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免疫性血小板減少症への新治療薬による診療戦略/Sobi Japan

 希少・難治性疾患治療に特化し、ストックホルムに本社を置くバイオ医薬品企業のSwedish Orphan Biovitrum Japan(Sobi Japan)は、アバトロンボパグ(商品名:ドプテレット)が新たな適応として「持続性および慢性免疫性血小板減少症」の追加承認を取得したことに合わせ、都内でメディアセミナーを開催した。セミナーでは、免疫性血小板減少症(ITP)の診療に関する講演や同社の今後の展望などが説明された。約2万例の患者が推定されるITP はじめに「免疫性血小板減少症について」をテーマに、加藤 亘氏(大阪大学医学部附属病院輸血・細胞療法部 部長)が、本症の概要を説明した。 出血時の止血に重要な役割を担う血小板は、巨核球が血管内に行くことで血小板となり、体内で約7~10日間活動する。正常15~35万/μLの血小板数があり、10万/μL以下で血小板減少症、1万/μL以下では重篤な出血症状を呈する。そして、ITPは血液中の血小板が免疫により減少する疾患である。症状としては、皮膚の紫斑、粘膜出血などの出血症状の繰り返しがあり、健康な人よりもわずかに高い死亡率となる。 また、近年の研究からITPは血小板に対する自己抗体によって起こる自己免疫疾患とされ、「特発性」という言葉から「免疫性」に変更された。 わが国には約2万例の患者が推定され、毎年約3,000例が新規発症しており、その半数は高齢者である。本症は、指定難病であり、小児慢性特定疾患であるが、医療費助成の対象はステージ2以上の比較的重症の患者となっており、特定医療費受給者証所持者数は2023年時点で約1万7,000人となっている。 難病申請データに基づくITPの出血症状としては、紫斑が88.2%、歯肉出血が26.8%、鼻出血が18.1%の順で多く、その症状は血小板減少の程度、年齢と相関する。とくに血小板数1~1.5万/μL、60歳以上では重篤な出血リスクが増大するといわれている1)。 ITPの治療戦略としては、(1)リンパ球による抗血小板自己抗体の産生抑制、(2)破壊される以上に血小板を多く産生する、の2つがあり、治療の流れとしては『成人特発性血小板減少性紫斑病 治療の参照ガイド 2019改訂版』により治療が行われる(わが国独自の治療にピロリ菌除去療法がある)。 治療目標は、血小板を正常に戻すことではなく、重篤な出血を予防することであり、治療薬の副作用による患者QOLの低下を考慮し、過剰な長期投与は避けることとされている。 本症の1次療法としては、副腎皮質ステロイド療法が行われる。次に1次療法で効果がみられない場合、2次療法としてトロンボポエチン受容体作動薬(TPO-RA)、リツキシマブ、脾臓摘出術などが考慮される。2次療法については大きな優劣はなく、ただ、近年では脾臓摘出術はほぼ行われていない。 わが国でのITP治療薬の使用状況について、2015~21年で比較すると、TPO-RAが35.71%から61.37%へと増加し、リツキシマブも0%から3.3%へと増加したという報告がある2)。 多く使用されているTPO-RAは奏効率は高いものの、長期使用の場合は肝機能障害などの副作用の課題もある。治療の選択では、各治療の特徴を踏まえ、患者の希望・背景に合わせた治療選択が望まれる。 また、現在、解決が必要とされる課題として5つが指摘されている。(1)治療薬の使い分け、併用法(2)完治を目指す治療の開発(3)妊娠中、出産時の血小板数コントロール(4)出血症状、血小板数の改善のみではなく、症例ごとのQOLに配慮した治療・薬剤選択(5)ITP診断の改善(特異的な診断法開発の必要性)約6割のITP患者に投与8日以内で反応あり 今回、アバトロンボパグは新たな適応である「持続性および慢性免疫性血小板減少症」の承認を2025年8月25日に取得した。適応追加に係るわが国での第III相試験は、慢性ITPの患者19例を対象に、26週間の投与期間中に救援療法なしに血小板反応(血小板≧50×109/L)が得られた累積週数を主要評価として行われた。試験対象者の平均年齢は56.0歳で、女性が78.9%だった。 試験の結果、血小板反応(≧50×109/L)について、26週間の投与期間中、臨床的に意義のある累積週数の基準(閾値:8.02週)を達成し、患者の63.2%が8日以内に反応を示した。安全性では、治療に関係する重篤な有害事象はなく、一般的な有害事象として、新型コロナウイルス感染症、上気道感染症、鼻咽頭炎などが報告された。 最後に加藤氏は、「アバトロンボパグは慢性ITPを有する日本人成人患者に対し有効であった。安全性・忍容性も良好で、海外の主要な第III相試験3)および中国の患者の第III相試験4)と同様の血小板反応を日本人でも示した。長期的な有効性と安全性は、現在進行中の延長期で評価をする予定」と展望を述べ、講演を終えた。 同社では、今後新たに5つの希少疾患に対する製品の上市を目指しており、「これらの薬剤を早く日本の患者さんに届けられることを使命とし、希少疾患薬におけるドラッグラグやドラッグロスという問題の解決の一助となるようにしていきたい」と抱負を語っている。

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閉塞性睡眠時無呼吸症候群、就寝前スルチアムが有望/Lancet

 閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)は有病率が非常に高いが、承認された薬物治療の選択肢はいまだ確立されていない。ドイツ・ケルン大学のWinfried Randerath氏らFLOW study investigatorsは、炭酸脱水酵素阻害薬スルチアムについて有効性と安全性を評価した第II相の二重盲検無作為化プラセボ対照用量設定試験「FLOW試験」を実施。スルチアムの1日1回就寝前経口投与は、OSAの重症度を用量依存性に軽減するとともに、夜間低酸素や日中の過度の眠気などの改善をもたらし、有害事象の多くは軽度または中等度であることを示した。研究の成果は、Lancet誌2025年10月25日号で発表された。3種の用量とプラセボを比較 FLOW試験は欧州5ヵ国の28施設で実施され(Desitin Arzneimittelの助成を受けた)、2021年12月~2023年4月に参加者のスクリーニングを行った。 年齢18~75歳、未治療の中等症または重症のOSAと診断され、無呼吸低呼吸指数(AHI)3a(酸素飽和度の3%以上の低下を伴う低呼吸または覚醒[あるいはこれら双方])の発生が15~50回/時で、BMI値が18.5~35の患者298例(最大の解析対象集団[FAS]:平均年齢56.1歳[SD 10.5]、男性220例[74%]、平均BMI値29.1)を登録した。 被験者を、プラセボ群(75例)、スルチアム100mg群(74例)、同200mg群(74例)、同300mg群(75例)に無作為に割り付けた。1~3週目までに各群の目標値に達するように用量を漸増し、目標値到達後は12週間経口投与(1日1回、就寝前の1時間以内)した。 有効性の主要アウトカムは、AHI3aのベースラインから15週目までの相対的変化量とした。AHI4、ODI、ESS総スコアも良好 FASにおける15週の時点でのプラセボ群と比較したAHI3aの補正後平均変化量は、スルチアム100mg群が-16.4%(95%信頼区間:-31.3~-1.4、p=0.032)、同200mg群が-30.2%(-45.4~-15.1、p<0.0001)、同300mg群が-34.6%(-49.1~-20.0、p<0.0001)といずれの群も有意に優れ、有効性には用量依存性を認めた。 ベースラインから15週までのAHI4(酸素飽和度の4%以上の低下を伴う低呼吸)、酸素飽和度低下指数(ODI)、平均酸素飽和度の変化量は、いずれもプラセボ群に比しスルチアム200mg群(それぞれp=0.0006、p=0.0008、p<0.0001)および同300mg群(p<0.0001、p<0.0001、p<0.0001)で有意に改善した。 ベースラインで主観的な日中の過度の眠気(Epworth sleepiness scale[ESS]総スコア≧11点)を有していた患者(120例)では、15週時のESS総スコアがプラセボ群に比しスルチアム200mg群で有意に改善した(p=0.031)。また、総覚醒指数で評価した睡眠の分断化も、プラセボ群に比べ同200群(p=0.0002)および同300mg群(p<0.0001)で有意に良好だった。知覚異常が用量依存性に発現 試験期間中に発現した有害事象の頻度は、プラセボ群で61%(46/75例)、スルチアム100mg群で73%(54/74例)、同200mg群で84%(62/74例)、同300mg群で91%(68/75例)であり、用量依存的に増加した。いずれかの群において10%超の患者で発現した有害事象として、知覚異常(プラセボ群9%、スルチアム100mg群22%、同200mg群43%、同300mg群57%)、頭痛(8%、7%、16%、15%)、COVID-19(4%、4%、8%、13%)、上咽頭炎(12%、4%、9%、9%)を認めた。全体で知覚異常により15例(5%)が試験薬の投与中止に至ったが、118件の知覚異常イベントのうち98件(83%)は1回のみまたは散発的で、99件(84%)は軽度だった。 有害事象の多くは軽度または中等度であった。重篤な有害事象は11例(プラセボ群2例[3%]、スルチアム100mg群4例[5%]、同200mg群1例[1%]、同300mg群4例[5%])に発現し、このうち3例(100mg群で好中球減少1例および急性骨髄性白血病1例、200mg群で三叉神経障害1例)が治療関連の可能性があると判定された。 著者は、「睡眠中の気道虚脱には複数の病態生理学的機序が関与している可能性があり、OSAは臨床的な表現型の幅が広いため、病態に応じて個別化された治療戦略が求められる」「本研究は、標準治療である持続陽圧呼吸療法(CPAP)が施行できない患者では、スルチアムによる薬物療法が有望な治療選択肢となる可能性を示唆する」「ベネフィット・リスク比は200mg群で最も良好であった。今後、200mgで十分にコントロールできない場合に、300mgを考慮する研究を続ける必要があるだろう」としている。

