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46)糖質を多く含む野菜の上手い説明法【糖尿病患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話患者先生にいわれてから、サラダを先に食べているんですが、なかなか血糖が減りません。医師野菜を先に食べるのを、意識されているんですね。患者そうなんです。どうしてなんでしょうか?医師もしかすると、食べてる野菜が問題かもしれませんね。患者食べてる野菜?医師そうです。糖質の多い野菜は、血糖を上昇させることが知られています。患者糖質の多い野菜には、どんなものがあるんですか?医師イモ、カボチャ、トウモロコシなどですね。野菜サラダが良いと思って頑張って食べている人の中に、ポテトサラダをせっせと食べている人がいます。患者それ私のことですね。良いと思って嫁に頼んで、たっぷりと作ってもらっていました。これからは気をつけます。(気づきの言葉)●ポイント血糖上昇の原因が、ポテトサラダであることに気づいてもらえるように説明しましょう

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コントロール不良の糖尿病にインスリンポンプ療法が有効/Lancet

 インスリンポンプ療法は、インスリン頻回注射療法で血糖コントロールが不良な2型糖尿病患者の糖化ヘモグロビン(HbA1c)値を改善することが、フランス・カーン大学のYves Reznik氏らが行ったOpT2mise試験で示された。血糖コントロールが不良な患者に強化インスリン療法として基礎・追加インスリンによる頻回注射療法を行っても、約30%はHbA1c値が正常化せず、低血糖や体重増加のリスクが増大することから、新たな治療法が求められている。これまでに2つの無作為化クロスオーバー試験で、ポンプ療法が頻回注射療法よりも良好な血糖コントロールをもたらすことが示唆されているが、2つの並行群間比較試験では差は認められていない。Lancet誌オンライン版7月3日号掲載の報告。ポンプ療法への切り替えの有用性を無作為化試験で評価 OpT2mise試験は、インスリン頻回注射療法を行っても血糖コントロールが不良な2型糖尿病患者において、インスリンポンプ療法に切り替える群と頻回注射療法を継続する群を比較する二重盲検無作為化並行群間比較試験。 対象は、年齢30~75歳、導入期間終了後にHbA1c値が8.0~12.0%(64~108mmol/mol)の患者とし、2つの群に1対1の割合で無作為に割り付けた。主要評価項目は、平均HbA1c値のベースライン時からの変化の差とした。 試験期間は2010年12月~2014年2月であり、北米、欧州、イスラエル、南アフリカの36施設が参加した。2013年5月までに590例が登録され、331例が解析の対象となった。少ない総インスリン量で、より良好な血糖コントロールを達成 ポンプ療法群に168例(平均年齢55.5歳、男性56%、罹病期間14.9年、BMI 33.5)が、頻回注射療法継続群には163例(56.4歳、53%、15.3年、33.2)が割り付けられた。ベースラインの平均HbA1c値は両群ともに9.0%(75mmol/mol)だった。 6ヵ月後に、平均HbA1c値がポンプ療法群で1.1%、頻回注射療法群で0.4%低下した。両群間の差は-0.7%(95%信頼区間[CI]:-0.9~-0.4)であり、ポンプ療法群が有意に良好であった(p<0.0001)。 試験終了時の平均1日総インスリン量はポンプ療法群が97単位と、頻回注射療法群の122単位に比べ有意に少なかった(p<0.0001)。平均体重はそれぞれ1.5kg、1.1kg増加したが、有意差は認めなかった(p=0.322)。 入院を要する重篤な有害事象(高血糖、ケトーシス)が3例にみられ、2例がポンプ療法群、1例は頻回注射療法群であった。ケトアシドーシスは両群ともに認めなかった。頻回注射療法群の1例に重篤な低血糖がみられたが、入院治療で回復した。 著者は、「インスリン頻回注射療法で血糖コントロールが不良な2型糖尿病患者に対して、インスリンポンプ療法は安全に施行可能であり、有用な治療選択肢となる可能性がある」とまとめ、「総インスリン量が少ないポンプ療法で血糖コントロールが良好であった理由として、薬物動態/薬力学(PK/PD)が優れることが推察される。また、ポンプ療法は患者にとってより簡便で、用量の確認などの手間が少なく、アドヒアランスの改善も期待できる」と指摘している。

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空腹時血糖値の正常範囲の覚え方

患者さん用画 いわみせいじCopyright© 2014 CareNet,Inc. All rights reserved.説明のポイント(医療スタッフ向け)診察室での会話患者 空腹時血糖の正常範囲はどれくらいですか?医師 コンビニの名前で覚えておくといいですよ。患者 コンビニの名前?医師 近くに、セブン・イレブンがありますよね。空腹時の血糖の正常範囲は70~110mg/dLですから、セブン・イレブンで覚えておくといいですよ。画 いわみせいじ患者 セブン・イレブン、いい気分ですね。これなら覚えられそうです。医師 それから低血糖になるとよくないので、「低いのは損(ローソン)」も覚えておいてくださいね。患者 ハハハ、それなら私にも覚えられそうです。ポイント身近な例(コンビニ名)を出すことで、記憶に残りますCopyright© 2014 CareNet,Inc. All rights reserved.

