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派手さはないが重要な研究(解説:野間 重孝 氏)-767

 急性心筋梗塞患者の急性期の治療において、酸素の使用が初めて報告されたのは古く1900年までさかのぼり、以来今日までごく当たり前のように行われてきた。血液酸素飽和度を上昇させることにより、より効率的に虚血心筋に酸素を供給することができるだろうという発想から生まれた治療法で、この理屈には大変説得力があったことから、疑われることなく長く行われ続けた。80年代になってパルスオキシメータによるモニターが容易に行えるようになっても、この考え方の根本が見直されることはなかった(パルスオキシメータの発明は1974年で、わが国で行われた)。 実際JCS 2008でも心筋梗塞発症後6時間以内の酸素投与が積極的に勧められており、救急現場の対応の項ではMONAなどという懐かしい言葉が現在も登場している(ちなみにM:モルヒネ、O:酸素、N:nitrate、A:アスピリン)。これはわが国だけのことではなく、2012年のESCガイドラインでも酸素投与は推奨されており、2016年の改訂でも大きく改められてはいない。つまりガイドラインの世界では程度の差こそあれ、急性心筋梗塞患者の急性期治療に酸素を用いることにはまだ疑義が呈されていないといえる。 しかし実際の臨床の現場では、低酸素血症、心不全のない急性心筋梗塞の患者に対して酸素投与が行われる機会は、かなり減っているという印象を受けている。このような問題に対するアンケート調査が行われたことはないので、評者自身、学会の運営委員会などで各施設の先生方に片っ端から質問してみたのだが、低酸素血症のない患者に対する酸素投与は確かにいつのころからか行われなくなっているというのが大勢だった。読者は「いつのころから」とか「何となく」といった表現に対し「何といい加減な」と反発される向きも多いのではないかと推察するが、これこそが医学界の現実であり、EBM運動が起こった理由なのである。なお付け加えれば、そうした先生方も酸素飽和度が95%を切るような症例に対しては酸素を投与すると答えており、これには急性心不全治療のプロトコールの影響があるのではないかと推察した。 一方で今世紀に入るころから、低酸素血症のない急性心筋梗塞患者に対する酸素投与には、疑義が呈されるようにもなっていた。それらは、不必要な酸素投与は冠動脈抵抗を上げることにより、かえって血液供給の効率を悪くするのではないか、酸素投与による酸化ストレスが考慮されるべきではないかなど、確かに考慮されるべき疑義だった。現在最も信頼されているEBMレビューの1つであるCochrane reviewが、初めて急性心筋梗塞に対する酸素投与には確かな研究的根拠がないのではないかと疑義を呈したのは2010年のことであり、2016年のreviewでははっきり根拠薄弱と断じるに及んだ。そんな中、はっきり反対とのデータを提出したのが2015年に発表されたAVOID studyだった。対象患者は638名と小さな研究ではあったが、低酸素血症のない急性心筋梗塞患者に酸素を投与することは、かえって梗塞サイズを大きくするのではないかとのデータを提出し、波紋を呼んだ。 このような流れの中で、大規模data baseを使用して行われた調査研究が本研究である。彼らはスウェーデンの全国レジストリデータを用いて、低酸素血症のない急性心筋梗塞患者6,629名を酸素投与群と非酸素投与群により分けた。低酸素血症の定義はSpO2 90%未満としたから、かなり思い切った振り分けといえる。SpO2 90%が酸素分圧60Torrに当たるからだ。この結果彼らは、酸素投与が1次エンドポイントである1年以内の全死亡に影響を与えないだけでなく、再入院率にも影響を与えないことを示した。この研究は非盲検研究ではあるが、酸素投与という問題がそれほど臨床医の関心や利害の対象ではない以上、盲検研究とほぼ同じ信頼性があるとしてよいものであると考えられる。この研究結果は、ガイドラインに訂正を迫るのに十分な重みのあるものであったと評価されよう。 評者は、こうした派手さはないが、誰もが疑問に感じつつもはっきりした根拠が得られない分野に確かな一歩を進める研究こそが、医師主導型研究の有るべき姿であると考えているものであり、今回の研究を高く評価するものである。実際、この研究はこの分野の静かなmilestoneとなる研究ではないかと考える。

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テレビのない生活【Dr. 中島の 新・徒然草】(197)

百九十七の段 テレビのない生活テレビを見なくなって何年か経ちました。とくに信念があってテレビを見ないわけではなく、世の中が地デジとかBSとか言っているのを聞きながらそのまま放置していたら、いつの間にか画面に何も映らなくなっていた、というのが本当のところ。最後に見たテレビドラマは「半沢直樹」です。今回は読者の皆さまのために、テレビがなかったら困ることを3つ述べたいと思います。1つ目は、患者さんに「あの××というテレビドラマ、お医者さんからみてどうなんでしょうか?」と尋ねられたとき。具体的にはキムタクの主演していた医療ドラマとか、コウノドリとか、失敗しない外科医のことだと思いますが、見たことがないのでコメントすることができません。一念発起して、「断片的でもいいから話を合わせるためにも YouTube で見ておこう」と思って見始めても、イライラしてしまって途中でやめてしまいました。登場人物があまりにものんびり食事をしていたので、つき合い切れなくなったのです。どうもすみません。困ることの2つ目はニュースです。ネットでだいたいの世間の動きは分かりますが、何度も繰り返される話題とか、インパクトのある音声とかには疎いままです。なので「この、ハゲーっ!」という罵声を直接浴びせられずに済んだことはラッキーだったのかもしれません。あのモリカケ問題も、各テレビがどのくらい力を入れて報道していたのか、よく分からないままに終わりを迎えようとしています。もう1つ困るのは災害時のニュースです。ネットのニュースはどうしてもリアルタイム性に欠けるので、刻々と迫ってくる台風のこともよく分かりませんでした。「こりゃ、大阪直撃かもな」と思いながら真剣にネットの天気図を見ていたら前日のものだったりします。自動車についているテレビを見たらいいじゃないかという意見がありそうですが、もう足掛け12年も乗っている車なので、テレビが映っていたのは最初のうちだけでした。今や画面にはナビの地図が映っているだけです。ということで、テレビのない生活も多少は不便だ、というお話でした。読者の皆さまの参考になれば、幸いです。最後に1句台風も テレビがなければ ただの風

