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マラリアの疾病負担が大幅に軽減、西アフリカ・ガンビアの場合

西アフリカのガンビアでは、近年の国際的な取り組みによりマラリアの疾病負担が大幅に軽減されていることが、同国医療研究評議会研究所のSerign J Ceesay氏らが行った調査で確認された。マラリアはアフリカにおける主要疾患であり最大の死因でもある。同国では、マラリア管理の国際的な取り組みや財政支援が強化され、2003年以降、妊婦や5歳以下の子どもに対する介入が増加しているという。Lancet誌2008年11月1日号掲載の報告。マラリアの指標の変化をレトロスペクティブに解析研究グループは、ガンビアにおけるマラリアの指標の変化およびこれらの変化の要因、公衆衛生学的な意義について調査した。マラリアによる入院、死亡、血液検査の結果を確定するために、1つの病院(1999年1月~2007年12月、9年間)および3つの行政区の4つの医療施設(2001年1月~2007月12月、7年間)の原記録についてレトロスペクティブな解析を行った。1施設からは、小児の入院患者のヘモグロビン濃度およびマラリア入院患者の年齢構成に関する付加的なデータが得られた。陽性率、入院率、死亡率が大幅に改善、マラリア撲滅に向けた施策の検討を血液検査の記録が完全に残されていた4つの施設では、2003~2007年までにマラリア陽性率がそれぞれ82%、85%、73%、50%低減していた。完全な入院記録が残されていた3施設では、マラリアによる入院率がそれぞれ74%、69%、27%低減した。2つの施設ではマラリアによる死亡率が、それぞれ100%および90%低減した。2004年以降、全入院の平均ヘモグロビン濃度が12g/L増加し、小児のマラリアによる入院の平均年齢が3.9歳から5.6歳になった。著者は、「ガンビアにおけるマラリアの甚大な疾病負担は軽減しつつある。今回の結果は、公衆衛生学的な問題としてのマラリア撲滅に向けた施策の検討を促し、正確で継続的な調査の重要性を強調するものである」と結論し、「さらなるマラリアの抑制に向け、継続可能でプロスペクティブなモニタリング法を確立するための積極的な取り組みが求められる」としている。(菅野守:医学ライター)

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初のマラリア治療用合剤CoarsucamにWHO事前承認

サノフィ・アベンティス株式会社は10月22日、フランス、パリの本社と非営利団体「顧みられない病気のための新薬イニシアティブ(DNDi:Drugs for Neglected Diseases initiative)」が、アーテスネート(AS)とアモジアキン(AQ)2種類のマラリア治療薬による初の合剤 Coarsucam / Artesunate Amodiaquine Winthrop(ASAQ)が、世界保健機関(WHO)医薬品事前承認プログラムによる承認を取得したと発表した。事前承認されたASAQは、水溶性製剤であり、特に小児向けにデザインされた初のマラリア治療用合剤。WHO医薬品事前承認プログラムは、HIV/エイズ、マラリア、結核の領域において重要性が高く高品質な医薬品の入手利用を促進することを目的としている。WHOの品質基準を満たすと認められた製品は「事前承認薬リスト」に収載される。このリストは当初、国連機関が医薬品を調達するために利用していたが、現在は医薬品の大量購入に関わる多くの期間や組織にとって不可欠となっている。詳細はプレスリリースへhttp://www.sanofi-aventis.co.jp/live/jp/medias/918457A7-645C-46E7-873D-4CA2B7FAA833.pdf

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人工着色料・食品添加物(AFCA)は子どもの多動性を増強する

9月上旬、本報告がLancet誌オンライン版に掲載されるや、欧米では大きな反響が巻き起こったという。この試験で用いられている人工着色料・食品添加物(AFCA)の多くは日本でも使用されているため、今後、本邦においても広範な議論が展開されることを期待したい。 AFCAの子どもの行動への影響が指摘されて30年以上が経過している。AFCAによる主な行動障害は多動性(過活動、衝動性、不注意)と推察されるため、この行動パターンを示す子どもは注意欠陥多動性障害(ADHD)でない場合でも、ADHDと診断されている可能性がある。また、最近のメタ解析ではADHDに対する有意な影響も示唆されている。 Donna McCann氏(イギリス・サザンプトン大学心理学科)らは、AFCAの摂取が子どもの行動に及ぼす影響を広範に評価するために、対象年齢を拡大した検討を行った。Lancet誌9月6日付オンライン版、11月3日付本誌掲載の報告。297名の子どもが2種類のAFCA含有ジュースとプラセボを飲用本研究は、3歳児153名、8~9歳児144名を対象とした二重盲検プラセボ対照無作為化クロスオーバー試験である。各年齢群とも同じプロトコールに従ってAFCAを含む2種類のジュース(ミックスAおよびB)あるいはプラセボを6週間飲用した。ミックスAには、人工着色料20mg[黄色5号5mg+カルモイシン(日本指定外)2.5mg+黄色4号7.5mg+赤色102号5mg]+保存料(安息香酸ナトリウム45mg)が、ミックスBには人工着色料30mg[黄色5号7.5mg+カルモイシン(日本指定外)7.5mg+キノリンイエロー(日本指定外)7.5mg+赤色40号7.5mg]+保存料(安息香酸ナトリウム45mg)が含まれた。3歳児には1袋56gのお菓子2袋に相当する量のジュースにミックスA、Bを混ぜ、8~9歳児には2袋相当にミックスAを、4袋相当にミックスBを混合した。主要評価項目は、観察された行動のスコアおよび教師、両親による点数化に基づく全体的多動性集計(GHA)とし、8~9歳児にはコンピュータによる注意力の検査も実施した。3歳児、8~9歳児ともに、AFCAによる有害作用を確認16名の3歳児および14名の8~9歳児が、行動とは無関係の原因で試験を完遂できなかった。ミックスAは、すべての3歳児においてプラセボに比し有意に多動性のレベルを上昇させた(p=0.044)が、ミックスBとプラセボには有意差は認めなかった。ジュースを85%以上飲用した3歳児に限定した解析でも同様の結果であった(p=0.02)。8~9歳児は、ジュースを85%以上飲用した場合に限定した解析でミックスA(p=0.023)、ミックスB(p=0.001)ともプラセボに比し有意に多動性レベルが上昇した。多動性をもたらす特定の有害物質は不明McCann氏は「食品中の人工着色料または保存料(もしくはその両方)は、一般集団における3歳児、8~9歳児の多動性を増強する」と結論している。また、同氏は「今回の試験では各ミックス中の特定の有害物質は決定できない」とし、「食品への人工着色料の添加は不要と考えられるが、安息香酸ナトリウムは重要な保存機能を持つため同一には扱えない」と指摘している。(菅野 守:医学ライター)

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