サイト内検索|page:1168

検索結果 合計:35182件 表示位置:23341 - 23360

23341.

心房細動アブレーションによる高度肺静脈狭窄、適切な対処法は?

 心房細動のアブレーションに伴う肺静脈狭窄(PVS)は、その頻度は減っているものの、依然として重篤な病態である。肺静脈拡張やステント留置術が報告されているが、これらの治療における長期成績については知られていない。そこで、メイヨークリニックのDouglas L. Packer氏らが、高度の肺静脈狭窄が認められた患者がどのような症状を有するかを調べるとともに、バルーン単独、もしくはバルーンとステント双方を用いた侵襲的治療後における再狭窄のリスクを評価した。Circulation誌2016年12月号に掲載。高度の肺静脈狭窄患者124例を前向きにフォロー 本研究は前向き観察研究で、2000~14年に高度の肺静脈狭窄を認めた124例を対象とした。124例すべてにおいてCTが用いられ、219の肺静脈に高度の狭窄があると診断された。102例(82%)については診断時に症状があり、頻度の高い症状として、息切れ(67%)、咳(45%)、倦怠感(45%)、そして運動耐容能の低下(45%)がみられた。また、27%が喀血を経験していた。肺静脈狭窄の急性期治療の成功率は94%、バルーンとステントで差はみられず 92の肺静脈狭窄はバルーン拡張術で治療され、86の肺静脈狭窄にステントが用いられ、41の肺静脈狭窄は治療が行われなかった。急性期における治療の成功率は94%で、初期治療のマネジメントで成功率に違いはみられなかった。手技に伴う重篤な合併症は、侵襲的な治療を受けた113例中4例(3.5%)で認められ(肺静脈穿孔3件、心タンポナーデ2件)、軽度の合併症は15例(13.3%)で認められた。全体では42%の肺静脈狭窄で再狭窄が認められ、この内訳は、バルーン拡張術群の57%(92例中52例)と、ステント留置群の27%(86例中23例)であった。肺静脈狭窄の再狭窄率はバルーン拡張術よりは低いものの、ステント留置術でも25% Kaplan Meier法による3年間のフォローアップ時における全体の再狭窄率は37%であり、バルーン拡張術が49%に対し、ステント留置術では25%(ハザード比[HR]:2.77、95%信頼区間[CI]:1.72~4.45、p<0.001)であった。年齢、CHA2DS2-VASc Score、高血圧症などの因子を調整した後においても、バルーン拡張術とステント留置術では再狭窄率に有意差が認められた(HR:2.46、95%CI:1.47~4.12、p<0.001)。 肺静脈狭窄は、症状が非特異的であるため診断が難しく、肺静脈に特化した画像診断が必要である。また、介入タイプによる急性期の治療成功率には有意差が認められなかったが、ステント留置術はバルーン拡張術に比べると治療後の肺静脈狭窄を減少させた。 結論として、肺静脈狭窄の侵襲的治療は急性期の成功率が高いものの、再狭窄率も高い。このため、予後の改善に向け、新しい技術の開発を含めた研究が必要と結んでいる。

23342.

治療効果の性差はあまりないようだが、有意な性差であっても精査が必要だろう(解説:折笠 秀樹 氏)-627

 治療効果の性差について、文献に基づく調査がなされた。コクラン共同計画データベース(CDSR)を用いた系統レビュー(SR)ベースの集計では、性差が統計学的有意であったテーマは109件中8件(7%)あった。ランダム化比較試験(RCT)ベースの集計では、162件中15件(9%)で性差が統計学的有意であった。偶然でも5%は統計学的有意になることを鑑みると(有意水準5%なので)、性差がありそうなテーマはほんのわずかという計算になる。 ここでは、性差は「治療・性差間」交互作用の統計学的有意性(p<0.05)で定義された。しかしながら、性差は本当かどうかを見極めるにはさらなる精査が必要だろう。1)性差は事前に予定していた解析であること、2)交互作用は質的(男女で効果の方向性が反対)であること、3)片方の性で効果が著しい(相対リスク>2.0または<0.5)こと、4)もっともらしい臨床的意味付けができること、この4点は精査が必要だろう。 「治療・性差間」交互作用が統計学的有意であった8テーマ(原典のTable2)の中で、上の条件を満たしているテーマは1つしかなかった。それは、40歳以上の定期健診(おそらく心電図を含む)による心房細動の早期発見というテーマである。男性では定期健診に有意な効果がみられたが(2.64倍早期発見)、女性では効果がみられなかった(0.98倍早期発見)。事前に男女別解析は予定されており、質的交互作用であり、男性での効果は相対リスク2.64と高い。男性の心房細動リスクは中年以降高まることも知られており、臨床的にも妥当な結果である。

23343.

倦(う)まずたゆまず【Dr. 中島の 新・徒然草】(149)