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アルコール性肝線維化の有病率が過去20年間で2倍以上に

 多量飲酒者において、肝線維化の有病率が過去20年間で2倍以上に増加したというリサーチレターが、「Clinical Gastroenterology and Hepatology」に7月23日掲載された。 米南カリフォルニア大学ケック医科大学院のKalpana Gopalkrishnan氏らは、米国国民健康栄養調査(NHANES)の1999~2020年のデータを用いて、多量飲酒者の間で、進行したアルコール関連肝疾患のリスクが経時的に変化したかどうかを検討した。過去12カ月間のアルコール摂取量が、女性で1日当たり20g以上、男性で30g以上を多量飲酒と定義した。主要評価項目はFibrosis-4(FIB-4)スコアが高いこととし(65歳以下は2.67超、66歳以上は3.25超)、これを肝線維化の代替指標として使用した。 対象者4万4,628人のうち2,474人が多量飲酒者に該当した。解析の結果、多量飲酒者のうち、FIB-4が高い人の割合は経時的に増加し、1999~2004年には1.8%であったが、2013~2020年には4.3%となっていた。一方、多量飲酒をしない人においても、同期間に0.8%から1.4%に増加していた。多量飲酒者の平均年齢は上昇し、女性と貧困層の割合が高かった。平均アルコール摂取量は、いずれの期間でも同程度であった。また、多量飲酒者のメタボリック症候群の有病率は、1999~2004年の26.4%から2013~2020年の37.6%と増加し、多量飲酒をしない人でも32.0%から40.2%に増加していた。 共著者である同大学のBrian P. Lee氏は、「1990年代以降の多量飲酒者の人口統計学的特性および肝疾患との関連について総合的に調査したのは本研究が初めてであるが、今回の知見から、どのような集団がアルコール摂取量を抑えるためにより多くの介入を必要としているかについて、重要な情報が得られた。また、近年における肝疾患の増加傾向を説明できる可能性もある。さらに本研究の結果は、多量飲酒をする米国民の構成が20年前と比べて変化していることを示している」と述べている。

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ロボット支援気管支鏡が肺の奥深くの腫瘍に到達

 最先端のロボット支援気管支鏡が肺の奥深くにある極めて小さな腫瘍にまで到達できることが、チューリッヒ大学病院(スイス)のCarolin Steinack氏らによる臨床試験で示された。Steinack氏らによると、このロボット支援気管支鏡は、特殊なCTスキャナーにより、肺の中の到達が難しい位置に隠れた腫瘍を見つけることができるという。この研究結果は、欧州呼吸器学会議(ERS 2025、9月27日~10月1日、オランダ・アムステルダム)で発表された。 Steinack氏は、「この技術によって、専門医は肺のほぼ全領域にアクセスできるようになった。これは、より多くの患者に生検を実施できること、より高い治療効果が期待できる早期の段階でがんを診断できるようになることを意味している」とERSのニュースリリースの中で述べている。 ERSの呼吸器インターベンション専門家グループ代表で、Golnik大学クリニック(スロベニア)内視鏡部長のAles Rozman氏も、肺がんを治療可能な早期の段階で発見して治療するのにこの技術が役立つ可能性があるとの見方を示している。同氏は、「がんは通常、早期に診断されれば生存率の大幅な向上を望める。しかし、こうした極めて小さな腫瘍は診断が難しい。今回の研究は、ロボット支援技術が肺の奥深くにある小さな腫瘍の多くを診断する助けになることを示している」と付け加えている。 Steinack氏らは今回の臨床試験で、肺の周縁部に異常増殖がある78人の患者に気管支鏡検査を実施した。異常増殖の数は合計で127個だった。肺の周縁部は接続する気道がない場合が多く、通常は容易に到達できない領域である。腫瘍は直径が中央値11mmで、18個(14.2%)は気管支サインが陽性(病変に向かって走行する気管支が明確に認められる)で、35個(27.6%)は均一なすりガラス陰影に分類された。患者の半数(39人)はX線画像を用いた従来型の気管支鏡検査を受け、残る半数(39人)はCTスキャンを用いたロボット支援気管支鏡検査を受けた。 その結果、診断に至った対象者の割合は、ロボット支援気管支鏡群で84.6%(33人)であったのに対し、従来の気管支鏡では23.1%(9人)にとどまった。通常の気管支鏡の方法で生検が成功しなかった人に対してロボット支援気管支鏡を用いると、92.9%(26/28人)で腫瘍への到達と生検に必要な組織の採取に成功した。最終的に68人(53.5%)が肺がんと診断され、そのうち50人は最も早期の治療可能な段階のがんであった。Steinack氏は、「臨床的に従来の気管支鏡が選択肢とはならない患者において、この技術は正確な診断を可能にする」と述べている。 ただし、この技術は安価ではない。この新しいシステムの導入には110万ドル(1ドル150円換算で1億6500万円以上かかり、検査1回当たりの費用は約2,350ドル(同35万2,500円)になるとSteinack氏らは説明している。チューリッヒ大学病院の呼吸器内科医で主任研究者のThomas Gaisl氏は、「こうした腫瘍がある患者を多く診ている医療機関では、この技術により得られるメリットは投資に見合うものだと考えている。ただし、このロボットシステムは従来の気管支鏡が使えない、小さくて到達が難しい病変に限定して使用すべきだ」とニュースリリースの中で述べている。 一方、Rozman氏は、「この装置を導入し、使用するために必要となる莫大な追加コストを正当化するためには、この種のゴールドスタンダードの研究を実施することが極めて重要だ」と指摘している。 なお、学会発表された研究結果は、査読を受けて医学誌に掲載されるまでは一般に予備的なものと見なされる。

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乳児期の犬への曝露は小児喘息リスクの低下と関連

 犬を飼っている家庭の乳児は、5歳時の肺機能が高く、喘息を発症しにくい可能性のあることが、新たな研究で示唆された。猫を飼っている家庭の乳児では、このような保護効果は認められなかったという。The Hospital for Sick Children(カナダ)のJacob McCoy氏らによるこの研究結果は、欧州呼吸器学会議(ERS 2025、9月27日〜10月1日、オランダ・アムステルダム)で発表された。 McCoy氏は、「猫アレルゲンと小児喘息の間に関連は認められなかったものの、犬アレルゲンへの曝露は肺機能の改善と喘息リスクの低下と関連していることが示された」とERSのニュースリリースの中で述べている。 この研究でMcCoy氏らは、カナダのCHILDコホート研究のサブコホートに属する乳児1,050人(平均月齢3.94カ月)のデータを用いて、生後3カ月時点のほこり中のアレルゲン濃度と5歳時の喘息、および1秒量(FEV1、息を最大限吸い込んだ後に、できるだけ速く・強く吐き出したときの最初の1秒間の空気の量)との関連、さらに遺伝的リスクがそれらの関連に影響するのかを検討した。ほこりサンプルは対象児の家庭から採取されたもので、1)犬の皮膚や唾液から排出されるタンパク質であるCan f1、2)猫の皮膚や唾液から排出されるタンパク質であるFel d1、3)細菌の表面に存在するタンパク質であるエンドトキシン、の3種類の潜在的なアレルゲンについて評価した。 対象児の6.6%が5歳までに喘息を発症していた。多変量モデルを用いた解析の結果、犬由来のアレルゲンであるCan f1への曝露レベルが高い児では低い児に比べて喘息リスクが48%低いことが示された(オッズ比0.52、95%信頼区間0.25〜0.98)。また、これらの乳児では、FEV1のZスコアも有意に高かった(β=0.23、95%信頼区間0.06〜0.40)。さらに、肺機能に対する保護効果は、喘息やアレルギーの遺伝的リスクが高い乳児でより強く現れることも明らかになった。一方で、猫アレルゲンや細菌アレルゲンの曝露レベルが高い乳児では、このような保護効果は確認されなかった。 McCoy氏は、「なぜこのようなことが起こるのかは明らかになっていない。ただし、犬のアレルゲンに敏感になると、喘息の症状が悪化する可能性があることは分かっている。今回の結果は、犬アレルゲンへの早期の曝露が、鼻腔内のマイクロバイオームを変化させたり免疫系に影響を与えたりすることで、感作を防ぐことができる可能性があることを示唆している」との見方を示している。その上で同氏は、「幼少期の犬アレルゲンへの曝露と喘息に対する予防効果との関連を理解するには、さらなる研究が必要だ」と述べている。 この研究には関与していない、ERS小児アレルギー・喘息専門家グループの議長であるErol Gaillard氏は、「喘息は、若年者の間で最も一般的な慢性疾患であり、緊急治療のために入院する主な理由の一つでもある。喘息の症状を軽減または抑制できる優れた治療法はあるが、喘息を予防するためにはリスク要因を減らすことも重要だ。この研究結果は、犬を飼っている家庭にとって朗報となる可能性がある。ただし、この関連について、そして犬との生活が長期的には小児の肺の発達にどのような影響を与えるかについて、さらに詳しく知る必要がある」と話している。 なお、学会発表された研究結果は、査読を受けて医学誌に掲載されるまでは一般に予備的なものと見なされる。

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米国でサマータイムを廃止すれば脳卒中や肥満が減少する可能性

