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自分の舌を切り落とした男性【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第102回

自分の舌を切り落とした男性 いらすとやより使用 今日紹介する論文は、イターイ論文です。 Erdur B, et al.An unusual form of self-mutilation: tongue amputation with local anesthesia.Am J Emerg Med. 2006;24:625-628.自分の体を切断する症例報告は過去にも何度か紹介していますが、多くが精神科疾患によるものです。この症例は27歳の統合失調症の男性で、過去に陰部の切断の既往があります。今回は「舌を切れ…、おまえの舌を切れ…」という声が頭の中に鳴り響いたそうです。彼はその声の言うとおりに、ハサミで自分の舌の3分の1を切り落としました。そして、血がボトボトと滴った状態で、異変に気付いた家族が救急車を要請しました。しかし、ただ舌を切っただけにしては何か様子がおかしい。そう、切断された舌がみじん切りになっているではありませんか。彼は言いました。「私は病院で舌の形成ができないように、事前に麻酔薬を手に入れ、切断した舌をそこにあるハサミで丁寧にジョキジョキと切り刻んだんですよ」ちょ、ちょっと…な、なんてことを……! もう元通りに戻せねぇじゃねぇか…!担当した医師も、舌の再建は不可能と判断し、感染予防と止血に重点を置いて姑息的手術が行われました。その後、彼は精神科医によるアフターケアを受けたようです。それにしても「自分の体を切れ」という幻聴ほど恐ろしいものはありませんね。その矛先が他人に向かうようなことを想像したら、もっと恐ろしい。

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統合失調症への睡眠薬使用に関するメタ解析:藤田保健衛生大

 藤田保健衛生大学の岸 太郎氏らは、統合失調症に対するZ薬使用に関してシステマティックレビューおよびメタ解析を行った。Psychiatry research誌2017年10月号の報告。 主要なヘルスケアデータベースおよび臨床試験レジストリより、2017年3月20日以前に発表された無作為化プラセボ対照または非薬理学的介入対照試験を検索した。無作為化プラセボ対照試験のみを含むメタ解析を実施した。有効性アウトカムは、統合失調症症状、睡眠時間の合計、中途覚醒の改善として測定した。安全性、忍容性アウトカムは、中止率、個々の有害事象とした。 主な結果は以下のとおり。・alpidemプラセボ対照試験1件(66例)、エスゾピクロンプラセボ対照試験2件(60例)、エスゾピクロンshallow needlingコントロール試験1件(96例)の計4試験が抽出された。・メタ解析では、プールされたZ薬治療とプラセボとの間に有意な差は認められなかった。・個々の試験では、alpidemは統合失調症症状の全般的な改善において、プラセボより優れていた。・エスゾピクロン試験の1件では、エスゾピクロンは不眠症重症度(ISI:Insomnia Severity Index)スコアの改善において、プラセボより優れていた。・他のエスゾピクロン試験では、エスゾピクロンは統合失調症症状および不眠関連症状の改善において、shallow needling療法と差がないことが認められた。 著者らは「本検討において、統合失調症治療に対するZ薬の使用に有意なベネフィットは認められなかったが、エスゾピクロンの短期使用は、統合失調症患者の持続的な不眠症を治療するうえで、許容可能な治療法であることが示された」としている。■関連記事不眠症への指圧効果2つの新規不眠症治療薬、効果の違いはせん妄治療への抗精神病薬投与のメタ解析:藤田保健衛生大

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米国メディケア受給者でのCEA・CASの実施率と転帰の推移/JAMA(中川原譲二氏)-759

 頸動脈内膜剥離術(CEA)と頸動脈ステント留置術(CAS)は、頸動脈狭窄症に対する血行再建術の主導的アプローチであるが、その実施頻度や転帰の動向に関する最新のデータは限られている。そこで、米国・イェール大学のJudith H. Lichtman氏らの研究グループが、1999~2014年のメディケア受給者を対象として、CEAとCASの米国における実施率と転帰の動向を調査した(Lichtman JH, et al. JAMA. 2017;318:1035-1046.)。血行再建率、入院死亡率、30日脳卒中などを評価 メディケア入院・共通特性ファイルを用いて、1999~2014年の65歳以上のメディケア出来高払いプラン受給者について連続的横断分析を行った。年齢・性別・人種を補正した混合モデルを用いて、各郡特異的リスク標準化血行再建率を算出した。混合モデルは、人口統計学的属性や併存疾患、症状の状態について補正後の転帰の動向を評価するために適していた。 主要評価項目は、出来高払い受給者10万人年(以下、10万人年)ごとの血行再建率、入院死亡率、30日間の脳卒中・死亡、30日間の脳卒中・心筋梗塞・死亡、30日間の総死亡、1年間の脳卒中の発生率とした。術後30日間の虚血性脳卒中・死亡率はCEAで年率2.90%減少 試験期間中、CEAを受けたのは93万7,111例で、平均年齢は75.8歳、うち女性は43%だった。一方、CASを受けたのは23万1,077例で、平均年齢は75.4歳、うち女性は49%だった。1999年にCEAを受けたのは8万1,306例だったのに対し、2014年は3万6,325例で、同実施率は1999~2000年の298/10万人年から2013~14年の128/10万人年へと有意に減少した(p<0.001)。一方、CASを受けたのは、1999年の1万416例から2006年の2万2,865例と、同実施率は1999~2000年の40/10万人年から2005~06年の75/10万人年へと有意に増加した(p<0.001)。しかし、その後2014年までに、同実施率は38/10万人年へと有意に減少した(p<0.001)。 また、CEAやCASを行った患者の高血圧罹患率が、それぞれ67%から81%、61%から70%に増加するなど、血管リスク因子が増加し、さらに症候性の患者の割合が増えていたが、転帰については改善が認められた。CEAの術後30日以内の虚血性脳卒中発症率または死亡率の補正後年間減少率は、2.90%(95%信頼区間[CI]:2.63~3.18)、CASの同減少率は1.13%(同:0.71~1.54)だった。1999~2014年にかけて、CEAについて同発症率の絶対的減少が認められたものの、CASでは認められなかった。術後1年の虚血性脳卒中発症率も減少し、CEAでは補正後年間減少率は2.17%(95%CI:2.00~2.34)、CASでは1.86%(同:1.45~2.26)だった。院内死亡率や術後30日脳卒中・心筋梗塞・死亡率、30日総死亡率などについても、改善が認められた。米国メディケア受給者のCEA・CASの実施率は減少し、転帰は改善 以上より、米国のメディケア受給者では、1999~2014年にかけて、CEAの実施率は継続的に減少した。一方、CASの実施率は、1999~2006年にかけていったん増加したが、その後2007~14年にかけて減少した。転帰は、血管リスク因子が増加したにもかかわらず、いずれも改善が認められた。 わが国では、日本脳神経外科学会が、CEA・CASの国内での年間実施数の動向を調査しているが、現在CEAとCASの比率は約3,000件 vs.約6,000件で、CEAの実施数は、過去10年間ではそれほど増加していない中で、CASの実施数は2005年にCEAの実施数と並び、現在はCEAの実施数の2倍となり、さらに増加傾向にある。日米両国では、CEAとCASの治療実施患者の総数がそもそも著しく異なっているが、治療適応については大きな差がない。しかし、両者の比率が、日米で大きく逆転している事実は、わが国におけるCASの治療適応に厳格さが欠けている可能性がある。わが国では、CEAとCASの選択について、同一施設内で両方の立場から治療適応を検討している施設は限られており、地域を単位とする患者の集約化と適切な治療選択について議論を深める必要がある。