百四十九の段 倦(う)まずたゆまず奥さん「この人はせっかくのメモを見ようとしないんです!」中島「そんな非難めいた言い方をしないほうがいいですよ」御主人「そうや、そうや」奥さん「でもホントのことでしょ」中島「時間を決めておいたらどうですか。12時になったらメモを見るって」高次脳機能障害の御主人と、その奥さんとの外来でのやりとりというと、こんな感じですね。もともと小さな会社の社長さんをしていた御主人が脳出血を発症し、片麻痺は克服したものの、記憶障害をはじめとした高次脳機能障害が後遺症として残ってしまったのです。それでも退院当初は御主人も「お前に何がわかる!」と言いながら、会社のことをやろうとしていたのですが、仕事の手伝いをしているうちに奥さんのほうが主導権を握るようになってしまいました。次第に記憶障害の存在を自覚するようになった御主人は常時ノートを持ち歩き、何でもメモをするようになりました。ただ、問題はメモをしっぱなしで、確認をしないことです。奥さん「時間を決めていてもね、メモを見ませんから」御主人「12時の10分前か20分前に言ってくれればエエんや」中島「そうそう。感情的にならずにね、機械的に言えばいいんです。業務連絡ですよ、これは」御主人「そうや!」中島「『今、12時10分前ダカラ、10分後ニメモヲ見ルベシ』とかね」御主人「そうそう」中島「『12時ニナッタ。メモヲ見ル時間ダ』って」非難されると面白くないのは、高次脳機能障害の方も同じです。周囲の人もできるだけ淡々と喋ったほうが揉めなくていいですね。中島「そうだ、奥さんも一緒にメモを読んだらどうでしょうか。『声に出して読みたい日本語』とかいうタイトルの本があったけど、こっちは、『声に出して読みたいメモ』ですよ」奥さん「何を言ってるんですか! 私は忙しいんです。税金のこととか」中島「そう言わずに。1日5分か10分ほどのことじゃないですか。そういえば、最近は『読み聞かせ』ってのも流行っているんじゃなかったかな」御主人「そうそう」奥さん「会計事務所の人との打合せもあるし」中島「まあまあ。病気になる前は御主人も頑張ってやっていたんですから」御主人「俺が皆やっとったんや」奥さん「でも今は全然してないじゃない!」中島「そんな怒らないで下さいよ。御主人も素直にメモをとっているし。以前に比べたら大進歩ですよ」奥さん「でもお」御主人もまだまだ病識が足りず、業務用のメールをあちこち出鱈目に送ったりして、奥さんの用事を増やしては怒りをかっています。それでも少しずつ、状況は改善しているようです。脳血管障害や、頭部外傷を原因とした高次脳機能障害の患者さんは大勢おられますが、どちらかと言えば脳血管障害の患者さんのほうが人格変化が少なく、対処しやすい気がします。頭部外傷の患者さんは易怒性が目立つ人が多く、どうしても周囲と摩擦を起こしてしまいがちです。脳挫傷のような局所脳損傷とみなされる外傷であっても、実は脳全体に影響が及んでしまっているのかもしれません。言語聴覚士や臨床心理士の協力を得ながら、高次脳機能障害の患者さんたちの社会復帰を目指して診療しているのですが、なかなか効率よく進まないのが現状です。焦るとこちらまでイライラするので、最近は私のほうも患者さんや御家族とのやりとりを楽しむように心掛けるようにしています。倦(う)まずたゆまず、子育てみたいに何年もかかるつもりでやっていくべきですね。最後に1句脳やられ 困った人には 読み聞かせ

23344.

頭髪分析による薬物モニタリング、頭痛患者での精度は

 慢性的に治療している頭痛患者の服薬アドヒアランスをモニタリングするため、頭髪分析が有益なのかという可能性について、イタリアのモデナ・レッジョ・エミリア大学のAnna Ferrari氏らが評価した。本研究では、(1)頭痛患者の頭髪における23種類の薬剤検出率(2)患者が自己報告した薬剤と頭髪から検出された薬剤の一致度(3)患者自己報告の薬剤摂取量に頭髪から検出されたレベルが反映されているかについて分析を行った。European journal of clinical pharmacology誌オンライン版2016年11月20日号の報告。 対象は、頭髪サンプリング前の3ヵ月間に、下記薬剤を1剤以上毎日服薬することに同意した原発性頭痛患者93例。対象薬剤は、アルプラゾラム、アミトリプチリン、citalopram、クロミプラミン、クロナゼパム、delorazepam、ジアゼパム、デュロキセチン、fluoxetine、フルラゼパム、レボメプロマジン、levosulpiride、ロラゼパム、ロルメタゼパム、ミルタザピン、パロキセチン、クエチアピン、セルトラリン、トピラマート、トラゾドン、トリアゾラム、ベンラファキシン、ゾルピデム。各患者の詳細な薬剤歴と頭髪サンプルを収集した。頭髪サンプルは、液体クロマトグラフィー・エレクトロスプレー・タンデム質量分析法によって従来方式を用いて分析した。 主な結果は以下のとおり。・頭髪サンプルより、23種類すべての薬剤が検出された。・自己報告した薬剤と頭髪から検出された薬剤の一致度は、ほとんどの分析において優れていた(p<0.001:Cohen's kappa)。・アミトリプチリン、citalopram、delorazepam、デュロキセチン、ロラゼパム、ベンラファキシンについては、用量と頭髪レベルとの間に有意な関連が認められた(p<0.05:線形回帰分析)。 著者らは「頭髪分析は、頭痛患者の慢性的な薬物使用を収集するための特異なマトリクスであることが判明した。各患者の頭髪から検出された薬剤レベルは、服薬アドヒアランスに対する信頼できるマーカーであると考えられる」としている。関連医療ニュース 片頭痛予防にSSRIやSNRIは支持されない 疼痛治療「プラセボでも一定の効果が」臨床試験に課題も 片頭痛の予防に抗てんかん薬、どの程度有用か

23345.