 米国では夏季に時計を1時間早めるサマータイムが実施されているが、それを廃止することによって、脳卒中や肥満を減らせる可能性があるとする論文が、「Proceedings of the National Academy of Sciences(PNAS)」に9月15日掲載された。 この研究は、米スタンフォード大学のLara Weed氏、Jamie M. Zeitzer氏によるもので、仮に標準時間(夏季以外の時間)に固定した場合、1年間で約30万件の脳卒中が予防され、260万人の肥満が減少する可能性があるという。また、サマータイムのままとした場合にも、影響は3分の2程度に減るものの脳卒中や肥満の抑制効果が見込まれるとのことだ。研究者らは、「これを別の言葉で表現するなら、現在実施されている年2回の時計の切り替えは、米国民の健康にとって最悪の政策である」と述べている。 この研究では、時間政策が概日リズム(多くの生理活動を調整する体内時計)にどのような影響を与えるかを推定した。Zeitzer氏によると、「朝に光を浴びると概日リズムが速まり、夕方に光を浴びると遅くなる。通常、24時間周期にうまく同調するには、朝の光曝露を多く、夕方の曝露を少なくする必要があり、そうでないと概日リズムが乱れがちになって、代謝や免疫システムが不調になりやすい」という。 今回の研究では、標準時間で固定した方が、多くの人にとって概日リズムへの負担が減ることが示された。そしてその影響を、米疾病対策センター(CDC)の地域ごとの疫学データと結び付けて、時間政策が人々の健康にどのようなインパクトを与えるかを推定した。その結果、標準時間を恒久化することで、米国全体で肥満が0.78%、脳卒中が0.09%減少すると計算された。パーセントの値としては小さなものだが、人口に換算すると、肥満者が260万人、脳卒中が30万件減少することになる。また、サマータイムを恒久化した場合にも、肥満者が0.51%減少し、脳卒中が0.04%減ると推計された。Zeitzer氏は、「標準時間とサマータイムのどちらであっても、それを恒久化することが米国国民の健康増進に役立つだろう」と述べている。 現在、米国においてサマータイムは年に7カ月実施されている。サマータイムの恒久化を提案する法案は、2018年以来ほぼ毎年議会に提出されているが、一度も可決されていない。それに対して、米国の医師会、睡眠医学会、睡眠財団などの医療関連団体は、標準時間を恒久化することを支持している。Zeitzer氏によると、時間政策に関する主張はしばしば、主張する政策の方が人々の健康全般に良いということを根拠として語られるという。ただし、「問題はその主張の根拠がデータのない理論だということだ」と同氏は述べ、「一方でわれわれは今回、それらの主張を検討し得るデータを手にした」と付け加えている。 なお、研究者らが論文の中で取り上げている先行研究によると、夏時間への移行は心臓発作や交通事故の増加と関連があり、標準時間に戻す際にはそのような悪影響は生じないという。

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エンゼルケアについて考えてみる【非専門医のための緩和ケアTips】第110回

エンゼルケアについて考えてみる患者さんが亡くなった際に、多くの施設で看護師を中心にエンゼルケアが行われています。患者さんにとってはもちろん、ご家族にとっても大切な時間なので、丁寧なケア提供が求められます。今回の質問患者さんが亡くなった時、訪問看護師がエンゼルケアをしていますが、どういったことを行うのが標準的なのでしょうか? 在宅医療だと人手も少ないので、医師である私も少し手伝ったほうが良いかなと思う時もありますが、やり方を学んだことがないため、言い出しにくく感じます。死亡確認後にご遺体へのケアを「エンゼルケア」と言います。施設によっては化粧をするといったケアにも取り組んでおり、これは「エンゼルメイク」と言います。私が勤務する施設では、看護師が清拭で身体をきれいにしたうえでメイクをしています。男性の私は普段は化粧をする機会はなく、美容にも関心はありませんが、エンゼルメイクをした患者さんは男女を問わず顔色が良くなり、ご家族に喜んでもらえることを実感します。エンゼルケアを通じて、何を提供しているのか考えてみましょう。エンゼルメイクをテーマにした研究では、家族から「穏やかな表情にしてくれた」「生前と同じような扱いをしてくれた」といった声が寄せられました1)。確かに看護師のエンゼルケアを見学すると、とても丁寧に遺体を扱っています。同時に「頑張りましたね」と声掛けをしたり、ご家族をねぎらったりもします。こうしたケアが「故人を大切にしてもらった」という感覚を生むのでしょう。看護師によっては、ご家族が希望するケアを取り入れるケースもあります。たとえば、お風呂が好きだった患者さんであれば、清拭ではなく湯灌(ゆかん)し、故人をしのびながら、身体をきれいにします。あるケースでは、お孫さんにも湯灌を手伝い、ご家族から「非常に良い時間でした」と言ってもらいました。お孫さん自身も「おじいちゃんが最期に教えてくれた、大切な経験として忘れないようにしたい」と言っており、エンゼルケアは死生観を育む機会にもなるのだなと感じました。ご家族が最期に着せたい服に着替えてもらったうえで、お別れをすることもあります。病院では自動的に病衣に着替えてもらうことが多いですが、スーツなど思い出のある服に着替えた姿からは、患者さんのかつての生き生きとした姿を感じることができます。あれこれ思い出を振り返ってきましたが、このようにエンゼルケアは非常にナラティブなものです。そして、そのケアに対して私が何かするかというと、基本的にはすべて看護師に任せています。とくに在宅でのお見取りの際は、医療機器を外すなど死後の処置が必要なケースも少ないため、死亡確認をして死亡診断書を作成したら、その場を離れることが多いです。長くお世話になっている緩和ケアの看護師は、「エンゼルケアはその患者さんに私たち看護師が提供できる最後のケア」と言っていました。そんな看護師を尊敬しており、看護師とご家族で取り組むケアに医師が無理に割り込む必要はないのかな、と感じます。もちろん、人手が足りないなど事情があれば、邪魔にならないよう手伝うことはありますが、基本的にエンゼルケアはそれを専門とする看護師と患者さん、ご家族のものだと思います。今回のTips今回のTipsエンゼルケアは最後のケアとして、患者さんはもちろんご家族にとっても非常に大切。1)山脇 道晴ほか. ホスピス・緩和ケア病棟におけるご遺体へのケアに関する 遺族の評価と評価に関する要因. Palliative Care Research. 2015;10:101-107.

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急性期の“むくみ”に対する漢方薬の使用法【急性期漢方アカデミア】第2回

急性期漢方を普及・研究するグループ「急性期漢方アカデミア(Acute phase Kampo Academia: AKA)」。急性期でこそ漢方の真価が発揮されるという信念のもと、6名の急性期漢方のエキスパートが集結して、その方法論の普及・啓発活動を2024年から始動した。その第1回セミナーで公開された、急性期の“むくみ”に対する漢方薬の使用法を今回は紹介したい。急性期の“むくみ”のAKAプロトコール急性期の“むくみ”に応用できる医療用漢方製剤のうち、とくに急性期病院でも使用しやすい五苓散(ごれいさん:17)、柴苓湯(さいれいとう:114)、越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう:28)、真武湯(しんぶとう:30)の4処方に注目して、AKAプロトコールを紹介し、具体的な使い分け方法を示す。図1は、急性期のむくみの病態を漢方における視点から、全身性か局所性であるか、熱感や発赤を伴っているか末梢の冷感を伴っているかの2大軸、4象限で分割した座標を提示、4つの処方の位置付けを示している。画像を拡大する図2は、使用の便を図るために、急性期の“むくみ”に対して4つの処方を使い分けるためのフローチャートを示した。画像を拡大する急性期の“むくみ”での漢方治療の実際急性期の“むくみ”に対して漢方薬を使用したAKAメンバーの経験した実際の症例を紹介したい。症例1【症例】91歳女性【主訴】下腿浮腫、労作時呼吸困難感【現病歴】2ヵ月前より増悪する下腿浮腫・労作時呼吸困難感で受診。精査の結果、大動脈弁閉鎖不全、僧帽弁閉不全、重症三尖弁閉鎖不全を伴う両心不全、Hb 8g/dL程度の貧血、血清クレアチニン値2mg/dL程度、尿蛋白3+で慢性腎臓病(CKD G4A3)を指摘された。右心不全および慢性腎臓病があるため、利尿剤は使用しにくいと考えられた。認知症もあり入院によるADL低下も懸念され、外来での加療を選択し漢方薬での治療を行った。四肢は冷えている。下腿浮腫あり。【処方および経過】AKAプロトコールにおける“全身性の”“冷感を伴う”浮腫であり、真武湯が選択された。真武湯は単独では利尿効果が弱いため、五苓散を併用。内服開始から浮腫は軽快傾向となり、2週間後には、肺高血圧や下大静脈径も改善し、胸水も消退した(図3)。画像を拡大する症例2【症例】29歳女性【主訴】右手の腫脹・疼痛【現病歴】来院3日前に右手背部の腫脹・疼痛が出現し、38℃台の発熱があり。来院前日に近医受診。全身疾患も含めて精査・加療目的で、当科紹介。【既往歴】アトピー性皮膚炎【診断】右前腕蜂巣炎【処方および経過】AKAプロトコールにおける“局所性の”“熱感・発赤を伴う”浮腫であり、越婢加朮湯が選択された。化膿性病変であることを考慮して黄連解毒湯とセファクロル750mg 分3を併用している。内服開始2日後で発赤・腫脹は消退傾向となり、5日後には、わずかに浮腫が残る程度で症状は消失した(図4)。画像を拡大する症例3【症例】20代女性 卵巣過剰刺激症候群からの急性呼吸不全【現病歴および経過】2023年某日 卵巣刺激法(ウルトラショート法)で卵胞刺激を施行。2日日に腹痛と呼吸苦を認め、前医救急外来受診。呼吸状態が悪化し4日目に当院搬送となった。図5のように両側胸水が顕著に貯留、利尿薬等を投与しつつNPPVによる陽圧換気を開始した。しかし、十分な尿量確保が困難となり人工呼吸器装着を考慮せざるを得ない状況となった。利水作用※を期待し五苓散の投与を開始、投与翌日より尿量増加傾向となった(図5)。画像を拡大するこのように血管透過性が亢進した病態において、五苓散の併用は病態の改善につながる場合がある。なお、この場合は分量を多めに使用することを考慮する(保険診療上、通常量より多くの投与は認められないため、処方の際には一定の配慮が必要である)。※ 利水作用:利水とは西洋医学の利尿薬のような強制利尿ではなく「水毒」と呼ばれる水の異常分布を調整すると考えられており、浮腫では利尿作用、脱水では抗利尿作用を発揮するとされる。症例4【症例】熱傷:80歳代、女性 既往に高血圧のある、生来元気な方。【現病歴および経過】X日自宅コンロの火で左脇を受傷し、近医クリニックを受診。大きな病院に行くように説明があった。X+1日当院紹介受診。左腋窩を中心に約2%の熱傷あり(図6)、II~III度熱傷を認めた。軟膏と被覆材による処置を行い、ツムラ柴苓湯エキス顆粒3包 分3、ツムラ越婢加朮湯エキス顆粒3包 分3を処方した。X+2日38℃台の発熱を来したが、来院時は37℃台の微熱(図7)。X+3日上腕部周辺の正常皮膚にやや発赤・熱感が発現した(図8)。安静時には疼痛はなく、本人の体力もあることから、同処方を継続した。X+4日37℃台の微熱はあるものの、昨日よりは全身状態は改善したとのことで、創部の発赤も消退していた(図9)画像を拡大するX+10日食思不振、倦怠感を訴えるため、ツムラ越婢加朮湯エキス顆粒からツムラ六君子湯エキス顆粒3包 分3に切り替え、柴苓湯は飲みきり終了とした(図10)。X+29日食思不振や倦怠感はなくなったことから、六君子湯も終了とした。X+73日上皮化が滞っているためツムラ十全大補湯エキス顆粒3包 分3を処方した(図11)。X+101日すべて上皮化し、終診となった(図12)。画像を拡大する以上のように漢方薬を使用した診療を行うことで、西洋医学単独では困難な病態に対する治癒の過程を促進できる可能性がある。

