サイト内検索|page:203

検索結果 合計:4899件 表示位置:4041 - 4060

4041.

第24回 予後不良の責任は? 患者と医師の過失相殺

■今回のテーマのポイント1.代謝疾患で一番訴訟が多い疾患は糖尿病であり、糖尿病性ケトアシドーシスと糖尿病合併症の事例が争われている2.糖尿病性ケトアシドーシスに関する訴訟の争点としては、診断の遅れが多い3.国民皆保険制度下にあった適切な「損害の公平な分担」を模索していく必要がある■事件のサマリ原告患者家族(債権者)被告Y医師(A医院/債務者)争点診断の遅れ結果原告一部勝訴、約1,600万円の損害賠償(結審)事件の概要X(16歳、男性、身長157.4cm、体重約95kg)は、昭和56年8月7日夜、母に対し、「足がふらふらする」「体がだるい」と訴えました。その翌朝、起床したものの、朝食を食べたくないといい、「体がだるい。体がしんどい」「喉が渇く。喉がからからになる」というので、午前9時頃、かかりつけのA医院を受診しました。Xは、Y医師に対し、腹痛、吐き気、つかえた感じがあるなど訴えました。Y医師は診察を行い、急性胃炎と診断し、注射および投薬をしました。その際、Xの「喉が渇く」との訴えに対し、「ジュースは飲んでもよい」と指示しました。帰宅後、Xは、昼におかゆを食べ、夕食を少し食べましたが、しきりに喉が渇いて苦しいと訴え、炭酸飲料水、スポーツドリンク、麦茶などを多飲しました。翌9日は日曜日でしたが、Xの食思不振は改善せず、前日よりも具合が悪そうにしていたため、A医院に電話で治療を頼み、受診することになりました。Xの主訴は前日同様、腹痛、吐き気であり、Y医師は、前日と同じく急性胃炎の診断にて治療をしました。その際、Xから、「ジュースを飲んでもよいか」という質問が出たので、Y医師は、「プリン、ジュースはよいから飲ませてあげなさい。炭酸飲料のような刺激物はいけません」と付き添いのXの父に指示しました。Xは、帰宅途中、「先生はジュースは飲んでもよいというただろう。すぐスーパーへ行ってくれ」と父に頼み、スーパーでジュース類を10数本とアイスキャンディー4本を買って帰りました。そして、それからジュース(炭酸飲料)を4~5本飲み、プリン1個、アイスキャンディー4本を食べました。Xは、同日午後4時過ぎ、ひどくだるそうな様子で、「しんどうていけん。どこか医者に連れていってくれ」といいました。このため、午後6時半頃、A医院よりも大きいB内科医院を受診しました。C医師が診察したところ、Xに意識障害、呼吸障害を認め、血液検査および尿検査を行ったところ、血糖は760mg/dL、尿糖は1g/dLを認めました。C医師は、糖尿病性昏睡と診断し、D病院に転院させました。その際、C医師は、Xの父に対し、「これが明日だったら殺していた。どうしてこんなになるまで放っていたのだ」と叱責しました。D病院で治療が行われたものの、Xは、翌10日午前1時40分、若年性糖尿病による糖尿病性昏睡のため死亡しました。そこで、Xの遺族は、Y医師に対し、遅くとも8月9日の診察の時点で糖尿病を疑い、適切な問診および検査を行うべきであったとして約6,100万円の支払いを求める訴訟を提起しました。事件の判決被告(Y医師)は、初診の際食べ過ぎによる腹痛、吐き気が主訴であったから急性胃炎と診断したというが、前記認定事実にてらしXに過食があった形跡はないから、Xが過食を訴えたということには疑問がある。被告は、Xが異常に肥満していることを良く知っており、かつて慢性胃炎の治療したこともあって常々食べ過ぎないよう助言していたので、過食の予断をもった疑いがある。