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飲酒と死亡率~約40万人の大規模前向き研究

 国際がん研究機関(IARC、本部:フランス)のPietro Ferrari氏らは、「欧州がんと栄養前向き調査」(EPIC)により、飲酒と死亡率の関連を調節する因子の役割を調べ、死亡の絶対リスクを推定した。この欧州大規模コホートの結果、飲酒は、全死亡率、飲酒関連がんによる死亡、暴力による死傷と明らかな関連がみられたが、CVD/CHD死亡との関連はわずかであった。また、EPICにおける死亡の絶対リスクから、飲酒が全死亡率の重要な決定因子であることが示唆された。BMJ open誌2014年7月号の掲載報告。 本試験は、欧州10ヵ国23施設で実施した。登録時にがん・糖尿病・心臓発作・脳卒中に罹患していなかった38万395人の男女を平均12.6年間追跡したところ、2万453人に致死的イベントが発生した。そのうち、飲酒がリスク増加と関連するがん(上部気道消化管がん・肝臓がん・大腸がん・乳がんなど)による死亡は2,053人、心血管疾患(CVD)または冠動脈疾患(CHD)による死亡は4,187人、暴力による死傷は856人であった。生涯における平均飲酒量は、登録時の自己申告に基づいて評価した。 主な結果は以下のとおり。・適度な量の飲酒者(0.1〜4.9g/日)に対する多量飲酒者(女性で30g/日以上、男性で60g/日以上)の全死亡ハザード比は、 女性で1.27(95%CI:1.13~1.43)、男性で1.53(同:1.39~1.68)であった。・飲酒量と飲酒関連がんの死亡率は強い関連がみられ、とくに男性で関連が強かった。また、暴力による死傷との関連は男性のみでみられた。・飲酒者において飲酒量とCVD/CHD死亡率に関連はみられず、非飲酒者のほうが適度な飲酒者に比べてハザード比が高かった。・全死亡率は、とくに男性で、ワインよりもビールに強く関連しているようであった。・30g/日以上飲酒している60歳女性の10年全死亡リスクは、非喫煙者で5%、現喫煙者で7%であった。また、60g/日以上飲酒している60歳男性の10年全死亡リスクは、非喫煙者で11%、現喫煙者で18%であった。・競合リスク分析では、男性ではCVD/CHDの死亡率は飲酒関連がんの死亡率より顕著であった。一方、女性ではCVD/CHDと飲酒関連がんの死亡率は同等であった。

