らず、一般的な分娩を含む医療圏の再編が検討される。出産件数の減少により、分娩取扱施設は全国で減少傾向にあり、とくに地方では産婦人科医や小児科医、助産師の確保が課題となっている。厚労省は、263ヵ所ある周産期医療圏を再構築し、妊婦健診や産後ケアを担う施設との連携を強化するとともに、周産期母子医療センターの整備や無痛分娩の安全提供体制も検討課題とした。参加した委員からは出生数が減ると分娩を取り扱う医療機関の経営が成り立たなくなるとの指摘もあり、さらに分娩施設の急減は安全確保に影響する可能性があり、早期の結論が求められている。一方、小児医療では、全国1,690病院のうち約48%が常勤小児科医2人以下にとどまり、医療資源の薄い分散配置が明らかとなった。厚労省は「小児医療圏」単位での集約化・重点化を提案し、2030年度から始まる第9次医療計画で具体化する考えを示した。小児医療圏は現行306ヵ所で、救急機能を含め常時小児診療を提供できる体制の確保を求める方針。また、地域で小児科の診療所が不足する場合には、病院の小児科が一般診療に参加し、内科医との連携やオンライン診療、「#8000」電話相談などを組み合わせて医療提供体制を維持する方策も提示された。厚労省は、今後の議論を通じて、人口減少下でも「安全に産み育てられる地域医療体制」の再構築を進める方針である。 参考 1) 第1回小児医療及び周産期医療の提供体制等に関するワーキンググループ(厚労省) 2) 常勤小児科医2人以下の病院が約半数 厚労省(CB news) 3) 周産期医療、ハイリスク分娩以外も集約化へ 年度末をめどに取りまとめ 厚労省(同) 5.医療事故調査制度創設10年、医療事故判断のプロセスを明文化へ/厚労省厚生労働省は、10月1日に開いた「医療事故調査制度等の医療安全に係る検討会」で、医療事故調査制度の創設から10年を迎えるのに合わせ、医療機関が医療事故を判断する体制や手順を自ら定め、医療安全管理指針に明記する方針を示した。患者の予期せぬ死亡が「医療に起因するか」について医療機関と遺族が対立する事例が相次いでおり、判断の質と透明性を高める狙いがある。同制度は2015年に導入され、病院や診療所、助産所で医療に起因する、またはその疑いがある予期せぬ死亡が発生した場合、第三者機関への報告を義務付けている。しかし、事故に該当するかの判断を管理者が単独で行うことが多く、施設間で判断基準にばらつきがあった。今回の見直しでは、全死亡例を対象としたスクリーニング体制を構築し、疑義がある場合の検討過程を記録として残すことを求める。新たな指針では、医療事故に該当するかの検討を行う際の工程や、遺族からの申し出に応じて再検討する仕組みを明文化する。さらに、判断に至った理由、遺族への説明経過などを保存し、事後検証可能な形で管理することを義務付ける方針。また、厚労省は、管理者に対して医療事故調査制度の研修受講を促すとともに、未修了の場合は修了者である医師や看護師など実務担当者が支援できる体制を整えるとした。日本病院会の岡 俊明副会長は、「全死亡例を対象にスクリーニングし、判断根拠を明確に残すことが制度の信頼性向上につながる」と述べている。同制度は今年3月末までに3,338件の報告があり、厚労省は今後、関連指針の改訂を進める方針。 参考 1) 第4回医療事故調査制度等の医療安全に係る検討会(厚労省) 2) 医療事故の判断、指針明記へ 遺族対応も、調査制度創設10年(共同通信) 3) 医療事故の判断プロセス、安全管理指針に明記へ 判断理由の記録も保存を 厚労省(CB news) 6.有料老人ホーム、囲い込み禁止へ 登録制で参入規制強化へ/厚労省厚生労働省は、10月3日に「有料老人ホームにおける望ましいサービス提供のあり方に関する検討会」を開き、有料老人ホームをめぐる規制強化の方針を示した。中重度の要介護者や医療ケアが必要な高齢者を受け入れる施設の一部について、現行の「届け出制」から「登録制」へ移行する方向で検討を進める。事業計画の不備や虐待などの行政処分歴がある事業者の参入を拒否できる仕組みを設け、質の担保と安全性確保を狙う。これまで届け出制では、行政が開設を拒めないことから、不適切な事業者が参入し、給与未払い・集団退職・転居強要などのトラブルも相次いだ。登録制では、参入要件を満たさない事業者に対し、開設制限をかけることが可能になる。同時に、介護サービス事業者との「囲い込み」の是正も進める。住宅型ホームで、入居契約時に提携する居宅介護支援事業所や介護サービスの利用を条件としたり、家賃優遇などで自法人サービスを誘導したりする行為を禁止する。さらに、かかりつけ医やケアマネジャーの変更を迫る行為も明確に禁止される。厚労省は、契約の透明化と利用者の選択権を守る観点から、契約締結・ケアプラン作成手順のガイドライン整備を義務付け、行政が事後的にチェックできる仕組みを設ける方針。今後、パブリックコメントを経て報告書をまとめ、老人福祉法改正を視野に制度化を進める。医療現場への影響としては、入居者の医療的ケア連携が明確化され、外部医師の関与が阻まれるリスクが減る点が挙げられる。今後は、地域医療連携室や在宅医が入居後も継続的に介入できる体制が求められ、医療と介護の分断是正に資する動きとなりそうだ。 参考 1) 有料老人ホームにおける望ましいサービス提供のあり方に関する検討会 とりまとめ素案(厚労省) 2) 重度者向け老人ホームに登録制検討 厚労省、質懸念なら参入拒否(日経新聞) 3) 老人ホーム「囲い込み」是正 ケアマネ変更の誘導・強要を禁止 厚労省 ルール厳格化へ(JOINT) 4) 有料老人ホーム、家賃優遇の条件付け禁止へ「囲い込み」対策 厚労省(CB news)