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第290回 慢性疲労症候群の正確な血液検査を開発

慢性疲労症候群の正確な血液検査を開発原因がはっきりしない難病の筋痛性脳脊髄炎(ME)の血液検査が開発され、少人数の試験でかなり優秀な性能を示しました1-3)。重い疲労感、動作後の倦怠感、認知障害、自律神経機能障害を特徴とし、患者をひどく弱らせるMEは慢性疲労症候群(CFS)とも呼ばれ、しばしばME/CFSと表記されます。最もよく使われる定義によるとME/CFSの有病率は1%弱(0.89%)と推定され4)、それが本当なら世界人口80億人のうち実に7千万例強がME/CFSを患っています5)。しかし、報告されている有病率は手段によって大きく異なり、より客観的な診断基準の確立が急務です4)。ME/CFSを引き起こす根本的な仕組みは不明ですが、顕著な特徴の1つとして免疫不調を示すことが知られており、免疫系の一員の末梢血単核細胞(PBMC)を使ってその病理や発症の仕組みが検討されています。英国のOxford BioDynamics社のEpiSwitchという技術を使った先立つ研究で、筋萎縮性側索硬化症、関節リウマチ、前立腺がん、大腸がんに特有のPBMCの染色体構造(chromosomal conformation、CC)が同定されています。同社は同郷の大学University of East Anglia(UEA)と組み、EpiSwitchを使ってME/CFSに特有のDNAの折り畳まれ方、つまりCCを探すことを試みました。重度のME/CFS患者47例と健康な61例の血液検体を調べたところ、期待どおりME/CFSに特有のCCが見つかり、200のCC特徴に基づく検査Episwitch CFSが開発されました。ME/CFS患者24例とそうでない45例の合計69例で検証したところ、Episwitch CFSの検出感度は92%、特異度は98%、そして正確度は96%でした。すなわち69例のうち誤診は3例のみでした。ME/CFSが示す免疫不調の病状と一致し、免疫や炎症の伝達と強く関連する一連のゲノム変化も見つかっています。それらの変化は治療手段の開拓や治療の向き・不向きを予想するのに役立ちそうです。EpiSwitchを利用した検査はすでに販売されています。1つは前立腺がん診断用で、94%の正確度を誇ります。もう1つはがんの免疫チェックポイント阻害薬(PD-1/PD-L1阻害薬)の効果を予測するもので、正確度は85%です。Episwitch CFSは健康な人とME/CFS患者をかなり正確に区別できることが示されましたが、他の慢性炎症疾患と区別できるかは不明であり、今後調べる必要があります。また、今回の試験は重度ME/CFS患者を対象としており、軽度~中等度のME/CFS患者でもEpiswitch CFSが通用するかどうかも調べなければなりません。Episwitch CFSがどれだけ頼りになるかは、それらの課題を踏まえたより大人数を募っての多施設試験で判明するでしょう。やがてEpiswitch CFSが現場で活用され、それぞれの患者により適した効果的な治療が実現することを願うと今回の研究を率いたUEAのDmitry Pshezhetskiy氏は言っています2)。 参考 1) Hunter E, et al. J Transl Med. 2025;23:1048. 2) Revolutionary blood test for ME / Chronic Fatigue unveiled University of East Anglia in Norwich 3) First proposed blood test for chronic fatigue syndrome: what scientists think / Nature 4) Lim EJ, et al. J Transl Med. 2020;18:100. 5) Vardaman M, et al. J Transl Med. 2025;23:331.

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アルツハイマー病のアジテーションに対するブレクスピプラゾール〜RCTメタ解析

 アルツハイマー病に伴うアジテーションは、患者および介護者にとって深刻な影響を及ぼす。セロトニンとドパミンを調整するブレクスピプラゾールは、潜在的な治療薬として期待されるが、最近の試験や投与量の違いにより、最適な有効性および安全性についての見解は、一致していない。ブラジル・Federal University of ParaibaのJoao Vitor Andrade Fernandes氏らは、アルツハイマー病に伴うアジテーションの治療におけるブレクスピプラゾールの有効性および安全性を用量特異的なアウトカムに焦点を当て評価するため、ランダム化比較試験(RCT)のシステマティックレビューおよびメタ解析を実施した。Indian Journal of Psychiatry誌2025年9月号の報告。 アルツハイマー病に伴うアジテーションにおいてブレクスピプラゾールとプラセボを比較したRCTを、PubMed、Embase、Cochrane Libraryよりシステマティックに検索した。主要有効性アウトカムには、Cohen-Mansfield Agitation Inventory(CMAI)、臨床全般印象度-重症度(CGI-S)スコアの変化を用いた。安全性アウトカムには、治療関連有害事象(TEAE)、重篤な有害事象(SAE)、死亡率を含めた。メタ解析は、ランダム効果モデルを用いて実施し、平均差(MD)、オッズ比(OR)、95%信頼区間(CI)を算出した。 主な結果は以下のとおり。・4つのRCT、1,710例を分析対象に含めた。・ブレクスピプラゾール2mg群は、プラセボ群と比較し、CMAIスコア(MD:-5.618、95%CI:-7.884〜-3.351、p<0.001)およびCGI-Sスコア(MD:-0.513、95%CI:-0.890〜-0.135、p=0.008)の有意な低下が認められた。・低用量(0.5〜1mg)群では、有効性が限定的であった。・TEAEは、ブレクスピプラゾール2mg群でより多く認められたが(OR:1.554、95%CI:1.045〜2.312、p=0.030)、SAE(OR:1.389、p=0.384)および死亡率(OR:2.189、p=0.301)はプラセボ群と有意な差が認められなかった。 著者らは「ブレクスピプラゾール2mgは、許容できる安全性プロファイルを有しており、アルツハイマー病に伴うアジテーションの軽減に有効である」と結論付けている。

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「若者は管理職になりたがらない」は医師にも当てはまる?/医師1,000人アンケート

