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先天性TTP、ADAMTS13の予防的投与で症状発現を抑制/NEJM

 先天性血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)患者では、遺伝子組み換えADAMTS13の予防的投与後のADAMTS13活性が正常値である101%を達成し、有害事象の大部分は軽度~中等度で、TTPイベントや症状の発現はまれであることが、英国・ロンドン大学病院のMarie Scully氏らの検討で示された。研究の成果は、NEJM誌2024年5月2日号に掲載された。第III相無作為化2期クロスオーバー試験の中間解析 本研究は、欧州連合(EU)、米国、英国、日本の34施設で実施した第III相非盲検無作為化2期クロスオーバー試験であり、今回の中間解析では、2017年10月~2022年8月に登録した患者の結果が報告された(Takeda Development Center AmericasとBaxalta Innovationsの助成を受けた)。 年齢0~70歳で、分子遺伝学的検査で先天性TTPと確定し、ADAMTS13活性が10%未満の患者を対象とした。スクリーニング時に急性TTPイベントを認めなかった患者を予防コホート、急性TTPイベントを認めた患者をオンデマンドコホートとした。 被験者を、1期目として6ヵ月間、遺伝子組み換えADAMTS13(40 IU/kg体重、静脈内投与)の予防的投与を行う群、または標準治療(血漿由来製剤)の予防的投与を行う群に、1対1の割合で無作為に割り付け、引き続き2期目の6ヵ月間はこれらの治療を入れ替えた。その後、6ヵ月間、全例にADAMTS13を投与した。 主要アウトカムは急性TTPイベントであった。急性TTPイベントが発生した患者はオンデマンド治療を受けられることとした。最も頻度の高いTTP症状は血小板減少症 48例(年齢中央値33歳[範囲:3~68]、女性28例[58%])を無作為化の対象とした。ADAMTS13投与期間後に標準治療を受けた患者が21例、標準治療期間後にADAMTS13投与を受けた患者が27例だった。中間解析時に、32例が試験を完了しており、14例が継続中で、2例は中止した。 急性TTPイベントは、ADAMTS13の予防的投与期間中には発生しなかったのに対し、標準治療の予防的投与期間中には1例で発生した(年間イベント発生率の平均値0.05、95%信頼区間[CI]:0.00~0.14)。 最も頻度の高いTTPの症状は血小板減少症で、1期と2期を通じた年間イベント発生率はADAMTS13群が0.74、標準治療群は1.73であった(推定比:0.4、95%CI:0.3~0.7)。また、乳酸脱水素酵素(LDH)値の上昇(平均年間イベント発生率:ADAMTS13群0.26 vs.標準治療群0.74、推定比:0.4[95%CI:0.1~1.1])、神経症状(0.18 vs.0.29、0.6[0.3~1.2])、腹痛(0.11 vs.0.17、0.6[0.2~2.3])も、標準治療群に比べADAMTS13群で低い傾向を認めた。有害事象は重度7%、試験薬関連9%、中和抗体の発現はない 有害事象は、ADAMTS13投与中に71%、標準治療中に84%で発現した。大部分の有害事象の重症度は軽度~中等度で、重度の有害事象はADAMTS13投与中に7%、標準治療中に14%で発現した。ADAMTS13投与中に頻度が高かった有害事象は、頭痛、片頭痛、上咽頭炎、下痢であった。 担当医が試験薬関連と判定した有害事象は、ADAMTS13投与中に9%、標準治療中に48%で認めた。有害事象による試験薬の中断または中止は、ADAMTS13投与中にはみられなかったが、標準治療中には8例で発生した。ADAMTS13投与中に中和抗体の発現はなかった。 治療後のADAMTS13の最大活性の平均値は、標準療法後が19%であったのに対し、ADAMTS13投与後は101%だった。 著者は、「これらの知見により、遺伝子組み換えADAMTS13は先天性TTP患者に対する有効な予防的治療法であることが示された」としている。

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コロナワクチンに不安のあるがん患者の相談相手は?

 外来で化学療法を受けるがん患者を対象に、新型コロナワクチンに関して不安を感じることの内容やその相談相手などが調査された。その結果、相談相手としてプライマリケア医が最も多いことが明らかとなった。研究グループは、薬剤師が介入できる可能性も示唆されたとしている。これは順天堂大学医学部附属順天堂医院薬剤部の畦地拓哉氏らによる研究であり、「Journal of Pharmaceutical Health Care and Sciences」に3月4日掲載された。 新型コロナワクチンは日本で2021年2月に承認され、がん患者において接種が推奨されている。しかし、がん患者のワクチン接種状況や副反応に焦点を当てた研究はほとんどない。患者はがん治療への影響も含めて多くの不安を抱えるため、医療職の関与が重要となる。 著者らは今回、順天堂大学医学部附属順天堂医院で外来化学療法を行い、2022年10月~2023年1月に薬剤師の服薬指導を受けたがん患者を対象としてオンライン横断調査を行った。無記名の質問紙を用いて、新型コロナワクチンの接種歴や副反応、ワクチン接種に関する不安の内容、相談相手や情報の入手源などを調べた。 調査の回答者は60人(男性16人、女性44人)であり、年齢層は40歳未満が3人、40~49歳が15人、50~59歳が21人、60~69歳が13人、70~79歳が8人。主ながんの種類は、乳がん(21人)、卵巣がん(9人)、肺がん(6人)、膵がん(5人)、子宮がん(5人)などだった。 不安の内容として、「がん治療がスケジュール通りにできないのではないか?」(29人)、「がんなので特別な副作用がでないか?」(24人)などの回答が多かった。一方、調査時点でワクチンを2回以上接種していた人の割合は96.7%(58人)であり、これは同時期の日本全体の接種率よりも高かった。副反応は注射部位の痛みが最も多く、全身症状は発熱と倦怠感が多かったが、がんの治療スケジュールに影響があった人はほとんどいなかった。 ワクチンについての相談相手・情報入手源としては、プライマリケア医(25人)、家族・親族(22人)、インターネット(15人)、テレビ・ラジオ(13人)、友人・知人(12人)の回答が多かった。その他、医療職に関する回答は、プライマリケア医以外の医師と看護師はどちらも4人、病院薬剤師は1人のみで、薬局薬剤師やケアマネジャーの回答はなかった。 さらに、各相談相手について、今後ワクチン接種に不安を感じたときにどの程度相談しやすいかが検討された。6段階の回答を点数化・平均し、医療職間で比較すると、最も相談しやすいのはプライマリケア医(3.55点)、次に看護師(3.20点)だったが、どちらも病院薬剤師(2.85点)との統計的な有意差はなかった。また、病院薬剤師とプライマリケア医以外の医師(2.50点)や薬局薬剤師(2.27点)との間にも有意差は認められなかった。 以上、病院薬剤師は相談相手としての回答自体は少なかったが、プライマリケア医、看護師の次に相談しやすいとされたことについて著者らは、「外来化学療法時の服薬指導や有害事象のモニタリングを通じて築かれた信頼関係による可能性がある」と説明。また、がん患者の多くはプライマリケア医に相談した場合にも、ワクチンに対して不安を抱いていることが示されたという。患者はワクチン接種後の発熱や治療薬との相互作用などを不安に感じるが、「一般集団との間で副反応に有意差がないことを経験として伝えることも不安を和らげる上で有益」とし、薬剤師が介入できる可能性を示す結果だったと総括している。

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コーヒーが早食いによるメタボリックシンドロームを予防?

