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待機手術を受けた患者の3%が90日以上のオピオイド投与が必要だった/BMJ

 主要待機的手術を受けたオピオイド未使用患者のうち、約3%が術後90日間オピオイドを継続使用していたことが、カナダ・トロント総合病院のHance Clarke氏らによる住民ベースの後ろ向きコホート研究の結果、報告された。低年齢、低所得、糖尿病などを有するといった患者の特性や術式による長期オピオイド使用の傾向も明らかになり、著者は「今回の所見は、オピオイド治療を長期化させない患者群を特定し介入する根拠となるものだ」とまとめている。BMJ誌オンライン版2014年2月11日号掲載の報告より。66歳以上のオピオイド術前未使用患者3万9,140例について分析 本検討において研究グループは、オピオイド未使用で主要待機的手術を受ける患者の、術後長期オピオイド使用の発生率とリスク因子を明らかにすることを目的とした。 2003年4月1日~2010年3月31日の間に、カナダ・オンタリオ州の急性期病院で同手術(解剖学的部位として心臓、胸部、腹部、骨盤)を受けた66歳以上のオピオイド未使用患者3万9,140例を対象とした。 主要評価項目は、退院後オピオイド使用の継続(術後90日超、オピオイドが外来処方されていた患者と定義)であった。長期処方患者の傾向およびリスクの高い手術・術式も判明 3万9,140例のうち、退院後もオピオイドが処方されていた患者は49.2%(1万9,256例)であった。術後90日超処方されていたのは、3.1%(1,229例)であった。 多変量ロジスティック回帰モデルによるリスク補正後、低年齢、低所得世帯、特定の併存疾患(糖尿病、心不全、肺疾患)、術前に服用していた特定の薬物(ベンゾジアゼピン系、SSRI、ACE阻害薬)が、長期オピオイド使用の高リスクと関連していた。 手術手技のタイプにも、長期オピオイド使用との高い関連性が示された。Open法の根治的前立腺全摘除術を参照群として比較した結果、Open法および低侵襲法の胸部手術(肺切除)は有意にリスクが高かった。同オッズ比は、それぞれ2.85(95%信頼区間[CI]:2.03~3.28)、1.95(同:1.36~2.78)だった。対照的に、Open法および低侵襲法の主要婦人科系手術は有意にリスクが低かった。同オッズ比は、それぞれ0.73(同:0.55~0.98)、0.45(同:0.33~0.62)だった。

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13)夜間のこむら返りで悩んでいる人へのアドバイス【糖尿病患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話患者夜中に「足がつる」ことがあるんですけど、これは糖尿病の合併症ですか?医師こむら返りですね。これは糖尿病や肝臓が悪い人、肝硬変の人ではよく起こることが知られています。患者そうすると、糖尿病が悪くなっているということですか?医師そうですね。・・・もちろん、運動不足もあるかもしれませんが、運動神経に障害が出ると起こりやすいことが知られています。患者どうしたら、よくなりますか?医師まずは血糖コントロールをよくすること、次が運動ですね。患者わかりました。明日から運動してみます。医師とくに、寝る前にやるといいストレッチがありますから、ぜひ、試してみてください。患者どんな方法ですか? 教えてください。(興味津々)●ポイント自覚症状のある「こむら返り」から、運動療法に話が発展するといいですね