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米国ドラマ「24」【その2】なんで腰抜けや記憶喪失は「ある」の?-進化精神医学から迫る解離症の起源

今回のキーワード迷走神経反射解離性健忘脱力発作離人感・現実感消失症解離性神経学的症状症解離性遁走前回(その1)、失神するメカニズムから、腰抜けや記憶喪失になるメカニズムを、脳科学の視点から仮説を使って解き明かしました。このシネマセラピーの記事では、これまでほぼすべての精神障害の起源を掘り下げてきました。これらの現象も、その起源がありそうです。それでは、そもそもなぜ迷走神経反射、腰抜け、そして記憶喪失は「ある」のでしょうか?この謎の答えに迫るために、今回も引き続き、米国ドラマ「24(トゥエンティ・フォー)」を踏まえて、進化精神医学の視点から、これらの病態の起源に迫ります。なお、正式名称としては、記憶喪失は解離性健忘、腰抜けは脱力発作です。ただ、この記事では、わかりやすさを優先して、よく使われる通称の「腰抜け」「記憶喪失」で表記します。じゃあなんで迷走神経反射、腰抜け、そして記憶喪失は「ある」の?迷走神経反射、腰抜け、そして記憶喪失の病態のメカニズムがわかりました。それでは、そもそもなぜこのような病態は「ある」のでしょうか?ここで、進化医学の視点から、進化の3つの時期に注目して、これらの病態の起源を掘り下げてみましょう。(1)死んだふりで生き延びる―迷走神経反射の起源約5億年前に魚類が誕生してから、天敵が近くにいる時に危険を素早く察知する扁桃体が進化しました。同時に、天敵に追い詰められて戦うことも逃げることもできなくなった時にいったん動かなくなる迷走神経反射も進化しました。これは、その間に天敵を油断させて、また動けるようになったら、すきを見て逃げるための、捨て身の生存戦略です。1つ目の進化は、死んだふり(擬死)で生き延びることです。実際に、現在、迷走神経反射に類似する現象は、魚類から、両生類、爬虫類、鳥類、そして哺乳類まで多くの動物で確認されています2)。たとえば、「タヌキ寝入り」は日常的な言い回しになるくらい有名です。これが、「戦うか逃げるか、または固まるか(”fight, flight, or freeze”)」と呼ばれるゆえんです。そして、これが、迷走神経反射の起源であり、五感や体感の感度が鈍くなり、現実感がなくなる病態(離人感・現実感消失症)の起源でもあります。つまり、迷走神経反射は、太古の私たちの祖先が獲得した進化の産物の名残りだったというわけです。だから、迷走神経反射は「ある」のです。(2)困ったふりで生き延びる―腰抜けの起源約700万年前に人類が誕生して、約300万年前にアフリカの森からサバンナに出て、血縁で集団になって助け合う社会脳が進化しました。そんななか、天敵である猛獣から逃げきれない絶体絶命な状況になった時、先ほどの死んだふりではなく腰が抜けるだけで意識がある方が、一緒にいる仲間たちに運んでもらい、逃げるのを助けてもらえるチャンスは増えるでしょう。これは、仲間頼みの捨て身の生存戦略です。2つ目は、困ったふりで生き延びることです。「ふり」という言い回しをあえて使っていますが、先ほどの「死んだふり」と同じように、もちろん本人が意識してできることではなく、無意識です。これを支持する事実が2つあります。1つは、性差です。実際に、腰抜けを含む解離性神経学的症状症の性差においては、男性よりも女性が2~3倍多いです1)。これは、腰抜けになることによって、女性は周りの体格で勝る男性たちから援助行動を引き出すことができます。