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ADHD児への有酸素運動効果は

 ADHDは、世界の小児の約8~10%に発症する最も一般的な精神神経疾患の1つである。ADHD児の大多数が成人期まで持続的な症状を有していることを示唆する研究が増加しており、ADHDによる人生経過への影響を明らかにしている。ADHD管理の主流は、薬物療法と、行動および心理的な介入であり、潜在的な治療戦略としての運動介入については、あまり注目されていない。シンガポール国立大学のQin Xiang Ng氏らは、ADHD児に対する運動介入の短期的および長期的な影響を調査するため、システマティックレビューを行った。Complementary therapies in medicine誌2017年10月号(オンライン版8月31日号)の報告。有酸素運動は、ADHD児にとって有用 ADHDおよび運動や身体活動に関するキーワードを用いて、PubMedおよびOvidのデータベースより1980年1月~2016年7月までの英語論文を予備検索し、613件が抽出された。全文および関連文献をレビューした。 ADHDおよび運動や身体活動に関する論文レビューの主な結果は以下のとおり。・本システマティックレビューには、30件の研究が含まれた。・ADHDに対する短期的および長期的な身体活動は、臨床的ベネフィットを有していた。・ほとんどの場合において、ADHDの認知、行動および身体的な症状は緩和された。混合運動プログラムで最大の介入効果が認められた。・いずれの報告でも、身体活動による副作用は報告されておらず、運動介入は、忍容性の高い介入であることが示唆された。 著者らは「身体活動、とくに中等度から高度な有酸素運動は、ADHD児にとって有用かつ忍容性のある介入である。今後の研究において、より適切に実施された試験を含め、理想的な運動介入を調査する必要がある」としている。

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atezolizumabによる長期生存NSCLC患者の特徴:OAK/WCLC

 OAK試験は、非小細胞肺がん(NSCLC)の2~3次治療における抗PD-L1抗体atezolizumabとドセタキセルを比較した第III相試験である。横浜で行われた第18回世界肺会議(WCLC)では、兵庫県立がんセンターの里内美弥子氏が、OAK試験の2年の結果と長期生存患者の特徴について発表した。 OAK試験では850例の既治療NSCLC患者が、atezolizumabとドセタキセル群に1対1で割り付けされ、6ヵ月以上追跡されている。無作為割り付け時から24ヵ月以上生存している患者を長期生存例(LTS)、それ未満の患者を非長期生存例(Non-LTS)として、それぞれの成績を分析した。 2年全生存(OS)率はatezolizumab群31%、ドセタキセル群21%と、atezolizumab群で高かった。LTS患者の割合をみると、atezolizumab群では28%、ドセタキセル群では18%であった。LTS患者は、女性、非扁平上皮がん、PS良好例で多くみられた。 LTS患者の組織別の2年OS率をみると、非扁平上皮がんでは、atezolizumab群35%、ドセタキセル群24%であった。扁平上皮がんでは、atezolizumab群20%、ドセタキセル群12%であり、いずれもatezolizumabで高かった。 LTS患者のPD-L1発現状況別の2年OS率をみると、もっともPD-L1発現が高いTC3 or IC3群(PD-L1陽性:腫瘍細胞の50%以上または免疫細胞10%以上)においては、atezolizumab群43%、ドセタキセル群17%、TC2/3 or IC2/3群(PD-L1陽性:腫瘍細胞または免疫細胞の5%以上)においては、atezolizumab群35%、ドセタキセル群23%、TC1/2/3 or IC1/2/3群(PD-L1陽性:腫瘍細胞または免疫細胞の1%以上)においては、atezolizumab群32%、ドセタキセル群24%、TC0 and IC0群(PD-L1陽性:腫瘍細胞と免疫細胞の1%未満)においては、atezolizumab群30%、ドセタキセル群18%であった。いずれの発現状況でもatezolizumabがドセタキセルに比べて高かったが、atezolizumabではとくにPD-L1高発現群で良好な傾向にあった。 各群のLTSとNon-LTS患者の奏効率(ORR)を比較すると、atezolizumab群はそれぞれ39%と14%、ドセタキセル群ではそれぞれ32%と9%であり、いずれもLTS患者で高かった。 atezolizumab群でbeyondPD治療を受けた割合は、LTS患者では62%、Non-LTS患者では45%であった。LTS患者には早期にPDとなった症例も含まれており、長期生存とbeyondPD治療の関連が示唆される。 atezolizumabのGrade3~4の治療関連有害事象(TRAE)の発現はLTS患者で39%、Non-LTS患者で38%と、LTS患者で大幅に治療期間が長いにも関わらず同等であった。TRAEによる治療中止はLTS患者で8%、Non-LTS患者でも8%であった。 atezolizumabはドセタキセルに比べ、優れた2年生存を示し、このベネフィットは組織型、腫瘍縮小効果、PD-L1発現を問わず一貫していた。■参考OAK試験(Clinical Trials.gov)■関連記事非小細胞肺がんへのatezolizumab、OAK試験の日本人解析/日本肺学会2017抗PD-L1抗体atezolizumab、非小細胞肺がんのOSを延長/Lancet

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日本の肺がん患者さんを一人でも多く助けたい 第9回【肺がんインタビュー】

