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動脈硬化予防の食事

生活習慣を改善して動脈硬化を予防しましょう推奨される推奨されない喫煙有酸素運動(毎日30分以上)過食食塩標準体重の維持魚類アルコールの過剰摂取乳製品未精製穀類果物海藻肉の脂身卵黄大豆製品野菜日本動脈硬化学会編.動脈硬化性疾患予防ガイドライン2012年版Copyright © 2014 CareNet,Inc. All rights reserved.

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非定型うつ病は肥満になりやすい~前向きコホート研究

 うつ病と肥満の関連性はたびたび報告されているが、そのメカニズムや経時的な順序はよくわかっていない。スイス・ローザンヌ大学病院のAurelie M Lasserre氏らは、肥満の発症とBMI・ウエスト周囲径・体脂肪量の変化を調査し、うつ病におけるサブタイプ(メランコリー型、非定型、混合型、特定不能)が肥満発症の予測因子となるかどうかを検討した。その結果、非定型うつ病が肥満の強力な予測因子であることが示された。JAMA psychiatry誌オンライン版2014年6月4日号に掲載。 本研究は人口ベースの前向きコホート研究(CoLaus/PsyCoLaus)で、スイス・ローザンヌ市の住民から無作為に選ばれ、開始時の身体的・精神医学的評価と追跡時の身体的評価を受諾した参加者3,054人を5.5年間追跡した。参加者は2003年時点で35~66歳(平均49.7歳)で、女性の割合は53.1%であった。 本研究では、遺伝研究のための半構造化診断面接を用いて、開始時および追跡時の診断(DSM-IVによるうつ病のサブタイプ)を行い、社会人口学的特性、ライフスタイル(飲酒、喫煙、運動)、薬物療法についても聴取した。また、追跡期間中のBMI・ウエスト周囲径・体脂肪量の変化(開始時の値に対する変化率)や、開始時に肥満ではなかった参加者の追跡期間中の肥満発症率を検討した。体重・身長・ウエスト周囲径・体脂肪量(生体インピーダンス法)は開始時に測定され、訓練されたインタビュアーがフォローアップした。 主な結果は以下のとおり。・開始時に非定型うつ病であった参加者においてのみ、うつ病ではなかった参加者に比べて、追跡期間中に肥満が増加した。・非定型うつ病との関連性は、広範囲の潜在的交絡因子の調整後においても、BMI(β=3.19、95%CI:1.50~4.88)、肥満発症率(オッズ比3.75、95%CI:1.24~11.35)、ウエスト周囲径(β=2.44、95%CI:0.21~4.66)において男女とも有意であり、体脂肪量(β= 16.36、95%CI:4.81~27.92)においては男性で有意であった。 これらの結果から、著者らは「非定型うつ病は肥満の強力な予測因子である」と結論し、臨床および研究で本タイプを同定する必要性を強調している。また、「非定型の特徴を持つうつ病症状がみられるときは、食欲増進への影響が少ない治療方法が提唱される」としている。

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タバコの煙を吸い込む喫煙者の肺がんリスクは3.3倍:わが国の大規模症例対照研究

 欧州の集団では、いくつかの研究でタバコの煙の吸入が肺がんリスクの増加と関連していることが示されている。愛知県がんセンター研究所の福本 紘一氏らは、日本の集団におけるタバコの煙の吸入と肺がんリスクとの関係を明らかにするために、大規模な症例対照研究を実施した。その結果、日本の集団においても、累積喫煙量にかかわらず、タバコの煙を吸い込むことが肺がんリスクであることが示唆された。European Journal of Cancer Prevention誌オンライン版2014年6月6日号に掲載。 組織学的に確認され新たに肺がんと診断された患者を症例群(n=653)とし、対照群(n=1,281)には病院対照(n=453)と地域対照(n=828)を含めた。オッズ比と95%信頼区間(CI)は、年齢、性別、飲酒状況、果物や野菜の摂取量、肺がんの家族歴、職業、教育年数などの基本的な交絡変数を調整し、無条件ロジスティック回帰分析を用いて推計した。 主な結果は以下のとおり。・基本的な交絡因子を調整したオッズ比は、非喫煙者に比べ、タバコの煙を吸い込まない喫煙経験者で1.72(95%CI:1.15~2.59)、タバコの煙を吸い込む喫煙経験者で3.28(95%CI:2.38~4.53)であった。・喫煙経験者に限定すると、基本的な交絡因子と肺がんリスクの累積喫煙量(pack-year)を調整したオッズ比は、煙を吸い込む群が吸い込まない群に比べ1.52(95%CI:1.06~2.18、p=0.021)であった。・腺がん、扁平上皮がん、小細胞がん、および他の組織型でのサブグループ解析においても、統計学的に有意ではなかったが、同様のパターンが認められた。

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眼瞼下垂、老化以外のリスク因子が判明

 眼瞼下垂のリスク因子について、一般にいわれている老化に加えて、「男性」「遺伝子変異」「皮膚色が薄い」「BMI高値」とさらに「現在喫煙」も含まれる可能性が明らかにされた。オランダ・エラスムス大学医療センターのLeonie C. Jacobs氏らが初となる観察研究を行い報告した。眼瞼下垂(または皮膚のたるみ)は高齢者において頻度の高い懸念事項である。これまで老化以外のリスク因子は明らかにされていなかった。JAMA Dermatology誌オンライン版2014年5月28日号の掲載報告。 研究グループは、眼瞼下垂の遺伝的およびそれ以外のリスク因子を明らかにするため、上瞼下垂の症例(眼瞼がまつ毛を覆っている場合を皮膚がたるんでいると定義)をデジタル写真に基づき4つの重症度に分類し検討した。 年齢、性別、皮膚の色、日焼けの状況、女性についてはホルモン状態、また現在の喫煙状態、BMI、日焼け防止の行動について、多変量多項ロジスティック回帰モデルで分析した。遺伝的要因は、遺伝率分析とゲノムワイド関連研究を用いて検討した。 主要評価項目は、眼瞼下垂の重症度で、1(健常対照)~4(重症)で評価した。 主な結果は以下のとおり。・本検討は、オランダ・ロッテルダムの1地区に住む高齢者が参加した「ロッテルダム研究」と、英国全土から双子が参加した「英国成人双子レジストリ(TwinsUK)」の、2つの独立した住民ベースのコホート研究からなった。・ロッテルダム研究にはオランダ人5,578例(平均年齢67.1歳、男性44.0%)、TwinsUKには2,186組の双子(平均年齢53.1歳、男性10.4%)が参加した。・ロッテルダム研究参加者5,578例のうち、皮膚のたるみ(中等度~重度)は17.8%で認められた。・眼瞼下垂の有意で独立したリスク因子として、年齢、男性、皮膚の色が薄い、BMI高値が認められた。・さらに、現在喫煙も有意な関連を示す境界線上に位置していた。・眼瞼下垂の遺伝率は、1,052組の双子から61%と推定された(TwinsUKにおける皮膚のたるみは15.6%)。・両参加者のゲノムワイド関連試験のメタ解析から、rs11876749の有意なCアレル劣性保護作用が示された(p=1.7×10-8)。同遺伝子変異は、皮膚の加齢と関連することで知られるTGIF1(トランスフォーミング増殖因子βの誘発因子)に近接していた。

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喫煙者では血清尿酸値が低いと肺がんになりやすい?

