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脂質低下療法の効果にストロングスタチン間の違いはあるのか?(解説:平山篤志氏)

 動脈硬化性疾患の2次予防にLDL-コレステロール(LCL-C)低下の重要性が明らかにされているが、ガイドラインにより、LDL-Cの管理目標値を達成するアプローチ(Treat to Target)と目標値を設定せず病態に応じたスタチンを投与するアプローチ(Fire and Forget)がある。韓国で行われたLODESTAR試験は、この2種のアプローチでOutcomeが異なるかを検討した試験で、すでに報告されたように管理目標値を達成できれば両者に優劣はなかった。本試験ではさらに、エントリーされた患者はTreat to Target群とFire and Forget群に分けられると同時に、2種のストロングスタチン、すなわちロスバスタチン群とアトルバスタチン群に割り付けられ、今回はスタチンの相違についての検討が報告された。 結果は、ロスバスタチン群でアトルバスタチン群に比し、0.1mmol(3.85mg/dL)の有意なLDL-Cの低下は認められたが、心血管イベントには両者で差がない結果であった。また、数多くの2次エンドポイントが設けられていたが、ロスバスタチン群で新規糖尿病と白内障の発症がアトルバスタチン群に比して有意に多いと報告されていた。スタチン使用と新規糖尿病の発症については2012年にFDAが警告を発して以来、投与に関しては注意が必要とされている。スタチンがグルコーストランスポーターのGULT4のダウンレギュレーションを来すことが一因とされており、これまでスタチンの強度、脂溶性・水溶性などの解析が行われてきたが、相違については結論が出されていない。今回の検討でも、全参加者の解析では新規糖尿病の発症や糖尿病治療薬の使用開始では確かにロスバスタチン群で有意に高いが、糖尿病の既往のない患者群では新規発症には有意差が示されなかった。したがって、この結果だけをもってロスバスタチンのほうが糖尿病を来すリスクが高いとはいえない。 これまでに報告されているように、スタチンによる糖尿病発症や悪化のリスクはあっても、心血管イベント抑制効果が上回ることから、スタチン使用に躊躇すべきではない。この論文のメッセージとしては、いずれのスタチンを用いても有効性と安全性には差がないというものである。論文のメッセージとしてのインパクトは大きくないが、韓国でこれほどの大規模試験が行われ結果を報告しているのに、なぜか日本ではRegistry研究は盛んだがRCT研究が少なくなっているように思われる。今後、わが国でRCTを行いやすくできる環境整備が必要なのであろう。

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11月14日 世界糖尿病デー【今日は何の日?】

【11月14日 世界糖尿病デー】〔由来〕糖尿病の治療に欠かせない「インスリン」を発見したカナダの医師フレデリック・バンティングの誕生日にちなみ、2006年に国際連合は11月14日を「世界糖尿病デー」に認定。世界各地で糖尿病の予防、治療、療養について啓発活動を行っている。わが国でも全国で糖尿病啓発などに関するイベントが開催されるほか、東京タワーや大阪城などの有名建築物が糖尿病のシンボルカラーのブルーでライトアップされている。関連コンテンツ高齢者糖尿病診療のコツDr.坂根の糖尿病外来NGワードDr.坂根のすぐ使える患者指導画集 Part2日本人2型糖尿病でのチルゼパチドの効果、GLP-1RAと比較/横浜市立大チルゼパチド追加の「2型糖尿病の薬物療法のアルゴリズム」改訂版/日本糖尿病学会

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成人1型糖尿病患者の3分の1以上が30歳過ぎまで病型を診断されていない

 米国では、成人の1型糖尿病患者の10人中4人近くが、30歳を過ぎるまで、糖尿病の病型が1型であると診断されていないという実態が報告された。ただし研究者らは、「明らかになったこの結果は、1型糖尿病の発症パターンが多様であることを意味するものであって、いつまでも診断されずにいる1型患者が多数存在するというわけではない」とも述べている。米ジョンズ・ホプキンス大学ブルームバーグ公衆衛生学大学院のMichael Fang氏らによるこの研究の結果は、「Annals of Internal Medicine」に9月26日、レターとして報告された。同氏は、「この結果は多くの臨床医にとって驚嘆に値するだろう」と述べている。 1型糖尿病は、免疫システムの暴走によって自分自身の体に対して攻撃が生じた結果、発症すると考えられており、このような発症原因は、より一般的な病型である2型糖尿病と大きく異なる。2型糖尿病の原因には生活習慣関連因子の占める割合が大きく、より具体的には、過体重や肥満によって生じるインスリン抵抗性のために高血糖を呈することが多い。米疾病対策センター(CDC)は、米国での全糖尿病患者のうち1型糖尿病はわずか約5~10%程度であるとし、また1型糖尿病の明確なリスク因子は特定できていないものの、家族歴の存在は一定のリスクを示していると解説している。 1型糖尿病はどの年齢でも発症する可能性があるが、一般的には小児期や思春期、若年成人期での発症が多いというコンセンサスがある。しかしFang氏らの今回の研究報告は、そのような理解が誤りである可能性を示している。1型糖尿病患者の半数以上が、20歳以降に発症していると考えられるという。 Fang氏らは、2016~2022年(2018年は除く)の米国国民健康面接調査(NHIS)のデータを用いて、950人近くの成人(18歳以上)1型糖尿病患者の診断時年齢を調べた。NHIS調査時の平均年齢は49歳で、約4分の3を白人が占めていた。診断時の年齢の中央値は24歳であり、これは全体の半数は24歳以上になってから診断されていたことを意味する。また、全体の57%は20歳以降に1型糖尿病と診断され、37%は30歳以降、22%は40歳以降に診断されていた。 性別で比較した場合、男性は女性よりも遅く診断されていることが多かった(診断時年齢の中央値が女性は22歳で男性は27歳)。人種/民族で比較した場合は、非ヒスパニック系白人は診断時年齢の中央値が21歳であるのに対して、マイノリティーでは26~30歳と、やや高齢の範囲に分布していた。これらの結果からFang氏は、「1型糖尿病は一般的に小児期に発症すると考えられているが、それほど単純なものではなく、発症の時期は幅広い年齢層に分布している可能性がある」と述べている。 1型糖尿病の場合、基本的には生存のためにインスリン療法が必須とされる。ただしCDCによると、そのような1型糖尿病であっても、発症後の初期には症状が軽度なこともあり、数カ月、場合によっては数年間も1型だと気付かれないこともあるとしている。また現時点では、糖尿病を新規発症した患者全員に対して、糖尿病の病型を診断するための検査を行うような推奨はされていない。 本研究には関与していない、米デューク大学マーゴリス医療政策センターのCaroline Sloan氏は、「多くの臨床医は、成人発症の糖尿病であれば1型糖尿病の可能性は低いと考える。しかし実際はそうとは言えないことが本研究から明確になった」と述べている。また同氏は、「これは大きな問題である」とし、その理由を「1型糖尿病と2型糖尿病では、治療内容や患者への指導・情報提供内容が異なり、さらに、治療に当たる医師の変更を要することもあるからだ。発症後に行われる治療次第で、患者のその後の血糖コントロールに差が生じてしまうこともあり得る」と解説。その上で、「成人発症の糖尿病であっても、診断時に糖尿病の病型まで把握可能な検査を行うことが重要ではないか」と提言している。