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糖尿病患者のトータルケアを考える

 2014年2月19日(水)都内にて、糖尿病患者の意識と行動についての調査「T-CARE Survey」を題材にセミナーが開かれた(塩野義製薬株式会社 開催)。演者である横浜市立大学の寺内 康夫氏(分子内分泌・糖尿病内科学 教授)は、患者が治療に前向きに取り組むためには「治療効果の認識」「症状の理解」が重要と述べ、患者の認知・理解度に応じて個々に合ったアプローチをすべき、と述べた。 T-CAREとは 「塩野義製薬が考える“糖尿病患者さまのトータルケア”」を意味する名称とのこと。以下、セミナーの内容を記載する。【糖尿病患者の3割が治療ストレスを感じている】 『糖尿病患者の約30%が治療を続けることにストレスを感じている』これは、糖尿病患者の意識と行動を把握するためのインターネット調査「T-CARE Survey」の結果である。「T-CARE Survey」は全国の20代~60代の男女を対象に2013年10月に実施されたインターネット調査で、一般回答者2万254名、糖尿病患者3,437名の回答が得られている。その結果、糖尿病患者は高血圧や脂質異常症と比較してストレスを感じやすく、そのストレス度合いは、喘息やアレルギーなどの自覚症状がある疾患と同程度であることが明らかになった。糖尿病は症状が少ないにもかかわらず、患者さんはストレスや不安を感じやすいことから、リスクケアのみならず、生活環境や心理的不安も見据えたトータルケアが必要と考えられる。【心配事・不満の上位は、『合併症の不安』】 糖尿病患者は何に不安を感じているのだろうか。患者さんの心配事や不満の上位は「透析になるのが怖い」「失明するのが怖い」といった「合併症の不安」であった。また約1割が「足のしびれや痛みが我慢できない」と感じていることも明らかにされた。寺内氏は、この結果を基に「患者さんに医療機関との接点を持ち続けてもらう、つまり続けて通ってもらうことが不安解消にも重要」と述べた。【治療継続には『病状理解』と『治療効果の認識』】 では、患者さんに治療を続けてもらうにはどうすべきか。今回の調査では「糖尿病患者の治療モチベーションに関する検証」も行われた。糖尿病の知識、治療への評価、周囲との関係性といったいくつかの項目を仮説として設定し、重回帰分析等を用いて検証を行った結果、「自分の病状の理解」「治療効果の認識・理解」の2項目が治療モチベーション向上に寄与していることが明らかになった。医師やスタッフの説明を通じて患者さんに病状を理解してもらい、効果を認識させることが治療にも有用なようだ。【メディカルスタッフへの相談も有用】 患者さんが糖尿病疾患について相談する相手をみると、医師が83%、配偶者・パートナーが52.8%であった。一方、看護師・薬剤師・管理栄養士といったメディカルスタッフへの相談はいずれも30%未満であり、まだまだ少ないといえる。しかし、メディカルスタッフに相談している患者は相談していない患者に比べ、前向きに治療に取り組む割合が高いこともわかっており、チームサポートの重要性がうかがえる。【糖尿病療養指導士を要としたコミュニティサポート推進が望まれる】 患者さんの家庭環境はどうだろうか。「家族が治療やケアに協力してくれる」という回答は56.4%であった。家族ケア有りの場合、前向きに治療に取り組む割合は高く、医療従事者側も家族によるサポートを促すことができる。しかし、一人暮らしの高齢世帯の増加を鑑みると、今後は家族のみならず、地域のコミュニティによるサポートが推進されていくことを期待したい。自身が日本糖尿病療養指導士認定機構の役員を務める寺内氏は、今後、介護施設や在宅医療スタッフの中に糖尿病療養指導士の資格を持つ方が増え、地域のコミュニティサポートが推進されていくことを期待したい、と述べた。【編集後記】 講演の最後に寺内氏は、「トータルケアの実践には患者をタイプ分類し、タイプ別のアプローチを工夫することが有用」と述べた。タイプ別アプローチ方法が確立し、治療に不満を抱く方や疾患を放置する患者さんが、治療に前向きに取り組めるようになることを期待したい。

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双極性障害、男女間で肥満割合に違いあり

 カナダ・クイーンズ大学のAnusha Baskaran氏らは、双極性障害(BD)における肥満の性差とその背景因子について、論文レビューを行った。その結果、BD女性は、BD男性および一般集団の男女と比較して、腹部肥満の割合が高いことを報告した。性別に基づく多彩な要因が、BD女性の肥満を促進していたことも判明した。Bipolar Disorders誌2014年2月号の掲載報告。 双極性障害(BD)の女性は、BDの男性および一般集団の男女に比較して心血管疾患(CVD)による標準化死亡比(SMR)が高い。本研究では、このような差異に寄与する要因について検討を行った。1990年9月~2012年6月までに英語で発表された論文について、「双極性障害」「メタボリックシンドローム(性別、肥満、糖尿病、高血圧、脂質異常症を参考)」をキーワードとしてPubMedにて検索を行った。リファレンスリスト中の代表的な論文については、手動でレビューを行って補足した。論文の選択は、著者のコンセンサス、標準化された経験的手法の使用、確証されている評価項目の設定および論文全体の質に基づいた。 主な結果は以下のとおり。・成人BDは一般集団と比較して、メタボリックシンドロームの割合が高かった。・BD女性は、BD男性および一般集団の男女と比較して腹部肥満の割合が高かった。・BDの臨床経過と所見に性差が認められ、女性では、うつ優位な病状の頻度が高く、より晩期のBD発症、気分障害の季節性がみられ、再発しやすいことが判明した。・現象的な要因は、BD患者における合併症の性差にまで拡大する可能性があった。・BD女性の腹部肥満のリスクに寄与し得るその他の因子として、生殖に関する出来事、性的・身体的虐待などの経験、ライフスタイル、医原性などが考えられた。・上記を踏まえて著者は、「BD女性の肥満は、性別に基づく多彩な要因により促進されていることが判明した。一方で、BD女性の腹部肥満の増加が、CVDによるSMRの増加に関与するか否かは、引き続き検討すべき課題である」と結論したうえで、「本レビューから得られた臨床的推奨は、BD女性の肥満増加に関わる因子の現病歴や既往歴に主眼を置くということである」とまとめている。関連医療ニュース 統合失調症女性の妊娠・出産、気をつけるべきポイントは 双極性障害患者の長期健康状態の独立予測因子は肥満 うつ病から双極性障害へ転換するリスク因子は

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膵NETが1.2倍、消化管NETが1.8倍に~神経内分泌腫瘍の全国疫学調査

