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冠動脈疾患発症および死亡の転帰に影響する独立危険因子としての体重変動(連続体重測定)の意義(解説:島田 俊夫 氏)-675

 過体重、肥満がさまざまな病気の危険因子になることはよく知られた事実である。しかし、その一方で肥満パラドックス1)に関する報告もあり、肥満が病気の発症、死亡に対して保護的に働く可能性を示唆する論文も散見されるが、最近では選択バイアスと交絡因子とで説明可能であるとの考えが主流である。また、健常人では体重変動が独立した心血管疾患危険因子になることはすでに報告されているが、これまでの対象とは異なり本研究においては心血管疾患を有し、LDLコレステロールが130mg/dL未満の患者を対象にしたTNT試験2,3)の事後解析に基づく臨床研究の成果として、NEJM誌2017年4月6日号に掲載された米国・ニューヨーク大学医学部Sripal Bangalore氏らの論文を取りあげコメントする。方法:アトルバスタチンを使った低比重リポタンパク(LDL)コレステロール低下の有効性と安全性を評価する新規標的治療(TNT)試験の事後解析が行われた。ベースライン時と追跡調査時に測定された体重から、個人内変動を計算した。主要エンドポイントは、全冠動脈イベント(冠動脈心疾患による死亡、非致死的心筋梗塞、心停止からの蘇生、血行再建、狭心症の複合)とし、副次的エンドポイントは、全心血管イベント(全冠動脈イベント、脳血管イベント、末梢血管疾患、心不全の複合)、死亡、心筋梗塞、脳卒中とした。結果:9,509例を対象として、危険因子、ベースライン脂質値、平均体重、体重変化で補正すると、体重変動(連続した変動測定値の平均とし、時間依存性の共変量として用いた)が1標準偏差(SD)増加するごとに、全冠動脈イベント(2,091件、ハザード比[HR]:1.04、95%信頼区間[CI]:1.01~1.07、p=0.01)、全心血管イベント(2,727件、HR:1.04、95%CI:1.02~1.07、p<0.001)、死亡(487件、HR:1.09、95%CI:1.07~1.12、p<0.001)のリスク上昇に関係していた。調整後モデルでは、体重変動の最高五分位群は、最低五分位群と比較して、冠動脈イベントのリスクが64%、心血管イベントのリスクが85%、死亡リスクが124%増加し、心筋梗塞リスクも117%、脳卒中リスクも136%、新規糖尿病リスクも78%、有意に増加した。コメント:本研究は冠動脈疾患を有する患者においても、これまでの危険因子と独立して、体重変動が大きくなると死亡率および心血管疾患イベントの発生率がさらに増加することを明らかにした。心血管疾患を有する場合にベースラインからの体重変動に大きな影響を与える恐れのある心不全に起因する体液貯留が体重変動にどれほど関与しているか気になるところであるが、今回の解析対象からNYHA class IIIおよびIVの心不全症例が前もって除外されているために体液貯留の関与は無視できると考えられた。体重変動をこれまでの冠動脈疾患や死亡の危険因子とは独立したリスクファクターとして受け止め、日常の体重測定の持つ意義を真摯に受け入れ、日々の体重測定を欠かさないよう生活の中での自己健康管理法の重点測定項目として心がけることが重要である。この論文は体重継続測定の臨床意義に新しい見方を加えた意義深い論文とみることもできるのではないか。参考文献1)Uretsky S, et al. Am J Med. 2007;120:863-70.2)LaRosa JC, et al. Am J Cardiol. 2007;100:747-52.3)Waters DD, et al. Am J Cardiol. 2004;93:154-158.

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週末入院による死亡率への影響は限定的?

 埼玉医科大学の星島 宏氏らは、平日に比べ週末の入院で死亡リスクが高まる、いわゆる“週末効果”について、地域差や診断、研究のサブタイプによる影響を調べるため、5千万人以上を組み入れたメタアナリシスを実施した。その結果、5つの地域(北米、南米、ヨーロッパ、アジア、オセアニア大陸)で国や社会文化的背景の違いとは関係なく、週末に入院した患者の死亡リスクが高いことが示された。一方で、“週末効果”は入院時の診断などによって異なる限定的なもので、救急患者で週末入院の死亡リスクが高いことが示唆された。Medicine誌2017年4月号掲載の報告。 電子データベースを用いた文献検索が行われ、疫学分野における観察研究のメタアナリシス報告のためのガイドライン(MOOSE)に基づいてシステマティックレビューが実施された。患者は、サブグループ解析のために7地域(北米、南米、ヨーロッパ、アジア、オセアニア、アフリカ、南極大陸)に分けられ、各研究における診断基準を基に、虚血性脳卒中、心筋梗塞、肺塞栓症などの24の主要な診断カテゴリに分類された。 主要アウトカムは短期死亡率(≦30日)で、プール解析のオッズ比(OR)はDerSimonian and Laird変量効果モデルを用いて算出された。 主な結果は以下のとおり。・5,693万4,649人の患者を含む5地域88(北米43、南米2、ヨーロッパ26、アジア15、オセアニア2)のコホート研究が包含基準を満たし、試験に組み入れられた。・全体のプール解析では、短期死亡率について、平日入院の患者と比較した週末入院の患者の調整済みオッズ比(OR)は1.12(95%信頼区間[CI]:1.07~1.18、I = 97%)、粗ORは1.16(95%CI:1.14~1.19、I = 97%)であった。・サブグループ解析では、5地域すべての患者で週末入院における死亡リスクが高いことが確認された。ただし、その影響は特定の診断と入院のサブタイプに限られていた。・週末入院による短期死亡率への有意な影響は、24のうち15の診断カテゴリでのみ確認された。15の診断カテゴリには、心筋梗塞や大動脈破裂のような緊急の診断や治療の必要性が高い致命的な疾患が含まれ、ほかの診断カテゴリには、より緊急治療の必要性が低い疾患が含まれていた。・救急患者では、平日入院に比べ週末入院による死亡リスクが高かった(粗OR = 1.17、95%CI:1.12~1.22)。

