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東日本大震災から1年;新たな地域連携をめざして“第27回日本老年精神医学会”

2012年6月21、22の両日、埼玉県さいたま市にて、第27回日本老年精神医学会(大会長:埼玉医科大学総合医療センターメンタルクリニック 深津 亮氏)が開催された。本学会のテーマは「エイジズムを超えて希望ある高齢社会へ」である。昨年の東日本大震災では東北地方を中心に多くの方が犠牲者となり、なかには高齢者が多く含まれていた。急速な高齢化が進むわが国において、災害への対策について多くの課題が残されている。ここでは、本学会のプログラムから「東日本大震災から1年;新たな地域連携をめざして」と題して実施されたシンポジウムについて紹介する。仕組みづくりは重要、人づくりはもっと重要まずはじめに、岩手医科大学 大塚 耕太郎氏より「岩手県沿岸地域に暮らす高齢者の精神保健と地域連携」についての講演が行われた。岩手県沿岸地域での震災による被災により、多くの住民は心理社会的問題を抱えることとなった。正常なストレス反応でも精神的健康度の低下を招くが、災害体験や二次的生活の変化に伴い、急性ストレス性障害やPTSD、うつ病などの精神障害に至ることも少なくない。心のケアでは、ハイリスク者(精神疾患を有する患者)へのアプローチだけでなく、健常者についても必要である。震災後の仮設住宅における取り組みとして、仮設住宅に設置されている集会場でのサロン活動の実践を紹介した。サロン活動では、最終的に地域主体の取り組みとして実施できるよう、現在システムを構築し、包括支援センターや社会福祉協議会などへそのノウハウの提供を行っている。このようなシステム作りが重要であることはもちろんだが、活動を支援するボランティアの役割がより重要であり、精神保健として地域のボランティアを養成する取り組みが必要である。かかりつけ医や他地域・他県との連携体制構築を目指す次に、舞子浜病院 田子 久夫氏より「福島県沿岸地域の認知症中核医療機関と地域連携」について講演が行われた。震災後の福島県では、建造物の損壊は復旧が進み、住民の生活は徐々に落ち着きを取り戻しつつある。しかしながら、福島原発事故による放射能汚染は今なお残存する大きな問題となっている。そのため、将来の不安などから、他県への移住を決意する方も多いのが現状である。とくに高齢者においては、住み慣れた地からの移動は肉体的かつ精神的に大きな影響を与える。中でも認知症患者ではその影響が顕著に現れる。ある高齢女性の認知症患者を例に挙げ、複数回の転居を繰り返すことで情緒不安定となり、5回目の転居で住み慣れた地域の比較的近隣へ移住し、ようやく症状が落ち着いたとの報告もされた。福島県沿岸部(浜通り地方)は北部、中央部、南部の3地区に大きく分けることができる。原発事故による立ち入り禁止地域は中央部に位置し、北部と南部は分断された状態にある。北部の精神科医療機関は現在1ヵ所のみの稼働であり、また病床も40床程度であるため、他地域や他県の協力が必要不可欠である。南部の中核施設の1つである舞子浜病院においても、入院の増加や外来が混み合っている状況であり、かかりつけ医とのより密接な連携が求められている。今後、避難区域の解除が進み、高齢者を中心に戻ってくる住民が増加した際、これら地域での介護や医療の施設および人材の不足も懸念され、施設や専門家の充足が急がれる。それぞれの地域に適した医療体制の構築が必要続いて、三峰病院 連記 成史氏から「宮城県沿岸地域の認知症疾患医療センターと地域連携」と題し、講演が行われた。三峰病院は震災から間もない6月より宮城県認知症疾患医療センターを立ち上げ、地域精神科医療の中核を担っている。3月11日震災時、津波により町は壊滅的ダメージを受けたが、三峰病院は立地が沿岸部から離れていたこと、高台にあったことが幸いし、被害はほぼ皆無であった。また、入院患者やスタッフにも被害がなく、すぐに稼働することができた。当時、内科、外科等の病院も多くが被災していたため、精神疾患患者のみならず、他診療科の患者の診療、紹介などの対応が必要であった。このような中、重要な役割を果たしたのが、知識や経験はもちろん、それまでに培ってきた地域の医療機関などとの人間関係、絆であった。連記氏は「各地域での医療体制は、それぞれの地域にあったものが必要」と述べる。画一的な医療体制ではなく、各地域の状況などを考慮し、その地域にあった体制を構築することが重要であるとした。ただし、医療や介護を担う人材の育成に地域差はなく、人材育成の必要性を訴えた。地域住民とともに認知症サポート体制の構築を最後に、東北福祉大学 加藤伸司氏より「認知症の人を支える地域づくりを目指して」と題し、講演が行われた。今回の被災地は、高齢化率の高い地域が多く、災害が若者たちが職場などへ出かけている日中に起こったことから、自宅に残された多くの高齢者が被害にあっており、とくにADLの低下した高齢者夫婦や独居高齢者や認知症患者などでは、自力で避難することが困難であったと考えられる。今回明らかになったのは、近隣住民が認知症患者を助けたケースがあるものの、家族が認知症であることを隠していたため、近隣住民が手を差し伸べられず犠牲になったケースである。このようなことから、地域住民に対する認知症の啓発活動は非常に重要であり、家族が認知症を近隣に隠さなくてもすむような地域づくりが必要であると考えられる。加藤氏は認知症の人を支える地域づくりのために必要な5つの要素をまとめた。(1)認知症サポーターの養成、(2)地域住民の把握(偏見のない地域づくり)、(3)住民の判断で行動できる体制、(4)地域組織の協力、(5)防災マップの有効活用改めて確認された地域医療連携の重要性本シンポジウムの最後では、座長の東京都健康長寿医療センター 粟田 主一氏、舞子浜病院 田子氏から、今回の震災の経験から、改めて医療連携の重要性が確認されたとし、今後は各地域でのかかりつけ医と専門医の連携だけでなく、他地域との連携および他県との連携を含め、体制を構築すべきであるとした。そして何より重要なのは、高齢者の医療、介護に携わる人材育成を通じ、地域で支える町づくり目指すことである。また、今回の震災経験を踏まえ、災害に対する具体的な備えについてまとめたうえで、日本のみならず世界へ情報発信することを望むとした。(ケアネット 鷹野 敦夫)