 神経内分泌腫瘍(neuroendocrine tumor:NET)はまれな腫瘍であるが、患者数は増加している。しかしながら、わが国では2005年からNETの疫学的研究はなされておらず、有病率は不明である。今回、膵および消化管NETの2005年の疫学データを報告している九州大学の伊藤鉄英氏らが、2010年における受療者の全国調査を実施し、疫学的変化を報告した。Journal of gastroenterology誌オンライン版2014年2月6日号に掲載。 主な結果は以下のとおり。■膵NET・2010年の年間受療者数は3,379例で、2005年から1.2倍増加した。・人口10万人当たりの有病患者数は2.69人/年、2010年における新規発症率は10万人当たり1.27人/年と推定された。・非機能性膵NETが65.5%を占め、インスリノーマ(20.9%)とガストリノーマ(8.2%)が続いた。非機能性膵NETの患者数は、2005年から1.8倍に増加した。・最初の診断時、遠隔転移が19.9%に認められた。多発性内分泌腫瘍症1型(MEN-1)との合併が4.3%に認められ、4.0%がMEN-1と合併した非機能性膵NETであった。■消化管NET・2010年の年間推定受療者数は8,088例で、2005年から1.8倍増加した。・人口10万人当たりの有病患者数は6.42人/年、新規発症率は10万人当たり3.51人/年と推定された。・部位は、前腸26.1%、中腸3.6%、後腸70.3%であった。・最初の診断時、遠隔転移が6.0%、MEN-1との合併が0.42%に認められた。・消化管NET症例におけるカルチノイド症候群の頻度は3.2%であった。

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CHD死亡率、10年で約43%低下/BMJ

 英国・グラスゴー大学のJoel W Hotchkiss氏らは、2000~2010年のスコットランドにおける冠動脈性心疾患(CHD)死亡の傾向について分析した。その結果、同期間にCHD死亡は約半減(43%減)しており、背景要因として薬物療法の選択肢が増大したこと、その有益性をスコットランド国民保健サービス(NHS)が社会経済的階級を問わず公正に供給したことがあったと思われたことを報告した。一方で、血圧やその他リスク因子の低下による、かなりの寄与は、肥満や糖尿病の有害性で減弱していたことも判明した。著者は、「次の10年におけるCHD死亡減少と不公正性の解消を図るために、付加的な広域集団への介入を急がなければならない」とまとめている。BMJ誌オンライン版2014年2月6日号掲載の報告より。IMPACTモデルを用いて、CHD死亡低下の要因を定量化 分析は、スコットランドにおけるCHD死亡に対する予防および治療の寄与を定量化することを目的とし、IMPACTSECモデルを用いて後ろ向きに行った。IMPACTモデルは、曝露リスク因子と取り入れた治療の経時的変化の寄与を定量化することで、CHD死亡低下の要因を示すことができるよう著者らが開発したものである。同モデルを用いて、9つの非オーバーラップ患者群の中で最近のCHD死亡低下を、主要心血管リスク因子の変化および40以上の治療の増大へと割り当てるように設計された。 被験者は、スコットランドの25歳超成人で、性別、年齢群、社会経済的指数(Scottish Index of Multiple Deprivation)で5群に層別化した。主要評価項目は、予防または延期された死亡であった。収縮期血圧の低下の寄与は37%、コレステロールや禁煙の寄与が意外に小さい 結果、2010年のCHD死亡は、2000年当時の死亡率が持続した場合に起こりえた件数より5,770件少ない発生であった(予測1万3,813件に対し観察されたのは8,042件)。これはCHD死亡率で約43%(95%信頼区間[CI]:33~61%)の低下(10万当たり262から148に)を示した。低下は治療の改善によるものであり、このベネフィットは5群の階層群全体に平等に認められた。 治療の寄与が顕著であったのは、高コレステロール血症(13%)の一次予防、二次的予防薬(11%)、慢性狭心症治療(7%)であった。 死亡率低下におけるリスク因子の改善の寄与は、約39%(95%CI:28~49%)(5群中最高位群では36%、最低位群では44%であった)。 社会経済的背景を考慮せずに評価した収縮期血圧の低下の寄与は、死亡率低下の3分の1以上(37%)であった。総コレステロール(9%)、喫煙(4%)、運動不足(2%)の改善からの寄与はいずれもわずかであった。加えて、肥満と糖尿病の増大が、これらのベネフィットの一部を相殺し、それぞれ潜在的に4%、8%の死亡率増加をもたらしていた。また糖尿病の死亡増大の寄与には、社会経済的背景により格差があること(5群中最高位群では5%増大、最低位群では12%増大)が示された。