第9回 日本の肺がん患者さんを一人でも多く助けたい近年の肺がん治療の分野で大きな変化をもたらしてている企業の1つであるアストラゼネカ。肺がんにおける世界の開発状況も含め、アストラゼネカ・グローバル医薬品開発担当エグゼクティブバイスプレジデント兼チーフメディカルオフィサー Sean Bohen氏に単独インタビューした。FLAURA試験の結果について、欧米の臨床医の反響はどのようなものですか?アストラゼネカ・グローバル医薬品開発担当エグゼクティブバイスプレジデント兼チーフメディカルオフィサー Sean Bohen氏臨床医および治験担当医は、FLAURA試験によって示された、主要評価項目であるPFSの50%リスク減という結果を説得力あるものと受け取ったようです。興味深いことに、副次的評価項目のOSは、イベント到達率は現時点まだ25%にもかかわらず、生存曲線は2群間で既にはっきりと離れています。ESMOでの発表からあまり時間が経っていないにもかかわらず、米国NCCNのガイドラインでは、FLAURA試験結果を基に、最近、オシメルチニブをEGFR変異肺がんの1次治療に組み入れました。エビデンスレベルの分類はカテゴリー2Aと、高く評価されています。FLAURA試験OSデータ発表の予定は?OSデータの取得はイベントの蓄積状況によりますので、今のところ時期は定かではありませんが、2019年中に発表できることを期待しています。FLAURAは1次治療の試験ですので、PD後の治療がOSデータに大きなインパクトを与えます。後治療への適格患者さんは非常に多くおり、幸いにもオシメルチニブ群の患者さんは長期生存する方が多くみられます。一方で、この有効性がOSに到達するまでの期間を長くしています。オシメルチニブは1次治療で有望な結果が出ました。しかし、一方でオシメルチニブが耐性になると現在は手段がありません。オシメルチニブの耐性対策として他剤併用などの試験は行っていますか?画像を拡大するsavolitinib関連のトライアルが発表された第18回世界肺学会当社のパイプラインにはsavolitinibというMET阻害薬があります。MET増幅はEGFR阻害薬の耐性に特徴的なメカニズムですので、オシメルチニブとsavolitinibの併用は科学的に合理性があります。今回の世界肺学会では、オシメルチニブとこのsavolitnibuをEGFR変異陽性でMET増幅を有する患者さんを対象にした第I相b試験のTATTON trialの結果が発表され、期待できる有効性が示されました。また、savolitinibとの併用は、同様の患者さんを対象にゲフィチニブでも行われています。EGFR-TKIとMET-TKIの併用がオシメルチニブによる獲得耐性を治療できるのか、あるいはこの2剤の併用が、耐性獲得そのものを抑制できるのか、この試験には2つの問いがあります。まだ答えは出ていませんが、発展的なテーマだといえます。そのほかのオシメルチニブの試験について教えていただけますか?手術可能なEGFR変異NSCLC患者さんの術後補助療法として、ADAURA試験が進行中です。Stage IIIでは、術後補助療法を行っても多くの患者さんが再発してしまうという問題がありますが、腫瘍を切除したEGFR変異の患者さんにオシメルチニブを加えることで、再発を防ぐ、あるいは遅らせることができるかを検討しています。そうすることができれば、患者さんの貴重な時間をより延長できます。また、このセッティングでは治療が長期にわたる患者さんもおられます。そういった患者さんはQOLの維持が非常に重要な課題となってきますので、忍容性の高い薬剤を用いることが重要です。つまり、オシメルチニブの特性を生かせる分野だと思います。貴社の抗PD-L1抗体durvalumabのPACIFIC試験の結果が大きな反響を呼んでいます。この試験の対象となった手術不能なStage IIIのNSCLCでの問題はどのようなものでしょうか?画像を拡大するPACIFIC試験が発表されたESMO2017切除不能Stage III NSCLCにおける標準療法は化学放射線同時併用療法(CCRT)です。しかし、この治療法の成績は芳しくなく、治癒または長期生存が得られる患者さんは15%程度です。CCRTについては、強化放射線療法、化学療法の強化、放射線と化学療法の逐次投与など、幾多の研究がなされたものの、生存率向上につながる成果は得られず、過去約20年間にわたり、ほとんど進展はありませんでした。このため、CCRTの終了後の標準療法(SOC)は経過観察に留まっています。観察だけなのであれば、患者さんの再発までの期間をできるかぎり延長する治療を提供することができないか、との考えから実施したのがPACIFIC試験です。CCRT後のSOCである経過観察に対し、durvalumabによる維持療法が生命予後を改善するか、。というテーマに対し、試験結果はご存じのとおりで、durvalumab群は、進行と死亡のリスクを有意に減らしました。OSデータはまだ未到達ですが、良好な傾向が見られており、今後も試験を継続していきます。PACIFIC試験からは多くの学びがありました。durvalumabの安全性についても評価を行い、高い忍容性と毒性の低さを確認することができました。治療が長期におよぶセッティングにおいては、これらの要素は重要です。今回の試験で確認できたdurvalumabの安全性プロファイルは、durvalumabがより幅広い状況下で使用される可能性を示しています。durvalumabは今後どのような試験が行われる予定ですか? 他薬剤との併用などを含め教えていただけますか?非小細胞肺がんではMYSTIC試験があります。この試験はStage IVの1次治療で、durvalumabまたはdurvalumab+抗CTLA-4抗体tremelimumabと標準化学療法であるプラチナダブレットの治療成績を比較したものです。本年(2017年)、主要評価項目の1つであるPFSの結果を発表しました。エンドポイントを達成することはできませんでしたが、免疫チェックポイント阻害薬ではより重要視されるOSを別の主要評価項目として試験を継続中であり、来年の上半期には結果を発表できる予定です。また、Stage IVの1次治療では、durvalumab単独またはdurvalumab+tremelimumabと標準化学療法の併用と、標準化学療法単独を比較したPOSEIDON試験も進行中です。さらに、中国を中心にStage IVのPD-L1発現患者の1次治療としてdurvalumab単独と標準化学療法を比較したPEARL試験が進行中です。一方、腫瘍を切除した患者さんに対する免疫チェックポイント阻害薬の効果も検討しています。durvalumabの術後補助療法の有効性についてNational Cancer Institute of Canadaが主体となって研究を行っています。この試験はdurvalumabまたはdurvalumab±tremelimumab術後アジュバントと化学療法によるアジュバントの比較をみるもので、現在患者登録中です。小細胞肺がんでは、進展型の1次治療でdurvalmab単独またはdurvalmab+tremelimumabと標準化学療法(エトポシド+シスプラチン/カルボプラチン)の併用と標準化学療法単独を比較したCASPIAN試験が進行中です。肺がん治療薬の開発計画について教えていただけますか?AstraZenecaにとってオンコロジーは戦略的に非常に重要な疾病領域であり、とくに、肺がん領域は、durvalumab、tremelimumab、前述のsavolitinibをはじめ多くのパイプラインが控えています。また、重要な開発基盤の1つにがん細胞のDNA損傷修復不全をもたらすPARP阻害薬があり、まだ早期開発段階ながら、今後、肺がんにおいても臨床化の機会があるかも知れません。抗PD-1、PD-L1薬で多くの患者さんを助けられるようになりましたが、まだ十分とは言えません。免疫腫瘍の分野でも、免疫システムをより有効に活用する抗CD-73抗体、TLR7、アデノシンをターゲットとした小化合物などの多くのパイプラインがあります。貴社にとって日本市場の重要性は?日本は、アストラゼネカが持続的な成長を維持していくうえで、非常に重要な国です。当社にはオンコロジーをはじめ、5つの成長基盤があり、その1つを日本としています。日本は、5つの成長基盤に掲げられている唯一の国です。日本の重要性はビジネス観点からも多くあげられますが、サイエンスの観点からも示すことができます。たとえば、オシメルチニブの対象となるEGFR変異NSCLCは、欧米よりも日本をはじめとするアジアではるかに多く患者さんがおり、当社が果たす貢献が大きい地域といえます。以前は、患者さんのリクルートがネックとなり、日本がグローバル試験に参加できないことがありました。しかし、最近のFLAURAやPACIFICでは、日本も主要国の1つとしてグローバル試験に組み込まれるようデザインされており、以前のようにローカルで別の試験を行う必要はなくなりました。実際、日本はオシメルチニブのグローバル第I相・第II相試験から参加し、その結果、日本は米国での承認からわずか4ヵ月の差で承認を取得しました(米国2015年11月、日本2016年3月)。また、オシメルチニブは、第I相試験から承認まで4年未満と非常に短期間での開発を実現しましたが、その過程において、日本から多くの患者さんがリクルートされ、開発を後押ししました。当社のゴールはグローバルと日本の申請を同時に行うことですが、そのゴールに限りなく近付いています。当社は、新たな治療を待ち望む日本の患者さんを待たせてはいけないと思っています。そして、より多くの患者さんを助けることができるよう、1日も早い申請を目指して開発を進めていきます。参考MYSTIC試験(Clinical Trials.gov)TATTON試験(Clinical Trials.gov)ADAURA試験(Clinical Trials.gov)POSEIDON試験(Clinical Trials.gov)CASPIAN試験(Clinical Trials.gov)Canadian Cancer Trials Group IFCT1401試験(Clinical Trials.gov)