 早食いは肥満につながるとされ、健康のためにゆっくり食べることが推奨される。そんな中、新たに日本人を対象として行われた研究によると、1日1杯のコーヒーを飲むことで、早食いによるメタボリックシンドロームを予防できる可能性があるという。これは京都府立医科大学大学院医学研究科地域保健医療疫学の小山晃英氏らによる研究結果であり、「Healthcare」に3月7日掲載された。 メタボリックシンドロームは死亡やさまざまな疾患のリスクを上昇させる。食事のスピードとメタボリックシンドロームの関連が報告されているが、一度身に付いた習慣を変えるのは簡単なことではない。著者らは今回、カフェインやポリフェノール(クロロゲン酸)を含み、さまざまな健康効果が報告されているコーヒーに着目して、コーヒー摂取量、食事のスピード、メタボリックシンドロームの関連について調べた。 この研究は、「日本多施設共同コホート研究(J-MICC Study)」の京都における追跡調査(2013~2017年)に参加した3,881人(平均年齢57.5±9.9歳、女性2,498人、男性1,383人)を対象に行われた。「ろ過またはインスタントのコーヒー」と「缶、ペットボトル、パック入りのコーヒー」に分けて、コーヒー摂取量、食事のスピード(遅食い、普通、早食い)のほか、生活習慣や既往歴などが質問票により調査された。 対象者のうち、15.3%(595人)がメタボリックシンドロームに該当した。また、早食いに該当した人は女性の33.8%(845人)、男性の39.8%(550人)だった。 年齢や性別、運動・喫煙・飲酒、既往歴による影響を調整して、まずはコーヒー摂取量とメタボリックシンドロームとの関連が検討された。その結果、ろ過またはインスタントのコーヒーでは、摂取量が1日1杯以上の人は1日1杯未満の人と比較して、メタボリックシンドロームのオッズが有意に低く(オッズ比0.695、95%信頼区間0.570~0.847)、男女別に見ても同様だった。一方、缶・ペットボトル・パック入りのコーヒーでは、女性に関して反対の結果が得られ、1日1杯以上の女性はメタボリックシンドロームのオッズが有意に高かった(同2.056、1.110~3.811)。食事のスピードとの関連については、早食いの人は遅食いの人と比べてメタボリックシンドロームのオッズが有意に高く(同1.689、1.227~2.324)、男女とも同様の結果だった。 次に、ろ過またはインスタントのコーヒー摂取量と食事のスピードを組み合わせて、メタボリックシンドロームとの関連が分析された。コーヒー摂取量が1日1杯未満で早食いの人と比べた結果、1日1杯未満で遅食いの人ではメタボリックシンドロームのオッズが有意に低かった(同0.502、0.296~0.851)。一方、コーヒーを1日1杯以上飲む人では、遅食い(同0.448、0.289~0.693)、普通(同0.482、0.353~0.658)、早食い(同0.684、0.499~0.936)のいずれの場合でも、メタボリックシンドロームのオッズが有意に低いことが明らかとなった。 今回の研究について著者らは、コーヒーの詳細(カフェインレスかどうか、砂糖やミルクの有無など)や、飲むタイミングなどは評価していないことを説明。その上で、結論として「ろ過またはインスタントのコーヒーを1日1杯以上飲むことで、早食いによるメタボリックシンドロームの予防に役立つ可能性が示唆された」と述べている。

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手足口病の予防は手洗いで

夏、小児に流行する手足口病〔原因ウイルス〕・エンテロウイルスやコクサッキーウイルス(※アルコール消毒や熱に抵抗性が高いウイルス)〔流行期、おもな患者層、潜伏期間〕・夏季を中心に流行し、4歳くらいの幼児が主体(2歳以下が半数。成人もまれに感染)・約3~5日の潜伏期間の後に発症〔主症状〕・口腔粘膜、手掌、足底や足背などの四肢末端に2~3mmの水疱性発疹出現(下図参照)。肘、膝、臀部などにも出現する場合もある。・発熱は約1/3にあるが、軽度でほぼ38℃以下。・通常は3~7日で消退し、水疱が痂皮を形成することはない。・まれに幼児に髄膜炎、小脳失調症などの中枢神経系合併症が生ずるので注意が必要。〔治療〕・特異的な治療法はない。 抗菌薬の投与は意味がない。・口腔内病変には柔らかめで薄味の食べ物を推奨。・発熱には通常解熱剤なしで経過観察が可能。・頭痛、嘔吐、高熱、2日以上続く発熱などの場合 には髄膜炎、脳炎などへの進展に注意。・ステロイドの多用が症状を悪化させる示唆あり。〔予防〕・有症状中の接触予防策および飛沫予防策が重要。 とくに手洗いの励行(排便後の手洗いを徹底)!図 手足口病における水疱性発疹国立感染症研究所ホームページより引用・作成(2024年4月25日閲覧)https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/441-hfmd.htmlCopyright © 2024 CareNet,Inc. All rights reserved.

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STEMI合併心原性ショック、循環補助用心内留置型ポンプカテーテルは有用か?/NEJM

 ST上昇型心筋梗塞(STEMI)で心原性ショックを合併した患者の治療において、標準治療に加え循環補助用心内留置型ポンプカテーテルImpella CP(Abiomed製)を使用することにより、標準治療単独と比較して180日全死因死亡リスクは低下したが、有害事象の複合の発現率は増加した。デンマーク・コペンハーゲン大学病院RigshospitaletのJacob E. Moller氏らDanGer Shock Investigatorsが、デンマーク、ドイツおよび英国の計14施設で実施された無作為化比較試験「Danish-German Cardiogenic Shock trial:DanGer Shock試験」の結果を報告した。心原性ショックを呈したSTEMI患者に対する、微小軸流ポンプによる一時的な機械的循環補助の有用性は依然として不明であった。NEJM誌2024年4月18日号掲載の報告。標準治療+Impella CP群vs.標準治療単独群、180日全死因死亡率を評価 研究グループは、STEMIで心原性ショックを呈した18歳以上の患者を、標準治療+Impella CP群(Impella CP群)または標準治療単独群(標準治療群)に無作為に割り付けた。院外心停止から蘇生し、心臓カテーテル検査室到着時に昏睡状態の患者、および明らかな右心不全の患者は除外した。 Impella CP群では、無作為化後ただちにImpella CPを挿入し、合併症が発生しなければ48時間以上可能な限り最高水準の性能でポンプを作動させた。両群とも、血行動態が不安定になった場合は機械的循環補助(Impella 5.0または体外生命維持装置)の追加が可能であった。 主要エンドポイントは、180日時点の全死因死亡(180日全死因死亡率)、安全性エンドポイントは重度の出血、下肢虚血、溶血、デバイス故障および大動脈弁逆流悪化の複合とした。Impella CP群で180日全死因死亡率が26%低下 2013年1月~2023年7月に、計1,211例がスクリーニングされ、360例が無作為化された。無作為化後、同意撤回により5例が除外され、解析対象は355例(Impella CP群179例、標準治療単独群176例)であった(年齢中央値67歳、男性79.2%)。 180日全死因死亡率は、Impella CP群45.8%(82/179例)、標準治療群58.5%(103/176例)であり、ハザード比は0.74(95%信頼区間[CI]:0.55~0.99、p=0.04)であった。 安全性複合エンドポイントのイベントは、Impella CP群で43例(24.0%)、標準治療群で11例(6.2%)に発生し、相対リスクは4.74(95%CI:2.36~9.55)であった。腎代替療法はImpella CP群で75例(41.9%)、標準治療群で47例(26.7%)に導入された(相対リスク:1.98、95%CI:1.27~3.09)。