診療録に、冷えた麦茶と判読できる記載があるところからみて、Xは被告の問診に対して冷えた麦茶の飲み過ぎを答えたとみるのが合理的である。また、翌8月9日の診察の際、Xはジュースを飲みたがっている。これらの点に鑑み、Xは被告に対し、言葉不十分ながら糖尿病の典型的症状である口渇、多飲を訴えていたものと考えられる。したがって、もし被告に過食の予断がなければ、Xが異常肥満体であること、かつて脂肪肝で入院治療を受けたことがあることを知っている被告としては、社会経験の乏しいXの不完全な主訴のみに依存せず、待合室で待っているXの父に対し家庭内における症状を補充的に説明を求めることによって糖尿病を疑いえたものと考えられる。このことは、被告の診察から数時間後に診察したC医師がすぐ糖尿病を疑ったことにてらしても裏付けされるといえる。そうすると、被告は、Xが8月9日に被告の診察を受けた時点では若年性糖尿病の典型的症状である口渇、多飲を訴えていることに気づき若年性糖尿病を疑うべきであったのに、過食による急性胃炎と誤診したものと認められ、右誤診につき不可抗力ないしこれに準ずるような事情があったとは認め難い。したがって、被告は、善良な管理者としての注意義務を怠ったもので、本件診療契約に基づく診療債務につき不完全履行があることになる。●過失相殺前記認定事実に徴すると、債権者側に過失があるものと認められる。即ち、Xは、まだ高校1年生で社会生活経験が浅いため、病気の症状を的確、正確に医師に告げる能力が十分であったとは考えられないのに、被告の診察を受ける際保護者が付き添わなかったため、前記認定の如き家庭内における症状全部が正確に被告に伝えられなかった形跡がある。また、Xは、ジュース、アイスキャンデー、プリン等を常識の範囲をこえるほど多飲食しており、証拠によると、糖質の多いこれらジュース等の多飲食がその後の病状激変の大きな原因となっていることが明らかである。したがって、原告らに生じた損害のうちその7割は、債権者側の過失によるものとして控除するのが相当である。そうすると、被告の支払義務は、原告1人につき金748万6,626円となる。(*判決文中、下線は筆者による加筆)(広島地判尾道支部平成元年5月25日 判時1338号127頁)ポイント解説■代謝疾患の訴訟の現状今回は、代謝疾患です。代謝疾患で最も訴訟となっているのは糖尿病です(表1)。代謝疾患は疾患自体により、直接的に身体・生命損害が発生することが少ない、すなわち、民法709条の要件である「損害」が発生することが少ないことから、訴訟件数自体は多くはありません。その中でも、糖尿病は罹患者数が多く、かつ、(1)糖尿病性ケトアシドーシスおよび(2)糖尿病合併症(網膜症、腎症、神経症による壊疽)により、身体・生命に直接損害が発生することから訴訟件数が多いという結果となっています。糖尿病に関する訴訟は大きく分けて(1)糖尿病性ケトアシドーシスと(2)糖尿病合併症の2つの類型があります。原告勝訴率は、糖尿病性ケトアシドーシスが66.6%(表2)で、糖尿病合併症が50%と大きな差はないのですが、平均認容額は、糖尿病性ケトアシドーシスが8,500万円に対し、糖尿病合併症では560万円と大きな差がついています(表3)。本事例でもそうですが、やはり、ケトアシドーシスは死に至ることから損害額が大きくなるものと考えられます。糖尿病性ケトアシドーシスに関する訴訟の争点は、診断の遅れと、治療の瑕疵の2つに分けられますが、やはり多いのは診断の遅れです(表3)。