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女性にも薬剤溶出ステントは有効か?/Lancet

 冠動脈疾患の男性患者だけでなく女性患者においても、薬剤溶出ステント(DES)はベアメタルステント(BMS)に比べ有効性と安全性が優れることが、スイス・ベルン大学病院のGiulio G Stefanini氏らの検討で確認された。冠動脈疾患の治療におけるDESの安全性と有効性はさまざまな無作為化試験で検討されているが、登録患者に占める女性の割合が約25%と低いため、女性におけるDESの有用性を評価する十分なパワーを有する単一の試験はないという。Lancet誌オンライン版2013年9月2日号掲載の報告。日本人女性患者を含む26試験の統合解析 研究グループは、女性におけるDESの有用性を評価するために、2000~2013年に実施された26件のDESに関する無作為化試験に参加した女性のデータを収集し、統合解析を行った。解析には、日本のRESET試験(3,197例、女性23%、2012年)が含まれた。 BMS、旧世代DES[シロリムス溶出ステント(Cypher)、パクリタキセル溶出ステント(Taxus)]、新世代DES[エベロリムス溶出ステント(Xience、Promus)、ゾタロリムス溶出ステント(Endeavor、Resolute)、バイオリムス溶出ステント(Biomatrix、Nobori)、シロリムス溶出ステント(Yukon)]の3群に分けてアウトカムを解析した。 安全性の主要評価項目は、死亡と心筋梗塞の複合エンドポイントとし、副次評価項目は、ステント血栓症(疑い例を含む)であった。有効性の主要評価項目は標的病変再血行再建術の施行とした。死亡/心筋梗塞:12.8 vs 10.9 vs 9.2%、ステント血栓症:1.3 vs 2.1 vs 1.1% 26試験に参加した4万3,904例のうち女性は1万1,557例(26.3%)で、BMS留置例が1,108例(9.6%)、旧世代DES留置例が4,171例(36.1%)、新世代DES留置例は6,278例(54.3%)であった。 全体の平均年齢は67.1歳で、BMI 28.1、糖尿病31.2%、高血圧75.6%、高コレステロール血症67.6%、喫煙者26.7%、冠動脈疾患家族歴39.5%、心筋梗塞の既往19.0%、PCI施行歴20.6%、CABG施行歴5.0%、多枝病変28.8%であった。平均フォローアップ期間は2.9年だった。 留置後3年時の安全性の複合エンドポイントの累積発生率は、BMS留置例が12.8%(132例)、旧世代DES留置例が10.9%(421例)、新世代DES群は9.2%(496例)であった(全体:p=0.001、旧世代と新世代DESの比較:p=0.01)。ステント血栓症の発症率は、BMS留置例が1.3%(13例)、旧世代DES留置例が2.1%(79例)、新世代DES群は1.1%(66例)だった(同:p=0.01、p=0.002)。 3年時の標的病変再血行再建術の施行率は、BMS留置例が18.6%(197例)、旧世代DES留置例が7.8%(294例)、新世代DES群は6.3%(330例)であり、DESの使用により有意に低下した(全体:p<0.0001、旧世代と新世代DESの比較:p=0.005)。これらの結果は、多変量解析にてベースラインの患者背景で調整しても変わらなかった。 著者は、「女性患者では、BMS留置例に比べDES留置例で長期的な有効性と安全性が優れ、新世代DESは旧世代DESに比べ良好な安全性を示した」と結論し、「新世代DESは女性患者における経皮的冠動脈再建術の標準治療とみなされる」と指摘している。

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『基礎インスリン+GLP-1アナログ』 で 広がる選択肢

2013年9月17日、2型糖尿病治療薬のリキシセナチド(商品名:リキスミア皮下注300μg)が発売された。リキシセナチドは、基礎インスリンとの併用が保険適応となった初のGLP-1受容体作動薬であり、エキセナチド(商品名:バイエッタ、ビデュリオン)、リラグルチド(同:ビクトーザ)に次ぐ3成分目の薬剤である。今回、この新薬についてサノフィ株式会社本社担当者に話を聞いた。リキシセナチドの特徴は、大きく3つリキシセナチドが従来製剤と大きく異なるのは、GLP-1受容体作動薬で初めて「基礎インスリンとの併用」について適応取得した点である。さらに、食後血糖降下作用のほか、胃内容排出遅延作用も認められている。この「基礎インスリンと併用可能」「食後血糖コントロール」「胃内容排出遅延作用」の3点がリキシセナチドの特徴といえる。基礎インスリン+GLP-1受容体作動薬 のメリットとくに「基礎インスリンと併用可能」という特徴は新規性が高い。これまでGLP-1受容体作動薬の投与患者に対しインスリン投与を考える場合は、一度GLP-1受容体作動薬を中止したうえでインスリンへ切り替える必要があった。その点、リキシセナチドは中断の必要がなく汎用性が高い。また、基礎インスリンでは補いきれない食後高血糖についてのコントロールが期待できる。投与対象はBOTで血糖管理不十分な患者さんしかし、GLP-1受容体作動薬すべてに該当することだが、リキシセナチドも経口薬との併用に縛りがある。開発当初、SU薬が糖尿病治療薬の中心であった背景から、リキシセナチドと併用できる経口薬は「SU薬単独、またはSU薬とビグアナイド薬の併用」に限定されている。サノフィ株式会社の本社担当者は、「汎用性のある経口薬との適応拡大も視野に入れているが現実的には先の話になる」と断ったうえで、「発売時点では、『BOTで血糖改善が認められない患者さん』にお使いいただき、徐々にご評価いただきたい」と述べた。アジア人を対象としたリキシセナチドの効果リキシセナチドの血糖降下作用を示すデータとして、日本人を含むアジア人を対象としたGetGoal-L-Asia試験がある。これは基礎インスリン療法(±SU薬)で血糖コントロール不十分(HbA1c:7.0~10%)な2型糖尿病患者311例を対象にした追跡試験である。24週後のHbA1c値および朝食後2時間血糖値の変化は、リキシセナチド群で-0.88%、-141mg/dL、とプラセボに比べて有意な低下が認められている1)。従来と同程度の安全性。ただし、継続評価が大切安全性については、第III相試験において、HbA1c低下効果についてエキセナチドに対する非劣性が示されたうえで、嘔気・嘔吐を含む消化器系副作用や低血糖症の発現率が少ないとの報告がある。ただし、嘔気・嘔吐はGLP-1受容体作動薬に共通の副作用であることから、発売後の症例集積に伴う慎重な評価が求められるだろう。リキシセナチドにより、併用の選択肢が広がったリキシセナチドの投与法は、1日1回、朝食前1時間以内の皮下注射である。前出の担当者は「リキスミアと基礎インスリンの投与タイミングを朝に集中させることで、患者さんの負担軽減にもつながるのではないか」と期待を語った。リキシセナチドの登場により、併用療法に「基礎インスリン+GLP-1受容体作動薬」という新たな選択肢が加わったといえるのではないだろうか。(ケアネット 佐藤寿美)1) Seino Y,et al.Diabetes Obes Metab. 2012;14:910-917.

