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ジュースクレンズはたった3日間でも有害な可能性

 一定期間、固形物を取らずにジュースのみで必要な栄養素を補うジュースクレンズは、ファスティングの一種であり、健康的な生活を始める第一歩として多くの人に取り入れられている。しかし、たとえ短期間であっても、こうした食生活によりもたらされるのは効果よりも有害性の方が大きいかもしれない。米ノースウェスタン大学フェインバーグ医学部のMelinda Ring氏らの研究によると、野菜や果物のジュースのみの食事を3日間続けることで、炎症や記憶力および思考力の問題との関連が指摘されている腸内や口腔のマイクロバイオームに変化が起こることが明らかになったという。詳細は、「Nutrients」に1月27日掲載された。 ジュースクレンズがこのような変化を引き起こすメカニズムについては、正確には解明されていない。しかしRing氏らは、ジュースは食物繊維が不足していることが要因ではないかとの見方を示している。Ring氏は、「ほとんどの人はジュースクレンズを健康的なクレンズ(浄化)として捉えているが、この研究は現実を突きつけるものだ。食物繊維がほとんど含まれていないジュースを大量に摂取すると、マイクロバイオームのバランスが崩れ、炎症や腸の健康状態の悪化といった悪影響がもたらされる可能性がある」とニュースリリースの中で述べている。 果物や野菜をジュースにする際には、含まれていた食物繊維の多くが取り除かれてしまう。食物繊維は抗炎症物質を産生する善玉菌のエサになる。食物繊維が不足すると、糖類を好む悪玉菌が増殖し、腸内や口腔内のマイクロバイオームのバランスが崩れる。 Ring氏らは今回、健康な成人14人(男性7人、平均年齢22.7歳)を対象に、ジュースの摂取が腸内と口腔内のマイクロバイオームに与える影響について調べた。研究参加者は3日間、1)果物と野菜のコールドプレスジュースのみを摂取する群(ジュース摂取群、男性2人、女性3人)、2)コールドプレスジュースと通常の食事を摂取する群(通常食摂取群、男女2人ずつ)、3)植物性食品をベースにしたホールフードのみを摂取する群(植物性食品摂取群、男性3人、女性2人)の3群に分類された。対象者はまず、オーガニックの果物、野菜、グルテンフリーの全粒穀物、卵、8杯の水から成る除去食を3日間摂取したのち、3種類の介入食のいずれかを3日間摂取した。その後、3日間の再導入期間を経て通常の食事に戻った。Ring氏らは、ベースライン、除去食実施後、介入終了直後、および介入後14日目に研究参加者から採取した唾液検体、頬の内側の粘膜のぬぐい液、および便検体を用いてマイクロバイオームの変化を分析した。 その結果、ジュース摂取群では、唾液および口腔粘膜のマイクロバイオームに変化が見られ、ファーミキューテス門(2021年にBacillota門に改名)の細菌の減少と、炎症との関連が注目されているプロテオバクテリア門(2021年にPseudomonadota門に改名)の細菌の増加が認められた。これは、ジュースが高糖質・低食物繊維であることが影響している可能性が疑われた。腸内マイクロバイオームに大きな変化は見られなかったが、腸の透過性、炎症、認知機能低下に関連する細菌の増加が認められた。一方、通常食摂取群と植物性食品摂取群でも、口腔や腸内のマイクロバイオームにある程度の変化は観察されたが、ジュース摂取群での変化ほど顕著ではなかった。 Ring氏は、「本研究結果は、食事の選択がいかに短期間で健康に関連する細菌の集団に影響を与えるかを明確に示している。口腔のマイクロバイオームは、食事の影響を迅速に把握できるバロメーターになるようだ」との見方を示している。 Ring氏らは、「この研究結果から、ジュースやその他の食事がマイクロバイオームにどのような影響を与えるのか、特に果物を食べる代わりにジュースを飲むことが多い子どもにおける影響について、さらに詳細に調べる必要性が浮き彫りになった」と話している。

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優秀な医師は投資も上手くいく!? 投資と医療の共通点とは【医師のためのお金の話】第90回

資産形成は、多くの人々にとって重要なテーマです。もちろん医師も例外ではありません。そして資産形成を成功させるためには、適切な投資戦略が不可欠です。しかし、投資の世界は複雑で、多くの人が非合理的な行動を取ってしまいがちです。そして、投資における人間の非合理的な行動を理解することは、意外なほど重要です。たとえば、暴落や暴騰に対する過剰反応や、過去の成功体験に基づく過信などがあります。もう少し合理的に考えられれば、資産形成の効率は向上するでしょう。長期的な視点を持つことも重要です。具体的な例として、投資の目標を明確に設定して、それに基づいて計画を立てることが挙げられます。歴史的にみても、長期的な視点を持つ投資家は、短期的なトレーダーよりも高いリターンを得る傾向があります。実は、医師として患者さんを治療するときも、投資における判断と似たような考え方が働いていることに気付かされます。私は整形外科医なので、外傷の患者さんを日常的に治療しています。その治療プロセスを考えてみましょう。患者さんがケガをしたとき、メリットとデメリットを考えたうえで治療計画を立てます。目の前の患者さんの状況に舞い上がって場当たり的な治療を行うのはご法度です。同様に、投資においても短期的利益を追い求めるのではなく、長期的な視点を持つことが大切です。このように、投資と医療の考え方には似ている点が多いです。患者さんにとってベストの治療を心掛けている医師は、資産形成においても成功する可能性が高いのかもしれません。医師として興味深いテーマを考えてみましょう。投資における人間の非合理的な行動を理解して、それを克服する方法医師が治療を行う際の心構えと、成功する投資家の行動には多くの共通点があります。投資において、人間はしばしば非合理的な行動を取ります。『富の法則 一生「投資」で迷わない行動科学の超メソッド』(徳間書店)では、以下のような非合理的な行動を例示しています。表 非合理的な行動の例1.過剰反応2.過信3.損失回避4.アンカリング(初期の情報や価格に固執して、その後の判断に影響を与えること)5.確証バイアス6.群集心理7.短期志向8.フレーミング効果9.後悔回避過信と確証バイアスは、医師の心構えと共通していると思います。まず過信ですが、医療だけでなく投資でも望ましくありません。過去の成功体験に基づいて自分の能力を過信すると、本来のリスクを過小評価し、無謀な治療や投資行動を取ることになります。確証バイアスとは、自分の信念や予測を支持する情報だけを集めて、反対の情報を無視する傾向です。医療において思い込みによる診断と治療が危険であるのと同様に、投資においても確証バイアスによって偏った判断を下すのは危険です。これら以外にも、私たちが非合理的な行動を避けるためには、自己認識が重要だと思います。自己認識とは、自分の感情や行動パターンを理解することです。とくに投資では、自分がどのような状況で感情的になりやすいかを知ることで、冷静な判断を下しやすくなります。長期的な視点で医療や投資に向かい合おう!生活習慣病では、長期間にわたる治療が必要です。たとえば、高血圧や糖尿病の治療で、昨日の血圧や血糖値に一喜一憂することはありません。私の整形外科の領域でも、長期的に関節機能を温存するにはどうすれば良いかを常に考えて治療しています。投資においても、長期的な視点を持つことは非常に重要です。短期的な市場の変動に一喜一憂するのではなく、長期的にはどうなのかを問い続けることが成功への鍵となります。とくにコロナショックのような暴落が発生した時には有効でしょう。株式市場では短期的な変動が頻繁に起こりますが、長期的には上昇傾向にあることが多いです。このため、短期的な損失に対して過剰に反応せず、長期的な利益を見据えて投資を続けることが重要です。いわゆるBuy & Holdですね。また、長期的な視点を持つことで、投資家は複利効果を最大限に活用することができます。私の経験ですが、2008年に投資したJ-REITでは、すでに投下資金を分配金だけで全額回収済みです。さらに、分配金で株式を買い増ししており、大きな複利効果を得ています。最後に、長期的な視点を持つことで、私たちは冷静な判断を下しやすくなります。短期的な市場の変動に対して感情的にならず、長期的な目線で投資を続ける。いかがでしょう、医療と資産形成で成功するポイントは、意外と似ていると思いませんか?