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教授 白井厚治先生の答え

最近のゼロカロリージュースについて0キロカロリーのコーラなどが最近は多く売られてますが、代謝内分泌学的には糖尿病の方に自信を持って勧められているのでしょうか?あくまで噂に過ぎないのですが、ああいうゼロカロリー飲料そのものには確かにカロリーがなくても、一緒に他の食事を摂った時に他の糖質の吸収を促進する作用があると聞きました。。。。PS:そもそも、人工甘味料のアスパルテームが身体に良いかどうかわかりませんし、炭酸飲料は身体に悪いのかもしれませんが。。。実際に、カロリーゼロ表示の飲料物を飲んでもらい、30分から120分まで、採血したところ、血糖の増加はほとんど見られないものもありましたが、なかにはあがるものもあり、原因は、カロリーゼロ表示は、糖質0.5%以下で使っているとのことでした。ですから、成分表示で、糖分ゼロと明記しているものは大丈夫でしょうが、それ以外のものは、大量飲めば、血糖は上がる可能性があります。アスパルテームについては、アミノ酸摂取として評価してよいと思われます。極端に、多用しなければ問題ないと思います。高感度CRPについて高感度CRPは動脈硬化の一つのいい指標でしょうが、上気道炎、歯肉炎などの炎症にても上昇すると理解しています。そうすると、風邪の流行している季節などでは動脈硬化の判定ができずらくなるということはないでしょうか?その通りで、CRPは体内でほかに目立った炎症がない場合にのみ、動脈硬化(炎症性反応としての)の指標として意味がありますが、特異性は、高感度CRPを用いてもありません。大規模スタデイで、ある治療の効果などをみるにはよいでしょう。しかし、日常診療で、個々の例に当てはめ、それのみで、あなたは動脈硬化があります、ありませんとの判定に用いるのは、困難と思います。逆に、動脈硬化のためと決め込んで、ほかの炎症、癌などの初期を見逃す可能性もあります。個人には参考にする程度でよいのではないでしょうか。破壊性甲状腺炎の診断動悸、全身倦怠、微熱、軽い咽頭痛の症状で他院受診。FT3 10.4,FT4 4.6 TSH感度以下、 抗体陰性(TPO、TG、TRAb,TSAb)でCRP 1前後、血沈正常からやや亢進、甲状腺エコーでまだら様low echo部位のある患者さんが当院紹介となりました。ヨードuptake 1%以下で破壊性甲状腺炎と診断しましたが、一貫して頸部痛はありません。頸部痛のない亜急性甲状腺炎と判断するのか、咽頭炎併発の無痛性甲状腺炎と迷いました。これでTPO抗体やTG抗体が陽性であればさらに橋本病の急性増悪とも迷うところです。頸部痛のない亜急性甲状腺炎という病態はあると考えて宜しいのでしょうか。また今回のケースではありませんが橋本病の抗体が陽性の場合、無痛性甲状腺炎と橋本病の急性増悪との鑑別についてもご教授いただければ幸いです。甲状腺機能亢進でTSAb、TRAb陰性、さらにヨードuptakeの低下という所見は破壊性甲状腺炎に矛盾しません。破壊性甲状腺炎には、亜急性甲状腺炎と無痛性甲状腺炎があります。亜急性甲状腺炎は炎症反応があり、low echo部位を認めるととも頸部痛はほぼ必発です。本例では頸部痛なしなので、亜急性甲状腺炎とは言えないでしょう。従って、無痛性甲状腺炎の可能性が強くなります。無痛性甲状腺炎は、多くは橋本病を基盤とした疾患とされており、本例がTPO、TGの抗体が陰性であることから、合致しません。まだ特定されていませんが何らかのウィルスによる甲状腺炎かもしれません。実際、本症例をどうするかですが、私なら経過観察が重要と考えます。ホルモン値を追跡し、下がればそれでよく、もし、炎症反応が強くなったり、頸部痛が出現してきたりすれば、亜急性甲状腺炎と考えて、ステロイド投与も考慮していくべきでしょう (当面はNSAIDでも十分)。甲状腺機能亢進症が長引くようであれば、甲状腺中毒症状に応じて、メルカゾールを適量処方、経過観察します。術前術後の糖尿病コントロール経口糖尿病薬は手術前後は禁忌となっています。