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統合失調症女性の妊娠・出産、気をつけるべきポイントは

 統合失調症の女性の妊娠・出産では、母体および出生児が複数の有害アウトカムを有するリスクが高いことが明らかにされた。カナダ・トロント大学のSN Vigod氏らが、後ろ向き住民コホート研究の結果、報告した。本検討は、多くの統合失調症を有する女性が妊娠するようになっており、母体および出生児のアウトカムに関する最新のデータが必要になっていたことから行われた。結果を踏まえて著者は、「注目すべきことは、健康格差を減らすための介入である」と提言している。BJOG誌オンライン版2014年1月21日号の掲載報告。統合失調症の妊娠・出産は妊娠高血圧腎症や静脈血栓塞栓症のリスク高 研究グループは、統合失調症を有する母体およびその出生児という潜在的に脆弱な集団の健康アウトカムを定量化することを目的に、カナダ・オンタリオ州の住民を対象に後ろ向きコホート研究を行った。2002~2010年にかけて、出産経験(死産を含む)のある女性住民15~49歳を対象とした。そのうち過去5年以内に統合失調症で入院経験がある、もしくは2つ以上の外来受診の請求記録がある人を、統合失調症を有する女性と定義した。主要母体アウトカムは、妊娠糖尿病、妊娠高血圧症候群、妊娠高血圧腎症/子癇、静脈血栓塞栓症。主要新生児アウトカムは、未熟児生誕、在胎不当過小(SGA)で出生体重が軽量、在胎不当過大(LGA)で出生体重が重量であった。副次アウトカムには、付加的キーとなる健康格差指数などを含んだ。 統合失調症の女性の妊娠・出産における有害アウトカムリスクを研究した主な結果は以下のとおり。・統合失調症を有する被験者女性は1,391例であった。比較対照群(5年以内妊娠で精神科疾患診断歴のない女性)は43万2,358例を特定し検討した。・統合失調症女性は、妊娠高血圧腎症(補正後オッズ比:1.84、95%信頼区間:1.28~2.66)、静脈血栓塞栓症(同:1.72、1.04~2.85)、未熟児生誕(同:1.75、1.46~2.08)、SGA(同:1.49、1.19~1.86)、LGA(同:1.53、1.17~1.99)のリスクが高かった。・また、統合失調症の女性の妊娠・出産では、インテンシブな入院医療(高次周産期施設への搬送・母体ICU入院など)を必要とし、新生児罹患率も高率であった。関連医療ニュース 抗精神病薬や気分安定薬を服薬中の女性、妊娠・出産のリスクはどの程度 日本人女性の統合失調症発症に関連する遺伝子が明らかに:神戸大学 妊娠可能年齢のてんかん女性にはレベチラセタム単独療法がより安全

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12)トカゲの薬をくださいといわれたら【糖尿病患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話患者先生、このあいだテレビでやっていた糖尿病の新薬、トカゲの薬をください。医師トカゲの薬、あああれね。アメリカの砂漠にすんでいる毒トカゲから発見された薬だね。患者そうです。それを出してください。テレビでみると、血糖値も良くなるし、痩せるそうですね。医師テレビの影響は大きいね。アメリカの大トカゲは砂漠にすんでいるので年に3~4回しかエサにありつけないみたい。普段は膵臓の働きを止めていて、いざという時にドカ食いして、膵臓を生き返らせるホルモンが出るので、血糖値も異常に増えないそうだよ。それに・・・患者それに何ですか?医師体重にもいい影響があるみたいですしね。しかし・・・患者しかし、何ですか?医師その薬は注射する薬なんですよ。(お腹を指しながら)患者えっ、注射なんですか? テレビではそんなことは一言もいってなかったです。医師確かに。テレビでは、良いことばかりしか伝えないのかもしれませんね。患者残念だなぁ。使いたいけど注射は怖いなぁ。他に飲む薬はないですか?患者いいのがありますよ。(DPP4阻害薬の話へ進む)●ポイントテレビの情報を頭から否定するのではなく、テレビの健康情報の見方を説明する

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カテーテルアブレーション後の再発リスクの予測精度を上げる方法/JAMA