診断の遅れが争われた事例はいずれも糖尿病の診断がついていない患者であり、本件のように不定愁訴で受診する事例もありますが、別の疾患で受診した際にたまたま糖尿病を発症していて、かつ、糖尿病性ケトアシドーシスにまで至ったという事例もあることから注意が必要といえます。本事例もそうですが、劇症1型糖尿病のように急速に糖尿病性ケトアシドーシスに至るケースは、そもそも救命が困難であり、それをコモンディジーズの単純な見落としのように扱われることには違和感を覚えます。そもそも、「後医は名医」であり、初診における診断の誤りを後から振り返って違法であると誹ることは、よほどの事例でない限り、医療に対する理解が根本的に欠けているといえます。一方、本事例において、前医がいたことを知らなかったとはいえ、後医となったC医師の「これが明日だったら殺していた。どうしてこんなになるまで放っていたのだ」との発言が本訴訟提起に寄与した可能性は高く、患者に対する発言には注意が必要です。■過失相殺第6回で解説しましたが、民法722条2項は、「被害者に過失があったときは、裁判所は、これを考慮して、損害賠償の額を定めることができる」と過失相殺を定めています。本事例でもXが病状をちゃんと伝えなかったこと、Xが常識の範囲を超えるほどジュースなどを摂取したことから、7割の過失相殺が認められています。民法の不法行為の基本理念に「損害の公平な分担」という考え方があります。実社会において、現に何らかの損害が発生している中で、被害者を含め、その損害に関与した当事者間において、何対何で当該損害を分担することが公平といえるかが、民法の不法行為の基本的な考え方なのです。自動車対人の事故を想起してみましょう。現実に人の身体・生命に損害が発生しており、その損害を自動車運転者と被害者との間で何対何で分担すれば公平かというのが民法の不法行為の考え方です。皆さんもご存じのとおり、現在の実務運用として、自動車対人の事故において、自動車側の過失割合が0となるのは、よほどのことがない限りありません。このとき、判決では、「不法行為は成立するが過失相殺により減額する」という理論を構成することになります。たとえば自動車の過失割合が2割という場合は、現実的には自動車運転手にとって避けようがない事故とさえいえます。それでも2割の責任を認めるために当該運転に過失があったと判決上は示されるのです。医療訴訟において、しばしば「トンデモ判決」と揶揄される判決が見受けられます。しかし、医療訴訟の判決を見る場合には、まず、認容額、認容割合を確認してください。本事例でも、Xを糖尿病と診断することは、現実にはなかなか困難であり、このような事例において、後から見て誤診だ違法だというのはとんでもないという思いはあります。しかし、16歳の男の子が連日診察を受けたにもかかわらず、診断がつかずに死亡してしまった。その男の子の死亡という損害を被害者と医師で7対3で分けましょうという判断は、不当かと問われると若干考え方が変わってくるのではないでしょうか。もちろん、国民皆保険制度により、医療費が統制価格下にあるわが国においては、リスクを価格に転嫁できないこと、また、自動車運転と異なり、医療は行わなくても患者の身体・生命を損ねることなど、自動車運転と医療はまったく異なりますので、同様に判断することは妥当とはいえません。自動車事故とは違う、わが国の医療提供体制にあった「損害の公平な分担」を模索していく必要があるものと思われます。裁判例のリンク次のサイトでさらに詳しい裁判の内容がご覧いただけます。(出現順)広島地判尾道支部平成元年5月25日 判時1338号127頁本事件の判決については、最高裁のサイトでまだ公開されておりません。