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5~24歳の肥満者数、この30年で3倍に/Lancet

 1990~2021年にかけて世界のあらゆる地域で過体重と肥満が大幅に増加しており、増加を抑制するための現行の対策が小児期・青年期の世代で失敗していることが、オーストラリア・Murdoch Children 's Research InstituteのJessica A. Kerr氏ら世界疾病負担研究(Global Burden of Diseases, Injuries, and Risk Factors Study:GBD)2021 Adolescent BMI Collaboratorsの解析で明らかとなった。結果を踏まえて著者は、「2021年以降も、小児期・青年期の過体重の有病率は高いままで、将来的に肥満集団はさらに増加すると予測される。世界のすべての地域、すべての人口集団で増加が続き、2022~30年に大きな変化が起こると予測されるため、この公衆衛生上の危機に対処するため早急な行動が必要である」と述べている。Lancet誌2025年3月8日号掲載の報告。1990~2021年の180の国と地域5~24歳のデータを解析 研究グループは、GBD 2021の確立された方法論を用い、1990~2021年の小児期・青年期における過体重と肥満の推移をモデル化し、2050年までの予測を行った。モデルの主要データには、180の国と地域から収集された1,321件の測定データが含まれた。 これらのデータを用い、1990~2021年における204の国と地域での過体重と肥満の年齢標準化有病率を、性別、年齢層別、国・地域別に推定した。年齢層は、学童期(5~14歳、通常学校に通い児童保健サービスを受ける)と学生期(15~24歳、徐々に学校を離れ、成人向けサービスを受ける)に分けた。 1990~2021年の推定有病率は時空間ガウス過程回帰モデルを用いて、2022~50年の予測有病率は現在の傾向が継続すると仮定した一般化アンサンブルモデリング法を用いてそれぞれ算出し、1990~2050年の各年齢、性別、地域の人口集団について、肥満の割合と過体重の割合の対数比から肥満の過体重に対する優位性を推定した。2050年までに世界的に過体重と肥満の有病率が増加 1990~2021年にかけて、小児期・青年期における過体重と肥満の合計有病率は2倍、肥満のみの有病率は3倍となった。2021年までに、肥満者数は5~14歳で9,310万人(95%不確実性区間[UI]:8,960万~9,660万)、15~24歳で8,060万人(7,820万~8,330万)と推定された。 2021年の過体重および肥満の有病率は、GBD super-regionの中で北アフリカ・中東(アラブ首長国連邦、クウェートなど)で最も高く、1990~2021年にかけて増加率が最も高かったのは東南アジア・東アジア・オセアニア(台湾、モルディブ、中国など)であった。 2021年までに、両年齢層の女性は、オーストララシア(オーストラリアなど)および北米の高所得地域(カナダなど)の多くの国で肥満優位状態であり、北アフリカ・中東(アラブ首長国連邦やカタールなど)およびオセアニア(クック諸島やサモアなど)の多くの国でも、男女ともに肥満優位状態に移行していた。 2022~50年にかけて、過体重(肥満ではない)の有病率は世界的に安定すると予測されたが、世界人口に対する肥満人口の絶対割合の増加は1990~2021年の間より大きくなり、2022~30年にかけて大幅に増加し、この増加は2031~50年の間も続くと予測された。 2050年までに、肥満有病率は北アフリカ・中東(アラブ首長国連邦、クウェートなど)で最も高くなると予測され、肥満の増加は依然として東南アジア・東アジア・オセアニア(東ティモール、北朝鮮など)に加え、南アジア(ネパール、バングラデシュなど)でも増加すると予想された。 15~24歳と比較して5~14歳のほうが、ほとんどの地域(中南米・カリブ海地域および高所得地域を除く)で2050年までに過体重より肥満の有病率が高くなると予測された。 世界的には、2050年までに5~14歳のうち15.6%(95%UI:12.7~17.2、1億8,600万人[1億4,100万~2億2,100万])、15~24歳のうち14.2%(11.4~15.7、1億7,500万人[1億3,600万~2億300万])が肥満になると予測された。 また、2050年までに、5~14歳の男性では、肥満(16.5%[95%UI:13.3~18.3])が過体重(12.9%[12.2~13.6])を上回り、5~24歳の女性および15~24歳の男性では過体重が肥満を上回ると予測された。 地域別では、北アフリカ・中東および熱帯中南米の5~24歳の男女、東アジア、サハラ以南のアフリカ中央部と南部、中南米の中央部の5~14歳の男性、オーストララシアの5~14歳の女性、オーストララシア、北米の高所得地域、サハラ以南のアフリカ南部の15~24歳の女性、北米の高所得地域の15~24歳の男性で、2041~50年までに肥満優位状態に移行すると予測された。

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慢性疾患を持つ労働者の多くが職場で病気を隠している

 糖尿病、心臓病、喘息などの慢性疾患を持つ米国の労働者の60%は、そのような健康上の問題を職場の管理者に伝えていないという実態が報告された。米ハーバード大学T.H.チャン公衆衛生大学院のGillian SteelFisher氏らが行った調査の結果であり、2月11日、同大学院のサイトにニュースリリースが掲載された。 調査の結果、慢性疾患を持つ労働者の3分の1以上が、過去1年間に、仕事の都合で必要な受診をしない日があったことも明らかになった。SteelFisher氏は、「慢性疾患を持つ労働者は、自分の健康状態のために差別を受けていると感じることが多く、そのために仕事と健康の双方に深刻な影響が及ぶこともある」と話している。 この調査は2024年10月2~16日にかけて、米国内の従業員数50人以上の企業に所属しているフルタイムおよびパートタイムの成人労働者1,010人を対象に実施された。このうち58%は、糖尿病、高血圧、心臓病、喘息などの慢性疾患を1種類以上有していた。この慢性疾患有病者のうち76%は、「勤務時間中に健康管理のための時間を割く必要がある」と回答していたが、60%は自分の病気について会社に伝えていなかった。また、36%は、過去1年以内に仕事を優先して受診の予約を入れなかったり予約を延期したりしていた。「健康管理のために休暇を取る必要があったのに、それができなかった」との回答も49%に上った。 このほかにも、慢性疾患を有する労働者の25%は、「健康上の理由で過去1年間に昇進を逃したことがある」と考え、21%は「健康状態のために自分の勤務に対する否定的な評価を受けたことがある」と答えていた。SteelFisher氏は、「これらの問題は全て、労働者だけでなく雇用者側にも負の影響を及ぼす可能性がある。従業員を引きとめるために雇用主は、従業員ともっとコミュニケーションを取り、双方にとってベストな方法を模索すべきではないか」と提案している。 一方、本調査では、本人が健康であっても、自宅に慢性疾患を持ちケアを要する同居者がいるというケースが少なくないことも分かった。回答者の3分の1がこのような状況にあり、そのほぼ半数(45%)は「勤務時間中にもしばしばケアにあたる必要がある」と回答した。それにもかかわらず、慢性疾患を患う家族がいる人の37%は「ケアのために休暇を取るのは困難」と答え、25%は「その状況に対処するために労働時間を減らし、収入減を受け入れざるを得ない」と答えた。 これらの結果について、調査に協力した米ド・ボーモン財団の会長兼CEOのBrian Castrucci氏は、「雇用主にとり、自分自身や家族の慢性疾患に悩む従業員を支援することは、重要な責務であると同時に大きなチャンスでもある。それを行うことで、従業員とその家族の健康が改善されるだけでなく、従業員の定着率が向上し欠勤も減るのではないか」と論評している。

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歯周病治療で糖尿病患者における人工透析リスクが低下か

 歯周病を治療している糖尿病患者では、人工透析に移行するリスクが32~44%低いことが明らかになった。東北大学大学院歯学研究科歯学イノベーションリエゾンセンターの草間太郎氏、同センターの竹内研時氏らの研究によるもので、詳細は「Journal of Clinical Periodontology」に1月5日掲載された。 慢性腎臓病は糖尿病の重大な合併症の一つであり、進行した場合、死亡リスクも高まり人工透析や腎移植といった高額な介入が必要となる。したがって、患者の疾病負荷と医療経済の両方の観点から、慢性腎臓病を進行させるリスク因子の同定が待たれている。 歯周病は糖尿病の合併症であるだけでなく、糖尿病自体の発症やその他の合併症の要因でもあることが示唆されている。また、歯周病と腎機能低下との関連を示唆する報告もされていることから、研究グループは糖尿病患者における定期的な歯周病ケアが腎機能低下のリスクを軽減または進行を遅らせる可能性を想定し、大規模な糖尿病患者のデータを追跡した。具体的には、歯周病治療を伴う歯科受診を曝露変数として、人工透析に移行するリスクを後ろ向きに検討した。 本研究では、40~74歳までの2型糖尿病患者9万9,273人の医療受診データ、特定健診データが用いられた。2016年1月1日~2022年2月28日までの期間に、2型糖尿病を主傷病としていた患者を登録した。 9万9,273人の参加者(平均年齢は54.4±7.8歳、男性71.9%)における人工透析の発生率は1,000人あたり1年間で0.92人だった。交絡因子については、年齢、性別、被保険者の種類、チャールソン併存疾患指数、糖尿病の治療状況(外来の頻度、経口糖尿病治療薬の種類、インスリン製剤使用の有無、治療期間)、健診結果(高血圧、高脂血症、蛋白尿、HbA1c)、喫煙・飲酒といった生活習慣などが共変量として調整された。 交絡因子を調整後、人工透析開始のハザード比(HR)を分析した結果、歯科受診をしていなかった患者と比較して、1年に1回以上歯周病治療を受けている患者で32%(HR 0.68〔95%信頼区間0.51~0.91〕、P<0.05)、半年に1回以上治療を受けている患者で44%(同0.56〔0.41~0.77〕、P<0.001)、人工透析開始のリスクが低いことが示された。 研究グループは本研究の結果について、「これらの結果は、糖尿病性の腎疾患の進行を緩和し、患者の転帰を改善するためには、糖尿病治療に日常的な歯周病治療を組み込むことが重要であることを示唆している。また糖尿病患者の管理における専門医と歯科の連携欠如は以前より報告されており、本研究でも患者の半数以上が歯周病ケアを受けていなかった。今後、糖尿病患者の健康を維持するためには、専門医と歯科のさらなる連携が必要と考える」と総括した。なお、本研究の限界について、登録データは企業が提供する雇用保険に加入する個人のみが含まれていたことから、研究の参加者は日本人全体の特徴を表していない点などを挙げている。

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介護が必要となった主な原因(男女別)

介護が必要となった主な原因(男女別)視覚・聴覚障害1.1%呼吸器疾患3.4%視覚・聴覚障害 1.0%呼吸器疾患 1.3%脊髄損傷 1.6%その他11.4%脳卒中25.2%脊髄損傷3.4%男性がん3.9%認知症13.7%パーキンソン病5.4%n=3万4,777人パーキンソン病2.5%女性骨折・転倒17.8%脳卒中11.2%関節疾患12.7%高齢による衰弱8.7%骨折・転倒6.6%認知症18.1%がん 2.1%心臓病4.4%糖尿病5.2%関節疾患 心臓病5.4% 6.5%その他10.0%糖尿病 1.7%高齢による衰弱15.6%n=6万5,223人厚生労働省「2022(令和4)年国民生活基礎調査」第023表「介護を要する者数、介護が必要となった主な原因・通院の有無・性・年齢階級別」を基に作成Copyright © 2025 CareNet,Inc. All rights reserved.