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第3回 3台のマイフェラーリ【ドクター クルマ専科】

3台のマイフェラーリクルマは今13台所有しています。所有というのは自動車税を払い登録ナンバーがあり車検を通しており任意保険も加入しているということです。つまりいつでも乗れるクルマということです(笑)。自分が25年間ほどやっているレースの中で耐久レース用の共同所有のレースカーや、自分が海外から取り寄せて現在レストア中のビンテージカーなどは含まれていません。レストア中の何台かはまだ家内に内緒のものもあります(笑)。所有している13台のうち3台がフェラーリです。今回はその3台のフェラーリを紹介させていただこうかと思います。画像を拡大するレースを楽しむ佐藤氏自分が最初のフェラーリを購入したのは今から24年前。1988年の後期モデルのフェラーリ328GTS。これがマイファーストフェラーリです。土浦市のレーシングサービス「ディノ」で購入しました。フェラーリ界のレジェンドでありディノの社長、切替 徹氏とは今も深い深~い間柄にあります(笑)。さすがに勤務医の時はフェラーリには手が出ませんでした。フェラーリ購入は今の医院を開業して2年目のことです。それからはF355、360チャレンジストラダーレ、F40、430スクーデリア、F50、458スペチアーレと7台のフェラーリを乗り継いで来ました。現在ではF40、F50、458スペチアーレの3台のフェラーリが手元にあります。24年間手元にフェラーリを切らしたことはありません。これは、23年間にわたって乗り継いでいるメルセデスよりも長い年月になります。わが家で1番長く乗っているクルマのメーカーがフェラーリということになります(笑)。フェラーリへの憧れ小学校5年生の時でした。世はまさに第1次スロットカーブーム。自分の郷里の静岡県沼津市にもスロットカーのコースがありました。自分が小遣いを貯めて購入したのがアメリカのレベル社製のフェラーリ250GTOでした。それから37歳でフェラーリを購入するまでフェラーリを所有したいという憧れはずっと続きますが、今では250GTOは天変地異でも起こらぬ限り購入できませんね。ご存じの方も多いかと思いますが250GTOのオークション相場は30億円を超えています(笑)。ページTOPへフェラーリF40画像を拡大する愛車のF40自身4台目のフェラーリとして購入したのがF40です。フランスの正規代理店シャルルポッツィのデリバリーでファーストオーナーはジャン・アレジです。1990年モデル。色はロッソコルサ(レーシングレッド)。F40のボディ色はフェラーリクラブイタリーの会長が所有していたジアッロモデナ(黄色)の1台を除き、すべてがこのロッソコルサです。それ以外の色は再塗装車で残念ながらリセールバリューはゼロです。最初に自分がF40を見たのは1989年。バブル真っ只中の幕張でのモーターショーでのことでした。2人の息子を、肩車とだっこで、ごった返す人混みの中を進むこと2時間。ようやく出会えた(笑)F40は神のようなオーラを放っていました。その時の長男もすでに医師になって10年。まさに隔世の感があります。所有して13年が経ちました。当時はまさにF40が底値の時でした。その時はこのようなフェラーリバブルが訪れようとは夢にも思っておりませんでした(笑)。エンジン、ミッション、ターボ、足回り、内装、すべてフルオーバーホール、フルレストアいたしました。一昨年フェラーリ・クラシケ(後で詳しく述べますが、フェラーリ本社が発行する鑑定書です)を取得しました。尊敬するライターY氏が、かつて専門誌でF40を“乗り手を選ぶクルマ”と評したことがあります。まるでジムで下肢をプッシュアップエクササイズしているような重いクラッチ、ノンサーボのブレーキ、重いステアリングは、多くの運転自慢のドライバーたちをも拒否してきました。しかしそれを御した時のドライブ・フィールはまさに人馬一体という表現がピッタリです。もちろん左ハンドルのマニュアル車です。自分は左と右のマニュアル車、左と右のオートマ車すべて所有しておりますが、自分の身体に一番ピッタリくるのは左ハンドルマニュアル車です。現在オートマ車しか乗ることのない方は近づかないほうが賢明かと考えます(笑)。このタフなクルマを、もっと年を取っても涼しい顔をして、転がしていたいと思っています。ページTOPへフェラーリF50画像を拡大する愛車のF50F40はフェラーリ社創立40周年の記念モデル、F50は創立50周年の記念モデルです。生産台数は349台。自分のF50は日本のフェラーリの総代理店コーンズが輸入した第1号車で色はジアッロモデナ(黄色)。1996年製。フェラーリ美術館のオーナーM氏の元へ納車された個体です。F50を購入するなら黄色と思っていました。そして事故歴のないのは当然のこと、ヒストリーがハッキリした黄色のF50はM氏のF50しかありませんでした。何とかそれを譲っていただきたい…あらゆるルートを手繰り寄せての購入劇が始まりました。この手のクルマは店頭に並べて売買するわけではありません。オーナーと購入希望者が直接話し合うわけでもありません。あらためてクルマを見せてもらえるわけでもありません。お互いに仲介者を立てての交渉で、売買が成立します。M氏側から売買オッケーの連絡を受けた時は、大変うれしかったです。24時間以内に全額振り込んでほしいとの連絡がありました。家内にすぐその旨話して、振り込みをしてもらったことを今でも覚えています。やはり一昨年フェラーリ・クラシケを取得しています。F50のアキレス腱であるエンジンとトランスミッションのシールディングを完全に直し、一滴のオイル漏れもないクルマとしました。メーターもイタリアのモデナのデジテックにオーバーホールに出し、完調です。世界で1番美しく非の打ちどころのないF50と自負しています。F40もF50もガレージに飾っておくということはしません。昨年は900kmのツーリングにF50で出掛けました。ページTOPへフェラーリ458スペチアーレ画像を拡大する愛車の458スペチアーレ昨年購入しました。458のいわゆるスペチアーレモデルです。色はビアンコ(白)。フェラーリ社のV8NAモデルの集大成といえるクルマです。とにかく高性能ですね。まさに優等生。ホームサーキットである筑波サーキットでの自分のベストラップは2秒台。タイヤの内圧を調整しただけでこのタイム。リアの車高とアライメントをいじれば、さらに1秒詰めるのは簡単かと思います。ただ現行モデルのフェラーリは金を出せば誰でも買えるということになりましょうか。ページTOPへフェラーリ・クラシケの話画像を拡大するフェラーリ・クラシケフェラーリ本社が発行するフェラーリの鑑定書です。すべてオリジナルであることが要求されます。オークション価格が、クラシケの有る無しで大きく違ってきますし、今ではネオヒストリックフェラーリにはなくてはならないものといえるかと思います。いつまで続くフェラーリバブル先日、中近東筋と中国筋から、ほぼ同時に自分のF40とF50を2台まとめて購入したいというお話をいただきました。シャシーナンバー○○○○○のF50を、今誰がオーナーでどのようなコンディションか、などという情報は世界中知れ渡っています(笑)。どちらも邦貨にして2台まとめて4億円の提示でした。自分は現在どちらも手放す気持ちはないので丁重にお断りしました。自分が購入した価格の約4倍…今が売り時なのかもと魔が差したりもします(笑)。クルマの主治医の存在3台ともメンテナンスは古くからの付き合いのバルチャーオートの渡邊君にやってもらっています。独立前のコーンズ時代一番多くのF40とF50に携わったといわれている凄腕メカニックです。だいたいの作業は自宅ガレージで出張でやってもらっています。大きな作業も医院内の敷地にあるガレージ(リフトなどすべて完備しています)に来て、やはり出張でやってもらっています。信頼のおける主治医がいないと良好な維持は難しいかと思います。See you again@my Facebookこの誌面では伝えきれないことがいっぱいあります。あと自分が携わっているレースの話etc…ご興味のある方は、自分のフェイスブックにお友達申請してください。お待ちしております。もっともっとコアな裏話をお知らせできるかと思います。当方“メッセンジャーでプロフィールを告げてから申請せよ”などと高飛車なことはまったく申しません(^_^)。漢字の佐藤 優(さとう まさる)で検索してみてください。

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留学体験最終回【Dr. 中島の 新・徒然草】(194)