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第170回 外来管理加算の廃止提案に医師会は強く反発/中医協

<先週の動き>1.外来管理加算の廃止提案に医師会は強く反発/中医協2.地域医療構想で進む病床再編、急性期病床が減少、回復期は増加/厚労省3.日本の公的医療支出が高水準、病床数と在院日数で2位/OECD4.GLP-1受容体作動薬の供給不足、卸に対して美容目的の出荷抑制を指示/厚労省5.美容目的のエクソソーム使用に規制を、死亡事例の報告も/再生医療学会6.介護職員の待遇改善へ、来年2月から月6,000円の賃上げ決定/政府1.外来管理加算の廃止提案に医師会は強く反発/中医協厚生労働省は、中央社会保険医療協議会(中医協)の総会を11月10日に開催。2024年度の診療報酬改定に向けて議論が行われた。とくに外来医療に関する「外来管理加算(52点)」については、支払い側が廃止を求め、激しい議論となった。外来管理加算は、2008年の診療報酬改定で再診患者に対する計画的な医学管理を評価するため導入された。当初は「おおむね5分を超える診察」の要件(いわゆる「5分ルール」)が含まれていたが、医療現場の強い反発で、このルールは2年後に廃止された代わりに、「簡単な症状の確認」だけで処方を行った場合は加算を算定できないことが明確化されていた。支払側委員の松本 真人氏(健康保険組合連合会理事)は、外来管理加算の算定要件があいまいで、その評価の妥当性に疑問を提起した。さらに、外来管理加算と「特定疾患療養管理料」、「生活習慣病管理料」、「地域包括診療加算」の併せて算定が許される現状についても、患者や保険者にとって理解しづらいと指摘し、廃止を主張した。これに対して、診療側の委員たちは強く反発。長島 公之委員(日本医師会常任理事)は、松本委員の意見を「暴論」と断じ、まったく容認できないと強調した。池端 幸彦委員(日本慢性期医療協会副会長)も、廃止の主張に全面的に反対する意向を示した。参考1)中医協資料 外来(その3)について(厚労省)2)外来管理加算の廃止を主張、支払側の松本委員 長島委員は「暴論、容認できない」(CB news)3)「外来管理加算の廃止」の支払側提案に、診療側委員は猛反発、「かかりつけ医機能」の診療報酬評価をどう考えるか-中医協総会(1)(Gem Med)2.地域医療構想で進む病床再編、急性期病床が減少、回復期は増加/厚労省厚生労働省は、11月9日に「地域医療構想及び医師確保計画に関するワーキンググループ」を開催し、地域医療構想の進捗について報告した。厚労省が最新の病床機能報告を基に行った集計によれば、2025年までに急性期病床が約7.1万床減少する一方、回復期病床は約7.9万床増加する見込み。政府は、高齢化や人口減少に対応するため、2025年までに各地域の医療体制を効率化することを目的として地域医療構想の実現を目指し、病床再編を行っている。病床再編により、一部の地域では医療機関の存続が危ぶまれ、とくにコロナ禍での病床削減への疑問符が生じている。たとえば、岐阜県東濃地方では、公営病院の病床数削減や民間への譲渡が進められているが、地域全体での病床利用率は高くなく、病床削減による共倒れの懸念が指摘されている。新型コロナウイルスのパンデミックは、病床削減の方針に再考を迫っており、急性期病床の役割の重要性が再認識されているが、今後は、コロナ禍の経験や在宅医療の需要も考慮に入れた新たな医療再編の議論が求められている。参考1)地域医療構想の進捗等について(厚生労働省)2)急性期7.1万床減少見込み、15-25年に 回復期は7.9万床増、全国ベースで(CB News)3)目標の2025年迫る「地域医療構想」 病床再編 議論が“再燃” 地域医療の崩壊に危機感(東京新聞)3.日本の公的医療支出が高水準、病床数と在院日数で2位/OECD経済協力開発機構(OECD)の最新報告によれば、わが国の公的医療支出はGDPの11.5%であり、政府支出の22%を占めることが判明した。これは、加盟38ヵ国中最高の割合であることが明らかになった。わが国の人口当たり病床数(12.6)は韓国に次いで2位で、平均在院日数も16.0日と、OECDの平均の約2倍である。人口1,000人当たりの医師数は2.6人で、OECDの平均3.7人に及ばない。また、わが国は、65歳以上の高齢者割合が29%と最も高く、1人当たりの受診回数も11回で2番目に多い。OECDは、これらの現状をもとにわが国の医療資源の効率的な活用を促している。人口10万人当たりの薬剤師数は199人でトップに立つ一方で、ノルウェーやスウェーデンの65歳以上の人口100人当たり介護従事者の数は約12人に対して、わが国は6.8人である。そのほか、開業医の電子カルテ利用率は平均93%に対し、日本は42%と低くOECDの武内 良樹事務次長は、わが国の医療提供の効率化と介護の費用対効果の向上を求めている。さらにわが国の病院依存型の医療制度が非効率であると指摘し、遠隔医療の利用拡大やかかりつけ医の医療質向上のほか、スキルの高い介護人材の確保と労働条件の改善も必要とも述べている。参考1)図表でみる医療 2023:日本(OECD)2)公的医療支出の割合、日本がトップ OECD、病床数・在院日数は2位(MEDIFAX)4.GLP-1受容体作動薬の供給不足、卸に対して美容目的の出荷抑制を指示/厚労省厚生労働省は、2型糖尿病治療に使用されるGLP-1受容体作動薬の在庫が逼迫していることを受け、7月下旬に医療機関と薬局に対して、GLP-1受容体作動薬の買い込みを控え、必要量のみの購入を行うよう求め、薬剤の適正使用を依頼した。GLP-1受容体作動薬は、2型糖尿病患者以外への使用(主に美容・痩身目的)については有害事象の報告もあり、懸念が広がる一方、海外承認のニュースにより急速に処方が増えている。厚労省は、2型糖尿病患者に対して適切に供給されるように、医薬品卸売販売業者に対して、注文を受けた際に治療目的を確認し、糖尿病治療以外の目的での使用が明らかな注文に対しては、納入を控えるよう11月9日付けで通知を発出した。参考1)GLP-1受容体作動薬の在庫逼迫に伴う協力依頼(その2)(厚労省)2)GLP-1、糖尿病治療以外は納入しないよう卸に要請 厚労省(日刊薬業)5.美容目的のエクソソーム使用に規制を、死亡事例の報告も/再生医療学会厚生労働省が、11月10日に開催した厚生科学審議会の再生医療等評価部会で、日本再生医療学会は、細胞から分泌される微粒子「エクソソーム」が含まれる幹細胞培養上清液が、美容目的やアンチエイジング目的で自由診療の医療機関で使用されているとして、「何らかの規制下に置かれることが望ましい」とする提言書を国に提出した。エクソソームは組織再生を促す物質を含んでいるが、現行の再生医療の安全に関する法律の対象外のため、管理が不十分な場合には重大な事故を引き起こす可能性があると指摘されている。すでに、幹細胞培養上清液を使用した治療による患者の死亡事例も報告されており、研究者らはエクソソームの体内での効果や安全性に関する科学的根拠が不足しており、一部のクリニックが効果を誇張して宣伝されていることを問題視しており、大阪大学の曽宮 正晴助教は、このような未確立の治療法には倫理的、科学的な問題があると指摘している。これに対して、実施しているクリニックが所属している日本再生医療抗加齢学会側は、現在の状況を改善するためのガイドライン作成や問題点の精査を急務としている。参考1)エクソソーム等に対する日本再生医療学会からの提言(日本再生医療学会)2)幹細胞培養上清液に関する死亡事例の発生について(再生医療抗加齢学会)3)エクソソーム 美容目的などに利用 “将来的に規制を”学会提言(NHK)4)エクソソーム治療「規制下が望ましい」学会が提言 死亡例の報告も(朝日新聞)5)幹細胞培養上清液で死亡例 研究者「エクソソームの投与で何かを治したと人で実証された例はない」「身体にリスクも」“若返りや美容効果”うたうクリニックに警鐘(ABEMA TIMES)6.介護職員の待遇改善へ、来年2月から月6,000円の賃上げ決定/政府政府は、介護職員と看護補助者の賃金を2023年2月から月額6,000円引き上げることを含む補正予算を閣議決定した。この措置は、介護分野と他の産業との間で開いた待遇格差を埋め、介護職員の離職を防ぐための措置で、賃上げには関連経費が2023年度補正予算案に盛り込まれ、都道府県を通じて事業所や医療機関に補助される。今回の賃上げは、介護報酬の3年ごと、診療報酬の2年ごとの見直しに先立つ「つなぎ」としての措置であり、来年度の報酬改定で恒久的な賃上げを目指している。厚生労働省によれば、2022年の介護職員の給与平均は29.3万円、看護補助者は25.5万円で、全産業平均(36.1万円)と比べて低く、介護分野では低賃金のために他産業への人材流出が続いており、離職者数が増加している。全国老人保健施設協会の調査では、介護職員の2023年度の賃上げ率は1.42%で、春闘の平均賃上げ率3.58%を大きく下回っている。岸田 文雄首相は、医療介護における賃上げや人材確保を重要な課題として挙げ、「必要な処遇改善の検討を行わなければならない」と述べている。参考1)介護職、月6000円賃上げ 人材流出抑制で-厚労省・補正予算(時事通信)2)介護職員の賃金、来年2月から月6000円引き上げ…離職の歯止め措置で補正予算案に盛り込む(読売新聞)3)コロナ交付金に6,143億円、補正予算案決定 月6千円相当の看護職賃上げへ(CB news