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妊娠初期の抗うつ薬、児への影響は?/JAMA

 妊娠初期の妊婦の抗うつ薬服用は、交絡因子を調整すると非服用群と比較して早産のリスクがわずかに上昇したものの、在胎不当過小(SGA)、自閉症スペクトラム障害あるいは注意欠如・多動症(ADHD)のリスク増加との関連は確認されなかった。米国・インディアナ大学のAyesha C. Sujan氏らが、「妊娠初期の抗うつ薬服用と出産や神経発達の問題との関連はセロトニンシグナル伝達の機能不全に起因する」という説の、対立仮説を検証する目的で行った後ろ向きコホート研究の結果を報告した。胎児期の抗うつ薬曝露は有害転帰と関連することが示唆されてきたが、先行研究では交絡が十分に検討されていなかった。JAMA誌2017年4月18日号掲載の報告。スウェーデンの出生児を最長17年追跡 研究グループは、1996~2012年の期間にスウェーデンで生まれた子供を2013年まで、または死亡や移住による中止まで追跡調査し、妊娠初期の抗うつ薬服用と出産や神経発達の問題との関連性を検証した。解析は、妊娠の共変量(経産歴、出産年)、母親および父親に関する共変量(出生国、出産時年齢、最終学歴、犯罪歴、重度精神疾患歴、自殺企図歴)を補正して行うとともに、兄弟姉妹比較、曝露時期比較、父親についての比較モデルを作成して、関連性を評価した。 抗うつ薬曝露は、妊娠初期に抗うつ薬を服用したという母親の自己報告と、妊娠初期の抗うつ薬処方で定義した。 主要評価項目は、早産(在胎週数37週未満)、SGA児(出生体重が在胎週数平均値よりも2SD超低い)、自閉症スペクトラム障害またはADHDの初回の臨床診断(入院または外来)とした。妊娠初期の抗うつ薬曝露は早産とわずかに関連、SGAや神経発達問題との関連なし 母親94万3,776例(出産時の平均年齢30歳)から生まれた158万629例が解析対象に含まれた。出生児の平均在胎期間は279日、女児48.6%、妊娠初期の抗うつ薬服用を自己報告した母親から生まれた児は1.4%(2万2,544例)であった。 このうち早産児は、曝露群6.98% vs.非曝露群4.78%、SGA児はそれぞれ2.54% vs.2.19%、15歳までに自閉症スペクトラム障害と診断されたのは5.28% vs.2.14%、15歳までのADHDの診断は12.63% vs.5.46%であった。 母集団レベルの解析では、妊娠初期の抗うつ薬曝露は、非曝露群の子供と比較し、すべての転帰と関連していた。早産のオッズ比(OR)は1.47(95%信頼区間[CI]:1.40~1.55)、SGAのORは1.15(95%CI:1.06~1.25)、自閉症スペクトラム障害のハザード比(HR)は2.02(95%CI:1.80~2.26)、ADHDのHRは2.21(95%CI:2.04~2.39)であった。 しかし、妊娠・母親・父親の特性を補正した兄弟姉妹比較モデルでは、妊娠初期の抗うつ薬曝露は、早産(OR:1.34、95%CI:1.18~1.52)と関連していたが、SGA(OR:1.01、0.81~1.25)、自閉症スペクトラム障害(HR:0.83、0.62~1.13)、ADHD(HR:0.99、0.79~1.25)との関連は確認されなかった。母親の妊娠前の抗うつ薬処方ならびに妊娠初期の父親に対する抗うつ薬処方との関連を評価した解析結果は、兄弟姉妹比較モデルの結果と一致した関連性がみられた。 著者は研究の限界として、すべての交絡因子を完全に排除できないこと、妊娠初期の曝露に限定していること、他の国で一般化できるかは不明であることを挙げている。

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durvalumab、既治療の進行膀胱がんに迅速承認:FDA

 AstraZenecaとその生物製剤研究開発拠点MedImmuneは2017年5月1日、米国食品医薬品局(FDA)が、durvalumabに進行膀胱がんに対する迅速承認を与えたと発表した。適応は、プラチナ含有化学療法中・後、またはネオアジュバント・アジュバントのプラチナ含有化学療法から12ヵ月以内に進行した局所進行または転移性尿路上皮がん患者で、PD-L1発現の有無は問わない。確認試験における臨床的有益性の検証結果により承認の継続が決められる。 今回の承認は、局所進行または転移性尿路上皮がんの患者におけるdurvalumabの安全性および有効性を評価した、第I/II相試験(1108試験)の結果によるもの。被験者は、durvalumab 10mg/kgを2週間ごとに、PDまたは容認できない毒性が現れるまで継続投与された。 評価可能な全患者(182例)における奏効率(ORR)は17.0%(95%CI:11.9~23.3)。PD-L1高発現患者のORRは26.3%(95%CI:17.8~36.4)であった(PD-L1高値:腫瘍浸潤免疫細胞が腫瘍領域の1%を超えて含まれる場合は、腫瘍細胞または腫瘍浸潤免疫細胞の25%以上がPD-L1を発現。腫瘍浸潤免疫細胞が腫瘍領域に含まれる割合が1%以下の場合は、腫瘍細胞の25%以上または腫瘍浸潤免疫細胞の100%がPD-L1を発現)。 評価可能な患者の14.3%(26例)がPR、2.7%(5例)がCRであった。ネオアジュバント・アジュバントの化学療法を受けた患者では、24%(9例)が奏効した。初回奏効までの時間の中央値は6週間であった。奏効した31例のうち14例(45%)では、効果が6ヵ月以上持続し、5例(16%)では12ヵ月以上持続していた。 durvalumab投与における重篤な有害事象は患者の46%で発現した。頻度の高い(>2%)ものは、急性腎不全(4.9%)、尿路感染(4.4%)、筋骨格痛(4.4%)、肝障害(3.3%)、全般的な健康悪化(3.3%)、敗血症、腹痛、発熱/腫瘍関連熱(各2.7%)。Grade5の有害事象は8例(4.4%)。3.3%の患者が有害事象のため投与中止に至った。(ケアネット 細田 雅之)参考AstraZeneca(米国)のメディアリリース1108試験(Clinical Trials.gov)

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トラコーマによる逆まつげ、術後予後の改善には?