 血清尿酸値が低い喫煙群ではCOPDと肺がんの有病率が高かったことが英国Research Department of Primary Care and Population HealthのLaura J Horsfall氏らにより報告された。Thorax誌オンライン版2014年6月5日の掲載報告。 人間の血清中で抗酸化作用のある分子で最も数の多いものは尿酸である。今回、血清尿酸値と呼吸器疾患の有病率との間に関係があるのか、さらに喫煙状況による影響の変化も含めて調査した。 2000年1月1日~2012年12月31日の間に血清尿酸値が測定されていたコホートを「The Health Improvement Network(THIN)英国プライマリ・ケア・データベース」より抽出した。新たにCOPDと肺がんを診断する場合は診療記録の診断コードで確認した。 主な結果は以下のとおり。・フォローアップ期間中の対象人数は100万2,496人年であり、そのうちCOPDは3,901例、肺がんは1,015例であった。・多変量解析の結果、喫煙群において血清尿酸値と呼吸器疾患の有病率との間に強い負の相関が認められたが(p<0.001)、非喫煙群や過去に喫煙歴のあった群(現在は非喫煙)では、その関係が認められなかった。・1日に20本以上喫煙する群における肺がんで最も強い負の相関が認められ、血清尿酸値が100~250 µmol/Lの群では1万例あたり97例だったのに対し(95%CI:68~126)、438~700 µmol/Lの群では1万例あたり28例であった(95%CI:14~41)。

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抗認知症薬の神経新生促進メカニズムに迫る:大阪大学

 大阪大学の喜多 祐紀氏らは、ガランタミンによる神経新生促進メカニズムについて、マウスを用いて検討した。その結果、ガランタミンはM1ムスカリン受容体およびα7ニコチン性アセチルコリン受容体を介して、神経新生を促進している可能性が示唆されたことを報告した。International Journal of Neuropsychopharmacology誌オンライン版2014年5月12日号の掲載報告。 アセチルコリンエステラーゼ阻害薬のガランタミンは、海馬における神経新生を促進するが、正確なメカニズムはわかっていない。本研究において、ガランタミンがマウス海馬にもたらす急性作用の背景にあるメカニズムを調べた。 主な結果は以下のとおり。・ガランタミン(3mg/kg)は、歯状回の顆粒細胞下層における5-ブロモ-2’-デオキシウリジン(BrdU)-陽性細胞数を増加させた。・本作用は、ムスカリン受容体アンタゴニストのスコポラミンおよび優先的M1ムスカリン受容体アンタゴニストのテレンゼピンにより阻害されたが、ニコチン性受容体アンタゴニストのメカミラミンおよびメチリカコニチンにより阻害されなかった。・ガランタミンは、顆粒細胞下層および顆粒細胞層における神経核(NeuN)-またはグリア線維性酸性タンパク質(GFAP)-陽性細胞数のBrdU-標識細胞数に対する比率を変化させなかった。・ガランタミン(1, 3mg/kg)は、マウス歯状回の顆粒細胞層における2週目の新規分裂細胞の生存を促進したが、1週目および4週目の新規分裂細胞の生存には影響を及ぼさなかった。・ガランタミンに誘発される生存細胞の増加は、α7ニコチン性受容体アンタゴニストのメチリカコニチンにより阻害されたが、スコポラミンにより阻害されなかった。・海馬歯状回に遺伝子組換えIGF2を両側性に注射したところ、ガランタミン類似作用がみられた。・ガランタミンの作用は、IGF1受容体アンタゴニストJB1の直接投与により阻害された。・これらの知見から、ガランタミンは、M1ムスカリン受容体およびα7ニコチン性アセチルコリン受容体を介して、神経新生を促進していることが示唆された。・また、ガランタミンの歯状回における2週の未熟な細胞への作用にIGF2が関わっていることも示唆された。関連医療ニュース 認知症治療薬ガランタミン、ラット試験で喫煙欲求の軽減効果を確認 皮膚がんとの関連研究で判明!アルツハイマー病に特異的な神経保護作用 検証!非定型抗精神病薬の神経保護作用  担当者へのご意見箱はこちら

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地下水による慢性的な低濃度ヒ素の曝露は肺機能を低下させる

 地下水に含まれるヒ素の慢性的な曝露は、たとえ低濃度であっても呼吸器に悪影響を及ぼすことが、インドChittaranjan国立がん研究所のDebangshu Das氏らにより報告された。International Journal of Public Health誌オンライン版2014年5月31日の掲載報告。 本研究では、地下水を原因とする低濃度ヒ素の慢性的な曝露が肺機能にどのような影響を及ぼすのかを調べた。834例の非喫煙男性を、ヒ素曝露群と非曝露群の2つに分けた。曝露群は446例、平均年齢35.3歳、ヒ素が11~50μg/L含まれている地下水を飲んでいる群とし、非曝露群は曝露群と年齢を適合させた388例で、ヒ素が10μg/L未満の地下水を飲んでいる群とした。地下水のサンプルに含まれるヒ素は原子吸光分析によって測定した。呼吸器症状の有病率は、構造的妥当性のある質問表により調べ、肺機能は簡易スパイロメーターにより測定した。 主な結果は以下のとおり。・非曝露群に比べて、曝露群では上・下気道の呼吸器症状、呼吸困難、喘息、眼刺激症状、頭痛が多かった。・非曝露群の肺機能障害(拘束性障害や拘束性障害と閉塞性障害の合併)は13.6%だったのに対して、曝露群では20.6%であった(p<0.05)。・飲料水に含まれるヒ素の濃度と呼吸器症状の有病率には正の相関が、スパイロメトリーの測定値とは負の相関が認められた。

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健康的なライフスタイルで脳卒中発症が3分の2に

 独・ハイデルベルク大学のKaja Tikk氏らは、欧州の前向き研究であるがん栄養調査(EPIC)のハイデルベルクコホートを分析し、ライフスタイルでの脳卒中の主な危険因子について、中年男女における一次予防の可能性を評価した。その結果、過体重、喫煙、多量飲酒、不健康な食事、運動不足を避けることが脳卒中の強力な一次予防になる可能性が確認された。Stroke誌オンライン版2014年5月29日号に掲載。 2万3,927人の参加者のうち551人(女性195人、男性356人)が、12.7年の平均追跡期間中に、初発の脳卒中と診断された。著者らは、Cox比例ハザードモデルを用いて、脳卒中発症リスクとなる、肥満、喫煙、飲酒、食事、運動との関連を評価した。また、健康的なライフスタイルを維持することで達成可能な脳卒中発症の相対的および絶対的な減少を、競合リスクモデルを用いて算出した。 主な結果は以下のとおり。・肥満、喫煙、飲酒、食事、運動不足はそれぞれ、変更可能なライフスタイルで脳卒中発症の危険因子であった。・脳卒中症例の約38%は、健康的なライフスタイル(最適なBMI・腹囲の維持、禁煙、適量の飲酒、健康的な食事パターン、運動)の順守により予防可能と推計された。・実際のコホートと、それと比較可能な、健康的なライフスタイルを順守した人々による仮定のコホートについて、脳卒中の5年発症率(年齢別)を推計、比較したところ、60~65歳の女性で10万人当たり153人から94人、男性で10万人当たり261人から161人に減少した。