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厚生労働省に糖尿病治療薬の安定供給を要望/糖尿病関係三団体

 糖尿病治療薬のGLP-1受容体作動薬の適用外処方が社会問題となり、その供給不足が報道されている。また、後発医薬品メーカーの不祥事や原料の不足などで糖尿病患者への必要な既存の治療薬の供給にも不安が生じている。 こうした現在の状況に鑑み、2023年11月7日に日本糖尿病協会(理事長:清野 裕氏、患者代表理事:中園 徳斗士氏)、日本糖尿病学会(理事長:植木 浩二郎氏)、日本くすりと糖尿病学会(理事長:朝倉 俊成氏)の三団体は連名で厚生労働省に対し「糖尿病治療薬の安定供給に関する要望書」を提出した。厚生労働省に患者代表も参加させ、患者視点の対策を要望 要望書の要旨は、以下のとおり。・厚生労働省で「医薬品の迅速・安定供給実現に向けた総合対策に関する有識者検討会」を設置し、現状把握と対策を検討していること、また、先発品だけでなく、後発品にも不安定供給が発生しているが、それらの薬価見直しについて検討していることへの謝意を表明。・しかしながら、状況はいまだ改善しているとは言い難く、現在も糖尿病医療の現場では、医療者、患者双方から、不安な思いが寄せられていることを報告。この状況の早期解消への一層の注力を要望。・また、問題解決には、医薬品を用いた治療を受ける患者の視点が重要であるため、今後の検討を進める際は、日本糖尿病協会の患者代表理事を加えて、当事者の意見を聴くことを要望。

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妊婦の過度の体重増加、50年以上先の死亡リスクにも影響/Lancet

 妊娠中の体重増加が2009年の全米医学アカデミー(2009 NAM)の勧告の推奨値を上回った妊婦は、この推奨値の範囲内であった妊婦と比較して、妊娠前の体重が標準体重および過体重の女性では50年後の全死因死亡のリスクが有意に上昇し、妊娠前は低体重の女性でも死亡リスクが上昇したものの統計学的に有意な差はなかったことが、米国・ペンシルベニア大学のStefanie N. Hinkle氏らの調査で明らかとなった。心血管死のリスクは妊娠前に低体重および標準体重の女性で、また糖尿病関連死のリスクは過体重の女性で上昇したという。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2023年10月19日号に掲載された。米国の前向きコホート研究 研究グループは、妊娠中の過度の体重増加が、50年以上経過した後の死亡率と関連するのかを評価する目的で、Collaborative Perinatal Project(CPP)のデータを用いて前向きコホート研究を行った(米国国立衛生研究所[NIH]の助成を受けた)。 CPPでは、1959~65年に米国の12の臨床センターを受診した妊婦4万8,197人を登録した。CPP Mortality Linkage Studyにおいて、CPPの参加者を国民死亡記録(National Death Index:NDI)およびSocial Security Death Master File(SSDMF)と関連付けることで、2016年12月31日の時点での生死状況を調査した。 2009 NAMの勧告に準拠した妊娠中の体重の増加・減少と、妊娠前のBMI別の死亡率との関連を、補正ハザード比(HR)と95%信頼区間(CI)を算出することで推定した。妊娠前体重はBMIに基づき、低体重(BMI<18.5)、標準体重(18.5~24.9)、過体重(25.0~29.9)、肥満(≧30.0)に分類した。 主要エンドポイントは、全死因死亡とした。副次エンドポイントは、心血管系および糖尿病を基盤とする死亡であった。勧告より低い妊婦では、標準体重者のみ糖尿病関連死が低下 参加者のうち関連情報が得られなかった女性などを除く4万6,042人(黒人45.3%、白人46.2%)を解析に含めた。追跡期間中央値は52年(四分位範囲[IQR]:45~54)で、この間に1万7,901人(38.9%)が死亡した。 妊娠前に低体重であった女性(9.4%)では、2009 NAM勧告より過度の体重増加は、心血管死(HR:1.84、95%CI:1.08~3.12)のリスク上昇と関連したが、全死因死亡(1.14、0.86~1.51)や糖尿病関連死(0.90、0.13~6.35)とは関連がなかった。 妊娠前体重が標準であった女性(68.6%)では、2009 NAM勧告より過度の体重増加は、全死因死亡(HR:1.09、95%CI:1.01~1.18)および心血管死(1.20、1.04~1.37)のリスク上昇をもたらしたが、糖尿病関連死(0.95、0.61~1.47)には影響がなかった。 妊娠前に過体重であった女性(15.4%)では、2009 NAM勧告を超える体重増加により、全死因死亡(HR:1.12、95%CI:1.01~1.24)および糖尿病関連死(1.77、1.23~2.54)のリスクが上昇したが、心血管死(1.12、0.94~1.33)には影響しなかった。 また、妊娠前に肥満であった女性(6.7%)では、妊娠中の体重変化と死亡率との関連は、いずれの評価項目でもHRのCIの範囲が広く、意味のある関連性を認めなかった。 一方、妊娠中の体重の変化が2009 NAM勧告より低かった参加者では、妊娠前体重が標準の女性でのみ、糖尿病関連死(HR:0.62、95%CI:0.48~0.79)のリスクが低下していた。 著者は、「これらのデータは、妊娠中の過度の体重増加が、とくに心代謝性疾患による早期死亡のリスク上昇に寄与する可能性を示唆する」とし、「本研究の新たな知見は、妊娠期間中に2009 NAM勧告の範囲内で健康的な体重増加を達成することの重要性を支持するものであり、その意味するところは、妊娠期間を超えて、心血管系および糖尿病関連の死亡率を含む長期的な健康状態にまで及ぶ可能性があることを示す」と指摘している。