手術前後とはどれくらいの期間をいうのでしょうか。その間はインシュリンでコントロールすることになりますが基本的なやりかたをご教示ください。手術の種類、術後の食事摂取の状況からも、ことなり、一律にはいえないと思います。一般に消化管手術は、吸収が不安定なこともあり、最低前1日、後7日間くらいは、血糖測定下でのインスリン治療が望まれます。SU剤を中止してのインスリン量の決定は、個々異なり、試行錯誤ですが、グリペングラマイド(2.5mg)3T/日では、およそ、インスリン必要量は、8-12単位くらいではないでしょうか。当院では、毎食前血糖測定後、血糖(mg/dl)100-120、  120-150、150-200、200-250、250-300 それぞれ、インスリン(レギュラー)2-4、4-6、6-8、8-10、10-12単位打つことを目安にしています。大学病院に足りないもの先生が大学病院の経営のみならず、臨床の現場でもご活躍されている様子、記事で拝見しました。大学病院の上から下までご存知の先生にお聞きしたいことがあります。「今、大学病院に足りないもの」を一つ挙げるとしたら、なんでしょうか?今や大学病院も収入につながる診療に振り回され、臨床研究の機会がどんどん減っているような感があります。周りの若手を見ても、診療に疲れて、「大学病院でバリバリ研究するぞ!」という気概を感じることができません。魅力ある大学病院を作るために何が必要なのか?何が足りないのか、日々悩んでいる状況です。ご教授頂けると幸いです。こんな時代の今こそなぜ、大学病院にいるのか、どのような姿勢をとるのか、原点が問われていると思います。それというのも、いろいろ言われていますが、医療の原点である患者さんの満足度(医療レベルもふくめ)を中心に、医師をきちんと配備し、グループ、科の壁を乗り越え、互いに手を出し合ってゆけば、大学病院は採算的にやってゆけるというのが実感でした。ただそこには、多くの若い医師たちがいるということ、即ち、採算的にみると、薄給でがんばってくれている若手医師がいるからこと成り立つことを忘れてはなりません。それに対して、彼らが大学病院にいる存在意義を見出すには、スタッフが魅力的な医療技能を提示でき、全身全霊をかけて患者さんを診ているすばらしい姿をみせること。若手医師は今の医療を学ぶのみでなく、医療を開拓していくメンバーの1人として、テーマを持ち未解決なものを解決する術を身につけることの充実感とそれによる自信が必要と思います。従って、大学スタッフの責任は重大で(それだけやりがいがあるという意味です)、面白い研究テーマを見つけ、その解決を目指してあらゆる手段を用い(基礎、臨床研究)、しかもそれを楽しみながらやっている姿勢を見せ続けることです。そして、病院の業務に追われ疲れているように見えた時こそ、それらを吹き飛ばす面白い研究テーマを突きつけるべきです。マンネリと疲労から脱出させる最良の方法となります。先生のようなやる気のある上級医師は、遠慮せず、怖がらず若手医師に語りかける続けることでしょう。今の医学教育は研究の面白さ楽しさを感じ取るレセプターを育成していませんから、苦労しますが、でも、わかってくれる日が必ず来ると思います。CAVIの開発についてCAVIにはいつもお世話になっています。お恥ずかしい話、先生が開発に携わっていたこと、知りませんでした。このような新しい技術や検査機械の開発はどのように始まり、進行していくものなのでしょうか?また、このように周りを上手く巻き込んでいく時のポイント、秘訣などありましたらご教授頂きたいです。宜しくお願いします。CAVIは、今次々と新しい事実が見出されています。大切なことは、若い先生方に興味を持ってもらえ、いったん途絶えていた血管機能学が代謝学と連携して再度面白くなり始めたことです。CAVIと巡り合ったいきさつですが、たまたま、開発初期に相談をうけたわけで、私が発想し持ち込んだわけではありません。ただ、血管機能については興味をもち30年前から大動脈脈波速度(長谷川法=血圧補正法)を毎年透析患者さんで10数年にわたり測定していました。