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第1回 開業は最初が肝心!【開業入門】

第1回 開業は最初が肝心!多くの先生方は、医療機関で日々臨床経験を積み、技術を磨かれています。そして、ある程度の年齢になると、「そのまま勤務医を続けるか」、「開業するか」という選択肢が頭をよぎり始めます。「開業」とは、医師が診療所を開設することを意味し、それは一国一城の主になることを意味します。開業するということは、勤務医とは違い、臨床家としてだけではなく、経営者になることも意味します。資金調達や官公庁とのやり取り、職員採用や労務管理といった人材マネジメント、患者集めといったマーケティングなど、多様な経営知識も必要となります。実際、開業された先生方と接していると、開業してから「あの時こうしておけば良かった」とか、「あの人はこう言ったのに全然違った」といった声をよく耳にします。この連載では、これから開業をしようと考えている先生方が、できるだけ残念な経験をされないよう、開業に至るまでのリアルをわかりやすくお伝えすることを目的とします。 まず、初回は、テクニカルな経営知識の前に、図のように診療所の開業に必要な「決めるべきこと」について一緒に学んでいきましょう。図 開業の前段階の思考フロー画像を拡大する理念策定~なぜ開業したいのか?~開業を考える際に、最も重要なことは「診療所の理念」です。これは自分が「どんな診療所を作りたいか」、「どうやって患者さんの役に立ちたいか」、「どういったスタッフと一緒に働きたいか」など、診療所経営の軸や根っことなるべきものです。具体的な戦術である資金調達やスタッフ採用などは、他のスタッフに任せることもできますが、それはすべて理念に基づいて決まってくるものであり、理念は診療所の経営者である「院長」にしか決めることができないものです。開業を考える際は、まずは自身の「思い」や「理想」にしっかりと向き合い、何があっても揺らがない理念を策定する必要があります。覚悟~すべてを背負う気持ちがあるか?~理念を策定した後に決めるべきことは、「診療所を経営する」ということへの覚悟です。覚悟とは単なる心意気といった類のものではなく、すべてを自らで決め、責任を取り、場合によっては、ご自身の家族にも同等の覚悟を決めてもらう必要があります。開業にあたり多くの場合、土地や建物の取得、医療機器の購入などで多額の負債を背負い、スタッフとその家族の生活までも背負うことになります。借入の保証人は家族となる可能性が高く、開業に伴う生活環境の変化などもあると思います。自分自身が重責を背負い、大切な家族にまで覚悟を持つことを強いてでも開業し、理念の達成を目指すと腹をくくる必要があるのです。冒頭でもお伝えしたとおり、勤務医だったときと違い、患者さんと向き合うこと以外にも先生方自身がやらなければならないことが多くなります。院長の覚悟がブレると職員もブレます。開業前にしっかりと覚悟を決めて走り始めなければ、多くの人の人生に影響を与える可能性があることは、肝に銘じておくべきです。今回は開業前に決めておくべき「柱」の部分についてお話しました。次回以降は、先生方が気になる開業準備の実際を具体的かつ詳細に見ていきましょう。

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好酸球性心筋炎の特徴、治療、予後は?

 好酸球性心筋炎は致死性の急性炎症心臓疾患である。この疾患に関する大規模な症例研究や臨床試験は、これまでに報告されていない。米国カリフォルニア大学サンディエゴ校のMicela Brambatti氏ら研究グループは、過去のデータベースから組織的に証明された好酸球性心筋炎を系統的に見直し、好酸球性心筋炎の臨床的な特徴、治療および予後について調査した。Journal of American College of Cardiology誌2017年11月7日号に掲載。好酸球性心筋炎のシステマティックレビュー、組織学的に証明された179例が対象に 本研究では、好酸球性心筋炎の原因となった状態(特発性、過敏性、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症、好酸球性症候群関連好酸球性心筋炎など)に応じて、組織学的に証明された好酸球性心筋炎の頻度、臨床的な特徴、診断に至る所見、治療戦略を明らかにすることを目的とした。著者らは、MEDLINEとEMBASEで2017年6月までに発表された好酸球性心筋炎に関する症例報告443例をスクリーニングした。続いて264例を同定し、組織学的に証明された好酸球性心筋炎で入院となった179例を主要な解析に組み入れた。平均年齢41歳、院内死亡率は22.3%で過敏性心筋炎が最多 平均年齢の中央値は41歳(四分位範囲:27~53歳)で、男女の割合は同様であった。小児(16歳以下)の症例は10.1%であった。受診時の主要な症状として、息切れが59.4%で、末梢血の好酸球増加は75.9%で認められた。左室駆出率(LVEF)の平均中央値は35%(四分位範囲:25~50%)。好酸球性心筋炎と最も高頻度に関連が認められたのは、過敏性心筋炎と好酸球性多血管性炎性肉芽腫症で、それぞれ、34.1%と12.8%を占めた。一方、特発性もしくは原因疾患を特定できないものが35.7%を占めた。ステロイドは77.7%の患者に投与された。一時的な機械的循環サポート(n=30)は16.8%の症例で使用された。院内死亡は22.3%(n=40)で、最も死亡率が高かったのは過敏性心筋炎によるものであった(36.1%、p=0.026)。正確な病態の把握、予後の改善には多施設レジストリが必要 報告バイアスの影響で、死亡率が高く見積もられている可能性はあるが、好酸球性心筋炎は急性期において予後不良であり、関連する病態は約65%の症例で報告されていた。著者らは、エビデンスに基づいた治療や院内死亡率の改善を図るには、この疾患に限定した試験や多施設のレジストリが必要であるとまとめている。(カリフォルニア大学アーバイン校 循環器内科 河田 宏)関連コンテンツ循環器内科 米国臨床留学記