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EDが前糖尿病糖尿病の発症予測因子の可能性

 糖尿病罹患後に発症する合併症の一つに男性の勃起不全(ED)が挙げられることはよく知られているが、EDが前糖尿病糖尿病の発症予測因子の一つであるという、逆の時間的関係も存在することを示すデータが報告された。論文の著者らは、若年のED患者を対象として糖尿病のスクリーニングを行うことを提案している。米セントルイス大学のJane Tucker氏らの研究によるもので、詳細は「Preventive Medicine」に7月25日掲載された。 この研究は、同大学が管理している米国中西部の大規模な医療データシステムを用いて行われた。2008年1月~2022年6月に受療行動があり、前糖尿病糖尿病の既往のない18~40歳の男性23万1,523人(平均年齢28.3±7.0歳)のデータセットを作成。そのうち1.4%に相当する3,131人がEDを新規診断されていた。非ED群に比較しED群は、30歳以上(45.0対77.7%)、低テストステロン血症(0.3対5.5%)の割合が高く(いずれもP<0.0001)、肥満や併存疾患(高血圧、脂質異常症、虚血性心疾患、脳血管疾患、心不全、うつ病、不安症など)が多いといった有意差が認められた。 2年間の追跡で3.2%に当たる7,481人(非ED群7,226人、ED群255人)が前糖尿病/糖尿病を発症。非ED群の累積発症率は3.2%であるのに対して、ED群は8.1%であって、交絡因子未調整の相対リスク(RR)は2.57(95%信頼区間2.28~2.90)だった。 評価した全ての交絡因子を調整後もRR1.34(同1.16~1.55)であり、ED群は前糖尿病/糖尿病の新規発症リスクが有意に高かった。前糖尿病を除外して糖尿病の新規診断のみの累積発症率は、非ED群1.4%、ED群3.4%であり、全ての交絡因子を調整後のRR1.38(同1.10~1.74)であって、前糖尿病を併せた前記の解析結果とほぼ同等のリスク上昇が認められた。 ED発症後に前糖尿病/糖尿病が診断されていた255人について、診断のタイムラグを検討すると、3分の1以上に当たる36.5%はED診断と同日に前糖尿病/糖尿病がタイムラグなく診断されていた。また、255人の半数近くに当たる47.5%はED診断から1カ月以内、55.7%は3カ月以内、62.4%は6カ月以内、67.8%は9カ月以内に前糖尿病/糖尿病が診断され、1年以内には、ほぼ4人に3人に当たる73.7%が前糖尿病/糖尿病を診断されていた。 以上に基づき著者らは、「EDの診断は、未診断の前糖尿病/糖尿病の存在や、それらの発症リスクと関連している。EDは前糖尿病/糖尿病の予測因子と言え、プライマリケアの臨床でEDを有する若年男性を認めた場合、糖尿病のスクリーニングを定期的に施行する必要があるだろう」と述べている。

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糖尿病スティグマ」に興味を持った患者さん【Dr. 坂根の糖尿病外来NGワード】第42回

■外来NGワード「合併症にならないように、もっと食事に気を付けないと」(患者の気持ちに寄り添わず、食事制限を指示)「職場で回ってきたおやつは食べないように!」(職場環境を無視)■解説最近、「スティグマ」(社会的偏見による差別)という言葉をよく耳にします。「スティグマ」(stigma)の語源は、ギリシャ語の奴隷や犯罪者などに付けていた肉体上の「印」のことです。現在では、差別や偏見などネガティブな意味での烙印の意味で用いられています。社会における糖尿病に対する知識不足や誤ったイメージから、糖尿病を持つ人はさまざまなスティグマにさらされています。たとえば、糖尿病では生命保険の加入や就職の際に社会的スティグマを経験することがあります。糖尿病の人は「甘いものを食べてはいけない」と勘違いされ、人前では食べない人もいます。糖尿病であることを受け止められずに、重荷に感じ、職場や友人に糖尿病であることを打ち明けられずにいることもあります。そうすると、職場で回ってくるおやつを食べたり、逆に、会食や交流を避け、他人から距離をとるようになるという自己スティグマ状態に陥り、自尊心がだんだん低下してくる人もいます。そのまま、スティグマを放置していると、社会生活の中で不利益を被るだけでなく、前向きに治療に向かうことができなくなります。日本では2002年に日本精神神経学会が、差別的な意味合いが包含されているとして「精神分裂病」という病名を「統合失調症」という病名に変更しました 。現在、日本糖尿病学会や日本糖尿病協会では「糖尿病」という名称を変えることが検討されています。■患者さんとの会話でロールプレイ医師血糖値がなかなか落ち着きませんね…。患者はい。実は…自分が糖尿病であることが職場で言えなくて…。医師なるほど。言えないと、いろいろな不便がありますよね…。患者そうなんです。職場でおやつが回ってきて、断ることができなくて、つい食べてしまったり…。医師確かに、断りにくいですよね。(共感)患者そうなんです。会食なんかも億劫で…、何か理由を付けて断ったり…。医師なるほど。それは困りましたね。患者そうなんです。なかなか、自分から言えなくて…。医師確かに。今では糖尿病の人の平均余命は日本人の平均余命とほぼ同じですし、糖尿病治療によって心筋梗塞や脳梗塞などの合併症は減っていますからね。患者えっ、そうなんですか。糖尿病は早死にする病気かと思っていました。医師いえ、そうではありませんよ。ただ、糖尿病であろうがなかろうが、健康的な食事にした方がいいですよね。「一病息災」ではないですが、血糖が高いと言われたことをきっかけに、健康的な食事にされる方も多いですからね。「糖尿病だからではなくて、健康のために…」と言って、食べたくないおやつを断ったりされてはいかがでしょう。それに、我慢だけでなく、たまには羽目を外されるのもいいと思いますよ。患者そう言われると、少し心が軽くなってきました。ありがとうございます。(嬉しそうな顔)■医師へのお勧めの言葉「糖尿病があろうがなかろうが、健康的な食事にした方がいいですよね」 1)Kato A, et al. PEC Innov.2)Hamano S, et al. J Diabetes Investig. 2023;14:479-485.