百九十四の段 留学体験最終回最終回は、あまり語られることのなかった「留学版あるある物語」、アメリカで出会った日本人たちのお話です。留学していて面白かったことの1つは、幅広い日本人の知り合いができるということです。ラボにいた先生方の出身も慶應大学、東海大学、琉球大学など、色々でした。そのまた知り合い、知り合いの知り合いとなってくると、経歴多彩で面白い人だらけです。特にアメリカに何十年も住んでいる日本人は皆さん、どこか外している人ばかりでした。この人たちの時計は日本を出てきた時で止まってしまっているので、話をするといきなり「昭和」と対面することになります。まずは在米20年以上の中年男性、娘さんは大学生、2番目の奥さんはアメリカ人です。中年男性「この前、〇〇マチを歩いとったら、××に出くわしてもて、あいつらはホンマに△△やから、かかわったらロクなことあらへん」中島「そ、そうですね」(汗)昭和の時代なら普通であっても、現代日本の基準では不適切表現だらけの発言でした。また日本の制度をよく御存じない方もおられます。初老女性「あら、日本では年金というものをいただけるんですか? それは素晴らしいわ! 私も帰国しようかしら」中島「年金をもらうためには、あらかじめ加入して何十年も支払っておかないとダメですよ」初老女性「なんだ、残念」この女性は年金をタダで貰えるものだと思っていたようでした。面白かったのは教育学を専門にしているという青年の話です。青年「僕は高校生の時にドロップアウトして、こちらに逃げてきたんです」中島「そうなんですか」青年「家内もドロップアウト組です」中島「おやまあ」青年「それで苦労して勉強して、つい先日、学位をとることができました」中島「何をとられたのですか?」青年「ハーバードの教育学博士です」中島「よく頑張りましたね! 御自身がドロップアウトしたからこそ教育をテーマにしたのでしょうか」青年「あっ! 考えたことなかったけど、そうだったのかもしれません」中島「私がこちらで気づいたことの1つが、ラボではあまり出身国の違いを意識することがないということです。教育学的には正しいと言えますか?」青年「正しいです。高等教育を受けた人は、皆、考え方や振舞いが似てくるんですよ。それこそ僕の学位のテーマでした」中島「そうなんですか。最近、話題になったニュースで、『人種によって優秀さが違う』というのがありましたが、あれは本当なんでしょうか?」青年「『アジア人と白人と黒人で優秀さに差がでた』って説ですね。そもそも優秀さを何で測定するかって問題だと思います。人種や文化で何が重視されるかってのは違ってくるので、測定法によって結果に差が出るのも当然だと僕は思います」さすがにこの青年は専門を究めただけあって、何を訊いても明確な答えが返ってきました。面白いのは日本語の会話の中に横文字が入ると、そこだけ英語になってしまうことで、「ファースト・オーサー」ではなく、"first authorship" という発音でした。ほかにも色々なエピソードがあったので、折に触れてこの連載の中で紹介しましょう。最後に、読者の皆さんも、もし留学の機会があれば、是非それを生かしてください。それぞれに得るところがあるはずです。私にとっても在米生活は想像を超えたものになりました。最後に1句在米の 同胞は皆 ヘンな人

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AHA 2017 注目の演題

2017年11月11~15日、米国・カリフォルニア州アナハイムでAHA (米国心臓病学会)2017が開催されます。ケアネットでは、聴講スケジュールを立てる際の参考にしていただけるよう注目演題に関するアンケートを実施しましたので、その結果を学会開催前にご紹介します。AHA 2017開催地、カリフォルニア州アナハイムのおすすめスポットはこちら※演題名および発表順は、10月25日時点でAHA 2017ウェブサイトに掲載されていたものです。当日までに発表順などが変更となる可能性がございますのでご注意ください。LBS.01. CABG and EP Peri-procedural Dilemmas11月12日(日)15:45 - 17:00  Main Event I (Hall D, Main Building)1. TRiCS III – An International Multicenter Randomized Trial of Transfusion Triggers in Cardiac Surgery2.DACAB - Efficacy and Safety of Dual Acetylsalicylic Acid plus Ticagrelor or Ticagrelor Alone Antiplatelet Strategy after Coronary Artery Bypass Surgery at 12 months: Randomized Multicentre Trial3.PRESERVE - Sodium Bicarbonate and N-Acetylcysteine for the Prevention of Serious Adverse Outcomes Following Angiography4.BRUISE CONTROL-2 - A Randomized Controlled Trial of Continued versus Interrupted Novel Oral Anti-coagulant at the time of Device Surgery5.ABRIDGE J - Clinical Benefit of Minimally-Interrupted Dabigatran versus Uninterrupted Warfarin for Catheter Ablation of Atrial Fibrillation: A Prospective Randomized Multicenter TrialQ. 上記のうち、注目している演題は?(複数回答可、n=100)画像を拡大するLBS.02. Late Breaking Science in Prevention11月13日(月)09:00 – 10:15  Ballroom CD, 3rd Level (Main Building)1.REAL-CAD - Does High-Intensity Pitavastatin Therapy Further Improve Clinical Outcomes? The REAL-CAD Study in 13,054 Patients with Stable Coronary Artery Disease2.REVEAL - Effects of Anacetrapib on the Incidence of New-onset Diabetes Mellitus and on Vascular Events in People with Diabetes3.FOURIER - Evolocumab and Outcomes in Patients with Peripheral Artery Disease4. FOURIER - Clinical Benefit of Evolocumab in Patients with a History of MI: An Analysis from FOURIER5.CANTOS - Residual Inflammatory Risk and Residual Cholesterol Risk: Critical Analysis from the CANTOS TrialQ. 上記のうち、注目している演題は?(複数回答可、n=100)画像を拡大するLBS.03. Latest Insights into Hypertension Management11月13日(月)10:45 – 12:00  Main Event I (Hall D, Main Building)1.Chinese BP Trial - Time at Blood Pressure Target and the Risk of Cardiovascular Diseases and Mortality2.SPRINT - Blood Pressure Measurement in the Systolic Blood Pressure Intervention Trial (SPRINT)3.GATEWAY - Effects of Bariatric Surgery in Obese Patients with HypertensionQ. 上記のうち、注目している演題は?(複数回答可、n=100)画像を拡大するLBS.04. Sweet Spot in Cardiometabolic Care11月13日(月)15:45 - 17:00  Ballroom CD, 3rd Level (Main Building)1.CANVAS - Canagliflozin for Primary and Secondary Prevention of Cardiovascular Events in Type 2 Diabetes: Results from the CANVAS Program2.EXSCEL - Effect of Exenatide Once-Weekly on Clinical Outcomes in Patients with Type 2 Diabetes Mellitus and Cardiovascular Disease: Insights from the EXSCEL Trial3.EMPA-REG OUTCOME - Empagliflozin Reduces Mortality and Hospitalization for Heart Failure in Patients with Type 2 Diabetes and Peripheral Artery Disease: A Sub-Analysis of the EMPA-REG OUTCOME Trial4.BiomarCaRE - Serum Metabolomic Profiles Predict Coronary Heart Disease in the General Population - The Biomarcare ConsortiumQ. 上記のうち、注目している演題は?(複数回答可、n=100)画像を拡大するLBS.05. New Insights into the Risks, Benefits, and Costs of Antithrombotic Therapy11月14日(火)10:45-12:00  Main Event I (Hall D, Main Building)1.COMPASS - Costs Impact Rivaroxaban Plus Aspirin Versus Aspirin in the COMPASS Trial2.RE-DUAL PCI - Subgroup Analysis from the RE-DUAL PCI Trial: Dual Antithrombotic Therapy with Dabigatran in Patients with Atrial Fibrillation Undergoing Percutaneous Coronary Intervention3.POISE-2 PCI Substudy - Aspirin in Patients with Previous Percutaneous Coronary Intervention (PCI) Undergoing Noncardiac Surgery4.GEMINI-ACS-1 - P2Y12 Inhibitor Switching in Response to Routine Notification of CYP2C19 Clopidogrel Metabolizer Status Following Acute Coronary Syndromes5.PRAGUE-18 - One-year Outcomes of Patients with Acute Myocardial Infarction Treated with Primary Angioplasty and Randomized to Prasugrel versus Ticagrelor - The Prague-18 TrialQ. 上記のうち、注目している演題は?(複数回答可、n=100)画像を拡大するLBS.06. Evaluating Quality Improvement and Patient Centered Care Interventions11月14日(火)15:45 – 17:00  Ballroom CD, 3rd Level (Main Building)1.SWEDEHEART registry results 1995-2014 - Improved Outcomes in Patients with Non-ST-Elevation Myocardial Infarction During 20 years are Related to Implementation of Evidence-Based Treatments2.STIC2IT - Results of the Study of a Tele-pharmacy Intervention for Chronic Diseases to Improve Treatment Adherence (STIC2IT)3.ACS QUIK - Effect of a Quality Improvement Toolkit on Acute Myocardial Infarction in India: The ACS QUIK Cluster Randomized, Stepped Wedge Trial4.NZ STEP WEDGE - National Implementation Of A Clinical Guidance Framework for the Emergency Department Assessment of Patients with Possible Acute Coronary Syndromes5.DECIDE-LVAD - Effectiveness of a Shared Decision Making Intervention for Patients Offered a Destination Therapy Left Ventricular Assist Device for End-Stage Heart Failure: the DECIDE-LVAD Trial6.STEMI ACCELERATOR-2 - Regional STEMI Systems of Care: Results of the Mission: Lifeline STEMI ACCELERATOR-2 StudyQ. 上記のうち、注目している演題は?(複数回答可、n=100)画像を拡大するLBS.07. Innovative Therapies and Novel Applications11月15日(水)09:00 - 10:15  Ballroom CD, 3rd Level (Main Building)1.REDUCE LAP-HF - Transcatheter InterAtrial Shunt Device for the Treatment of Heart Failure: Results from the REDUCE LAP-HF I Randomized Controlled Trial2.TNT-POAF - Temporary Neurotoxin Treatment to Prevent Postoperative Atrial Fibrillation3.PROPEL - Granulocyte Macrophage Colony-Stimulating Factor with and without Supervised Exercise to Improve Walking Performance in Peripheral Artery Disease4.ALLSTAR - 6-Month Results of ALLogeneic Heart STem Cells to Achieve Myocardial Regeneration (ALLSTAR) Trial: A Randomized, placebo-controlled, double-blind study5.HOPE-Duchenne - Cardiosphere-derived cells for the Treatment of Duchenne Cardiomyopathy: Results of the Halt cardiOmyopathy ProgrEssion [HOPE]-Duchenne Trial Q. 上記のうち、注目している演題は?(複数回答可、n=100)画像を拡大する