4043.

15)野球好きへのインスリン説明法【糖尿病患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話医師Aさんは、今までにインスリン注射を打ったことがありますか?患者ありません。そんなに私の糖尿病は悪いのですか?医師そうですね。今の血糖値のままでは合併症になるリスクが、かなり高まっていると思います。一度、インスリンで血糖を下げてみたらいいかと思います。患者インスリンを始めたら、一生打たなければならないんじゃないですか?医師そんなことはありませんよ。Aさんは野球がお好きでしたよね。患者そうですね。阪神ファンです。医師先発して、外人選手(外食)なんかにバカスカ打たれたピッチャーでも、インスリンがリリーフに入って、休ませると次の試合ではいいピッチングをすることがありますよね。患者なるほど。膵臓が先発、リリーフがインスリンということですか。医師そうですね。少し、膵臓を休ませてあげると、また、いい働きができると思いますよ。患者なるほど。膵臓を休ませるために、注射を打って暴飲暴食は止めるか。●ポイント患者さんが興味を持っていることに例えることで、理解度が高まります

4044.

16)炭水化物好きな患者への薬の説明法【糖尿病患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話医師Aさんは炭水化物が好きな方ですか?患者はい。大好きです。医師そうですか。ごはんやパン、麺類は炭水化物ですから食べ過ぎると血糖が異常に上がります。ラーメンに半チャーハンと餃子など炭水化物の重ね食いは要注意ですね。患者たまに、それをやっちゃうんですよね。医師そうですか。上手に炭水化物とつきあってみてください。そういった炭水化物が好きな人にいい薬がありますよ。患者それはどんな薬ですか?医師炭水化物の吸収を遅らせる薬です。腸で炭水化物の吸収を遅らせることで、食事の後の血糖の上昇を防ぎます。患者私にピッタリの薬ですね。医師ただし、炭水化物をよく食べる人は、この薬だけで処理しきれないこともあるので お腹がはったり、おならが出やすくなったりなど、副作用が出る人もいます。患者なるほど。薬を飲んでいるからといって、炭水化物を食べ過ぎてはいけないわけですね。●ポイント患者さんの好みを聞いて、それに合わせた薬を選択し、副作用の説明とともに食事指導ができるといいですね

4045.

17)食事の順番で血糖値を下げるコツ【糖尿病患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話患者何を食べたら血糖値が下がりますか。医師いいものがありますよ。(前置きする)患者それは何ですか?医師食物繊維がたっぷり入っている野菜です。患者そういえば、最近、野菜はあまり食べていませんね。医師それもご飯など炭水化物より先に野菜を食べる習慣をつけると、その食物繊維の効果で食後の血糖上昇を防ぐことができます。患者ご飯ではなくて、野菜から先に食べるんですね。医師そうです。食べる順番を変えるわけです。患者なるほど。食べる野菜は何でもいいですか?医師そうですね。キャベツ、キュウリ、トマト、モヤシなど何でもいいですよ。ただし、ポテトサラダは糖質が多く、血糖が上がるから気をつけてくださいね。患者はい。わかりました。●ポイントシンプルな食事指導の方が、患者さんの実行率が高まります

4046.

18)糖尿病とがんリスクのうまい説明法【糖尿病患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話患者糖尿病になると、がんになりやすいって聞いたんですけど、本当ですか?医師それは本当ですよ。患者えっ、やっぱりそうなんですか。(少し心配そうな顔)医師とくに、膵臓がん、肝臓がん、大腸がんになりやすいそうです。患者それは怖いですね。医師糖尿病の合併症だけではなく、がんも予防ができたらいいですね。患者どうしたらいいですか?医師じつは糖尿病合併症とがんの予防は同時にできますよ。患者具体的にはどうしたらいいですか?医師まずは禁煙、次に運動、3番目がたっぷり野菜を食べることです。患者なるほど。頑張ってやってみます。(嬉しそうな顔)●ポイント合併症とがんの予防が同時に行えると指導すると効果的

4047.

19)認知症リスクのうまい説明法【糖尿病患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話 患者知り合いが認知症になってしまって、私も糖尿病を持っているし、認知症が心配です。 医師誰もが認知症にはなりたくないですよね。糖尿病の人はそうでない人に比べて認知症に2倍くらいなりやすいそうですよ。 患者えっ、そんなになりやすいんですか!(やや驚きの声) 医師そうです。とくに、血糖コントロールが悪い人、メタボな人、バランスの悪い食事をしている人、運動不足な人がなりやすいそうですよ。 患者それ、すべて私に当てはまります。認知症になるとどんな症状が出てきますか? 医師何に対しても興味がなくなったり、食べ過ぎたり、昼寝をよくするようになって、ひどくなると尿もれをよくする人もいます。 患者そうですか。昼寝しすぎて、夜よく眠れないこともあるんです。これから気をつけます。●ポイント無関心、過食、昼寝、尿失禁など認知症の特徴を上手に説明することで理解が深まります 1) 櫻井孝. 糖尿病. 2013; 56: S-62.