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レニン阻害薬、動脈硬化進展を抑制せず/JAMA

 冠動脈疾患を有する高血圧前症患者へのレニン阻害薬アリスキレン(商品名:ラジレス)投与はプラセボと比較して、アテローム性動脈硬化の進展を抑制しないことが、南オーストラリア健康・医療研究所(SAHMRI)のStephen J. Nicholls氏らによる無作為化試験AQUARIUSの結果、示された。著者は、「今回の結果は、アテローム性動脈硬化症の退縮または予防についてアリスキレン使用を支持しないものであった」と結論している。JAMA誌オンライン版2013年9月3日号掲載の報告より。アリスキレン300mg/日またはプラセボを104週間投与 アテローム性動脈硬化症では、血圧降下とレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系(RAAS)阻害が治療目標となる。一方、動脈硬化の進展に対するレニン阻害の効果はこれまで検討されていなかったことから、アリスキレンとプラセボを比較検討する本試験が行われた。 AQUARIUS(Aliskiren Quantitative Atherosclerosis Regression Intravascular Ultrasound Study)は前向き多施設共同二重盲検法にて2009年3月~2011年2月に、ヨーロッパ、オーストラリア、南北アメリカの103施設で被験者を募って行われた。 被験者は、冠動脈疾患、高血圧前症(収縮期血圧125~139mmHg)、2つ以上の心血管リスク因子(心筋梗塞等の既往歴あり、尿中アルブミン/クレアチニン比30~300mg/g、2型糖尿病など9因子のうち)を有する613例であった。冠動脈血管内超音波法(IVUS)検査による画像診断を受け、305例がアリスキレン300mg/日の経口投与を、308例がプラセボをそれぞれ104週間投与された。 治療72週以降にIVUS検査を行い、疾患進行について評価を行った。主要有効性指標は、アテローム容積率(PAV)のベースラインから試験終了までの変化とし、副次有効性指標は、標準化総アテローム容積(TAV)の変化およびアテロームが退縮した患者の割合などが含まれた。安全性および忍容性も評価された。主要有効性指標PAV、副次有効性指標TAVともに有意差がみられず ベースラインと追跡調査時の画像診断データが入手できたのは、458例(74.7%、アリスキレン群は225例)であった。 主要有効性指標のPAVは、両群間で有意差はみられなかった。アリスキレン群-0.33%(95%信頼区間[CI]:-0.68~0.02%)、プラセボ群0.11%(同:-0.24~0.45%)で群間差は-0.43%(同:-0.92~0.05%、p=0.08)だった。 副次有効性指標のTAVも差がみられなかった。アリスキレン群-4.1m3(95%CI:-6.27~-1.94m3)、プラセボ群-2.1m3(同:-4.21~0.07m3)で群間差は-2.04m3(同:-5.03~0.95m3、p=0.18)だった。 PAV、TAVの改善を示した患者の割合も両群間で有意差はなかった。PAV(アリスキレン群56.9%対プラセボ群48.9%、p=0.08)、TAV(同:64.4%対57.5%、p=0.13)だった。 有害事象については、低血圧症(同:7.2%対3.9%、p=0.04)、腎および尿路障害(6.9%対4.9%、p=0.38)の発生(試験担当者が報告)が、プラセボ群よりもアリスキレン群のほうがより多くみられる傾向があった。高カリウム血症(≧5.5mEq/L)の発生は、両群で同程度だった(アリスキレン群10.7%対プラセボ群9.8%、p=0.76)。なお有害事象による試験中断はアリスキレン群のほうが多かった(同:8.2%対4.5%)。

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エキスパートQ&A

プライマリ・ケア医はどの範囲まで、がん患者さんを診るべきなのでしょうか?プライマリ・ケア医の定義がなかなか難しいところですが、地域の開業医の先生方であれ病院勤務の一般内科の先生方であれ、がん患者さんを診るべきだと思います。サブスペシャリティががんとは無関係の領域(循環器、神経、内分泌、腎臓、膠原病、感染症など)であったとしても同じことです。理由は単純です。患者さんは多いのに診る医者が少ないからです。がんは日本人の2人に1人が罹患し、3人に1人が亡くなるという非常にコモンな病気です。がん患者の診療において、専門医数(全国でがん薬物療法専門医<1000人、緩和医療専門医<100人)が少ないなどインフラの問題もありますが、一番大きい問題は患者さん側と医師側が日本のがん医療や一般診療に対してそれぞれが持つ固定観念だと思います。患者さん側は「大きな病院で専門医の先生にずっと診てもらわないと心配だ」、医師側は「がん診療は高度に専門化していて難しい。患者や家族の対応にもストレスを感じることが多い。治らずに亡くなっていく患者を診るのもつらいし、しんどい」といった気持ちがお互いにあるのではないでしょうか。これを少しずつでも変えていかないことには、がん対策基本法の理念である「すべてのがん患者さんに等しく適切な医療を提供する」を実現することは困難だと思います。がん診療はやりがいがあります。患者さんにとって一度は死を意識せざるを得ない疾患ですから、その患者さんや家族との対応の中で自分なりのさまざまな思索を巡らすことになります。また、自分や家族も将来罹患する可能性が高い疾患を目の前の患者さんを通じて経験し、人間の永遠のテーマである「生と死」について深く考えることができるのです。プライマリ・ケア医にできる身体的なケアにはどのようなものがあるでしょうか?がん患者さんの何を診るかについては議論のあるところですが、患者さんのQOL維持・向上のため少なくとも支持療法(緩和医療)についてはカバーすべきと考えています。支持療法の範囲は広く、緊急事態(オンコロジック・エマージェンシー)への対応、疼痛を含む症状コントロール、がん治療による有害事象対策、栄養療法、リハビリ、無再発患者の定期的フォロー(再発の有無、二次がんのチェック、骨粗鬆症、不妊、一般内科的マネジメント)などプライマリ・ケア医であればある程度対応可能な分野と考えています。抗がん薬治療はご自身のサブスペシャリティと、置かれている環境(開業医か病院勤務医か、地方か都市部か)で異なると思いますが、開業医の先生方が抗がん薬治療を扱うのは現状ではなかなか難しいかもしれません。基幹病院への紹介の仕方や、うまく機能しているシステムがあれば教えていただけますか?具体的に機能しているシステムはわかりませんが、病病連携や病診連携において大切なのはやはり「顔の見える関係」です。紙だけのやり取りでは関係が希薄になりがちですので、研究会等で基幹病院の先生と会って良い関係を築くことが重要ですし、いろいろな情報や知識も得られると思います。また紹介患者さんが基幹病院に入院したら、その病院に会いに行くことも重要だと思います。患者さんが喜ぶのはもちろん、基幹病院の医療スタッフも信頼を寄せますので、患者さんを逆紹介していただきやすくなると思います。可能であれば、基幹病院、地域の開業医、訪問看護ステーション、ケアマネージャーなどで症例を通じた多職種カンファレンスを開くのもよいと思います。日常診療でがんを早期発見するためには、どこに気を付ければよいですか?有症状か無症状かで考え方が異なります。有症状の場合、そのがんはすでに早期がんである確率は低いので、ご質問そのものに対する回答にはなっていませんが、個人的には以下のような症状があった場合には、がんを疑うことにしています。すなわち、体重減少、リンパ節腫脹、原因不明で夜間に増悪する腰痛・背部痛、不明熱、嚥下困難、下血・血便・タール便、黄疸、血痰、血尿などです。また過去のがんの既往があれば、より検査閾値を下げて精密検査を進めることになると思います。無症状のがんを診断するためには、基本的にはがん検診を定期的に受けていただくことだと思います。私はがん以外で診ている患者さんに「がんについては検診を受けてください。残念ながら、あなたががんになっていないかどうかについてまでは診られていないのです」と説明しています。高血圧や糖尿病で診ている患者さんでも、患者さん側からすればがんも含めて診てもらっていると思っている方がいらっしゃいます。しかし、がんでない患者さん全員にがんが無いかどうかを診ていくのは大変だと思います。ただ、がん検診については注意すべき点があります。がん検診は早期発見のみを目的にしているのではなく、早期発見を通じてがんによる死亡を減らすことを目標としていますし、その点についてある程度コンセンサスがあるがん種についてがん検診が行われているのです。したがって、がん検診の内容に満足できない患者さんには、賛否両論あるにせよ、人間ドックを受けていただく以外にないと考えています。また、がんをスクリーニングする方法としての腫瘍マーカー測定は勧められません。スクリーニングには高い感度が求められますが、腫瘍マーカーで感度の高い検査はないからです(PSAは前立腺がんのスクリーニングには適していますが、早期診断することで死亡割合を低下させるかどうかが専門家の間で見解が異なるため現時点でがん検診に用いられてはいません)。症状もないのに患者さんの希望のみで、安易に腫瘍マーカーを測定し少しでも異常があった場合には、患者側も医師側も必要以上にがんを心配することになってしまいます。健診受診を促していますが、嫌がる人が多いです。どうすべきでしょうか?どうして嫌がるのかその理由によると思います。がんが見つかるのが怖いのか、それともがんになっても構わないし、早期発見が重要と考えていないなど、いろいろ理由があると思います。まずは患者さんの考え方を十分に把握することから始めてみてはいかがでしょう。CKDにおける抗がん治療の注意点を教えてください。腎障害の程度や、抗がん薬が腎排泄か肝代謝・肝排泄かなどによって、投与量は変わってきますので一般化できません。また、透析患者さんの場合はまた別の因子(透析性、分布容積、蛋白結合率、投与するタイミングなど)を考慮する必要が出てきます。詳しくは各抗がん薬の添付文書をご覧ください。高齢患者さんの治療に関する注意点を教えてください。一般的に抗がん治療の治療目標は二つあります。すなわち、生存期間の延長とQOLの改善・維持です。高齢患者さんの場合、抗がん治療により得られるメリットは非高齢患者さんのそれに比して小さくなります。つまり、生存期間の延長も小さくなるでしょうし、QOLも低下する可能性が十分あります。大切なことは、何を治療目標にして個々の患者さんを治療しているのかについて主治医と患者さん・家族が十分話し合い、認識を共有しておくことだと思います。個々の抗がん治療(手術、抗がん薬、放射線)の注意点については紙面の関係でここでは割愛します。食欲不振に対する対処法を教えてください。食欲不振の原因によります。原疾患によるものか、抗がん薬治療によるものか、あるいはうつ病などの内因性精神疾患によるものか、など多岐にわたります。認知症患者におけるがん治療について教えてください。がん治療に関して、その患者さんに自己意思決定能力があるかどうかが最大の問題になります。認知症のために本人に意思決定ができない場合は、家族や友人などに代理意思決定をしていただく必要があります。その際に大切なのは、代理者の意向ではなく、患者さん本人の意思を代弁する(または推定する)ことです。あくまでも患者さんが主体です。また、認知症患者の抗がん治療自体も難しいものになります。認知症の患者さんは脳の脆弱性のため、せん妄を起こしやすく、脳以外の身体の脆弱性も伴っていることが多いことから、その他の合併症(肺炎など)も起こしやすいのです。前立腺がんにおける高濃度ビタミンCの有用性について教えてくださいマルチビタミン(ビタミンCを含む)とミネラル補充療法の前立腺がん発症や進行予防との関連についてはメタ解析により現時点では否定されています(Stratton J,et al. Family Practice. 2011; 28:243–252)。上部消化管検診においてペプシノゲンがBaや内視鏡に代行できるという考え方はもう一般的になっているのでしょうか?日本のガイドラインでは現時点においても胃透視を推奨しており、ペプシノゲンはピロリ抗体や胃内視鏡と共に胃透視に比べてエビデンスレベルは下位に位置づけられています(Hamashima C, et al. Jpn J Clin Oncol 2008;38(4)259–267)。したがって、一般的にペプシノゲン測定はほかの検査の代用にはならないと考えられます。ただ、ABC検診と言って、血液検査でH. pylori感染とペプシノゲン値を調べ、胃がんのリスク評価を行う検診があり、リスクに応じて胃内視鏡検査による胃がんのスクリーニングを推奨する動きもあります。