 トラコーマ性睫毛乱生症(TT)の術後の好ましくない予後が、世界的なトラコーマ撲滅への努力を妨げているという。英国・ロンドン大学衛生熱帯医学大学院のEsmael Habtamu氏らは、無作為化単盲検比較試験の二次データを用い、TTの最も頻度が高い2つの手術法(posterior lamellar tarsal rotation:PLTR、bilamellar tarsal rotation:BLTR)における、術後TT(PTT)、眼瞼輪郭異常(ECA)および肉芽腫の予測因子を解析した。その結果、TTにおける術後の予後不良は、不適切な周辺部切開、不規則な切開、非対称の縫合位置と減張、不十分な矯正および睫毛位置と関連していることを明らかにした。著者は、「これらに対処することでTT手術の予後が改善するだろう」とまとめている。Ophthalmology誌オンライン版2017年4月21日号掲載の報告。 研究グループは、瞼板結膜瘢痕に関連して眼に睫毛が接触している、または抜去のエビデンスを有するTT患者1,000例を、BLTR群(501例)またはPLTR群(499例)に無作為に割り付け、手術を行った。 ベースラインの重症度、外科的切開、縫合および矯正について、手術中および手術直後にグレード分類した後、術後6ヵ月と12ヵ月時に、盲検化された担当者によって評価した。主要評価項目は、PTT、ECAおよび肉芽腫の予測因子であった。主な結果は以下のとおり。・データは992例(99.2%)の試験参加者(各群496例)で利用可能であった。・剪刀によるより多くの周辺部切開の実施が、PTTを予防する独立した因子であるという強いエビデンスが示された。PLTR群のオッズ比(OR):0.70(95%信頼区間[CI]:0.54~0.91、p=0.008)、BLTR群のOR:0.83(95%CI:0.72~0.96、p=0.01)。・ベースラインでの重症睫毛乱生症、睫毛位置の不規則さ、手術直後の中心部矯正不足は、両群においてPTTの予測因子であった。・PLTR群における周辺部睫毛(OR:5.91、95%CI:1.48~23.5、p=0.01)およびBLTR群における外側中心切開高≧4mm(OR:2.89、95%CI:1.55~5.41、p=0.001)は、それぞれPTTと関連していた。・PLTR群における>2mmの縫合間隔非対称(OR:3.18、95%CI:1.31~7.70、p=0.01)およびBLTR群におけるベースラインの結膜瘢痕(OR:1.72、95%CI:1.06~2.81、p=0.03)は、それぞれECAと関連していた。・高齢は、PLTR群(傾向のp<0.0001)およびBLTR群(傾向のp=0.03)において、それぞれECAと関連していた。・ECA発生率について、施術医間による大きなばらつきが認められた。ばらつきの範囲は、PLTR群が19.0~36.2%、BLTR群が6.1~28.7%にわたっていた。・PLTR術では、眼瞼の中心での不規則な後方層状切開(OR:6.72、95%CI:1.55~29.04、p=0.01)とECA(OR:3.08、95%CI:1.37~6.94、p=0.007)が肉芽腫形成に関与した。

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うつ病と体重変化の関連を調査、なりやすいのは太っている人、痩せている人?

 ボディサイズや体重変化とうつ病との関連(とくに低体重)は、システマティックにサマライズされていない。韓国・ソウル大学校のSun Jae Jung氏らは、ボディサイズ、体重変化とうつ病との関連を調査するため、システマティックレビューとメタ解析を行った。The British journal of psychiatry誌オンライン版2017年4月20日号の報告。低体重の人はうつ病リスクが高かった 183件の研究より、完全に調整されたハザード比(HR)またはオッズ比(OR)が抽出された。76件の研究より、ランダム効果モデルによるデータ合成を行い、潜在的なモデレーターの影響を評価するためサブグループ分析を行った。 うつ病とボディサイズ、体重変化との関連を調査した主な結果は以下のとおり。・ベースライン時に低体重の人は、その後のうつ病リスクが高かった(OR:1.16、95%CI:1.08~1.24)。・過体重の人(BMI:25~29.9kg/m2)は、うつ病との間に統計学的に有意な関連は認められなかったが、サブグループ分析では男性(OR:0.84、95%信頼区間[CI]:0.72~0.97)と女性(OR:1.16、95%CI:1.07~1.25)で性差が認められた。・横断的デザインでは、BMI 40kg/m2超は、30kg/m2超よりも統合ORが大きかった。 著者らは「低体重の人と肥満の人の両方でうつ病リスクが高い。また、肥満とうつ病との関連は、性別により異なる」としている。関連医療ニュース たった2つの質問で、うつ病スクリーニングが可能 認知症になりやすい職業は 産後うつ病になりやすい女性の特徴:高知大

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ワルファリン服用者の骨は脆い?(解説:後藤 信哉 氏)-676