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抗精神病薬使用の国際動向~16ヵ国調査

 アイスランド・アイスランド大学のOskar Halfdanarson氏らは、抗精神病薬の使用における国際的な傾向を、標準化された方法論を用いて評価した。European neuropsychopharmacology誌2017年10月号の報告。 世界16ヵ国より2005~14年までのデータを抽出し、反復横断調査を実施した。 主な結果は以下のとおり。・調査対象国16ヵ国中10ヵ国において、調査期間中の抗精神病薬使用率が増加した。・2014年の抗精神病薬使用率は、台湾(78.2人/千人)が最も高く、コロンビア(3.2人/千人)が最も低かった。日本は、17.9人/千人であった。・小児および青年(0~19歳)における抗精神病薬使用率は、台湾(30.8人/千人)が最も高く、リトアニア(0.5人/千人)が最も低かった。日本は、3.2人/千人であった。・成人(20~64歳)における抗精神病薬使用率は、米国公的保険被保険者(78.9人/千人)が最も高く、コロンビア(2.8人/千人)が最も低かった。高齢者では、台湾(149.0人/千人)が最も高く、コロンビア(19.0人/千人)が最も低かった。日本は、成人22.0人/千人、高齢者19.8人/千人であった。・非定型抗精神病薬使用は、全集団において増加しており、非定型/定型比は0.7(台湾)~6.1(ニュージーランド、オーストラリア)の範囲であった。・クエチアピン、リスペリドン、オランザピンが最も頻繁に使用されていた。・抗精神病薬の使用率およびパターンは、国により著しく異なっていた。・大部分の集団において、抗精神病薬(とくに非定型抗精神病薬)使用は、時間とともに増加した。・一部の国における高齢者および青年における抗精神病薬使用割合の高さについては、さらなる調査およびシステマティックな薬剤疫学的モニタリングを必要とする。■関連記事統合失調症患者の脳活性、リスペリドン vs. アリピプラゾール抗認知症薬と抗コリン薬の併用、アジア太平洋諸国の現状精神疾患患者の激越症状に対する新旧治療戦略

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治療の幅が拡大した再生不良性貧血

 2017年10月16日、ノバルティス ファーマ株式会社は、同社のエルトロンボパグ オラミン(商品名:レボレード)およびシクロスポリン(同:ネオーラル)が、2017年8月25日に再生不良性貧血へ適応が拡大されたことから、「再生不良性貧血のメディカルニーズに対応する“輸血フリー”実現に向けた最新治療戦略 ~9年ぶりの治療選択肢の登場で変わる新たな薬物療法~」をテーマに、都内においてメディアセミナーを開催した。いまだに機序は不明の難病 はじめに中尾 眞二氏(金沢大学 医薬保健研究域医学系 血液・呼吸器内科教授)が、「再生不良性貧血の病態と最新の治療」と題して、再生不良性貧血(AA)の病態、診療、治療の現在と展望について講演を行った。 一般に「貧血」とは赤血球が不足し、体内に十分な酸素が行き渡らない状態で、鉄欠乏性貧血が最も多くみられる。AAでは、造血幹細胞が外的に傷害され、赤血球、白血球、血小板がともに減少するが、その正確な機序はいまだ不明であるという。 血液が作られないことから、貧血からくるめまい、倦怠感、動悸・息切れ、易感染による発熱、出血傾向などが症状としてみられる。また、眼瞼が白くなる、体幹部の点状出血、壊疽ができるなどの身体所見も観察される。 AAの診断基準としては、好中球、ヘモグロビン、血小板の値、骨髄の低形成(細胞の密度が低い)、除外診断などの項目が挙げられ、各種検査により確定診断がなされる。そして、AAでは重症度を「1.軽症、2.中等症、3.やや重症、4.重症、5.最重症」の5つに分類し、各重症度によって異なった治療が行われる。予後の改善が図られ、今では5年生存率も90% AAの治療では、造血機能を改善する治療として、免疫抑制療法(抗胸腺細胞グロブリン[ATG]、シクロスポリン投与)、タンパク同化ステロイド療法、造血幹細胞移植、エルトロンボパグ療法が行われる。また、支持療法として成分輸血(重症度「3.やや重症」から必要)や顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)、鉄キレート剤の投与も行われている。 60年ほど前までAAの患者の約半数は6ヵ月程度で亡くなるなど、予後がきわめて悪い疾患だったが、免疫抑制療法などの治療で現在は5年生存率が90%と向上し、寛解率も6割程度を維持しているという。 治療のポイントとして、血幹細胞が枯渇する前に治療を開始することが重要で、「免疫抑制療法で、軽症例からシクロスポリンが使用できるようになったことは意義が大きい」と中尾氏は語る。これにより、難治例の減少や医療費を抑えることもできると期待を寄せている。 ここで問題なのが、免疫抑制療法では、血球減少パターンで効果が異なることである。血小板減少と貧血が併存する場合に効果は発揮されるが、好中球減少と貧血の場合、効果はそれほどでもないという。 こうした、免疫抑制療法の治療抵抗性のある患者や高齢の患者への治療となるのが、エルトロンボパグ療法である。エルトロンボパグは、巨核球や骨髄前駆細胞の増殖や分化を促進することで血小板を作る。臨床試験によると、21例(非重症15例、重症6例)に25~100mgのエルトロンボパグを6ヵ月投与した結果、10例に一血球系統の増加がみられ、血小板輸血の6例中4例で、赤血球輸血の19例中9例で輸血が不要となった。副作用は、3例に染色体異常が出現したが重篤なものはなく、有害事象としては軽度なもので鼻咽頭炎、肝機能障害、蕁麻疹などが報告されている(承認時資料より)。 同氏は、「エルトロンボパグの登場で、輸血や骨髄移植の不要、奏効も期待できる」と今後の治療に期待を寄せる。実際、同氏が示した試案ではエルトロンボパグの適応として、「あらゆる治療を受けてきたが定期的な輸血が必要」な患者または「ATG療法が予定されている70歳以上で重症度3以上」の患者に適応度が高いと説明する。その一方で使用に際し、「晩期の副作用は未知の部分が多いので、定期検査を受けることが重要であり、若年者の初回ATG治療例では、エルトロンボパグを併用する必要があるかどうか、慎重に判断しなければならない」と注意を喚起し、レクチャーを終えた。 引き続いて、AAの患者会の患者と中尾氏の対談が行われた。その中で患者からは、「AAという疾患の詳しい説明がされず不安であったこと、見た目では健康にみえることで誤解され困っていること、AAという疾患が医師などの間でも十分知られておらず不便もあること」などが語られた。■参考再生不良性貧血.com■関連記事希少疾病ライブラリ 再生不良性貧血

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3次治療以降の進行NSCLCへのdurvalumab単剤療法(ATLANTIC)/日本肺学会