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エキスパートに聞く! 「SGLT2阻害薬」 パート2

日常診療で抱く疑問に、専門医がわかりやすく、コンパクトに回答するコーナーです。今回は「糖尿病診療」の中で今旬の話題である「SGLT2阻害薬」について、会員医師からの疑問にご回答いただきました。明日の診療から使えるコツをお届けします。体重を3kg程度減らすとされていますが、その現象がなぜ1年ほどで止まってしまうのか、ご教示ください。SGLT2阻害薬は、尿糖排泄を促進することによりエネルギー収支を負に傾け、体重を減少させます。その体重減少効果はおおむね6ヵ月で底値(平均約3kg減少)に達し、観察期間2年の報告では、その後有意な増加はなく維持されています。しかし、質問にありますように、投与後6ヵ月以降ではさらなる体重減少は認めにくいようです。観察期間2年の報告を見ても経過中の尿糖排泄量に変化はないようです。理論的には、一定の食事と運動を継続する限り、体重はどこかで安定すると考えられます。しかし、体重減少作用減弱の原因として摂食量の増加や糖の消費に伴うエネルギー消費効率の低下もある程度寄与する可能性は否定できません。SGLT2阻害薬投与マウスやSGLT2ノックアウトマウスでは、コントロール群と比較し観察期間を通して摂餌量が増加し、SGLT1、2ノックアウトマウスではさらに摂餌量が増加します。また、SGLT2阻害薬投与後のエネルギー消費を確認したヒトや動物での研究はまだ少ないですが、体重減少効果が減弱した時期に酸素消費量や呼吸商を検討した報告では、コントロール群とSGLT2阻害薬群で差はないとされています。(保険診療外において)糖尿病ではない患者に対し、体重減少を目的として使用した場合、その効果は期待できるのかどうか、ご教示ください。健常者にSGLT2阻害薬を投与した場合においても、尿糖排泄が増加します。通常使用量では25~60g/日の尿糖排泄が確認されており、100~240kcal/日のエネルギー喪失となるため、非糖尿病肥満者でも体重減少効果が認められると考えます。しかし、安易な使用は、中止後の体重のリバウンドや、尿糖排泄に伴う尿路・性器系感染症のリスクといった問題点を引き起こしかねず、非糖尿病者での使用は厳に慎むべきです。SGLT2阻害薬と併用薬による改善効果の違いはどの程度でしょうか、ご教示ください。SGLT2阻害薬は、既存の糖尿病治療薬とまったく異なる作用機序を有する薬剤であり、すべての糖尿病治療薬で併用効果があります。日本人2型糖尿病患者対象の、既存糖尿病治療薬との52週間併用試験の結果では、スルホニル尿素(SU)薬:-0.63~0.84%、グリニド薬:-0.59~0.76%、DPP-4阻害薬:-0.52~0.81%、ビグアナイド薬:-0.61~0.95%、チアゾリジン薬:-0.6~0.86%、α-グルコシダーゼ阻害薬:-0.68~0.84%と、既存薬間での違いは見られません。観察期間中の低血糖発現率は、SU薬:3.0~14.7%、グリニド薬:0~6.1%で、その他の薬剤:3%未満で、SU薬やインスリン製剤と併用する場合にはとくに低血糖に注意が必要です。体重減少効果は、SU薬とチアゾリジン薬で乏しい傾向ですが、52週時点でもSGLT2阻害薬投与前と比較し体重減少は少なく、SU薬とチアゾリジン薬のデメリットを低減すると考えます。その他既存薬との併用では-2.5~3.0kgの体重減少効果があります。腎機能が低下しつつある患者さんにも効果が期待できるでしょうか、ご教示ください。SGLT2阻害薬非投与時の2型糖尿病患者の尿糖排泄量(平均±標準偏差)は、腎機能低下に伴い、正常腎機能6.71±8.77g/日、軽度腎機能障害8.80±17.0g/日、中等度腎機能障害2.00±3.76g/日、重度腎機能障害0.553±0.247g/日と減少します(トホグリフロジン添付文書)。また、SGLT2阻害薬自体も腎機能低下に伴い、糸球体濾過量が減少します。このように、腎機能低下例では、糖およびSGLT2阻害薬の糸球体での濾過量が減少するため、SGLT2阻害薬投与時の2型糖尿病患者の24時間尿糖排泄量は、正常腎機能70~90g/日、軽度50~70g/日、中等度20~40g/日、重度腎機能障害10g/日と、腎機能低下とともに減少します。このような理由から、中等度腎機能低下例(30≦eGFR≦59mL/min/1.73 m2)のHbA1c改善度は-0.1~0.3%程度と減弱します。しかし、興味深いことに、腎機能正常例と比較し体重減少効果の減弱は認められず、その原因は現時点では不明です。また、高度腎機能低下または透析中の末期腎不全例では、効果がないことや副作用発現リスクを考慮し投与しないことになっています。副作用の発現時に、すぐに休薬すべきか、しばらく様子をみるかどうか、また、休薬時のポイントをご教示ください。●低血糖とくにインスリン製剤やスルホニル尿素(SU)薬と併用する場合に留意する必要があります。インスリン製剤やSU薬は血糖管理不良例で使用されていることが多いですが、SGLT2阻害薬の血糖低下作用は血糖管理不良例ほど大きく、インスリン製剤やSU薬と併用する場合には予期せぬ低血糖が起こる場合があり、低血糖リスク軽減のためインスリンやSU薬の減量を考慮する必要があります。ただし、インスリン製剤やSU薬使用例はインスリン分泌能低下例も多く、早めの受診を促し病態悪化阻止に努めるべきです。低血糖出現時には糖質摂取を促し、インスリンやSU薬を減量してください。●脱水投与早期(とくに1ヵ月以内)に多く、とくに、高齢者、利尿剤投与例、血糖コントロール不良例で注意が必要です。SGLT2阻害薬による尿量増加は200~600mL/日とされており、予防として500mL/日程度の飲水を促し、脱水を認めた場合は休薬と補液を考慮ください。●尿路/性器感染症とくに既往を有する例で注意が必要です。清潔を保持することで多くは予防可能ですが、症状出現時には速やかに受診するよう事前指導し、感染症治療を行うとともに、症状に応じて休薬を考慮ください。●ケトン体増加インスリン作用不足に起因する場合にはインスリン補充が必要であり、糖尿病性ケトアシドーシスの場合には、とくに速やかな対応が必要です。糖尿病性ケトアシドーシスでは3-ヒドロキシ酪酸が顕著に増加しますが、尿ケトン体定性検査は3-ヒドロキシ酪酸を検出できないため、過小評価となる危険性があるので注意してください。●休薬時の対応SGLT2阻害薬の休薬時には、病態に応じて薬剤の変更や追加が必要です。※エキスパートに聞く!「糖尿病」Q&A Part1はこちら

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45)捨てられない状況を変えるよう説明するコツ【糖尿病患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話患者もったいなくて、なかなか捨てられなくて、つい食べちゃうんです。医師確かに、捨てるのは、なかなか難しいですね。患者そうなんです。なんだか、もったいなくて・・・医師そこが人生の分かれ目(ターニングポイント)ですね。患者ターニングポイント?医師そうです。余分なものを胃袋に捨てるか、ゴミ袋にすてるか?患者それが問題ですね。余分なもので体脂肪が増えるんですものね。医師そうですね。思い切って捨てるか、誰かに回したり、翌日に回してみてもいいですね。患者わかりました。なるべく、胃袋に捨てないように頑張ってみます。●ポイント捨てられない状況に共感し、一緒に対策を立てる