一方で、その逆の男性が腰抜けになる状況は、体格差から考えると、負担が大きいため、助けてもらえる可能性が低くなります。この点で、現代でも、「腰抜け」という言葉は、女性ではなく、男性に対しての軽蔑の言葉になっていることも納得がいきます。このような事情によって、腰抜けになる人がとくに女性で増えるような進化の選択圧がかかり、性差に表れていると言えるでしょう。もう1つは、腰抜けになるのは人間だけであるという事実です。人間以外の他の動物で明らかな腰抜けは確認されていないことからも、腰抜けは、動物で唯一助け合いをする人間ならではの現象であると言えるでしょう。なお、ペットの犬や猫が獣医から「腰が抜ける」と指摘されることはあります。しかし、その原因のほとんどは、心理的なもの(重度ストレス)ではなく、ビタミン不足や外傷などの身体的なものであると言われています。(3)知らないふりで生き延びる―記憶喪失の起源約300万年前以降、人類は社会脳の進化によって、家族や部族の絆に思い入れを持つようにも進化しました。そんななか、災害や部族間の争いで、自分の家族が死んだり殺された時、悲嘆にくれたり敵の部族を恨み続けるよりも、そのトラウマ体験をはじめ、家族の顔やそれまでの記憶をいっそ思い出せない方が、その後に引き取ってくれた新しい家族や敵の部族社会の中にスムーズに馴染んでいき、自分の子孫を残す確率を高めます。これは、新しい環境に適応するための生存戦略です。3つ目は、知らないふりで生き延びることです。今回も、「ふり」という言い回しをあえて使っていますが、先ほどの「死んだふり」「困ったふり」と同じように、もちろん本人が意識してできることではなく、無意識です。そもそも、人類が言葉を話すように進化したのは、たかだか約20万年前です。そして、過去、現在、未来などの時間軸を認識するなど概念的な思考ができるようになったのは、人類史ではごく最近の約10万年以降です。つまり、情報化された現代社会と違って、原始の社会では、言葉さえなく、その日暮らしでその瞬間を生きているだけであり、どんな人生を送ってきたかという記憶(全生活史)はそれほど重要ではないため、記憶喪失になってもそれほど困らないでしょう。それどころか、むしろ記憶喪失になった方が新しい社会に溶け込めて好都合だったでしょう。これを支持する事実が2つあります。1つは、思い出せない範囲です。先ほどもご紹介しましたが、トラウマ体験だけ思い出せない記憶喪失(選択的健忘)もあることです。まさにそのトラウマ体験だけを「知らないふり」して何ごともなかったように生き延びていけます。逆に、一般常識が思い出せなくなることはないことです。まるで、それまでの人生を「知らないふり」して、何ごともなかったように新しい環境で生き延びていけます。どちらにしても、あまりにも都合が良く、単なる脳の障害では説明ができません。もう1つは、記憶喪失になって放浪する病態(解離性遁走)があることです。トラウマ体験のあった場所から遠ざかろうとする無意識の回避の心理に加えて、放浪し続けることで、結果的に自分を受け入れてくれる新たな社会に巡り合う可能性が高まる点で、都合が良いです。これも、単なる脳の障害では説明ができません。なお、エピソード記憶と意味記憶は、同じ記憶機能として括られていますが、その心理発達の時期、進化の起源の時期はかなり違うことが考えられます。その詳細については、以下の記事をご覧ください。 1) DSM-5-TR、p330、p352:日本精神神経学会、医学書院、2023 2) 「死んだふり」で生きのびる、p82:宮竹貴久、岩波書店、2022