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日常会話に役立つ第1文型【Dr. 中島の 新・徒然草】(528)

五百二十八の段 日常会話に役立つ第1文型大阪では雨が続いています。もう梅雨が始まったのでしょうか。できればもう少しの間は爽やかな季節を楽しみたいところです。さて、本日は英語の第1文型の話をしたいと思います。そもそも第1文型というのはS+V。つまり主語+動詞からなる文章です。例文を考えてみましょう。He runs.She sings.それぞれ「彼は走る」「彼女は歌う」ですね。まさしく主語+動詞の第1文型。しか~し。関西人の私は突っ込んでしまうわけですよ、ここに。彼が走る?彼女が歌う?何やねん、それ。もうちょっと気の利いた例文はないんかい!なら、これはどうだ。It works.「(何だかんだいっても)それで上手くいくんだ」という意味です。「(その機械は古いけど)きちんと作動するんだ」とか。「(非効率に見えるかもしれないけど)ちゃんと機能するよ」とか。なんだか日本語の日常会話でも使えそうですね。“He runs.” とか “She sings.” よりずっと役に立つはず。で、今回はこういった役立つ第1文型のコレクションを披露しましょう。日常会話にも使えるものです。まずはこれ。It hurts.「痛てえ」という意味ですね。医療従事者なら1日に何度も耳にするはずの会話フレーズ。応用として “Tell me where it hurts.”(どこが痛いか言ってごらん)とか。英語圏の患児だったらちゃんと答えてくれるかな?次、行ってみよう。It matters.「それが大切なんだ」という意味ですね。医療現場で応用するなら、“What matters to you?”(どうされましたか)。初診の患者さんに対する最初の声掛けです。さらに使える第1文型。Who cares?これもいい。「誰が気にするんだ」「誰も気にしないぞ」という意味。周囲の目を気にして1歩踏み出せない人を見たら、力強く “Who cares.” と背中を押してあげましょう。たった2語だけど力強い。そして使える第1文型の5つ目はこれ。Sh*t happens.直訳すると「クソが出る」です。実際は「悪い事は起こるもんだ」という意味で使われるのだとか。まさしく人生の真実をついた力強いメッセージ。自己完結する自動詞を用いた第1文型の面目躍如!インパクトなら誰にも負けない。というわけで “It works.” から “Sh*t happens.” まで、力強く美しい第1文型。読者の皆さま、ぜひお使いください。最後に1句梅雨が来る 第1文型 活用だ

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STEMI合併心原性ショックの治療に一筋の光!? DanGer Shock Trial【臨床留学通信 from NY】第60回

第60回:STEMI合併心原性ショックの治療に一筋の光!? DanGer Shock Trial毎年恒例の米国心臓病学会の学術集会ACC(American College of Cardiology)が開催されたため、4月上旬にアトランタに行ってまいりました。私が筆頭著者となった研究2つを含む、7つのAbstractの発表となりました。また、留学している循環器医の方々に現地で会うことができました。昨今の物価高騰などから、ニューヨークからの参加とはいえ、参加費、飛行機、宿泊代等々を含めると1,500ドル(22.5万円相当)の出費となり、なかなか大変です。幸い今回はプログラムがサポートしてくれそうなので、払い戻しの最終許可が下りるのを待っているところです。今回のACCの目玉はDanGer Shock Trialです1)。Impella補助循環用ポンプカテーテル(Impella CP)というデバイスを用いてST上昇型心筋梗塞(STEMI)に合併した心原性ショックを治療すると、標準治療群に比べて、半年の時点で有意に死亡率を低下させるというものでした(45.8% vs. 58.5%、HR:0.74[95%信頼区間[CI]:0.55~0.99])。360人の患者を対象とし、Trialを試行するまで登録に10年ほど要したようです。患者さんは収縮期血圧100mmHg以下または昇圧薬使用、乳酸値2.5mmol/L以上、左室駆出率45%以下となっており、来院時昏睡状態や右室収縮不全は除外されたようです。標準治療群は、デバイスを使いたければECMOが推奨されていたようです。標準治療群で58%という高い死亡率のSTEMIによる心原性ショックですが、このトライアルのどおりに死亡率が下げられるならすごいことです。われわれInterventionalistは、この条件にマッチした患者にImpella CPを施行しないといけないということにもなりますが、Imeplla CPは管理をしっかりしないと、下肢虚血、出血、溶血などのトラブルも多く、気を付けないといけません。実際にこのトライアルでも合併症は多く出ていました。トライアルをするようなところですら多いので、実際のリアルワールドはどうなのか気になるところで、そこが次のステップだと思います。Column日米の研修医の先生たちと。今回発表となった先生方との共同研究を紹介します。1つはSGLT2阻害薬の人種による効果の違いを述べたもの。こちらは近々論文として提出予定です。Kani R, Kuno T, et al. Racial and Regional Differences in Efficacy of Sodium-Glucose Cotransporter 2 Inhibitors on Cardiorenal Outcomes: A Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials. J Am Coll Cardiol. 2024 Apr, 83 (13_Supplement) 2456.もう1つはImpellaとIABPの比較をNon AMI心原性ショックについて述べたもの。本結果はImepllaのほうが悪いというものでしたが、DanGer Shock TrialはSTEMIを対象としているので対象患者が異なるのと、もちろん観察研究の限界もあるかと思います。こちらはJAHAにもオンライン掲載予定です。Watanabe A, Kuno T, et al. Percutaneous Microaxial Ventricular Assist Device vs. Intra-Aortic Balloon Pump for Non-Acute Myocardial Infarction Cardiogenic Shock. J Am Coll Cardiol. 2024 Apr, 83 (13_Supplement) 454.参考1)Moller JE, et al. Microaxial Flow Pump or Standard Care in Infarct-Related Cardiogenic Shock. 2024 Apr 18;390(15):1382-1393.