 2レジメン以上の化学療法後に進行した非小細胞肺がん(NSCLC)患者への治療選択肢は少なく、予後は不良である。ATLANTIC試験は、プラチナベース化学療法を含む2レジメン以上の化学療法治療歴のある局所進行・転移性NSCLC患者(Stage IIIB~IV)を対象とした、抗PD-L1抗体durvalumabの第II相非盲検単群試験。第58回日本肺学会学術集会において、宮城県立がんセンターの前門戸 任氏が結果について発表した。 同試験は3つのコホートで行われた。コホート1(111例)はPD-L1発現が25%以上(ただし、開始当初は全患者が登録されていたため25%未満の患者が27%含まれ、それぞれ解析されている)、EGFR/ALK陽性の患者が対象。コホート2(265例)はPD-L1発現が25%以上および25%未満でEGFR/ALK陰性、コホート3(68例)はPD-L1発現が90%以上でEGFR/ALK陰性の患者が対象とされた。主要評価項目はRECIST v1.1による奏効率(ORR)で、副次評価項目は、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、疾患制御率(DCR)、奏効期間(DoR)、安全性などであった。 PD-L1の発現状態およびdriver mutationごとにみた主な結果は以下の通り。・コホート1(EGFR/ALK陽性) PD-L1発現25%未満:ORR 3.6%、PFSの中央値 1.9ヵ月(95%信頼区間[CI]:1.8~1.9)、OSの 中央値 9.9ヵ月(95%CI:4.2~13.0)、1年生存率 40% PD-L1発現25%以上:ORR 12.2%、PFSの中央値 1.9ヵ月(95%CI:1.8~3.6)、OSの 中央値 13.3ヵ月(95%CI:8.1~NC)、1年生存率54.8% PD-L1発現25%以上でEGFR陽性:ORR 14.1%、PFSの中央値 2ヵ月(95%CI:1.8~3.7)、OSの 中央値 NR(95%CI:8.2~NC)、1年生存率 57.4% PD-L1発現25%以上でALK陽性:ORR 0%、PFSの中央値 1.8ヵ月(95%CI:0.5~1.9)、OSの中央値 6.3ヵ月(95%CI:0.9~NC)、1年生存率 35.7%・コホート2(EGFR/ALK陰性) PD-L1発現25%未満:ORR 7.5%、PFSの中央値 1.9ヵ月(95%CI:1.8~1.9)、OSの中央値 9.3ヵ月(95%CI:5.9~10.8)、1年生存率 34.5% PD-L1発現25%以上:ORR 16.4%、PFSの中央値 3.3ヵ月(95%CI:1.9~3.7)、OSの中央値 10.9ヵ月(95%CI:8.6~13.6)、1年生存率 47.7%・コホート3(EGFR/ALK陰性) PD-L1発現90%以上:ORR 30.9%、PFSの中央値 2.4ヵ月(95%CI:1.8~5.5)、OSの中央値 NR(95%CI:5.9~NC)、1年生存率 50.8% 有害事象については、Grade 3 以上の有害事象の発現率はコホート1で5.4%、コホート2で8.3%、コホート3で17.6%であった。免疫関連有害事象の発現率はそれぞれ12.6%、10.2%、20.6%。また最も多くみられた有害事象は甲状腺機能低下症で、それぞれ9.9%、4.9%、11.8%で発現した。■参考ATLANTIC試験(Clinical Trials.gov)

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中国成人の約半数が高血圧、うち7割は服薬なし/Lancet

 35~75歳の中国成人において、ほぼ半数が高血圧症を有し、治療を受けているのは3分の1未満で、血圧コントロールが良好なのは12分の1未満であることが明らかになった。中国医学科学院・北京協和医学院のJiapeng Lu氏らが、約170万例の代表サンプル成人を対象に行った、住民ベースのスクリーニング試験の結果を報告した。Lancet誌オンライン版2017年10月25日号掲載の報告。サンプル対象170万例を26万4,475のサブグループに分け分析 研究グループは2014年9月15日~2017年6月20日の間に、中国本土31地域に住む35~75歳の成人約170万例を登録した、大規模な住民ベースの心イベントスクリーニングプロジェクト「China Patient-Centered Evaluative Assessment of Cardiac Events (PEACE) Million Persons Project」を行い、有病率や病識、治療やコントロール状況について調査した。 高血圧症の定義は、収縮期血圧140mmHg以上もしくは拡張期血圧90mmHg以上、または自己報告による直近2週間の降圧薬の服用とした。高血圧症に関する病識、治療、コントロールの定義は、それぞれ、高血圧症と診断されたことを自己申告、降圧薬を現在服用中、収縮期・拡張期血圧値が140/90mmHg未満とした。 年齢グループ(35~44、45~54、55~64、65~75歳)、男性/女性、中国西/中央/東部、都市部/地方、漢族/非漢族、農民/非農民、年収(<1万元、1~<5万元、≧5万元)、教育レベル(初等教育以下、中学、高校、大学以上)、心血管イベントの有無、喫煙の有無、糖尿病の有無など11の人口動態的および臨床的因子と、個人およびプライマリヘルスケア地域を可能な限り組み合わせた26万4,475のサブグループについて、高血圧症の病識、治療、コントロール率を分析した。コントロール不良の治療中患者、8割以上が降圧薬の服用は1種のみ サンプル調査対象として包含されたのは173万8,886例で、平均年齢は55.6歳(SD 9.7)、女性は59.5%で、高血圧症患者の割合は44.7%(95%信頼区間[CI]:44.6~44.8、77万7,637例)だった。 高血圧症患者のうち、高血圧症であることを自覚していたのは44.7%(同:44.6~44.8、34万7,755例)だった。また、高血圧症患者のうち、処方された降圧薬を服用していたのは30.1%(同:30.0~30.2)、血圧コントロールを達成していたのは7.2%(同:7.1~7.2)だった。 年齢・性別標準化後の高血圧症の有病率は37.2%(同:37.1~37.3)、病識率36.0%(同:35.8~36.2)、治療率22.9%(同:22.7~23.0)、コントロール率は5.7%(同:5.6~5.7)だった。 最も使用頻度の高かった降圧薬は、クラス分類でカルシウム拮抗薬だった(55.2%、95%CI:55.0~55.4)。また、降圧薬を服用しているがコントロール不良であった高血圧症患者のうち、81.5%が1種類の降圧薬しか服用していなかった。 高血圧症を自覚している患者の割合と、治療を受けていた患者の割合は、サブグループ間で顕著にばらつきが認められた。病識率および治療率が低い傾向との関連がみられたのは、男性、年齢が低い、低収入、心血管イベント既往、糖尿病、肥満、アルコール摂取だった(すべてp<0.01)。一方、血圧コントロール率はすべてのサブグループで30%未満と低かった。 これらの結果を踏まえて著者は、「中国人のすべてのサブグループで、血圧コントロール率が低い集団が認められた。幅広くグローバルな戦略、たとえば予防へのさらなる取り組みや、優れたスクリーニング、より効果的で手頃な治療が必要であることを支持する結果であった」とまとめている。