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日本のがんサバイバーはなぜ禁煙できないのか

 日本人のがんサバイバーの多くが、がん診断後も喫煙を続けている。国立がん研究センター東病院の藤澤 大介氏らは、がんサバイバーの喫煙に関連する因子を調査するために、彼らにおける喫煙以外の健康に関わる習慣(飲酒、運動、社会活動)と禁煙方法との関連を調査した。 その結果から、がんサバイバーの多くに、喫煙を減らすか禁煙する意向があるにもかかわらず、医療従事者から関連情報やサポートを提供されていないことが判明した。これは、医療従事者がカウンセリングやエビデンスのある介入を提供する機会を逸してきたことを示唆する。著者らは、禁煙や健康的な習慣を促す教育に関する専門的なサポートの推進が必要と結論している。Supportive Care in Cancer誌オンライン版2014年5月22日号に掲載。 著者らは、ウェブでの匿名断面調査で、診断後10年までのさまざまなタイプのがんサバイバーを登録した。喫煙状況、社会経済的地位、喫煙以外の健康に関わる習慣、参加者が行った禁煙方法を評価し、多変量解析を用いてがん診断後の喫煙継続に関連する因子を検討した。 主な結果は以下のとおり。・がん診断時に喫煙していた168人の参加者のうち96人(57.1%)が喫煙を続けていた。・喫煙を継続していたがんサバイバー96人のうち、67人(69.8%)が喫煙を減らすか禁煙する意向があった。しかし、禁煙のためのカウンセリングや介入を受けたのは39人(40.6%)のみであった。・男性、がん診断からの期間が短いこと、定期的な運動の不足が、喫煙継続に関連していた。・がん再発に対する高い不安は、喫煙中止に関連していた(有意傾向)。

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緑茶が認知機能低下リスクを減少~日本の前向き研究

 高齢者における認知症や軽度認知障害(MCI)の発症に、緑茶・コーヒー・紅茶の摂取が影響を与えるのか――。金沢大学神経内科の山田正仁氏、篠原もえ子氏らの研究グループは、石川県七尾市中島町での「なかじまプロジェクト」において、60歳超の地域住民の集団ベースによる前向き研究を実施した。その結果、緑茶をまったく飲まない群と比べて、緑茶を週に1~6回飲む群では約5年後の認知機能低下リスクが約1/2に、緑茶を毎日1杯以上飲む群では約1/3に減少した。一方、コーヒーや紅茶ではこのような認知機能低下との関連はみられなかった。PLoS One誌2014年5月14日号の掲載報告。 研究グループは、研究開始時に緑茶・コーヒー・紅茶の摂取頻度に関する質問、認知機能検査、採血検査を実施した。研究開始時(2007~2008年)の調査で認知機能が正常だった参加者723人のうち、490人が追跡調査(2011~2013年)を完遂した。性別、年齢、高血圧・糖尿病・脂質異常症の既往、教育年数、ApoE E4有無、喫煙、飲酒、緑茶・コーヒー・紅茶摂取頻度、運動・趣味の有無で調整して解析を行った(多変量ロジスティック解析)。 主な結果は以下のとおり。・追跡期間(平均±標準偏差:4.9±0.9年)における認知症の発症率は5.3%、MCIの発症率は13.1%であった。・緑茶をまったく飲まない群を基準とした場合、認知機能低下(認知症またはMCIの発症)の多変量調整オッズ比は、毎日1杯以上緑茶を飲む群では0.32(95%CI:0.16~0.64)、週に1~6日緑茶を飲む群では0.47(95%CI:0.25~0.86)であった。・認知症の発症については、緑茶をまったく飲まない群を基準とした場合、毎日緑茶を飲む群の多変量調整オッズ比は0.26(95%CI:0.06~1.06)であった。・コーヒーや紅茶の摂取頻度と認知症・MCIの発症の間には関連は認められなかった。

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喫煙によるがん死亡リスクの増加

タバコを吸っていると、がんによる死亡の危険性は高くなります全てのがん男性 1.97倍、女性1.57倍喉頭がん男性 5.47倍肺がん男性4.79倍、女性3.88倍肝臓がん男性1.81倍、女性1.73倍口腔・口唇・咽頭がん男性2.66倍、女性1.97倍食道がん男性3.39倍、女性1.90倍胃がん男性1.51倍、女性1.22倍膵臓がん男性1.58倍、女性1.73倍尿路(膀胱、腎盂、尿管)がん男性5.35倍、女性1.86倍タバコを吸わない人を1としたときの、タバコを吸っている人のがんによる死亡の危険性Katanoda K, et al. J Epidemiol 2008;18:251-264.Copyright © 2014 CareNet,Inc. All rights reserved.

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軽度でも毎日の運動がOA患者の障害発生・進行リスクを抑制/BMJ

 運動は強度よりも持続性が、障害発生・進行リスクの抑制に寄与することが明らかにされた。米国・ノースウェスタン大学のDorothy D Dunlop氏らが、変形性膝関節症に罹患しているかそのリスク因子を有している、49歳以上の地域住民1,680例を前向きに追跡したコホート研究の結果、報告した。運動は、身体的能力の衰えを含む健康アウトカムの改善に有用な、低コストのアプローチであることは知られている。身体活動ガイドラインなどでは、中強度の運動を推奨しているが、その強度が障害抑制に必要なのかどうかは不明であった。BMJ誌オンライン版2014年4月29日号掲載の報告より。膝に問題を抱える49歳以上の4地域の住民1,680例を2年間追跡 研究は2008年9月~2012年12月にかけて、米国内の複数地点(メリーランド州ボルチモア、オハイオ州コロンバス、ペンシルベニア州ピッツバーグ、ロードアイランド州ポータケット)で行われた多地点前向きコホート研究だった。客観的に測定した軽い運動をして過ごした時間が、障害発生と関連しているか、また障害の進行と関連しているかを検討した。 運動は加速度計で測定し、障害についてはベースライン時と2年時点でみた手段的および基本的日常生活動作(ADL)の制限により確認した。 主要アウトカムは、障害の発生とした。副次アウトカムは、ベースライン時と比較した2年時点の評価値(制限なし、手段的ADLのみ制限あり、基本的ADL制限が1~2、基本的ADL制限が3以上)で確認した障害の進行とした。軽度でも日々の運動時間が長い人ほど障害発生・進行リスクが低い ベースライン時で障害がみられず2年間の追跡を完了した被験者(49~83歳)は1,680例だった。そのうち2年間で障害発生がみられたのは149例だった。同コホートでは座りきりでない時間の平均時間は1日302分、運動時間は284分であり、運動強度は低い人が大半を占めていた。 2年間追跡の結果、同コホートにおいて、ベースライン時に過ごした軽度運動の時間と障害発生とに、有意な逆相関の関連が認められた。軽度運動の時間が長い人(四分位範囲で高い人)ほど、障害発生および障害進行のいずれもが有意に低かった。障害発生ハザード比[HR]は、社会経済的要因(年齢、性別、人種、教育、所得)と健康因子(併存疾患、うつ症状、肥満、喫煙、四肢の疼痛および機能が低いこと、膝の評価)で補正後では、対照と比べて、軽度運動時間の四分位範囲の低い群から順に1.00、0.62、0.47、0.58だった(傾向のp=0.007)。障害進行のHRは同じく、1.00、0.59、0.50、0.53だった(傾向のp=0.003)。 これらの関連性は、中強度の運動をして過ごした時間とは関連していなかった。 以上を踏まえて著者は、「今回の前向き研究データから、毎日の軽度の運動時間を増やすことが、変形性膝関節症に罹患しているまたはリスクを有している人の障害発生および進行を抑制することが示された。毎日の運動時間を増やすことが障害リスクの低下に結びつくことになる。運動強度は増やさなくともよいようだ」とまとめている。