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レビー小体型認知症における抗コリン負荷と長期認知機能低下との関連

 トルコ・University of Health SciencesのCemile Ozsurekci氏らは、レビー小体型認知症(DLB)患者における1年間のフォローアップ期間中の抗コリン負荷(ACB)と認知機能変化との関連を調査するため、コホート研究を実施した。Clinical Neuropharmacology誌2024年3・4月号の報告。 対象には、DLBと診断され、tertiary geriatric outpatient clinicに入院した患者を含めた。認知機能、機能的パフォーマンス、栄養状態の評価は、ベースライン時、フォローアップ期間中の6ヵ月目、12ヵ月目に評価した。ACBを評価し、ACB≧1とACB=0に層別化した。 主な結果は以下のとおり。・研究には、DLB患者112例(平均年齢:79.3±6.8歳、女性の割合:50.9%)を含めた。・対象患者の平均投薬数は5.1±4、多剤併用患者の割合は56.9%、抗コリン負荷が認められた患者の割合は55.2%であった。・ACB≧1群は、ACB=0群よりも、ベースライン時の手段的日常生活活動(IADL)スコアが低かった(p=0.014)。・Barthel指数とIADLスコアは、ACB≧1群では経時的な反復測定により有意な減少が認められたが、ACB=0群ではIADLスコアの減少のみが認められた(各々、p<0.001)。・認知機能スコアおよびミニメンタルステート検査(MMSE)スコアのサブドメインについては、両群間で有意な差は認められなかった。・従属変数の反復測定により、ACB≧1群のオリエンテーションサブドメインの時間経過による有意な悪化が認められた(p=0.001)。・多変量回帰モデルでは、ACBスコアは認知機能障害および機能障害に有意な影響を及ぼさないことが示唆された。 著者らは「DLB患者に対する抗コリン薬の使用は、機能状態や認知機能に悪影響を及ぼし、潜在的に罹患率を増加させる可能性があるため、慎重な評価が求められる」としている。

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後期早産期の出生前ステロイド、6歳以降の神経発達に影響なし/JAMA

 後期早産リスクを有する母親への出生前コルチコステロイド投与は、6歳以上の小児期の神経発達アウトカムに有害な影響を及ぼさない。米国・コロンビア大学のCynthia Gyamfi-Bannerman氏らが、2010~15年に国立小児保健発達研究所Maternal-Fetal Medicine Units(MFMU)ネットワークの17施設で実施された二重盲検プラセボ対照試験「Antenatal Late Preterm Steroids(ALPS)試験」に参加した母親から生まれた児に関する、前向き追跡試験の結果を報告した。ALPS試験は、妊娠34~36週における出生前のベタメタゾン投与が早産児の短期呼吸器合併症の発症率を有意に低下させることを明らかにし、米国における臨床実践を変えた。しかし、ベタメタゾン投与後に新生児低血糖症のリスクが増加することも認められており、長期的な神経発達アウトカムへの影響に関心が寄せられていた。JAMA誌オンライン版2024年4月24日号掲載の報告。後期早産期の出生前ステロイド投与を受けた母親から生まれた6歳以上の小児を調査 ALPS試験(以下、親試験)では、妊娠34週0日~36週5日で後期早産(36週6日までの出産)リスクの高い母親を、ベタメタゾン(12mg)群またはプラセボ群に割り付け筋肉内投与した(24時間経過後も出産しなかった場合は2回目を投与)。 本追跡試験では、2011~16年にMFMUネットワークの13施設のうち1施設に登録され、追跡試験に同意した母親から生まれた6歳以上の小児を適格として、2017年12月~2022年8月に登録し、前向きに調査した。 主要アウトカムは、Differential Ability Scales, 2nd Edition(DAS-II)の全般的概念化能力(General Conceptual Ability:GCA)スコアが85点未満(平均より1 SD低いことを示す)の子供の割合であった。副次アウトカムは、DAS-IIのクラスター(言語能力、非言語的推論能力、空間認識能力)スコア、粗大運動能力分類システム(Gross Motor Function Classification System:GMFCS)のレベル2以上の割合、対人応答性尺度(Social Responsiveness Scale:SRS)のtスコア65点超の割合、および子供の行動チェックリスト(Child Behavior Checklist:CBCL)のスコアとした。すべてのアウトカムで、ベタメタゾン群とプラセボ群で差はなし 親試験で無作為化された母親2,831例の出生児のうち、追跡試験に登録されたのは1,026例で、登録時の年齢中央値は7歳(四分位範囲[IQR]:6.6~7.6)であった。このうち、949例(ベタメタゾン群479例、プラセボ群470例)がDAS-IIの評価を完了した。母親の人種や年齢などの背景、新生児の特徴は、親試験で認められたように新生児低血糖症がベタメタゾン群で多かったことを除き、両群間で類似していた。 主要アウトカムのDAS-II GCAスコア85点未満の割合は、ベタメタゾン群17.1%(82/479例)、プラセボ群18.5%(87/470例)であり、差はなかった(補正後相対リスク:0.94、95%信頼区間[CI]:0.73~1.22)。また、いずれの副次アウトカムも差は認められなかった。 逆確率加重法を用いた事後感度分析、ならびに追跡不能となった小児も含めた感度分析においても、結果は同様であった。

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TAVIとSAVRの比較試験をただちにやめてガイドラインを改訂すべき時である(解説:上妻謙氏)

 重症大動脈弁狭窄症(AS)に対する経カテーテル大動脈弁置換術(TAVI)は、低侵襲かつ有効な治療のため世界中で外科手術(Surgical AVR=SAVR)との無作為化試験が行われ、手術高リスクのみならず低リスクの患者においても明確な安全性を示し、ほとんどすべての生体弁を植え込むAS単独手術患者に関して標準的な医療となった。そういった無作為化試験は、メーカー主導で行われたものが代表的な試験2つと医師主導で行われたものがいくつかあるが、本論文はドイツの38施設で行われた症候性重症ASを登録して行われた医師主導の試験である1)。 重症ASの基準は一般的なもので、STS-PROMスコアが中等度リスク以下の65歳以上のハートチームディスカッションで外科手術が可能な患者を対象としている。二尖弁と冠動脈疾患など合併手術が必要な患者や開胸術後などの患者が除外されているが、人工弁は術者に任されて自由に選択できるリアルワールドのプラクティスである。プライマリーエンドポイントは1年の全死亡と後遺症の残る脳卒中で、非劣性検定のデザインで、1年のイベント発生率が6.2%という過去の3つの臨床試験データに基づき、非劣性マージンがハザード比で1.14、検出力は80%で計算され、1,404例が必要とされた。また5年で非劣性が証明できた場合は優越性の検定を行うことになっている。 2017年5月から2022年9月まで5年以上かけて1,414例が登録され、ランダマイズされた。さらに無作為化されてから713例のSAVR群のうち100例が結局SAVRを受けず、とくに26例は同意を撤回、70例が患者の希望でTAVIへクロスオーバーし、それぞれ4例と12例であったTAVI群と比べて治療を全うできた症例がだいぶ少なくなり、侵襲の大きく異なる治療のランダマイズのためSAVR群においてその治療法の遂行に苦労したことが伺えるのは他の試験と同様であった。 したがって、ITT解析をメインとしており、TAVI群701例、SAVR群713例と均等だが、As-treated解析では752例と625例と大きく差がついた。患者の年齢の平均値は74歳で、STS-PROMスコアの中央値は1.8と低く、低リスク患者が多かったことが伺える。無作為化は年齢とSTS-PROMのスコアで層別に行われた。最近行われた試験のため、人工弁は現在使用されているものとほぼ同等のものが使用され、バルーン拡張型が6割であった。TAVIでは脳保護デバイスが5%で使用されていた。SAVRも部分開胸の低侵襲の手術が4割で行われ、suture less弁が16%で使用されていた。ICUの滞在もTAVIで中央値1日と短かったが、SAVRでも2日であった。 1年のプライマリーエンドポイントである死亡または脳卒中の発生率は、TAVI群5.4%、SAVR群10.0%と非劣性をp<0.001で達成した(HR:0.53)。優越性検定は5年まで待たないといけないが、数値的にはTAVIのほうがSAVRに比べ死亡率、脳卒中率とも明確に低い。他のイベントの頻度をみると、ペースメーカー植え込みが11.8%と6.7%、アクセスサイトの血管合併症が7.9%と0.7%とTAVIで多いが、新規発症の心房細動はSAVRで30.8%とTAVIの12.4%に比べてかなり高く、大出血・致死的出血は17.2% vs.4.3%でSAVRが圧倒的に多くなった。 本試験の特徴的なことは、COVID-19時代に行われたことによって医療アクセスが大きく制限され、死亡率が両群とも想定よりも高くなったことといえるだろう。医療アクセスが悪くなったことで、さまざまな心疾患の不調で死亡につながる事象が増えることを示していることは、働き方改革の実行によって医療アクセスが悪化することが予想されるわが国でも注目に値する。 このスタディ結果は、心臓外科手術が盛んなドイツであっても、他のTAVIに関する臨床試験と同様にSAVRに比べて安全性が劣ることがないことを証明しており、低リスク~中等度リスクの患者においてTAVIに対する安全性のエビデンスがより盤石となったといえる。すでに低リスク患者に対するTAVIとSAVRの無作為化試験は本試験以外に8つpublishされており、メタ解析を行うと全死亡、心臓死ともに有意にTAVIのほうが低いことが示されている2)。長期の耐久性においてもTAVI弁のほうが良い可能性すら示され、とくに弁口面積が大きく確保できるTAVI弁のほうが長期予後に有利なことすら示されつつある3)。ASに対する生体弁を使用する単独手術であれば、TAVIが可能な患者についてはTAVIを第1選択とすべき時代になった現在、このような臨床試験が繰り返されることは倫理的に許されない。すでにこの比較の決着はついている。まずは各国の診療ガイドラインをただちに変更すべきである。