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ロボット支援下腎摘の合併症頻度、コストは?/JAMA

 米国では2003~15年までに、根治的腎摘出術に占めるロボット支援下施術の割合が1.5%から27.0%へと大幅に増加したが、合併症の発生率増加との関連はみられなかったことが明らかになった。一方で、ロボット支援下根治的腎摘出術は腹腔鏡下根治的腎摘出術に比べ、手術時間が長く、いわゆるホスピタルフィーの病院コストの増大と関連していた。米国・スタンフォード大学のIn Gab Jeong氏らが、米国内416ヵ所の病院を対象に行ったコホート試験の結果で、JAMA誌2017年10月24日号で発表された。術後合併症の発生率や医療資源の使用を比較 研究グループは2003年1月~2015年9月にかけて、米国内416ヵ所の病院で行われた根治的腎摘出術について、Premier Healthcareデータベースを用いて後ろ向きコホート試験を行い、ロボット支援下根治的腎摘出術と腹腔鏡下根治的腎摘出術の実施率やアウトカムについて分析した。 主要アウトカムは、ロボット支援下根治的腎摘出術の実施傾向だった。副次アウトカムは、JCOG術後合併症規準(Clavien-Dindo分類)による周術期合併症の頻度、医療資源の使用(手術時間、輸血量、入院日数)、病院直接経費(direct hospital cost)だった。90日間の病院直接経費の平均値、ロボット支援下で約2,700ドル高額 被験者数は2万3,753例で、平均年齢は61.4歳、男性は58.1%だった。そのうち、腹腔鏡下根治的腎摘出術例は1万8,573例、ロボット支援下根治的腎摘出術例は5,180例だった。ロボット支援下根治的腎摘出術の割合は、2003年には2,676件中39件と1.5%だったのに対し、2015年には3,194件中862件と27.0%に増加した(傾向のp<0.001)。 重症度を問わないあらゆる術後合併症(Clavien-Dindo分類で1~5)の発生率は、加重補正分析において、ロボット支援下根治的腎摘出術22.2%、腹腔鏡下根治的腎摘出術23.4%と有意差はなかった(差:-1.2%、95%信頼区間[CI]:-5.4~3.0)。重度合併症(Clavien-Dindo分類で3~5)の発生率も、それぞれ3.5%と3.8%で有意差はなかった(同:-0.3%、-1.0~0.5)。 一方、手術時間が4時間超だった施術例の割合は、腹腔鏡下群25.8%に対し、ロボット支援下群は46.3%と有意に高率だった(リスク差:20.5%、95%CI:14.2~26.8)。 90日間の病院直接経費の平均値も、腹腔鏡下群1万6,851ドルに対し、ロボット支援下群は1万9,530ドルとより高額だった(差:2,678ドル、95%CI:838~4,519ドル)。その主な要因は、手術室経費(腹腔鏡下群:5,378ドル、ロボット支援下群:7,217ドル、差:1,839ドル、95%CI:1,050~2,628ドル)、手術用備品経費(それぞれ3,891ドル、4,876ドル、差:985ドル、95%CI:473~1,498ドル)にあった。室料・食事代、薬剤費は、ロボット支援下群が低額だったが有意差はなかった。

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SGLT2阻害薬と1型糖尿病治療(解説:住谷哲氏)-760

 1型糖尿病の病因はインスリン分泌不全であり、治療は生理的インスリン補充(physiological insulin replacement)である。これを達成するためにこれまでインスリンアナログの開発、頻回インスリン投与法(multiple daily injection:MDI)、インスリンポンプ、SAP(sensor-augmented pump)が臨床応用されてきた。さらにclosed-loop systemによる自動インスリン投与の臨床応用も目前に近づいてきている。しかし依然として1型糖尿病治療におけるunmet needsとして、低血糖、体重増加、血糖変動(glycemic instability)の問題を避けることはできない。さらに1型糖尿病治療においては厳格な血糖管理による細小血管障害の予防に注目しがちであるが、2型糖尿病と同様に動脈硬化性心血管病(ASCVD)の予防が予後を改善するために重要であることを忘れてはならない1)。 SGLT2阻害薬の血糖降下作用はインスリン非依存性であり、従って1型糖尿病患者においても有効であることが期待される。さらにEMPA-REG OUTCOME、CANVASの結果から、SGLT2阻害薬の投与はハイリスク2型糖尿病患者において総死亡を含めた予後を改善することが明らかになりつつある。本試験はこれらを前提として、SGLT1/2阻害薬であるsotagliflozinの1型糖尿病患者における有効性と安全性を検討したものである。 対象は年齢43歳、罹病期間20年、BMI 28kg/m2、HbA1c 8.2%の1型糖尿病患者であり、4割がインスリンポンプ使用中であった。主要評価項目は重症低血糖および糖尿病ケトアシドーシス(DKA)を伴わずにHbA1c<7.0%を達成した患者の割合とされた。24週後、主要評価項目の達成率はsotagliflozin群28.6%、プラセボ群15.2%であり、sotagliflozin群で有意に高かった(p<0.001)。一方、DKAはsotagliflozin群で21例(3.0%)、プラセボ群で4例(0.6%)であった(有意差は記載されていない)。 SGLT2阻害薬であるダパグリフロジンを用いた試験(DEPICT-1試験)がほぼ同時に報告された2)。有効性についてはsotagliflozinを用いた本試験と同様であり。CGMのデータからダパグリフロジンがglycemic instabilityを改善することも明らかにされた。しかし安全性については、ダパグリフロジン投与によりDKAの増加は認められなかった。ダパグリフロジン投与によりDKAが増加しなかったのは、SGLT2阻害薬とSGLT1/2阻害薬との違いによるものか、試験デザインによるものか、対象患者の相違によるものかは明らかではない。さらに両試験ともに24週の短期間の観察であり、長期的な有効性および安全性については不明である。 日常臨床において、インスリンを増量しても体重が増加する一方で血糖コントロールが改善しない1型糖尿病患者は少なくない。この点で、血糖コントロールの改善と体重減少が同時に期待できるSGLT2阻害薬は魅力的である。しかし一方でDKAや性器感染症のリスクの増加は避けては通れない。今後の長期的な有効性および安全性のデータの集積を期待したい。■「SGLT2阻害薬」関連記事SGLT2阻害薬、CV/腎アウトカムへのベースライン特性の影響は/Lancet

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認知症予防、緑茶 vs.紅茶 vs.ルイボス茶

 チャノキ(茶の木[Camellia sinensis])の緑茶(green tea)成分は、アルツハイマー病における、記憶障害などのさまざまな神経変性状態に対し神経保護的に作用する。しかし、チャノキのほかの茶成分が、類似の神経保護的な効果を示すかは不明である。ブラジル・Universidade Federal do PampaのHelen L. Schimidt氏らは、アルツハイマー様疾患のラットモデルにおいて、緑茶、ルイボス茶(red tea)、紅茶(black tea)の補充が記憶および海馬の酸化状態に及ぼす影響を調査した。Food research international誌2017年10月号の報告。アルツハイマー様疾患ラットモデルの神経保護に緑茶が有効 wistar雄ラットに緑茶、ルイボス茶、紅茶を8週間補充した後、Aβ海馬内注射(2μL of Aβ-25-35、CA1領域)を行った。アルツハイマー様疾患およびshamラットの記憶検査を行った。安楽死後、両側海馬の酸化状態を定量化した。 アルツハイマー様疾患ラットに緑茶、ルイボス茶、紅茶が及ぼす影響を調査した主な結果は以下のとおり。・緑茶とルイボス茶はアルツハイマー様疾患ラットの記憶障害を防ぎ、緑茶のみが海馬の酸化ストレスや損傷を防いだ。・チャノキの緑茶は、アルツハイマー様疾患ラットモデルにおいて、ルイボス茶と紅茶よりも神経保護に有効であった。■関連記事毎日5杯の緑茶で認知症予防:東北大なぜ、フィンランドの認知症死亡率は世界一高いのか認知症になりにくい性格は