 「最近の若手は出世意欲がない」「管理職になりたがらない」と言われることがあり、20〜40代の会社員を対象とした調査1)では、約71%が出世を望んでいなかったという報告もある。これは医師にも当てはまる傾向なのだろうか?若手医師が管理職になりたいのかどうか、また仕事で重視することは何かを調査するため、CareNet.comでは20~30代の会員医師1,006人を対象に、管理職への昇進・昇格意向に関するアンケートを行った(実施:2025年9月18日)。なお、本アンケートにおける「管理職」とは、講師以上、医長以上(または相当)のポジションを指すこととした。管理職になりたい派は35.8%、なりたくない派は60.8% Q1では、将来的に管理職になりたいかどうかを聞いた。その結果、「とてもなりたい」が8.8%、「どちらかといえばなりたい」が27.0%、「どちらかといえばなりたくない」が35.6%、「まったくなりたくない」が25.2%であり、「とてもなりたい」と「どちらかといえばなりたい」を合わせた管理職になりたい派(35.8%)が少数派となった。なお、「すでに管理職に就いている」は3.3%で、すべて30代の医師であった。 年代別では、20代では管理職になりたい派が41.4%と多かったが、30代では34.5%に減っていた。病床数別では、20~99床の施設では管理職になりたい派は22.7%、100~199床は26.6%、20床以上は36.8%と、病床数が増えるほど管理職を志望する割合が高まった。管理職になりたい理由第1位「収入や待遇が改善する」 Q2では、Q1で「とても/どちらかといえばなりたい」と回答した管理職になりたい派(361人)に、管理職になりたい理由を聞いた。全体では、第1位が「収入や待遇が改善する(19.4%)」、第2位が「後進を育てたい(15.3%)」、第3位が「名誉や社会的評価が得られる(14.5%)」、第4位が「キャリアの安定につながる(12.8%)」、第5位が「研究や学会活動に有利(11.6%)」であった。 年代別では、20代では「名誉や社会的評価が得られる」が突出して多く第1位で、第2位が「収入や待遇が改善する」、第3位が「後進を育てたい」であった。30代では、「収入や待遇が改善する」「後進を育てたい」「キャリアの安定につながる」の順番であった。なお、「人脈形成ができる」を選んだ割合は20代のほうが30代よりもかなり多かった。管理職になりたくない理由第1位「業務量が増える」 Q3では、Q1で「どちらかといえば/まったくなりたくない」と回答した管理職になりたくない派(612人)に、管理職になりたくない理由を聞いた。全体では、第1位「業務量が増える(20.5%)」、第2位「ストレスが増える(20.0%)」、第3位「責任が増える(19.5%)」、第4位「収入と釣り合わない(15.8%)」、第5位「プライベートを重視したい(10.6%)」であった。20代・30代ともに上位3項目は「業務量が増える」「ストレスが増える」「責任が増える」が占めた。世代・出世意向で異なる「仕事で重視すること」 Q4では、全員を対象に仕事で重視することについて聞いた。全体では、第1位「収入が多いこと(20.7%)」、第2位「自分の専門や知識・技術を生かせられること(17.2%)」、第3位「休みをとりやすいこと(13.6%)」、第4位「医師として成長できること(12.3%)」、第5位「子育てや介護との両立がしやすいこと(11.1%)」であった。 年代別では、第1位は20代・30代ともに「収入が多いこと」であったが、20代の第2位は「医師として成長できること」、第3位は「自分の専門や知識・技術を生かせられること」、第4位は「多くの臨床経験が積めること」とモチベーションの高さがうかがわれた。30代の第2位は「自分の専門や知識・技術を生かせられること」であったが、第3位が「休みをとりやすいこと」、第4位が「子育てや介護との両立がしやすいこと」であり、ライフステージの変化を感じた。 出世意向別では、管理職になりたい派の第1位は「自分の専門や知識・技術を生かせられること」、第2位「収入が多いこと」、第3位「医師として成長できること」であった一方、なりたくない派の第1位は「収入が多いこと」、第2位「休みをとりやすいこと」、第3位「自分の専門や知識・技術を生かせられること」であった。 Q5では、フリーコメントとして、出世に関するご意見、理想の管理職像やキャリアパスなどを聞いた。管理職になりたい人のご意見(抜粋)・外科医を続けるためにはポジションが必要であり、後輩のためにも自分がポジションを確保しておくべきだと考える(30代・外科)・まだ不明確だが、後進の育成には興味があるので、ある程度の役職は必要だと思っている(30代・放射線科)・医師の待遇悪化がささやかれる今日この頃、自分の立場を守るためには、ある程度出世して社会的信用を得たり実績を出したりして、特定分野のプロフェッショナルになる必要性がある(30代・眼科)・まずは医師として自らの臨床力を極め、将来的には管理職として地域社会の医療を担える立場になりたい(20代・産婦人科)・多くの症例を経験して、実践的で全体を把握出来る管理職を目指したい(30代・耳鼻咽喉科)・収入よりも家族との時間の方が本当は重視したい思いはある(30代・精神科)管理職になりたくない人のご意見(抜粋)・管理職になるより一兵卒が性にあっている(30代・呼吸器内科)・出世は収入につながらないためあまり魅力に感じない(30代・乳腺外科)・大学病院での出世はまったく考えていない。収入が釣り合わないため。今後医師の収入が上がることは見込めないため、業務量が増えるだけになってしまう可能性がある(30代・脳神経外科)・それなりに時間的、経済的に余裕のある生活を送れるだけの給料がもらえるならそれで満足。それ以上は望まず、出世したいとはまったく思わない(20代・小児科)・出世希望は0ではないが、臨床以外の仕事が増えるのは望まない(30代・消化器内科)・以前は出世にこだわっていた時期もあるが、子どもが生まれてから優先順位ががらりと変わった(30代・呼吸器内科)・管理職は育児と両立できる気がしない(30代・小児科)アンケート結果の詳細は以下のページに掲載中。出世願望のある若手医師は何割?/医師1,000人アンケート

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MSI-H大腸がん、ニボルマブへのイピリムマブ追加でPFS延長傾向(CheckMate 8HW)/ESMO2025

 CheckMate 8HW試験は、全身療法歴のない高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)またはミスマッチ修復機構欠損(dMMR)の転移大腸がん患者に対する、ニボルマブ+イピリムマブ併用療法の有用性を検討した試験である。すでに併用療法が化学療法を無増悪生存期間(PFS)で上回ったことが報告されており、新たな標準治療の候補となっていた。欧州臨床腫瘍学会(ESMO Congress 2025)においてイタリア・Veneto Institute of Oncology のSara Lonardi氏が、本試験のPFSの最終解析、および初の報告となる全生存期間(OS)を発表した。・試験デザイン:多施設共同ランダム化非盲検第III相試験・対象:MSI-H/dMMR未治療の切除不能または転移大腸がん(mCRC)・試験群: 1)ニボルマブ(240mgを2週ごと)+イピリムマブ(1mg/kgを6週ごと):NIVO+IPI群 2)ニボルマブ単剤:NIVO群 3)化学療法(医師選択による化学療法±標的療法):化学療法群 患者は2:2:1の割合で無作為に割り付けられ、治療は疾患進行または容認できない毒性が認められるまで(全群)、最長2年間(NIVO+IPI群)継続された。・評価項目:[主要評価項目]二重エンドポイント 1)1次治療コホート:NIVO+IPI群と化学療法群のPFS 2)全治療コホート(1次+2次治療以降):NIVO+IPI群とNIVO群のPFS[副次評価項目]1次および全治療コホートにおけるOS、奏効率(ORR)、安全性など・データカットオフ:2025年4月30日 今回は1次治療コホートにおけるNIVO+IPI群とNIVO群のPFSの最終解析、全治療コホートにおけるNIVO+IPI群とNIVO群のOSが発表された。 主な結果は以下のとおり。・追跡期間中央値は55.1ヵ月であった。1次治療コホートにおけるNIVO+IPI群(n=171)はNIVO群(n=170)と比較してPFSの改善傾向を示したものの、事前に設定された有意水準(0.0383)には達せず、統計学的有意差は認められなかった(未達vs.60.8ヵ月、ハザード比[HR]:0.69、95%信頼区間[CI]:0.48~0.99、p=0.0413)。・1次治療コホートにおけるORRはNIVO+IPI群(73%)がNIVO群(61%)と比較して高かった。・全治療コホートにおけるOSは両群とも未達であったが、NIVO+IPI群がNIVO群と比較して改善傾向を示しており(HR:0.61、95%CI:0.45~0.83)、PFSおよびORRもNIVO+IPI群がNIVO群と比較して引き続き良好であった。・全患者におけるGrade3以上の治療関連有害事象の発現率はNIVO+IPI群で24%、NIVO群で17%であり、新たな安全性シグナルは認められなかった。 研究者らは「NIVO+IPIは、MSI-H/dMMRのmCRC患者において、長期追跡後も1次治療および全治療ラインにおいてNIVO単剤と比較して臨床的に意義のある有効性の改善を示し、NIVO+IPIが1次治療の標準治療であることのさらなる裏付けとなった」とした。 ディスカッサントを務めたSharlene Gill氏(ブリティッシュコロンビア大学・カナダ)は「1次治療におけるNIVO+IPIはNIVO単剤と比較してPFSの有意差は示せなかったものの、これは副次評価項目であり、改善傾向は明らかであることからも、大きな問題ではないと考える。NIVO+IPIは今後のMSI-H/dMMR mCRC患者の標準治療となる一方で、単剤で効果を得られる患者の層別化も必要となるだろう」とまとめた。

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1950~2023年の年齢・男女別の死亡率の推移~世界疾病負担研究/Lancet

 米国・ワシントン大学のAustin E. Schumacher氏らGBD 2023 Demographics Collaboratorsは人口統計学的分析(世界疾病負担研究[Global Burden of Diseases, Injuries, and Risk Factors Study:GBD]2023)において、(1)サハラ以南のアフリカの大部分の地域における死亡率が前回の分析とは異なっており、青年期と若年成人女性ではより高く、高齢期では低いことを示し、(2)2020~23年のCOVID-19の世界的流行期と回復期には、死亡率の傾向が多様化し、その変動の時期と程度が国によって著しく異なると明らかにした。Lancet誌2025年10月18日号掲載の報告。分析に新たなモデル「OneMod」を導入 GBDでは、過去数年単位の全死因死亡や平均余命などの健康指標を、世界各国で比較可能な状態で提示し、定期的に更新している。現在のGBD 2023はGBD 2021を直接引き継ぐ調査であり、1950~2023年の各年の、204の国と地域、660の地方自治体の人口統計学的分析結果を報告している(ビル&メリンダ・ゲイツ財団の助成を受けた)。 また、GBD 2023では、GBD 2021とは異なる分析結果も導出されているが、これはOneModと呼ばれるより簡潔で透明性が高い新たなモデルを開発・適用するとともに、より時宜を得た情報提供を可能とする工夫がなされたためと考えられる。東アジアで5歳未満児死亡率が大きく減少 2023年に、世界で6,010万人(95%不確実性区間[UI]:5,900万~6,110万)が死亡し、そのうち467万人(95%UI:459万~475万)が5歳未満の小児であった。また、1950年以降の著しい人口増加と高齢化によって、1950~2023年に世界の年間死亡者数は35.2%(95%UI:32.2~38.4)増加し、年齢標準化全死因死亡率は66.6%(65.8~67.3)減少した。 2011~23年の年齢別死亡率の推移は、年齢および地域で異なっていた。(1)5歳未満児死亡率の減少が最も大きかったは、東アジアであった(67.7%の減少)。(2)5~14歳、25~29歳、30~39歳の死亡率増加が最も大きかったのは、高所得地域である北米であった(それぞれ11.5%、31.7%、49.9%の増加)。また、(3)15~19歳および20~24歳の死亡率増加が最も大きかったのは、東ヨーロッパだった(それぞれ53.9%、40.1%の増加)。 今回の分析では、サハラ以南アフリカ諸国の死亡率が前回の分析結果とは異なることが示された。(1)5~14歳の死亡率は前回の推定値を上回り、1950~2021年の国と地域の平均で、GBD 2021に比べGBD 2023で87.3%高く、同様に15~29歳の女性では61.2%高かった。一方、(2)50歳以上では、前回の推定値より死亡率が13.2%低かった。これらのデータは、分析におけるモデリング手法の進歩を反映していると考えられる。COVID-19で平均寿命が短縮、その後回復 調査期間中の世界の平均寿命は、次の3つの明確な傾向を示した。(1)1950~2019年にかけて、平均寿命の著しい改善を認めた。1950年の女性51.2歳(95%UI:50.6~51.7)、男性47.9歳(47.4~48.4)から、2019年には女性76.3歳(76.2~76.4)、男性71.4歳(71.3~71.5)へとそれぞれ延長した。(2)この期間の後、COVID-19の世界的流行により平均寿命は短縮し、2021年には女性74.7歳(95%UI:74.6~74.8)、男性69.3歳(69.2~69.4)となった。(3)2022年と2023年にはCOVID-19の世界的流行後の回復期が訪れ、2023年には平均寿命がほぼ世界的流行前(2019年)の水準(女性76.3歳[95%UI:76.0~76.6]、男性71.5歳[71.2~71.8])に復した。健康アウトカムの世界的な多様性を確認 204の国と地域のうち194(95.1%)が、2023年までに年齢標準化死亡率に関してCOVID-19の世界的流行後の少なくとも部分的な回復を経験し、126(61.8%)は世界的流行前の水準まで回復するか、それを下回っていた。 世界的流行の期間中およびその後の死亡率の推移には、国と地域で異なる複数のパターンがみられた。また、長期的な死亡率の傾向も年齢や地域によって大きく異なり、健康アウトカムの世界的な多様性が示された。 著者は、「これらの知見は、世界各国の健康施策の策定、実施、評価に資するものであり、医療の体制、経済、社会が世界の最も重要なニーズへの対応に備えるための有益な基盤となる」としている。