第3回 東京医科歯科大学「がんを考える」市民公開講座【ご案内】

 東京医科歯科大学医学部附属病院 腫瘍センター、同院腫瘍化学療法外科、同大学院がんプロフェッショナル養成基盤推進プラン、同大学院応用腫瘍学講座は、2017年1月15日(日)に、第3回「がんを考える」市民公開講座を開催する。本講座は、地域がん診療連携拠点病院である同院が活動の一環として行っている、がんに関するさまざまなテーマで開催する公開講座の3回目となる。今回は「一緒に考え、選び、支えるがん治療」をテーマに、さまざまな職種ががん患者と家族を支える窓口について、広く知ってもらうための内容になっており、各種ブース展示や体験コーナーなど、楽しく学べる企画が多数予定されている。 開催概要は以下のとおり。【日時】2017年1月15日(日)《セミナー》13:00~16:30《ブース展示》12:00~17:00【場所】東京医科歯科大学 M&D タワー2F 鈴木章夫記念講堂〒113-8510 東京都文京区湯島1-5-45現地キャンパスマップはこちら【参加費】無料(※参加申し込み不要)【テーマ】一緒に考え、選び、支えるがん治療【予定内容】《セミナー》13:00~16:30 鈴木章夫記念講堂司会:石川 敏昭氏(東京医科歯科大学医学部附属病院 腫瘍化学療法外科)13:00~13:10 開会挨拶 三宅 智氏(東京医科歯科大学医学部附属病院 腫瘍センター センター長)13:10~13:30 講演1 がん治療を「選ぶ」ためのヒント 石黒 めぐみ氏(東京医科歯科大学医学部附属病院 腫瘍化学療法外科)13:30~14:10 情報提供 あなたのがん治療に必要な「支える」は? 《座長》  本松 裕子氏(東京医科歯科大学医学部附属病院 腫瘍センター 緩和ケア認定看護師) 《パネリスト》  橋爪 顕子氏(同院 がん化学療法看護認定看護師)  安藤 禎子氏(同院 皮膚・排泄ケア認定看護師)  侭田 悦子氏(同院 皮膚・排泄ケア認定看護師)  高橋 美香氏(同院 医療連携支援センター医療福祉支援室 退院調整看護師)  山田 麻記子氏(同院 がん相談支援センター 医療ソーシャルワーカー)  坂下 千瑞子氏(同院 血液内科)14:10~14:30 医科歯科大のがん治療 update(1) 整形外科「骨転移専門外来」をご活用ください! 佐藤 信吾氏(東京医科歯科大学医学部附属病院 整形外科)14:30~14:50 医科歯科大のがん治療 update(2) 咽頭・食道がんの低侵襲治療~大酒家のためのトータルケア 川田 研郎氏(東京医科歯科大学医学部附属病院 食道外科)14:50~15:10 休憩15:10~15:50 講演2 がんを病んでも地域で暮らす~かかりつけ医と在宅医療のすすめ 川越 正平氏(あおぞら診療所 院長)15:50~16:25 講演3 正しく知ろう!「緩和ケア」 三宅 智氏(東京医科歯科大学医学部附属病院 腫瘍センター センター長)16:25~16:30 閉会挨拶 植竹 宏之氏(東京医科歯科大学医学部附属病院 腫瘍化学療法外科 科長[教授])《ブース展示》 12:00~17:00 講堂前ホワイエ■がんと栄養・食事 (東京医科歯科大学医学部附属病院 臨床栄養部)■お口の楽しみ、支えます (東京医科歯科大学歯学部 口腔保健学科)■ウィッグ・メイクを楽しもう! (アプラン東京義髪整形/マーシュ・フィールド)■在宅治療の味方 皮下埋め込みポートって何? (株式会社メディコン)■がん患者さんの家計・お仕事に関するご相談 (特定非営利活動法人 がんと暮らしを考える会)■がん患者と家族へのピアサポートの紹介 (特定非営利活動法人 がん患者団体支援機構)■がん相談支援センター活用のすすめ (東京医科歯科大学医学部附属病院 がん相談支援センター)■「もっと知ってほしい」シリーズ冊子 (認定NPO法人 キャンサーネットジャパン)■「看護師」にご相談ください~一緒に解決の糸口を探しましょう~ (東京医科歯科大学医学部附属病院 専門・認定看護師チーム)【お問い合わせ先】東京医科歯科大学医学部附属病院 腫瘍センター〒113-8510 東京都文京区湯島1-5-45TEL:03-5803-4886(平日 9:00~16:30)【共催】東京医科歯科大学医学部附属病院 腫瘍センター東京医科歯科大学医学部附属病院 腫瘍化学療法外科東京医科歯科大学大学院 がんプロフェッショナル養成基盤推進プラン東京医科歯科大学大学院 応用腫瘍学講座【協力】認定NPO 法人キャンサーネットジャパン【後援】東京医科歯科大学医師会東京都医師会/文京区/東京都第3回 東京医科歯科大学「がんを考える」市民公開講座 詳細はこちら(PDF)

23346.

心筋ミオシン活性化薬、収縮期心不全の機能改善/Lancet

 左室駆出分画率40%以下の症状が安定している慢性心不全患者に対する新規開発中の経口薬、心筋ミオシン活性化薬omecamtiv mecarbilは、血漿中OM濃度に基づく投与量の増加で、心機能の改善、および左室径の縮小と関連することが示された。米国・カリフォルニア大学サンフランシスコ校のJohn R. Teerlink氏らが、患者448例を対象に行った第II相プラセボ対照無作為化二重盲検試験、COSMIC-HF(Chronic Oral Study of Myosin Activation to Increase Contractility in Heart Failure)の結果で、Lancet誌オンライン版2016年11月30日号で発表した。血漿中の心筋ミオシン活性化薬濃度に基づく用量漸増試験で評価 研究グループは、2014年3月17日~2015年3月5日にかけて、13ヵ国、87ヵ所の医療機関を通じて、安定症候性慢性心不全で、左室駆出分画率が40%以下の患者448例を対象に試験を行った。 被験者を無作為に3つの群に分け、1群には経口心筋ミオシン活性化薬(25mg)を1日2回(25mg群:150例)、2群には心筋ミオシン活性化薬(25mg)を1日2回から始め、その後50mgを1日2回となるまで漸増した。漸増の評価は、2週時点で行い、朝の投与前血漿中の心筋ミオシン活性化薬濃度が200ng/mL未満の場合に8週時点で50mgを1日2回となるよう漸増した(用量漸増群:149例)。3群はプラセボを投与した(プラセボ群:149例)。3つの群とも投与期間は20週間だった。 主要エンドポイントは心筋ミオシン活性化薬の血漿中最大濃度で、心機能、左室径の変化について評価を行った。心筋ミオシン活性化薬の用量漸増群で左室径・心拍数が減少 その結果、試験開始後12週時点の血漿中の心筋ミオシン活性化薬平均最大濃度は、25mg群は200ng/mL(SD:71)、用量漸増群は318ng/mL(同:129)だった。 試験開始20週時点では、用量漸増群とプラセボ群の最小二乗平均差は、収縮期駆出時間が25ms(95%信頼区間[CI]:18~32、p<0.0001)、1回拍出量が3.6mL(同:0.5~6.7、p=0.0217)、左室収縮終末期径が-1.8mm(同:-2.9~-0.6、p=0.0027)、左室拡張終末期径が-1.3mm(同:-2.3~0.3、p=0.0128)、1分間心拍数が-3.0(同:-5.1~-0.8、p=0.0070)、NT-pro-BNP濃度は-970pg/mL(同:-1672~-268、p=0.0069)だった。 なお、臨床的有害事象の発生頻度については、群間差は認められなかった。