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DPP-4阻害薬、糖尿病の虚血性イベント増減せず/NEJM

 DPP-4阻害薬サキサグリプチン(商品名:オングリザ)は、心血管イベント既往またはリスクを有する2型糖尿病患者の治療において、心不全入院率は上昇するが虚血性イベントは増大も減少もしなかったことが、米国・ハーバードメディカルスクールのBenjamin M. Scirica氏らによるSAVOR-TIMI 53試験の結果、示された。著者は「サキサグリプチンは糖尿病患者において、血糖コントロールを改善するが、心血管リスクを低下させるにはその他のアプローチが必要である」と結論している。本研究は、2013年9月2日、オランダ・アムステルダム市で開催された欧州心臓病学会(ESC)で報告され、同日付けのNEJM誌オンライン版に掲載された。1万6,492例を対象にサキサグリプチンの有効性と安全性を評価 SAVOR-TIMI 53試験は、心血管イベントリスクを有する患者の心血管アウトカムについてサキサグリプチンの有効性と安全性を評価する第4相の多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照試験。対象は、HbA1c 6.5~12.0%で心血管イベントの既往またはリスクを有する2型糖尿病患者であった。 26ヵ国788施設において1万6,492例の被験者が1対1の割合で、サキサグリプチン(5mg/日、eGFR≦50mL/分の患者は2.5g/日)を投与される群(8,280例、平均年齢65.1歳、女性33.4%、2型糖尿病罹病期間中央値10.3年、HbA1c 8.0%、BMI平均値31.1)またはプラセボを投与される群(8,212例、65.0歳、32.7%、10.3年、8.0%、31.2)に割り付けられ、中央値2.1年間(最長2.9年間)追跡を受けた。なお担当医は、血糖降下薬を含むその他の薬物を調整することが許されていた。 主要エンドポイントは、心血管死・心筋梗塞・脳梗塞の複合であった。心不全による入院は増大するが、その他の虚血性イベントは増減せず 主要エンドポイントの発生は、サキサグリプチン群613例、プラセボ群609例であった。発生率は2年時Kaplan-Meier推定値で7.3%対7.2%、サキサグリプチンのハザード比は1.00(95%信頼区間[CI]:0.89~1.12)だった(優越性p=0.99、非劣性p<0.001)。この結果は、治療継続(投与を中止しなかった)患者における解析でも同様であった(ハザード比:1.03、95%CI:0.91~1.17、p=0.60)。 主要副次複合エンドポイント(心血管死・心筋梗塞・脳卒中・不安定狭心症入院・冠動脈再建術・心不全)の発生は、サキサグリプチン群1,059例、プラセボ群1,034例だった。発生率は2年時Kaplan-Meier推定値で12.8%、12.4%で、サキサグリプチンのハザード比は1.02(95%CI:0.94~1.11)だった(p=0.66)。 個別にみた副次エンドポイントでは、心不全による入院について有意差がみられ、プラセボ群よりもサキサグリプチン群のほうがより発生が多かった(3.5%対2.8%、ハザード比:1.27、95%CI:1.07~1.51、p=0.007)。 急性膵炎(サキサグリプチン群0.3%、プラセボ群0.2%)および慢性膵炎(両群とも0.1%)と診断された割合は、両群で同程度であった。 以上の結果から著者は、「DDP-4阻害薬サキサグリプチンは、心不全による入院を増大したが、虚血性イベントは増大も減少もしなかった。サキサグリプチンは血糖コントロールを改善するが、2型糖尿病の患者において心血管リスクを低下させるには、その他のアプローチが必要である」と結論している。

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DPP-4阻害薬、糖尿病の心血管リスク増大せず/NEJM

 新規DPP-4阻害薬アログリプチン(商品名:ネシーナ)は、直近の急性冠症候群(ACS)既往歴のある2型糖尿病患者の治療において、心血管リスクを増加させずに糖化ヘモグロビン(HbA1c)を改善することが、米国・コネチカット大学のWilliam B. White氏らが行ったEXAMINE試験で示された。糖尿病患者では、血糖値の改善により細小血管合併症リスクが低下する可能性があるが、大血管イベントへの良好な効果は示されておらず、米国FDAをはじめ多くの国の監督機関は、新規の抗糖尿病薬の承認前後で、心血管系の安全性プロフィールの包括的な評価を求めている。本研究は、2013年9月2日、オランダ・アムステルダム市で開催された欧州心臓病学会(ESC)で報告され、同日付けのNEJM誌に掲載された。心血管アウトカムをプラセボとの非劣性試験で評価 EXAMINE試験は、ACSの既往歴を有する2型糖尿病患者における、アログリプチンのプラセボに対する心血管アウトカムの非劣性を評価する二重盲検無作為化試験。対象は、HbA1c 6.5~11.0%(インスリン投与例は7.0~11.0%)で、DPP-4阻害薬やGLP-1受容体作動薬以外の抗糖尿病薬の投与を受け、割り付け前15~90日にACS(急性心筋梗塞、入院を要する不安定狭心症)を発症した2型糖尿病患者であった。 被験者は、2型糖尿病および心血管疾患の標準治療に加えて、アログリプチンまたはプラセボを投与する群に無作為に割り付けられた。主要評価項目は、心血管死、非致死的心筋梗塞、非致死的脳卒中の複合エンドポイントであり、ハザード比(HR)の非劣性マージンは1.3に設定された。 アログリプチンの投与量は、ベースラインの推定糸球体濾過量に基づき71.4%には25mg/日が投与され、25.7%は12.5mg/日、2.9%は6.25mg/日の投与を受けた。最長40ヵ月、中央値18ヵ月のフォローアップが行われ、投与期間中央値は533日だった。約50ヵ国900施設、5,000例以上で、安全性を確認 2009年10月~2013年3月までに日本を含む49ヵ国898施設から5,380例が登録され、アログリプチン群に2,701例(年齢中央値61.0歳、男性67.7%、2型糖尿病罹病期間中央値7.1年、HbA1c 8.0%、BMI中央値28.7)、プラセボ群には2,679例(61.0歳、68.0%、7.3年、8.0%、28.7)が割り付けられた。 主要評価項目の発生率はアログリプチン群が11.3%(305例)、プラセボ群は11.8%(316例)であり、HRは0.96、信頼区間(CI)上限値は1.16であり、アログリプチンはプラセボに対し非劣性であった(非劣性:p<0.001、優越性:p=0.32)。 主要評価項目に入院後24時間以内の不安定狭心症による緊急血行再建術を加えた副次的評価項目の発生率は、アログリプチン群が12.7%(344例)、プラセボ群(359例)は13.4%であり、両群間に有意な差はみられなかった(HR:0.95、CI上限値:1.14、優越性:p=0.26)。 ベースラインから試験終了までのHbA1cの変化率は、アログリプチン群が-0.33%、プラセボ群は0.03%であり、最小二乗平均差は-0.36(95%CI:-0.43~-0.28)と有意な差が認められた(p<0.001)。 重篤な有害事象の発生率は、アログリプチン群が33.6%、プラセボ群は35.5%(p=0.14)であり、低血糖、がん、膵炎、透析導入の頻度にも両群間に差はなかった。 著者は、「アログリプチン投与により、心血管死、非致死的心筋梗塞、非致死的脳卒中がプラセボよりも増加することはなかった」とまとめ、「これらのデータは、心血管リスクが著しく高い2型糖尿病患者の治療において、抗糖尿病薬を選ぶ際の指標として有用と考えられる」と指摘している。