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睡眠時間×身体活動量×食事の質、わずかな改善でも死亡リスク10%減

 睡眠・身体活動・栄養は健康の維持に重要な要素であるが、その影響について、これまで多くの場合個別に研究されてきた。オーストラリア・シドニー大学のEmmanuel Stamatakis氏らは、これらの要素の組み合わせが全死因死亡リスクに与える影響について評価し、リスクを有意に低下させる個人レベルの変化について明らかにすることを目的としたコホート研究を実施した。BMC Medicine誌2025年2月26日号掲載の報告。 本研究では、UK Biobankの前向きコホートデータから、7日間の手首装着型加速度計(Axivity AX3)データおよび自己申告による食事データを有する参加者5万9,078人(年齢中央値:64.0歳、男性:45.4%)を対象とした。加速度計で測定された睡眠時間(時間/日)と中~高強度身体活動(MVPA、分/日)は、機械学習ベースのスキーマを用いて計算された。10項目の食事品質スコア(DQS)により、野菜、果物、魚、乳製品、全粒穀物、植物油、精製穀物、加工肉および未加工肉、砂糖入り飲料の摂取量を評価した(各項目の摂取量を0[最も不健康]から10[最も健康的]の最大100ポイントで評価、値が高いほど食事の質が高いことを示す)。 Cox比例ハザードモデルを用いて、3要素の三分位群27通りの組み合わせと全死因死亡リスクの関連を評価し、3要素すべてが最低三分位に属する群を対照群とした。より詳細な臨床的解釈のために、各行動の5パーセンタイル値を基準として、3要素の複合的な増分用量反応変化を解析した。 主な結果は以下のとおり。・追跡期間中央値8.1年において、2,458件の死亡が確認された。・対照群と比較して最も大きな全死因死亡リスク低下がみられた最適な3要素の組み合わせは、中程度の睡眠(7.2~8.0時間/日)、高MVPA(42~103分/日)、高DQS(57.5~72.5)で、全死因死亡リスクの64%低下と関連した(ハザード比[HR]:0.36、95%信頼区間[CI]: 0.26~0.50)。・睡眠5.5時間/日、MVPA 7.3分/日、DQS 36.9(いずれも5パーセンタイル値)を基準とした場合、睡眠15分/日、MVPA 1.6分/日、DQS 5ポイント(例:1日当たり野菜を1/2サービング多く食べる、または1週間当たり加工肉1サービングを削減)という最小限の増加が、全死因死亡リスクの10%低下と関連していた(HR:0.90、95%CI:0.88~0.93)。・さらに、睡眠75分/日、MVPA 12.5分/日、DQS 25ポイントの増加は、全死因死亡リスクの50%低下と関連していた(HR:0.50、95%CI:0.44~0.58)。 著者らは、最適な3要素の組み合わせは中程度の睡眠×高MVPA×高DQSであることが示され、睡眠・身体活動・食事の質の非常にわずかな改善も全死因死亡リスク低下に寄与する可能性が示唆されたとまとめている。

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線形回帰(重回帰)分析 その3【「実践的」臨床研究入門】第52回

重回帰分析の考え方前回解説したのは、線形回帰のうち、1つの目的変数に対して1つの説明変数を用いる「単回帰」分析でした。今回からは、複数の説明変数を扱うことができる「重回帰分析」について説明します。重回帰式は、ある目的変数が複数の説明変数によってどのように影響されているかを数式で示したものです。重回帰式は下記のような数式で示され、目的変数yが切片aと複数の説明変数xiのそれぞれの回帰係数biの項の総和と残差eで表されます(連載第51回参照)。y=a+b1x1+b2x2+…+bixi+e「重回帰分析」の目的変数は連続変数に限定されますが(連載第49回参照)、説明変数は連続変数以外のカテゴリ変数、たとえば2値変数も適用可能です。ここで、残差eについて簡単に説明します。上記の重回帰式をeを左辺にして変形すると、以下のようになります。e=y-(a+b1x1+b2x2+…+bixi)残差eとは上記の式のとおり、実際に観察された目的変数yと重回帰モデルで予測された値(a+b1x1+b2x2+…+bixi)の差分として定義されます。残差が小さいほど重回帰モデルのデータへの適合度が高いことを示しています。また、「残差の正規性(残差が正規分布していること)」が「重回帰分析」の前提条件になります。それでは、われわれのResearch Question(RQ)を重回帰式に当てはめて考えてみましょう(連載第49回参照)。ここでは、「低たんぱく食の遵守」が、連続変数である糸球体濾過量(GFR)の低下速度に影響を与えているかどうかを検証します。検証したい要因(E)である「低たんぱく食の遵守」と、アウトカム(O)である「GFR低下速度」の関連を歪める可能性のある交絡因子として、以下の要因を挙げ、重回帰分析による調整を試みます。年齢、性別、糖尿病の有無、血圧、ベースラインeGFR、蛋白尿定量、血清アルブミン値、ヘモグロビン値Oである「GFR低下速度」を重回帰式によって表すと、下記のようになります。「GFR低下速度」=a+b1「低たんぱく食の遵守」+b2「年齢」+b3「性別」+b4「糖尿病の有無」+b5「血圧」+b6「ベースラインeGFR」+b7「蛋白尿定量」+b8「血清アルブミン値」+b9「ヘモグロビン値」+eすなわち、目的変数yである「GFR低下速度」は、切片aと主たる要因である「低たんぱく食の遵守」と以下の交絡因子(「年齢」、「性別」、「糖尿病の有無」、「血圧」、「ベースラインeGFR」、「蛋白尿定量」、「血清アルブミン値」、「ヘモグロビン値」)とそれぞれの回帰係数の項と残差eの総和で表されます。ここで必要な仮定が「重回帰分析」における線形性の前提です。重回帰モデルでは、上述の式で表したように説明変数と目的変数の間に直線的な関係があると仮定します。つまり、説明変数が 1 単位変化すると、目的変数が常に一定の割合で増減するということです。この線形性の前提は、前述の「残差の正規性」を確認することで検証できます。「重回帰分析」を用いた多変量解析結果の解釈について、われわれの RQ を適用した重回帰式を用いて具体的に説明します。O である「GFR低下速度」が、検証したい E である「低たんぱく食の遵守」のあり・なしでどの程度違うのかを考えてみます。「低たんぱく食の遵守」あり、の場合は下記の式で示したとおり、その回帰係数b1の項は残ります。「GFR低下速度」=a+b1「低たんぱく食の遵守の程度(あり=1)」+b2「年齢」+b3「性別」+b4「糖尿病の有無」+b5「血圧」+b6「ベースラインeGFR」+b7「蛋白尿定量」+b8「血清アルブミン値」+b9「ヘモグロビン値」+e一方、「低たんぱく食の遵守」なし、の場合は下記の式で示したように、その回帰係数b1はゼロとの積になるため、項は消えます。「GFR低下速度」=a+b1「低たんぱく食の遵守の程度(なし=0)」+b2「年齢」+b3「性別」+b4「糖尿病の有無」+b5「血圧」+b6「ベースラインeGFR」+b7「蛋白尿定量」+b8「血清アルブミン値」+b9「ヘモグロビン値」+e多変量解析を行うことにより、その他の交絡因子の影響はすべて一定に保ったうえで(他の説明変数の影響を除外して)分析ができます。したがって、他の交絡因子を調整したうえでの、「低たんぱく食の遵守」あり(なし、と比較して1単位増加)の場合の、「GFR低下速度」に与える影響は、回帰係数b1で表されるのです。

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2型DMの血糖コントロールなど、予測モデルによる治療最適化で改善/Lancet