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CAR-T細胞療法、CD7陽性造血器腫瘍のハプロ一致HSCTの橋渡しに有望/NEJM

 再発・難治性の造血器腫瘍患者の治療において、ハプロタイプ一致の同種造血幹細胞移植(HSCT)への橋渡しとしてのキメラ抗原受容体(CAR)-T細胞療法は、安全かつ有効で寛解を達成し、有害事象は重篤だが可逆的であり、従来の同種HSCTが適応とならないCD7陽性腫瘍の患者に対して実行可能な治療法となる可能性があることが、中国・浙江大学医学院のYongxian Hu氏らの検討で示された。研究の成果は、NEJM誌2024年4月25日号に掲載された。中国の新たな一体型治療戦略を評価する症例集積研究 本研究は、再発・難治性のCD7陽性白血病またはリンパ腫の患者を対象に、CD7 CAR-T細胞療法とハプロタイプが一致したHSCTを逐次的に施行する、新たな一体型(all-in-one)の治療戦略の評価を目的とする症例集積研究である(中国国家自然科学基金委員会[NSFC]などの助成を受けた)。 CAR-T細胞療法により、血液学的回復が不完全な完全寛解となった患者に対し、薬剤による骨髄破壊や移植片対宿主病(GVHD)の予防薬を投与せずに、ハプロタイプ一致HSCTを実施した。CAR-T細胞療法後全例で汎血球減少、HSCT後3例でGVHD 10例(急性骨髄性白血病7例、T細胞性急性リンパ芽球性白血病2例、T細胞性リンパ芽球性リンパ腫[IV A期]1例)を登録した。登録時の年齢中央値は56.5歳(範囲:13.7~72.5)、女性が6例(60%)で、前治療コース数中央値は9.5(範囲:4~15)であった。 CAR-T細胞療法後に10例すべてが、血液学的回復が不完全な完全寛解となった。サイトカイン放出症候群が9例(Grade1:5例、Grade2:4例)で発生したが、いずれも抑制に成功した。全例にGrade4の汎血球減少を認めた。 ハプロタイプ一致HSCT後13日目に、1例がStaphylococcus haemolyticus感染による敗血症性ショックと、ヒトヘルペスウイルス6感染による脳炎により死亡した。8例で完全ドナーキメリズムがみられ、1例で自己造血回復が得られた。また、3例でGrade2のHSCT関連急性GVHDが発生した。60%が微小残存病変陰性の完全寛解を維持 CAR-T細胞療法後の追跡期間中央値は15.1ヵ月(範囲:3.1~24.0)であった。データカットオフ日の時点で6例(60%)が微小残存病変陰性の完全寛解を維持し、2例はCD7陰性白血病を再発した。 1年全生存率の推定値は68%(95%信頼区間[CI]:43~100)であり、1年無病生存率の推定値は54%(29~100)だった。 著者は、「この統合的な治療戦略は、CAR-T細胞と移植片対白血病の可能性の両面から抗白血病効果を最大化し、従来の同種HSCTが不適応の再発・難治性CD7陽性腫瘍の患者に対して実行可能な治療法を提供するものである」としている。現在、より大規模なコホートにおいて、CD7 CAR-T細胞療法とハプロタイプ一致HSCTを逐次的に施行する第I相試験が進行中だという。

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心房細動の再発に歯周病が関与?

 心房細動のアブレーション治療後の再発に、歯周病が関与していることを示唆するデータが報告された。アブレーション治療のみを受けた人に比べて、歯周病の治療も受けた人では、心房細動の再発が61%少なかったという。広島大学保健管理センターの宮内俊介氏らの研究によるもので、詳細は「Journal of the American Heart Association(JAHA)」に4月10日掲載された。同氏は、「歯周病の適切な管理は心房細動の予後を改善する可能性があり、その恩恵を受ける人が世界中に多数存在しているのではないか」と述べている。 心房細動は不整脈の一種で、自覚症状として動悸やめまいなどを生じることがある。ただしより重要なのは、心臓の中に血液の塊(血栓)が形成されやすくなるために、その血栓が脳の動脈に運ばれて脳梗塞が起きてしまうリスクが高い点にある。このタイプの脳梗塞は梗塞の範囲が広いことが多く、重症になりやすい。人口の高齢化を背景に心房細動が増加しており、米国では2030年までに患者数が1200万人以上に達すると予測されている。心房細動に対する治療としては、不規則な心拍を引き起こす原因となっている箇所を焼灼する、血管カテーテルを用いたアブレーション治療という手法が普及してきている。 一方、口の中の健康状態が全身の健康状態と関連のあることが知られている。しかしこれまでのところ、歯周病が心房細動のリスク因子の一つとは認識されていない。宮内氏らはこの点について、前向き非無作為化試験により検討した。研究参加者は、アブレーション治療を受けた心房細動患者288人。このうち97人が、アブレーション治療後に歯周病の治療も受けることに同意していた。 アブレーション治療から507±256日の追跡で、70人(24%)が心房細動を再発した。交絡因子を調整後、歯周病の治療を受けた患者群はアブレーション治療のみを受けた患者群に比べて、心房細動の再発リスクが約6割低いことが明らかになった〔ハザード比(HR)0.393(95%信頼区間0.215~0.719)〕。また、心房細動を再発した群は再発しなかった群に比べて、歯周病の重症度が高かった〔炎症のある歯周組織の面積(PISA)が456.8±403.5対277.7±259.0mm2(P=0.001)〕。 この結果について宮内氏は、「歯周病治療が心房細動の再発リスクを大きく下げる可能性が示されたことに驚いた」と語っている。米国心臓協会(AHA)によると、「炎症が起きている歯周組織から、細菌が血液中に侵入して全身に慢性的な炎症が生じる。その結果、2型糖尿病リスクが高まるとともに、心臓や脳の血管の炎症を介して動脈硬化が進行し、心臓発作や脳卒中の発症に至る可能性がある」という。ただし、心房細動のリスクに影響が生じるメカニズムは不明であり、宮内氏らはその点の解明のための研究を進めていることを、AHA発のリリースの中で述べている。また研究者らは、「心房細動の患者に対して歯周病の検査と治療を受けることを推奨すべきだ」と提案している。