4048.

20)細切れ運動の上手な説明法【糖尿病患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話患者先生から、1日に30分は運動しなさいといわれたんですけど、なかなか運動する時間がとれなくて・・・医師それならいい方法がありますよ!患者それは何ですか?(興味津々)医師細切れに運動するんです。患者細切れに運動する?医師そうです。軽く汗をかく程度の運動時間がトータルで、30分になればいいんです。10分を3回とか、15分を2回とかでもOKです。患者なるほど。20分以上運動しないと、効果がないのかと思っていました。医師そんなことはありませんよ。歩数でいうと1,000歩で10分になりますから、朝、昼、夕など空いた時間をみつけて運動してみてください。患者はい。わかりました。●ポイント1回30分ではなく、細切れ運動でも効果があります

4049.

21)患者さんを傷つけない説明のコツ【糖尿病患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話患者先生、ブルーベリーは目にいいんですか?医師ブルーベリーね。(興味を示す)患者そうなんです。血糖値が高いと眼が悪くなると聞いて、何かないかと思っています。医師じつは、もう飲み始めているとか?患者そうなんです。試供品を買って飲んでみたんですけど・・・医師そうだったんですか。ブルーベリーは、アントシアニンをたくさん含んでいるので、抗酸化作用が期待されているのですが・・・。患者どうなんですか?医師残念ながら、疲れ目程度はとれるかもしれませんが、糖尿病からくる眼の合併症を防ぐまでの効果はないそうです。患者なんだ。そうなんですか。医師これからは試してみる前に相談してみてくださいね。患者はい。わかりました。●ポイント患者さんの話に興味を示し、エビデンスをわかりやすく説明することで患者さんの満足度が高まります

4050.

22)1駅前で降りて歩くメリットの上手な説明法【糖尿病患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話 医師普段、どんな運動をされていますか? 患者最近、時間がなくて、運動できていないんです。通勤で歩くくらいです。 医師そうですか。お忙しそうですね。通勤では片道、どのくらい歩いておられますか? 患者10分くらいです。 医師なるほど。1駅前で降りると、どのくらいになりますか? 患者20分ちょっとですかね。 医師なるほど。片道が10分以下の人に比べて、20分を超える人は糖尿病に27%なりにくいそうですよ。 患者そんなに違うんですね。それなら、1駅前で降りて歩いてみようかな。 医師それはいいですね。(歩行時間と糖尿病発症の関連: 0~10分=1.00、11~20分=0.86、21分以上=0.73)●ポイント大きな目標ではなく小さな目標を一緒に考えると自己効力感が高まります 1) Sato KK, et al. Diabetes Care. 2007; 30: 2296-2298.

4051.

23)夏場に太る原因の上手な説明法【糖尿病患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話医師毎日、暑いですね。体重の方はいかがですか?患者少し増えています。医師そうですか。昔は冬場に体重が増える人が多かったんですが、最近は夏場に太る人もいますね。患者そうなんです。私も夏場に体重が増えるんです。医師夏場に体重が増える人には特徴が3つほどありますよ。患者どんなことですか?医師まずは暑くなるので、ビールを飲む回数が増えたり量が増えたりします。患者それ私ですね。医師次に、風呂あがりや寝る前などにアイスを食べるようになります。その結果、悪玉コレステロールが増えたりします。患者それもやっています。医師3つ目は、あっさりしているがカロリーの比較的高いものをよく食べるようになります。患者それは何ですか?医師ソーメンなどの麺類です。つい食べすぎちゃいますね。患者夏場に何で太るのかと思っていましたが、原因がよくわかりました。気をつけます。●ポイント患者がよくやる行動を順に追って説明することで、理解が深まります

4052.