 英国・エクセター大学のJohn M. Dennis氏らMASTERMIND Consortiumは、2型糖尿病患者に対する最適な血糖降下療法を確立するために、日常臨床データを用いた5つの薬剤クラスのモデルを開発し、妥当性の検証を行った。その結果、モデルによって予測された最適な治療を受けていない2型糖尿病患者と比較して、最適な治療を受けている患者は、12ヵ月間の糖化ヘモグロビン(HbA1c)値が低く、追加的な血糖降下療法を必要とする可能性が低下し、糖尿病合併症のリスクが減少することが示された。研究の成果は、Lancet誌2025年3月1日号で報告された。モデルの予測因子は、日常的に入手可能な9つの要因 研究グループは、2型糖尿病患者の日常臨床で利用可能なデータを用いて、5つの薬剤クラス(DPP-4阻害薬、GLP-1受容体作動薬、SGLT2阻害薬、スルホニル尿素薬、チアゾリジン薬)の血糖降下薬に関して、相対的な血糖降下作用の予測が可能かを明らかにする目的で、モデルを開発しその妥当性を検証した(英国医学研究審議会[MRC]の助成を受けた)。 モデルには、予測因子として、薬剤投与開始時の2型糖尿病患者の日常臨床で入手可能な9つの要因(年齢、糖尿病罹病期間、性別、ベースラインのHbA1c・BMI・推算糸球体濾過量[eGFR]・HDLコレステロール・総コレステロール・ALTの値)を用いた。 モデルの開発と初期検証には、Clinical Practice Research Datalink(CPRD)Aurumのデータベースの観察データを用い、2004年1月1日~2020年10月14日に5つの薬剤クラスのうち1つの投与を開始した年齢18~79歳の2型糖尿病患者を対象とした(データへのアクセス時に英国の人口の19.3%を網羅)。 モデルの検証には、2型糖尿病患者を対象とした3つの無作為化臨床試験の個人レベルのデータを用いた。また、CPRDを用いた検証では、モデルで予測された最適な治療(予測された血糖降下作用が最も高い[すなわち、12ヵ月時のHbA1c値が最も低い]薬剤クラスと定義)と一致する治療を受けた群と、一致しない治療を受けた群で観察された血糖降下作用の差を評価した。血糖値異常の5年リスクも良好 5つの薬剤クラスのモデル開発には、CPRDの10万107件の薬剤投与開始時のデータを用いた。CPRDコホート全体(開発コホート+検証コホート)では、21万2,166件の薬剤投与開始のうち3万2,305件(15.2%)がモデルによる予測で最適な治療法とされた。 モデルによって予測された最適な治療を受けなかった群に比べ、これを受けた群は、観察期間12ヵ月の時点での平均HbA1c値の有益性が、CPRDの地理的検証コホート(薬剤投与開始群2万4,746例、背景因子をマッチさせた群1万2,373例)で5.3mmol/mol(95%信頼区間[CI]:4.9~5.7)、CPRDの時間的検証コホート(9,682例、4,841例)では5.0mmol/mol(4.3~5.6)であった。 予測されたHbA1c値の差は、3つの臨床試験における薬剤クラスのpairwise比較、およびCPRDにおける5つの薬剤クラスのpairwise比較で観察されたHbA1c値の差で良好にキャリブレーション(較正)されていた。 また、CPRDにおける血糖値異常の5年リスクは、モデルによって予測された最適な治療を受けなかった群に比べこれを受けた群で低かった(補正後ハザード比[aHR]:0.62[95%CI:0.59~0.64])。MACE-HF、腎疾患進行、細小血管合併症が改善 血糖値以外の長期のアウトカムについては、全死因死亡の5年リスクには差がなかった(aHR:0.95[95%CI:0.83~1.09])が、主要有害心血管イベントまたは心不全(MACE-HF、心筋梗塞、脳卒中、心不全が主な原因の入院、心血管疾患、心不全が主な原因の死亡)アウトカム(0.85[0.76~0.95])、腎疾患の進行(eGFRの40%超の低下、末期腎不全)(0.71[0.64~0.79])、細小血管合併症(臨床的に有意なアルブミン尿[尿中アルブミン/クレアチニン比>30mg/g]の進行または重度の網膜症のいずれか先に発現した病態に基づく複合)(0.86[0.78~0.96])は、いずれもモデルによって予測された最適な治療を受けた群で優れた。 著者は、「このモデルは、日常臨床で収集されるパラメータのみを使用することから、世界中のほとんどの国で、低コストで容易に臨床への導入が可能と考えられる」「このモデルの導入により、血糖コントロールの改善、追加治療による治療強化前の安定的な血糖降下療法の期間の大幅な延長、および糖尿病合併症の減少につながる可能性がある」としている。

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「善玉」コレステロールは緑内障リスクを高める?

 心臓の健康に良いとされるHDLコレステロール(HDL-C)は緑内障のリスクを上昇させる一方で、心臓の健康に悪いとされるLDLコレステロール(LDL-C)は緑内障リスクを低下させる可能性のあることが、新たな研究で明らかになった。中山大学(中国)中山眼科センターのZhenzhen Liu氏らによるこの研究結果は、「British Journal of Ophthalmology」に2月4日掲載された。 Liu氏は、「HDL-Cは70年間にわたり『善玉コレステロール』と考えられてきた。しかし、この研究では、高レベルのHDL-Cが必ずしも良好なアウトカムと関連しているわけではないことが示された」と述べている。 米国心臓協会(AHA)によると、LDL-Cは肝臓から組織にコレステロールを運ぶ働きを持つが、血管内に過剰に存在すると血管壁に沈着してプラークを形成し、最終的には心臓病、心筋梗塞、脳卒中を引き起こす可能性がある。一方、HDL-Cは、余分なLDL-Cを回収して肝臓に戻し、分解を促すことで、動脈硬化を予防する働きを持つ。 研究グループによると、これまでの研究で、脂質異常症は加齢黄斑変性や網膜静脈閉塞症、糖尿病網膜症と関連付けられているものの、緑内障との関連については一貫した結果が得られていないという。緑内障は、多くの場合は眼圧の上昇により視神経が損傷を受けることで視野が欠けていく進行性の眼疾患である。 今回の研究でLiu氏らは、UKバイオバンク参加者40万229人(試験参加時の平均年齢56.40歳)のデータを分析して、一般的な血中脂質の指標(LDL-C、HDL-C、総コレステロール〔TC〕、トリグリセライド〔TG〕)と緑内障との関連を評価した。対象者は、試験開始時に脂質レベルを測定されていた。 平均14.44年間の追跡期間中に6,868人(1.72%)が緑内障を発症していた。解析の結果、HDL-Cの値が最も高いグループは、最も低いグループと比べて緑内障の発症リスクが10%高いことが示された(ハザード比〔HR〕1.10、95%信頼区間〔CI〕1.02〜1.20、P=0.014)。HDL-Cの値の1標準偏差上昇ごとの緑内障発症のHRは1.05(95%信頼区間1.02〜1.08、P=0.001)であった。これに対して、LDL-CとTGの値が最も高いグループでは、最も低いグループと比べて緑内障の発症リスクがそれぞれ8%(HR 0.92、95%CI 0.85〜0.99、P=0.030)と14%(同0.86、0.80〜0.93、P<0.001)低かった。TCと緑内障との関連は、統計学的に有意ではなかった。LDL-C、TC、TGの値の1標準偏差上昇ごとの緑内障発症のHRは、それぞれ0.96(95%CI 0.94〜0.99、P=0.005)、0.97(同0.94〜1.00、P=0.037)、0.96(同0.94〜0.99、P=0.008)であった。さらに、年齢層別に分けて解析を行うと、コレステロール値と緑内障とのこのような関連は55歳超の対象者でのみ認められ、40〜55歳の年齢層での関連は統計学的に有意ではなかった。 研究グループは、それぞれのコレステロールが緑内障のリスクに異なる影響を及ぼす理由は明らかになっていないと述べている。それでも、「これらの研究結果は、目の健康に関連した善玉コレステロールと悪玉コレステロールに関する既存のパラダイムに疑問を投げかけるものだ」と結論付けている。 さらに研究グループは、追跡調査でこれらの結果が裏付けられれば、緑内障リスクを持つ患者に対するコレステロール低下薬の使用について再評価する必要が生じるかもしれないと付言している。

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うつ病歴は慢性疾患の発症を早める

 過去にうつ病と診断されたことがある人は、同年代のうつ病歴がない人に比べて中高年期に慢性疾患に罹患している可能性が高く、また、より早いペースで新たな慢性疾患を発症する可能性のあることが、新たな研究で明らかにされた。英エディンバラ大学の統計学者であるKelly Fleetwood氏らによるこの研究は、「PLOS Medicine」に2月13日掲載された。Fleetwood氏は、「うつ病歴のある人は、ない人に比べて心臓病や糖尿病などの慢性疾患を発症しやすい」と述べている。 この研究では、UKバイオバンク参加者から抽出した17万2,556人を対象に、UKバイオバンク参加当時および追跡期間中のうつ病歴と慢性疾患との関連が検討された。対象者は、2006〜2010年にUKバイオバンクに参加し(参加時の年齢は40〜71歳)、評価を受けていた。追跡期間は平均6.9年だった。慢性疾患については、血液がん、固形がん、心筋炎、冠動脈性心疾患、脳卒中、1型および2型糖尿病、高血圧、勃起不全、アレルギー性・慢性鼻炎、慢性閉塞性肺疾患、認知症など69種類を対象とした。対象者の17.8%に当たる3万770人がうつ病歴を持っていた。 解析の結果、うつ病歴がある人はうつ病歴がない人と比べて、UKバイオバンク参加時に有していた身体疾患の数が多く(平均2.9個対2.1個)、また年間の新たな疾患の発症数も多いことが明らかになった(平均0.20個/年対0.16個/年)。最も発生頻度の高かった疾患は、変形性関節症(うつ病歴ありの患者15.7%、うつ病歴なしの患者12.5%)、高血圧(12.9%対12.0%)、胃食道逆流症(13.8%対9.6%)であった。年齢、性別、社会経済状況を調整した上でも、うつ病歴のある人ではない人に比べて1.3倍の速さで新たに慢性疾患を発症することが示唆された(率比1.30、95%信頼区間1.28〜1.32)。さらに、試験参加時の疾患数や生活習慣なども調整して解析すると、この差はやや縮まったものの、それでも依然としてうつ病歴のある人の方が有意に発症の早いことが確認された(同1.10、1.09〜1.12)。 こうした結果を受けて研究グループは、「これらの結果は、うつ病を『全身』の病気として捉え、それに応じて治療する必要があることを意味している」と結論付けている。 研究グループはまた、「既存の医療制度は、複数の症状を抱える個人ではなく、個々の症状を治療するように設計されている」と指摘。「うつ病と慢性疾患の両方を抱える人をケアするために、総合的なアプローチを取る医療サービスが必要だ」と述べている。

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抗PD-L1抗体薬、GLP-1薬などに重大な副作用追加/厚労省