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初発の心血管疾患を予測する指標としてHbA1cの有用性は高くない…(コメンテーター:吉岡 成人 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(197)より-

糖尿病は心血管疾患(cardiovascular disease: CVD)の発症・進展に関連したリスク因子であり、糖代謝に関わる臨床指標がCVDの発症と密接に関連しているという結果を示す疫学データは多い。2010年のACC(American College of Cardiology foundation)/AHA(American Heart Association)のガイドラインでは、糖尿病患者ではなくとも、狭心症の症状がない成人におけるCVDのリスクアセスメントにHbA1cの測定は有用ではなかろうかと結論付けられていた。しかし、糖尿病患者におけるHbA1cの測定には臨床的な意味があるが、非糖尿病者ではその有用性がないのではないかという意見もあり、2013年に改訂されたガイドラインでは、HbA1cの測定は推奨されていない。 このような背景のもとに、73件の前向き試験から、糖尿病やCVDの既往がない29万4,998人を抽出して、従来リスク因子(年齢、性別、喫煙状況、収縮期血圧値、総コレステロール値、HDLコレステロール値など)とHbA1cなどの血糖値に関連した代謝指標に関する情報を加えた場合のCVDリスク予測モデルを新たに作成し、アウトカムのリスク層別化(C統計値)、10年リスク予測(低:5%未満、中:5~7.5%未満、高:7.5%以上)の再分類(ネット再分類改善)について検討したEmerging Risk Factors Collaborationのデータが本論文である。  今回の検討では、血糖値に関連した代謝指標として、HbA1c値(<4.5、4.5~<5、5~<5.5、5.5~<6、6~<6.5、≧6.5%)のみならず、空腹時血糖値、随時血糖値、経口ブドウ糖負荷後の血糖値のデータの有用性も検討されている。 検討の対象となった者の登録時における平均年齢は58歳、男女比はほぼ1:1で、86%がヨーロッパまたは北米民族、HbA1c 5.37±0.54%であり、追跡期間は中央値で9.9年、経過中の致死的・非致死的CVDの発生は、2万840例(冠動脈心疾患1万3,237例、脳卒中7,603例)であった。 従来の心血管リスク因子を補正した後の分析において、HbA1c値とCVDリスクとの関連性はJ-カーブを示し、HbA1c値が4.5~5.5%の群におけるハザード比を1とするとそれ以下の群ではハザード比が1.2、HbA1cが6.5%を超える群では1.5となっていた。CVDリスクと血糖値の指標がJ-カーブを示す傾向は、空腹時血糖値、随時血糖値、負荷後血糖値でも同様であった。HbA1c値とCVDのリスクに関しての関連性は、総コレステロール、トリグリセリド、またはeGFR値で補正した場合に相関がわずかに高まったものの、HDLコレステロール、CRPでの補正後には関連性が減弱した。 CVDリスク予測モデルのC統計値(リスクスコアの低い症例のほうが生存期間は長いことを、実際のデータでどのくらいの確率で正しいかを示す値、0.5~1で示される。将来の予測をする時間軸を加味した値)は、従来の心血管リスク因子のみでは0.7434(95%信頼区間[CI]:0.7350~0.7517)。HbA1cに関する情報を追加した場合のC統計値の変化は0.0018(95%CI:0.0003~0.0033)で、10年リスク予測分類のネット再分類改善値は0.42(-0.63~1.48)と報告されている。 75g糖負荷試験における2時間値とCVDの関連が示唆される疫学成績がある一方で、糖尿病患者の食後血糖値に介入して、CVDの発症リスクを軽減できたとする臨床成績はない。一般に、糖尿病ではなくとも食後高血糖や糖負荷後の高血糖を示す場合には、CVDの発症リスクが高まるのではないかと考えられている。しかし、今回の検討からは、非糖尿病患者において、高血糖のマーカーとしてのHbA1cを従来のCVDリスク因子に追加して検討を行っても、CVDの新規発症に関する予測精度が高まるわけではないことが再確認されたといえる。

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50歳以上の潰瘍性大腸炎、発症の陰に「禁煙」

 日本における潰瘍性大腸炎(UC)の発症年齢は、欧米諸国と同様、青年期と中年期の二峰性分布を示すこと、また、禁煙は中年期(50歳以上)のUC発症を増加させる可能性があることが、福岡大学筑紫病院の高橋 晴彦氏らの研究により明らかになった。Journal of gastroenterology and hepatology誌オンライン版 2014年4月14日号の報告。 喫煙は、消化器系に悪影響を与えるという報告が多いが、UCに関しては、欧米において「喫煙がUCの発症抑制や病態改善につながる」、「禁煙がUCのリスク因子の1つである」といった報告がされている。また、欧米人ではUCの発症ピークが青年期と中年期の二峰性分布を示すというが、日本人を対象とした報告は少ない。 本研究では、日本の大学病院においてUC患者にアンケートを行い、発症年齢の分布および発症との関連が疑われる要因について調査した。 主な結果は以下のとおり。・465例のUC患者のうち、343例がアンケートに回答した。・発症年齢の分布は、大きなピークが10~20歳代、小さなピークが40~44歳、50~60歳代にみられた。・2001年以降にUCと診断された患者の発症年齢は、2000年以前に診断された患者のそれに比べて、高齢だった。・多変量解析の結果、50歳以上でUCを発症した患者は、2000年以前よりも、2001年以降のほうが多かった(オッズ比 4.98、95%CI: 2.21~11.25、p<0.01)。また、一度も喫煙したことのない患者と比べて、禁煙した患者のほうが多かった(オッズ比 2.93、95%CI: 1.40~6.14、p<0.01)。

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心臓カテーテル検査によって脳血管障害を来し死亡したケース