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HER2変異陽性NSCLCの1次治療、sevabertinibの奏効率71%(SOHO-01)/ESMO2025

 HER2遺伝子変異陽性の進行非小細胞肺がん(NSCLC)の1次治療において、sevabertinibは奏効率(ORR)71%と有望な治療成績を示した。また、既治療の集団でも有望な治療成績が示された。Xiuning Le⽒(米国・テキサス⼤学MDアンダーソンがんセンター)が、国際共同第I/II相試験「SOHO-01試験」の第II相の結果を欧州臨床腫瘍学会(ESMO Congress 2025)で発表した。なお、本結果は、NEJM誌オンライン2025年10月17日号に同時掲載された1)。 現在開発が進んでいるHER2チロシンキナーゼ阻害薬の違いとして、ゾンゲルチニブは野生型EGFRを阻害せずHER2を選択的に阻害するのに対し、sevabertinibはEGFRとHER2の両者に対する阻害活性を有し(野生型EGFRに対する活性は弱い)、多様なHER2変異体に対しても阻害活性を示すことが挙げられる。また、ゾンゲルチニブが共有結合による不可逆的な阻害様式であるのに対し、sevabertinibは可逆的な阻害様式を有する。 本試験は第I相と第II相で構成され、第I相の結果から20mgを1日2回の用量が選択された。今回は、用量拡大・継続パートの3つのコホートの結果が報告された。対象のコホートは、既治療かつHER2標的薬未治療(コホートD、81例)、HER標的薬既治療(コホートE、55例)、未治療(コホートF、73例)であった。用量拡大・継続パートの主要評価項目は、盲検下独立中央判定(BICR)によるORR、副次評価項目は奏効期間(DOR)、無増悪生存期間(PFS)、安全性などであった。データカットオフ日は2025年6月27日であった。 主な結果は以下のとおり。・各コホートの有効性に関する結果は以下のとおりであった(いずれもBICR評価)。【コホートD(既治療かつHER2標的薬未治療)】 ORR 64%(CR 2%) 病勢コントロール率(DCR) 81% 脳転移例のORR 61%(11/18例) DOR 9.2ヵ月 1年DOR率42% PFS中央値8.3ヵ月 1年PFS率44%【コホートDのチロシンキナーゼドメインの変異陽性非扁平上皮NSCLC(70例)】 ORR 71%(CR 3%) PFS中央値9.6ヵ月【コホートE(HER標的薬既治療)】 ORR 38%(CR 5%) DCR 71% 脳転移例のORR 27%(4/15例) DOR 8.5ヵ月 1年DOR率29% PFS中央値5.5ヵ月 1年PFS率28%【コホートF(未治療)】 ORR 71%(CR 4%) DCR 89% 脳転移例のORR 78%(7/9例) DOR 11.0ヵ月 PFS中央値未到達 1年PFS率55%・Grade3以上の有害事象は、コホートD、E、Fでそれぞれ36%、31%、21%に発現した。・主な有害事象(コホートD、E、Fを統合)は、下痢(87%)、発疹(49%)、爪囲炎(26%)などであった。・間質性肺疾患/肺臓炎の発現はなかった。 本結果について、Le氏は「HER2遺伝子変異陽性のNSCLC患者に対し、sevabertinibは既治療および未治療のいずれの集団においても、頑健かつ持続的な奏効を示した。この結果は、sevabertinibがHER2遺伝子変異陽性NSCLCに対する新たな分子標的治療薬となり得ることを支持するものである」とまとめた。なお、HER2遺伝子変異(チロシンキナーゼドメインの変異)陽性のNSCLCに対する1次治療におけるsevabertinibの有用性を検証する国際共同第III相無作為化比較試験「SOHO-02試験」が進行中である。

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心血管疾患の発症前にはほぼ常に警告サインあり

 冠動脈疾患(CHD)や心不全(HF)、脳卒中などの心血管疾患(CVD)の発症前には、少なくとも1つの警告サインが現れているようだ。CVDの発症前には、以前よりCVDの主なリスク因子とされている高血圧、脂質異常症、高血糖、および喫煙の4つの因子のうちの少なくとも1つが99%以上の確率で存在していることが、新たな研究で示された。米ノースウェスタン大学フェインバーグ医学部のPhilip Greenland氏らによるこの研究結果は、「Journal of the American College of Cardiology(JACC)」に9月29日掲載された。 研究グループは、この結果は、CVDは予兆なく発症することが多いという一般的な考え方を否定するものだとしている。Greenland氏は、「この研究は、CVDの発症前に1つ以上の最適ではないリスク因子にさらされる確率がほぼ100%であることを、極めて強い説得力をもって示している」と述べている。同氏は、「今後は、治療が容易ではなく因果関係もない他の要因を追求するのではなく、これらの修正可能なリスク因子をコントロールする方法を見つけることに、これまで以上に力を入れるべきだ」と同大学のニュースリリースの中で付け加えている。 この研究では、韓国国民健康保険サービス(KNHIS)コホート(934万1,100人、ベースライン時に20歳以上、追跡期間2009〜2022年)と、米国のアテローム性動脈硬化症(MESA)の多民族研究コホート(6,803人、ベースライン時に45〜84歳、追跡期間2000〜2019年)のデータが解析された。Greenland氏らは、追跡期間中にCHD、HF、または脳卒中を発症した人を特定し、発症前に高血圧、脂質異常症、高血糖、および喫煙の4つのリスク因子が最適ではないレベルだった割合を調べた。最適ではないレベルとは、1)収縮期血圧が120mmHg以上または拡張期血圧が80mmHg以上、あるいは降圧薬の使用、2)総コレステロールが200mg/dL以上または脂質低下薬の使用、3)空腹時血糖が100mg/dL以上または糖尿病の診断または血糖降下薬の使用、4)過去または現在の喫煙、である。 その結果、発症前に最適ではないレベルのリスク因子を1つ以上持っていた割合は、CHDではKNHISコホートで99.7%、MESAコホートで99.6%、HFではそれぞれ99.4%と99.5%、脳卒中では99.3%と99.5%と、いずれも極めて高率であることが判明した。この傾向は、年齢や性別に関係なく認められた。60歳未満の女性でのHFや脳卒中ではわずかに低かったが、それでも95%を超えていた。 Greenland氏らは、「心筋梗塞やCHDは先行する主要なリスク因子がない状態で発症するという説がますます一般的になりつつあるが、われわれの研究結果は総じて、この主張に疑問を投げかけるものだ」と結論付けている。同氏らはさらに、「特に血圧、コレステロール、喫煙などのリスク因子は、臨床診断閾値以下であっても、CVDリスクに対して継続的で用量依存的かつ累積的な影響を及ぼす」と指摘している。

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ビタミンD欠乏症が10年間で有意に減少、骨折リスク低減に期待