 2025年3月5日、厚生労働省より添付文書の改訂指示が発出され、該当医薬品の副作用の項などに追記がなされる。 対象医薬品は以下のとおり。抗PD-L1抗体薬アテゾリズマブ(商品名:テセントリク)アベルマブ(同:バベンチオ)セミプリマブ(同:リブタヨ)<重大な副作用>免疫性血小板減少症免疫性血小板減少症関連症例を評価した結果、アテゾリズマブ、アベルマブにおいて、免疫性血小板減少症との因果関係が否定できない症例が集積した。また、セミプリマブにおいては、現時点では因果関係の否定できない症例の集積はないものの、海外添付文書の記載状況等を考慮し、それぞれの使用上の注意を改訂することが適切と判断された。持続性GLP-1受容体作動薬デュラグルチド(商品名:トルリシティ)<重大な副作用>肝機能障害肝機能障害関連の症例等を評価した結果、本剤と肝機能障害関連事象との因果関係が否定できない症例が集積した。BRAF阻害薬ダブラフェニブ(商品名:タフィンラー)MEK阻害薬トラメチニブ(同:メキニスト)<重大な副作用>好中球減少症、白血球減少症現行、「11.副作用」の「11.2その他の副作用」の項で好中球減少症、白血球減少症を注意喚起しているが、好中球減少症および白血球減少症関連症例を改めて評価した。その結果、ダブラフェニブメシル酸塩およびトラメチニブ ジメチルスルホキシド付加物と好中球減少症および白血球減少症との因果関係が否定できない重篤症例が集積した。そのため、重要な基本的注意の項にも「好中球減少症、白血球減少症があらわれることがあるので、本剤投与中は定期的に血液検査を実施するなど観察を十分に行うこと」と追記される。

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GLP-1受容体作動薬、自殺リスクと関連せず/BMJ

 英国の大規模コホート研究において、2型糖尿病患者のGLP-1受容体作動薬の使用は、DPP-4阻害薬またはSGLT-2阻害薬の使用と比較し、自殺傾向のリスク増加とは関連していないことが示された。カナダ・Lady Davis InstituteのSamantha B. Shapiro氏らが報告した。GLP-1受容体作動薬と自殺傾向との関連性が懸念されており、これを調査する観察研究がいくつか実施されているものの、結論には至っていなかった。BMJ誌2025年2月26日号掲載の報告。2型糖尿病患者の使用者について、DPP4阻害薬、SGLT-2阻害薬と比較 研究グループは、英国の一般診療所2,000施設以上、患者6,000万例を網羅する大規模プライマリケアデータベース「Clinical Practice Research Datalink(CPRD)AurumおよびGOLD」のデータを用いた。このデータベースは、英国の国民保健サービス(NHS)の入院記録「Hospital Episode Statistics Admitted Patient Care」および国家統計局の死亡登録データベース「Office for National Statistics(ONS)Death Registration」と連携している。 対象は2型糖尿病患者で、次の2つのコホートを特定した。(1)2007年1月1日~2020年12月31日にGLP-1受容体作動薬またはDPP-4阻害薬の服用を開始し継続した患者(コホート1)、(2)2013年1月1日~2020年12月31日にGLP-1受容体作動薬またはSGLT-2阻害薬の服用を開始し継続した患者(コホート2)。いずれも、2021年3月29日まで追跡した。 主要アウトカムは自殺傾向(自殺念慮、自傷行為および自殺の複合と定義)とし、副次アウトカムはこれらの各イベントとした。傾向スコアによる層別化および重み付けCox比例ハザードモデルを用いて、ハザード比(HR)とその95%信頼区間(CI)を算出し、治療を受けた患者における平均処置効果を推定した。GLP-1受容体作動薬は、自殺念慮、自傷行為、自殺のリスク増加と関連なし コホート1には、GLP-1受容体作動薬使用者3万6,082例(追跡期間中央値1.3年)とDPP-4阻害薬使用者23万4,028例(追跡期間中央値1.7年)が含まれた。粗解析では、GLP-1受容体作動薬の使用はDPP-4阻害薬と比較して、自殺傾向の発生率増加と関連していた(粗発生率1,000人年当たり3.9 vs.1.8、HR:2.08、95%CI:1.83~2.36)。しかし、交絡因子補正後は、関連は認められなかった(HR:1.02、95%CI:0.85~1.23)。 コホート2には、GLP-1受容体作動薬使用者3万2,336例(追跡期間中央値1.2年)とSGLT-2阻害薬使用者9万6,212例(追跡期間中央値1.2年)が含まれた。同様に、粗解析では、GLP-1受容体作動薬の使用はSGLT-2阻害薬と比較して、自殺傾向のリスクが高かったが(粗発生率1,000人年当たり4.3 vs.2.7、HR:1.60、95%CI:1.37~1.87)、交絡因子補正後は、関連は認められなかった(HR:0.91、95%CI:0.73~1.12)。 両コホートとも、自殺念慮、自傷行為、自殺を個別に解析した場合も、同様の結果であった。

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ダイエットの繰り返しは1型糖尿病患者の腎臓にも悪影響

 減量とリバウンドを繰り返すことは、1型糖尿病患者の腎臓にも悪影響を及ぼすことが明らかになった。ボルドー大学病院(フランス)のMarion Camoin氏らの研究によるもので、詳細は「The Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism」に2月4日掲載された。 減量とその後のリバウンドを繰り返す“ヨーヨーダイエット”と呼ばれるような体重の増減は、2型糖尿病患者や一般人口においてよく見られる。Camoin氏らの論文の研究背景には、一般人口におけるヨーヨーダイエットをしたことのある人の割合は、男性は35%、女性では55%に上ると記されている。一方、1型糖尿病患者は従来、やせた人に多い病気であって肥満やダイエットはあまり関係ないと考えられていた。しかし著者らは、1型糖尿病患者の間でも肥満が増えているとしている。 一般人口においては、体重の増減を繰り返すことが慢性腎臓病(CKD)リスクの上昇と関連していることが知られている。しかし、1型糖尿病患者ではその関連の有無が明らかにされていないことから著者らは、1型糖尿病患者対象の大規模臨床研究であるDCCT(Diabetes Control and Complications Trial)と、DCCT終了後の追跡観察研究であるEDIC(Epidemiology of Diabetes Interventions and Complications)のデータを用いた検討を行った。 DCCT/EDICの参加者1,432人を、DCCTの追跡期間(6±2年)に生じていた体重変動の激しさの指標であるVIM(variability independent of the mean)で分類し、EDICを含めた追跡期間(21±4年)に生じていた、6種類のCKD関連指標の変化との関係を検討。その結果、他のCKDリスク因子や腎保護薬の使用の影響を統計学的に調整した後、VIMが高く体重変動が激しかった群で、CKD関連指標がより悪化していた。具体的には、高VIM群は、eGFRがベースラインから40%低下するリスクが25%高く(ハザード比〔HR〕1.25〔95%信頼区間1.09~1.41〕)、血清クレアチニンの倍化(HR1.34〔同1.13~1.57〕)、CKDステージ3への進行(HR1.36〔1.12~1.63〕)などのリスクも有意に高かった。 Camoin氏によると、1型糖尿病患者の体重変動の大きさとCKDリスクとの関連を明らかにした研究は、本研究が初めてだという。得られた結果に基づき同氏は、「1型糖尿病患者の体重変動は、既知のCKDリスク因子とは独立して腎臓に悪影響を及ぼすようだ」と述べている。 1型糖尿病患者の減量とリバウンドの繰り返しが、なぜ腎臓に悪影響を及ぼすのかというメカニズムの詳細は、まだ明らかになっていない。一つの可能性として研究者らは、血糖管理に用いるインスリンが体重変動を大きくすることがあり、そのことが腎機能の悪化に関係しているのではないかと指摘している。また、ヨーヨーダイエットは心臓に負担をかけ、それが腎臓や血管のダメージにつながるのではないかとする研究者もいる。一方で著者らは、「1型糖尿病患者の減量そのものは、体重の安定を通じて健康状態に良い影響を与える可能性がある」とし、「体重を長期間にわたって維持することに重点を置くべきだ」と総括している。

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「肥満症」というスティグマが診療を遅らせる/リリー・田辺三菱