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英語で「心房細動」、患者さんにどう説明する?【患者と医療者で!使い分け★英単語】第35回

医学用語紹介:心房細動 atrial fibrillation「心房細動」について説明する際、患者さんにatrial fibrillationと言っても通じない場合も多いと思います。それでは、何と言い換えればいいでしょうか?講師紹介

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PS不良の小細胞肺がん、デュルバルマブ+化学療法の有用性は?(NEJ045A)/ERS2025

 『肺診療ガイドライン2024年版』において、PS0~1の進展型小細胞肺がん(ED-SCLC)の標準治療は、プラチナ製剤/エトポシド併用療法+PD-L1阻害薬であるが1)、PS不良例での有効性・安全性は明らかになっていない。そのため、PS2ではプラチナ製剤+エトポシドまたはイリノテカン併用療法、PS3ではカルボプラチン+エトポシド療法またはsplit PE療法が標準治療とされている1)。そこで、PS2~3のED-SCLC患者を対象に、デュルバルマブ+カルボプラチン+エトポシドの有効性・安全性を検討する国内第II相単群試験「NEJ045A試験」が実施された。その結果、PSに応じて用量調節を行うことで、半数以上が導入療法を完遂し、良好な治療成績が得られた。欧州呼吸器学会(ERS Congress 2025)において、渡部 聡氏(新潟大学医歯学総合病院 呼吸器・感染症内科)が本試験の結果を報告した。なお、本結果はLancet Respiratory Medicine誌オンライン版2025年9月28日号に同時掲載された2)。試験デザイン:国内第II相単群試験対象:未治療のPS2~3、20歳以上のED-SCLC患者投与方法:[PS2集団]デュルバルマブ(1,500mg)+カルボプラチン(AUC4)+エトポシド(80mg/m2)を3~4週ごと4サイクル※→デュルバルマブ(1,500mg)を4週ごと(43例)[PS3集団]デュルバルマブ(1,500mg)+カルボプラチン(AUC3)+エトポシド(60mg/m2)を3~4週ごと4サイクル※→デュルバルマブ(1,500mg)を4週ごと(13例)評価項目:[主要評価項目]忍容性(4サイクルの導入療法の完遂割合)[副次評価項目]中央判定に基づく奏効割合(ORR)、全生存期間(OS)、1年OS率、無増悪生存期間(PFS)、PSの改善、安全性※:2サイクル目以降は、カルボプラチンAUC5、エトポシド100mg/m2まで増量可とした 主な結果は以下のとおり。・対象患者の年齢中央値は、PS2が74歳(四分位範囲:69~77)、PS3が73歳(同:72~78)で、男性がそれぞれ74%、92%であった。併存疾患を有する割合はそれぞれ65%、69%であった。・主要評価項目である4サイクルの導入療法の完遂割合は、PS2が66.7%、PS3が50.0%であった。いずれも事前に規定した基準(PS2:33%、PS3:20%)を上回り、主要評価項目が達成された。・OS中央値は、PS2が11.3ヵ月、PS3が5.1ヵ月であった。1年OS率はそれぞれ50.0%、18.2%であった。・PFS中央値は、PS2が4.8ヵ月、PS3が4.6ヵ月であった。・ORRは、PS2が52.4%、PS3が45.5%であった。・PSが改善した患者の割合は、PS2が55%、PS3が46%であった。・PSの改善の有無別にみたOS中央値は、PSが改善した集団が9.2ヵ月、PSの改善がみられなかった集団が7.0ヵ月であり、両集団に有意差はみられなかった。・導入療法の完遂の有無別にみたOS中央値は、完遂集団が15.0ヵ月、未完遂集団が3.8ヵ月であり、完遂集団が良好であった(p<0.001、post-hoc解析)。・Charlson Comorbidity Index(CCI)別にみたOS中央値は、CCI=0集団が13.9ヵ月、CCI≧1集団が4.8ヵ月であり、CCI=0集団が良好であった(p=0.012、post-hoc解析)。・Grade3以上の治療関連有害事象の発現割合は93%(PS2:93%、PS3:92%)であった。G-CSF製剤の予防的投与は41%に行われたが、発熱性好中球減少症は16%(それぞれ12%、31%)に発現した。貧血は14%(それぞれ12%、23%)に発現した。 本試験結果について、渡部氏は「治療上の課題の多いPS不良の患者に対し、化学療法に免疫チェックポイント阻害薬を上乗せすることを支持するものである」とまとめた。