そこでPWVの限界と可能性を私なりに理解していたつもりです。今回CAVIの初期のデータとりをする中で、計算式決定まで多少紆余曲折がありましたが、バイオメカニクスの科学と臨床成績から現在の式が最終決定され、以後広い臨床評価が始まりました。そこには、長年血管機能解析に興味を持ち続け誠実にデータを蓄積分析してくれていた施設と人がいたこと、会社も、科学性と臨床データ両面を尊重し互いに納得のいくまで検討できたこと、また脈波感知と分析に高度の技術を発揮した優秀なスタッフがいたことが幸運だったと思います。加えて、全国の大御所というよりは若手研究者の方がCAVIに素直に興味をもってくれ、いわゆる大学の研究室よりは、一般病院で、素養のある先生方が先行して出された研究が多く、現場で開拓心旺盛な医師の存在が大きく浮かび上がりました。新しい世界を開くのは情熱ある若手医師とつくづく思いました。無理に誰かを巻き込もうとしたこともなく、CAVIそのものの原理と測定の安定性が最大の牽引力であったと思います。でもまだまだ、これから多くを検証する必要があります。佐倉病院でないとできないこととある病院で研修医やっている者です。先生の記事を興味深く読ませて頂きました。文末にある「佐倉病院でないとできないことに向けて頑張っていく」という言葉が印象的です。記事を読んでいると、佐倉病院さんはとてもチームワークが良く、ドクターもコメディカルも同じ目標に向かって猛進しているような印象を受けました。(先生のところだけかもしれませんが...。)「佐倉病院にしかできないこと」というのは、そのように「チームワークが良い病院でしかできないこと」なのでしょうか?それともまた何か他とは違う特徴が佐倉病院さんにはあるのでしょうか?基礎も臨床もしっかり行い、しかも全て患者さんのためになっている様子に感銘を受けました。ご回答宜しくお願いします。どこの場にいても、そこを、地球上で一番すばらしいところにしてやろうという気持ちが大切です。恵まれてすべてが整っているところほど、これからの人にとってつまらない場所はないと思います。とにかく、その場での問題点を探し、皆が一番困っているところを見つけ出し、その解決に向けて、できるとところを一歩一歩解決してゆく姿勢を評価、支援しあえる環境が佐倉病院にはあるということです。内科も、外科医に負けないような患者さんに感謝される治療学を確立しようと、研究テーマの根幹は、酸化、再生、免疫制御、栄養の4本柱で、おのおの磨いているところです。たとえば、呼吸器は抗酸化療法で間質性肺炎に挑戦、代謝は、肥満治療を分子から栄養、こころの問題と多面的に捉える治療、特に肥満外科治療が開始されましたがその術前術後のフォロー、フォーミュラー食(低エネルギー低糖質、高たんぱく食)の応用と基礎、糖尿病腎症に対するプロブコールを用いた抗酸化療法で透析療法移行抑制試験、循環器は、インターベンションに加えて、これから、難治性心不全に対する鹿児島大鄭教授の開発した和温療法実施と評価、睡眠時無呼吸と不安定狭心症の関係をみつけその治療システムの確立、消化器は、炎症性腸疾患のメッカとして、顆粒球除去療法、レミケード療法、神経内科は、排尿障害を中心に、パーキンソン病の深部脳刺激治療のバックアップ、再生医療も狙っています。研究は、各グループ専門を超えて互いに連携しています。原則として、できれば自然の法則性を体感するため、医師は基礎研究もする機会を経験してもらいたいものです。研究開発部の協力のもとに細胞培養、酵素学、遺伝子実験をできる体制を敷いています。要するに、病気を多面的にいくつかの独自の視点をもって診、医療を開拓してゆける人の育成がもっとも大切と考え、それには、チーム医療、他コメヂィカルとも力を合わせ、初めてできることと考えています。理想の地域連携とは先生がお考えになる「理想の地域連携」の姿とはどんなものでしょうか?また、その理想の姿になれない、理想の姿になるのを阻んでいる障害はなんでしょうか?(実現されていたら申し訳ないです。)現在、私も地域連携について勉強はしているものの、なかなか思うような形にできません。障害が多すぎて、「理想的」どころが「現実的」な連携フローにもなっていません。