 ワルファリンは、ビタミンK依存性の凝固因子の機能的完成を阻害する抗凝固薬である。ワルファリン服用者にはビタミンKの摂取制限を指導する。ビタミンKは「ビタミン」であるため、摂取制限により「ビタミン」不足の症状が起こる場合がある。ビタミンKを必要とする生体反応として骨代謝は重要である。ワルファリンはビタミンK依存性の凝固蛋白の機能的完成を阻害して、血液凝固を阻害する。骨の石灰化に必須のオステオカルシンの活性化にもビタミンKが必要である。ビタミンK摂取制限、ワルファリンの服用により、出血以外に骨粗鬆症も懸念される。もともと高齢で骨が弱い症例が、ワルファリン治療の対象となる。臨床的仮説として「ワルファリンの服用者では非服用者よりも骨粗鬆症性骨折が増える」とするのは妥当である。 本研究は香港の無名化臨床データベースを用いた。ワルファリンとダビガトランの服用はランダム化されていない。リスク因子などをそろえるpropensity matchを行っているが、臨床医がワルファリンまたはダビガトランを選択した個別の理由があると考えると、リスク因子がそろってワルファリン群とダビガトラン群がランダムに割り付けられていないことが本研究の限界である。2年程度の観察にて、骨粗鬆症性骨折はダビガトラン群の1.0%、ワルファリン群の1.5%に起こった。ランダム化比較試験が示した年間3%以上の重篤な出血の半分以下ではあるが、ワルファリン使用例では骨折にも注意が必要である。 50年の経験を有するワルファリンの欠点を、臨床医は十分に理解している。心房細動症例に起こる心原性脳塞栓症は予防したい。しかし、抗凝固薬には欠点がある。ワルファリンの欠点のうち、一部はNOACsにより改善できた。しかし、重篤な出血を起こすNOACsは安心して長期服用できる薬ではない。ブームに乗ってNOACsの使用推奨をするよりも、NOACsの出血の問題を克服できる次世代の薬剤開発に、時間とエネルギーを割くべきである。 本研究では香港の無名化(annotated)臨床データを用いている。電子カルテから個人を特定できる情報をすべて抜き取って院内のサーバーに蓄積する。そのannotatedな臨床データを日本中から集めて解析すれば、日本のデータを使って多くのclinical questionに関する回答を不完全ながら得ることができる。これはアカデミアの研究というよりも、コンピューターによる自動化で可能な事務仕事といえるレベルでできる。オープンソースにして誰もが解析可能とすれば、日本の臨床研究の質を楽に、一気に引き上げることができる。法整備ができれば、電子カルテ業界は競ってpopulation scienceのデータ化を容易にできるシステムを作ると思う。多くの人が自分でデータベースを操作してみれば、臨床医も「エビデンス」の限界を直感できるであろう。技術的には十分可能と思うので、あとは国民のコンセンサスの問題である。

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内分泌代謝内科グリーンノート

ポケットに入る内分泌代謝内科の役に立つ知見研修医・家庭医・一般内科医が「遭遇する頻度の高い」および「頻度は低いが絶対に見逃してはいけない」疾患症候に絞り、臨床上のポイントをまとめた内分泌代謝内科のポケットマニュアル。「フィジカルから内分泌疾患を診断する!」(徳田安春)、「総合診療医と専門医の一問一答」(南郷栄秀・岩岡秀明)など目玉企画も満載でお届け。すべての医師の必読書!画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。    内分泌代謝内科グリーンノート定価3,200円 + 税判型B6変型判頁数238頁発行2017年4月編著岩岡 秀明Amazonでご購入の場合はこちら

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アルツハイマー病患者へのベンゾジアゼピン使用と肺炎リスク

 ベンゾジアゼピンや同様の作用を有する非ベンゾジアゼピン(Z薬)が、高齢者の肺炎リスク増加と関連しているかはよくわかっていない。フィンランド・Kuopio Research Centre of Geriatric CareのHeidi Taipale氏らは、催眠鎮静薬の使用と肺炎を有するアルツハイマー病患者を対象に、この関連性を調査した。CMAJ(Canadian Medical Association Journal)誌2017年4月10日号の報告。 対象は、Medication use and Alzheimer disease(MEDALZ)コホートより、2005~11年にフィンランドでアルツハイマー病の診断を受けた地域住民。処方箋、償還、退院、死因に関する全国登録データを用いた。ベンゾジアゼピンおよびZ薬での治療患者は、1年間のウォッシュアウト期間を用いて同定され、傾向スコアによって非使用者とマッチさせた。肺炎による入院または死亡との関連は、Cox比例ハザードモデルで分析し、時間依存的に他の向精神薬の使用により調整した。 主な結果は以下のとおり。・アルツハイマー病患者4万9,484例のうち、ベンゾジアゼピン使用患者5,232例、Z薬使用患者3,269例および、1対1でマッチしたこれらの薬の非使用患者を用い、分析を行った。・全体的には、ベンゾジアゼピンおよびZ薬の使用は、肺炎リスク増加と関連していた(調整HR:1.22、95%CI:1.05~1.42)。・個別に分析したところ、ベンゾジアゼピンの使用は、肺炎リスク増加と有意に関連していたが(調整HR:1.28、95%CI:1.07~1.54)、Z薬の使用では認められなかった(調整HR:1.10、95%CI:0.84~1.44)。・肺炎リスクは、ベンゾジアゼピン使用の最初の30日間で最大であった(調整HR:2.09、95%CI:1.26~3.48)。 著者らは「ベンゾジアゼピン使用は、アルツハイマー病患者における肺炎リスク増加と関連していた。アルツハイマー病患者に対しベンゾジアゼピンを使用する際には、ベネフィットと肺炎リスクを考慮する必要がある」としている。関連医療ニュース ベンゾジアゼピンと認知症リスク~メタ解析 認知症予防にベンゾジアゼピン使用制限は必要か ベンゾジアゼピン系薬の中止戦略、ベストな方法は

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授乳婦はビタミンD欠乏リスクが4倍

 授乳中の女性はそうでない女性と比較して、ビタミンD欠乏症になるリスクが有意に高いことがドイツの横断的研究から明らかになった。 ビタミンD欠乏症による健康への有害性は認知されてきているものの、授乳婦におけるビタミンDの状態に関する研究はこれまであまり実施されてこなかった。 2017年4月19日にInternational Breastfeeding Journalに掲載されたSandra Gellert氏(ドイツ・ハノーファー大学)らによる研究では、German“Vitamin and mineral status among German women”studyから、124例の授乳婦と同数の年齢およびサンプル採取時期をマッチさせた妊娠・授乳をしていない女性について横断的研究を実施した。参加者は2013年4月~2015年3月にかけて登録され、ビタミンDのサプリメントは摂取していなかった。 その結果、授乳婦におけるビタミンD欠乏症(血清25(OH)D濃度25.0nmol/L未満)は26.6%を占め、ビタミンD不足(50.0nmol/L未満)でみると75.8%であり、これらは対照群より有意に高かった(対照群はそれぞれ12.9%、p=0.007、58.9%、p=0.004)。多重ロジスティック回帰分析によると、授乳婦のビタミンD欠乏リスクは対照群の4倍であった(オッズ比[OR]:4.0、95%信頼区間[CI]:1.8~8.7)。 一方で、血清25(OH)D濃度が適正範囲内(75.0~124.9nmol/L)であった授乳婦はわずか5.6%しかいなかった。また、ビタミンD過剰症はいずれの群でも認められなかった。 ビタミンD不足および欠乏の発生にはいずれの群においても季節性が認められた。授乳婦では、夏が最も適正範囲内の値である割合が高く、冬と春は欠乏リスクが高かった(OR:2.6、p=0.029)。また、住んでいる地域によってもリスクに差がみられた。 著者らは、授乳婦のビタミンD欠乏は乳児に影響を与える可能性があるため、十分な摂取もしくは日照時間が得られない場合にはサプリメントで補うことも選択肢になりうることを指摘した。しかしながら、適切なビタミンD濃度を得るためにどのくらいの用量のビタミンDサプリメントが必要なのかについては、さらなる検討が必要である、と記している。