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肥満、メタボと健康に関する記事 まとめ

 肥満は心疾患や脳血管疾患、糖尿病のリスクが高くなるだけでなく、上肢痛や喘息を引き起こしやすいというデータもあるようだ。医学誌にもたびたび論文が掲載されているが、今回はそれらに関する記事をまとめて紹介する。母乳での哺乳で学童期の肥満リスクが低下~全国縦断調査データより これまでの研究では母乳での哺乳が子供の肥満を予防することが示唆されているが、社会経済的な状況や子供の生活習慣による交絡の可能性があるため、決定的なエビデンスはない。また、これまではほとんどが欧米先進国の子供での研究であったため、他の対象における研究が待たれている。岡山大学の山川路代氏らは、日本における母乳での哺乳と学童期の過体重・肥満との関連について、潜在的な交絡因子を調整して検討し、その結果をJAMA pediatrics誌オンライン版2013年8月12日号に報告した。http://www.carenet.com/news/general/carenet/35907メタボは上肢痛のリスク因子か 内臓脂肪は上肢痛のリスク因子であるようだ。フィンランド労働衛生研究所のTapio Vehmas氏らが、コホート研究の結果、報告した。結果を踏まえて著者は、「さらなる研究にて、そのメカニズムを解明し、減量が疼痛管理に有用かどうかを明らかにすることが必要だ」とまとめている。Pain Medicine誌2013年7月号(オンライン版2013年5月3日号)の掲載報告。http://www.carenet.com/news/general/carenet/35872肥満期間が長いと冠動脈心疾患リスクは増大する?/JAMA 若年期から肥満がみられ肥満期間が長いほど、冠動脈石灰化(CAC)が促進され、中年期の冠動脈心疾患リスクの増大につながることが、米国・国立心肺血液研究所(NHLBI)のJared P Reis氏らの検討で示された。米国では過去30年間に肥満率が成人で2倍、青少年では3倍に上昇しており、若年の肥満者ほど生涯を通じて過剰な脂肪蓄積の累積量が多く、肥満期間が長くなるが、肥満の長期的な転帰に関する研究は少ないという。また、脂肪の蓄積量にかかわらず、全身肥満の期間が長期化するほど糖尿病罹患率や死亡率が上昇することが示されているが、肥満期間が動脈硬化の発症や進展に及ぼす影響については、これまで検討されていなかった。JAMA誌2013年7月17日号掲載の報告。http://www.carenet.com/news/journal/carenet/35682メタボリックシンドローム患者は喘息を発症しやすいのか? メタボリックシンドロームや、その診断項目である基準以上の腹囲や高血糖・糖尿病があると成人喘息発症のリスクが高くなることが、ノルウェー科学技術大学のBen Michael Brumpton氏らにより報告された。The European respiratory journal誌オンライン版2013年7月11日号の掲載報告。http://www.carenet.com/news/risk/carenet/35630アリピプラゾールと気分安定薬の併用、双極性障害患者の体重増加はどの程度? 双極I型障害(BPD)患者は多くの場合太りすぎか肥満であり、メタボリックシンドロームを合併している可能性が高い。いくつかのBPD治療薬では、体重増加や代謝パラメータの悪化が認められる。米国・ケースウエスタンリザーブ大学のDavid E. Kemp氏らは、アリピプラゾール(商品名:エビリファイ)と気分安定薬を併用した際のメタボリックシンドロームの発生率および代謝パラメーターの変化を調べた。Journal of affective disorders誌2013年5月15日号の報告。http://www.carenet.com/news/head/carenet/35009メタボ予防にコーヒーが有効か?―本邦での報告― 日本人において、コーヒーの消費量は、NCEP ATP III基準でメタボリックシンドロームと診断された場合の有病率と負の相関関係があることが、徳島大学大学院 高見栄喜氏らの研究で示された。Journal of Epidemiology誌オンライン版2012年10月6日付の報告。http://www.carenet.com/news/general/carenet/32383

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~プライマリ・ケアの疑問~  Dr.前野のスペシャリストにQ!【循環器編】