 日本イーライリリーと田辺三菱製薬は、2024年12月に持続性GIP/GLP-1受容体作動薬チルゼパチド(商品名:ゼップバウンド)について、「肥満症」を効能・効果として国内製造販売承認を取得した。この新たな効能・効果の取得につき、両社の合同で「『肥満症』-正しい理解と治療の重要性」をテーマとしたプレスセミナーを開催した。 セミナーでは、肥満症の基礎情報、要因、社会的スティグマ(偏見や差別)や診療についてのレクチャーのほか、医療経済の観点から肥満症治療の社会的な意義について講演された。肥満症へのスティグマが診療を萎縮させる 「肥満症が正しく理解される未来に向けて-肥満症のアンメットニーズと現在地の理解-肥満症当事者、医師、一般消費者を対象とした意識調査の結果を受けて」をテーマに益崎 裕章氏(琉球大学大学院医学研究科内分泌代謝・血液・膠原病内科学講座 教授)が、肥満症の疫学、定義と診療、アンケート調査結果の説明を行った。 世界中に18歳以上の過体重および肥満とされる人口は約25億例と推定され、わが国ではBMI≧25の肥満人口は約2,800万例とされ、男性や小児の肥満が増加傾向にある。また、わが国の肥満症の定義は、BMI≧25で、耐糖能障害(2型糖尿病など)、脂質異常症、高血圧などの11の疾患のうち1つ以上を併存している人とされている。 肥満症の発症には、環境因子や生活習慣因子に加え、遺伝的因子や心理的因子など、さまざまな要因が複合的に関与して発症する1)。肥満症では、内臓脂肪の過剰蓄積も肥満関連健康障害(糖尿病、脂質異常症および高血圧症など)のリスク因子となり、とくに東アジア人では肥満の有無にかかわらず内臓脂肪を蓄積しやすい傾向であり、日本人はBMIが高くなくても肥満関連健康障害を伴いやすい特徴がある。この余剰な脂肪蓄積から始まるメタボリックドミノはインスリン抵抗性や高血圧などのリスクとなる。 そこで、こうしたリスク回避には体重の減少が重要となるが、肥満を治療することで、肥満に起因ないし関連する健康障害の発症や進行を予防できる可能性があるとするさまざまな研究報告が出されている。 肥満症治療の基本は食事療法や運動療法であり、治療により肥満に起因ないし関連する健康障害の改善が期待できる。英国で行われた“DiRECT試験”は、BMI27~45で2型糖尿病を伴う20~65歳、306例を対象とした非盲検クラスターランダム化試験であり、食事療法・運動療法により24%の対象者が15kg以上の減量を達成。そのうちの86%が2型糖尿病の寛解に近い状態(HbA1c6.5%未満)を達成したとの報告がなされている2)。 一方で、人体には恒常性の維持機能があり、「ダイエットで、ある程度体重減少があっても、長期にわたり同じ体重を維持することは困難なケースもあり、生活習慣の介入だけでは不十分な可能性もある」と益崎氏は指摘する。 肥満や肥満症は、複合的な要因が関与するにもかかわらず、「食べ過ぎ」など個人の生活上の要因に帰せられる傾向にあり、「自己管理の問題」と考えられがちである。そして、肥満・肥満症のある人は、職場や教育現場のみならず、医療現場においてもスティグマに直面することがあるという。同時に、肥満・肥満症のある人が自分自身の責任であると考えてしまう「セルフ・スティグマ」もある。こうした肥満・肥満症のある人へのスティグマは、心理的負担や社会的不利益をもたらすだけでなく、適切な治療の機会までも奪ってしまう場合があり、医療者に相談するまで約3年必要だったという報告もある3)。同氏は「肥満や肥満症を持つ人が適切な治療を受け、QOLの改善を達成するためには、スティグマの解消が不可欠」と語る。肥満症患者の9割が「肥満は自己責任」と意識 肥満症の治療では、先述のように食事・運動・行動療法による減量を図り、改善が得られなかった場合に、薬物療法や外科療法の導入が検討される。その目的は、減量により健康障害・健康障害リスクを改善し、QOLの改善につなげることであり、このため「社会全体で取り組んでいく必要がある」と同氏は語る。 では、社会や医療者は肥満・肥満症の人をどのように見ているのか。日本イーライリリーと田辺三菱製薬が共同で行った「肥満症患者・医師・一般の人を対象にした肥満・肥満症に関する意識調査」の結果について説明を行った。この調査は、肥満症患者300人、医師300人、一般の人1,000人を対象に調査を行ったもので、結果の概要は以下のとおりだった(一部抜粋)。・一般の人の7割、肥満症患者の9割が「肥満は自己責任」と考えていた。患者の自己責任意識は一般の人よりも強かった。・科学的な根拠を示され「肥満や肥満症は複合要因で起こる」と知っても、肥満症患者3.4割、一般の人の4.1割が「自分の努力だけでは解決が難しい」に「同意」しなかった。・肥満症は「治療が必要」という人が肥満症患者・医師・一般の人ともに約7割以上いた。しかし、いざ保険診療で治療するとなると、一部の回答者には抵抗感がみられる結果だった。・肥満症患者も医師も、体重について「話したいが話題にしにくい」現状。話しにくさの根源にはスティグマが存在している。 終わりに同氏は、「肥満症は治療が必要な慢性疾患であること、オベシティ・スティグマ(肥満への偏見)の存在が適切な治療介入を妨げている可能性があること、新たな治療選択肢の登場により、肥満症治療はアプローチや支援を見直すとき」と述べ、レクチャーを終えた。治療のコストだけでない肥満症のコスト 「肥満症の疾病負担・疾病費用治療の価値は、どこにある?」をテーマに五十嵐 中氏(東京大学大学院薬学系研究科 医療政策・公衆衛生学 特任准教授)が、肥満症治療の社会的な意義について説明した。 肥満症の疾病負担は、世界の傾向とわが国の傾向は同一ではなく、独自の傾向をみせているという。その理由として、世界のレベルと比較すると高度な肥満者が少ないこと、非感染性疾患(NCD)が多いことなどが挙げられる。また、がん、希少疾病、認知症の財政影響を比較し、「患者数、投与期間によってコストは変化するが、認知症や肥満症などの慢性化する疾患では、患者数や治療薬の投与期間が長いので財政的な検討が必要」と同氏は今後の課題を提起した。 肥満症のコストについて、医療費が0.7~2.8兆円、生産性損失について就労の中断などで1.1兆円、業務の遅滞などで0.9兆円、死亡で2.8兆円と総額4.8兆円のコストを示すとともに、最近は患者などの介助者の負担も計算する傾向にあるという。そのほか、「こうした介助者の健康悪化も今後はコストの検討が必要であり、広くさまざまな価値をみていく必要がある」と同氏は指摘した。 肥満症当事者と医師によるトークセッションでは、患者さんの肥満になったきっかけやスティグマにより生活をしていくうえで苦しいこと、医療者の視点で今後の肥満症診療の在り方などが、先述のアンケート調査の内容を基に語られた。

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米国の医療支出に大きな地域差、その要因は?/JAMA

 米国では、3,110の郡の間で医療支出に顕著なばらつきがみられ、支出が最も多い健康状態は2型糖尿病であり、郡全体では支出のばらつきには治療の価格や強度よりも利用率のばらつきの影響が大きいことが、米国・Institute for Health Metrics and EvaluationのJoseph L. Dieleman氏らの調査で示された。研究の成果は、JAMA誌オンライン版2025年2月14日号に掲載された。2010~19年の米国の郡別の観察研究 研究グループは2010~19年の期間に、米国の3,110の郡のそれぞれにおいて、4つの医療費支払元(メディケア、メディケイド、民間保険、自己負担)で、148の健康状態につき38の年齢/性別グループ別に7種の治療の医療支出を推定する目的で、400億件以上の保険請求と約10億件の施設記録を用いて観察研究を行った(Peterson Center on HealthcareとGates Venturesの助成を受けた)。 38の年齢/性別グループは、男女別の19の年齢層(0~<1歳から≧85歳)で、7種の治療とは、外来治療、歯科治療、救急治療、在宅治療、入院治療、介護施設での治療、処方された医薬品の購入であった。主要アウトカムは、2010~19年の医療支出および医療利用状況(たとえば、受診・入院・処方の回数)とした。1人当たりの支出、郡間で最大約1万ドルの差 本研究では、2010~19年における個人医療支出のうち76.6%を捕捉した。これは、人口の97.3%の支出を反映している。医療支出は、2010年の1兆7,000億ドルから2019年には2兆4,000億ドルに増加した。この支出に占める割合は、20歳未満が11.5%で、65歳以上は40.5%であった。 健康状態別の支出は、2型糖尿病が最も高額で、1,439億ドル(95%信頼区間[CI]:1,400億~1,472億)であった。次いで、関節痛や骨粗鬆症を含むその他の筋骨格系疾患が1,086億ドル(1,064億~1,103億)、口腔疾患が930億ドル(927億~933億)、虚血性心疾患が807億ドル(790億~824億)だった。 総支出のうち、外来医療費が42.2%(95%CI:42.2~42.2)、入院医療費が23.8%(23.8~23.8)、処方医薬品購入費が13.7%(13.7~13.7)を占めた。郡レベルの1人当たりの年齢標準化支出は、最も低かったアイダホ州クラーク郡の3,410ドル(95%CI:3,281~3,529)から、最も高かったニューヨーク州ナッソー郡の1万3,332ドル(1万3,177~1万3,489)の範囲にわたっていた。説明のつかない支出ばらつきの調査が、医療施策の立案に役立つ可能性 郡間で最もばらつきが大きかったのは、年齢標準化自己負担額で、次いで民間保険による支出であった。また、郡全体でのばらつきは、治療の価格や強度よりも医療利用率のばらつきによって大きく影響を受けた。 著者は、「このようなばらつきを、健康状態、性別、年齢、治療の種類、支払い元の違いで地域別に理解することが、異常値の特定、成長パターンの追跡、不平等の顕在化、医療能力の評価において重要な考察をもたらす」「最も支出の多い健康状態に焦点を当てて説明のつかない支出のばらつきをさらに調査することが、コストの削減と治療へのアクセスの改善を目的とした保健医療施策の立案に役立つ可能性がある」としている。