23347.

1日1本未満の喫煙でも肺がん死亡リスクが9倍

 米国では10本/日未満の喫煙者が増加しているが、生涯にわたる1日数本程度の喫煙による健康への影響は、ヘビースモーキングによる影響に比べてよくわかっていない。米国国立がん研究所のMaki Inoue-Choi氏らは、1本/日未満もしくは1~10本/日での長期喫煙と全死因死亡率・原因別死亡率との関連について、非喫煙と比較し評価した。その結果、1本/日未満や1~10本/日での長期喫煙者は非喫煙者より死亡リスクが高いこと、禁煙によるベネフィットがある可能性が示された。このことから、タバコの煙への曝露には安全というレベルはないことが示唆される。JAMA internal medicine誌オンライン版2016年12月5日号に掲載。 本研究は、米国国立衛生研究所-AARP 食事・健康研究で、2004~05年(ベースライン)に59~82歳であった29万215人による前向きコホート研究である。それまでの喫煙歴を調べるアンケートとともにデータを収集し、2011年末までの全死因死亡率と原因別死亡率についてハザード比(HR)と95%CIを算出した。HRと95%CIは、ベースとなる時間として年齢を使用しCox比例ハザード回帰モデルを用いて推定し、性別・人種/民族・教育レベル・身体活動・飲酒について調整した。データ分析は2015年12月15日~2016年9月30日に行った。2004~05年のアンケートにより、9つの年齢期(15歳未満~70歳以上)での現在および過去の喫煙強度を評価した。主要アウトカムは、現喫煙者、元喫煙者、非喫煙者における全死因死亡率と原因別死亡率とした。 主な結果は以下のとおり。・2004~05年のアンケートを実施したコホート29万215人のうち、男性は16万8,140人(57.9%)で、平均年齢(SD)は71(5.3)歳(範囲:59~82歳)であった。・ベースライン時に1本/日未満もしくは1~10本/日を吸っていたほとんどの人が、それ以前の本数がより多かったが、各年齢期でいつも変わらず1本/日未満もしくは1~10本/日と回答した人は、それぞれ159人(9.1%)と1,493人(22.5%)存在した。・全死因死亡リスクは、非喫煙者に比べて、1 本/日未満(HR:1.64、95%CI:1.07~2.51)と1~10 本/日(HR:1.87、95%CI:1.64~2.13)の現喫煙者で高かった。・全死因死亡率における関連性は男女で同様であり、また、喫煙に関連する死亡原因、とくに「肺がん」と強い関連が認められた(1本/日未満でHR:9.12、95%CI:2.92~28.47、1~10本/日でHR:11.61、95%CI:8.25~16.35)。・1本/日未満もしくは1~10本/日を吸っていた元喫煙者のリスクは、禁煙時の年齢が若いほど低かった。たとえば、50歳以上で禁煙した1本/日未満および1~10本/日の喫煙者のHR はそれぞれ、1.44(95%CI:1.12~1.85)と1.42(95%CI:1.27~1.59)であった。

23348.