第1回「Q.救急外来でACSを見逃さないためには?」第2回「Q.拡張期血圧が高い…早朝血圧が高い…等々、どういう病態なのか?」第3回「Q.血圧の評価はどうすればいいのか?外来血圧?自宅で測ってもらう?」第4回「Q.降圧薬の選択がわからない。薬がありすぎる!」第5回「Q.胸痛でどこまで虚血性心疾患を疑うか?」第6回「Q.主訴が胸痛の患者さんにホルター心電図をつけたが症状が出ない。どうアプローチすべき?」第7回「Q.急性心筋梗塞のST上昇と早期再分極のST上昇の見分け方?」第8回「Q.これは絶対ACSという心電図所見はあるか?」第9回「Q.Poor r progression はどこまで精査しますか?」第10回「Q.小さいq波と異常Q波の鑑別は?」第11回「Q.虚血性心疾患例の安静時の心電図異常とは?」第12回「Q.ST-Tの異常は様々あるが、よく理解できない」第13回「Q.精査すべき脚ブロックとは?」第14回「Q.どこで判断する?精査に迷う心電図異常」第15回「Q.精査・治療の必要な心室期外収縮とは?」第16回「Q.抗不整脈薬使用の最近のトレンドは?」 あなたの悩みを5分で解決!一問一答Q&A番組!研修医、家庭医、総合医の疑問に、一問一答で回答する、1回5分のQ&A番組!「この診断で良かったのか?」「もっと検査をすべきだった?」「専門医に送るタイミングは?」プライマリ・ケア医から集めた循環器疾患の診察、検査、治療に関する16の質問を、番組MCの前野哲博先生が経験豊富なスペシャリスト・渡辺重行先生にぶつけます!第1回「Q.救急外来でACSを見逃さないためには?」1)胸部症状が定型的なのに心電図、CPK、トロポニンに異常が出ていないACS2)胸部症状以外の症状で来るACSでは見逃さないポイントとは何なのでしょうか?第2回「Q.拡張期血圧が高い…早朝血圧が高い…等々、どういう病態なのか?」血圧は何がどのように規定しているのか?DBP上昇のメカニズムなど病態ごとの血圧変動の特徴を復習しましょう。第3回「Q.血圧の評価はどうすればいいのか?外来血圧?自宅で測ってもらう?」測る度に、タイミングによって変動することも多い血圧。では一体いつ測ることが良い血圧評価につながるのでしょうか?心血管イベントと発症率や発症時間などのエビデンスを交え紐解いていきます。第4回「Q.降圧薬の選択がわからない。薬がありすぎる!」例えば、糖尿病患者に糖尿病の悪化や腎症の予防効果のあるRA系抑制薬を選択したが、降圧は今ひとつ…このような患者にはどうアプローチすべきか?2009年高血圧治療ガイドラインを復習しながら、推奨される選択薬や合剤、考え方を学びます。第5回「Q.胸痛でどこまで虚血性心疾患を疑うか?」患者さんに「胸が痛い」と言われるとドキッとする循環器非専門医の先生も多いと思います。そもそも主訴が胸痛の患者に見つかる器質的疾患はどれくらいなのでしょうか?また虚血性心疾患の兆候はどんなところにあるのでしょうか?第6回「Q.主訴が胸痛の患者さんにホルター心電図をつけたが症状が出ない。どうアプローチすべき?」主訴が胸痛の患者にホルター心電図で検査するも特異的な所見は見つからないケース。今後どうマネジメントすべきか?今回は病態からアプローチして、何が起こり、何の可能性があるのか、着目すべき点を学びます。第7回「Q.急性心筋梗塞のST上昇と早期再分極のST上昇の見分け方?」急性心筋梗塞の早期発見に欠かせない心電図。STの上昇に注目します。しかし、早期再分極を示す心電図でもSTの上昇、そしてJ波が表れます。症例心電図をとおして、急性心筋梗塞と早期再分極の見分け方を学びます。第8回「Q.これは絶対ACSという心電図所見はあるか?」渡辺先生曰く、「ACSで注意すべきはSTのわずかな上昇とT terminal inversion」。そのロジックを心筋梗塞の患者さんの心電図をみながら考えていきます。第9回「Q.Poor r progression はどこまで精査しますか?」 Poor r progression とはR波の伸びが足りないこと。R波が伸びない裏には重要な疾患が隠れているのでしょうか?またどの様な所見に注意すべきなのでしょうか?第10回「Q.小さいq波と異常Q波の鑑別は?」 異常Q波とは、幅が1mm(0.04秒)以上で深さがR波の1/4以上のQ波。特に注意すべきは1mmの幅があるかどうか、逆にいうと1mmに満たない心電図所見は正常とみてよいであろう。しかし、一見正常な所見に見えて、前下行枝狭窄である手がかりが隠れている。それは一体どんな所見なのでしょうか?第11回「Q.虚血性心疾患例の安静時の心電図異常とは?」循環器内科医は負荷心電図のⅡ、Ⅲ、aVFなどから虚血性心疾患を診断します。渡辺先生曰く「安静時の心電図所見から8割は陽性の兆候がみえる」とは渡辺先生。それはどんな所見なのでしょうか?注目はS−T波。第12回「Q.ST-Tの異常は様々あるが、よく理解できない」 STーTの異常は様々ですが、形をパターン認識することで診断がみえてくるようになります。今回はSTーT所見を大きく4つにわけ、パターンの特徴と症例をとおして見極めのコツを解説します。第13回「Q.精査すべき脚ブロックとは?」とくに自覚症状もないが健康診断や検診の心電図所見でみられる脚ブロック。ではこの脚ブロックを確認した場合どのようなコンサルティングが必要なのでしょうか?今回は心室の再分極、脱分極をおさらいしながら右脚ブロックと左脚ブロックの原理と対処を学んでいきます。第14回「Q.どこで判断する?精査に迷う心電図異常」前回の心電図所見が脚ブロックの場合の対応につづき、今回はどんな心電図所見を確認したらより精査が必要なのか考えていきます。健康診断で非特異的ST-T異常はよく見受けられますが、「他に疾患のない30歳女性」と「高血圧を有する45歳男性」ではその対応どうなるのでしょうか?第15回「Q.精査・治療の必要な心室期外収縮とは?」健康診断などでも見かけることも多い心室期外収縮。基本的には様子をみることで良いのですが、中には治療を要する重篤な疾患が隠れているケースもあります。渡辺先生が推奨する要コンサルティングのケースは3つです。1つは、心疾患ゆえに心室期外収縮を生じているとき。この判定は、心電図が正常なら心疾患なしと考えて良いということになります。残り2つはどんなケースでしょうか?一つずつ、確認していきましょう。第16回「Q.抗不整脈薬使用の最近のトレンドは?」様々にある抗不整脈薬ですが、プライマリ・ケア医が治療で使うにはどの薬がよいのでしょうか?衝撃的な試験結果となったCAST試験からPVC、SVPCに対して抗不整脈を投与する時代ではなくなりましたが、他の不整脈に対してはどうでしょうか。不整脈の種類ごとに現在本流になりつつある治療法(アブレーション、除細動器など)をふまえながら、抗不整脈薬の適応は、どのような不整脈の時なのか考えていきます。

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クッシング病〔CD : Cushing's disease〕

1 疾患概要■ 概念・定義クッシング症候群は、副腎からの慢性的高コルチゾール血症に伴い、特異的・非特異的な症候を示す病態である。高コルチゾール血症の原因に副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)が関与するか否かで、ACTH依存性と非依存性とに大別される。ACTH非依存性クッシング症候群では、ACTHとは無関係に副腎(腺腫、がん、過形成など)からコルチゾールが過剰産生される。ACTH依存性クッシング症候群のうち、異所(非下垂体)性ACTH産生腫瘍(肺小細胞がんやカルチノイドなど)からACTHが過剰分泌されるものを異所性ACTH症候群、ACTH産生下垂体腺腫からACTHが過剰分泌されるものをクッシング病(Cushing's disease:CD)と呼ぶ。■ 疫学わが国のクッシング症候群患者数は1,100~1,400人程度と推定されているが、その中で、CD患者は約40%程度を占めると考えられている。発症年齢は40~50代で、男女比は1:4程度である。■ 病因ACTH産生下垂体腺腫によるが、大部分(90%以上)は腫瘍径1 cm未満の微小腺腫である。ごくまれに、下垂体がんによる場合もある。■ 症状高コルチゾール血症に伴う特異的な症候としては、満月様顔貌、中心性肥満・水牛様脂肪沈着、皮膚線条、皮膚のひ薄化・皮下溢血や近位筋萎縮による筋力低下などがある。非特異的な徴候としては、高血圧、月経異常、ざ瘡(にきび)、多毛、浮腫、耐糖能異常や骨粗鬆症などが挙げられる(表)。一般検査では、好中球増多、リンパ球・好酸球減少、低カリウム血症、代謝性アルカローシス、高カルシウム尿症、高血糖、脂質異常症などを認める。■ 分類概念・定義の項を参照。■ 予後治療の項を参照。2 診断 (検査・鑑別診断も含む)高コルチゾール血症に伴う主症候が存在し、早朝安静(30分)空腹時採血時の血中コルチゾール(および尿中遊離コルチゾール)が正常~高値を示す際に、クッシング症候群が疑われる。さらに、同時採血時の血中ACTHが正常~高値(おおむね10 pg/mL以上)の場合は、ACTH依存性クッシング症候群が疑われる(表)。次にACTH依存性を証明するためのスクリーニング検査を行う。(1)一晩少量(0.5 mg)デキサメタゾン抑制試験にて翌朝の血中コルチゾール値が5μg/dL以上を示し、さらに、(2)血中コルチゾール日内変動の欠如(深夜睡眠時の血中コルチゾール値が5μg/dL以上)、(3)DDAVP試験に対するACTH反応性(前値の1.5倍以上)の存在(例外:異所性ACTH症候群でも陽性例あり)、(4)深夜唾液中コルチゾール値(わが国ではあまり普及していない)高値(1)は必須で、さらに(2)~(4)のいずれかを満たす場合は、ACTH依存性クッシング症候群と考えられる。ここで、偽性クッシング症候群(うつ病・アルコール多飲)は除外される。次に、CDと異所性ACTH症候群との鑑別のための以下の確定診断検査を行う。(1)CRH試験に対するACTH反応性(前値の1.5倍以上)の存在(例外:下垂体がんや巨大腺腫の場合は反応性欠如例あり、一方、カルチノイドによる異所性ACTH症候群の場合は反応例あり)(2)一晩大量(8mg)デキサメタゾン抑制試験にて、翌朝の血中コルチゾール値の前値との比較で半分以下の抑制(例外:巨大腺腫や著明な高コルチゾール血症の場合は非抑制例あり、一方、カルチノイドによる異所性ACTH症候群の場合は抑制例あり)(3)MRI検査にて下垂体腫瘍の存在以上の3点が満たされれば、ほぼ確実であると診断される。しかしながら、CDは微小腺腫が多いことからMRIにて腫瘍が描出されない症例が少なからず存在する。その一方で、健常者でも約10%で下垂体偶発腫瘍が認められることから、CDの確実な診断のためにさらに次の検査も行う。(4)選択的静脈洞血サンプリング(海綿静脈洞または下錐体静脈洞)を施行する。血中ACTH値の中枢・末梢比が2以上(CRH刺激後は3以上)の場合は、CDと診断される。3 治療 (治験中・研究中のものも含む)■ 外科的療法CD治療の第一選択は、経蝶形骨洞下垂体腺腫摘出術(trans-sphenoidal surgery:TSS)であるが、手術による寛解率は60~90%と報告されている。完全に腫瘍が摘出されれば術後の血中ACTH・コルチゾール値は測定感度以下となり、ヒドロコルチゾンの補充が6ヵ月~2年間必要となる。術後の血中ACTH・コルチゾール値が高値の場合は腫瘍の残存が疑われ、正常範囲内の場合でも再燃する場合が多いために注意が必要である。術後の非寛解例・再発例は、各々10%程度存在すると考えられている。手術不能例や術後の残存腫瘍に対しては、ガンマナイフやサイバーナイフを用いた定位放射線照射を行う。効果発現までには長期間かかるため、薬物療法との併用が必要である。また、従来の通常分割外照射ほどではないが、長期的には下垂体機能低下症のリスクが存在する。■ 薬物療法薬物療法は、下垂体に作用するものと副腎に作用するものに大別される。1)下垂体に作用する薬剤下垂体腺腫に作用してACTH分泌を抑制する薬剤としては、ドパミン受容体作動薬[ブロモクリプチン(商品名:パーロデル)やカベルゴリン(同:カバサール)]、セロトニン受容体拮抗薬[シプロヘプタジン(同:ペリアクチン)]、持続性ソマトスタチンアナログ[オクトレオチド(同:サンドスタチンほか)]やバルプロ酸ナトリウム(同:デパケンほか)などが使用されるが、有効例は20%未満と少ない。2)副腎に作用する薬剤副腎に作用する薬剤としてはメチラポン(同:メトピロン)やミトタン(同:オペプリム)が用いられる。とくに11β‐水酸化酵素阻害薬であるメチラポンは、高コルチゾール血症を短時間で確実に低下させることから、術前例も含めて頻用される。以前、同薬剤は、診断薬としてのみ認可されていたが、2011年からは治療薬としても認可されている。ミトタンは80%以上の有効性が報告されているが、効果発現までの期間が長く、副腎皮質を不可逆的に破壊することから、使用には注意が必要である。初回のTSSで寛解した場合の予後は良好であるが、腫瘍残存例や再発例は、高コルチゾール血症に伴う感染症、高血圧、糖尿病、心血管イベントなどのため、長期予後は不良である。4 今後の展望CD患者の長期予後改善のためには、下垂体に作用する新規薬剤の開発・実用化が急務と考えられる。近年、5型ソマトスタチン受容体に親和性の高い新規ソマトスタチンアナログSOM230(pasireotide)が開発されたが、わが国では治験中であり、まだ使用開始となっていない。また、最近では、レチノイン酸の有効性も報告されており、今後の臨床応用が期待される。5 主たる診療科内分泌代謝内科、脳神経外科※ 医療機関によって診療科目の区分は異なることがあります。6 参考になるサイト(公的助成情報、患者会情報など)診療、研究に関する情報厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患克服研究事業 間脳下垂体機能障害に関する調査研究班(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)難病情報センター クッシング病(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)