 骨や筋肉の健康を守るうえで欠かせない栄養素、ビタミンD。その不足は骨粗鬆症や骨折リスクの増大と関わることが知られている。今回、日本の大規模調査で、一般住民におけるビタミンD欠乏の割合がこの10年で有意に減少したことが明らかになった。血中ビタミンD濃度も上昇しており、将来的に骨粗鬆症や骨折の発症リスク低減につながる可能性があるという。研究は東京大学医学部附属病院22世紀医療センターロコモ予防学講座の吉村典子氏らによるもので、詳細は8月27日付で「Archives of Osteoporosis」に掲載された。 ビタミンDは骨密度の維持に不可欠だが、世界的に血中25(OH)D濃度の低値が報告されており、世界的にビタミンD欠乏は広くみられ、とくに南アジア・中東で顕著である。さらに閉経後女性では欠乏率が高く、東アジアでも90%に達するとの報告がある。日本においても閉経後女性のビタミンD不足は深刻である。国内で実施されている「Research on Osteoarthritis/Osteoporosis against Disability(ROAD研究)」は、運動器疾患の予防を目的とした地域住民コホート研究である。2005~2007年調査では、ビタミンD不足・欠乏が9割以上と高頻度に認められ、その傾向は男性よりも女性で顕著であった。その後も同一地域で追跡調査が継続されており、本研究では調査開始から10年後のデータを用いて、ビタミンD欠乏の10年間の推移を明らかにすることを目的とした。 ROAD研究のベースライン調査は2005~2007年に実施され、東京都板橋区(都市部)、和歌山県日高川町(山間部)、和歌山県太地町(沿岸部)の3地域から参加者を募った。都市部の参加者についてはベースライン時に骨密度測定が行われていなかったため除外し、本研究の解析対象は山間部および沿岸部の参加者1,690名とした。血液サンプルは1,683名(男性595名、女性1,088名)から採取され、血中25DおよびインタクトPTH(副甲状腺ホルモン)濃度を測定した。参加者は面接形式の質問票に回答し、骨密度測定とX線検査も受けた。第4回調査は2015~2016年に実施され、1,906名(男性637名、女性1,269名)が参加した。全参加者はベースライン調査と同一の評価を受けた。ビタミンD欠乏および不足は、それぞれ血中25D濃度が20ng/mL未満、20ng/mL以上30ng/mL未満と定義された。 平均血中25D濃度は、ベースラインで23.3ng/mL、第4回調査では25.1ng/mLとなり、有意な上昇が認められた(P<0.001)。ビタミンD不足および欠乏の有病率は、ベースラインでそれぞれ52.9%と29.5%であったのに対し、第4回調査では54.8%と21.6%となり、ビタミンD欠乏が有意に減少していた(P<0.001)。この傾向は男女ともに一貫して認められた。 骨密度に関しては、腰椎(L2-4)および大腿骨頸部のいずれも、第4回調査の方がベースライン調査より有意に高値を示した(腰椎P<0.001、大腿骨頸部P<0.05)。また第4回調査では、男女とも腰椎(L2-4)の骨粗鬆症有病率がベースラインより有意に低下していた(P<0.01)。 本研究について著者らは、「10年間隔の地域住民調査においてビタミンD欠乏症の有病率が有意に減少した。この好ましい傾向は、今後の骨粗鬆症および骨折発症率の低下に寄与する可能性がある」と述べている。 一方で、30~50代の女性では依然としてビタミンD欠乏症の割合が高く、この世代が今後閉経期を迎えて骨粗鬆症リスクの高い年齢層に入ってきた際には、将来的に骨粗鬆症の増加につながる可能性があると警鐘を鳴らしている。著者らは、この点を公衆衛生上の重要な課題として指摘した。

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低用量アスピリンが再発予防効果を認める大腸がんのタイプが明らかになった(解説:上村 直実氏)

 観察研究やコホート研究の結果からアスピリンや非ステロイド系消炎鎮痛薬(NSAID)が大腸がんの発生や再発のリスクを低下することがよく知られているが、プラセボとの無作為化比較試験(RCT)による厳密な研究デザインによるエビデンスは少なく、さらに、どのような大腸腫瘍に対して有効なのか無効なのかは判明していないのが現状であった。 これらの課題を克服するため、今回、細胞の成長や増殖などさまざまな細胞機能の調節に重要な役割を果たす酵素であるPI3K(Phosphoinositide 3-kinase)をコードするPI3K遺伝子の変異が陽性の大腸がん切除後症例を対象として施行されたプラセボ対照RCTの結果、低用量アスピリン(LDA)(160mg/日)の内服により手術後の再発率が有意に低下することが2025年のNEJM誌に報告された。すなわち、LDAがPI3K遺伝子変異を有する大腸がんに対する再発予防効果を有することがRCTにより明確になったのである。 アスピリンは、シクロオキシゲナーゼ2(COX-2)・プロスタグランジンE2(PGE2)経路を阻害することが知られているが、PI3Kシグナル経路はその下流に位置して腫瘍形成に働く可能性が謳われているが、PI3K遺伝子変異は大腸がんの約40%に認められている。従来の報告からLDAの抗大腸腫瘍効果はPI3K遺伝子変異を有するものやリンチ症候群および家族性大腸腺腫症(FAP)などの遺伝性大腸腫瘍に限定されている可能性が指摘されていたが、手術後の切除組織を用いた遺伝子解析によりLDAの抑制効果を認める適応病変が明確になった点で重要な研究成果と思われる。 30年前からLDAによる大腸腫瘍の抑制効果に関する報告が散見されていたが、日本においてもFAP患者に対するLDA(100mg/日)によりポリープの発生や再発を抑制することが、京都府立医科大学の石川 秀樹特任教授らにより2021年のLancet Gastroenterology & Hepatology誌に報告されている。この研究は、全大腸切除が標準治療とされているFAP患者に対する画期的な予防的薬物療法を提供する可能性を秘めているために、今後の研究結果が注目されている。さらに、異時性あるいは同時性の大腸多発がんや子宮内膜がんの若年発症を特徴として、小腸、胃、腎盂尿管、胆管、膵臓、皮膚および脳腫瘍など多臓器にがんが発症するリンチ症候群におけるLDA服用の長期的な有効性のデータも報告されている。 このように遺伝子変異を伴う大腸がんに対するLDAの予防効果が明確になってきたことから、近い将来、循環器や脳神経領域の臨床現場において頻繁に使用されているLDAが、大腸がんをはじめとするがんの予防効果を有する薬剤である可能性に熟知して患者に対応することが必要となる。 一方、わが国においても大規模データベースを利用した臨床疫学研究が盛んに行われるようになっており、冠動脈疾患や脳血管障害の再発予防に対してLDAを内服している患者における大腸がんの有病率や再発率に関する詳細な疫学調査が期待される。なお、大腸がん以外にも胃がん、食道腺がん、肺がんなどもアスピリンによる抑制効果が報告されており、今後も安価ながん予防策としてのLDAのリスク・ベネフィットに関する詳細な研究も期待される。

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第266回 インフルエンザ前週比1.4倍増で全国急拡大、マイコプラズマ肺炎も増加/厚労省