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ケアネット白書~糖尿病編2014

株式会社ケアネットでは、このほど「ケアネット白書~糖尿病編(以下、糖尿病白書2014)」をまとめた。本調査は、2型糖尿病患者を1ヵ月に1人以上診察している医師を対象に、2014年4月にインターネット調査を実施し、その回答をまとめたものである。2014年版では、この春発売となった「SGLT2阻害薬」の処方意向や処方患者像なども質問項目に加え、最新の糖尿病治療について調査した。以下、「糖尿病白書2014」の概要を紹介する。CONTENTS1.調査目的と方法2.結果1)回答医師の背景2)2型糖尿病の患者数3)薬剤の使用状況4)薬剤選択の際に重要視する項目5)新薬「SGLT2阻害薬」の評価・処方意向1. 調査目的と方法本調査の目的は、糖尿病診療に対する臨床医の意識を調べ、その実態を把握するとともに、主に使用されている糖尿病治療薬を評価することである。2型糖尿病患者を1ヵ月に10人以上診察している全国の医師500人を対象に、(株)ケアネットのウェブサイトにて、アンケート調査への協力を依頼し、2014年4月11日~4月15日に回答を募った。2. 結果1)回答医師の背景回答医師500人の主診療科は、一般内科が40.8%で最も多く、次いで糖尿病・代謝・内分泌科で32.8%、循環器科で10.8%である。それら医師の所属施設は、病院(20床以上)が65.4%、診療所(19床以下)が34.6%となっている。医師の年齢層は50-59歳が最も多く36.0%、次いで40-49歳が31.4%、39歳以下が22.6%と続く。40代から50代の医師が全体の7割近くを占めている(表)。表を拡大する2)2型糖尿病の患者数●1ヵ月に診察している2型糖尿病患者数最近(2014年4月基準)1ヵ月に、外来で診察している2型糖尿病患者は全体平均133.6人である。診療科別で見ると、糖尿病・代謝・内分泌科は平均258.3人、その他の診療科では平均72.7人であった。3)薬剤の使用状況●2型糖尿病に対する糖尿病治療薬の使用状況2型糖尿病に対する糖尿病治療薬をSU薬、速効型インスリン分泌促進薬(グリニド)、α-グルコシダーゼ阻害薬(α-GI)、ビグアナイド(BG)薬、チアゾリジン薬、DPP-4阻害薬、GLP-1受容体作動薬、インスリン製剤、その他――のカテゴリーに分けて、食事・運動療法に加えて薬物療法を実施する際の第一選択薬を聞いた(図1)。図1を拡大する使用が最も多いのはDPP-4阻害薬で、回答した医師全体の40.5%が第一選択薬として使っている(図1下)。昨年の数値(40.1%)と比較するとほぼ横ばいの値であった。次いで多いのがBG薬で、23.3%。昨年の数値(20.5%)と比較すると約3ポイントの上昇が認められた。以下、α-GIが8.9%、SU薬が8.3%、速効型インスリン分泌促進薬が3.0%となっている。なかでもα-GI、SU薬は、昨年はともに10%強であったが、今年は数値を落としている。結果、第一選択薬はDPP-4阻害薬、BG薬で二分する形となった。図2を拡大する<糖尿病・代謝・内分泌科での第一選択薬>回答医師の属性が糖尿病・代謝・内分泌科の場合、最も選択の多いのはBG薬で、38.9%であった(図2中央)。昨年、BG薬から首位の座を奪ったDPP-4阻害薬は32.4%となり、BG薬の底力を見せつける結果となった。<その他の診療科(糖尿病・代謝・内分泌科以外)での第一選択薬>回答医師の属性がその他の診療科の場合、最も選択の多いのがDPP-4阻害薬で44.4%であった(図2下)。昨年と比較するとほぼ横ばいの結果である。以下、BG薬が15.6%、α-GIが10.9%、SU薬が9.2%などとなっている。その他の診療科の結果は、昨年とほぼ同じ傾向であった。4)薬剤選択の際に重要視する項目なお、薬剤を選択する際に重要視する項目についても聞いている(複数回答)。最も多いのは昨年に続き「低血糖を来しにくい」で、76.6%の医師が挙げている。以下、血糖降下作用が強い(65.8%)、重篤な副作用がない(63.0%)などが主なものである(図3左)。図3を拡大する<糖尿病・代謝・内分泌科での重要視項目>回答医師の属性が糖尿病・代謝・内分泌科の場合、薬剤選択で重要視する項目として最も多いのは「低血糖を来しにくい」で、80.5%の医師が挙げている(図3中央)。次に、「体重増加を来しにくい」(74.4%)などが続く。<その他の診療科(糖尿病・代謝・内分泌科以外)での重要視項目>回答医師の属性がその他の診療科の場合も、薬剤選択で重要視する項目として最も多いのは「低血糖を来しにくい」であった。一方、専門医での評価が高い「体重増加を来しにくい」は42.9%と、専門医と比べ、重要視項目としては低い結果であった(図3右)。全体的な傾向をまとめると、昨年同様、診療科を問わず「低血糖を来しにくい」薬剤が重要視されていることが明らかとなった。インクレチン関連薬登場以降に本項目の重要度は高まった。今春発売となったSGLT2阻害薬の登場が「体重増加を来しにくい」への評価にどう影響をもたらすかについては、来年度の白書にてレポートしたい。5)新薬「SGLT2阻害薬」の評価・処方意向2014年春、登場したSGLT2阻害薬※はその新しい作用機序ゆえに注目が集まっている。昨年に続き、SGLT2阻害薬の評価や今後の処方意向について調査した(図4)。※SGLT2阻害薬は、腎尿細管において糖の再吸収に関与するトランスポーターのナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)を阻害し、血糖値依存的に尿糖排泄を促すことで血糖低下作用を発揮する。低血糖のリスクは低く、体重減少作用を有すると注目されている。図4を拡大する●SGLT2阻害薬で評価できる特徴SGLT2阻害薬で評価できる特徴について質問したところ、「インスリン分泌を介さない血糖降下作用」が70.2%と最も高く、次いで、「体重減少作用」(69.0%)、「低血糖を来しにくい」(63.4%)であった(図4左)。<糖尿病・代謝・内分泌科での評価>回答医師の属性が糖尿病・代謝・内分泌科の場合、81.6%が「体重減少作用」を評価していた(図4中央)。以下、「インスリン分泌を介さない血糖降下作用」(68.7%)「低血糖を来しにくい」(60.7%)、と続いた。<その他の診療科(糖尿病・代謝・内分泌科以外)での評価>回答医師の属性がその他の診療科の場合は、「インスリン分泌を介さない血糖降下作用」が71.0%と最も多かった。次いで「低血糖を来しにくい」(64.8%)、「体重減少作用」(62.6%)であった(図4右)。全体的な傾向をまとめると、専門医はSGLT2阻害薬の体重減少作用をより評価しており、これは「薬剤選択の際に重要視する項目」とも関連が認められた。一方で、非専門医は「インスリン分泌を介さない血糖降下作用」を最も評価するという結果であった。SGLT2阻害薬の評価ポイントについて、専門医と非専門医で若干の違いがあることが浮き彫りとなった。●SGLT2阻害薬に対する処方意向SGLT2阻害薬の処方意向について質問したところ、「周りの医師の反応をみながら処方を検討してみたい」との回答が49.3%で最も多かった。次いで「発売時より処方を検討していきたい」(39.2%)との回答であった(図5上)。図5を拡大する<糖尿病・代謝・内分泌科での処方意向>回答医師の属性が糖尿病・代謝・内分泌科の場合、「発売時より処方を検討していきたい」との回答が59.4%と「周りの医師の反応をみながら処方を検討してみたい」(33.8%)を上回る高い処方意向が認められた(図5中央)。<その他の診療科(糖尿病・代謝・内分泌科以外)での処方意向>回答医師の属性がその他の診療科の場合は、「周りの医師の反応をみながら処方を検討してみたい」が57.9%と最も多く、1年目は様子見という状況が伺えた(図5下)。専門医では「発売時より処方を検討していきたい」の回答が6割弱と、SGLT2阻害薬の処方に前向きなことが明らかとなった。この結果をみる限り、SGLT2阻害薬は発売直後より2型糖尿病治療の新たな選択肢として注目を浴びると予想される。