循環器最終判決判例タイムズ 824号183-197頁概要胸痛の精査目的で心臓カテーテル検査が行われた61歳男性。検査中に250を超える血圧上昇、意識障害がみられたため、ニトログリセリン、ニフェジピン(商品名:アダラート)などを投与しながら検査を続行した。検査後も意識障害が継続したが頭部CTでは出血なし。脳梗塞を念頭においた治療を行ったが、検査翌日に痙攣重積となり、気管切開、人工呼吸器管理となった。検査後9日目でようやく意識清明となり、検査後2週間で一般病室へ転室したが、その直後に消化管出血を合併。輸血をはじめとするさまざまな処置が講じられたものの、やがて播種性血管内凝固症候群、多臓器不全を併発し、検査から19日後に死亡した。詳細な経過患者情報高血圧、肥満、長期の飲酒歴、喫煙歴、高脂血症、軽度腎障害を指摘されていた61歳男性経過1983年1月12日胸がモヤモヤし少し苦しい感じが出現。1月18日胸が重苦しく圧迫感あり、近医を受診して狭心症と診断され、ニトログリセリンを処方された。1月26日某大学病院を受診、胸痛の訴えがあり狭心症が疑われた。初診時血圧200/92、心電図は正常。2月2日血圧160/105、心電図では左室肥大。3月初診から1ヵ月以上経過しても胸痛が治まらないので心臓カテーテル検査を勧めたが、患者の都合により延期された。9月胸痛の訴えあり。10月同様に胸痛の訴えあり。1983年5月25日左手親指の痺れ、麻痺が出現、運動は正常で感覚のみの麻痺。7月8日脳梗塞を疑って頭部CTスキャン施行、中等度の脳萎縮があるものの、明らかな異常なし。1985年9月血圧190/100、心電図上左軸偏位あり。1986年7月健康診断の結果、肥満(肥満度26%)、心電図上の左軸偏位、心肥大、動脈硬化症などを指摘され、「要精査」と判断された。冠状動脈の狭窄を疑う所見がみられたので、担当医師は心臓カテーテル検査を勧めた。9月17日心臓カテーテル検査目的で某大学病院に入院。9月18日12:30検査前投薬としてヒドロキシジン(同:アタラックス-P)50mg経口投与。検査開始前の血圧158/90、脈拍71。13:30血圧154/96。右肘よりカテーテルを挿入。13:48右心系カテーテル検査開始(肺動脈楔入圧、右肺動脈圧)。13:51心拍出量測定。13:57右心系カテーテル検査終了。この間とくに訴えなく異常なし。14:07左心系カテーテル検査開始、血圧169/9114:13左心室圧測定後間もなく血圧が200以上に上昇。14:21血圧232/117、胸の苦しさ、顔色口唇色が不良となる。ニトログリセリン1錠舌下。14:27血圧181/111と低下したので検査を再開。14:28左冠状動脈造影施行(結果は左冠状動脈に狭窄なし)、血圧は150-170で推移。左冠状動脈造影直後に約5.1秒間の心停止。咳をさせたところ脈は戻ったが、徐脈(45)、傾眠傾向がみられたので硫酸アトロピン0.5mg静注。血圧171/10214:36左心室撮影。血圧17514:40左心室のカテーテルを再び大動脈まで戻したところ、再度血圧上昇。14:45血圧253/130、アダラート®10mg舌下。14:50血圧234/12314:56血圧220程度まで低下したので、右冠状動脈造影再開。14:59血圧183/105。右冠状動脈造影終了(25~50%の狭窄病変あり)、直後に約1.8秒の心停止出現。15:01検査終了後の血管修復中に血圧230/117、ニトログリセリン4錠舌下。15:04カテーテル抜去、血圧224/11715:30検査室退室。血圧150/100、脈拍77、呼びかけに対し返答はするものの、すぐに眠り込む状態。15:40病室に帰室、血圧144/100、うとうとしていて声かけにも今ひとつ返答が得られない傾眠状態が継続。19:00呼名反応やうなずきはあるがすぐに閉眼してしまう状態。検査から3時間半後になってはじめて脳圧亢進による意識障害の可能性を考慮し、脳圧降下薬、ステロイド薬の投与開始。9月19日08:00左上肢屈曲位、傾眠傾向が継続したため頭部CT施行、脳出血は否定された。ところが検査後から意識レベルの低下(呼名反応消失)、左上肢の筋緊張が強くなり、左への共同偏視、左バビンスキー反射陽性がみられた。15:00神経内科医が往診し、脳塞栓がもっとも疑われるとのコメントあり。9月20日全身性の痙攣発作が頻発、意識レベルは昏睡状態となる。気管切開を施行し、人工呼吸器管理。痙攣重積状態に対しチオペンタールナトリウム(同:ラボナール)の持続静注開始。9月24日痙攣発作は消失し、意識レベルやや改善。9月27日ほぼ意識清明な状態にまで回復したが、腎機能の悪化傾向あり。9月30日人工呼吸器より離脱。10月3日09:30状態が改善したためICUから一般病室へ転室となる。13:00顔面紅潮、意識レベルの低下、大量の消化管出血が出現。10月4日上部消化管内視鏡検査施行、明らかな出血源は指摘できず、散在性出血がみられたためAGML(急性胃粘膜病変)と診断された。ところが、その後肝機能、腎機能の悪化、慢性膵炎の急性増悪、腎不全などとともに、血小板数の低下、フィブリノーゲンの著明な減少などからDICと診断。10月8日15:53全身状態の急激な悪化により死亡。当事者の主張患者側(原告)の主張1.心臓カテーテル検査の適応検査前に狭心症に罹患していたとしても軽度なものであり、心臓カテーテル検査を行う医学的必要性はなかった。また、検査の3年前から脳梗塞の疑いがもたれていたにもかかわらず、脳梗塞の症状がある患者にとってはきわめて危険な心臓カテーテル検査を行った2.異常高血圧にもかかわらず検査を中止しなかった過失250を越える異常な血圧の上昇を来した時点で、事故の発生を未然に防止するために検査を中止すべき注意義務があったのに、検査を強行した3.神経内科の診察を早期に手配しなかった過失検査終了時点で意識障害があり、脳塞栓が疑われる状況であったのに、神経内科専門医の診察を依頼したのは検査後24時間も経過してからであり、適切な処置が遅れた4.死因医学的に必要のない検査を行ったうえに、検査中の脳梗塞発症に気付かず検査を続行し、検査後もただちに専門医の診察を依頼しなかったことが原因で、最終的には胃出血によるDICおよび多臓器不全により死亡に至ったものである病院側(被告)の主張1.心臓カテーテル検査の適応患者には胸痛のほか、高血圧、肥満、長期の飲酒歴、喫煙歴、高脂血症、軽度腎障害などの冠状動脈狭窄を疑わせる所見が揃っており、冠状動脈を精査し、手術なり薬剤投与なりを開始することが治療上不可欠であった。脳梗塞については、検査の3年前に施行した頭部CTスキャンで異常はなく、自覚症状としてみられた左手親指、人差し指の感覚障害は末梢神経または神経根障害と考えられ、改めて脳梗塞を疑うべき症状は認められなかった2.異常高血圧にもかかわらず検査を中止しなかった過失心臓カテーテル検査中に最高血圧が230-250になるのは臨床上起こり得ることであり、血圧上昇時には必要に応じて降圧薬を投与し、経過を観察しながら検査を継続するものである。そして、200以上の血圧上昇がもつ意味は患者によって個体差があり、普段の血圧が170-190くらいであった本件の場合には検査時のストレスによって血圧が200以上になっても特別に異常な反応ではない3.神経内科の診察を早期に手配しなかった過失検査後に意識レベルが低下し、四肢硬直がおきたため脳梗塞、脳幹部循環障害などの可能性を考え、治療を開始するとともに神経内科などに相談しながら、最良の治療を行った4.