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GLP-1RAの腎保護効果はDPP-4iを上回る

 GLP-1受容体作動薬(GLP-1RA)は慢性腎臓病(CKD)進行抑制という点で、DPP-4阻害薬(DPP-4i)より優れていることを示唆するデータが報告された。米テキサス大学サウスウェスタン医療センターのShuyao Zhang氏らの研究によるもので、詳細は「Nature Communications」に12月5日掲載され、2月10日には同大学からニュースリリースが発行された。Zhang氏は、「血糖管理におけるGLP-1RAの有用性は既によく知られていた。一方、われわれの研究によって新たに、CKDハイリスク患者におけるGLP-1RAの腎保護効果を裏付ける、待望のエビデンスが得られた」と述べている。 この研究は、米退役軍人保健局の医療データを用い、臨床試験を模倣した研究として実施された。腎機能低下が中等度(eGFR45mL/分/1.73m2未満)以上に進行したCKDを有する35歳以上の2型糖尿病患者のうち、GLP-1RAまたはDPP-4iで治療されていた9万1,132人から、傾向スコアマッチングにより背景因子の一致する各群1万6,076人から成る2群を設定。この2群はベースライン時点で、平均年齢(GLP-1RA群71.9歳、DPP-4i群71.8歳)、男性の割合(両群とも95%)、BMI(同33.5)、HbA1c(8.0%)、および併発症や治療薬なども含めて、背景因子がよく一致していた。 事前に設定されていた主要評価項目は急性期医療(救急外来の受診・入院など)の利用率であり、副次評価項目は全死亡および心血管イベントの発生率だった。このほか、事後解析として、CKD進行リスク(血清クレアチニンの倍化、CKDステージ5への進行で構成される複合アウトカム)も評価した。 2.2±1.9年の追跡で、1人1年当たりの急性期医療利用率は、GLP-1RA群が1.52±4.8%、DPP-4i群は1.67±4.4%で、前者の方が有意に低かった(P=0.004)。また、全死亡は同順に17.7%、20.5%に発生していて、やはりGLP-1RA群の方が少なかった(オッズ比〔OR〕0.84〔95%信頼区間0.79~0.89〕、P<0.001)。CKD進行についても2.23%、3.46%で、GLP-1RA群の方が少なかった(OR0.64〔同0.56~0.73〕、P<0.001)。心血管イベントに関しては有意差がなかった(OR0.98〔0.92~1.06〕、P=0.66)。 著者らは、本研究結果が糖尿病の臨床を変化させるのではないかと考えている。論文の共著者の1人である同医療センターのIldiko Lingvay氏は、「糖尿病でCKDを有する患者は、低血糖、感染症、心血管疾患などの合併症のリスクが非常に高いにもかかわらず、有効な薬剤が非常に少なく、かつ、そのような患者は臨床試験に参加する機会が限られている。われわれの研究結果は、GLP-1RAがCKDの進行の抑制や医療費の削減につながることを示している」と話す。 Zhang氏もLingvay氏と同様に、今回の研究結果が糖尿病臨床を変え得るとしている。同氏は、「歴史的に見て、糖尿病によるCKDの治療は困難なものであった」と解説。そして、「今後の研究次第では、糖尿病に伴うCKDの包括的治療アプローチの一部として、GLP-1RAを組み込んだ新しいガイドラインが策定される可能性がある。そのガイドラインに基づく治療によって、患者の長期的な転帰が改善し、生活の質の向上につながっていくのではないか」と付け加えている。

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多量飲酒と3個以上の心代謝リスク因子は肝疾患リスクを上昇させる

 腹部肥満や糖尿病、高血圧などを有する人の飲酒は肝疾患リスクを高める可能性があるようだ。飲酒量の多い人では、3個以上の心血管代謝疾患のリスク因子(cardiometabolic risk factor;CMRF)が肝線維化の進行リスクを顕著に高めることが、新たな研究で示唆された。米南カリフォルニア大学ケック医学校のBrian Lee氏らによるこの研究結果は、「Clinical Gastroenterology and Hepatology」に2月3日掲載された。 代謝機能障害関連脂肪性肝疾患(MASLD)は、脂肪肝に加え、肥満や高血圧、高コレステロールなどのCMRFを1つ以上併発している状態を指す。MASLDがあり、かつアルコール摂取量が多い場合には、代謝機能障害アルコール関連肝疾患(MetALD)として分類される。しかし、飲酒自体がCMRFを引き起こす可能性があることから、この定義は議論を呼んでいる。 今回Lee氏らは、米国国民健康栄養調査(NHANES)参加者から抽出した、飲酒量とCMRFの状態が判明している20歳以上の参加者4万898人を対象に、飲酒者におけるCMRFの数と肝疾患関連アウトカムとの関連を調べた。CMRFはNCEP-ATP IIIの基準に基づき、腹部肥満、中性脂肪高値、HDL-C低値、高血圧、空腹時血糖高値と定義した。対象者の飲酒量は、純アルコール量換算で男性は210g/週、女性は140g/週を基準とし、これを超える場合は「飲酒量が多い」と判断された。主要評価項目は、FIB-4インデックス>2.67とした。FIB-4インデックスは、AST(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ)、ALT(アラニンアミノトランスフェラーゼ)、血小板数、年齢の4つの指標からスコアを算出して肝線維化を予測するもので、>2.67は「肝硬変、もしくはそれに近い状態で線維化が進んでいる可能性」があることを意味する。 対象者のうち、2,282人が飲酒量の多い「多量飲酒群」、残る3万8,616人は「非多量飲酒群」とされた。多量飲酒群および非多量飲酒群において、FIB-4>2.67に該当する対象者の割合はCMRFの数が増えるにつれ増加し、常に多量飲酒群の方が高かった。具体的には、CMRFが0個の場合では多量飲酒群2.3%、非多量飲酒群0.7%、1個では3.0%と1.7%、2個では3.3%と2.1%、3個では5.9%と2.5%、4または5個では6.1%と4.0%であった。多量飲酒群においてFIB-4>2.67になる調整オッズ比(0個の場合との比較)は、1個で1.24(95%信頼区間0.41〜3.69)、2個で1.39(同0.56〜3.50)、3個で2.57(同0.93〜7.08)、4または5個では2.64(同1.05〜6.67)であり、CMRFが3個以上になるとリスクが2倍以上高くなり、特に4〜5個では統計学的に有意なリスク上昇が認められた。 Lee氏は、「この研究結果は、肝疾患リスクが高い集団を特定するとともに、既存の健康問題が、飲酒が肝臓に与える影響に大きく関与する可能性があることを示唆している」と述べている。 本研究には関与していない、南カリフォルニア大学ケック医学校のAndrew Freeman氏は、人々は自分の飲酒量を過小評価していると指摘する。同氏は、「レストランで、5オンス(150mL)に相当するワイン(米国での1杯あたりの純アルコール量〔14gm〕に相当)を注いでもらったら、量が少ないと不満に思うはずだ。人々は自分が思っているよりもずっと多くのアルコールを摂取している可能性がある」と話す。 また、Freeman氏は、高度に加工された高脂肪、高糖質の食品の摂取によりインスリンが過剰に分泌され、インスリン抵抗性が生じて血糖値が過剰になり、脂肪肝になると説明する。そこにアルコールが加わると、「リスクはさらに増大するだけだ」と語る。さらに、アルコールは単独でも肝細胞にダメージを与え、炎症や瘢痕化を引き起こし、長期的には肝硬変や肝臓がんに進行する可能性があるという。 なお、今年の1月、当時、米国公衆衛生局長官であったVivek Murthy氏は、飲酒によるがんリスクについて強い警告を発している。同氏は、「アルコールは、がんの予防可能な原因として確立されており、米国では年間約10万人のがん患者と2万人のがんによる死亡の原因となっている。これは、米国における年間1万3,500人のアルコールに関連する交通事故による死者数よりも多い。それにもかかわらず、米国人の大半はこのリスクを認識していない」と述べている。

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第232回 高額療養費制度の問題、石破首相が実施を明言、患者団体は反発/政府