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事例11 インスリン(IRI)検査の査定【斬らレセプト】

解説2型糖尿病の在宅自己注射指導管理料算定中の患者に対して、糖尿病関連の諸検査を行ったところ、インスリン(IRI)検査が診療報酬支払基金よりC(医学的理由により不適当と判断されるもの)を理由に査定となった。事例の患者には在宅自己注射指導管理料が算定されている。体外からインスリンの補給を行っている患者であることがわかる。IRI検査は、血中のインスリンを測定する検査であって、自己分泌のインスリンであるかないかの区別はできない。したがって、インスリン治療をすでに開始している患者へのIRI検査は疑問であり、CPRが同時算定されていることもあって査定になったものであろう。事例の原因は、医学的判断ではなく検査項目がひとまとめに指定できるところにあった。セット項目に入っていても、必要が無いと判断された検査は、省いていただけるようお願いするとともに、セット項目を必要最小限に組み直して誤入力防止の対策とした。

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新薬の説明を例えで簡単に

患者さん用画 いわみせいじCopyright© 2014 CareNet,Inc. All rights reserved.説明のポイント(医療スタッフ向け)診察室での会話患者 糖尿病の新しい薬が出たそうですね。医師 「DPP-4阻害薬」のことですね。患者 その薬はどんな薬なんですか?医師 糖尿病の飲み薬は今まで、5種類あったのですが、その中の2種類は膵臓を刺激してインスリンを出す薬で、よく効くのですが、食事の時間が遅れたりしたら低血糖になることがありました。患者 低血糖。それは怖いですね。医師 この新しい薬は、血糖を下げるインスリンというホルモンの出方をきめ細やかに調整してくれる薬なんです。画 いわみせいじ患者 インスリンの出方を調節?医師 つまり、蛇口から出る水をインスリンとすると、出しっぱなしになると低血糖になってしまいますが、この薬は血糖値が高い時はたくさん出してくれて、血糖値が低くなりはじめたら、蛇口を少し締めてくれます。患者 だから、高血糖にも低血糖になりにくいんですね。(納得した顔)ポイント水道の蛇口に例えることで、患者さんの理解が深まりますCopyright© 2014 CareNet,Inc. All rights reserved.