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重度狭窄部への予防的PCIが予後改善/NEJM

 ST上昇型急性心筋梗塞(STEMI)患者への救急時の経皮的冠動脈インターベンション(PCI)において、梗塞部に加え重度狭窄部への予防的PCIを施行することは、重大心血管イベントリスクを有意に低下することが、英国・ロンドン大学クイーンメアリー校のDavid S. Wald氏らによる無作為化試験PRAMIの結果、示された。これまで同患者における梗塞部へのPCI施行が予後を改善することは明らかであったが、予防的PCIの予後改善効果は不明であった。NEJM誌オンライン版2013年9月1日号掲載の報告より。予防的PCI群と非予防的PCI群を比較し予後改善を評価 PRAMI試験は2008~2013年の間、英国内5つの医療施設で行われた。465例のSTEMI(3例は左脚ブロック患者)で梗塞部PCIを受けた患者を登録し、予防的PCI群(234例)または非予防的PCI群(梗塞部のみにPCI施行、231例)に無作為に割り付けて行われた。 主要アウトカムは、心臓関連死・非致死的心筋梗塞・難治性狭心症の複合とし、intention-to-treat解析にて評価した。予防的PCI群の複合アウトカム発生ハザード比0.35 試験は2013年1月までに、データおよび安全性モニタリング委員会によって結果が確定的であるとみなされ、試験の早期中止が勧告された。平均追跡期間は23ヵ月であった。 同期間中の主要アウトカムの発生は、予防的PCI群21例に対し、非予防的PCI群は53例であった。イベント発生率に換算するとそれぞれ100患者当たり9例、23例の発生に相当した(予防的PCI群のハザード比:0.35、95%信頼区間[CI]:0.21~0.58、p<0.001)。 主要複合アウトカムの3つの死亡について個別にみると、心臓関連死亡は0.34(95%CI:0.11~1.08、p=0.07)、非致死的心筋梗塞0.32(同:0.13~0.75、p=0.009)、難治性狭心症0.35(同:0.18~0.69、p=0.002)だった。 これらの結果について、事前規定の5つの共変量(年齢、性、糖尿病の有無、梗塞部位、狭窄を有する冠動脈数)、試験施設の影響はなかった。

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1位ブルーベリー、2位ブドウ、3位リンゴ:糖尿病の発症リスクが低いフルーツ/BMJ

 果物摂取と2型糖尿病リスクとの関連性について、果物の種類によって差があること、また果物そのものよりもジュースのほうがリスクは高いことが、米国・ハーバード大学公衆衛生学部のIsao Muraki氏らの検討で明らかとなった。多くの慢性疾患の一次予防で果物の摂取が推奨されているが、疫学調査では2型糖尿病に関して相反する結果の報告があるという。これらの不一致は、果物の種類や被験者の背景因子などの違いで説明可能とされるが、その検証は十分には行われていなかった。BMJ誌オンライン版2013年8月28日号掲載の報告。10種の果物につき、約18万8,000人の医療従事者のデータを解析 研究グループは、果物の種類によって2型糖尿病の発症リスクが異なるかを検証するために、医療従事者を対象とした3つの大規模な縦断的前向きコホート試験のデータの解析を行った。 Nurses’ Health Study(1984~2008年)、Nurses’ Health Study II(1991~2009年)、Health Professionals Follow-up Study(1986~2008年)の参加者のうち、ベースライン時に慢性疾患(2型糖尿病、心血管疾患、がん)がみられなかった者を対象とし、それぞれ6万6,105人(女性)、8万5,104人(女性)、3万6,173人(男性)について解析を行った。 食品摂取頻度質問票を用いて、標準的な1食分(1サービング)の果物(10種)の摂取状況を調査した。被験者は、9つの選択肢(「まったく食べないか、<1食/月」から「≧6食/日」まで)から1つを選んで回答した。ジュースはリンゴ、オレンジ、グレープフルーツなどについて調査した。 2型糖尿病の診断を受けたと答えた被験者には、症状、検査値、糖尿病治療薬に関する補足的な質問票を送付し、その回答に基づいて診断を確定した。ブルーベリー、ブドウ、リンゴに予防効果 346万4,641人年当たり1万2,198人が2型糖尿病を発症した。果物の総摂取量で5群(<4食/週、4〜6食/週、1食/日、2食/日、≧3食/日)に分けて解析したところ、摂取量の増加と2型糖尿病リスクの低下には相関が認められ、3食/週増加するごとにリスクが有意に低下した(調整統合ハザード比[HR]:0.98、95%信頼区間[CI]:0.96~0.99、p=0.002)。年齢で調整すると、すべてのコホートで個々の果物の摂取と2型糖尿病リスクとの逆相関の関連が認められた(p<0.001)。 個々の果物で相互調整を行い、それぞれ摂取量で5群(<1食/月、1〜3食/月、1食/週、2〜4食/週、≧5食/週)に分け、3食/週増加するごとの糖尿病リスクのHRを算出した。結果は、HRが低い順(糖尿病リスクの低下が大きい順)に下記のとおりで、ブルーベリー、ブドウ・干しブドウ、リンゴ・洋梨、グレープフルーツで糖尿病リスクの有意な低下が認められた。バナナとイチゴには、3つの試験間に有意な異質性がみられた(それぞれp<0.001、p=0.01)。 ブルーベリー0.74(95%CI:0.66~0.83、p<0.001)、ブドウ・干しブドウ0.88(同:0.83~0.93、p<0.001)、プルーン0.89(同:0.79~1.01、p=0.07)、リンゴ・洋梨0.93(同:0.90~0.96、p<0.001)、バナナ0.95(同:0.91~0.98、p=0.002)、グレープフルーツ0.95(同:0.91~0.99、p=0.02)、桃・プラム・アプリコット0.97(同:0.92~1.02、p=0.21)、オレンジ0.99(同:0.95~1.03、p=0.68)、イチゴ1.03(同:0.96~1.10、p=0.46)、メロン(カンタロープ)1.10(同:1.02~1.18、p=0.01)。 果物ジュースについては、摂取量が3食/週増加するごとに、2型糖尿病リスクが有意に増加した(HR:1.08、95%CI:1.05~1.11、p<0.001)。3食/週のジュースを同量の果物に換算すると、2型糖尿病リスクが7%低下し、個々の果物ではブルーベリーで33%、ブドウ・干しブドウで19%、リンゴ・洋梨で14%、バナナで13%、グレープフルーツで12%低下した。 著者は、「ブルーベリー、ブドウ、リンゴの摂取量が多いほど2型糖尿病リスクが低下するのに対し、ジュースの摂取量が多いとリスクは高くなることも示唆された」とまとめ、「果物の種類によるリスクの違いには、グリセミック指数(GI)やグリセミック負荷(GL)との関連はなかった」と指摘している。