ソラフェニブ治療後の肝細胞がん、レゴラフェニブで生存延長/Lancet

 ソラフェニブ(商品名:ネクサバール)治療後に病勢進行がみられた原発性肝細胞がんに対し、レゴラフェニブ(同:スチバーガ)の投与により、全生存期間が有意に延長したことが示された。無増悪生存期間や病勢進行までの期間についても、レゴラフェニブによる改善が認められた。スペイン・バルセロナ大学のJordi Bruix氏らが行った、第III相の無作為化二重盲検プラセボ対照試験の結果で、Lancet誌オンライン版2016年12月5日号で発表した。21ヵ国、573例を対象に試験 研究グループは2013年5月14日~2015年12月31日にかけて、21ヵ国152ヵ所の医療機関を通じて、原発性肝細胞がんでソラフェニブ最大投与量(治療28日間中20日以上で400mg/日以上投与)に忍容性を示したが病勢進行が認められた、Child-Pugh分類Aの患者573例を対象に試験を行った。 被験者を2対1の2群にコンピュータ無作為化にて割り付け、一方の群には支持療法に加えレゴラフェニブ160mg/日を4週サイクル(1~3週に投与、4週目は休薬)で投与した(379例)。もう一方の群には、支持療法に加えてプラセボを投与した(194例)。 主要評価項目は、全生存期間(無作為化から死亡までの期間)だった。生存期間中央値、プラセボ群7.8ヵ月、レゴラフェニブ群10.6ヵ月 有効性解析は全登録被験者573例を対象に、また安全性解析は、登録被験者のうち割付治療を受けた567例(レゴラフェニブ群374例、プラセボ群193例)を対象に評価した。 結果、レゴラフェニブ群で全生存期間の改善が認められた。生存期間中央値は、プラセボ群が7.8ヵ月(95%信頼区間[CI]:6.3~8.8)に対し、レゴラフェニブ群は10.6ヵ月(同:9.1~12.1)で、レゴラフェニブ群のプラセボ群に対するハザード比(HR)は0.63(95%CI:0.50~0.79、片側検定p<0.0001)だった。 有害事象については、レゴラフェニブ群の全員と、プラセボ群の93%で報告された。Grade3または4の有害事象は、高血圧症(レゴラフェニブ群15%、プラセボ群5%)、手足症候群(それぞれ13%、1%)、疲労感(同9%、5%)、下痢(同3%、0%)だった。 試験期間中の死亡は88例で、そのうち治験責任者が試験薬と関連があるとみなしたのは、レゴラフェニブ群2%(7例)、プラセボ群1%(2例)だった。 副次的評価項目の無増悪生存期間、病勢進行までの期間などについても、レゴラフェニブ群で有意な改善が認められた。 結果を踏まえて著者は、「レゴラフェニブは、ソラフェニブ治療後に病勢進行が認められた肝細胞がん患者にとって、生存ベネフィットをもたらす唯一の全身療法である。さらなる試験で、ソラフェニブとレゴラフェニブの治療無効または忍容性のない患者に対するサードライン治療として、レゴラフェニブとその他の全身療法薬の組み合わせを検討する必要がある」と述べている。

23349.

エンパグリフロジンに糖尿病の心血管死予防の新適応:FDA

 米国食品医薬品局(FDA)は2016年12月2日、心血管疾患を有する成人2型糖尿病の心血管死リスク抑制に関するエンパグリフロジン(商品名:Jardiance)の新たな適応を承認した。 このFDAの決定は、成人糖尿病患者の食事運動療法による血糖管理改善の補足として2014年にエンパグリフロジンを承認した際に当局が要求した市販後試験の結果による。 米国疾患予防管理センター(CDC)によれば、心血管疾患による死亡は成人糖尿病患者では非糖尿病患者に比べ70%高く、糖尿病患者の余命は大部分が心血管疾患の早期死亡の影響により短くなっているという。FDAプレスリリースはこちら(ケアネット 細田 雅之)

23352.

アリピプラゾールの至適用量、1週目の血漿中濃度で予測可能:琉球大

 急性増悪期の統合失調症患者に対し、アリピプラゾールで良好な治療反応を得るための血清トラフ濃度は、アリピプラゾールおよびその活性代謝物であるデヒドロアリピプラゾールを合わせて225ng/mLであると言われている。琉球大学の永井 五洋氏らは、アリピプラゾールの至適用量を1週目の血漿中濃度から予測できるかどうかを調査した。Therapeutic drug monitoring誌オンライン版2016年11月16日号の報告。 対象は、アリピプラゾール1日1回3週間投与した統合失調症入院患者26例。アリピプラゾールの投与量は、1週目12mg、2週目24mgとした。ビペリデン、フルニトラゼパム以外の薬剤は投与しなかった。投与開始後、1および3週目に血液サンプルを採取した。アリピプラゾールおよびデヒドロアリピプラゾールの血漿中濃度は、液体クロマトグラフィー質量分析法を用いて測定した。 主な結果は以下のとおり。・アリピプラゾールとデヒドロアリピプラゾールの血漿中濃度は、1(x)および3週目(y)において有意な直線関係を示した(p<0.001)。・回帰式は、y=2.580x+34.86であった(R=0.698)。・この数式に基づき、アリピプラゾールの至適用量を推定するためのモノグラムを構成することができた。 著者らは「統合失調症患者に対するアリピプラゾールの至適用量は、投与開始1週間後のアリピプラゾールとデヒドロアリピプラゾールの血漿中濃度から予測できることが示唆された」としている。関連医療ニュース 急性期統合失調症、ハロペリドールの最適用量は 急性期統合失調症、2剤目は併用か 切り換えか:順天堂大学 急性期精神疾患に対するベンゾジアゼピン系薬剤の使用をどう考える

23353.

クリスマス直後は心不全の増悪が増える?

 以前の研究から、心疾患罹患率および心不全の増悪が冬に増加し、ホリデーシーズンごろがピークとなることが示唆されている。また、スポーツイベントでのすさまじい対決は、ファンの心血管アウトカムに影響を与えることが示されている。米国Lehigh Valley Hospital NetworkのMahek Shah氏らが、心不全での入院率と祝祭日との関連を検討したところ、祝祭日のうちクリスマスと独立記念日は、祝祭日直後の心不全入院が増加した一方、祝祭日当日は入院率が低かったことがわかった。この結果の理由について著者らは、祝祭日における過食、関連する感情的なストレス、運動の少なさ、祝祭日後の診療の遅れを挙げている。Clinical research in cardiology誌2016年10月号に掲載。 調査対象は、2003年1月1日~2013年12月31日にアインシュタイン医療センターに入院した、すべてのうっ血性心不全患者(1次診断でうっ血性心不全を示すICD-9CMコードが付いていた患者)である。著者らは、心不全での入院率について、5つの特定の祝祭日(クリスマス、元旦、独立記念日[7月]、感謝祭[11月]、スーパーボウルサンデー[2月])について、祝祭日当日、祝祭日後4日間、その月の残りの日の3群で比較した。 主な結果は以下のとおり。・心不全による入院は2万2,727例、1日当たり平均5.65例で、年齢は68±15歳であった。・その月の残りの日に対して、独立記念日(5.65 vs.5、p=0.027)とクリスマス(6.5 vs.5.5、p=0.046)後の4日間で、1日当たりの心不全入院が有意に増加した。なお、過度の飲酒やアルコール依存歴は、この4日間の心不全入院増加と相関しなかった。・すべての祝祭日で、当日における1日平均入院患者数は、当日後4日間に比べて有意に少なかった。・スーパーボウルサンデーを除くすべての祝祭日は、その月の残りの日と比べ、当日の入院率が低かった。

23354.