<先週の動き>1.高額療養費制度の問題、石破首相が実施を明言、患者団体は反発/政府2.患者情報を即時に共有、「マイナ救急」で救命率向上へ/総務省消防庁3.大学病院に医師派遣義務付けへ、特定機能病院の新基準案/厚労省4.人口減少で社会保障に影響 現役世代の負担増は避けられず/厚労省5.医療ソーシャルワーカーも巻き込む高額な紹介料、規制を検討へ/厚労省6.精神科病院で患者虐待、通報義務を無視 看護師の暴行を隠蔽か/岐阜県1.高額療養費制度の問題、石破首相が実施を明言、患者団体は反発/政府石破 茂首相は2月28日、衆院予算委員会で高額療養費制度の負担上限額引き上げを8月から実施すると明言した。一方で、2026年8月以降のさらなる引き上げについては患者団体の意見を聞いた上で再検討し、今秋までに結論を出す方針を示した。この発表に対し、立憲民主党の野田 佳彦代表は「1年間凍結し、患者と対話をするべきだ」と主張。患者団体からも「治療を諦めざるを得ない人が出る」「命に関わる問題」と強い反発の声が上がっている。政府の方針では、年収370~770万円の患者は月額負担上限が約8,000円増の8万8,200円に、年収770~1,160万円では2万円増の18万8,400円、年収1,160万円以上は約4万円増の29万400円となる。さらに2026年以降は区分を細分化し、年収650~770万円では最終的に13万8,600円、年収1,650万円以上は44万4,300円に引き上げる予定だったが、見直しの可能性が示された。負担増の背景には高齢化と高額薬剤の普及による医療費の増加がある。政府は「制度を持続可能にするため」と説明するが、患者団体や専門学会は「がん患者の治療継続が困難になる」「経済的理由で適切な治療を受けられなくなる」と強く批判。日本臨床腫瘍学会などは「上限額の引き上げ幅が大きすぎる」と慎重な検討を求める声明を発表した。高額療養費の見直しは、子育て支援や医療財源確保の観点から避けられないとする意見もあるが、患者の命に関わる制度であるため、慎重な議論が求められている。参考1)石破首相、医療費の負担アップ「実施したい」と表明 非難集まる「高額療養費の負担上限引き上げ」8月から(東京新聞)2)高額療養費制度 負担上限額引き上げ方針で自己負担はどうなる?年収別に詳しく2025年8月から開始 2026年8月以降は再検討へ(NHK)3)高額療養費の負担増、一部凍結を首相表明 今夏は実施して「再検討」(朝日新聞)4)高額療養費引き上げ凍結に応じぬ石破首相、立民「不十分」と反発 予算案採決へ溝埋まらず(産経新聞)5)高額療養費制度における自己負担上限額引き上げに関する声明(日本臨床腫瘍学会・日本癌学会・日本癌治療学会)6)高額療養費制度上限額引き上げに関する緊急声明(日本乳癌学会)7)高額療養費制度の負担上限額引き上げに関する声明(日本胃癌学会)8)高額療養費制度の負担上限額引き上げに関する緊急声明(日本緩和医療学会)2.患者情報を即時に共有、「マイナ救急」で救命率向上へ/総務省消防庁総務省消防庁は2025年度より、全国の全消防本部で「マイナ救急」を本格導入する。「マイナ救急」とは、マイナンバーカードと一体化した「マイナ保険証」を活用し、救急搬送時に患者の通院歴や服用薬などの医療情報を確認するシステム。昨年実施された実証事業では約1万1,000件の情報閲覧が行われ、迅速な病院選定や適切な処置に貢献した。救急隊員からは「搬送先決定の迅速化」「意識不明者の病歴把握の容易化」といったメリットが報告され、病院側からも「診療開始の時間短縮」「独居高齢者の正確な医療情報の把握ができた」との評価が寄せられた。具体的な事例として、持病の糖尿病がマイナ保険証で判明し、搬送中に適切な処置が行われたケースや、意識のない患者の服薬状況が即座に確認できた事例などがあった。一方で課題も残り、救急隊員には患者の所持品を確認する法的根拠がなく、意識を失った傷病者がマイナ保険証を提示できない場合、情報閲覧が困難となる。また、従来の医療機関専用システムでは情報閲覧に時間を要する問題があり、消防庁はタブレット端末を活用した新システムを開発し、3月に実装する予定という。消防庁は将来的に、マイナ保険証をスマートフォンに搭載し、救急隊がロック解除なしで必要な医療情報を閲覧できる仕組みの検討も進める方針。救急医療の効率化を図る一方、個人情報保護や法整備の必要性が問われており、今後の運用方法に注目が集まる。参考1)マイナンバーカードを活用した救急業務(マイナ救急)の全国展開に係る検討(消防庁)2)マイナ保険証を活用する「マイナ救急」とは 全国の消防本部に導入へ(NHK)3)マイナ救急の実証事業、全720消防本部で来年度実施へ 情報閲覧の新システムを構築 総務省消防庁(CB news)4)マイナ救急、意識障害の急病人の早期回復などにつながる-4月から全国で実施(ケータイWatch)3.大学病院に医師派遣義務付けへ、特定機能病院の新基準案/厚労省厚生労働省は2月26日、高度な医療を提供する「特定機能病院」の基準を見直し、大学病院には「医師を派遣する機能」を追加する方針案を公表した。大学病院は、これまで高度な医療の提供、研究、教育といった役割を担ってきた。しかし、医療の高度化に伴い、大学病院以外の病院も高度な医療を提供できるようになり、大学病院の役割が見直されている。そこで、厚労省は、大学病院にしか担えない役割を明確にすると同時に、特定機能病院の基準を見直すこととした。新基準案では、大学病院に対し、地域医療を守るための医師派遣機能を強化することを求めている。具体的には、大学病院が地域に一定数の医師を派遣することを求めるほか、移植医療やゲノム医療、充実した研究や教育体制、都道府県と連携した医師派遣の取り組みなどを評価する。将来的には、積極的に取り組む大学病院には、経済的な報酬などのメリットも検討している。参考1)第23回特定機能病院及び地域医療支援病院のあり方に関する検討会資料(厚労省)2)大学本院「基礎的」と「上乗せ」の基準設定へ 特定機能病院の承認要件、厚労省が見直し案(CB news)3)大学病院に「医師派遣機能」追加へ 厚労省、特定機能病院の新基準案(朝日新聞)4.人口減少で社会保障に影響 現役世代の負担増は避けられず/厚労省厚生労働省が、2月27日に発表した2024年の人口動態統計速報によると、わが国の出生数は72万988人と過去最少を更新し、9年連続で減少した。死亡数は161万8,684人と過去最多となり、出生数を上回る「自然減」は過去最大の89万7,696人に達した。人口減少はさらに加速し、少子化の進行が政府の想定よりも15年早まった結果となった。少子化の主な要因として、未婚化・晩婚化の進行、経済的な不安、子育てと仕事の両立の困難さなどが挙げられる。とくに、出産・育児による女性の賃金低下が顕著で、男女間の格差が拡大している。社会全体に根付いた「子育ては女性の役割」といった価値観や長時間労働の慣行も影響しており、単なる経済支援策だけでは効果が限定的である。政府は2024年度から3年間で「異次元の少子化対策」を進め、児童手当の拡充や育児休業給付の改善を行っている。しかし、今回の統計はこうした施策の初年度に当たりながらも、出生数の増加にはつながらなかった。加えて、婚姻数は49万9,999組と戦後2番目に低い水準にあり、少子化対策の根本となる婚姻の増加も実現できていない。こうした状況に対し、石破 茂首相は「出生数の減少に歯止めがかかっていない。地方の出生率の高さに注目し、若者や女性の定着を進める」と述べた。また、政府は社会保障制度の維持のために、高齢者中心だった給付と負担の構造を転換し、現役世代の負担を軽減する方針を示した。しかし、現役世代の減少は避けられず、今後の社会保障制度の安定性にも懸念が広がる。専門家は「少子化を前提とした社会の仕組みを構築し、男女ともに働きやすく、安心して子育てができる環境を整備することが急務」と指摘している。少子化対策には時間がかかるため、政府は短期的な経済支援だけでなく、社会全体の意識改革や労働環境の抜本的な見直しを進める必要がある。参考1)人口動態統計速報[令和6年12月分](厚労省)2)24年の死亡数・人口減が過去最多 厚労省、約90万人の自然減(CB news)3)少子化の進行、想定より15年早く…昨年の出生数は過去最少72万988人で9年連続最少(読売新聞)4)24年出生数は最少72万人 10年で3割減、現役世代に負担(日経新聞)5)「異次元の少子化対策」初年度は不発 婚姻数も最低水準(同)5.医療ソーシャルワーカーも巻き込む高額な紹介料、規制を検討へ/厚労省東証プライム上場企業「サンウェルズ」が、入所者紹介業者に対し1人当たり100万円の高額な紹介料を支払っていたことが発覚した。同社は現在、こうした高額紹介を受けない方針に転換するとしているが、老人ホーム業界では要介護度に応じた紹介料の設定が横行しており、公平性が問題視されている。この問題を受け、日本医療ソーシャルワーカー協会は、全国の医療ソーシャルワーカーを対象に紹介業者との関係実態を調査開始。元紹介業者の証言によれば、MSW(医療ソーシャルワーカー)への接待を通じて、入所者を紹介させるケースもあったという。また、厚生労働省は要介護度に応じた紹介料を「不適切」と認定し、昨年12月に有料老人ホームの設置運営標準指導指針の改正を行い、有料老人ホームに対し、入居希望者の介護度や医療の必要度に応じて手数料を設定しないよう求めているが、さらなる規制を検討している。さらに厚労省は自治体に対しては、施設側の指導を強化するよう求めている。高齢者施設の紹介ビジネスが、医療・介護保険を利用した営利目的の手段と化している実態が浮き彫りとなり、制度の見直しが急務となっている。参考1)老人ホーム会社、診療報酬28億円不正請求疑い 高額紹介料支払いも(朝日新聞)2)医療ソーシャルワーカー協会、紹介業者との関係を調査 高額紹介料で(同)3)要介護度に応じた高額紹介料「不適切」 老人ホームビジネスで厚労相(同)4)高額な紹介料は不適切 厚労省 有料老人ホーム指導指針を改正(シルバー新報)5)有料老人ホームの設置運営標準指導指針について(厚労省)6.精神科病院で患者虐待、通報義務を無視 看護師の暴行を隠蔽か/岐阜県岐阜県海津市の精神科病院「養南病院」で、2024年10月に男性看護師が女性入院患者に暴行を加えたにもかかわらず、病院が義務付けられている通報を怠っていたことが明らかになった。暴行の内容は、患者が指示に従わなかったことに腹を立て、押し倒して首をつかむなどの行為であり、院内カメラにも映像が残されていた。病院側は患者からの訴えを受け、事態を把握していたが、加害者である看護師は自主退職したため、懲戒処分も行われなかった。病院の関谷 道晴理事長は「通報義務が頭から抜け落ちていた」と釈明している。2024年4月の精神保健福祉法改正により、精神科病院で虐待が疑われる事案を発見した場合、都道府県への通報が義務化されている。しかし、病院は「職員がすぐに退職したため、判断に迷い通報をためらった」と説明。匿名通報を受けた岐阜県が11月に立ち入り調査を実施し、今回発覚に至った。病院側も「隠蔽と受け取られてもやむを得ない」と認めている。また、昨年12月には別の女性看護師が患者に対し乱暴な対応をしたことも判明。この件については県に通報され、現在調査が進められている。同病院では、過去にも看護師による不適切な言動が複数報告されており、県が継続的に監視を行う方針だ。この問題を受け、病院は「再発防止と信頼回復に努める」としているが、精神科病院の通報体制の不備や虐待の隠蔽体質が浮き彫りになった。厚生労働省の指導の下、精神医療の透明性向上と、虐待防止策の徹底が求められている。参考1)精神科病院で虐待、隠蔽 改正法で義務化の通報せず(共同通信)2)義務付けられた県への通報せず…精神科病院で男性看護師が女性患者に暴行 言うことを聞かず立腹し押し倒す(東海テレビ)3)海津市の精神科病院 虐待疑われる事案を県に通報せず(NHK)

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