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単純性尿路感染症へのNSAID、抗菌薬と比較/BMJ

 単純性下部尿路感染症(UTI)の女性患者において、ジクロフェナクの使用は抗菌薬の使用を減らすが、ノルフロキサシンと比較して症状軽減に関して劣性であり、腎盂腎炎のリスクを増大させる可能性が、スイス・ベルン大学のAndreas Kronenberg氏らによる無作為化二重盲検非劣性試験の結果で示された。著者は、「選択的な抗菌薬使用の開発と検証を、今後の試験で行うことが必要だ」と述べている。BMJ誌2017年11月7日号掲載の報告。スイス17施設253例の女性患者を対象にジクロフェナク vs.ノルフロキサシン 研究グループは、単純性下部UTIの女性患者の治療として、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)は抗菌薬に対し非劣性なのか、またNSAIDの処方が外来治療における抗菌薬の処方を減らす好機となっているか調べる検討を行った。 スイスの一般診療所17ヵ所で登録した、症候性の単純性下部UTIの女性患者253例を、NSAIDのジクロフェナク投与群(133例)と抗菌薬のノルフロキサシン投与群(120例)に、無作為に割り付けて追跡評価した。 主要アウトカムは、3日目時点(無作為化後72時間、試験薬を最後に服用してから12時間後)で評価した症状の軽減。事前規定の主要副次アウトカムは、30日時点までのあらゆる抗菌薬(試験薬のノルフロキサシンやホスホマイシンなど)の使用であった。intention to treat解析で評価した。ジクロフェナク群の非劣性認められず、同群のみで腎盂腎炎発生 3日目に症状軽減が認められたのは、ジクロフェナク群72/133例(54%)、ノルフロキサシン群96/120例(80%)であった(リスク差:27%、95%信頼区間[CI]:15~38、非劣性のp=0.98、優越性のp<0.001)。症状回復までの期間中央値は、ジクロフェナク群4日、ノルフロキサシン群2日であった。 ジクロフェナク群の82例(62%)、ノルフロキサシン群の118例(98%)が、30日時点までに抗菌薬を使用した(リスク差:37%、95%CI:28~46、優越性のp<0.001)。また、ノルフロキサシン群では認められなかったが、ジクロフェナク群では6例(5%)が腎盂腎炎の臨床診断を受けた(p=0.03)。

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ドイツ製人工網膜、初の研究者主導臨床試験

 末期網膜色素変性症患者を対象にして行った、人工網膜Alpha AMS(Retina Implant AG社、ドイツ)に対する研究者主導臨床試験の成績が、英国・オックスフォード大学のThomas L. Edwards氏らにより初めて報告された。6例中5例で視機能が改善し、最長24ヵ月まで持続していることが認められた。好成績が示された要因について著者は、「埋植手術はなおチャレンジングなものだが、光干渉断層撮影(OCT)ガイダンスのような新しい技術の開発により、手術手技を改良することができた」と述べている。Ophthalmology誌オンライン版2017年10月27日号掲載の報告。 研究グループは、無光覚の末期網膜色素変性症患者6例を対象に、Alpha AMSをより悪いほうの眼に埋植し、埋植眼のAlpha AMSシステムオフ時の残存視覚をオン時の視覚機能と比較する研究者主導臨床試験を行った。適格基準は、12歳以上で、重大な眼または全身の合併症がなく、過去に正常な視力を有していた者とした。 埋植の1、2、3、6、9および12ヵ月後に、物体認識試験、歩行性自己評価質問票、Basic Light and Motion(光の明滅、視標の位置および動きなどの認識に関するテスト)、縞視力テスト、グレースケールコントラスト識別テストから成る視力評価を行った。全視野刺激試験(FST)も行われた。 主要評価項目は、日常生活動作、認識タスクおよび光覚評価の改善であった。 主な結果は以下のとおり。・6例全例で埋植が成功した。・全例において、システムオンにより光覚と時間分解能が得られた。・1例(症例No.4)以外の5例において、システムオンで光の局在化が認められた。・症例No.4は、手術時の医原性インプラント損傷および不正確な埋植が組み合わさり、チップが最適に機能していなかった。・5例でシステムオンにより縞視力が回復し、1回で0.1~3.33サイクル/度(視角1度に含まれる格子のサイクル数)の範囲であった。 ・システムオフ時には見えないテーブル上の高コントラストの物体を見つける能力は、1例(症例No.4)を除く全例で、システムオン時に部分的に回復した。・有害事象として、結膜びらん2例および下耳側黄斑網膜剥離1例を認めたが、いずれも回復した。また、埋植術中の不注意な損傷が2例生じた(症例No.3、4)。

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医薬品・医療機器メーカーから米国医学雑誌編集者への金銭授受の実態(解説:折笠秀樹氏)-768

 医学雑誌から著者に対しては、ICMJE様式にのっとってCOIの開示を求めている。その一方で、医学雑誌の編集者のCOIはあまり開示されていない。そこへ切り込んだ調査結果である。 米国医学雑誌は超有名なものばかり52誌を取り上げ、総計713名の編集者を対象にした個人宛の謝金額と研究費支払いに関する調査結果である。米国では、法律で企業から医学研究者への支払い明細を報告する義務があるので、そのデータベースを用いた。 医学雑誌編集者の51%が、医薬品・医療機器メーカーから金銭を受け取っていた。また、20%は研究費の支払いを受けていた。New England Journal of Medicine(NEJM、2016年インパクトファクター=72.4)では年平均で約15,000円(個人宛)・0円(研究費)なのに、JAMA(同インパクトファクター=44.4)では年平均で約73万円(個人宛)・970万円(研究費)のように、年間の金銭授受額がかなり違うのには驚いた。もちろん、中央値や75%値はほぼ0円なので、超多額の金銭を受け取っている編集者が少数いたのだろう。 なお、NEJMまたはJAMAで個人宛謝金の年間最高額は約900万円であった(編集者総数は51名)。それに対して、循環器専門雑誌であるJournal of the American College of CardiologyまたはCirculation誌では個人宛謝金は年間最高12.5億円にも達しており(編集者総数は52名)、にわかに信じがたい数字だった。逆に、病理専門雑誌であるAmerican Journal of PathologyまたはAmerican Journal of Surgical Pathology誌では最高9,000円と小額だった(編集者総数は14名)。専門領域(subspecialties)によって、メーカーからの謝金や研究費の支払い額には格差が非常に大きかった。 優秀な編集者を選出しようとすると、どうしてもメーカーとの関係が強い研究者が多くなる。かといって業績のない研究者を選出するのは不適当である。これはある意味ジレンマであるともいえる。それでは、どのように改善すればよいだろうか。PMDAの専門委員では、年間50万円以上受け取っていると名前が開示される。また、年間500万円以上受け取っていると当該審査に関与できない。これらの例から考え、編集者のCOIはすべて雑誌上で公開し、企業とのCOIが多大だと編集長(editor in chief)になれないような規則が必要ではないだろうか。編集長はすべての論文審査に責任を負うので、当該論文だけ審査をしないということは不可能だからである。