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1日30本以上の喫煙で急性骨髄性白血病リスクが2倍超

 喫煙が白血病発症に関連したリスクとなることは従来の研究で報告されているが、その多くは欧米におけるものであり、日本人を対象とした大規模な研究はほとんど行われておらず、その関連性は不明であった。今回、愛知県がんセンター研究所遺伝子医療研究部の松尾 恵太郎氏らの研究により、男性で1日30本以上の喫煙者は、非喫煙者に比べ急性骨髄性白血病(AML)リスクが2.2倍となることが明らかになった。Journal of Epidemiology誌4月8日号に掲載。 本研究は、9万6,992例の日本人被験者(男性4万6,493例と女性5万499例、ベースライン時40~69歳)の大規模コホート。平均18.3年間のフォローアップ期間中、90例のAMLと19例の急性リンパ性白血病(ALL)、28例の慢性骨髄性白血病(CML)が確認された。潜在的交絡因子に対するハザード比(HR)および95%信頼区間(CI)の調整のため、Cox回帰モデルを使用した。 主な結果は以下のとおり。・年齢、居住地域、性別、職業、肥満指数を調整のうえ検討した結果、喫煙とAML発症リスクとの間に有意な関連性や用量反応関係はみられなかった。・しかし、体格指数と職業による調整後の検討により1日30本以上のタバコを現在も吸っている男性では、非喫煙者に比べてAMLリスクが有意に高かった(HR:2.21、95%CI:1.01~4.83)。・1日30本未満の男性では、AMLのリスク上昇はみられなかった。・女性におけるAMLやCML、ALLについては、喫煙者および罹患者が少なく、関連は不明であった。

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2040年の世界の推計医療費は?/Lancet

 世界各国の医療費(health spending)は経済発展と関連しているが、過去20年間の傾向や関連性を検証した結果、一概に関連があるとは言い切れず、財源が乏しい国では医療費は低いことが示唆されたという。米国・ワシントン大学のJoseph L. Dieleman氏らが、世界184ヵ国の過去の国内総生産(GDP)、全部門の財政支出、財源ごとの医療費などを分析し、2015~40年の推定医療費を推算して報告した。著者は、「政策の変更によって医療費の増大につながる可能性はあるが、最貧国にとって他国からの支援は欠かせないままと思われる」とまとめている。財源の規模、とくに財源の確保は、医療へのアクセスや医療のアウトカムに影響するといわれており、医療費は経済発展とともに増大することと、一方で、医療費財源の制度(health financing systems)の違いによって非常に大きなばらつきがみられることが指摘されている。研究グループは、世界の医療費の将来推計は、政策責任者および立案者にとって有益であり、資金調達の不足(financing gaps)を明らかにすることができるとして本検討を行った。Lancet誌オンライン版2017年4月19日号掲載の報告。世界の医療費をGDP、財政支出、保健医療費等のデータから推計 IMF Maddison ProjectおよびPenn World Tablesのデータベースから世界184ヵ国の1980~2015年のGDP、全部門の財政支出を抽出、また、Institute for Health Metrics and Evaluation’s Financing Global Health 2016から1995~2014年の世界の保健医療費データを抽出し、アンサンブルモデルを用いて、2040年までのGDP、全部門の財政支出、他国からの医療開発支援、および政府財源の医療費、患者の自己負担の医療費、民間保険会社の医療費を推算した。 また、確率フロンティア分析を用いて医療に投じる財源が最も多い国のパターンを明らかにし、さらにこれを用いて、低所得国や中所得国の潜在的医療費を推算した。すべての推計は、物価上昇率と購買力で調整した。世界の医療費、2040年には24.24兆ドルに 全世界の医療費は、2014年の9.21兆ドルから、2040年には24.24兆ドルに達すると推計された(不確実性区間[UI]:20.47~29.72)。国民1人当たりの医療費の伸びは、高中所得国で最も急速に進み、年5.3%(UI:4.1~6.8)と推算された。この上昇は、GDP、財政支出、政府財源の医療費の増加が継続することにより引き起こされると予測されたものである。 一方、低中所得国では4.2%(UI:3.8~4.9)、高所得国では2.1%(UI:1.8~2.4)、低所得国では1.8%(UI:1.0~2.8)の上昇率であると推算された。しかし、こうした上昇にもかかわらず、低所得国での国民1人当たりの医療費予測は、2030年で154ドル(UI:133~181)、2040年で195ドル(UI:157~258)と低いままであった。 医療費財源に投じる資金が最も多い国の医療費レベルに達するには、低所得国では経済発展のレベルに応じて、国の医療費を2040年で国民1人当たり平均321ドルに増大することが必要と推算された。

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わかる統計教室 第4回 ギモンを解決!一問一答 質問10(その1)