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糖尿病患者の冠動脈疾患リスクを高める遺伝的要因を特定/JAMA

 冠動脈性心疾患(CHD)との関連が、2型糖尿病の人では有意だが、それ以外の人では関連が認められない一塩基多型(SNP)rs10911021の存在が、米国・ハーバード公衆衛生大学院のLu Qi氏らによるゲノムワイド解析の結果、確認された。同SNPは、グルタミン酸の代謝に関与しており、その作用機序的結びつきも明らかになったという。糖尿病ではCHDリスクが高く、先行研究において、糖尿病の人には特有の心血管リスクを高める遺伝的要因があるのではないかと示唆されていた。JAMA誌2013年8月28日号掲載の報告より。遺伝子異型は254万3,016個をゲノム解析 研究グループは、糖尿病患者に特有なCHDの遺伝的要因を特定することを目的に、ゲノムワイド解析を行った。Nurses' Health Study(NHS、登録開始1976年、2008年まで追跡)、Health Professionals Follow-up Study(HPFS、同1986年、2008年)、Joslin Heart Study(2001~2008年に登録)、Gargano Heart Study(同)、Catanzaro Study(2004~2010年に登録)から、5つの独立したCHD症例群と非CHD対照群のセットについて検討した。 解析には、CHD症例1,517例と非CHD対照2,671例が組み込まれた。全例が2型糖尿病を有していた。また、それら糖尿病群について、NHSとHPFSのコホートから抽出した非糖尿病CHD症例737例、非糖尿病非CHD対照1,637例との比較も行った。検討された遺伝子異型は254万3,016個であった。 主要評価項目のCHDは、致死的または非致死的心筋梗塞、冠動脈バイパス術(CABG)、経皮的冠動脈形成術(PTCA)、血管造影で確認した冠動脈の有意な狭窄と定義した。内皮細胞のグルタミン酸代謝機能を32%低減する糖尿病患者に特有なSNP 結果、糖尿病患者には一貫して染色体1q25の異型(rs10911021)とCHDリスクとの関連が認められた。症例群対対照群のリスク対立遺伝子頻度は、0.733対0.679(オッズ比:1.36、95%信頼区間[CI]:1.22~1.51、p=2×10-8)だった。 同異型とCHDとの関連は、非糖尿病患者の比較検討では検出されなかった。同頻度は0.697対0.696(オッズ比:0.99、95%CI:0.87~1.13、p=0.89)だった(CHDリスクに関する遺伝子×糖尿病の相互作用はp=2×10-4と有意)。 rs10911021リスク対立遺伝子ホモ接合体は、保護的対立遺伝子ホモ接合体と比較して、ヒト内皮細胞における隣接グルタミン酸塩アンモニア・リガーゼ(GLUL)遺伝子の発現を32%減少するという特徴を有していた。また、γ-グルタミルサイクル中間体のピログルタミン酸とグルタミン酸の血漿中比も、リスク対立遺伝子ホモ接合体において減少することが示された。 これらの所見から著者は、「糖尿病以外の患者にはないが、糖尿病患者においてCHDとの関連が有意なSNP、rs10911021が確認された。また同SNPについて、グルタミン酸の代謝機能に関与していることが作用機序的結びつきによって確認された」と結論している。

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降圧目標到達率を44%から87%までに改善したプログラム/JAMA

 米国・北カリフォルニア・カイザーパーマネンテ(KPNC)が2001年に開発導入した、大規模集団高血圧プログラムの実施状況を分析した報告が、KPNC南サンフランシスコメディカルセンターのMarc G. Jaffe氏らにより発表された。2009年時点の分析で、州や国が行うプログラムに比べると、KPNC高血圧プログラム下で血圧コントロールを受ける高血圧患者の割合は有意に増大したことが示されたという。Jaffe氏は本報告で、同プログラム開発の経緯と変遷、プログラムのキー要素について報告している。JAMA誌2013年8月21日号掲載の報告より。高血圧コントロール率について、州および全米とで比較 KPNCは非営利の総合医療サービス提供機構で、21の病院と45の関連医療施設を有し7千人超の医師が230万人以上の加入者に医療サービスを提供している。同組織が2001年に高血圧プログラムを開発した背景には、当時、50歳以上の患者に有効な高血圧治療があるにもかかわらず、血圧コントロールを受けている人は半数以下という状況があり、質的改善を図った高血圧プログラムを開発した。新たなプログラムは、多面的アプローチで血圧コントロールを図ることを特徴とするものであった。 本検討では、同プログラムの実施状況を評価するため、高血圧コントロール率の変化を調べ、また、カリフォルニア州および全米の同値と比較した。評価は、全米品質保証委員会(NCQA)の認証評価ツール(HEDIS)によって同率を測定したNCQA HEDISコマーシャル率で行った。実施状況を有意に増大したプログラムのキー要素 KPNCの高血圧レジストリ患者数は、2001年の開設時は34万9,937例であったが、2009年には65万2,763例へと増加していた。登録者の平均年齢は63歳、45~85歳が大半を占め、半数以上が女性であり、糖尿病を有している人が多くみられ有病率は2001年25.6%から2009年28.5%に増えていた。 そうした中で、NCQA HEDISコマーシャル率でみた、KPNCの高血圧コントロール率は、2001年43.6%(95%信頼区間[CI]:39.4~48.6%)から2009年80.4%(同:75.6~84.4%)へと有意に増大していた(傾向のp<0.001)。なお、2010年83.7%、2011年87.1%と同率はさらに上昇しているという。 対照的に、同一期間中の全米の同値は、55.4%から64.1%への増加で有意性はみられなかった(傾向のp=0.24)。カリフォルニア州について入手できた同値は2006~2009年の変遷であったが、同様に増加は有意ではなかった(63.4%から69.4%へ増加、p=0.37)。 これらの結果を踏まえて著者は「大規模集団プログラムの実施状況は、州や国のコントロール率と比べると有意な増大が認められた」と報告。プログラムのキー要素として、総合的な高血圧レジストリの設定(2001年)、NCQA HEDISに即したパフォーマンス測定基準の開発・共有(2001年)、エビデンスベースのガイドライン(4ステップの血圧コントロールアルゴリズム、2001年に開発し2年ごとにアップデート)、医療補助者(medical assistant)によるフォローアップ訪問(2007年より、薬物療法後2~4週後に訪問して血圧を測定、医師に報告しその後の治療方針を作成するシステムで、患者への追加料金なし)、合剤治療の推進(2005年より、リシノプリル/ヒドロクロロチアジド合剤推奨を治療開始時のオプションまたはステップ2の治療戦略としてガイドラインに明記)などを挙げている。

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アログリプチン、心血管系イベントリスクを高めず

 武田薬品工業株式会社は、2013年9月2日、欧州心臓病学会(European Society of Cardiology)において、2型糖尿病治療剤アログリプチンの心血管への安全性を評価したEXAMINE試験※の結果概要を発表した。 本試験の結果から、急性冠症候群を発症した患者群における心血管系イベントの再発リスクについて、標準治療に本剤を追加した場合、追加しない標準治療群と比較してイベントを増加させず、主要評価項目において非劣性が証明された。なお、この結果については医学雑誌New England Journal of Medicineに掲載された。※EXAMINE試験: EXamination of CArdiovascular OutcoMes:AlogliptIN vs. Standard of CarE in Patients with Type 2 Diabetes Mellitus and Acute Coronary Syndrome詳細はプレスリリースへ