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第3世代EGFR-TKI ASP8273のアジア人既治療患者における成績/WCLC2017

 ASP8273は、EGFR 活性化変異やEGFR-TKI耐性変異に対する活性を持つ、第3世代EGFR-TKIである。横浜で開催された第18回世界肺がん学会(WCLC)で、サムスン医療センターのKeunchil Park氏が、ASP8273の第I/第II相試験の結果について発表した。 本試験は、2段階で実施された用量漸増/用量拡大試験で、1ライン以上のEGFR-TKI治療歴のある進行非小細胞肺がん(NSCLC)患者が対象。第I相試験は、EGFR変異(Ex19del/L858R)陽性の日本人患者が組み入れられ、主な目的はASP8273の安全性の評価と最大耐量(MTD)、第II相試験での推奨用量(RP2D)を決定することであった。第II相試験は、T790M陽性の日本・韓国・台湾の患者が組み入れられ、中央判定による客観的奏効率(ORR)、病勢コントロール率(DCR)、無増悪生存期間(PFS)、安全性などが評価された。 全体で121例(第I相:45例、第II相:76例)の患者を登録、年齢中央値は第I相が65歳(28~78歳)、第II相が63歳(39~83歳)であった。第I相試験の結果、MTDおよびRP2Dはそれぞれ400mg、300mg。第II相試験における24週でのORRは42%(95%信頼区間[CI]:30.9~54.0)、DCRは80%(95%CI:69.5~88.5)であった。PFS中央値は、8.1ヵ月(95%CI:5.6~-)だった。 第II相試験における全Gradeの治療関連有害事象(AE)発現率は、93%。発現頻度が高い項目は、下痢(57%)、低ナトリウム血症(29%)、ALT増加(29%)などであった。Grade3以上の治療関連AE発現率は38%だった。

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「朝食を摂ると余計に太るんじゃない?」という患者さん【Dr. 坂根の糖尿病外来NGワード】第10回

■外来NGワード「そんなことはありません…」(頭から否定の指導)「食事は3食、規則的にすることが大切です」(理想論を展開する指導)「朝食を必ず摂るようにしなさい!」(朝食欠食の理由を確認しない指導)■解説 肥満を伴う糖尿病の患者さんから「今は朝食を摂っていないが、朝食を摂ったら余計に太るんじゃない?」と質問されることがあります。朝食を抜いている人に対して、朝食を摂るようにしてもらうためには、どのように指導したらいいのでしょうか。朝食を摂らない習慣があると、肥満していたり、体重が増加しやすいことは横断研究やコホート研究ですでに示されています1)。そして、習慣的に朝食を摂らない人には、何らかの理由があります。夕食の時間が遅い、または夕食の量が多い、朝食を摂る時間がない、朝は空腹でない、朝食を作ってくれる人がいない、などなど考えられます。時間栄養学の観点では、同じカロリーの食事であっても遅い時間帯に食事をすると脂肪や血糖に悪影響を及ぼすことがわかっています2)。まずは、朝食を摂らない理由(夜の食事が遅い、ドカ食いなど)を確認します。次に、そんな人でもできるダイエット法があることを説明します。そして、夜の食事を早めに、あるいは少な目にし、おいしく朝食が摂られる対策を患者さんと一緒に立てることができるようになるといいですね。 ■患者さんとの会話でロールプレイ患者今よりも朝食でカロリーを摂ったら、余計に太るんじゃないですか?医師そう思われている人も多いですね。患者そうじゃないんですか?医師中には朝食を摂るようにしたら、痩せてきた人もいますよ!患者えっ、その違いは何ですか?医師まずは、朝食を摂らない理由を教えてもらってもいいですか?患者仕事で夜の食事が遅いので、朝はあまりお腹が空いていないんですよね。それに朝は、ゆっくりと食べる時間もなくて…。医師確かに、それだと朝は食べる気が起きませんよね(共感)。患者そうなんです。医師最近、「時間栄養学」という考え方があって、同じカロリーのものでも、食べる時間帯によって脂肪や血糖に与える影響が違うそうです(「時間栄養学」という専門用語をわざと用いて、食べるタイミングが大切であることを説明)。患者やっぱり、夜遅い食事がよくないんですね。何とかしないと…痩せた人はどんな風にされたんですか?医師その人は仕事でどうしても夕食が遅くなるので、空腹で家に帰るとドカ食いされていました。患者あっ、それ私です!医師ところが、夕方におにぎりを食べて、家に帰ってからは少な目の夕食にされたんだそうです。奥様に頼んで軽めの夕食を用意してもらっていたら、朝にはきちんとお腹が空いて食べられるようになったそうです(第三者の話として伝える)。患者なるほど。それぐらいなら、できそうです。うちに帰って嫁と相談してみます。■医師へのお勧めの言葉「中には朝食を摂るようにしたら、痩せてきた人もいますよ!」1)Horikawa C, et al. Prev Med.2011;53:260-267.2)Garaulet M, et al. Physiol Behav.2014;134:44-50.