インデックスページへ戻る第4回 ギモンを解決!一問一答質問10 2項目間の関連性を把握する際の統計学的手法の使い分けは?(その1)質問9では、多変量解析を学ぶ前の基礎統計のおさらいとして基本統計量について解説しました。今回は多変量解析の前にもうワンステップ、つまり2項目間の関連性を把握する際の統計学的手法について3回にわたって説明していきます。■相関分析2項目のデータの一方が変われば、他方もそれにつれて変わるのか。変わるのであればその関連性はどのくらい強いのかを統計学的に分析する手法が「相関分析」です。質問9(その2)で学びましたが、比べたい2項目のデータのそれぞれのデータタイプが「数量データ」なのか「カテゴリーデータ」なのかをきちんと確認すれば、その組み合わせで相関分析の解析手法と2項目間の関連性の強さを判断する相関係数も決まります。まず、「数量データ」と「数量データ」の場合について解説します。■相関図と単相関係数下記の表1は、あるドラッグストアのそれぞれの店舗における売上額と広告費と店員数を示したものです。表1 各店舗の売上額、広告費、店員数広告費や店員数が多い店舗ほど、売上額が大きくなる傾向があるかどうかをみてみましょう。相関図図のように縦軸に売上額、横軸に広告費、店員数をとり、6つの店舗のデータをプロットした散布図を「相関図」といいます。図 例題の相関図相関図を見ると、広告費が多い店舗ほど売上額が高くなる傾向がみられます。同様に、店員数が多い店舗ほど売上額が高くなっています。広告費の値が決まれば売上額の値が決まるというわけではありませんが、両者の間に直線的な関連性が認められます。このような関係がみられるとき、「広告費と売上額との間には相関関係がある」といいます。※相関図は、縦軸を目的変数、横軸を説明変数とするのが一般的です。単相関係数「単相関係数」は「数量データ」と「数量データ」の相関関係の程度を示す数値です。単相関係数は、-1から+1までの値をとります。単相関係数が±1に近いときは2つの変数の関係は直線的であって、±1から遠ざかるにしたがって直線的関係は薄れていき、0に近いときは変数の間にほとんど直線的な関係はありません。※単相関係数を「ピアソン積率相関係数」ともいいます。売上額と広告費、売上額と店員数、広告費と店員数の単相関係数を表2に示します。表2 例題の単相関係数偏差平方和を求めます。 ⇒ 詳しくは質問9(その2)を参照ください。次に表3のように積和を求めます。表3 例題の積和偏差平方和、積和を表にしたものを「偏差平方和・積和行列」といいます(表4)。対角線、SYY、S11、S22が偏差平方和、他が積和です。表4 例題の偏差平方和・積和行列単相関係数はいくつ以上あればよいか相関係数の値が±1に近づくと相関関係が強くなり、反対に0に近づくと弱くなります。相関係数が0の場合のみ相関関係がありません。ちょっと信じられないかもしれませんが、相関係数がわずか0.1でも相関は弱いながらあるのです。したがって多くの場合、2変数の間には強弱の違いはありますが、相関関係がみられます。ここで大事なことは強い相関があるかどうかです。しかし、いくつ以上あれば相関が強いといった、統計学的基準はありません。医学統計の書籍などでは0.5としている場合もありますが、筆者のノウハウとしては表5のように決めています。あくまでもこの基準は、分析者が経験的な判断から決めることになります。表5 筆者流の相関の強弱の考え方あるドラッグストアでは、毎月売上額と広告費の単相関係数を算出しています。6ヵ月ほど前まで相関係数は0.5~0.7の間で推移していましたが、それ以降は0.3を一度も上回ったことがなかったとしましょう。相関係数が基準点の0.3を上回らないのは、広告費の売上に対する影響度が小さくなったと判断し、広告費の削減、あるいは広告内容の見直しを検討するということになります。今回は、「数量データ」と「数量データ」の相関関係について説明してきました。次回は、基本統計量についてご説明いたします。今回のポイント1)「数量データ」と「数量データ」の比較をする際の相関分析は、相関図(散布図)を描き両群の間の直線的な関連性をみる!2)単相関係数(ピアソン積率相関係数)は「数量データ」と「数量データ」の相関関係の程度を示す数値である!3)単相関係数は、いくつ以上あれば相関が強いといった統計学的基準はなく、あくまでも分析者が経験的な判断から基準を決める!インデックスページへ戻る

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163)海外旅行のお土産に気を付けろ!【脂質異常症患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話患者先生、最近話題の「トランス脂肪酸」って、どんなものですか?医師今話題の脂肪酸だね。悪玉コレステロール(LDL-C)を増加させ、善玉コレステロール(HDL-C)を減少させるといわれています。患者そうなんですか。医師その結果、狭心症や心筋梗塞などのリスクが高まるともいわれています。患者どんなものに含まれているんですか?医師ケーキやビスケットなどで使われているショートニング、マーガリン、パイなどに含まれていますが、国内では食品メーカーの企業努力で、トランス脂肪酸の含有量はかなり減っています。食品の栄養成分表示に「トランス脂肪酸」と書いてあることがありますので確認してみてください。患者はい。ほかに気を付けたほうがいいのは何ですか?医師海外旅行のお土産のチョコやクッキーですね。トランス脂肪酸が多いものもあります。“Trans Fat”と書いてあるので、チェックをお願いします。患者はい、わかりました。●ポイント海外旅行のお土産を話題に、トランス脂肪酸について説明を行います1)Uneyama C, et al. Shokuhin Eiseigaku Zasshi. 2016;57:179-186.2)Wada Y, et al. J Mass Spectrom. 2017;52:139-143.