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植物性食品が豊富な食料支援が若年者の肥満解消・予防に寄与

 植物性食品を豊富に含む家族向けの食料支援サービスは、その家庭の子どもの肥満予防に有用な方策となる可能性が、「Preventing Chronic Disease」に6月22日掲載された研究から示唆された。 米ボストン小児病院のAllison J. Wu氏らは、2021年1月から2022年2月の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミック下において、米マサチューセッツ総合病院のリビア・フードパントリー(Revere Food Pantry;食料配給所)からの、植物性食品を中心とする家庭向けの食料支援が、その家庭の子どものBMIの変化に与える影響について検討した。対象とされた家庭には、新鮮な野菜と果物、ナッツ類、全粒穀物を含む食料品を、家族全員が1日3回摂取できるように毎週配給した。食料支援を受けた93世帯の子ども107人のうち、2~18歳の若年者計35人を対象に分析した。分析には線形回帰を使用した。 その結果、平均19カ月の追跡期間中に、解析対象とした35人の若年者において、年齢および性別で調整したBMIは平均で0.31kg/m2増加した。しかし、過体重または肥満と判定された者の割合は、ベースライン時には20人(57%)だったのが、追跡時には17人(49%)にまで低下した。また、ベースラインからフォローアップ時まで、食料支援の受け取り1回当たりのBMIの変化を推定したところ、年齢や性別、期間とは関係なく、0.04kg/m2(95%信頼区間-0.08~-0.01kg/m2)の減少と計算された。 著者らは、「今回のケーススタディから、植物性食品を中心とした食料の供給は、その家庭の子どものBMI増加を予防できるだけでなく、減少させることも可能な有効な方策だと考えられる」とし、「若年者の体重を健康的なレベルに維持するためには、他の対策と連携して、植物性食品を豊富に含む食料配給を検討すべきだ」と述べている。

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ピカソ「泣く女」【なんでこれがすごいの?だから子供は絵を描くんだ!(アートセラピー)】Part 3

なんでピカソの絵はすごいの?絵を含むアートの起源は、きれいに石器をつくる、ものにイメージを重ね合わせる、集団で共有することであることがわかりました。つまり、発達(個体発生)と進化(系統発生)の両方の視点からも、絵を描くために必要な能力(機能)は、協調運動、概念化、社会性であると言えます。それでは、最初の質問に戻ります。なぜピカソの絵はすごいのでしょうか? 神経美学の視点から、2つの要素を挙げてみましょう。(1)美しい要素がある「泣く女」の絵は、正面顔と横顔、顔のしわとハンカチのしわなどが連続的に組み合わされているなど、実は配置のバランスが驚異的にうまいと指摘されています5)。また、赤と緑、青とオレンジ、黄色と紫などお互いの色を強烈に引き立てる補色を効果的に使っており、色使いもうまいと指摘されています5)。1つ目は、美しい要素があることです。美しさは、見た目、聴き心地、道徳的行い、数理方程式などさまざまあります。これらの美の体験に共通して反応を見せる唯一の部位は、脳の眼窩前頭皮質であることがわかっています6)。絵画の美と道徳の美が、同じ脳の部位の反応であることからも、やはり絵画にはそもそも社会性があることがわかります。(2)めちゃくちゃな要素がある「泣く女」の絵は、「何これ!?」と思わせるような、普通にはありえない描線や構図です。さらに、描かれたモデルの気持ちについ思いを馳せて「ピカソは常軌を逸している!」などと私たちを思わせます2つ目は、めちゃくちゃな要素があることです。めちゃくちゃさは、間違いや無秩序などです。このように、合理的で理性的な思考に揺さぶりをかけられた時、脳の背外側前頭前皮質が反応することがわかっています6)。先ほどにご紹介した実験で、目のない顔に違和感を待つことも、まさにこの部位の反応です。つまり、ピカソの絵がすごいわけは、美しさとめちゃくちゃさの絶妙なバランスによって私たちの心を動かすからです。これは、特定の決まりごと(コンテキスト)を守りつつ、あえてそれにフィットする新しい何かを生み出しています。まさに、創造性です。当時に誕生した美術館は、このピカソの感性に目を付け、価値づけしたのでした。ちなみに、即興演奏をしている時のジャズミュージシャンの脳活動は、先ほどの背外側前頭前皮質が抑制されていることが確認されています。つまり、創造性を発揮するためには、あえてその脳の部位が抑制される必要があるわけです。そして、その創造性を理解するためには、その脳の部位が逆に刺激される必要があるというわけです。アートセラピーの効果とは?ピカソの絵のすごさの答えから、アートとは、必ずしも美しくなければならないわけではなく、私たちの心を動かす何かがあるということです。それは、一言で言えば、おもしろさであり、そのおもしろさを見出す、見る側の感性でもあるでしょう。この点で、アートセラピーとは、ただ何かを描いたりつくったりする自己満足でなく、そのできた何かに周りの人がおもしろみを見いだし相互作用する社会性が必要であることがわかります。ピカソの絵であろうと、子供の絵であろうと、そして患者さんの絵であろうと、その作品に何らかのメッセージ性を感じ取り意味づけして共有することが、つくった人の自己治癒となり、さらには見た人の自己成長となると言えるのではないでしょうか?1)「ヒトはなぜ絵を描くのか」P17、P28、P34、P59、P67:齋藤亜矢、岩波書店、20142)「チンパンジーの絵から 芸術の起源を考える」:斎藤亜矢、日本心理学会、20183)「病の起源2 読字障害/糖尿病/アレルギー」P26、NHK出版、20094)「脳は美をどう感じるか」P105、P124:川畑英明、ちくま新書、20125)「ピカソは本当に偉いのか?」P55、P162:西岡文彦、新潮新書、20126)「神経美学」P25、P130、P143:石津智大、共立出版、2019<< 前のページへ■関連記事ドラマ「ドラゴン桜」(後編)【そんなんで結婚相手も決めちゃうの? 教育政策としてどうする?(学歴への選り好み)】Part 1NHKドラマ「フェイクニュース あるいはどこか遠くの戦争の話」(後編)【言葉は噂をするために生まれたの!?(統語機能)】NHKドラマ「フェイクニュース あるいはどこか遠くの戦争の話」(中編)【そもそもなんで私たちは噂好きなの?じゃあこれから情報にどうする?(メディアリテラシー)】Part 1