 心房細動(AF)患者における遅延造影MRI上の心房組織の線維化は、カテーテルアブレーション施行後の不整脈再発リスクの独立の予測因子であることが、米国・ユタ大学のNassir F Marrouche氏らが行ったDECAAF試験で示された。AF患者では左心房線維症が高頻度にみられる。遅延造影MRIで同定された心房組織の線維症は、AFに対するカテーテルアブレーションの不良な転帰と関連することが示唆されている。JAMA誌2014年2月5日号掲載の報告。MRI所見とAFアブレーションの転帰との関連を前向き観察コホート試験で評価 DECAAF試験は、遅延造影MRIによる心房組織線維症の評価の実行可能性およびそのAFアブレーションの転帰との関連をプロスペクティブに検証する多施設共同観察コホート試験。Heart Rhythm Society Task Force on Catheter and Surgical Ablation of Atrial Fibrillation(2012年)の判定基準で発作性および持続性AFと診断され、初回カテーテルアブレーションが予定されている患者を対象とした。 アブレーション施行前30日以内に遅延造影MRIが実施された。線維化の定量は、参加施設やアブレーションの方法、アウトカムをブラインドした状態で中央判定によって行われた。また、治療医をブラインドした状態で、線維化をStage 1(心房壁の10%未満)、2(10~20%)、3(20~30%)、4(30%以上)に分類した。アブレーション施行後は、12誘導または携帯型心電図を用いて再発性不整脈の発生を追跡し、その結果について中央判定を行った。 アブレーション施行後90日間は、アブレーション誘導性の炎症関連不整脈の収束期間とし、その後325日、475日目のステージ別の累積不整脈再発率と再発リスクを評価した。再発予測モデルへの線維化の付加により予測精度が改善 2010年8月~2011年8月までに6ヵ国15施設から329例が登録され、MRIの質が不良と判定された57例(17.3%)などを除く260例が最終的な解析の対象となった。これら260例の平均年齢は59.1歳(SD 10.7)、女性が31.5%、発作性AFが64.6%で、アブレーション前に63.9%が抗不整脈薬の投与を受けていた。冠動脈疾患の既往歴は10.0%に認められ、うっ血性心不全が5.8%、糖尿病が12.3%にみられた。16例(6.2%)には冷却バルーンアブレーションが、それ以外の症例にはラジオ波アブレーションが施行された。 左心房線維化の1%増加ごとの再発性不整脈の未調整ハザード比は1.06(95%信頼区間[CI]:1.03~1.08、p<0.001)であった。325日後の未調整の推定累積不整脈再発率は、ステージ1の線維化が15.3%、ステージ2が32.6%、ステージ3が45.9%、ステージ4は51.1%であり、475日後はそれぞれ15.3%、35.8%、45.9%、69.4%だった。調整後の結果もほぼ同様であった。 従来の再発予測モデルの臨床的共変量に線維化を加えると、HarrellのC統計量が0.65から0.69へと上昇し(リスク差:0.05、95%CI:0.01~0.09)、予測精度が有意に改善した。 著者は、「カテーテルアブレーションを施行されたAF患者では、遅延造影MRIで判定された心房組織線維症は再発性不整脈の独立の予測因子であることが示された」とまとめ、「本研究は、われわれの知る限り、アブレーションが予定されているAF患者の管理における3次元遅延造影MRIの実行可能性と臨床的有用性を示した初めての多施設共同試験である」としている。

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H7N9型インフル、ヒト-ヒト感染の可能性依然残る/NEJM

 2013年に中国で発生した新型鳥インフルエンザA(H7N9)ウイルス感染例のほとんどでは疫学的な関連性が認められず、ヒト-ヒト間伝播の可能性は除外できないことが、中国・公衆衛生救急センターのQun Li氏らの調査で判明し、NEJM誌2014年2月6日号で報告された。2013年2~3月に、中国東部地域でH7N9ウイルスのヒトへの感染が初めて確認された。これまでに急速に進行する肺炎、呼吸不全、急性呼吸促迫症候群(ARDS)、死亡の転帰などの特性が報告されているが、研究者はその後も詳細な実地調査などを進めている。2013年12月1日までの感染者の疫学的特性を実地調査データで検討 研究グループは、今回、2013年12月1日までに確認されたH7N9ウイルス感染例の疫学的特性を検討する目的で、実地調査で得られたデータの解析を行った。 H7N9ウイルスの感染は、リアルタイムPCR(RT-PCR)、ウイルス分離または血清学的検査で確定し、個々の確定例について実地調査を行った。人口統計学的特性、曝露歴、疾患の臨床経過に関する情報を収集した。 患者との濃厚接触者は7日間、経過を観察し、症状がみられた場合は咽頭スワブを採取してリアルタイムRT-PCRでH7N9ウイルスの検査を行った。82%が動物と接触、99%入院、90%下気道疾患、34%院内死亡、濃厚接触者すべて陰性 H7N9ウイルス感染が確定した139例が解析の対象となった。年齢中央値は61歳(2~91歳)、58例(42%)が65歳以上、4例(3%)は5歳未満であり、98例(71%)が男性、101例(73%)は都市部の住民であった。感染例は中国東部の12地域にみられ、9例(6%)が家禽業従事者であった。 データが得られた108例中79例(73%)に基礎疾患(高血圧32例、糖尿病14例、心疾患12例、慢性気管支炎7例など)が認められた。動物との接触は、データが得られた131例のうち107例(82%)に認められ、ニワトリが88例(82%)、アヒルが24例(22%)、ハトが13例(12%)、野鳥が7例(7%)などであった。これらの知見からは、疫学的な関連性はとくに認められなかった。 137例(99%)が入院し、125例(90%)に肺炎または呼吸不全がみられた。データが得られた103例中65例(63%)が集中治療室(ICU)に収容された。47例(34%)が院内で死亡し(罹患期間中央値21日)、88例(63%)は退院したが、重症の2例は入院を継続した。 4つの家族内集積例では、H7N9ウイルスのヒト-ヒト間伝播の可能性を否定できなかった。家族内の2次感染例を除く濃厚接触者2,675人が7日間の観察期間を終了した。このうち28例(1%)に呼吸器症状の発現がみられたが、全員がH7N9ウイルス陰性だった。 著者は、「H7N9ウイルス感染確定例のほとんどが重篤な下気道疾患を発現し、疫学的な関連性は認められず、家禽への直近の曝露歴を有していたが、4家族ではH7N9ウイルスの限定的で非持続的なヒト-ヒト間伝播の可能性が除外できなかった」としている。なお、最近、香港や台湾でも感染例が見つかっており、同誌のエディターは「2014年1月21日現在、確定例は200例を超え、2013年12月1日以降に発見された症例は65例以上にのぼり、アウトブレイクは進行中である」と補足している。