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産後うつ病になりやすい女性の特徴:高知大

 出産年齢の女性において、主要な障害の1つである産後うつ病。産後うつ病リスクのある女性を特定することは、そのマネジメントを改善する可能性がある。高知大学のSifa Marie Joelle Muchanga氏らは、産後うつ病といくつかの先天性婦人科疾患罹患率との関連を調査した。Journal of affective disorders誌オンライン版2017年3月30日号の報告。 全国出生コホート研究であるthe Japan Environment and Children's Study(JECS)のデータより、出産後1ヵ月までのデータを分析した。産後うつ病を評価するためエジンバラ産後うつ病自己評価票(EPDS)を用い、11の先天性婦人科疾患罹患率を危険因子として考慮した。共変量には、精神疾患の既往、心理社会的因子、妊娠の有害アウトカム、出生アウトカム、患者背景、健康行動因子を含んだ。主な結果は以下のとおり。・過去の流産、平滑筋肉種および多嚢胞性卵巣症候群の有病を除き、うつ病女性は、非うつ病女性と比較し、より多くの婦人科疾患罹患率を有していた。・ロジスティック回帰分析では、子宮内膜症(OR:1.27、95%CI:1.15~1.41)、月経困難(OR:1.13、95%CI:1.06~1.21)、不正子宮出血(OR:1.21、95%CI:1.15~1.29)が産後うつ病と関連していた。 著者らは「子宮内膜症や月経問題を有する女性では、産後うつ病を発症するリスクがあった。この結果より、素因のある女性に対する周産期メンタルヘルススクリーニングの必要性が示唆された」としている。関連医療ニュース 産後うつ病への抗うつ薬治療、その課題は うつ病の診断年齢を分析、とくに注意が必要なのは 父親の産後うつ病、日本での有病率は

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血清尿酸値が糖尿病性網膜症リスクと相関~日本人男性

 奈良県立医科大学の石井 均氏らの研究グループによる大規模レジストリ研究で、男性の2型糖尿病患者では、血清尿酸値が高いほど糖尿病性網膜症の発症リスクが増加することがわかった。この研究で、血清尿酸値が男性2型糖尿病患者の糖尿病性網膜症の発症リスクを予測する有用なバイオマーカーである可能性が示唆された。Diabetes/metabolism research and reviews誌オンライン版2017年4月26日号に掲載。 本研究は、天理よろづ相談所病院(奈良県)の内分泌内科に通院する糖尿病患者を対象とした大規模レジストリ(Diabetes Distress and Care Registry at Tenri:DDCRT 13)から、2型糖尿病患者で糖尿病性網膜症ではない1,839例のデータを用いた。ベースラインの血清尿酸値と糖尿病性網膜症の発症における独立した関連性を評価するためにCox比例ハザードモデルを使用し、潜在的な交絡因子を調整した。 主な結果は以下のとおり。・2年間の観察期間中に188例(10.2%)が糖尿病性網膜症を発症した。・男性患者の糖尿病性網膜症発症における多変量調節ハザード比は、血清尿酸値の第1四分位に対して、第2四分位で1.97(95%CI:1.14~3.41、p=0.015)、第3四分位で1.92(同:1.18~3.13、p=0.008)、第4四分位で2.17(同:1.40~3.37、p=0.001)であった。・女性患者では発症リスクの増加はみられなかった。

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頭頸部がん領域で求められる体制整備

 2017年4月27日、都内にて“頭頸部がん治療とがん免疫療法薬「オプジーボ」”と題するセミナーが開かれた(主催:小野薬品工業株式会社/ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社)。演者である田原 信氏 (国立がん研究センター東病院 頭頸部内科長)は、「今後、免疫療法は頭頸部がん治療に新たな展望をもたらすだろう」と期待を述べた。 以下、セミナーの内容を記載する。頭頸部がんにおける治療課題 頭頸部がんは、口腔、咽頭、喉頭、甲状腺など、頭頸部領域に発生するがんの総称である。本邦の年間推計患者数(甲状腺がんを除く)は4万7,000人。Stage III、IV期の進行がんが約6割で、その半数は再発に至る。再発後は化学放射線療法などが施行されるが、頭頸部が対象のため、「ご飯が飲み込めない」「皮膚がただれる」といった急性毒性で苦しむ患者も多い。 さらに、晩期毒性による死亡リスクの増大も問題であった。頭頸部がんへの新たな標準治療オプション 新たな治療手段が求められるなか、2017年3月24日、抗PD-1抗体「オプジーボ(一般名:ニボルマブ)」が、「再発又は遠隔転移を有する頭頸部がん」に対する適応を取得した。 オプジーボは、プラチナ抵抗性の再発・転移頭頸部がん患者361例を対象としたCheckMate-141試験で、全生存期間7.49ヵ月(95%CI:5.49~9.10)と、対照群の5.06ヵ月(95%CI:4.04~6.05)に対して有意な延長を示した(HR:0.70、97.73%CI:0.51~0.96、p=0.01011 [層別 log-rank検定])。安全性プロファイルは、これまでの臨床試験の結果と一貫しており、プラチナ抵抗性の再発・転移頭頸部がんへの新たな標準治療オプションになると予想される。頭頸部がんは免疫抑制腫瘍 とくに、頭頸部がんの微小環境内では、さまざまな段階で免疫調節が生じているとの報告もある。オプジーボのような免疫チェックポイント阻害薬は、免疫抑制腫瘍である頭頸部がんに高い抗腫瘍効果をもたらすと期待される。実際、頭頸部がんを対象に複数の免疫チェックポイント阻害薬が開発段階にある。今後も免疫療法は、頭頸部がん治療に新たな展望をもたらすだろう。他科連携、診療連携プログラムの構築で緊密な連携を目指す その一方で、副作用管理、バイオマーカー探索などの課題も存在する。とくに、頭頸部がんはがん全体からみればマイナーながん種ということもあり、頭頸部がんに精通した医師自体が少なく、これまで集学的治療が実践されてこなかった。頭頸部がんの専門医は主に、耳鼻咽喉科・頭頸部外科を中心とする「頭頸部外科専門医」、口腔外科が中心の「口腔外科専門医」、腫瘍内科医が中心の「がん薬物療法専門医」と、複数の診療科にまたがっている。今後は医科歯科連携、頭頸部がん薬物療法診療連携プログラムの構築といった、緊密な連携による対策が求められるだろう。 また、肺がんでの「SCRUM-Japan」のような無償での検索体制構築はなく、Precision Medicineに向けた課題は存在する。今後、頭頸部がん領域でも体制整備が進み、さらなる治療成績向上が実現することを期待したい。