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患者さんに合わせて説明する合併症

患者さん用画 いわみせいじCopyright© 2014 CareNet,Inc. All rights reserved.説明のポイント(医療スタッフ向け)診察室での会話患者 肥満になると、どんな合併症が出るんですか?医師 肥満と関係の深い11の合併症があります。患者 それは何ですか?医師 糖尿病、心筋梗塞、睡眠時無呼吸症候群などです。(イラストを示しながら)患者 なるほど。医師 この中で、どんな合併症が気になりますか?画 いわみせいじ患者 そうですね。「睡眠時無呼吸」ですね。医師 それでは、「睡眠時無呼吸」について詳しく説明させてもらいますね。患者 よろしくお願いします。ポイント合併症のすべてを説明せず、ポイントを絞って説明するCopyright© 2014 CareNet,Inc. All rights reserved.

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増えた体重を身近なもので例える

患者さん用画 いわみせいじCopyright© 2014 CareNet,Inc. All rights reserved.説明のポイント(医療スタッフ向け)診察室での会話患者 最近、ベルトの穴が増えて、まずいなと思っています。医師 すこし体重のことについて、教えてもらっていいですか?患者 はい。医師 20歳から体重は、何kgくらい増えましたか?患者 20歳からですか・・・10kgぐらい増えました。医師 10kgですね。10kgというと、どんな物を思い浮かべられますか?患者 そうですね。お米ですかね。医師 お米、他にもペットボトルなら5本分、赤ちゃんなら3人分というところでしょうか。画 いわみせいじ患者 そんなに体脂肪がついたのですね。医師 日本人の年齢に伴う、体重増加の平均は男性は5kg、女性なら7kgぐらいだそうです。患者 えっ、それなら、私は倍、増えていますね。少し減らした方がいいですね。医師 そうですね。ダイエット作戦を一緒に考えましょう。ポイント身近なもので増えた体重を実感してもらうと、危機感が上がりますCopyright© 2014 CareNet,Inc. All rights reserved.

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ながら食いを止めるためには

患者さん用画 いわみせいじCopyright© 2014 CareNet,Inc. All rights reserved.説明のポイント(医療スタッフ向け)診察室での会話患者 つい、食べてしまうんです。医師 確かに、おいしいものが眼の前にあると、つい食べてしまいますよね。患者 そうなんです。なければ食べないんですけど・・・医師 なるほど。わざわざ買いにいったりはしないんですね。それならいい方法がありますよ。患者 どんな方法ですか?(興味津々)医師 食べたくなる刺激を減らすんです。画 いわみせいじ患者 食べたくなる刺激を減らす!?医師 そうです。眼の前になければ食べないわけですから、お菓子とかを眼のつかない所に置く。できれば買わないのが一番ですけどね。患者 なるほど。確かにそうですね。ポイントつい食べてしまう(外発的摂食)行動がみられる人には、刺激統制法が有効ですCopyright© 2014 CareNet,Inc. All rights reserved.

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メトホルミンへの追加薬、インスリンはSU薬よりも予後が不良/JAMA

 メトホルミン単剤で治療を開始した糖尿病患者にインスリン製剤を追加投与すると、スルホニル尿素(SU)薬を追加した場合に比べ、非致死的心血管疾患や全死因死亡のリスクが高いことが、米国・ヴァンダービルト大学のChristianne L Roumie氏らの検討で示された。糖尿病治療では、メトホルミンのみではHbA1c≦7%の達成が難しく、追加薬を要することが多いが、適切な薬剤選択のエビデンスは少ない。医師は、良好な血糖コントロールや膵β細胞保護作用への期待から早期にインスリン製剤を導入する傾向が高まっているが、患者は体重増加や低血糖への懸念から導入を遅らせたがることが多いという。なお、同氏らはインスリン製剤のほうがリスクが低いとの仮説のもとで本研究を開始している。JAMA誌2014年6月11日号掲載の報告。追加薬の違いによる転帰の差を後ろ向きに解析 研究グループは、メトホルミンで治療を開始し無効となった糖尿病患者において、追加薬剤としてインスリン製剤を導入した場合とSU薬を使用した場合の転帰をレトロスペクティブに評価した。 退役軍人健康庁(VHA)、メディケア、国民死亡記録(NDI)のデータベースを使用し、2001~2008年の糖尿病患者のデータを抽出した。患者の背景因子に基づく傾向スコアマッチング法を用い、メトホルミン+インスリン群とメトホルミン+SU薬群に1対5の割合でマッチングした。 Cox比例ハザード周辺構造モデルを用いて、治療群間の複合転帰(非致死的急性心筋梗塞[AMI]、脳卒中による入院、全死因死亡)のリスクを比較した。AMIと脳卒中の頻度は同等、全死因死亡に大きな差 2001~2008年に17万8,341例がメトホルミンで治療を開始し、そのうち2,948例がインスリン製剤を、3万9,990例がSU薬を追加していた。傾向スコアマッチング法でメトホルミン+インスリン群の2,436例とメトホルミン+SU薬群の1万2,180例がマッチングされた。 両群ともに、薬剤追加時の年齢中央値は60歳、男性が95%であり、メトホルミン単剤の投与期間中央値は14ヵ月、HbA1c中央値は8.1%であった。薬剤追加後のフォローアップ期間中央値は14ヵ月。 イベント発生数は、メトホルミン+インスリン群が172件、メトホルミン+SU薬群は634件で、1,000人年当たりの頻度はそれぞれ42.7件、32.8件であり、インスリンを追加したほうが転帰が不良であった(補正ハザード比[aHR]:1.30、95%信頼区間[CI]:1.07~1.58、p=0.009)。 AMIと脳卒中の頻度は両群間で同等であったのに対し、全死因死亡がインスリン追加群で高頻度に発生していた。すなわち、AMI+脳卒中のイベント発生数はそれぞれ41件、229件で、1,000人年当たり10.2件、11.9件(aHR:0.88、95%CI:0.59~1.30、p=0.52)、全死因死亡はそれぞれ137件、444件で、1,000人年当たり33.7件、22.7件(aHR:1.44、95%CI:1.15~1.79、p=0.001)であった。 副次評価項目であるAMI、脳卒中による入院、心血管死の複合転帰のイベント発生数は、メトホルミン+インスリン群が54件、メトホルミン+SU薬群は258件で、1,000人年当たりの頻度はそれぞれ22.8件、22.5件と両群で同等だった(aHR:0.98、95%CI:0.71~1.34、p=0.87)。 著者は、「インスリン製剤の使用に関連するリスクの原因を解明するためにさらなる検討を要する」とし、「この知見は、経口投与が可能な患者ではインスリン製剤とSU薬の効果は同等とする勧告に疑問を投げかけるもの」と指摘している。