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肝臓と腎臓の慢性疾患の併存で心臓病リスクが上昇する

 狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患(IHD)のリスク抑制には、肝臓と腎臓の病気の予防が肝腎であることを示唆する研究結果が報告された。代謝異常関連脂肪性肝疾患(MAFLD)と慢性腎臓病(CKD)が併存している人は、既知のリスク因子の影響を調整してもIHD発症リスクが有意に高いという。札幌医科大学循環器・腎臓・代謝内分泌内科学講座の宮森大輔氏、田中希尚氏、古橋眞人氏らの研究によるもので、詳細は「Journal of the American Heart Association(JAHA)」に7月8日掲載された。 MAFLDとCKDはどちらも近年、国内で患者数の増加が指摘されている慢性疾患。MAFLDは、脂肪肝とともに過体重/肥満、糖尿病もしくはその他の代謝異常(血糖や血清脂質、血圧の異常など)が生じている状態で、最近では動脈硬化性疾患の新たなリスク因子と位置付けられている。一方、CKDは腎機能の低下を主徴とする疾患だが、腎不全のリスクというだけでなく、動脈硬化性疾患のリスクとしても重視されている。肝臓と腎臓はともに生体の恒常性維持に重要な役割を担っており、動脈硬化性疾患に関しても、MAFLDとCKDが存在した場合にはリスクがより上昇する可能性がある。ただし、そのような視点での研究はこれまで報告されていない。古橋氏らの研究グループは、健診受診者のデータを用いた縦断的解析により、この点を検討した。 解析対象は、2006年に渓仁会円山クリニック(札幌市)で定期健診を受けた人のうち、2016年までに1回以上、再度健診を受けていて追跡が可能であり、ベースライン時(2006年)にIHDの既往がなく、解析データに欠落のない1万4,141人(平均年齢48±9歳、男性65.0%)。このうち、ベースライン時点でMAFLDは4,581人(32.4%)、CKDは990人(7.0%)に認められ、両者併存は448人(3.2%)だった。 平均6.9年(範囲1~10年)の追跡で、479人がIHDを発症。1,000人年当たりの発症率は、男性6.3、女性2.4だった。IHD発症リスクとの関連の解析に際しては、年齢と性別の影響を調整する「モデル1」、モデル1に現喫煙とIHDの家族歴を追加する「モデル2」、モデル2に過体重/肥満(BMI23以上)、糖尿病、脂質異常症、高血圧を追加する「モデル3」という3通りで検討した。なお、モデル3で追加した調整因子は、一般的にIHD発症に対して調整される必要があるが、MAFLDの診断基準と重複していることにより多重共線性の懸念(有意な関連を有意でないと判定してしまうこと)があるため、最後に追加した。 ベースライン時点でMAFLDとCKDがともにない群を基準とすると、MAFLDのみ単独で有していた群のIHD発症リスクは、モデル1〔ハザード比(HR)1.42〕とモデル2(HR1.40)では有意な関連が示された。ただし、モデル3では非有意となった。ベースライン時点でCKDのみを有していた群は、全てのモデルで関連が非有意だった。それに対して、MAFLDとCKDの併発群は、モデル1〔HR2.16(95%信頼区間1.50~3.10)〕、モデル2〔HR2.20(同1.53~3.16)〕、モデル3〔HR1.51(1.02~2.22)〕の全てで、IHD発症リスクが高いことが示された。 なお、性別の違いは上記の結果に影響を及ぼしていなかった(モデル3での交互作用P=0.086)。また、モデル3において、MAFLDの有無、およびCKDの有無で比較した場合は、いずれもIHDリスクに有意差がなかった。 続いて、IHDリスクの予測に最も適したモデルはどれかを、赤池情報量規準(AIC)という指標で検討した。AICは値が小さいほど解析に適合していることを意味するが、モデル1から順に、8585、8200、8171であり、モデル3が最適という結果だった。 次に、IHDの古典的なリスク因子(年齢、性別、現喫煙、IHDの家族歴)にMAFLDとCKDの併存を追加した場合のIHD発症予測能への影響をROC解析で検討。すると、古典的リスク因子によるAUCは0.678であるのに対して、MAFLDとCKDの併存を加えると0.687となり、予測能が有意に上昇することが分かった(P<0.019)。 著者らは本研究の限界点として、食事・運動習慣やがんの既往などが交絡因子に含まれていないこと、脂肪肝の重症度が考慮されていないことなどを挙げている。その上で、「日本人一般集団においてMAFLDとCKDの併存は、それらが単独で存在している場合よりもIHD発症リスクが高いことが示された」と結論付け、「MAFLD、CKD、IHDの相互の関連の理解を進めることが、IHDの新たな予防戦略につながるのではないか」と述べている。

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チルゼパチド追加の「2型糖尿病の薬物療法のアルゴリズム」改訂版/日本糖尿病学会

 日本糖尿病学会(理事長:植木 浩二郎氏)は、11月2日に同学会のホームページで「2型糖尿病の薬物療法のアルゴリズム 改訂版」を公開した。このアルゴリズムは、2022年9月に2型糖尿病治療の適正化を目的に初版が公開された。今回の改訂版では、チルゼパチドが追加された。主な改訂点は次のとおり。・Fig.2のStep1:病態に応じた薬剤選択における肥満[インスリン抵抗性を想定]の最後にチルゼパチドを追記。・「インスリン分泌不全、抵抗性は、糖尿病治療ガイドにある各指標を参考に評価し得る」の文言は改訂前より記載していたが、より病態を正確にとらえるための情報として「インスリン抵抗性はBMI、腹囲での肥満・内臓脂肪蓄積から類推するが、HOMA-IRなどの指標の評価が望ましい」を追記。・Step2:安全性への配慮、における「例2)腎機能障害合併者には、グリニド薬を避ける」と記載されていた箇所に「腎排泄型の」と追記。・Step2:安全性への配慮、における「例3)心不全合併者にはビグアナイド薬、チアゾリジン薬を避ける(禁忌)」と記載されていた順番を、「チアゾリジン薬、ビグアナイド薬」に入れ替え。・Fig.2の最下段に「目標HbA1cを達成できなかった場合は、Step1に立ち返り」と記載されていたのを「冒頭に立ち返り、インスリン適応の再評価も含めて」に改訂。・別表においては、チルゼパチドを追記したのに加え、考慮すべき項目に「特徴的な副作用」と「効果の持続性」の2つを追記。・本文でもチルゼパチドや特徴的な副作用など、図、別表の改訂に関する追記に加えて、アルゴリズムの図には記載されていないが、考慮すべき併存疾患として本改訂から非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)を取り上げた。・インスリンの絶対的適応と相対的適応、血糖コントロール目標における熊本宣言2013や高齢者糖尿病の血糖コントロール目標などについても詳細を追記。

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英語で「指先で血糖を測る」は?【1分★医療英語】第104回

第104回 英語で「指先で血糖を測る」は?《例文1》We will check your fingerstick glucose before meals.(食前に血糖を測りますね)《例文2》What was his fingerstick?(彼の簡易血糖測定はいくつでしたか?)《解説》入院中の患者さんには、指先で簡易血糖測定をすることがありますが、英語では指先での血糖測定のことを“fingerstick glucose”といいます。“finger”(指)と“stick”(刺す)という単語を組み合わせた単語で、文字通り「指先を刺して血液検査をする」ことを表します。成人では、指先採血で検査を行うのはほぼ簡易血糖のみであるため、臨床現場では“fingerstick”という単語のみで血糖測定を表し、“What was his fingerstick?”(彼の簡易血糖測定はいくつでしたか?)というように使います。食前は“before meals”、食後は“after meals”と表現することも併せて覚えておきましょう。講師紹介