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家事をしない人は認知症リスクが高い?米国65歳以上の10年間調査

 身体活動レベルは、アルツハイマー病およびその他の認知症発症リスクに影響を及ぼす。米国・カリフォルニア大学のNan Wang氏らは、65歳以上の米国人を対象に、家事頻度の変化が認知機能に及ぼす影響を評価するため、10年間にわたる家事頻度の変化と認知機能との相関を調査した。The Permanente Journal誌オンライン版2025年9月10日号の報告。 Health and Retirement Studyに参加した65歳以上の米国人8,141例のデータを分析した。2008~10年の家事頻度の変化を「一貫して高い」「低から高へ変化」「高から低へ変化」「一貫して低い」の4つに分類し、評価した。認知機能は、2010~18年に複合スコア(範囲:0~35)を用いて測定し、混合効果線形回帰モデルを用いて評価した。 主な結果は以下のとおり。・参加者の年齢中央値は75±6.6歳、女性の割合は59.3%であった。・家事頻度が「高から低へ変化」「一貫して低い」と回答した人は、「一貫して高い」と回答した人と比較し、認知機能低下との関連が認められた(各々、0.079[95%信頼区間[CI]:-0.117~−0.042]、0.090[95%CI:-0.126~-0.054])。・家事頻度が「低から高へ変化」と回答した人と「一貫して高い」と回答した人との認知機能低下は、統計的に有意な差が認められなかった(β=-0.027[95%CI:−0.074~0.019]、p=0.252)。・この関連性は、女性と男性で同様であり(Pinteraction=0.765)、80歳以上と65~79歳でも同様であった(Pinteraction=0.069)。 著者らは「高齢期に家事への関与が低い状態から高い状態に移行するか、一貫して高い状態を維持することは、性別や年齢にかかわらず、認知機能の低下を遅らせる可能性が示唆された」としている。

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てんかん患者の突然死、発作期無呼吸がリスクマーカーに/Lancet