24)若い頃はスポーツしていた人への運動指導のコツ【糖尿病患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話医師普段、どんな運動をされていますか?患者今は何も運動していません。医師そうですか。昔はどんな運動をされていたんですか?患者学生時代は、ラグビーをしていました。医師やはり、いい身体をしていると思っていました。患者へへへ。(苦笑い)医師それでは、身体の鍛え方や筋トレの仕方などはよくご存じですね。患者学生時代は毎日のようにやったんですが・・・医師いい筋肉を持っておられると思いますので、歩くことなど有酸素運動系でもいいですし、腕立て伏せ、腹筋、スクワットなど筋トレなどでも血糖コントロールは驚くほど改善すると思いますよ。患者そうなんですか!医師有酸素運動か、筋トレ、どちらがやりやすいですか?(選択肢を示す)患者歩くことから始めてみます。医師それはよかったです。頑張ってやってみてください。●ポイント過去の運動歴を尋ね、選択肢を示すことで、患者さんのやる気が高まります

4053.

25)ユニークな方法で食習慣の改善を促すコツ【糖尿病患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話医師パンには何をつけておられますか?患者ジャムやバターをつけています。医師なるほど。太りやすい人はジャムをまず縦に、その後ジャムを横に塗っておられます。患者それ私です。その食べ方が大好きなんです。医師そうなんですか。実はおいしく、やせる塗り方があるんですよ。患者それはどんな方法なんですか?医師味は舌で感じますので、パクッとくわえた所でおいしさを感じます。患者確かに。医師ですから、四隅のパクッとくわえる所に塗ればいいんですよ。そうすれば、カロリーは4分の1以下になります。塵も積もれば山となるじゃないですが、小さな積み重ねが大切です。患者面白いですね。一度、やってみます。●ポイント小さな習慣が成功に結びつくことを、ユーモアを交えて説明します

4054.

26)食習慣の勘違いを上手に正す方法【糖尿病患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話患者朝食は気をつけて食べています。医師朝食はどんなものを食べておられますか?患者朝食は主にパンです。医師パンですね。どんなものをよく塗られていますか?患者えっと、目にいいというので、ブルーベリージャムを塗っています。医師パンにはブルーベリージャムですね。飲み物は?患者牛乳です。牛乳にきなこを混ぜています。きなこは健康にいいというので・・・医師そうですか。野菜とかは?患者ドレッシングにはオリーブオイルを使っています。医師他には?患者腸にいいというのでヨーグルトを摂ることにしています。砂糖の代わりにはちみつを使っています。医師なるほど。この朝食メニューをみてもらっていいですか。どちらがヘルシーな朝食メニューだと思いますか?(イラストを示して)患者どちらもよさそうですけど、しいていえば、Aですか?医師残念ながらBです。Bのメニューが400kcalに対し、Aのメニューは900kcalと倍以上のカロリーです。患者えっ、そんなに違うんですか!?どうしてですか?(驚きの声)医師実は、健康にいいといわれている食品はカロリーの高いものが多くて、それを摂り過ぎるとカロリーオーバーになってしまうのです。患者つまり、健康にいいと思って摂っていたのが逆効果だったんですね。医師そうですね。Aさんにとって、一番簡単な食事療法は健康にいいと思って勘違いしてとり過ぎている食品を止めることかもしれませんね。患者はい。わかりました。(嬉しそうな顔)●ポイントメニューを比較してもらうことで、患者さん自身に食事療法の勘違いに気づいてもらえます

4055.