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急性心筋梗塞アウトカム、国家間で格差/Lancet

 急性心筋梗塞の治療およびアウトカムについて、英国とスウェーデンの国家間の違いを検証した結果、プライマリ経皮的冠動脈インターベンション(PCI)の施行率や使用頻度の高い薬物の傾向、30日死亡率などに大きな格差があることが、英国・ロンドン大学のSheng-Chia Chung氏らによる検討で明らかにされた。これまで急性心筋梗塞について、医療システムが異なる国家間での比較という観点が欠落していたという。著者は、「このような国家間の比較研究は、医療システムの改善と死亡抑制に役立つと思われる」とコメントしている。Lancet誌オンライン版2014年1月23日号掲載の報告より。スウェーデンと英国を比較、主要アウトカム30日死亡率 スウェーデンと英国の、急性心筋梗塞の治療およびアウトカムの傾向についての評価は、両国のアウトカムレジストリ(スウェーデン:SWEDEHEART、RIKS-HIA、英国:MINAP)の短期生存データを比較して行われた。レジストリには、両国の急性心筋梗塞に対する治療を提供している全病院のデータが登録されており、研究グループは、2004~2010年に登録された連続患者(スウェーデン:11万9,786例、英国:39万1,077例)を評価した。 主要アウトカムは、入院後全死因30日死亡率であった。また、間接的なケースミックス標準化を用いて治療の有効性について比較した。スウェーデン7.6%、英国10.5%、プライマリPCI実施率や薬物療法の傾向にも違いが 分析の結果、30日死亡率は、スウェーデン7.6%(95%信頼区間[CI]:7.4~7.7%)、英国は10.5%(同:10.4~10.6%)であった。死亡率は臨床的にみたサブグループ(トロポニン値、ST部分上昇、年齢、性別、心拍数、収縮期血圧、糖尿病の病状、喫煙状況によって定義)においても、英国のほうが、より高率だった。 治療の傾向では、スウェーデンでは英国と比較して、プライマリPCIの施行が早期に広範に行われており(59%対22%)、また退院時のβ遮断薬の使用頻度が高かった(89%対78%)。 ケースミックス補正後の比較で、英国のスウェーデンに対する30日死亡率比は、1.37(95%CI:1.30~1.45)だった。これは過剰死亡1万1,263例(95%CI:9,620~1万2,827)に相当する。一方で、両国間の死亡率比は経年的には縮小している傾向がみられた(2004年:1.47、95%CI:1.38~1.58/2010年:1.20、1.12~1.29、p=0.01)。

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11)身近な数字で覚える空腹時血糖値の正常値【糖尿病患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話患者血糖値はどこまでが、正常なんですか?医師食事をとると血糖が上昇しますので、まず、空腹時、つまりお腹が空いた時の血糖値を覚えてください。患者はい、わかりました。医師空腹時の血糖値は110mg/dLを超えると、糖尿病の一歩手前の糖尿病予備軍ということになります。患者「110」ですね。医師そうです。警察の電話番号と覚えておくといいですよ。患者ああ、それなら私にも覚えられそうです。●ポイント警察の電話番号に例えることで、空腹時血糖値の上限を覚えてもらえます