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経口GLP-1受容体作動薬で良好な結果/JAMA

 2型糖尿病患者において、GLP-1受容体作動薬の経口semaglutideはプラセボとの比較で、26週にわたり良好な血糖コントロールを示したことが報告された。英国・レスター大学のMelanie Davies氏らによる第II相無作為化試験の結果で、著者は「長期間および臨床的アウトカム、ならびに安全性を評価する第III相試験の実施を支持するものであった」とまとめている。GLP-1受容体作動薬は2型糖尿病の有効な治療薬として、現在すべて注射剤での利用が可能となっている。研究グループは、開発中の経口semaglutideの有効性をプラセボと比較し(主要目的)、また非盲検下でsemaglutide皮下注と比較する(副次目的)検討を行った。JAMA誌2017年10月17日号掲載の報告。経口semaglutide各用量群、semaglutide皮下注群、プラセボ群に割り付け評価 検討は第II相の無作為化並行用量探索試験で、2013年12月~2014年12月に14ヵ国の100施設(病院クリニック、一般診療所、臨床研究センター)で行われた。試験期間は26週間+フォローアップ5週間であった。 1,106例がスクリーニングを受け、食事療法と運動療法または一定用量のメトホルミンで血糖コントロール不良な2型糖尿病患者632例が無作為化を受けた。無作為化ではメトホルミン使用による層別化も行われた。 被験者は、1日1回の経口semaglutide 2.5mg投与群(70例)、同5mg投与群(70例:当初4週は2.5mg)、同10mg投与群(70例:当初4週は5mg)、同20mg投与群(70例:当初4週は5mg、5~8週は10mg)、同40mgの4週漸増(標準漸増)投与群(71例:当初4週5mg、5~8週10mg、9~12週20mg)、同40mgの8週漸増(緩徐漸増)投与群(70例:当初8週5mg、9~16週10mg、17~24週20mg)、同40mgの2週漸増(急速漸増)投与群(70例:当初2週5mg、3~4週10mg、5~6週20mg)、プラセボ投与(経口)群(71例:二重盲検)、週1回のsemaglutide 1.0mg皮下注群(70例)に無作為化を受け、26週間の介入を受けた。 主要エンドポイントは、ベースラインから26週時点のHbA1c値の変化であった。経口群のHbA1c値、プラセボと比べて有意に低下 ベースラインの被験者の特性は、全投与群とも類似していた。632例は、平均年齢57.1歳(SD 10.6)、男性395例(62.7%)、平均糖尿病罹病期間6.3年(SD 5.2)、平均体重92.3kg(SD 16.8)、平均BMI値31.7(SD 4.3)であった。583例(92%)が試験を完遂した。 経口semaglutide投与群のベースラインから26週時点までのHbA1cの平均変化値は、プラセボ群と比べて有意な低下が認められた。経口semaglutide投与群は-0.7%~-1.9%(用量依存的範囲)、semaglutide皮下注群は-1.9%、プラセボ群は-0.3%であった。経口semaglutide群とプラセボを比較した、用量依存的推定治療差(ETD)範囲は-0.4%~-1.6%であった(2.5mg投与群のp=0.01、すべての用量群のp<0.001)。 体重は、経口semaglutide群でより低下が認められた(用量依存的範囲:-2.1kg~-6.9kg)。semaglutide皮下注群は-6.4kg、プラセボ群は-1.2kgで、10mg以上の経口semaglutide投与群ではプラセボとの比較において有意差が認められた(用量依存的ETD範囲:-0.9kg~-5.7kg、p<0.001)。 有害事象は、経口semaglutide群63~86%(371/490例)、semaglutide皮下注群81%(56/69例)、プラセボ群68%(48/71例)で報告された。軽度~中等度の消化管イベントの頻度が最も高かった。

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眼科医が電子カルテに費やす時間と医業収益の関連は?

 電子カルテシステム(EHR)は医療(practice of medicine)を変えたとされる一方、医師からは、EHRに費やす時間が自分たちの生産性に負の影響を及ぼしていると、懸念する声が持ち上がるようになった。しかし、いわゆるドクターフィーの支払いに関するアプローチが進化し、ケアの質とコストを評価するための“付加的記録”が必要になっている。これまで、これらの問題について定量的な分析を行った研究はほとんどなかったが、米国・オレゴン健康科学大学のSarah Read-Brown氏らはコホート研究の結果、眼科医が診察室で患者と対面する時間には限りがあり、診察室でのかなりの時間をEHR使用に費やしていることを明らかにした。同時に、眼科医のEHR使用パターンにはばらつきがあることも示唆されたという。JAMA Ophthalmology誌オンライン版2017年10月12日号掲載の報告。 研究グループは、眼科医のEHR使用に要する時間を調べる目的で、単施設でのコホート研究を2013年9月1日~2016年12月31日に行った。 対象は、当該施設に本研究の前後6ヵ月以上勤務し、眼科部門の一員として診療に当たった眼科医27人。標準的な診療を行わなかった、またはEHRを使用しなかった眼科医は除外した。 カルテとEHR監査ログのタイムスタンプを分析し、眼科医がEHR使用に要した時間量を測定。また、手動による時間動作観察で、「EHR使用」「会話」「診察・治療」の3つの行為に関する患者との対面時間量を測定した。 試験のアウトカムは、眼科医の患者との対面時間量(EHR使用、会話、診察・治療)、ならびに眼科医がEHR使用に要した時間の総計であった。 主な結果は以下のとおり。・27人の眼科医の背景は、女性10人、男性17人、平均年齢は47.3歳(SD 10.7)、年齢中央値44歳(範囲:34~73)であった。・眼科医が患者1人当たりに費やした時間は平均11.2分(SD 6.3)で、そのうち3.0分(SD1.8、1人当たりに費やした時間の27%)をEHR使用に、4.7分(SD 4.2、42%)を会話、3.5分(SD 2.3、31%)を診察・治療に費やしていた。・眼科医がEHR使用に要した総計時間の平均値は、1診療当たり10.8分(SD 5.0、範囲:5.8~28.6)であった。・標準的な眼科医についてみると、1日の勤務時間のうち3.7時間(2.1時間は診療時間中、1.6時間は診療外)をEHR使用に費やしていた。・線形混合効果モデルを用いた解析の結果、EHR使用とドクターフィー請求額の間には正の関連があり、1診療当たりのEHR使用時間量とクリニックの受診患者数との間には負の関連が認められた。・一方で、平均請求額が高い眼科医では、クリニックの受診患者が増えるごとに、1診療当たりのEHR使用時間が1.7分(95%信頼区間[CI]:-4.3~1.0)減少していた(補正後R2=0.42、p=0.01)。

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ワルファリンの可能性(解説:後藤信哉氏)-756

 日本は、非弁膜症性心房細動などにいわゆるNOACsが多く使用されている国である。しかし、世界の抗凝固薬の標準治療は安価なワルファリンである。日本では2mg/日で開始すれば多くの場合、INR 2以下くらいにコントロールできる。 30年ワルファリンを使用している筆者には経験がないが、2mg/日でも過剰でINRが延長してしまう症例がいるらしい。まれに2mg/日ではINRが延長せず、漸増させて10mg/日程度が必要な症例は経験する。圧倒的多数の症例は2mg/日で問題なく、一部に過剰、過小の症例がいる原因にワルファリンの代謝が寄与するとされる。血漿蛋白に結合していないワルファリンが肝臓で活性型に転換する。その酵素はチトクロームP450のCYP2C9とされる。ビタミンK還元酵素複合体にも遺伝子型に応じた酵素活性の差異がある。 この2種の酵素の遺伝子型を事前に知っていれば、ワルファリンの初期投与量、維持量を個人ごとに予測できる、との仮説が過去に臨床的に検証された。2本のNEJM誌の論文の結果は相互に矛盾していた。 今回JAMA誌に発表された論文では対象を膝または腰の置換術にして症例を均質化した。その結果、予想どおり、遺伝子型を考慮に入れたワルファリン治療において重篤な出血が少なく、INR 4以上の過剰投与も避けられた。 疾病一般の予後が改善して、時代は「平均的症例の標準治療」、「One dose fit all」を目指すEBMの時代から、個別症例の最適治療を目指す「Precision Medicine」に転換しようとしている。主作用と副作用イベント発症率相関性のあるバイオマーカーとしてのPT-INRがあるワルファリンは、個別最適化に向いた薬剤である。抗凝固効果のポテンシャルは選択的抗トロンビン薬、抗Xa薬よりも大きく、薬剤の価格は安い。丁寧に使用すれば安全性も高い。安い薬を日本人医師の職人魂にて個別最適化して使用すれば、有効、安全、安価な医療を実現できる。 日本の圧倒的多数は2mg/日にて大きな問題はないと考えるが、遺伝子型により特殊な少数例を弁別できるので日本での応用性もあると考える。

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治癒切除不能な進行胃がんや再発胃がんに対するニボルマブの有用性(解説:上村直実氏)-758

 話題となっている画期的な免疫チェックポイント阻害薬ニボルマブ(商品名:オプジーボ)は、2014年に悪性黒色腫に対する保険適用を取得し、その後、非小細胞肺がん・腎細胞がん・ホジキンリンパ腫・頭頸部がんおよびこの9月には胃がんに対する適応を取得した。さらに、食道がん・小細胞肺がん・肝細胞がん・子宮がん・卵巣がんなどに対して臨床治験中であり、多くの切除不能がん患者に対して福音を与えてくれる薬剤である。 本論文は、オプジーボの胃がんに対する有用性を示した報告である。標準治療が不応または不耐の切除不能な進行または再発胃がん患者(日本人・韓国人・台湾人)を対象とした国際共同第III相臨床試験において、平均生存期間がプラセボ投与群4.14ヵ月と比較してオプジーボ群5.26ヵ月で平均1.12ヵ月長く生存することができ、1年後の生存率もオプジーボ群26.2%がプラセボ群10.9%より有意に高値であった。 結果は予想どおりであるが、対象の主な包含基準が、20歳以上、2つ以上の化学療法が奏効しなかった切除不能な進行または再発の胃がん症例であり、かつECOG PS:0~1、すなわち通常の事務作業などが可能な元気な患者群を対象とした臨床試験である。登録された601名のうち最終的に被験者として適合したのは53歳から69歳の493名(82%)であった。したがって、本研究結果は「50歳から60歳代の切除不能ないしは再発胃がんで2つ以上のレジメンが奏効しなかった患者でかつPS1以下の元気な患者を対象とした研究においてオプジーボの有用性が示された」とされるものである。 わが国のがん診療の現場で遭遇する切除不能胃がん患者は「70歳以上で合併症を有し、かつPSが2以上の状態になっている患者」が多く、本研究の対象となっている患者群は少数派かもしれない。実際、検証精度の高さが求められる抗がん剤の臨床治験の対象は、年齢(75歳以下)やPS(0ないしは1)の適合基準および厳格な除外基準に適合する必要があるが、保険適用後の診療現場で使用される患者の多くは治験では除外基準に抵触するものが多い。RCTなどの研究デザインによりエビデンス・レベルの高さが決定される昨今であるが、患者に向き合う臨床医は、臨床研究の対象と実臨床の現場で遭遇する患者との乖離を理解した対応が必要である。