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発症メカニズムから考える乾癬の治療戦略

 2017年4月10日、メディアセミナー「乾癬治療における生物学的製剤の最新エビデンスと今後の展望~乾癬の発症機序から考える最新治療戦略~」が開催された(主催:アッヴィ合同会社)。本セミナーでは、演者である佐藤 伸一氏(東京大学大学院 医学系研究科 皮膚科学 教授)が、「乾癬治療における生物学的製剤治療の意義」と題した講演を行った。 乾癬は、赤い発疹である「紅斑」、皮膚が盛り上がる「浸潤」、銀白色のカサブタのような「鱗屑」や皮膚がはがれ落ちる「落屑」を特徴とする疾患で、慢性・再発性の炎症性角化症として知られている。乾癬への罹患は、がん、高血圧、心筋梗塞などよりも患者の生活の質(QOL)を低下させるとの報告もあり1)、乾癬の治療法選択においては、疾患の重症度を改善させるだけでなく、患者のQOLを考慮することも重要となる。乾癬は皮膚だけの病気ではない 乾癬は、皮膚症状以外にも何らかの疾患を併発することが多く、発症頻度の高い併存疾患としては、メタボリックシンドローム、高血圧、脂質異常症、糖尿病などが挙げられる。『世界乾癬レポート2016』には、乾癬マネジメントに高血圧などの関連疾患や心筋梗塞などの併存症のスクリーニングも含まれると記載されており2)、その重要性がうかがえる。乾癬と併存疾患との関係について佐藤氏は、重症乾癬患者の死因は心血管病変が最も多いとの報告3)を紹介したうえで、乾癬は「皮膚だけの病気ではなく、全身に影響を与える皮膚疾患」と解説した。乾癬とサイトカインの関係 乾癬の病態は、「腫瘍壊死因子(以下、TNF)-α」、「インターロイキン(以下、IL)-23」、「IL-17」といった炎症性サイトカインが連続的に働くことで生じると考えられている。 TNF-αは乾癬発症メカニズムの上流に位置しており、乾癬以外にもさまざまな炎症性疾患に関与している。本講演では、乾癬患者における心血管系イベント発生率をTNF-α阻害薬が低下させるとの報告4)も紹介された。一方、乾癬発症メカニズムの下流に位置するIL-17を標的とする治療は、乾癬に対してよりピンポイントに効果を発揮すると期待されており、近年、IL-17関連の生物学的製剤が相次いで発売された。佐藤氏は、乾癬とサイトカインの関係性を踏まえて、「乾癬の重症例では併存疾患が多いため、TNF-α阻害薬を用いることが望ましい」と自身の考えを述べた。 乾癬の病態理解が深まり、現在では乾癬に対していくつもの生物学的製剤が承認されている。佐藤氏は、これらの使い分けについて、「皮膚症状の重症度ではなく、併存疾患の有無などを考慮して製剤を使い分けることが合理的」との見解を示した。

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自転車通勤者は徒歩通勤者より全死因死亡リスクが低い/BMJ

 自転車通勤は心血管疾患(CVD)・がん・全死因死亡のリスク低下と、徒歩通勤はCVDのリスク低下とそれぞれ関連していることが、英国・グラスゴー大学のCarlos A Celis-Morales氏らによる、前向きコホート研究の結果、明らかにされた。徒歩通勤や自転車通勤は、日常の身体活動を高めることができる方法として推奨されている。先行研究のメタ解析(被験者17万3,146例)において、有害な心血管転帰のリスク低下と関連することが報告されていたが、同報告の結果は、心代謝性エンドポイント(高血圧、糖尿病、脳卒中、冠動脈心疾患、CVDなどの発生)の範囲が不均一で徒歩通勤か自転車通勤かの区別がなされておらず、限定的なものであった。BMJ誌2017年4月19日号掲載の報告。26万3,450例を前向きに追跡 研究グループの検討は、2007年4月~2010年12月の英国内22地点からの英国バイオバンクの参加者26万3,450例(うち女性52%、平均年齢52.6歳)を対象に行われた。仕事場までの通勤手段(非アクティブ、自転車、徒歩、混在)を曝露変数として用い、主要アウトカム(致死的・非致死的CVDおよびがん、CVD死、がん死亡、全死因死亡)の発生について評価した。 結果、追跡期間中央値5.0年(四分位範囲:4.3~5.5)の死亡発生は2,430例で、うちCVD関連死496例、がん関連死1,126例であった。また、がん発生は3,748例、CVD発生は1,110例であった。自転車通勤は、全死因死亡、がん発生・死亡、CVD発生・死亡とも有意に低下 最大限補正モデルにおいて非アクティブ群と比較して、自転車通勤群は、全死因死亡(ハザード比[HR]:0.59、95%信頼区間[CI]:0.42~0.83、p=0.002)、がん発生(0.55、0.44~0.69、p<0.001)、およびがん死亡(0.60、0.40~0.90、p=0.01)のリスクが有意に低かった。同様に自転車通勤を含む混在群も、全死因死亡(0.76、0.58~1.00、p<0.05)、がん発生(0.64、0.45~0.91、p=0.01)、およびがん死亡(0.68、0.57~0.81、p<0.001)のリスクが有意に低かった。 CVD発生のリスクについてみると、自転車通勤群(0.54、0.33~0.88、p=0.01)、徒歩通勤群(0.73、0.54~0.99、p=0.04)ともに有意な低下が認められた。CVD死についても、自転車通勤群(0.48、0.25~0.92、p=0.03)、徒歩通勤群(0.64、0.45~0.91、p=0.01)ともに有意な低下が認められた。 一方で、徒歩通勤群は、全死因死亡(1.03、0.84~1.26、p=0.78)、がん関連アウトカム(がん発生:0.93、0.81~1.07、p=0.30、がん死亡:1.10、0.86~1.41、p=0.45)について、統計学的に有意な関連はみられなかった。徒歩通勤を含む混在群も、測定アウトカムのいずれについても顕著な関連はみられなかった。 これらの結果を踏まえて著者は、「アクティブ通勤を促進・支援するイニシアティブによって、死亡リスクを減らし、重大慢性疾患の負荷を減らせるだろう」とまとめている。

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