死因死因は脳病変に基づくものではなく、意識障害が回復した後の消化管出血によるDIC、および多臓器不全に伴った心不全である。この消化管出血にはステロイド薬の使用、ストレスなどが関与したものであるが、抗潰瘍薬の投与などできるだけ予防策は講じていたのであるから、やむを得ないものであった裁判所の判断1. 心臓カテーテル検査の適応患者には検査前から高血圧、肥満、長期の喫煙歴、軽度の腎障害など、虚血性心疾患の危険因子のうちいくつかが明らかに存在し、さらに心電図で左室肥大および左軸偏位が認められ、胸痛という自覚症状もあったので、狭心症を疑って心臓カテーテル検査を行ったことに誤りはない。さらに急性期の脳梗塞患者、発症直後の脳卒中患者には冠状動脈造影を行ってはならないとされているが、本件の場合には検査前に急性期の脳梗塞が疑われるような症状はないので、心臓カテーテル検査を差し控えなければならないとはいえない。2. 異常高血圧にもかかわらず検査を中止しなかった過失250を越える異常な血圧の上昇がみられた時点で、検査のストレスによる血圧上昇だけでは説明できない急激な血圧の上昇であることに気付き、脳出血を主とする脳血管障害発生の可能性を考え、検査を中止するべきであった。さらに検査で用いた76%ウログラフィン®(滲透圧の高い造影剤)のため、脳梗塞によって生じた脳浮腫をさらに増強させる結果になった。3. 神経内科の診察を早期に手配しなかった過失検査終了後は、ただちに専門の神経内科医に相談するなどして合併症の治療を開始するべきであったのに、担当医らが脳血管障害の可能性に気付いたのは、検査終了から3時間半後であり、その間適切な治療を開始するのが遅れた。4. 死因脳梗塞が発症したにもかかわらず、検査を続行したことによって脳浮腫が助長され、意識障害が悪化した。さらに検査終了後もただちに適切な処置が行われなかったことが、胃からの大量出血を惹起し死亡にまで至らしめた大きな原因の一つになっている。原告側合計8,276万円の請求に対し4,528万円の判決考察心臓カテーテル検査に伴う死亡率は、1970年代までは多くの施設で1%を越えていましたが、技術の進歩とヘパリン使用の普及により、現在は0.1~0.3%の低水準に落ち着いています。また、心臓カテーテル検査に伴う脳血管障害の合併についても、0.1~0.2%の低水準であり、「組織だった抗凝固処置」によって大部分の脳血管系の事故が防止できるという考え方が主流になっています。カテーテル検査中に脳塞栓を生じる機序としては、(1)カテーテルによって動脈硬化を起こした血管に形成された壁在血栓が剥離されて飛ばされ、脳の血管に流れた結果脳梗塞を生じる(2)カテーテルの周囲に形成された血栓またはカテーテルのなかに形成された血栓が飛ばされ、脳の血管に移行して脳梗塞を生じる(3)粥状硬化、動脈硬化を起こした血管の粥腫(アテローム)がカテーテルによって剥離されて飛ばされ、脳の血管に流された結果脳梗塞を生じるの3つが想定されています。これに対する処置としては、(1)十分なヘパリン投与を行った患者においても、カテーテルのフラッシュは十分注意しかつ的確に行うこと(2)ガイドワイヤーは使用する前に十分に拭い、血液を付着させないこと(3)ガイドワイヤーを入れたままのカテーテル操作は、1回あたり2分以内にとどめること(2分経過後はガイドワイヤーを必ず抜き出して拭い、再度ガイドワイヤーを用いる時はカテーテルをフラッシュする)(4)リスクの高い患者では不必要にカテーテルやガイドワイヤーを頸動脈や椎骨脳底動脈に進めないなどが教科書的には重要とされていますが、現在心臓カテーテル検査を担当されている先生方にとってはもはや常識的なことではないかと思います。つまり本件では、心臓カテーテル検査中に発症した脳血管障害というまれな合併症に対し、どのように対処するべきであったのか、という点が最大のポイントでした。裁判所の判断では、心臓カテーテル検査中に「血圧が250以上に上昇した時点ですぐに検査を中止せよ」ということでしたが、循環器内科医にとってすぐさまこのような判断をすることは実際的ではないと思います。ここで問題となるのが、(1)コントロールはこれでよかったか(2)障害の可能性を念頭に置いていたかという2点にまとめられると思います。この当時の状況を推測すると、大学病院の循環器内科に入院して治療が行われていましたので、1日に数件の心臓カテーテル検査が予定され、全例を何とか(無事かつ迅速に)こなすことに主眼がおかれていたと思います。そして、検査中にみられた高血圧に対しては、とりあえずニトログリセリン、アダラート®などを適宜使用するのがいわば常識であり、通常のケースであれば何とか検査を終了することができたと思います。にもかかわらず、本件では降圧薬使用後も250を越える高血圧が持続していました。この次の判断として、血圧は高いながらも一見神経症状はなく大丈夫そうなので検査を続行してしまうか、それとも(少々面倒ではありますが)ニトログリセリン(同:ミリスロール)などの降圧薬を持続静注することによって血圧を厳重にコントロールするか、ということになると思います。結果的には前者を選択したために、裁判所からは「異常高血圧を認めた時点で検査中止するのが正しい」と判断されました。日常の心臓カテーテル検査では、時に200を超える血圧上昇をみることがありますが、ほとんどのケースでは無事に検査を終了できると思います。さらに、心臓カテーテル検査中に脳梗塞へ至るのは1,000例ないし500例に1例という頻度ですから、当時の状況からして、急いで微量注入器を準備して降圧薬の持続静注をするとか、血圧が安定するまでしばらく様子をみるなどといった判断はなかなか付きにくいのではないかと思います。しかし、本件のように心臓カテーテル検査中に脳血管障害が発症しますと、あとからどのような抗弁をしようとも、「異常高血圧に対して適切な処置をせず検査を強行するのはけしからん」とされてしまいますので、たとえ時間がかかって面倒に思っても、厳重な血圧管理をしなければあとで後悔することになると思います。次に問題となるのが、心臓カテーテル検査中に生じた「少々ボーっとしている」という軽度の意識障害をどのくらい重要視できたかという点です。後方視的にみれば、誰がみてもこの時の意識障害が脳梗塞に関連したものであったことがわかりますが、当時の担当医は「検査前投薬の影響が残っていて少しボーっとしているのであろう」と考えたため、脳梗塞発症を認識したのは検査から3時間半も経過したあとでした。前述したように、心臓カテーテル検査で脳梗塞を合併するのは1,000例ないし500例に1例という頻度ですから、ある意味では滅多に遭遇することのないリスクともいえます。しかし、日常的にこなしている(安全と思いがちな)検査であっても、どこにジョーカーが潜んでいるのか予測はまったくつかないため、本件のような事例があることを常に認識することによって早めの処置が可能になると思います。本件でも脳梗塞発症の可能性をいち早く念頭においていれば、たとえ最悪の結果に至ってしまっても医事紛争にまでは発展しなかった可能性が十分に考えられると思います。判決文全体を通読してみて、今回この事例を担当された先生方は真摯に医療の取り組まれているという印象が強く、けっして怠慢であるとか、レベルが低いなどという次元の問題ではありません。それだけに、このような医事紛争へ発展してしまうのは大変残念なことですので、少しでも侵襲を伴う医療行為には「最悪の事態」を想定しながら臨むべきではないかと思います。循環器