宜しくお願いします。地域となるとさまざまな価値観の人がおり、同じ言葉でも受け取り方が違ったり、利益配分に問題が出たりで、そう簡単に理想的な地域連携ができるわけではありません。しかし、今の医療は、個々の医療人が隔離状態で医療行為を行えるほど甘くなく、互いに、助け合って連携せざるをえないと思います。でも問題は、ただ患者さんを送りあえば医療連携になるかといえばそうでもなく、問題は患者さんも含めて、互いにわかりあい納得できることが大切で、それには情報の整理集約が必須です。私どもは、生活習慣病を中心としたヘルスケアファイルと呼ばれるノートを患者さん全員にお渡ししています。そこには、動脈硬化リスク因子、標準体重、BMI、臓器障害の有無、程度、さらに主要な検査値はグラフで提示するシステムを用いています。これで、関わる医師は無論、クラークさん、看護師さんも経過が一目瞭然。するとアドバイスも適切。また家族もわかり、応援しやすくなります。これを地域に広げたいというのが私どもの夢です。ただこのファイルは、血圧、糖尿、脂質、尿酸、体重、一般検査を含んでおり、全部網羅していると思います。わがままかもしれませんが、これ一冊にしていただきたいのです。一般には、00手帳が3つも5つももっておられる方もいますね。でもなんだかわからないというのが実情です。大人版、母子手帳を作るべきだと思います。チームワーク先生、チームをまとめ上げるために必要なものはなんでしょうか?チームワークというと「みんな仲良く」というイメージがありますが、決してそうではないと思います。きっと先生は、今までのご苦労の中から「これが大事!」というもの発見されていると思います。それを教えてください。宜しくお願いします。リーダーは、今自分らの分野で何が問題で、それを解決するために、どう力を互いに出し解決するかを提言し続けること。 即ち、小さなグループミーチングでも、プロジェクトを提示し、その成果がささやかでも出たら皆で確認し、面白がること。プロジェクトは、参加者全員が順に一つずつ持つように絶えず心がけていると、みんなに参加意識と存在感さらい自信が生まれます。すると、とたんに楽しく動き始めます。低糖質食私も低糖質食でメタボを脱却したものですが、抵糖質食の心血管病変に対してrisk reductionあるのでしょうか?食事の内容によっても大きく変化するのでしょうか?低糖質、高蛋白食が減量に効果があるとともに、血圧、血糖、脂質異常などの冠動脈リスク因子を減らすことは、海外のスタデイでも、ほぼ一致して報告されています。インスリン抵抗性解除作用と思います。ただし長期(1年)になると元に戻るとの報告もあり、それを鵜呑みに意味がないという人もいます。しかしその食事調査結果をみると、実際の摂取成分がもとに戻っており、実はそう長くは自己調整を続けられなかたというのが実態で、低糖質、高蛋白食は長期になると効果がなくなるというものではないわけです。御質問の「では実際、心血管イベントを減らせたか」はもっとも重要な点ですが、上述のごとく、通常食で成分調整を長年にわたり継続すること自体がほとんど不可能なため、年余にわたる低糖質、高蛋白食の冠動脈疾患の発生を抑えるかどうかの研究自体ができないのです。本当は、このような基本となる栄養組成の研究こそ、国が、コンプライアンスを保障できる食事の宅配便制度などを利用し、長期にわたる調査を企画運営すべきです。そこにこそ研究費をつぎ込むべきです。薬物のようにメーカー主導のエビデンスベーストメデイシンは、この分野では行われることはないでしょう。現在、ある程度コンプライアンスをよくして低糖質、高蛋白食の効果を見る方法とすれば、フォーミュラ食を一日一回用いるなどの方法が考えられます。また、長期のイベントの発生調査を、より短期に予測しうる方法があれば、即ち、動脈硬化のよいサロゲートマーカーがあれば早期に結論が出せるかもしれません。それには、新しい動脈硬化指標CAVIが使えるかもしれないとの淡い期待を、持っています。教授 白井厚治先生「「CAVI」千葉県・佐倉から世界へ 抗動脈硬化の治療戦略」