メットライフ生命とMSD、がん患者支援でパートナーシップ

 メットライフ生命保険株式会社(本社:東京都墨田区、代表執行役 会長 社長:サシン・N・シャー)と MSD株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:ヤニー・ウェストハイゼン)は2016年12月5日、がん患者向け支援プログラムを協同で開発、提供することに合意した。 最初の取り組みとして、12月5日からがん患者向け総合ガイド「FIRST GUIDE」を提供する。 「FIRST GUIDE」は、約800名のがん患者の声をもとに作成した、がんに初めて向き合う患者さんたちのためのガイドブック。両社が実施した調査によると、がん患者は、がんの疑いがあると指摘されたときや治療を始めるとき、治療の流れや生活面での不安が大きく、治療に関する信頼できる情報を得ることが難しいと感じていることなどが明らかになった。こうしたがん患者の不安や課題を解消するために、がん治療経験者の実体験、医師、ソーシャルワーカー、ファイナンシャルプランナーによる情報をまとめた「FIRST GUIDE」を冊子およびウェブサイトで提供する。(ケアネット 細田 雅之)参考リンクメットライフ生命:「FIRST GUIDE」

23355.

AIの画像診断能、糖尿病網膜症の検出で確認/JAMA

 成人糖尿病患者の網膜基底部の画像評価について、ディープラーニングをベースとした診断アルゴリズムは、糖尿病網膜症の検出に関し、高い感度、特異度を示したことを、米国・Google社のVarun Gulshan氏らが発表した。ディープラーニングは、コンピュータアルゴリズムのプログラムに、自身で膨大な症例から学び適切な行動を示すことを容認する人工知能(AI)技術の1つで、プログラムに明確なルールを記述する必要がない。研究グループは、この技術を医学画像診断に適用できるか、評価と検証試験を行った。JAMA誌オンライン版2016年11月29日号掲載の報告。12万8,175枚の網膜写真を使って画像診断を訓練 研究グループは、網膜基底部写真で糖尿病網膜症と糖尿病黄斑浮腫を自動検出する、ディープラーニングを適用したアルゴリズムの開発を行った。 開発用に用意した12万8,175枚の網膜写真を用いて、画像分類を至適化するために深層畳み込みニューラルネットワーク(deep convolutional neural network、回路の一部を多層とすることでデータの特徴を深く学習する)と呼ばれる訓練プログラムをアルゴリズムに施した。使用した網膜像については、2015年5~12月に米国の眼科医と眼科シニアレジデント54人のパネルメンバーによって、糖尿病網膜症、糖尿病黄斑浮腫、および画像階調性について従来どおりのグレード付けが3~7回にわたって行われた。 構築されたアルゴリズムを、2016年1~2月に、2つのデータセット(EyePACS-1、Messidor-2)を用いて検証した。いずれのデータセットも、7人以上の米国委員会認定眼科医によってグレード付けが行われていた。 眼科医パネルの多数決で標準化した参照をベースに、アルゴリズムの、関係する糖尿病網膜症(RDR、中等症~重症の糖尿病網膜症として定義)、関係する糖尿病黄斑浮腫のいずれかもしくは両方の検出について感度と特異度を算出して評価した。アルゴリズムは、開発セットから選択された2つのオペレーティングポイント(1つは高特異度、もう1つは高感度のオペレーティングポイント)で評価された。検出の感度は87.0~97.5%、特異度93.4~98.5% EyePACS-1には、画像写真9,963枚、患者4,997例(平均年齢54.4歳、女性62.2%、RDR有病率は完全にグレード付けされた画像写真で7.8%[683/8,878例])のデータが含まれた。Messidor-2には、1,748例、患者874例(57.6歳、42.6%、14.6%[254/1,745例])が含まれた。 結果、アルゴリズムの検出能は良好であることが示された。評価に用いたROC曲線下面積は、EyePACS-1検証試験では0.991(95%信頼区間[CI]:0.988~0.993)、Messidor-2検証試験では0.990(0.986~0.995)であった。 最初の高感度オペレーティングカットポイントを用いた評価における感度、特異度は、EyePACS-1では感度90.3%(95%CI:87.5~92.7)、特異度98.1%(97.8~98.5)であり、Messidor-2ではそれぞれ87.0%(81.1~91.0)、98.5%(97.7~99.1)であった。 次の開発セットの高感度オペレーティングポイントを用いた評価では、EyePACS-1における感度は97.5%、特異度は93.4%であり、Messidor-2はそれぞれ96.1%、93.9%であった。 これらの結果を踏まえて著者は、「さらなる研究で、このアルゴリズムの臨床への適用の可能性を確認すること、またこのアルゴリズムを用いることで治療やアウトカムが、従来の眼科学的評価と比較して改善可能かどうかを確認する必要がある」と述べている。

23356.