27)合併症が不安な患者さんへの説明法【糖尿病患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話患者先生、私の糖尿病はどのくらい進んでいるんですか?かなり悪くなっているんですか?(やや不安な顔)医師それでは、糖尿病の状態について説明しましょう。糖尿病を駅に例えると、正常駅(1)、予備軍駅(2、3)、糖尿病駅(4、5)、合併症駅(6、7)になります。あなたは今、どの辺りだと思いますか?患者(少し考えてから)6番ですか?医師まだ、合併症は出ていませんから、合併症駅の手前5番になりますね。患者そうですか。合併症駅に進まないためにはどんなことに気をつけたら、いいですか?医師3つのポイントがあります。患者それは何ですか?(興味津々)●ポイントわかりやすい例えを利用することで、理解が深まります

4056.

28)超簡単!糖尿病三大合併症の覚え方【糖尿病患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話患者どんな合併症が起こるんですか?医師糖尿病は別名、血管の病気といわれていますから、全身のあらゆる場所に、ありとあらゆる合併症が起こる可能性があります。患者血管の病気ってなんですか?医師特に、糖尿病の人に起こりやすいのが、糖尿病の3大合併症ともいわれています。患者それは何ですか?医師手足のしびれやこむら返りなどの神経障害、失明の原因となる眼の合併症、透析の原因となる腎臓の合併症です。患者なるほど。医師神経障害、眼、腎臓の頭文字をとって「し・め・じ」と覚えておくといいですね。患者キノコのしめじですね。しめじは大好きです。それなら覚えられそうです。●糖尿病の3大合併症1.し しんけい(神経)障害2.め め(眼)の合併症(網膜症)3.じ じん(腎)症●ポイント語呂合わせで、教えることで記憶に残ります

4057.

29)低血糖の症状を覚えてもらうコツ【糖尿病患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話医師この薬を飲むと、低血糖が起こる可能性があります。患者低血糖ってどんな症状が出るのですか?医師代表的な5つの症状を覚えておいてください。患者5つの症状?医師強い空腹感、冷や汗やふるえ、動悸、何も処置せずに放っておくと、意識がなくなる人もいます。患者なるほど。医師低血糖は「ハ行」で覚えておくといいですね。患者ハ行!?医師腹が減り(ハ)、冷や汗(ヒ)、震え(フ)、変にドキドキ(へ)、放置しておくと意識がなくなる(ホ)です。患者なるほど。それなら、私にも覚えられそうです。●低血糖は、ハ行「ハヒフヘホ」ハハラ(腹)が減り(空腹感)ヒヒヤ(冷)汗フフル(震)えヘヘン(変)にドキドキ(動悸)ホホウ(放)置しておくと意識がなくなる(昏睡)●ポイント語呂合わせで説明することで、記憶に残ります

4058.

30)休日はゴロゴロしている人への指導法【糖尿病患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話患者休みになると、体重が増えてしまいます。医師働かざる者・・・という言葉がありますね。患者働かざる者 食うべからずですね。医師そうです。働かざる者食うべからずです。これからにんべんをとると・・・。患者にんべんをとる?医師「動かざる者食うべからず」ということになります。患者なるほど!医師「動いた時は食べる、動かない時は食べない」これが大切です。患者私、逆になっていますね。平日はよく動いているのか、食べないのに、休みの日はゴロゴロして、何かつまんでばかりです。これから気をつけます。●ポイント慣用句を用いて、説明すれば患者さんの理解度が深まります

4059.

糖尿病認知症劇場 「もしかして認知症なの?」

糖尿病患者さんには、さまざまな合併症に注意が必要です。今回は、その中でも「認知症」に焦点をあて、いつもみえられる患者さんの、ちょっと気になる点を寸劇でご紹介します。言動、挙動など医師、医療スタッフが気がついておきたいポイントをご覧ください。演者は、近畿で活躍する看護師、薬剤師などの医療従事者がつとめます。明日からの診療にお役立てください。

検索結果 合計:4899件 表示位置:4041 - 4060