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【GET!ザ・トレンド】服薬アプリとSNSの連動で、チーム医療に貢献する情報提供を目指す/中外製薬

中外製薬は自社製品カペシタビン(商品名:ゼローダ)の使用患者を対象に、患者と医療者のコミュニケーションの向上に、日本エンブレースと共に新たな取り組みを開始した。増える在宅治療がもたらす診療上の課題内服薬や自己注射などの開発が進み、在宅での患者自身による投薬が増加している。在宅治療の増加は、患者が医療者の手を離れる時間を増加させる。抗がん剤治療の場合、その投与期間が延びることで、治療を妨げる深刻な事象のリスクが増える。自己判断による服薬中断や有害事象(AE)の発生などである。この問題について中外製薬 安全性コミュニケーション部の竹本 信也氏は、“患者がAEに気づき医療者に知らせる”“医療者がAEの発現をいち早く認知し、評価し、対処する”といった、患者と医療者のコミュニケーションが重要だと述べる。実際に、最近の米国臨床腫瘍学会(ASCO)などでは、患者と医療者の良好なコミュニケーションが生命予後を改善するという研究結果が報告されている。そのような中、中外製薬は、患者と医療者のコミュニケーションの場を提供するプロジェクトを、カペシタビンの治療において限定的に開始した。アプリとSNSの連動で課題解決を図る新たな取り組み具体的には、自社で開発したカペシタビンの服薬適正化支援アプリを医療者専用SNSシステムと連動させ、患者とその患者を取り巻くすべての医療者で治療情報を共有するという取り組みである。当アプリに連動したのは、医療者専用SNSとして株式会社日本エンブレースが提供する「メディカルケアステーション」(以下、MCS)。MCSは、すでに全国201の医師会で正式採用され、2万6,000以上の医療関連施設で活用されている医療者専用の完全非公開SNS。患者ごとのグループを作り、タイムライン上で全員が情報を共有、交換することができる。このSNS基盤を服薬適正化支援アプリと連動することで、服薬やAEの情報を共有することが可能となった。ICTで患者が見守られる(サービスの実際)カペシタビン服薬適正化支援アプリは、オンラインのシステムであり、高齢者には難しいダウンロードが不要で利用できる。このアプリは、医師から招待された患者しかアクセスできない仕組みになっている。アプリの入力は簡単で、服薬の有無、服薬錠数、それと(バリデーション済の)QOLスケールから現在の体調を選び、送信ボタンを押すだけである。画像を拡大する一方、SNSのMCSでは、患者に対しては受診施設ごとに、医療者に対しては患者ごとに情報共有できる画面(タイムライン)が設けられている。医師が適切ログインの上、タイムラインを表示すると、医師、薬剤師、看護師、介護士、患者本人、家族というように、患者単位で必要なメンバーが参加した状態でアイコンが表示される。患者がアプリで入力した上記の情報は、瞬時にMCSのタイムラインに表示され、その患者のタイムライン参加メンバー全員に共有される。さらにAEに関するアラート機能も装備している。患者がアプリ上のAEの入力エリア「気になる症状」から、該当する症状とその程度を選択し送信すると、対応するCTCAEのGrade(予測)と共にアラートとして、タイムラインを通じて参加している医療者メンバーのみに入力結果を表示する仕組みである。左から中外製薬 オンコロジー製品政策部 大寺 昭雄氏、日本エンブレース 伊東 学氏、中外製薬 安全性コミュニケーション部 竹本 信也氏同社 オンコロジー製品政策部の大寺 昭雄氏は、臨床現場におけるカペシタビンの使用で見られる問題の多くは、患者が自己判断で服薬を中断してしまうこと、がんの進行を恐れるあまりAEが出ていても飲み続けてAEが重篤化してしまうことだという。このような事態も、患者とそれを取り巻くすべての医療者の間でコミュニケーションできることで、未然に防ぐことが期待される。また、患者は近年、基幹病院のみならず、薬局やかかりつけの診療所など多くの医療者と関わる。そのような背景からか、MCSでは20〜30名の医療者が一人の患者タイムラインのメンバーとして参加することも珍しくはないという。従来のFaxや電話といった手段で、この人数に迅速に情報共有することは容易ではない。しかし、SNSではそれが容易に実現できるため、幅広い医療者でのコミュニケーションが可能になっていると、日本エンブレース代表取締役社長の伊東 学氏は述べる。サービス検証して次のステップへ中外製薬は本年4月から安全性コミュニケーション部を設立。安全性の専任担当「セイフティエキスパート」を全国の統括支店に配置するなど安全性情報の提供に注力している。このプロジェクトも、そのアクションの一環である。今回の試行は、対象となる基幹病院で、倫理審査委員会の承認に基づき、利用者を限定して開始した。今後、第3者機関の検証を行い、その結果をもって、このプロジェクトの全国展開、さらに自己注射薬などがん以外での展開も検討する。このプロジェクトを通じ、チーム医療、地域連携医療に貢献していきたいと、前出の竹本氏は述べる。

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統合失調症患者の脳活性、リスペリドン vs.アリピプラゾール

 前頭前野ネットワークの機能障害は、精神病性障害における陰性症状および神経認知の問題両方の原因となりうる。ほとんどの抗精神病薬は前頭前野の活性を低下させる可能性があるが、ドパミンD2パーシャルアゴニストであるアリピプラゾールは、前頭前野の機能を改善するといわれている。オランダ・フローニンゲン大学のEdith J. Liemburg氏らは、精神病性障害の患者を対象に、アリピプラゾールがリスペリドンと比較して、治療後の前頭前野および関連領域の活性を高めるかについて検討を行った。Progress in neuro-psychopharmacology & biological psychiatry誌2017年10月3日号の報告。 この探索的かつ薬理学的な神経イメージング研究では、対象である精神病性障害の患者24例を、アリピプラゾールまたはリスペリドンのいずれかに無作為に割り付けた。ベースライン時および治療9週間後に、面接およびMRIセッションを行った。 主な結果は以下のとおり。・今回は、Tower of London(ToL)およびWall of Faces(WoF)の2つのタスク実行中の脳活性化(ASL[arterial spin labeling]で測定)について報告を行った。・アリピプラゾール治療は、中前頭回、上前頭回、後頭葉回(ToL)、内側側頭葉回、下前頭回、被殻、楔部(WoF)の活性を減少させ、リスペリドン治療は活性を増加させた。・アリピプラゾール治療は、腹側前帯状、後部島(ToL)、上前頭回、上側頭回、中心前回(WoF)の活性を増加させ、リスペリドン治療は減少させた。・両治療群ともに、腹側島活性(ToL)、中側頭回(WoF)を増加させ、後頭皮質、楔前部、尾状頭葉(ToL)の活性を減少させた。 著者らは「アリピプラゾール治療は、遂行計画に必要な頭部リソースが少なくて済む可能性があり、感情刺激に対する前頭側頭および前頭前野の反応性を増加しうる。これらの予備的知見を裏付けるためには、より多くの研究が必要である」としている。■関連記事統合失調症に対する短期治療、アリピプラゾール vs.リスペリドン統合失調症患者の認知機能に対するアリピプラゾール vs.リスペリドン日本人自閉スペクトラム症に対するアリピプラゾールの長期効果は

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