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エキスパートに聞く!「睡眠障害」Q&A Part1

レストレスレッグス症候群におけるドパミンアゴニストの使い方のコツは?本邦でレストレスレッグス症候群(restless legs syndrome:RLS)治療薬として承認されているドパミンアゴニストには、プラミペキソール(商品名:ビ・シフロール)とロチゴチン(同:ニュープロパッチ)がある。プラミペキソールが錠剤(内服)で、ロチゴチンが経皮吸収剤(貼付)と投与方法が異なる点が使い分けの大きなポイントとなる。どちらの薬剤も、RLSならびにRLSに高頻度に伴う周期性四肢運動の両者に有効性が高い点は共通であるが、夜間の症状を主体とする場合には、プラミペキソールを夜に1回内服することで十分効果が得られる。日中症状を有する場合は、プラミペキソールを日中にも追加して服用する、あるいは血中濃度が一日を通じて一定となる貼付剤(ロチゴチン)が良い適応となる。副作用の観点からは、消化器症状は共通してみられる。ただし、ロチゴチンでは、初回の貼付時に消化器症状が出現しても、血中濃度が安定すると以後は消化器症状がみられなくなる場合もある。貼付剤に特有の問題としては、貼付部位の適応部位反応があり、貼付部位を毎日変える、適度な保湿をするなどの対策が必要である。両薬剤は代謝・排泄経路が異なっており、プラミペキソールが腎排泄性の薬剤であるのに対し、ロチゴチンは肝臓で代謝される。腎不全患者ではRLSは高頻度にみられ、日中症状もしばしば伴うが、肝臓で代謝されるロチゴチンは、腎不全患者においても血中濃度が健常者とほぼ同様に推移することから、安全に使用できると考えられる。レストレスレッグス症候群の原因として、鉄不足以外にどういったものがありますか?レストレスレッグス症候群(RLS)は、特発性と二次性に大別される。RLSはあらゆる年齢層でみられるが、中年期以降のRLSでは二次性RLSの可能性が高まる。二次性RLSの原因疾患としては、鉄欠乏性貧血、胃切除後のほかに、慢性腎不全、妊娠、神経疾患(パーキンソン病、末梢神経障害、脊髄疾患等)、リウマチ性疾患などがあげられる。薬剤性RLSの原因としては、ドパミンに拮抗する薬剤(抗精神病薬、メトクロプラミド)、抗うつ薬(選択的セロトニン再取込み阻害薬)などがあり、アルコール、カフェイン、ニコチンもRLSの増悪因子である。慢性腎不全、とくに透析患者においてはRLSは高頻度で、国内外の報告では約2~4割にRLSがみられ、周期性四肢運動障害の合併も多い。妊娠中のRLSは、妊娠後期に増悪する傾向があり、出産前後に消失もしくは改善することが多い。妊娠を繰り返すごとに症状が増悪するケースもある。神経疾患に伴うRLSでは、下肢の異常感覚が神経疾患に伴うものか、神経疾患による二次性RLSによるものかの判断が時に困難であり、両者が併存する場合もある。こうした症例では、RLS治療薬の効果が必ずしも十分得られない。不眠症は薬物療法で改善する症例が少ないように感じるのですが、いかがでしょうか?プライマリ・ケアにおける不眠症治療は、(非)ベンゾジアゼピン系薬剤を中心とする薬物療法に偏りがちであるが、不眠の背景にある睡眠習慣や睡眠衛生の問題、不眠を呈する睡眠障害が見過ごされているケースも多い。不眠≠不眠症であり、不眠の背景要因の把握がまず不可欠といえる。たとえば、不眠があり夜眠れないからと日中に2時間以上も昼寝をしていれば、日中の長時間の昼寝が夜の入眠を妨げ、不眠の解消を阻害してしまう。高齢者では夜間の睡眠時間は減少する傾向となるが、9時間以上も寝床で過ごすことで、夜中に何度も目が覚める、熟眠感が得られないといった訴えにつながっている場合もあり、睡眠習慣の見直しが先決である。また、睡眠時無呼吸症候群では夜間の覚醒や熟眠障害を生じうるが、本人は多くの場合いびきや無呼吸を自覚しておらず、原因をそのままに睡眠薬を処方されても不眠は解消しない。薬物治療で改善がみられない多くの症例では、このような背景が見過ごされており、うつ病等の精神疾患による不眠の可能性も含めて、睡眠障害、睡眠衛生の問題にも留意する必要がある。不眠症治療薬についても、現状では薬剤の使い分けが必ずしも十分なされていない。たとえば、体内時計の乱れが不眠の背景にある場合には、睡眠・覚醒リズムの調整を図りつつ、体内時計機構に作用する薬剤を選択することが有用である。脳の覚醒システムであるオレキシンをターゲットとした新たな不眠症治療薬も現在承認申請中であり、治療の選択肢も増えつつある。高血圧や糖尿病などでは薬剤のタイプによる使い分けが一般的に行われており、不眠症治療においても病状に応じた薬剤の選択が行われるようになることが期待される。外来で睡眠時無呼吸症候群を疑うチェックポイントなどありますか?睡眠時無呼吸症候群(sleep apnea syndrome : SAS)は、睡眠中の無呼吸・低呼吸といった呼吸イベントにより、睡眠の質的低下、低酸素状態を生じる疾患である。心疾患および循環疾患リスクを高めることが知られており、生活習慣病のマネジメントのうえでも注目すべき疾患といえる。しかし、患者の多くはいびきや無呼吸を症状として自覚しておらず、多くは周囲がこれらの症状に気づくことで受診につながっている。SASが注目されるようになったきっかけの一つは、新幹線運転手の居眠り事故である。これにより、SASと眠気の関連がクローズアップされたが、眠気を自覚していないSAS患者も少なくないことから、眠気の有無は必ずしもSASを疑う(あるいは否定する)ポイントとはなりえない。SASを疑ううえでは、いびきや無呼吸に気づいている可能性が高いベッドパートナーへの問診は非常に有用である。本人のみが受診している場合には、周囲からそのような指摘があるかどうかを尋ねるとよい。いびきによる覚醒、窒息感を伴う覚醒を本人が自覚している場合もある。無呼吸を指摘されたことがなくても、習慣的な大きないびきの指摘があれば、SASを疑い精査することが望ましい。本人が自覚しうるその他の症状としては、夜間頻回の(トイレ)覚醒、熟眠感の欠如、起床困難、起床時の頭痛、日中の眠気、集中力の低下などがあげられる。いびきの指摘に加えてこうした自覚症状を伴っていれば、SASを疑うポイントとなりうる。理学的所見も重要である。SASのリスクとして肥満はよく知られているが、扁桃腺肥大、顎顔面形態(小顎や下顎後退)も必ず確認する。とくにアジア人において非肥満のSASも多いことに留意する。逆に、不眠や夜間の異常行動といった何らかの睡眠の訴えがある場合には、その背景にSASが存在する可能性を常に考慮する必要があるともいえる。必ずしも自覚症状が明らかではない患者も多いこと、終夜パルスオキシメトリ等のスクリーニング検査が比較的安価に施行できることを考慮すれば、SASが多少なりとも疑わしい場合には積極的にスクリーニングすることが望ましい。※エキスパートに聞く!「睡眠障害」Q&A Part2はこちら

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糖尿病患者はパーキンソン病発症リスク低い!?