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認知症入院患者におけるせん妄の発生率とリスク因子

 入院中の認知症高齢者におけるせん妄の発生率および関連するリスク因子を特定するため、中国・中日友好病院のQifan Xiao氏らは本調査を実施した。その結果、入院中の認知症高齢者におけるせん妄の独立したリスク因子として、糖尿病、脳血管疾患、ビジュアルアナログスケール(VAS)スコア4以上、鎮静薬の使用、血中スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)レベル129U/mL未満が特定された。American Journal of Alzheimer's Disease and Other Dementias誌2023年1~12月号の報告。 対象は、2019年10月~2023年2月に総合病棟に入院した65歳以上の認知症患者157例。臨床データをレトロスペクティブに分析した。対象患者を、入院中のせん妄発症の有無により、せん妄群と非せん妄群に割り付けた。患者に関連する一般的な情報、VASスコア、血中CRPレベル、血中SODレベルを収集した。せん妄の潜在的なリスク因子の特定には単変量解析を用い、統計学的に有意な因子には多変量ロジスティック回帰分析を用いた。ソフトウェアR 4.03を用いて認知症高齢者におけるせん妄発症の予測グラフを構築し、モデルの検証を行った。 主な結果は以下のとおり。・認知症高齢者157例中、せん妄を経験した患者は42例であった。・多変量ロジスティック回帰分析では、入院中の認知症高齢者におけるせん妄の独立したリスク因子として、糖尿病、脳血管疾患、VASスコア4以上、鎮静薬の使用、血中SODレベル129U/mL未満が特定された。・5つのリスク因子に基づく予測ノモグラムをプロットしたROC曲線分析では、AUCが0.875(95%信頼区間:0.816~0.934)であった。・予測モデルはブートストラップ法で内部検証し、予測結果と実臨床結果はおおむね一致していることが確認された。・Hosmer-Lemeshow検定により、予測モデルの適合性と予測能力の高さが実証された。 著者らは「本予測モデルは、入院中の認知症高齢者におけるせん妄を高精度で予測可能であり、臨床応用する価値がある」と述べている。

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低体重のままの人や体重が減った人、死亡リスク高い~日本人集団

 成人後の体重変化が、高い死亡リスクと関連することが最近の研究でわかっている。今回、日本の前向きコホート研究であるJPHC前向き研究(Japan Public Health Center-based Prospective Study)のデータで20歳以降のBMIの変化と死亡リスクとの関連を調べたところ、低体重のままの人と体重が減少した人では、正常体重の範囲内で体重が増加した人よりも死亡リスクが高いことがわかった。International Journal of Epidemiology誌オンライン版2023年10月25日号に掲載。低体重のままの人の死亡リスクが正常範囲内で体重増の人と比べaHR:1.27と高い 本研究では、40~69歳の参加者を20年追跡したJPHC前向き研究から6万5,520人のデータを分析した。BMIの変化により参加者を、低体重のまま(第1群)、正常低BMI→正常高BMI(第2群)、正常高BMI→正常低BMI(第3群)、正常BMI→過体重(第4群)、過体重→正常BMI(第5群)、正常BMI→肥満(第6群)の6つの群に分類した。 Cox比例ハザードモデルによる解析の結果、第2群(正常低BMI→正常高BMI)を基準とすると、BMIが減少した第3群(調整後ハザード比[aHR]:1.10、95%信頼区間[CI]:1.05~1.16)と第5群(aHR:1.16、95%CI:1.08~1.26)、低体重のままの第1群(aHR:1.27、95%CI:1.21~1.33)と正常BMI→肥満の第6群(aHR:1.22、95%CI:1.13~1.33)で死亡率が高かった。 本研究の結果、日本人集団では成人後に低体重のままの人や体重が減少した人では死亡リスクが高いという独特な結果だった。著者らは「死亡リスクの判断には、BMIを長期にわたってモニタリングすることがより重要であるかもしれない」としている。

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STEMI-PCIへの長期的有効性、BP-SES vs. DP-EES/Lancet

 初回経皮的冠動脈インターベンション(プライマリPCI)を受けるST上昇型心筋梗塞(STEMI)患者において、生分解性ポリマー・シロリムス溶出ステント(BP-SES)は耐久性ポリマー・エベロリムス溶出ステント(DP-EES)と比較して、5年の時点での標的病変不全の発生が少なく、この差の要因は虚血による標的病変の再血行再建のリスクがBP-SESで数値上は低いためであったことが、スイス・ジュネーブ大学病院のJuan F. Iglesias氏らが実施した「BIOSTEMI ES試験」で示された。研究の成果はLancet誌オンライン版2023年10月25日号で報告された。スイスの無作為化試験の延長試験 BIOSTEMI ES試験は、STEMI患者に対するプライマリPCIにおけるBP-SES(Orsiro、Biotronik製)とDP-EES(Xience Prime/Xpedition、Abbott Vascular製)の有用性を比較した前向き単盲検無作為化優越性試験「BIOSTEMI試験」の、医師主導型延長試験である(Biotronikの助成を受けた)。BIOSTEMI試験では、2016年4月~2018年3月にスイスの10施設で患者の無作為化を行った。 BIOSTEMI試験の参加者のうちBIOSTEMI ES試験への参加の同意を得た患者を対象とした。 主要エンドポイントは、5年時点での標的病変不全(心臓死、標的血管の心筋梗塞再発、臨床所見に基づく標的病変の再血行再建の複合)であった。率比(RR)が1未満となるベイズ事後確率(BPP)が0.975より大きい場合に、DP-EES(対照)に対してBP-SESは優越性があると判定した。解析はITT集団で行った。全死因死亡やステント血栓症には差がない 1,300例(1,622病変)を登録し、BP-SES群に649例(816病変)、対照群に651例(806病変)を割り付けた。平均年齢は、BP-SES群が62.2(SD 11.8)歳、対照群が63.2(SD 11.8)歳で、それぞれ136例(21%)および174例(27%)が女性であり、73例(11%)および82例(13%)が糖尿病を有していた。 5年時点で、標的病変不全の発生は対照群が72例(11%)であったのに対し、BP-SES群は50例(8%)と少なく、優越性を認めた(群間差:-3%、RR:0.70、95%ベイズ信用区間[BCI]:0.51~0.95、BPP:0.988)。 5年時の標的病変不全の3つの項目の発生については、心臓死がBP-SES群5%、対照群6%(RR:0.81、95%BCI:0.54~1.23、BPP:0.839)、標的血管の心筋梗塞再発がそれぞれ2%および3%(0.76、0.41~1.34、0.833)、臨床所見に基づく標的病変の再血行再建が3%および5%(0.68、0.40~1.06、0.956)であり、5年時の主要エンドポイントの差は標的病変の再血行再建のリスクがBP-SES群で数値上低かったためであった。 また、5年時の標的血管不全(心臓死、標的血管の心筋梗塞再発、臨床所見に基づく標的血管の再血行再建)の発生は、対照群に比べBP-SES群で有意に低く(10% vs.13%、RR:0.74、95%BCI:0.55~0.97、BPP:0.984)、この差は臨床所見に基づく標的血管の再血行再建(4% vs.6%、0.59、0.34~0.98、0.979)のリスクがBP-SES群で有意に低かったことによるものであった。 5年時の全死因死亡(BPP:0.456)、ステント血栓症(definite)(0.933)、ステント血栓症(definiteまたはprobable)(0.887)、出血イベント(BARC type3~5)(0.477)の発生は、いずれも両群で同程度だった。 著者は、「新世代の生分解性ポリマー薬剤溶出ステントは、STEMI患者へのプライマリPCIにおいて、早期だけでなく長期的な臨床アウトカムの改善をもたらすことが明らかとなった」とまとめ、「本試験の結果は、BP-SESにはSTEMI患者におけるlate catch-up現象がないことを示している」としている。