 「てんかんにおける予期せぬ突然死(sudden unexpected death in epilepsy:SUDEP)」はてんかん関連死の主要な原因であり、後ろ向き研究によってそのリスク因子は、全般けいれん発作(とくに夜間)、罹患期間の長いてんかん、独居が知られている。米国・University of Texas Health Science Center at HoustonのManuela Ochoa-Urrea氏らは、これらのリスク因子を支持するエビデンスと共に、発作に伴う無呼吸がSUDEPリスクの指標となる可能性を示した。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2025年9月17日号で発表された。米国と英国の前向きコホート研究 研究チームは、SUDEPのリスク因子を前向きに検討する目的で、9施設(米国8、英国1)が参加した多施設共同コホート研究を実施した(米国国立衛生研究所[NIH]の助成を受けた)。 2011年9月17日~2021年12月30日に、生後2ヵ月以上で、参加施設のてんかん監視室(EMU)に入室してビデオ脳波(EEG)モニタリングを受け、少なくとも6ヵ月間の追跡調査を完了したてんかん(薬剤抵抗性の有無は問わない)患者2,468例(発症時年齢中央値15歳[四分位範囲[IQR]:7~27]、女性1,382例[56%]、罹患期間中央値12年[IQR:4~22])を登録した。 主要エンドポイントは、SUDEP発生までの期間であった。SUDEPによる死亡率は4.76件/1,000人年 追跡期間中央値35ヵ月(IQR:18~54)の時点で、2,468例のうち38例(1.54%)がSUDEP(definite SUDEP:12例、probable SUDEP:18例、possible SUDEP:8例)で死亡し、2例がnear SUDEPであった。7,982人年の前向きコホートにおけるSUDEPによる死亡率は4.76件(95%信頼区間[CI]:3.37~6.53)/1,000人年だった。 また、SUDEPリスク増加の有意な予測因子として次の4つを認めた。(1)独居(同居者ありと比較したハザード比[HR]:7.62、95%CI:3.94~14.71、p<0.0001)、(2)過去1年間の全般てんかん発作の発現が3回以上(3回未満と比較したHR:3.10、1.64~5.87、p=0.0005)、(3)発作時中枢性無呼吸の発現時間(10秒延長ごとのHR:1.11、1.05~1.18、p=0.0001)、(4)発作後中枢性無呼吸の発現時間(10秒延長ごとのHR:1.32、1.14~1.54、p=0.0002)。 possible SUDEPとnear SUDEPを除外したサブ解析では、発作時中枢性無呼吸が有意ではなくなった。推定5年SUDEP発生率は2.2% Kapan-Meier法による全体の推定5年SUDEP発生率は2.2%であった。また、5年SUDEPリスクは、同居者あり(2.1%)に比べ独居(14.9%)、過去1年間の全般てんかん発作の発現3回未満(1.4%)に比べ3回以上(4.3%)、発作時中枢性無呼吸の発現時間中央値17秒以下(3.7%)に比べ17秒超(7.4%)、発作後中枢性無呼吸の発現時間中央値14秒以下(3.6%)に比べ14秒超(13.4%)で、それぞれ有意に高かった。 著者は、「これらの知見は、死亡に先立つ発作に伴う無呼吸とSUDEPリスク上昇との関連を示唆しており、発作中の心肺モニタリングがてんかん死のリスク評価に有益となる可能性がある」「独居やけいれん発作の頻度と共に、発作に伴う無呼吸(17秒を超える発作時中枢性無呼吸、および14秒を超える発作後中枢性無呼吸)は、検証可能なSUDEPリスク指標の開発に役立つ可能性がある」としている。

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低用量経口セマグルチド、過体重/肥満者で優れた減量効果/NEJM