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小規模病院向け電子カルテシステムをSaaS型で提供する「MegaOakSR for SaaS」発売

NECは10日、100床以下の小規模病院向け電子カルテシステムをネットワーク経由でサービス(SaaS)提供する「MegaOakSR for SaaS」(メガオークエスアール フォー サース)を開発し、7月から販売を開始すると発表した。サービス提供は12月から開始するという。「MegaOakSR for SaaS」は、診療データを日本国内のデータセンター内で管理し、電子カルテ・オーダリング・看護システムという主要な機能をネットワーク経由で提供するものであり、厚生労働省標準規格で定められた診療データの標準化に対応した国内初のSaaS型電子カルテシステムとなる。さらに、複数の医療機関が診療情報を共有して連携を強化する地域医療連携ネットワーク(ID-Link)に簡単に接続できる機能を有している。このシステムが実現したのは、本年2月1日に厚生労働省から『「診療録等の保存を行う場所について」の一部改正について』(医政発0201第2号/保発0201第1号)が発せられたことにより、医療機関が患者の診療データを民間のデータセンターに保管し、SaaS型で電子カルテシステムを利用する形態が可能となったため。同社は「MegaOakSR for SaaS」を販売パートナーと共に積極的に拡販し、平成25年度までに500機関への導入を目指すという。詳細はプレスリリースへhttp://www.nec.co.jp/press/ja/1005/1001.html

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脳卒中の医療機能別医療機関名全国一覧を作成、Excel版を販売

株式会社シード・プランニングは20日、全国の脳卒中の医療機能別医療機関の調査を行い、その結果を調査レポートとして作成し、発表した。早急な医療連携体制整備が求められる脳卒中では、ほぼすべての都道府県が医療機能ごとの医療施設一覧を作成しているが、それぞれが個別で作成しているため、記載事項は都道府県毎に異なるという背景がある。同社はこれらを平準化し、一覧のリストを作成した。各都道府県の一覧にはほとんど記載されていない住所・電話番号を、全ての施設に対して記載されている。脳卒中の急性期・回復期・維持期の医療施設について、全国ほとんどの施設名とその所在地がわかり、二次医療圏もわかるようになっている。また、EXCELファイルなので、オートフィルタでソートしたり、並べ替えができ、「急性期」「回復期」の医療機関の位置をマッピングした全国地図もついている。この調査レポートは「脳卒中の医療連携体制を担う医療機能別医療機関名全国一覧【Excel版】」(http://www.seedplanning.co.jp/report/01372.html)CD-ROMとして販売されている。詳細はプレスリリースへhttp://www.seedplanning.co.jp/press/2009/2009102001.html

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NECとCSIが「電子カルテ/地域医療連携ソリューション」を販売開始