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7つの“ロコモチェック”(Dr.坂根のすぐ使える患者指導画集)

患者さん用画 いわみせいじCopyright© 2021 CareNet,Inc. All rights reserved.説明のポイント(医療スタッフ向け)診察室での会話患者医師患者医師患者最近、足腰が弱くなってきて…。それでは、要介護の原因となる「ロコモ」を簡単にチェックしてみましょう。以下の7項目で、いくつ当てはまりますか?①片脚立ちで靴下が履けますか?②家の中でつまずいたり滑ったりしますか?③階段を昇るのに手すりが必要ですか?画 いわみせいじ④家のやや重い家事(掃除機の使用や布団の上げ下ろし)が困難ですか?⑤2kg程度の買い物をして持ち帰ることができますか?⑥15分くらい続けて歩けますか?⑦横断歩道を青信号で渡りきれますか?えーっと…、①と②が難しいと感じます。それ以外は大丈夫ですね。それなら、ロコチェック2点で、運動機能が低下している恐れがあります。0点を目指してロコモーショントレーニングをされるといいですよ!それはどんなトレーニングですか?(興味津々)ポイント要介護予防のために、ロコチェックでロコモに関心をもってもらいます。1つでも当てはまる患者さんには、「ロコモ度テスト」を受けてもらうとよいでしょう。Copyright© 2021 CareNet,Inc. All rights reserved.

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英語で「問題を先送りする」は?【1分★医療英語】第129回

第129回 英語で「問題を先送りする」は?《例文1》I tend to procrastinate until the last minute.(私はギリギリまで問題を先送りしてしまいがちです)《例文2》It is a waste of time.(それは時間の無駄です)《解説》医療の現場では難しい決断が迫られることが珍しくありません。時に、最善の選択肢がわかっていても、副作用や費用など、さまざまな理由でほかの選択肢を検討することがあります。“kick the can down the road”(問題を先送りする)は便利な慣用句で、患者さんを説得する場面などでたびたび使用されるのを耳にします。このフレーズの由来には諸説あります。「歩いている人が、自分がいずれ拾うべき缶を自分の前方に蹴り続けている状態」をイメージすると理解しやすいかと思います。類義語としては、“procrastinate”(先延ばしにする)が最もシンプルでしょう。さらに直接的な表現となりますが、場面によっては“waste of time”(時間を無駄にする)を使うこともできます。講師紹介

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第213回 まれな低身長症の変異に老化を遅らせる働きがあるらしい

世界での患者数わずか400~500例ほどのまれな低身長症が、老化や代謝疾患を研究する科学者の関心を集めています1)。というのも、ラロン症候群として知られるその低身長症の原因である成長ホルモン受容体欠損(GHRD)とさまざまなメリットの関連が示されているからです。南米・エクアドルのラロン症候群患者の調査結果を記した南カリフォルニア大学のValter Longo氏のチームの2011年の報告では、それら患者に糖尿病やがんが生じ難いことが示されています2)。同じくLongo氏らのその6年後の2017年の報告3)では、ラロン症候群患者の記憶が良いことが示されました。また、ラロン症候群患者はどうやら脳がより若いらしく、MRIで調べた脳領域のいくつかがより大ぶりでした。ラロン症候群を模すマウスはそうでないマウスに比べて1.4倍ほど長生きすることも示されており4)、ラロン症候群の原因であるGHRDは老化を遅らせる働きもあるのかもしれません。さらに研究は進み、Longo氏とエクアドルの内分泌学者Jaime Guevara-Aguirre氏の協力による新たな報告5)によると、GHRDはヒトの死亡理由の多くを占める心血管疾患をも生じ難くするようです。研究ではエクアドルのラロン症候群の24例とラロン症候群ではないそれらの血縁者27例が調べられました。Guevara-Aguirre氏はアンデス山地の村々の回診でラロン症候群患者の集団の気付き、それ以来30年超その集団を調べています。新たな研究では心血管疾患指標が検討され、ラロン症候群患者は血糖、インスリン、血圧などが正常かより良好で、どうやら心血管疾患を生じ難いと示唆されました。ラロン症候群患者は肥満であることが多く6)、「悪玉」としばしば呼ばれて動脈硬化を生じ易くすると考えられているLDLコレステロール値が高めです7)。しかし、動脈硬化を有するラロン症候群患者の割合はわずか7%でした。一方、ラロン症候群でない人は36%が動脈硬化を有していました。ラロン症候群患者の動脈はそうでない人に比べて少なくとも不健康ではないようです。低IGF-1が有益作用の鍵らしいラロン症候群だとGHRの不備のせいで体は成長ホルモン(GH)を持て余してしまいます。ラロン症候群患者はGHの量が正常か多いのとは対照的に、インスリン様成長因子1(IGF-1)の減少を呈します。IGF-1はGHが骨や組織を増やすのを助けます。IGF-1が少ないことと心血管疾患を生じやすいことの関連が先立つ研究で示されていたので、IGF-1減少を示すラロン症候群患者は心臓や心血管の問題が多いに違いないと大方考えられていました。しかし今回の結果はいわばその真逆を示唆しており、歳を重ねてからのIGF-1伝達抑制は老化の進行を遅らせる働きがあるようです7)。ラロン症候群患者は小児期に多い病気での死亡率が高い2)ことが示唆しているように、育ち盛りの若いときにIGF-1は抑制できません。一方、老いてからのIGF-1伝達の手入れは有意義かもしれず、Longo氏はGH受容体狙いでIGF-1を減らす薬が心血管疾患の予防手段となりうると期待しています7)。Longo氏やGuevara-Aguirre氏は研究のみならずラロン症候群患者の実益と直結する活動もしています。両氏はラロン症候群の小児の身長を伸ばすためのIGF-1提供を製薬会社やエクアドル政府に働きかけています1)。また、ラロン症候群小児の身長を伸ばしうる食事の試験が始まっており、Guevara-Aguirre氏はラロン症候群患者を無償で手当てしています。参考1)Could a rare mutation that causes dwarfism also slow ageing? / Nature2)Guevara-Aguirre J, et al. Sci Transl Med. 2011;3:70ra13.3)Nashiro K, et al. J Neurosci. 2017;37:1696-1707.4)Coschigano KT, et al. Endocrinology. 2000;141:2608-2613. 5)Guevara-Aguirre J, et al. Med. 2024 Apr 22. [Epub ahead of print] 6)People with rare longevity mutation may also be protected from cardiovascular disease / Eurekalert7)Rare mutation that causes short stature may shed light on ageing / NewScientist