 糖尿病とパーキンソン病。両疾患の異種性にもかかわらず、症例対照研究の結果、糖尿病患者ではパーキンソン病の発症率が低い可能性が、中国・温州医科大学のLin Lu氏らによって示唆された。著者は、この関連性を明確に理解するために、より多くの研究が行われるべきとしている。PloS One誌1月21日号掲載の報告。 糖尿病が、パーキンソン病のリスクを増加させるかどうかについては定かではない。このメタ解析の目的は、糖尿病とパーキンソン病発症リスクとの関連性について評価した症例対照研究のエビデンスを統合することにある。 糖尿病とパーキンソン病との関連性を評価した症例対照研究を特定するため、7つのデータベースで検索を行った。本研究の方法論の質は、ニューキャッスル・オタワ・スケールを用いて評価した。すべてのデータは、Review Manager 5.15.1ソフトウエアを用いて分析した。性別、地理的位置、対照群、喫煙、糖尿病治療薬の処方と糖尿病罹病期間によって層別化したサブ解析も、同様のソフトウエアを用いて分析された。 主な結果は以下のとおり。・メタ解析の基準を満たした研究は14報あり、パーキンソン病患者計2万1,395 人、対照被験者は計8万4,579人にのぼった。・両疾患の異種性にもかかわらず、糖尿病患者ではパーキンソン病発症リスクが低かった(オッズ比: 0.75、95%信頼区間: 0.58~0.98)。・サブ解析では、北米からの研究、一般市民を対照群とした研究、非喫煙者、およびアンケートや自己申告に基づく糖尿病患者群においても、やはり負の相関があることが示唆された。・性別および、糖尿病罹病期間で層別化した結果、有意な関連性は認められなかった。・欧州およびアジア患者、病院対照群を対照とした研究、喫煙者、医療記録や医師の診断に基づく糖尿病患者群、および糖尿病でのインスリン処方について層別化した場合でも、関連性は認められなかった。

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うつ病や不安症の患者は慢性疾患リスクが高い

 これまでの先行研究において、抑うつや不安が慢性疾患発症と関連することが報告されていた。米国・ウェストバージニア大学のRituparna Bhattacharya氏らは、うつ病や不安症が、関節炎、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、糖尿病、心疾患、高血圧および骨粗鬆症などの慢性疾患に及ぼす影響を検討した。その結果、うつ病、不安症患者は、これらの症状がない人に比べて、慢性疾患のリスクが高いことが明らかになった。今回の結果を踏まえて、著者は「うつ病や不安症の存在は、人口動態および生活習慣リスク調整後も慢性疾患の独立したリスクであることが判明した」と述べている。BMC Psychiatry誌オンライン版2014年1月16日号の掲載報告。 研究グループは、うつ病や不安症に関連する慢性疾患の過剰リスクについて後ろ向き横断研究を行った。2007~2009年のMedical Expenditure Panel Surveyに登録された22~64歳の成人患者を対象とした。被験者を、うつ病または不安症に関する自己報告に基づき、1)うつ病単独、2)不安症単独、3)うつ病と不安症を併発、4)うつ病も不安症もなし、の4群に分類し、関節炎、喘息、COPD、糖尿病、心疾患、高血圧および骨粗鬆症の有無を従属変数として、うつ病や不安症に関連する慢性疾患の過剰リスクを算出した。検討に際してComplementary log-log 回帰モデルを用い、人口動態(性別、年齢、人種/民族)および生活習慣(肥満、身体活動欠如、喫煙)リスク因子で補正した多変量フレームワークを用いた。多重比較にはBonferroniの補正を行い、p≦0.007を統計学的有意差ありとした。 主な結果は以下のとおり。・全症例のうち、うつ病単独は7%、不安症単独は5.2%、うつ病と不安症の併発は2.5%であった。・うつ病も不安症もない人と比べて、うつ病と不安症を併発している患者、うつ病単独の患者、不安症単独の患者のいずれにおいても、すべての慢性疾患のリスクが高いことが多変量解析により示された。・うつ病と不安症を併発している患者の調整済みリスク比(ARR)は、骨粗鬆症に対する2.47(95%CI:1.47~4.15、p=0.0007)から、糖尿病に対する1.64(同:1.33~2.04、p<0.0001)にわたった。・また、うつ病単独の患者も、骨粗鬆症を除くすべての慢性疾患と有意な相関を示した。・不安症単独の患者では、関節炎、COPD、心疾患および高血圧のリスクが高かった。関連医療ニュース 食生活の改善は本当にうつ病予防につながるか 少し歩くだけでもうつ病は予防できる ヨガはうつ病補助治療の選択肢になりうるか

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