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04)エアゾール製剤+スペーサー【手順編】【吸入薬使い方ガイド】

※上の画像をクリックすると別のウィンドウにて「環境再生保全機構」の動画ページが開きます。■今回の内容今回は、エアゾール製剤とスペーサーを使用した吸入手順を説明します。手順としては、キャップをはずし、吸入器をよく振る→スペーサーに吸入器をはめ、スペーサーのキャップをはずす→十分に息を吐く→スペーサーの吸入口をくわえます→ボンベを1回押すと同時に3秒間かけて、普通の呼吸で深く吸入する(そのとき舌を下げて喉の奥を広げます)→吸入器をはずし、口を閉じ3~5秒息を止める→鼻からゆっくり息を吐く→スペーサーをくわえたまま、ゆっくり呼吸をします→うがいをする(口中3回、喉の奥3回)。●主な製剤(2015年3月時点のデータ)フルティフォーム、アドエア、フルタイド、オルベスコ、キュバール、など。

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摂食障害プログラム、オランザピンの使用は

 顕著な障害や発育への影響に関連する摂食障害である回避性・制限性食物摂取症(ARFID)に対する薬理学的治療についての情報はほとんどない。米国・サウスカロライナ医科大学のTimothy D. Brewerton氏らは、ARFIDに対する薬物療法に関して臨床報告を行った。Journal of child and adolescent psychopharmacology誌オンライン版2017年10月25日号の報告。 オランザピンの補助的投与と摂食障害(ED)プログラム(在宅、部分的入院、集中外来ケア)で治療されたARFID患者9例について、レトロスペクティブチャートレビューを行った。 主な結果は以下のとおり。・オランザピン平均初回投与量は0.9+0.63mg/日、オランザピン平均最終投与量は2.8+1.47mg/日であった。・オランザピン投与前後の体重増加(3.3±7.3lb対13.1±7.9lb[2.99±6.62lb SI対11.88±7.17lb SI])に、有意な差が認められた(対応t検定:p<0.04、t=-2.48)。・オランザピンの補助的投与は、体重増加だけでなく、不安、抑うつ、認知機能の改善に有用であった。・オランザピンの補助的投与を行った患者では、臨床全般印象評価尺度(CGI)スコアの改善が認められた。 著者らは「ARFID患者に対する低用量オランザピン補助的投与は、食生活の改善や体重増加、および不安、抑うつ、認知機能の改善が期待できる。将来、ARFID患者を対象とした無作為化プラセボ対照試験が望まれる」としている。■関連記事オランザピン誘発性体重増加のメカニズム摂食障害への薬物療法、最新知見レビュー小児攻撃性に対する抗精神病薬の効果~メタ解析

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アトピー性皮膚炎児、睡眠障害の原因は?

 アトピー性皮膚炎(AD)を有する小児の60%は、睡眠が妨げられているとされる。米国・Ann & Robert H. Lurie小児病院のAnna B. Fishbein氏らは、症例対照研究において、中等症~重症アトピー性皮膚炎の小児は健常児に比べ、就寝・起床時間、睡眠時間、睡眠潜時は類似していたものの、中途覚醒が多く睡眠効率が低いことを明らかにした。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2017年10月28日号掲載の報告。 研究グループは、中等症~重症アトピー性皮膚炎小児の睡眠の特徴ならびに睡眠障害の評価法を検討する目的で、6~17歳の中等症~重症アトピー性皮膚炎患児19例および年齢と性別をマッチさせた健常対照児19例を比較した。参加者は腕時計型のアクチグラフを装着し、睡眠および疾患特異的質問票に記入した。 主な結果は以下のとおり。・AD患児は、中途覚醒(WASO)時間が103±55分であったのに対して、対照児は50±27分であった。・AD患児は対照児より、睡眠時体動、日中の眠気、夜間の再入眠困難および教師の報告による日中の眠気の頻度が高かった。・重症度は、WASOとよく相関した。総SCORADスコア:r=0.61(p<0.01)、客観的SCORADスコア:r=0.58(p=0.01)、湿疹面積・重症度指数(EASI):r=0.68(p<0.01)。・小児皮膚疾患のQOL評価尺度はWASOと相関した(r=0.52、p=0.03)が、自己報告による痒みの重症度とは相関しなかった(r=0.28、p=0.30)。

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化学療法制吐薬としてのオランザピンの本邦第II相試験/IJCO

 近年、がん化学療法に対する制吐薬としてのオランザピンの研究結果が報告されている。本邦においても、高度催吐性化学療法に対する、オランザピンの多施設無作為化二重盲検第II相用量設定試験が行われ、国立がん研究センター中央病院の矢内 貴子氏らがInternational Journal of Clinical Oncology誌に結果を報告した。 対象は、固形がんでシスプラチン50mg/m2以上の高度催吐性化学療法を受けている患者。登録患者は、無作為に標準的制吐療法(アプレピタント、パロノセトロン、デキサメタゾン)+オランザピン5mg/日、または標準的制吐療法+オランザピン10mg/日(両群ともオランザピンは1日目~4日目投与)に、無作為に割り付けられた。主要評価項目は遅発性嘔吐(シスプラチン投与後20~12時間)に対する完全奏効(嘔気なしか救済治療なし)率。 主な結果は以下のとおり。・153例の患者が5mg(n=77)と10mg(n=76)に無作為に割り付けられた。・遅発相における完全奏効率は、オランザピン10mg群では77.6%(80%CI:70.3~83.8、p=0.01)、5mg群では85.7%(80%CI:79.2~90.7、p<0.01)であった。・頻度の高い有害事象は眠気で、10mg群では53.3%、5mg群では45.5%の発現率であった。 オランザピン10mg、5mg群とも遅発性嘔吐に対して有意な改善を示したが、完全奏効率と眠気の少なさからオランザピン5mgが第III相以降の推奨用量となった。■関連記事高度催吐性化療の制吐薬としてオランザピン/NEJM