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1分でわかる家庭医療のパール ~翻訳プロジェクトより 第7回

第7回:末梢閉塞性動脈疾患:疑わしければABIを、治療は薬だけでなく運動も 欧米では末梢閉塞性動脈疾患 PAD(peripheral arterial disease)と閉塞性動脈硬化症 ASO(arteriosclerosis obliterans)とはほぼ同義とされますが、日本ではPAD=ASO+閉塞性血栓血管炎TAO(Thromboangiitis obliterans)として区別されてきました。その理由は、江戸時代以降1970年代頃まで日本では、TAOが慢性閉塞性動脈疾患の中心を占めていたためです。最近は高齢社会や食生活を含めた生活様式の変化を背景に、TAOが減少しASOが急増して、慢性動脈閉塞症の95%以上を占めるようになり、日本でもPADという表現をASOとほぼ同義に用いることが多くなりました。ASOは無症候性を含め50~80万人/1.3億(3/1000~5/1000)の患者数と推測され、決して少なくありません1)。 PADとは何か、アウトカムは何か、プライマリ・ケアではどのような状況で疑うか、疑ったとき何をするのか、診断後のケアとしてどのような方法があるかを知ることでケアの幅が広がるかもしれません。 以下、本文 American Family Physician 2013年9月1日号2)よりPAD(末梢閉塞性動脈疾患)1.概要PAD(末梢閉塞性動脈疾患)は大動脈弓以遠の狭小化に至る、動脈硬化性疾患である。重度の全身性動脈硬化を反映し、心血管リスク推定時には冠血管疾患と同等に考えるべき疾患である。間欠性跛行(最もよくある症状で、全患者の10%)・四肢虚血・心血管イベント、それによる死亡を引き起こす。2.診断PADリスクは糖尿病・喫煙のほかに、高血圧・脂質異常症・腎不全がある。複数のリスクまたは間欠性跛行がある患者で、病歴と身体所見は診断に有用である。間欠性跛行は脊柱管狭窄症、末梢神経障害、筋骨格疾患、外傷、深部静脈血栓症と鑑別しなければならない。PADの身体所見には皮膚冷感、四肢遠位脈拍触知不良、腸骨/大腿/膝窩動脈雑音聴取、毛細血管再充満時間の延長、非治癒性創傷、光沢のある皮膚、罹患部の無毛、挙上時の四肢蒼白がある。プライマリ・ケアでの診断においてABI(足関節上腕血圧比) は安価で性能のいい検査(感度 90%、特異度 98%)である。ABIで0.9以下の場合(正常範囲 1.0~1.4)、末梢閉塞性動脈疾患を疑う。MRIやCT血管造影検査は手術を検討するときに検討される。ルーチンのスクリーニングが心血管イベントや全死亡を減らすエビデンスがないことから、USPSTF(米国予防医療サービス専門作業部会)はI statement(エビデンスが欠如している、質が悪い、矛盾するエビデンスがある等の理由で、予防方法のメリットと害のバランスを決めるにはエビデンスが不足していると結論づけられる)にとどめている。しかし、ある高リスクの患者群には有用である可能性がある。米国糖尿病協会は50歳以上のすべての糖尿病患者と50歳未満の高リスク患者がスクリーニングされるべきとしている。3.治療治療は運動と薬物療法である。運動療法は、監督下の運動で歩行距離と時間を延ばす(ほとんどの研究で下肢の体操もしくはトレッドミル歩行で30分を2~3回/週)。薬物療法ではスタチンをLDL 100未満として投与すべき(CHD-equivalent)である。症候性のときには抗血小板薬は心筋梗塞や脳卒中や血管死を減らすため、アスピリンやクロピドレル等の処方が推奨される。ACEIに関してはラミプリルが機能障害治療において有用かもしれないが、咳嗽等で使用できないときに他のACEIへの切り替えでも有用かは、さらなる研究が必要である。外科コンサルトは、運動や薬物療法でも生活を制限するような間欠性跛行が改善しないときに行う。重篤な四肢虚血があるときは緊急コンサルテーションが必要である。※本内容は、プライマリ・ケアに関わる筆者の個人的な見解が含まれており、詳細に関しては原著を参照されることを推奨いたします。 1) 日本循環器学会ほか.末梢閉塞性動脈疾患治療ガイドライン 2) Duane R, et al. Am Fam Physician. 2013;88:306-310.

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統合失調症患者の突然死、その主な原因は

 統合失調症と突然死との関連は知られているが、剖検データが不足しており、死亡診断書や原因ルート評価を用いた先行研究では、大半の突然死について解明がなされていなかった。一方、住民ベースの突然の“自然死”の原因に関する事実分析データでは、最も共通した要因は冠動脈疾患(CAD)であることが明らかになっていた。ルーマニア・トランシルヴァニア大学のPetru Ifteni氏らは、精神科病院に入院中の統合失調症患者の突然死について、その発生率や原因を調べた。Schizophrenia Research誌オンライン版2014年4月3日号の掲載報告。 研究グループは、1989~2013年の精神科教育病院に入院した連続患者を対象に検討を行い、統合失調症患者の突然死の原因について剖検所見により特定した。 主な結果は以下のとおり。 ・被験者は、統合失調症連続入院患者7,189例であった。・医療記録をレビューした結果、57例(0.79%)の突然死を特定した。そのうち51例(89.5%、55.9±9.4歳、男性56.9%)の患者について剖検が行われていた。・剖検データに基づく分析の結果、突然死の原因は、ほとんどが心血管疾患(62.8%)であることが判明した。また特異的要因としては、心筋梗塞(52.9%)、肺炎(11.8%)、気道閉塞(7.8%)、心筋炎(5.9%)、拡張型心筋症、心膜血腫、肺塞栓症、出血性脳卒中、脳腫瘍(それぞれ2.0%)などであった。・突然死のうち6例(11.8%)は原因が不明であった。しかしそのうち3例は、剖検で冠動脈硬化症の所見がみられたことが記録されていた。・心筋梗塞の有無にかかわらず、患者の年齢、性別、喫煙歴、BMI、精神科治療は類似していた(p≧0.10)。 以上の結果より、統合失調症入院患者の突然死発生率は0.8%で一般住民における発生率よりもかなり多いことや、死因としては急性心筋梗塞が大半(52.9%)を占めていたことなどが明らかとなった。結果を踏まえて著者は、「統合失調症成人患者について、CADに対する速やかな認識と治療を臨床的優先事項としなければならない」とまとめている。関連医療ニュース 抗精神病薬の高用量投与で心血管イベントリスク上昇:横浜市立大 統合失調症患者、合併症別の死亡率を調査 救急搬送患者に対する抗精神病薬の使用状況は