 低用量(25mg)の経口セマグルチド(GLP-1受容体作動薬)は、高用量(50mg)や皮下注射薬(2.4mg)に代わる肥満者の新たな治療選択肢となる可能性が指摘されている。カナダ・トロント大学のSean Wharton氏らOASIS 4 Study Groupは、過体重または肥満者では、プラセボと比較して低用量セマグルチドの1日1回経口投与は、減量効果が有意に優れ、体重が生活の質(QOL)に及ぼす影響も有意に改善することを示した。研究の成果は、NEJM誌2025年9月18日号に掲載された。4ヵ国の無作為化プラセボ対照比較試験 OASIS 4試験は、4ヵ国(カナダ、ドイツ、ポーランド、米国)の22施設で実施した二重盲検無作為化プラセボ対照比較試験(Novo Nordiskの助成を受けた)。2022年10月~2024年5月に、年齢18歳以上で、BMI値30以上、またはBMI値27以上で少なくとも1つの肥満関連合併症(高血圧、脂質異常症、閉塞性睡眠時無呼吸症候群、心血管疾患)を有し、減量を目指した食事療法に失敗した経験が1回以上あると自己報告した患者を対象とした。 被験者307例を無作為に2対1の割合で、生活様式への介入に加えて、セマグルチド25mgを1日1回経口投与する群(205例:平均[±SD]年齢48[±13]歳、女性155例[75.6%])、またはプラセボ群(102例:47[±13]歳、87例[85.3%])に割り付けた。ベースラインの全体の体重は105.9kg、BMI値は37.6、ウエスト周囲長は113.9cm、糖化ヘモグロビン値(HbA1c)は5.7%だった(すべて平均値)。 主要エンドポイントは、ベースラインから64週目までの体重の変化量と5%以上の体重減少の2つとした。13.6%の体重減少、約3割で20%以上の体重減少を達成 ベースラインから64週目までの体重の推定平均変化量は、プラセボ群が-2.2%であったのに対し、経口セマグルチド群は-13.6%と、減量効果が有意に優れた(推定群間差:-11.4%ポイント、95%信頼区間[CI]:-13.9~-9.0、p<0.001)。 64週の時点で5%以上の体重減少を達成した患者の割合は、プラセボ群の31.1%(28/90例)に比べ、経口セマグルチド群は79.2%(152/192例)であり、有意に良好であった(p<0.001)。 64週時の10%以上(63.0%vs.14.4%)、15%以上(50.0%vs.5.6%)、20%以上(29.7%vs.3.3%)の体重減少の達成割合は、いずれも経口セマグルチド群で有意に高かった(すべてp<0.001)。体重がQOLに及ぼす影響、55%で臨床的に意義のある改善 ベースラインから64週目までのImpact of Weight on Quality of Life-Lite Clinical Trials Version(IWQOL-Lite-CT)の身体機能スコア(0~100点、高点数ほど機能水準が良好)の変化量も、経口セマグルチド群で有意に改善し(16.2点vs.8.4点、p<0.001)、体重のQOLに及ぼす影響が良好であることが示された。 また、64週時にIWQOL-Lite-CTの身体機能スコアが臨床的に意義のある改善(14.6点以上の上昇)を達成した患者の割合も経口セマグルチド群で良好であった(55.3%vs.34.8%、オッズ比:2.4[95%CI:1.4~4.1])。 経口セマグルチド群では、ベースライン時に前糖尿病(HbA1c値≧5.7~<6.5%)であった患者のうち71.1%が、64週時に正常血糖値(同<5.7%)に移行していた。安全性プロファイルは予想どおり 最も頻度が高い有害事象は消化器系の障害で、経口セマグルチド群の74.0%、プラセボ群の42.2%にみられた。悪心(46.6%vs.18.6%)と嘔吐(30.9%vs.5.9%)が経口セマグルチド群で多くみられたが、ほとんどが軽度~中等度で、一過性であった。 重篤な有害事象は、経口セマグルチド群で8例(3.9%)に17件、プラセボ群で9例(8.8%)に13件発現した。試験薬の恒久的な投与中止に至った有害事象は、それぞれ14例(6.9%)および6例(5.9%)に認め、このうち消化器系の障害は7例(3.4%)および2例(2.0%)だった。死亡例の報告はなかった。 著者は、「経口セマグルチド25mgの1日1回投与は、13.6%という臨床的に意義のある体重減少をもたらし、安全性プロファイルと有害事象の発現状況は予想どおりで、GLP-1受容体作動薬クラスと一致した」「これらのデータは、経口セマグルチド25mgが肥満に対する有効な治療選択肢であるとの見解を支持するもので、高用量経口投与や皮下投与の代替法として、過体重および肥満の治療戦略の柔軟性を高める可能性がある」としている。

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