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2型糖尿病の罹病期間と大脳皮質の厚さとの間に負の関連

 2型糖尿病患者の罹病期間と大脳皮質の厚さとの間に、負の関連が見られるとする報告が発表された。米ミシガン大学アナーバー校のEvan L. Reynolds氏らが米国先住民を対象に行った研究の結果であり、詳細は「Annals of Clinical and Translational Neurology」に7月30日掲載された。大脳皮質の厚さ以外にも、灰白質体積の減少や白質高信号領域の体積の増加という関連が認められたという。 認知症の有病率が世界的に上昇しており、その理由の一部は肥満や2型糖尿病の増加に起因するものと考えられている。また、糖尿病合併症と認知機能低下との関連も報告されている。一方、米国先住民であるピマインディアンは肥満や2型糖尿病の有病率が高く、糖代謝以外の代謝異常や慢性腎臓病の有病率も高い。しかしこれまでのところ、この集団を対象とする認知症リスクの詳細な検討は行われていない。これを背景としてReynolds氏らは、2型糖尿病罹病歴の長いピマインディアン51人を対象として、認知機能検査および脳画像検査による認知症リスクの評価結果と、糖代謝マーカーを含めた代謝関連臨床検査データとの関連を検討した。 解析対象者の主な特徴は、平均年齢が48.4±11.3歳、女性74.5%、BMI34.9±7.7で74.5%が肥満であり、糖尿病罹病期間は20.1±9.1年、HbA1c9.6±2.3%、降圧薬服用者58.8%など。認知機能に関しては、米国立衛生研究所(NIH)が公開している一般人口の標準値(Toolbox認知バッテリー)と有意差がなかった(45.3±9.8、P=0.64)。 脳画像検査が施行されたのは45人だった。代謝関連指標の中で、BMIやメタボリックシンドローム構成因子の該当項目数、血圧、HbA1c、トリグリセライド、HDL-Cなどは、脳画像検査データとの有意な関連が認められなかった。それに対して糖尿病罹病期間は、大脳皮質厚の菲薄化〔点推定値(PE)=-0.0061(95%信頼区間-0.0113~-0.0009)〕、灰白質体積の減少〔PE=-830.39(同-1503.14~-157.64)〕、白質高信号領域の体積の増加〔対数変換後のPE=0.0389(同0.0049~0.0729)〕という有意な関連が認められた。 論文の上席著者である同大学のEva Feldman氏は、「われわれの研究結果は、糖尿病が脳の健康に与える影響を理解する上で極めて重要と言える。今後、糖尿病患者の脳の健康を維持するための治療戦略を探る、大規模な長期介入研究が必要とされるが、今回の研究データはそのような将来の研究の基礎となり得る」と語っている。また同氏は、「糖尿病がなぜ認知機能を低下させるのかというメカニズムの解明と並行して、糖尿病患者の認知症発症予防につながる啓発活動を推し進めることも欠かせない。糖尿病が脳の健康の維持にとってリスクとなることを一般の人々に教育することも、われわれの使命の一部である」と付け加えている。 なお、2人の著者が、医薬品関連企業などとの利益相反(COI)に関する情報を明らかにしている。

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糖尿病の名前の由来」に興味を持った患者さん【Dr. 坂根の糖尿病外来NGワード】第41回

■外来NGワード「そんなことは自分で調べなさい」(患者さんの質問に真摯に答えない)「尿に糖がでる病気だから、『糖尿病』なんです!」(誤解を招く説明)■解説国立国語研究所の「病院の言葉」をわかりやすくする提案の中で、「『糖尿病』という病名の認知率は高いが、その字面から「糖が尿にでる病気」として誤解されることが多い」と指摘しています。また、「糖」を「砂糖」のことだと単純に考え、「甘いものの摂り過ぎで起こる病気」と勘違いしている人も半数近くいたそうです。さて、この「糖尿病」という名前の病気、いつ頃から名付けられたのでしょう。紀元前1500年のエジプトのパピルスに「尿があまりにもたくさんでる病気」との記載があります。2世紀頃のカッパドキアのアイタイウスが「肉や手足が尿中に溶けてしまう病気で患者は一時も尿を作ることを止めず、尿は水道の蛇口が開いたように絶え間なく流れ出す」と記載しており、ギリシャ語のサイフォン(高い所から低い所へと水が流れる)を意味する“Diabetes”がこの病気の名前として用いられるようになってきました。その後、17世紀に入ると英国人医師のトーマス・ウイルスが糖尿病患者の尿が蜂蜜のように甘いことに気付き、“Mellitus”(ラテン語の「蜂蜜」)と名付け、“Diabetes Mellitus”となりました。これらの用語が日本に伝わり、「蜜尿とう」、「蜜尿病」、「糖尿病」(のちに蜜が糖であることが判明したため)などさまざまな病名で呼ばれていましたが、1907年の第4回 日本内科学会で「糖尿病」という病名に統一され、今日に至っています。ちなみに、下垂体後葉の病気で多尿を呈する「尿崩症」は“Diabetes Insipidus”と言い、病名の“Insipidus”とは「無味」の意味で尿が甘くないことを意味しています。■患者さんとの会話でロールプレイ患者コロナのワクチン接種の際に病名を記載するのに、私の病名は「糖尿病」「高血圧」「高脂血症」でいいですか?医師はい。「糖尿病」、「高血圧」、「高脂血症」あるいは「脂質異常症」でいいですよ。患者ありがとうございます。けど、糖尿病ってあまり印象の良くない名前ですね。医師確かに。「糖が尿にでる病気」と誤解している人も多いですよね。患者そうじゃないんですか?医師正しくは、血液中の糖、血糖値が高くなる病気です。その結果、尿に糖がでるわけで、高くなくても尿に糖がでる人もいます。患者へぇ~、そうなんですか。じゃあ、どうして「糖尿病」って名前になったんですか?「高血糖症」でもよさそうなのに。医師確かに。けれど、糖尿病という名前にしようとした頃、つまり100年以上も前は血糖を測定するのは今ほど簡単じゃなかったからですね。患者なるほど。それで「尿」の名前が付いているんですね。医師そうですね。参考となる症状も多尿でしたし、トイレが水洗でなく汲み取り式だった時代には汲み取り業者が甘い臭いから「この家には糖尿病の人がいる」と言っていたという話もありましたからね。患者へぇ~。尿でそんなことがわかるんですね。医師そうなんです。他にも尿でわかることがありますよ!患者それは何ですか? 是非、教えてください(興味深々)■医師へのお勧めの言葉「昔は尿に糖がでるということで『糖尿病』という名前が使われていましたが、正しくは血液中の糖分、血糖値が上がる病気ですね」 1)Lakhtakia R. Sultan Qaboos Univ Med J. 2013;13:368-370.

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