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トロポニン検査、陽性適中率を上げる方法は?/BMJ

 高感度心筋トロポニン検査を、幅広く、事前の臨床評価もなく行った場合、トロポニン値の上昇を認める患者がよくみられ、その大部分は心筋梗塞よりも心筋障害を反映したものであることが明らかにされた。英国・エディンバラ大学のAnoop S. V. Shah氏らが、ヘルスケア設定が異なる患者集団を対象とした前向きコホート試験の結果で、BMJ誌2017年11月7日号で発表した。高感度心筋トロポニン検査は心筋梗塞の診断を改善するが、急性冠症候群を伴わない患者の心筋障害検出を増大する可能性が示唆されていた。非選択集団(英国)、選択的集団(英米国)で、陽性適中率を検証 研究グループは、高感度心筋トロポニン検査を受ける患者の選択方法が、心筋梗塞の診断に与える影響を調べた。英国と米国の2次および3次機能病院で高感度心筋トロポニンIの測定を受けた、3つの独立した連続患者集団(計8,500例)を前向きに評価した。具体的には、緊急部門を受診し検査を受けた非選択的患者集団(英国1,054例)と、主治医の要請で検査を受けた2つの選択的集団(英国5,815例、米国1,631例)であった。 被験者を、それぞれの定義に基づき判定した最終診断で、Type1心筋梗塞(定義:急性冠症候群が疑われる心筋壊死と心電図上で心筋虚血の所見を認める)、Type2心筋梗塞(定義:頻拍性不整脈、低血圧症、貧血などによる心筋虚血と心筋壊死を認める)、心筋障害(定義:心筋虚血のあらゆる特性が認められないが心筋壊死が認められる)に分類し評価した。 主要評価項目は、Type 1心筋梗塞の診断に関する心筋トロポニン値上昇(>99thパーセンタイル値)の陽性適中率であった。99thパーセンタイル値上限参照値は、男性34ng/L、女性16ng/Lであった。選択的集団でも陽性適中率に差 心筋トロポニン値上昇は、非選択的患者群では13.7%(144/1,054例)で認められた。Type1心筋梗塞の有病率は1.6%(17/1,054例)で、陽性適中率は11.8%(95%信頼区間[CI]:7.0~18.2)であった。 一方、選択的患者群については、英国の患者群で心筋トロポニン値上昇が認められたのは24.1%(1,403/5,815例)。Type1心筋梗塞の有病率は14.5%(843/5,815例)で、陽性適中率は59.7%(95%CI:57.0~62.2)であった。米国の患者群では25.4%(415/1,631例)、Type1心筋梗塞の有病率は4.2%(68/1,631例)で、陽性適中率は16.4%(95%CI:13.0~20.3)であった。 2つの選択的患者群で、陽性適中率が最も高かったのは胸痛、心電図上での虚血、虚血性心疾患歴のある患者であった。 著者は、「今回観察された所見は、さまざまなヘルスケア設定がある中で心筋トロポニン検査について“患者の選択方法”が重要で、それが心筋梗塞の診断に関する陽性適中率に著しい影響を与えることを示すものであった」とまとめている。

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昔の日本人は偉かった!(解説:後藤信哉氏)-766

 第2次世界大戦後の荒廃の中でも、研究意欲を持ち続けた日本人研究者は多かった。岡本 彰祐・歌子ご夫妻は特筆されるべき存在である。線溶系に着目して彼らが開発した薬剤にトラネキサム酸がある。開発の経緯は『世界を動かす日本の薬』(岡本 彰祐 編著. 築地書館. 2001年)に詳しい。線溶を担うプラスミンの酵素機能を阻害する画期的薬剤である。筆者の世代の臨床医は、止血にアドナ・トランサミンを使うことが多かった。論理的には止血効果を期待できる薬剤であるためだ。日本は巨大企業が利益を独占するEvidence Based Medicineの論理に乗り遅れた。せっかくの薬剤もエビデンスがないとして広く使用されない現状にある。 英国人は視座が時間的に広い。Antithrombotic Trialists’ Collaboration、Cholesterol Treatment Trialists’ Collaborationにて過去の臨床データを徹底的に集めていることは、読者も広くご存じと思う。今回はAntifibrinolytic Trials Collaborationにて線溶阻害薬の臨床データを徹底して集めた。本研究は止血効果があると想定されたトラネキサム酸に、臨床的にも止血効果があることを40,138例ものメタ解析にて示した。 日本人の記憶は短いとされる。岡本 彰祐・歌子ご夫妻の御功績はトラネキサム酸にとどまらず、現在のNOACのもとになった選択的トロンビン阻害薬アルガトロバンの開発にも及ぶ。日本血栓止血学会では両先生の御功績を記念して岡本賞(Shosuke Award、Utako Award)の顕彰を始めた。こつこつ努力して素晴らしいものづくりをするが、宣伝が下手な日本人研究者の業績を拾い上げた英国は、大英帝国の余力を持った戦略国家である。NOACのみならずスタチンも日本の発明である。医学の世界における日本の貢献は特筆すべきである。あらためて「昔の日本人は偉かった!」

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クリゾチニブ抵抗性ALK肺がんにおけるbrigatinibの成績:ALTA/WCLC2017

 ALK陽性非小細胞肺がん(NSCLC)では、ほとんどの患者が耐性を獲得し進行する。クリゾチニブ治療後における第2世代ALK-TKI治療のPFSも1年に満たない。brigatinibはALK耐性変異に幅広い活性を示すべくデザインされた次世代のALK-TKIである。第18回世界肺学会(WCLC)では、クリゾチニブ耐性進行ALK肺がんにおけるbrigatinibの第II相ALTA試験の1.5年の追跡結果について、韓国・Samsung Medical CenterのMyung-Ju Ahn氏が発表した。 ALTA試験は無作為オープンラベル用量漸増試験。クリゾチニブで進行した局所進行または転移ALK陽性NSCLCをbrigatinib 90mg/日群(n=112)とbrigatinib180㎎/日群(n=110)に無作為に割り付け、進行するか許容できない毒性が現れるまで治療継続された。主要評価項目は治験担当医の評価による奏効率(ORR)。副次評価項目は独立放射線審査委員会(IRC)によるORR、IRCによるCNS奏効、奏効期間(DOR)、全生存期間(OS)、無増悪生存期間(PFS)安全性、忍容性など。 患者背景は両群で同様であった。患者の平均年齢は54歳、女性57%、白人67%(アジア人31%)、喫煙歴は非喫煙・不明が61%、ベースライン時の脳転移は69%に認められた。データカットオフ時、90mg群の32%、180mg群の41%が治療継続中であり、追跡期間中央値は、90mg群16.8ヵ月、180mg群18.6ヵ月であった。 brigatinibの治験担当医評価のORRは、90㎎群で46%、180㎎群で55%であった。IRC評価のORRは90㎎群で51%、180㎎群で55%であった。DORは90㎎群で12ヵ月、180㎎群で13.8ヵ月、IRCによるDORは90㎎群13.8ヵ月、180㎎群14.8ヵ月であった。治験担当医評価のPFSは90㎎群で9.2ヵ月、180㎎群15.6ヵ月であった(HR:0.64)。OSは90㎎群で未到達、180㎎群では27.6ヵ月という結果だが、生存曲線は早期から180mg群が上回っていた(HR:0.67)。 頭蓋内ORRは90㎎群(n=26)で50%、180㎎群(n=18)で67%であった。また、頭蓋内PFSは90mg群で16.6ヵ月、180㎎群では未到達であった。 治療関連有害事象(TRAE)は180mgで発現が多い傾向にあった。頻度の高いAEは、下痢、悪心・嘔吐、疲労感、高血圧であったが、ほとんどはGrade1~2であった。投与中止は90mgで4例、180mg群で11例であった。 brigatinibは、クリゾチニブ耐性例に対し、継続して良好な効果と忍容性の高さを示した。180mg群では55%のORRと1年を超える(15ヵ月)PFSを示し、さらに頭蓋内病変に対して67%のORRを示した。■参考ALTA試験(Clinical Trials.gov)

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