 日本電気株式会社(NEC)と株式会社シーエスアイ(CSI)は13日、複数の医療施設が電子カルテや医用画像などの診療情報を容易に共有し連携強化を実現する「電子カルテ/地域医療連携ソリューション」を製品化し、販売を開始した。NECとCSIの電子カルテシステムを「ID-Link」に接続 「電子カルテ/地域医療連携ソリューション」は、(1)電子カルテシステム、(2)地域医療連携ネットワークサービス「ID-Link」、(3)電子カルテシステムを「ID-Link」に接続して診療情報を公開するのに必要な機能を予め組み込んだ専用サーバ(診療情報公開用サーバ)の3つを組み合わせて提供される。 電子カルテシステムは、NEC製が「MegaOakHR」(メガオークエイチアール)、CSI製が「MI・RA・Is(ミライズ)シリーズ」。地域医療連携ネットワークサービス「ID-Link」の利用料は、自施設の電子カルテと接続して診療情報を公開する医療施設の場合は、月額50,000円(税別)から。診療情報を閲覧する医療施設は、月額7,000円(税別)で利用できる。なお、「ID-Link」は北海道函館地区などですでに運用されている。 詳細はプレスリリースへhttp://www.nec.co.jp/press/ja/0907/1302.html

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医療機関と患者をモバイルで結ぶサービス 「Health Clover」8月発売

株式会社シーエスアイは14日、医療機関と患者が相互に診療情報や予約情報等の情報交換を可能とするASP型の健康・医療ソリューション「Health Clover(ヘルス クローバー)」を、8月1日より発売開始することを発表した。「Health Clover」は、セキュアなネットを有するASPサービスセンター等を通じて、医療機関の情報システムと、患者の携帯電話・モバイル端末との情報交換を可能にし、医療機関と患者やその家族とを結ぶ。「Health Clover」は、(1)健康情報サイト・リンク集等を閲覧できる「健康支援ナビ」、(2)施設の情報や混雑状況等を把握できる「施設専用ナビ」、(3)診療予約・通知システム等を利用できる「診療支援」、(4)地域医療連携サービスに接続された医療機関の処方履歴を閲覧できる「医療連携」、の4つの機能を有している。月額利用料は、診療所:9,800 円、病院:30,000 円~。詳細はプレスリリースへ(PDF)http://www.csiinc.co.jp/ir2009-09/新ソリューションプレス.pdf

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肺の生活習慣病COPD

2007年10月23日、COPD(慢性閉塞性肺疾患)治療薬スピリーバ承認取得3周年を機に、発売元である日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社/ファイザー株式会社が日本医科大学呼吸器内科教授、同大学呼吸ケアクリニック所長の木田厚瑞氏(写真)およびCOPD患者ご夫妻を迎え、記念記者会見を開いた。講演および会見の内容を「肺の生活習慣病COPD」、「多彩な併存症を持つ全身性疾患であるCOPD」、「COPD患者の生の声」の3回に分けて掲載する。わが国の喫煙率は高く、主に喫煙を原因とするCOPDは、まさしく「肺の生活習慣病」である。COPDは世界の死亡原因第4位に挙げられ(*1)、わが国でも2000年に死因の第10位に初めて登場した(*2)。木田氏によると、COPDは初めに断続的な咳、痰が生じ、やがて息切れの出現、息切れの増悪を経て、呼吸困難のため在宅酸素療法に頼り、死亡する経過を辿る。特に進行は非常に緩徐であるため、歳のせいなどと誤解され、医師も、患者も気づかないことが多い。そのため、わが国の推定COPD患者が530万人いるにもかかわらず(*3)、実際に22.3万人しか治療を受けていない(*4)。またCOPDが進行すると、患者のQOLが大きく低下し、運動能力が落ち、やがて寝たきりとなり、大きな問題となる。一方、COPDは急性増悪と呼ばれる急激な症状の悪化が繰り返し起こり、COPDの進行を助長させる恐れがある。中等症以上の患者は急性増悪が起きると、多くの場合は入院治療が必要となり、その費用は1回平均69万円で、医療費を考えても早期な診断と治療が望ましい。木田氏は、COPDの診療には、基幹病院とプライマリ・ケアの医療連携が必要と力説した。さらに、木田氏はCOPDが喘息と誤診されることがしばしばあるが、両者の発症原因はまったく異なる疾患で、異なった治療が必要と説明した。3年前、1日1回吸入する抗コリン薬であるスピリーバ(チオトロピウム)の登場で、COPD患者のQOLを大きく改善することが可能になった。その主な治療効果は、気管支拡張効果により、息切れ回数の減少、身体活動の向上、急性増悪の軽減をもたらす。また抗炎症作用によって、全身性炎症反応を阻害することも考えられる。最後に、木田氏はCOPDが治療できる病気、予防できる病気とのWHOのメッセージを紹介し、COPD治療の必要性を訴えた。(ケアネット 呉 晨)

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