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44)ナトリウムから食品相当量への換算方法を教えるコツ【糖尿病患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話患者塩分のとり過ぎには、気をつけているつもりなんですが、食品の栄養成分表示をみると・・・医師それはいいですね。どこをチェックしていますか?患者ナトリウムです。ナトリウムは塩分のことですよね。医師確かに、食塩(NaCl)には、ナトリウムも含まれていますが、塩素も含まれています。つまり、ナトリウムの2.5倍が食塩量ということになります。患者えっ、そんなに違うんですか!医師例えば、カップラーメンに「ナトリウム 2g」と書いてあったら、その2.5倍、つまり食塩が5g入っているということです。患者こりゃまさに「倍返し!」ですね。●ポイント間違えやすい食品の栄養成分表示を、わかりやすく教えましょう●資料食塩含有量(g)=ナトリウム含有量(g) × 2.54

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肥満の閉塞性睡眠時無呼吸患者へのCPAP+減量介入の効果は?/NEJM

 肥満を伴う閉塞性睡眠時無呼吸患者の治療において、持続陽圧呼吸療法(CPAP)と減量介入の併用療法は、それぞれの単独療法に比べC反応性蛋白(CRP)値を改善しないことが、米国・ペンシルバニア大学のJulio A Chirinos氏らの検討で示された。肥満と閉塞性睡眠時無呼吸は併存する傾向があり、炎症やインスリン抵抗性、脂質異常症、高血圧との関連が知られているが、その因果関係は解明されていない。これまでに行われた心血管リスクに関する減量介入の試験に閉塞性睡眠時無呼吸患者は含まれておらず、CPAPの試験で肥満への介入を含むものはないという。NEJM誌2014年6月12日号掲載の報告。併用による増分効果を無作為化試験で評価 研究グループは、肥満を伴う閉塞性睡眠時無呼吸患者の治療におけるCPAP、減量介入、CPAP+減量介入の効果を比較する無作為化試験を実施した。対象は、BMI≧30、中等度~重度の閉塞性睡眠時無呼吸(無呼吸低呼吸指数[AHI]≧15回、AHI:睡眠1時間当たりの無呼吸、低呼吸の合計回数)、CRP>1.0mg/Lの患者とした。 CPAPは、個々の患者に合わせて機器を調整した後、毎晩施行した。減量介入は、週1回のカウンセリングを行い、カロリー摂取目標を体重114kg未満の患者は1,200~1,500kcal/日に、114kg以上の場合は1,500~1,800kcal/日に設定した。治療期間は24週であった。 ベースライン、8週、24週時に、CRP値(主要評価項目)、インスリン感受性(副次評価項目)、脂質値(同)、収縮期血圧(探索的評価項目)などを測定し、CPAPと減量介入の併用による各単独療法に対する増分効果の評価を行った。インスリン感受性の測定は、頻回採血ブドウ糖静注負荷試験で行った。CRP改善の増分効果はないが、厳格な治療遵守で収縮期血圧が改善 181例が登録され、併用群に62例(平均年齢49.0歳、男性53.2%、平均BMI 38.4、平均AHI 47.1回/時、高感度CRP中央値4.3mg/L)、CPAP群に58例(49.8歳、60.3%、39.8、41.2回/時、4.7mg/L)、減量群には61例(48.3歳、59%、38.1、39.7回/時、4.4mg/L)が割り付けられた。1回以上の評価が行われた146例が解析の対象となった。 24週の治療により、併用群と減量群ではCRP値(いずれもp<0.001)、インスリン抵抗性(p<0.001、p=0.01)、血清トリグリセライド(TG)値(p<0.001、p=0.03)が有意に改善したが、CPAP群ではこのような変化は認められなかった。収縮期血圧は3群のすべてで有意に低下した(併用群:p<0.001、CPAP群:p=0.02、減量群:p<0.007)。 併用群では、CPAP群や減量群に比べ、CRP値の有意な増分効果は認められなかったが、減量群ではCPAP群に比し有意に低下した(p=0.01)。また、併用群では、CPAP群に比べインスリン抵抗性(p=0.01)および血清TG値(p=0.046)が有意に改善したが、併用群と減量群には有意な差はなかった。 事前に規定されたアドヒアランスの基準を満たした90例(併用群:24例、CPAP群:39例、減量群:27例)を対象にper-protocol解析を行ったところ、併用群ではCPAP群、減量群に比べ、収縮期血圧(p<0.001、p=0.02)が有意に改善された。同様に、平均動脈圧も併用群が各単独群に比べ有意に改善した。 著者は、「CPAPと減量介入の併用によるCRP改善の増分効果は認めなかったが、併用レジメンの厳格な治療遵守により収縮期血圧で増分効果が得られる可能性がある」とまとめ、「肥満を伴う閉塞性睡眠時無呼吸患者の治療戦略では、減量介入が重要な要素であることが示唆される」と指摘している。