やはり高齢者では、抗血栓薬、糖尿病治療薬で薬物有害事象が多発(解説:桑島 巖 氏)-626

 米国において2013~14年の58ヵ所の救急診療部に搬送された症例のうち、薬剤の有害事象についてまとめた報告である。予想どおり、抗凝固薬、糖尿病治療薬による出血事故や低血糖症状などの有害事象が、とくに65歳以上で多いことが明らかにされた。 これらは、高齢化社会の実現による心房細動患者や糖尿病患者の増加を反映していると共に、それらの治療薬としての強力な抗血小板薬、抗凝固薬や糖尿病治療薬の不適切な使用法を意味している。最近では、冠動脈疾患ではクロピドグレルやアスピリンといった抗血小板薬が標準薬となっており、また心房細動では、ワルファリンやダビガトランなどの抗凝固薬は脳梗塞予防には必須の薬となっている。しかし、これらの抗血栓薬はいずれも高齢者に多い出血事故の原因となる「諸刃の剣」であることを、臨床医は肝に銘じなければならない。とくに最近のわが国では、新規抗凝固薬(DOAC)は企業宣伝効果もあり、その適応基準が低くなる傾向があるが、抗凝固機能をモニターすることなく処方することが、高齢者の診療において適切であるか否かをいま一度考えてみる必要はあろう。 また近年、SGLT2阻害薬などの新しい機序の糖尿病治療薬が実用化されているが、本論文はその普及前の調査であることから、今後、低血糖に由来する有害事象が増えることが予想される。 昨今の治療薬は、“毒にも薬にもなるクスリ”であることを臨床医は銘記する必要があろう。

23357.

高齢者の降圧、要注意の45日間

お年寄りの降圧薬、飲み始めに注意高齢者では、降圧薬を新たに飲み始めてから45日間の股関節(大腿骨近位部)骨折の頻度が、それ以外の期間に比べ、1.4倍になるという報告があります。飲み始めの時期は、めまいやふらつきに注意しましょう。2股関節骨折が起こる頻度の比率11.431.00飲み始めから45日間以外飲み始めから45日間対象:カナダ・オンタリオ州住民の入院データベースで、新たに降圧薬治療を開始した患者 30万1,591例(平均年齢80.8歳、男性19.3%:女性80.8%)方法:大腿骨近位部骨折の発症頻度を2000年4月~2009年3月に調査(観察期間:投与前後450日間)。Butt DA, et al. Arch Intern Med. 2012;172:1739-1744.Copyright © 2016 CareNet,Inc. All rights reserved.

23358.

統合失調症、男と女で妄想内容は異なる

 統合失調症患者において男性と女性で妄想の頻度や妄想内容に違いがあるのかを、オーストリア・インスブルック大学のV Rossler氏らが検討を行った。Fortschritte der Neurologie-Psychiatrie誌2016年11月号の報告。 2008~11年にドイツの精神科病院に入院したすべての統合失調症患者の医療記録を分析した。対象は、統合失調症と診断された妄想型入院患者182例(女性:90例、男性92例)。 主な結果は以下のとおり。・男性と女性で妄想の頻度に差は認められなかった。・しかし、妄想の内容の分析では、相違が明らかであった。・関係妄想を有する女性では、男性と比較し、より頻繁に「監視されている」と感じていた。・関係妄想を有する男性は、不特定の人を妄想に巻き込む傾向を示し、より頻繁に「自分のことが話されている」と感じていた。・女性における誇大妄想は、より頻繁に、他人との重要な関係に基づいて構成されていた。関連医療ニュース 統合失調症の妄想低減へ、新たな介入方法 女はビタミンB6、男はビタミンB12でうつリスク低下か 性別で異なる、睡眠障害とうつ病発症の関連:東京医大(鷹野 敦夫)【訂正のお知らせ】本文内に誤りがあったため、一部訂正いたしました(2016年12月13日)。

23359.

世界におけるがんの動向:2015年

 195の国と地域での1990~2015年における32のがん種の死亡率、罹患率、障害生存年数 (years lived with disability:YLD)、損失生存年数(years of life lost:YLL)、障害調整生命年(disability-adjusted life years:DALY)について、Global Burden of Disease Studyによる推計値が報告された。JAMA oncology誌オンライン版2016年12月3日号に掲載。 主な結果は下記のとおり。研究グループは、「今回の結果は、がんとの戦いにおいて前進が可能であることを示しているが、喫煙対策、予防接種、身体活動や健康的な食事の推進を含む、がん予防の取り組みにおけるアンメットニーズも浮き彫りにしている」と述べている。・2015年の世界におけるがん罹患数は1,750万人、死亡数は870万人であった。・2005年から2015年までにがん罹患数は33%増加し、そのうち人口の高齢化による増加が16%、人口増加による増加が13%、年齢別割合の変化による増加が4%であった。・男性で最も多かったのは前立腺がん(160万人)であった。一方、男性のがん死亡(150万人)とDALY(2,590万DALY)の主な原因は、気管・気管支・肺がんであった。・女性で最も多かったのは乳がん(240万人)で、女性のがん死亡(52万3, 000人)とDALY(1,510万DALY)の主な原因でもあった。・がんによる2015年のDALYは、世界で男女合わせて2億83万DALYであった。・2005年から2015年までに、がん全体の年齢調整罹患率は、国や地域195のうち174で増加し、年齢調整死亡率(ASDR)は140の国や地域で減少した。ASDRが増加した国の大部分はアフリカ大陸の国であった。・ホジキンリンパ腫による死亡数は、2005年から2015年の間に有意な減少がみられた(-6.1%、95%不確定区間:-10.6%~-1.3%)。食道がん・胃がん・慢性骨髄性白血病による死亡数も、統計学的に有意ではないが減少した。

23360.