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TN乳がんの長期アウトカム、BRCA1/2変異の影響は

 トリプルネガティブ乳がん(TNBC)患者はBRCA1/2遺伝子変異を有する割合が高く、約10〜20%とされている。今回、韓国・Sungkyunkwan University School of MedicineのWoong Ki Park氏らが、TNBC患者の長期アウトカムを後ろ向きに検討したところ、BRCA1/2遺伝子変異が対側乳がん発生のリスク因子であることがわかった。また、対側乳がん発生率は、BRCA1/2変異患者では5年を過ぎても大幅に高かったという。npj Precision Oncology誌オンライン版2024年4月30日号に掲載。 本研究の対象は、2008年6月~2016年1月に原発性乳がんの手術を受けたTNBC患者953例。追跡期間中央値80.9ヵ月(範囲:3~152ヵ月)における対側乳がん発生率、再発パターン、生存率などの長期アウトカムを評価した。 主な結果は以下のとおり。・122例(12.8%)がBRCA1/2遺伝子変異を有していた。・BRCA1/2遺伝子変異のある患者は診断時年齢が有意に若く、乳がん/卵巣がんの家族歴がある傾向が強かった。・60ヵ月(5年)、120ヵ月(10年)、150ヵ月(12.5年)時点の対側乳がん発生率は、BRCA1/2遺伝子変異のある患者が変異のない患者に比べ有意に高かった(順にp=0.0250、0.0063、0.0184)。・無病生存期間、全生存期間、乳がん特異的生存期間、無遠隔転移生存期間については、両群間に有意差は認められなかった。・BRCA1/2遺伝子変異は対側乳がん発生の有意なリスク因子であった(HR:6.242、p<0.0001)。・対側乳がんが発生した29例中24例(82.8%)が再びTNBCと診断され、19例(65.5%)が再発後に化学療法を受けていた。 これらの結果から、著者らは「TNBC患者において、リスク低減乳房切除術(RRM)のような外科的治療の決定には、適切な遺伝子検査とカウンセリングが重要」とし、さらに「BRCA1/2遺伝子変異のあるTNBC患者では、とくにRRMを受けていない患者において長期サーベイランスが必要」としている。

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PPIの不適切処方に薬剤師が介入、その効果は?/BMJ

 プロトンポンプ阻害薬(PPI)の過剰使用を減らすための薬局を中心とした大規模な多面的介入は、全体的なPPI使用を減少することが示された。PPIによる胃の保護が適切とされる患者においても使用が減少したが、臨床的な有益性または有害性のいずれについても最小のエビデンスしか認められなかったという。米国・ミシガン大学のJacob E. Kurlanderらが、米国退役軍人のための最大規模の統合医療システム「US Veterans Affairs Healthcare System」(医療施設1,255、外来拠点1,074)のデータを用いた差分の差分(difference-in-difference)分析の結果を報告した。これまでPPIの過剰使用を減らすための介入が及ぼす影響を、包括的に評価した研究はほとんどなかった。BMJ誌2024年4月11日号掲載の報告。薬局を中心とした介入前後の4.5年間のPPI処方を、介入群と対照群で比較 研究グループは、US Veterans Affairs Healthcare Systemを構成する18の地域医療システム(Veterans Integrated Service Networks:VISN)のうち、1つのVISNでPPI過剰使用に対する新たな取り組み(VISN 17)を実施し、他の17のVISNを対照とし評価した。VISNにはそれぞれ独自の外来薬局システムが整備されており、Veterans Affairsクリニックでの処方薬は、ほぼVeterans Affairs薬局で調剤されるという。 VISN 17は、次の5つから構成された。(1)PPIのリフィル処方箋の使用制限(慢性使用の適切な適応が処方箋に明記されていない場合)、(2)6ヵ月以内に使用されなかった処方箋の無効化、(3)H2受容体拮抗薬の処方促進、(4)臨床医と患者への教育(臨床医には、PPIを2週間で漸減し、その後H2受容体拮抗薬を1~2ヵ月間必要に応じて使用することを推奨、患者には情報レターの送付等)、(5)薬剤師による高用量PPIの処方を把握する報告ツールの作成。 VISN 17は2013年8月~2014年7月に実施し、実施前後4.5年間の動向を捉えるため研究対象期間は2009年2月~2019年1月とした。研究期間を、連続した6ヵ月間隔で区切り、各期間において過去2年間にプライマリケアを2回以上受診した患者を解析対象とした。 主要アウトカムは、6ヵ月当たりのPPIが処方された患者の割合であった。介入により全体的なPPI処方が減少、必要な患者でのPPI処方も減少 1間隔当たりの解析対象患者数は、VISN 17実施施設で19万2,607~25万349例、対照施設で377万5,953~436万868例の範囲であった。 取り組み実施前は、PPIが処方された患者の割合は、VISN 17群で平均25.8%、対照群で平均25.4%であった。 差分の差分分析の結果、取り組みの実施によりVISN 17群では対照群と比較し、PPIが処方された患者の割合が7.3%低下した(95%信頼区間[CI]:-7.6~-7.0)。 副次アウトカムについては、上部消化管出血のリスクが高い患者におけるPPI処方日数が11.3%短縮(95%CI:-12.0~-10.5)し、PPIまたはH2受容体拮抗薬が処方された患者の割合が5.72%低下(-6.08~-5.36)した。しかし、上部消化管疾患の診断、上部内視鏡検査のためのプライマリケア受診、PPIによる胃の保護が適切な高齢者の酸関連消化器疾患による入院の増加は確認されず、PPI関連の臨床症状も臨床的に有意な変化はみられなかった。

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重症COVID-19生存患者、64%は1年後も健康に問題