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若年者への抗精神病薬投与、2型糖尿病リスクが3倍に

 抗精神病薬を処方された小児および若年者の2型糖尿病リスクは、その他の向精神薬の使用者に比べ3倍高く、用量依存的にリスクが高まることが、米国・ヴァンダービルト大学のWilliam V. Bobo氏らによる後ろ向きコホート研究の結果、報告された。JAMA Psychiatry誌オンライン版2013年8月21日号の掲載報告。 小児および若年者への抗精神病薬の処方が増加しているが、それが2型糖尿病のリスクを高めるのではないかとの懸念が強まっている。Bobo氏らは、抗精神病薬による治療を最近開始した6~24歳の小児および若年者の2型糖尿病リスクを、患者背景をマッチさせたコントロール(別の向精神薬による治療を開始)と比較することを目的に、後ろ向きコホート研究を実施した。対象はTennessee Medicaid programに参加した患者で、内訳は抗精神病薬を開始した患者が2万8,858例、コントロールが1万4,429例であった。糖尿病あるいは統合失調症と診断されたことのある例、認識している治療が抗精神病薬のみであった例は除外した。主要アウトカムは、診断および糖尿病治療薬の処方に基づき、観察期間中に新規に確認された糖尿病とした。 主な結果は以下のとおり。・抗精神病薬使用者は、2型糖尿病のリスクが3倍高く(HR :3.03、95%CI:1.73~5.32)、観察開始後1年以内のリスクが顕著であった(同:2.49、1.27~4.88)。・抗精神病薬の累積投与量(クロルプロマジン換算)に伴い2型糖尿病リスクは上昇し、投与量5g以上におけるハザード比は2.13(95%CI:1.06~4.27)、5~99gでは3.42(同:1.88~6.24)、100g以上では5.43(同:2.34~12.61)であった(p<0.04)。・抗精神病薬の投与中止後も、リスクは1年間にわたり上昇し続けた(HR:2.57、95%CI:1.34~4.91)。・コホートを6~17歳の小児に限定すると、抗精神病薬使用者の2型糖尿病リスクは3倍を超え(HR:3.14、95%CI:1.50~6.56)、累積投与量の増加に伴いリスクの有意な上昇が認められた(p<0.03)。・2型糖尿病リスクの増大には、非定型抗精神病薬の使用(HR:2.89、95%CI:1.64~5.10)、リスペリドンの使用(同: 2.20、1.14~4.26)が関連していた。関連医療ニュース 抗精神病薬治療中の若者、3割がADHD 大うつ病性障害の若者へのSSRI、本当に投与すべきでないのか? 検証!抗精神病薬使用に関連する急性高血糖症のリスク

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統合失調症患者、合併症別の死亡率を調査

 統合失調症は、重大な併存疾患と死亡を伴う主要な精神病性障害で、2型糖尿病および糖尿病合併症に罹患しやすいとされる。しかし、併存疾患が統合失調症患者の超過死亡につながるという一貫したエビデンスはほとんどない。そこで、ドイツ・ボン大学のDieter Schoepf氏らは、一般病院の入院患者を対象とし、統合失調症の有無により併存疾患による負担や院内死亡率に差異があるかどうかを調べる12年間の追跡研究を行った。European Archives of Psychiatry and Clinical Neuroscience誌オンライン版2013年8月13日号の掲載報告。統合失調症の併存疾患の大半は糖尿病合併症またはその他の環境因子に関与 対象は、2000年1月1日から2012年6月末までにマンチェスターにある3つのNHS一般病院に入院した成人統合失調症患者1,418例であった。1%以上の発現がみられたすべての併存疾患について、年齢、性別を適合させたコントロール1万4,180例と比較検討した。多変量ロジスティック回帰解析により、リスク因子(例:院内死亡の予測因子としての併存疾患など)を特定した。 統合失調症の併存疾患を比較検討した主な結果は以下のとおり。・統合失調症患者はコントロールに比べ緊急入院の割合が高く(69.8 vs. 43.0%)、平均入院期間が長く(8.1 vs. 3.4日)、入院回数が多く(11.5 vs. 6.3回)、生存期間が短く(1,895 vs. 2,161日)、死亡率は約2倍であった(18.0 vs. 9.7%)。 ・統合失調症患者では、うつ病、2型糖尿病、アルコール依存症、喘息、COPDに罹患していることが多く、併存疾患としては23種類も多かった。また、これらの大半は糖尿病合併症またはその他の環境因子に関与していた。・これに対し、高血圧、白内障、狭心症、脂質異常症は統合失調症患者のほうが少なかった。・統合失調症患者の死亡例において、併存疾患として最も多かったのは2型糖尿病で、入院中の死亡の31.4%を占めていた(試験期間中、2型糖尿病を併発している統合失調症患者の生存率はわずか14.4%であった)。・統合失調症患者においては、アルコール性肝疾患(OR:10.3)、パーキンソン病(OR:5.0)、1型糖尿病 (OR:3.8)、非特異的な腎不全(OR:3.5)、虚血性脳卒中(OR:3.3)、肺炎(OR:3.0)、鉄欠乏性貧血(OR:2.8)、COPD(OR:2.8)、気管支炎(OR:2.6)などが院内死亡の予測因子であることが示された。・コントロールとの比較において、統合失調症患者の高い死亡率に関連していた併存疾患はパーキンソン病のみであった。パーキンソン病以外の併存疾患に関しては、統合失調症の有無による死亡への影響に有意差は認められなかった。・統合失調症患者の死亡例255例におけるパーキンソン病の頻度は5.5%、試験期間中に生存していた1,163例におけるパーキンソン病の頻度は0.8%と、統合失調症患者の死亡例で有意に多かった(OR:5.0)。・また、統合失調症死亡例はコントロール死亡例に比べ、錐体外路症状の頻度が有意に高かった(5.5 vs. 1.5%)。・12年間の追跡調査により、統合失調症患者はコントロールに比べて多大な身体的負担を有しており、このことが不良な予後と関連していることが判明した。・以上のことから、統合失調症において、2型糖尿病および呼吸器感染症を伴うCOPDの最適なモニタリングと管理は、鉄欠乏性貧血、糖尿病細小血管障害、糖尿病大血管障害、アルコール性肝疾患、錐体外路症状の的確な発見ならびに管理と同様に細心の注意を払う必要がある。関連医療ニュース 検証!抗精神病薬使用に関連する急性高血糖症のリスク 抗精神病薬によるプロラクチン濃度上昇と関連する鉄欠乏状態 抗精神病薬と抗コリン薬の併用、心機能に及ぼす影響

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オランザピン服用患者の一部で認められる糖尿病などの代謝異常、原因が明らかに:京都大学

 オランザピン服用患者の一部で認められる、体重増加を伴わない脂質異常症や糖尿病の原因について、オランザピンがインスリン分泌を制御する膵β細胞のアポトーシスを引き起こしている可能性があることを、京都大学大学院理学研究科教授・森 和俊氏らが明らかにした。Cell Structure and Function誌2013年第2号の掲載報告より。オランザピンは一部の患者において糖尿病などの代謝異常を引き起こす 統合失調症患者の症状軽減のためにさまざまな薬物投与が行われるが、いくつかの有効な第2世代(非定型)抗精神病薬、とくにオランザピンは一部の患者において、肥満や脂質異常、糖尿病を引き起こす。一般的にオランザピンは、肥満を誘発し、その後インスリン抵抗性が引き起こされることによって糖尿病発症に関与すると考えられているが、森氏らはインスリン分泌を制御する膵β細胞への直接的な薬物作用を、オランザピンほかリスペリドン、その他の非定型抗精神病薬についてハムスターを用いて調べた。また、その際に細胞への悪影響(ストレス)を生じさせる小胞体(ER)ストレスの喚起が認められるかについて、ERストレスセンサー分子PERKの低活性をエビデンスとして調べた。オランザピンによる膵β細胞の損傷が好ましくない代謝の影響に関与 得られた主な知見は以下のとおり。・オランザピン治療細胞でのみ、アポトーシスの誘発が認められた。・オランザピン治療細胞においては、PERK仲介翻訳減衰が選択的に損傷を受けており、そのためにERストレスの持続がみられた。・インスリン分泌は顕著に阻害されていた。そして、プロインスリンとインスリンがいずれもオランザピン治療細胞に蓄積していた。・蛋白質合成抑制とインスリンmRNAのノックダウンにより、それ以後はオランザピン誘発のアポトーシスは減弱した。・以上から、オランザピンを服用する患者の一部で、体重増加することなく高脂血症と高血糖が臨床的に認められることについて、オランザピン治療による膵β細胞への損傷が好ましくない代謝の影響に関与している可能性が示唆された。関連医療ニュース 非定型抗精神病薬治療、忍容性の差を検証 抗精神病薬多剤併用による代謝関連への影響は? 第二世代抗精神病薬によるインスリン分泌障害の独立した予測因子は

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