現場の医師を守るために何が必要か~柳原病院事件

 11月27日、第7回医療法学シンポジウムが都内で開催された。シンポジウムでは、現在公判中の「柳原病院事件」を取り上げ、医療現場の日常を刑事司法でどのように取り扱うべきか、聴衆も参加し、シンポジストと議論が行われた。※ 柳原病院事件とは、「乳房切除術直後の患者(全身麻酔後)に対し、術後約30分後に行われた医師の診察時に医師が切除していない側の乳房にわいせつな行為をしたとして準強制わいせつ罪にて逮捕、勾留され、起訴された事件。病院は、術後せん妄による症状であり、せん妄状態にある患者の証言を頼りに現場の医師が逮捕されるのは不当であるとして抗議している」医療現場で求められる適法行為の判断フレーム はじめに大磯 義一郎氏(浜松医科大学医療法学 教授/弁護士/医師)が、事件の概要を述べ、論点整理を行った。 本事件の論点としてまず(1)事件が被告医師に与えた影響として、被告医師が実名報道されたことで、今後の診療活動などに多大な影響を与えるほか、長期間にわたる勾留により被告医師の心身への影響が懸念される。(2)逮捕・勾留について、刑事訴訟法の要件を提示しつつ、その必要性について疑問を呈したほか、将来無罪であったとしてもすでに個人に与えられた社会上の影響は甚大であり、そもそも初動捜査段階で医療の実情に即した、適切な対応がなされるべきではなかったかと疑問を提起した。 次に(3)医療行為との相違については、わいせつ事件の典型である痴漢事件と比較。男性が女性に触れるという行為は、痴漢では違法行為である一方、医療では正当業務行為であり、そもそも本件の行為に痴漢の判断フレーム(たとえば被害者の供述のみで捜査など)を用いたことが不当であり、医療行為に合った判断フレームで行うべきだったと指摘する。 次に(4)裁判上の事実と客観的事実については、起訴後の有罪率99.9%というわが国の刑事司法の現状において、被告人への無罪推定の原則(「有罪宣告を受けるまでは無罪と推定する」という近代法上の原則)の再認識を促すとともに、こと冤罪が多い痴漢事件などへ刑事司法の慎重な判断を要求した。 最後に(5)本件が医療現場に及ぼす影響については、違法行為になってしまうのではないかという懸念から医療萎縮が起こり、最終的に患者の生命・健康を損ねることになると問題点を指摘し、適法行為ができるように類型された明確なルール作りが必要になると提案した。そのためにも類似の案件があった場合、有罪無罪の判断スキームの透明化が求められるが、その際、判断スキームは医療現場の実情を踏まえたものが求められる。今後は適切かつ明確な判断フレームについて、議論を深めていきたいと期待を寄せた。術後せん妄が起こる仕組みと予防の可否 続いて鈴木 宏昌氏(横浜医療センター 副院長/手術部長)が、「麻酔によるせん妄について」をテーマに、臨床現場におけるせん妄の実際について解説を行った。 せん妄は、「意識低下を背景に、不安、興奮、妄想、幻覚などの認知機能障害や精神症状を呈する症候群。多くは可逆的で、数日から数週間で改善する。術後せん妄は麻酔や手術が契機になったものをいう」と定義されている(ただし、妄想、幻覚は典型的ではあるが特有ではない)。そして、せん妄は、過活動型と抑制型に大きく分けられ、発生率ではICU入室患者で多くみられる。また、危険因子として、アルコール乱用、高齢者、低栄養、脱水などが挙げられ、若年者のせん妄の多くが薬剤由来(麻酔薬)だという。 今回の事件で病院より指摘されている麻酔覚醒時せん妄の危険因子としては、術前からのうつ状態やPTSD、睡眠薬などの薬物使用、アルコール乱用、小児・高齢者、乳腺外科や腹部外科手術、脱水などがある。 とくに乳がん手術で特有な事象として、手術では侵襲度が低い代わりに皮膚切開が大きいこと、患者(女性が99%)の不安が大きく心理的負担が重いこと、審美性を考慮するため手術時間が長いこと、術中出血を抑えるためにアドレナリンの局注や血圧コントロールが行われることが列挙され、これらが麻酔覚醒時せん妄が多い原因となっている可能性があると示唆を述べた。 まとめとして鈴木氏は、「術後せん妄の発生には、多くの要因が関わるため完全に防ぐことが難しい」と臨床現場の課題を説明した。医療行為はわいせつか 続いて、趙 誠峰氏(早稲田リーガルコモンズ法律事務所 弁護士)が「刑事司法について 痴漢冤罪事件から学ぶこと」と題し、解説を行った。 医療現場の出来事が犯罪になるのは、医療行為そのもの(たとえば業務上過失致死など)と診療・検査などでの違法な出来事(たとえば準強制わいせつなど)に2分される。 普通の強制わいせつであれば、行為そのものにわいせつ性があり、犯罪の端緒となるが、本件のように医療行為は行為自体がわいせつ性に直接結び付かないことから、わいせつ性を裏付ける別の証拠が必要(たとえば指紋、唾液、精液など)となるはずである。また、わいせつ性の判断にあたっては、その行為がルーチンから逸脱した行為だったか、TPOはふさわしいか、被害者(患者)の供述に信ぴょう性はあるかなどが、本来勘案されなければならないところに、通常のわいせつ事件と同じ判断で捜査がされてしまった点に問題があると指摘した。 パネルディスカッション パネルディスカッションでは、大磯氏が「現場の負担にならない解決策についてどう思うか」と水を向けると鈴木氏が「術後の患者の発言をいかに考えるか、医師は注意深く聞いておく必要がある。きちんと医師と患者の信頼構築がないと類似の事案が増えるかもしれない」と私見を寄せた。 また、具体的な予防策として参加者から「実際には難しいかもしれないが、男性医師が女性患者を診療するときは看護師を同席させる」、「場合により録画や録音が必要だ」、「カルテや看護記録に診療の内容や発言内容をすぐに残しておく」などの提案が寄せられ、活発な議論が行われた。(ケアネット 稲川 進)参考サイト MediLegal 医療従事者のためのワンポイント・リーガルレッスン  臨床に役立つ法的ケーススタディ 

検索結果 合計:35182件 表示位置:23341 - 23360