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の辛く長い闘病期間を生き延びても、無傷ではいられない可能性があるようだ。新たな研究で、重症のCOVID-19を経験した患者の3分の2近くは、発症から1年が経過しても依然として身体や精神面、思考力に問題を抱えていることが示された。米カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)医学部のAnil Makam氏らによるこの研究の詳細は、「Critical Care Medicine」に4月10日掲載された。Makam氏は、「最も重篤で長期にわたるCOVID-19を経験した世界中の数百万人の患者」が直面しているジレンマを浮き彫りにする結果だとの見方を示している。 Makam氏らはこの研究で、COVID-19の重症化により長期急性期病院への転院が必要であった156人(年齢中央値65歳、女性38.5%)を対象に、罹患後に残存している障害について調査した。対象者の61.3%は、COVID-19罹患前は健康であり、入院期間の中央値は57日であった。77%は中央値で26日にわたり機械的な換気療法を受けており、42%は気管切開も受けていた。研究グループによると、これらの患者は一命を取り留めたことに深い感謝の気持ちを示しており、自分が生き延びたことをしばしば「奇跡」と表現したという。 しかし、対象者の64%は罹患から1年が経過しても、身体(57%)、呼吸器(49%)、精神面(24%)、認知機能(15%)に持続的な健康問題を抱えていた。こうした問題を2種類以上抱えていた対象者の割合は半数近く(47%)に上り、19%は今でも酸素の補給を必要としていた。また対象者は、長期入院を原因とする褥瘡や、腕や脚の使用が制限される神経損傷などの問題にも苦しめられていた。さらに、5人に4人(79%)は、健康が完全な状態にまでは回復していないと答えたものの、ほぼ全員(99%)が自宅に戻り、5人に3人(60%)は仕事に復帰していた。 Makam氏は、「われわれが調査した対象者の多くが特に悩まされていたのは、入院を原因とする合併症だった。そのため、これらの合併症を未然に防ぐことが回復の鍵となる」と語る。 ただし、COVID-19が重症化した患者に認められた、このような罹患後の健康問題は、COVID-19に特有のものではない。Makam氏は、「この研究で観察された長期にわたる障害は、COVID-19に特有のものではなく、病状が長期にわたって重症化した生存患者に共通するものだ。こうした罹患後症状を抱える人に対しては、専門分野の異なる医療従事者による集学的なリハビリテーションによって対処するのが最善だ」と話している。

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妊娠は女性の老化を早める?

 妊娠は女性の体を明らかに変化させるだけでなく、老化を早める可能性もあることが、新たな研究で示唆された。妊娠経験のある女性は、妊娠経験のない女性よりも生物学的な年齢が高いことが遺伝子分析によって明らかになった。このような生物学的年齢の加速は、妊娠回数が多い女性ほど進んでいたという。米コロンビア大学エイジング・センターのCalen Ryan氏らによるこの研究結果は、「Proceedings of the National Academy of Sciences(PNAS)」に4月8日掲載された。 Ryan氏は、「われわれの研究結果は、妊娠が生物学的老化を早めること、また、その影響は若くて多産な女性において顕著であることを示唆している」と同大学のニュースリリースの中で述べている。同氏はまた、「この研究は、同じ女性を長期にわたって追跡し、それぞれの女性の妊娠回数の変化を生物学的年齢の変化に結び付けた初めてのものである」とも語っている。 先行研究では、女性の妊孕性の高さは高齢期の健康と長寿に悪影響を及ぼし得ることが報告されている。しかし、妊娠が加齢による衰えが現れ始める前の段階の健康に影響を及ぼすのかについては明らかになっていない。そこでRyan氏らは今回、Cebu Longitudinal Health and Nutrition Survey(セブ縦断的健康栄養調査)参加者1,735人(20〜22歳、女性825人、男性910人)の試験開始時(2005年)と追跡時(2009〜2014年)の調査データを用いて、妊娠回数と生物学的年齢の関連を検討した。生物学的年齢は、参加者から採取された血液サンプルを用いて調べたDNAメチル化の情報を基に、Horvathクロックなどの6種類のエピジェネティック時計を用いて推定した。 社会的・経済的地位、喫煙、遺伝などの老化を加速させる要因を考慮して解析した結果、いずれのエピジェネティック時計を用いた場合でも、1回以上の妊娠歴がある女性では、妊娠歴がない女性に比べて生物学的年齢の高いことが明らかになった。また、妊娠回数の多い女性の生物学的年齢の方が、妊娠歴がないか妊娠回数の少ない女性よりも高いことも示された。一方、男性では、パートナーの妊娠回数による生物学的年齢の加速は認められなかった。 こうした結果を受けて研究グループは、「この結果は、妊娠や授乳に特有の何かが生物学的な老化を加速させる可能性のあることを示唆している」との見方を示している。Ryan氏は、若年齢での妊娠は、発育途上にある女性の体に大きな負担をかけると指摘する。同氏は、「試験開始時に報告された妊娠の多くは、女性がまだ成長途上にある思春期後期に起こったものだった。その年代での妊娠は、成長期の母親にとって大きな負担になることが予想される。とりわけ、医療や資源、その他の支援へのアクセスが限られている場合には、その傾向が顕著だ」と話す。 Ryan氏は、「今後の研究では、なぜ妊娠が老化を加速させるのか、そしてそれが高齢期の女性の健康に影響を与えるのかについて、より詳しく調べる必要がある」と話している。

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まばたきの役割は目を潤すだけではない

 多くの人は、まばたきのことを、目にとって車のワイパーのようなものであり、目の中のゴミを取り除いたり、目を潤すために行うものと考えている。しかし、まばたきの役割は他にもあるようだ。米ロチェスター大学脳認知科学分野教授のMichele Rucci氏らの研究で、まばたきには、脳が視覚情報を処理するのを助ける働きのあることが示唆された。この研究の詳細は、「The Proceedings of the National Academy of Sciences(PNAS)」に4月2日掲載された。 まばたきに目を潤す効果があることは以前より知られているが、人間のまばたきの頻度は、その目的のためであれば多過ぎることが多い。まばたきをしない方が、目が途切れることなく情報を受け取れることから、一般に、必要以上に頻回なまばたきは視覚情報を処理する脳の能力に悪影響を及ぼすと考えられている。 Rucci氏らは今回、まばたきの働きをより詳しく調べるために、さまざまな種類の刺激を見ている人の目の動きを、高解像度のアイトラッキング技術により追跡した。その後、得られたデータを、まばたきにより生じる瞬時の変化のモデリングと視覚入力情報のスペクトル解析と組み合わせ、まばたきの影響を分析した。 その結果、まばたきは、視野内の「ゆっくりと変化する大きなパターン」を追跡する能力を高めることが明らかになった。具体的には、まばたきをすることで網膜への刺激が増加し、その結果、まばたきによって一時的に視界が遮られるにもかかわらず、可視性が大幅に向上することが示されたのだ。 この結果について研究グループは、「まばたきは、目の網膜を刺激する光のパターンを変化させることによって、このようなパターンを追跡する能力を高めている。つまり、まばたきは目を開けたままでいる場合とは異なるタイプの視覚信号を作り出しているということだ」と説明している。論文の筆頭著者であるロチェスター大学のBin Yang氏は、「一般的な仮説に反して、まばたきは視覚情報の処理を中断させるどころかむしろ向上させ、刺激にさらされることの損失を十分に補っている」と語った。 研究グループは、この研究結果について、「他の感覚について得られている科学的知見と同様の知見を視覚にもたらす結果」との見方を示している。例えば、人がにおいをかいだり、何かに触れたりするときに起こる体の動きは、脳が周囲の空間を理解するのに役立つ。Rucci氏は、「まばたきもまた、見ているものの『全体像』を把握するのに役立つ動きの一つなのだ」と説明する。 Rucci氏はさらに、「網膜上の画像には空間情報が明示されているため、視覚認識は他の感覚とは異なると考えられていた。しかし、われわれが得た結果は、この見解は不完全であり、視覚は一般に考えられている以上に聴覚や触覚などの他の感覚モダリティに似ていることを示唆している」と述べている。

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