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特発性肺線維症(IPF)への挑戦

 2014年4月3日(木)都内にて、日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社主催のメディアセミナー「呼吸器領域における難病への挑戦~特発性肺線維症(IPF)~」が開催された。当日は、自治医科大学呼吸器内科 教授 杉山幸比古氏、東邦大学医学部呼吸器内科学分野 教授 本間 栄氏が、特発性肺線維症(以下IPF)について、それぞれ疫学・病態、治療の進歩に関して講演した。 杉山氏は、IPFの疫学と病態について紹介した。IPFは特発性間質性肺炎に属するが、その中でも症例数が最も多く、また予後が不良な病態である。本邦におけるIPFの発症率はおおよそ10万人対2人、有病率は10万人対10人であり、全国で1万3,000人以上の患者がいるとされる。杉山氏は実際には、それ以上の患者がいるとも考えられると述べた。 IPFの生存中央値は鑑別診断後35ヵ月であり、予後不良のがんと大きな差はない。とはいえ、進行パターンはさまざまで、緩除に進行するものもあれば急速に進行するケースもある。主な症状は労作時呼吸困難、乾性咳嗽であるが、初期には年齢のせいとされることも少なくないという。IPFの死亡原因は慢性呼吸不全、急性増悪、肺がんが多くを占めるが、重要な問題として挙げられるのが、急性増悪と肺がんの合併といえる。急性増悪では、緩除に進行していたケースが急激に死に至ることも少なくなく、IPF患者では通常の喫煙者に比べ数十倍肺がんを発生しやすいという。 本間氏はIPFの治療について紹介した。IPFは特発性間質性肺炎の中でも最も治療反応性が低く、ほかの病型とは異なった治療戦略がとられる。IPFの治療ゴールは、生存期間の延長、呼吸機能の維持・低下の抑制、急性増悪の予防である。 治療法としては、酸素療法、呼吸リハビリテーション、薬物療法が主なものである。呼吸リハビリテーションについては近年、運動耐容能、症状、健康関連QOLの改善など、その有効性が明らかになってきている。 薬物療法については、従来ステロイドパルス療法が中心であったが、近年N-アセチルシステイン(NAC)、ピルフェニドンの有効性が明らかになってきている。さらに、本年5月に開催されるATS(米国胸部学会)では、INPULSIS試験(チロシンキナーゼ阻害薬)、ASCEND試験(ピルフェニドン)、PANTHER試験(NAC単独療法)などの臨床試験も発表予定であり、IPFの薬物療法に関するエビデンスが一気に充実してくると期待される。

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初発の心血管疾患の予測にHbA1c値は寄与しない/JAMA

 従来の心血管リスク因子にHbA1c値の情報を加えても、初発の心血管疾患(CVD)リスク予測改善にはほとんど寄与しないことが判明した。英国・ケンブリッジ大学のJohn Danesh氏らEmerging Risk Factors Collaborationが、73件の前向き試験に参加したCVDまたは糖尿病歴のない被験者約30万人のデータを分析した結果、明らかになった。高血糖と高率のCVD発生との関連性から、初発のCVDイベント予測のためにその測定を推奨する動きがある。一方で、ACC/AHAが2013年に改訂した心血管リスク評価に関するガイドラインでは推奨がされていないなど、HbA1c値測定に対する評価は定まっていなかった。JAMA誌2014年3月26日号掲載の報告より。従来の心血管リスク因子にHbA1c情報を加えた場合のリスク予測改善を検討 本検討は、従来の心血管リスク因子にHbA1c値の情報(<4.5、4.5~<5、5~<5.5、5.5~<6、6~<6.5、≧6.5%)を加えることで、糖尿病非既往の中高年における初発のCVDアウトカム予測を改善するのかについて確定することが目的だった。また、HbA1c値測定と、その他によく行われている血糖値測定(空腹時、ランダム測定、またはブドウ糖負荷試験)との比較も行われた。 研究グループは、73件の前向き試験に参加した、ベースライン時には糖尿病またはCVDが非既往であった29万4,998例のデータを分析した。従来リスク因子だけ(年齢、性別、喫煙状況、収縮期血圧値、総またはHDLコレステロールなど)とHbA1cなど血糖値情報を加えた場合のCVDリスク予測モデルを作成し、アウトカムのリスク層別化(C統計値)および10年リスク予測(低:5%未満、中:5~7.5%未満、高:7.5%以上)の再分類(ネット再分類改善)について検討した。他の血糖値測定法と比べても、リスク予測改善は同程度かより良好 全被験者のベースライン時の平均年齢は58歳(SD 9)、49%が女性、86%がヨーロッパまたは北米の住民であり、HbA1c平均値は5.37%(SD 0.54)であった。 追跡期間中央値9.9年(四分位範囲:7.6~13.2)で記録された致死的・非致死的CVDの発生は、2万840例(冠動脈心疾患1万3,237例、脳卒中7,603例)だった。 従来の心血管リスク因子補正後分析において、HbA1c値とCVDリスクとの関連性は、ほぼJカーブの関連が認められた。また同関連性は、総コレステロール、トリグリセリド、またはeGFR値で補正後のみわずかに変化がみられ、HDLコレステロール、C反応性蛋白で補正後は減弱が認められた。 CVDリスク予測モデルのC統計値は、従来の心血管リスク因子のみでは0.7434(95%信頼区間[CI]:0.7350~0.7517)だった。HbA1cに関する情報を追加した場合のC統計値の変化は0.0018(95%CI:0.0003~0.0033)で、10年リスク予測分類のネット再分類改善は0.42(同:-0.63~1.48)だった。 なおCVDリスクの予測にHbA1c情報を加えた場合の改善は、その他の血糖値測定法における情報を加えた場合と比べて、同程度かより良好ではあった。

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成人喘息患者の特徴の変化を分析 今後の課題が浮き彫りに

 名古屋第二赤十字病院呼吸器内科の石原 明典氏らは、急性増悪で入院となった成人喘息患者の特徴をレトロスペクティブに分析し、その変化について調べた。その結果、65歳未満の患者については、吸入ステロイド薬(ICS)の使用が一般的になってきているが喫煙率も上がっているという特徴が、また65歳以上の高齢患者については若い人よりもICSの使用率が高く喫煙率も高くないといった特徴が明らかになった。これらの所見を踏まえて、著者は「高齢者における喘息は、難治例が多い可能性があり、より効果的な治療戦略が必要と思われる」と報告している。 本検討は、自院に入院となった成人喘息患者の特徴を分析することで、喘息の予防と治療に関する残された課題を明らかにすることが目的であった。 研究グループは、2つの期間(A:2004年1月~2005年12月、B:2009年1月~2010年12月)に同院に入院した成人喘息患者を特定し、年齢、喫煙歴、ICS使用(配合剤を含む)などについてレトロスペクティブに分析した。 主な結果は以下のとおり。・各期間の総計患者数は、A群161例、B群88例であった。B期間患者数はA期間患者数と比べて約半減していた。・各群における65歳以上患者の割合は、同程度であった。・年齢で層別化した場合、65歳未満患者のICS使用率は、A群22.9%、B群35.8%であった。また現在喫煙率はA群42.7%、B群49.1%であった。・一方、65歳以上患者のICS使用率は、A群46.2%、B群48.6%であった。また現在喫煙率はA群19.7%、B群22.9%であった。・以上のように、65歳未満の喘息入院患者では、ICSが普及してきている一方で喫煙率が上昇しているとの特徴がみられた。ICSの効果が喫煙により抑制されていることが推察され、急性増悪を減らすために禁煙戦略が必要と思われた。・65歳以上患者では、ICSの使用が相対的に若い人より多いこと、また喫煙率も高くないという特徴がみられた。難治例が多いと推測され、高齢者の喘息におけるより効果的な戦略が必要と思われた。

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