<先週の動き> 1.インフルエンザ前週比1.4倍増で全国急拡大、マイコプラズマ肺炎も増加/厚労省 2.高市新政権、医療機関や介護施設に支援を、報酬改定待たず措置へ/政府 3.医師臨床研修マッチング、大学病院の人気は過去最低、都市集中続く/厚労省 4.出産費用の地域差24万円 妊婦支援と医療機関維持の両立課題に/厚労省 5.高額療養費制度、70歳以上の3割負担拡大や外来特例見直しが俎上に/厚労省 6.希少がんで死去した大学生のSNS投稿が原動力に、「追悼寄付」が医療研究を支援/がん研ほか 1.インフルエンザ前週比1.4倍増で全国急拡大、マイコプラズマ肺炎も増加/厚労省全国で例年に比べて1ヵ月以上早く、インフルエンザの感染が急速に拡大しており、これに加えてマイコプラズマ肺炎も患者数を増やしていることから、医療機関と地域社会は複合的な感染症の流行に直面し、警戒を強めている。厚生労働省が発表したデータによると、10月19日までの1週間におけるインフルエンザ患者数は全国で1万2,576人に達し、前週比でおよそ1.4倍に急増した。定点医療機関当たりの報告数は3.26人と増加し、37都道府県で増加が確認されている。とくに、沖縄県(15.04人)が突出しているほか、首都圏では千葉県(6.99人)、埼玉県(6.23人)、神奈川県(5.62人)、東京都(5.59人)といった大都市圏で高い水準で感染が拡大している。東京都では、10月19日までの1週間に、休校や学級閉鎖などの措置をとった施設が71施設にのぼり、これは去年の同じ時期の6倍以上に急増した。また、愛知県(定点当たり1.44人)や滋賀県(同1.38人)では、昨年より約1ヵ月早い流行期入りが発表され、全国的な早期かつ大規模な流行が懸念されている。さらに、子供に多いマイコプラズマ肺炎も患者数が増加している。10月12日までの1週間で定点医療機関当たり1.53人と5週連続で増加しており、秋田県(8.25人)、群馬県(4.22人)などで報告が目立っている。専門家は、過去の流行状況を踏まえ、これからさらに患者が増え、大きな流行になる可能性が高いと分析している。とくに、ぜんそく発作の経験がある患者は、症状の再発に注意が必要となる。新潟県では、インフルエンザに加えてマイコプラズマ肺炎の感染者が2週連続で増加しており、複数の感染症が同時流行する「トリプル流行」の懸念が現実のものとなっている。医療現場では、小児に対し注射の痛みがなく接種回数が少ない鼻腔スプレー型インフルエンザワクチンの接種希望者が増えるなど、予防策への関心が高まっている。厚労省や各自治体は、手洗いやマスク着用などの基本的な感染対策の徹底、およびインフルエンザワクチンの早めの接種を強く呼びかけている。 参考 1) インフルエンザ・新型コロナウイルス感染症の定点当たり報告数の推移(厚労省) 2) インフルエンザ患者数 前週比1.4倍増 37都道府県で増加(NHK) 3) マイコプラズマ肺炎 患者増加 “大きな流行の可能性 対策を”(同) 4) 都内のインフル定点報告5.59人、前週比17.2%増 臨時休業の学校など計244カ所(CB news) 2.高市新政権、医療機関や介護施設に支援を、報酬改定待たず措置へ/政府高市 早苗首相は10月24日の所信表明演説で、経営難に陥る医療機関や介護施設を対象に、診療報酬・介護報酬の改定を待たずに補助金を措置する方針を表明した。物価高や人件費上昇への対応を急ぎ、経営改善と職員処遇の改善効果を「前倒し」する狙い。年内に経済対策を策定し、補正予算案を今国会に提出する考えを示した。高市首相は、国民が安心して医療・介護サービスを受けられる体制を維持するためには「待ったなしの支援が必要」と強調。報酬改定にも物価高や賃上げ分を適切に反映させると述べた。また、給付と負担の見直しに向け、超党派の「国民会議」を新設し、税と社会保障の一体改革を進めるとした。現役世代の保険料負担を抑えるため、OTC類似薬の保険給付見直しや応能負担の徹底を検討する。一方、厚生労働大臣に就任した上野 賢一郎氏は、医療・介護現場の経営や処遇改善策を経済対策・補正予算に盛り込む方針を示した。物価高騰で医療機関の6割超が赤字に陥る中、日本医師会も早期の補正成立を要望している。上野氏は「創薬力の強化」「薬価の安定供給」を課題に挙げ、ドラッグロス解消や製薬産業の競争力強化を推進するとした。新政権は自民党と日本維新の会の連立により発足。現役世代の社会保険料率引き下げや、病院・介護施設の経営改善を柱とする社会保障改革を掲げる。高齢者の外来特例や高額療養費制度の見直しも議論が進む見通しで、持続可能な制度と公平な負担の両立が今後の焦点となる。 参考 1) 新政権の社会保障改革 現役世代の負担軽減はどうなる(NHK) 2) 高市首相、医療経営支援「補助金を措置」所信表明 介護施設も 報酬改定待たずに(CB news) 3) 新厚労相の上野氏「処遇改善や経営改善支援のための施策を経済対策や補正予算に盛り込む」(日経メディカル) 4) 高市首相、診療報酬・介護報酬に「物価高を反映」 所信表明 補助金支給で「効果を前倒し」(Joint) 5) 高市内閣発足 「病院、介護経営を好転へ」 社会保障改革で協議体(福祉新聞) 3.医師臨床研修マッチング、大学病院の人気は過去最低、都市集中続く/厚労省2025年度の医師臨床研修マッチング最終結果が10月23日に公表され、内定者数は8,910人(前年度比152人減)、内定率は92.3%だった。募集定員は1万527人、希望登録者は9,651人。大学病院本院の充足率100%は81大学中12大学にとどまり、前年度から7大学減少した。フルマッチとなったのは京都大、京都府立医科大、順天堂大、北里大、関西医科大など都市部中心で、地方大学では充足率が3割未満の大学もあり、弘前大はマッチ者ゼロだった。全体では市中病院志向が続き、大学病院に進む医学生の割合は35.2%と過去最低を更新。第1希望でマッチした割合も60.6%に減少し、2016年度から約20ポイント低下した。背景には、働き方改革を受けた労働環境や給与・QOLを重視する傾向の強まりがある。一方、厚労省は医師偏在対策として新設した「広域連携型プログラム」を導入し、医師多数県と少数県をまたぐ研修を促進。東京大、京都府立医科大などで定員を満たす成果もみられた。人気集中が続く都市部と地方の格差は依然大きく、研修医の分布と質の均衡が今後の課題となる。 参考 1) 令和7年度の医師臨床研修マッチング結果をお知らせします(厚労省) 2) 2025年度 研修プログラム別マッチング結果[2025/10/23現在](JRMP) 3) 医師臨床研修マッチング内定者152人減 25年度は計8,910人(CB news) 4) 市中病院にマッチした医学生は64.8% マッチング最終結果、大学病院のフルマッチは12施設(日経メディカル) 5) あの病院はなぜ人気? 臨床研修マッチング2025(同) 4.出産費用の地域差24万円 妊婦支援と医療機関維持の両立課題に/厚労省厚生労働省は10月23日、社会保障審議会の医療保険部会を開き、出産費用の上昇や地域格差を踏まえ、出産費用の無償化と周産期医療の集約化を柱とする制度改革の検討を開始した。厚労省側は、2026年度を目途に正常分娩費用の自己負担をなくす方向で、今冬に給付体系の骨格をまとめる方針を示した。2024年度の平均出産費用は51万9,805円で、出産育児一時金(50万円)を上回る。東京と熊本では約24万円の地域差があり、物価高騰や人件費上昇を背景に、費用は年々増加傾向にある。無償化には妊婦の負担軽減への期待が高まる一方、分娩を担う一次施設や地方の産科医院の経営悪化を懸念する声も強い。日本産婦人科医会の石渡 勇会長は「地域の一次施設を守る観点で制度設計を」と訴え、日本医師会の城守 国斗常任理事も「診療所の崩壊は産科医療の瓦解につながる」と慎重な議論を求めた。厚労省は、施設の経営実態に十分配慮しつつ、標準的出産費用の「見える化」と「標準化」を進める。一方、出産を取り扱う医療機関は減少しており、周産期医療体制の維持が困難な地域が増えている。このため厚労省は「小児医療及び周産期医療の提供体制等に関するワーキンググループ」を10月23日に開き、ハイリスク妊婦以外も含めた周産期医療の集約化を検討し、遠方で出産する妊婦の交通費や宿泊費への支援、宿泊施設や家族支援の整備、島しょ部での夜間搬送体制強化などを論点に掲げた。出産費用の上昇、地域格差、分娩施設の減少という3重の課題に対し、妊婦支援と医療機関支援を両立させる制度設計が求められている。 参考 1) 医療保険制度における出産に対する支援の強化について(厚労省) 2) 小児医療及び周産期医療の提供体制等に関するワーキンググループ(同) 3) 周産期医療の集約化で妊婦への支援を検討 移動に伴う交通費・宿泊費など含め 厚労省(CB news) 4) 出産への給付体系、今冬に骨格取りまとめ 厚労省(同) 5) 平均出産費用、1.3万円増加 都道府県間で24万円の差-厚労省(時事通信) 6) 24年度出産費用、平均52万円 上昇続き家計の負担増(共同通信) 5.高額療養費制度、70歳以上の3割負担拡大や外来特例見直しが俎上に/厚労省厚生労働省は10月23日、医療保険部会を開き、70歳以上の窓口負担や高額療養費制度の見直しに関する議論を本格的に開始した。少子高齢化による医療費増大と現役世代の保険料負担の偏りを踏まえ、「年齢ではなく支払い能力に応じた公平な負担(応能負担)」を制度の柱に据える。部会では、「(1)医療費増大への対応、(2)年齢を問わない応能負担、(3)セーフティネットとしての高額療養費制度のあり方」の3点を中心に、年内に方向性をまとめる方針が示された。具体的には、70歳以上で3割負担となる現役並み所得の範囲拡大、75歳以上の外来特例の見直し、所得区分の細分化などが論点となる。高齢者ほど医療費が高い一方で、自己負担は低く抑えられており、世代間・世代内の公平性確保を求める意見が相次いだ。一方で、低所得者や長期療養患者への配慮を求める声も強く、超高額薬のコストを患者に転嫁すべきでないとの懸念も示された。高額療養費は年間約3兆円規模で、財政抑制や現役世代の負担軽減効果が焦点となる。制度改正は自民・維新連立政権の「応能負担強化」方針に合致しており、持続可能性と医療アクセス維持の両立が医療界の注目点となっている。 参考 1) 第5回「高額療養費制度の在り方に関する専門委員会」(厚労省) 2) 高齢者の医療費負担、「3割」対象者拡大へ議論本格化…年内に方向性まとめる方針(読売新聞) 3) 支払い能力に応じた医療費負担を 70歳以上見直しで厚労省部会(共同通信) 4) 高齢者の医療費窓口負担、3割の対象拡大も含め議論へ(朝日新聞) 5) 高齢者医療の負担の議論開始、医療保険部会 現役世代の負担減求める意見相次ぐ(CB news) 6) がん患者の家計を医療費が圧迫、厚労省が事例示す 高額療養費利用しても「その他支出」の半分超(同) 7) 高額療養費は「長期療養患者、高額医薬品使用患者」で大きな恩恵受けるが、低所得者は現行制度下でも「重い負担」-高額療養費専門委員会(Gem Med) 6.希少がんで死去した大学生のSNS投稿が原動力に、「追悼寄付」が医療研究を支援/がん研ほか「グエー死んだンゴ」というわずか8文字の投稿が、若くしてがんのため亡くなった北海道大学の元学生、中山 奏琉氏(22歳)の「最期のユーモア」としてX(旧ツイッター)上で大きな波紋を広げ、がん研究機関への「追悼寄付」のムーブメントを巻き起こしている。中山氏は、新規患者が年間20人ほどの希少がん「類上皮肉腫」に罹患し、闘病。亡くなる直前に予約投稿したとみられるこのメッセージは3億回以上閲覧され、これをみた面識のない多くのネットユーザーが「香典代わりに」と、がん研究会や国立がん研究センターへ寄付を始めた。がん研究会では、投稿から5日間で1,431件、数百万円の寄付が集中し、これは平常時の半年分以上に相当する。寄付には「Xのポストを見て」「香典代わりに」といったメッセージが多数添えられ、国立がん研究センターでも寄付件数が急増し、受付番号からは1万件近い寄付があったと推定されている。この現象について専門家は、故人を偲ぶ「追悼寄付」の1つの形であり、ネット文化の中で共感を覚えた人々が感動を「寄付」という具体的な行動で示したものと分析している。中山氏の父親は、息子が治療の手立てが一切ない病気と闘った経験から、「息子のような人が減るよう、治療が難しい病気の研究が進めば」と、支援の輪の広がりを心から歓迎し、感謝を述べている。SNS上の「最期のメッセージ」が、医療研究の新たな支援の形を生み出し、希少がんを含む難病研究への社会の関心を高める契機となっている。 参考 1) 両親も知らなかった「死んだンゴ」 がんで死去した津別の元北大生・中山さん最期の日々 がん研究機関への寄付急増(北海道新聞) 2) 「グエー死んだンゴ」8文字からの寄付の輪 遺族「がん研究進めば」(朝日新聞) 3) 「グエー死んだンゴ」「香典代わりに」 がん患者最期の投稿きっかけ、研究拠点に寄付殺到(産経新聞) 4) 「グエー」、臨終のユーモアがネット揺さぶる 死の間際に投稿予約?がん研究機関に「香典」続々(時事通信)

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