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高血圧と糖尿病の合併には注意

Dr.桑島の高血圧をわかりやすく説明できるスライド高血圧と糖尿病 は悪友どうし!メモ高血圧の患者さんは、ほかに合併症をもつ場合が多い(高コレステロール血症、糖尿病、腎臓病など)。とくに高血圧と糖尿病の2つの病気をもっていると、血管病を起こす危険性が4倍~6倍に増加するので要注意!1+1=2ではなく、1+1=6になってしまうことも。監修:東京都健康長寿医療センター顧問 桑島 巌 氏Copyright © 2014 CareNet,Inc. All rights reserved.

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血圧変動は心血管イベントや死亡率を予測するか:日本を含む国際研究

 自由行動下血圧の血圧変動と死亡率や心血管イベントとの関連が議論されているが、血圧変動が高血圧患者における心血管イベントおよび死亡率を予測するかどうか、日本を含む国際研究において検討された。その結果、夜間の血圧変動が全死因死亡率、心血管疾患死亡率、心血管イベントの独立した予測因子であったことをイタリア・パドヴァ大学のPaolo Palatini氏らが報告した。Hypertension誌オンライン版2014年6月16日号に掲載。 本研究には、6つの前向き研究に登録された未治療高血圧患者7,112例(男性3,996例、52±15歳)が参加し、追跡期間中央値は5.5年であった。 主な結果は以下の通り。・夜間血圧の標準偏差(SD)は、年齢、BMI、喫煙、糖尿病、夜間血圧の平均との間に正の相関がみられた(すべてp<0.001)。・夜間の血圧変動は、多変量Coxモデルにおいて、全死因死亡率(収縮期血圧:p<0.001/拡張期血圧:p<0.0001)、心血管疾患死亡率(p=0.008/p<0.0001)、心血管イベント(p<0.001/p<0.0001)の独立した予測因子であった。一方、日中の血圧変動は、どのモデルにおいても独立した予測因子ではなかった。・完全に調整されたモデルにおいて、夜間収縮期血圧のSD 12.2mmHg以上は、同12.2mmHg未満と比べて、心血管イベントの41%増加、心血管疾患死亡リスクの55%増加、全死因死亡リスクの59%増加に関連していた。また、拡張期血圧のSD 7.9mmHg以上でのリスク増加はそれぞれ48%、132%、77%であった。

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高血圧が色覚障害発症に関連?~日本の中年男性での検討

 高血圧は色覚障害の発症に関わるのだろうか。埼玉県立医科大学眼科の庄司 拓平氏らは、日本の中年男性における血圧と後天性色覚障害の有病率の関連を検討した。その結果、中年における高血圧が視覚神経機能に負の影響を与える可能性があることが示唆された。American Journal of Hypertension誌オンライン版2014年6月4日号に掲載。 著者らは、参加者に色覚検査、眼科検査、標準的な面接、身体検査、静脈血の血液検査を実施し、心血管疾患の危険因子を血液・身体検査の結果と面接によって判断した。BMI、脂質異常症、糖尿病、白内障、緑内障、喫煙状況、飲酒状況の調整後にロジスティック回帰分析を行った。 主な結果は以下のとおり。・1,042人のうち872人が適格とされた。・Lanthony低彩度15ヒューテストでは130人が、またFarnsworth-Munsell 100ヒューテストでは31人が後天性色覚障害と診断された。・拡張期血圧は、100ヒューテストによる後天性色覚障害患者(10mmHg増加に対する調整オッズ比:1.42、95%CI:1.00~2.02)、15ヒューテストによる後天性色覚障害患者(同オッズ比:1.25、95%CI:1.04~1.51)の両方に有意に関連していた。・最も血圧が低いカテゴリー(収縮期血圧120mmHg未満かつ拡張期血圧80mmHg未満)に対する、最も血圧が高いカテゴリー(収縮期血圧160mmHg以上かつ拡張期血圧100mmHg以上)の多変量調整オッズ比は、100ヒューテストによる後天性色覚障害患者で7.13(95%CI:1.72~27.88)、15ヒューテストによる後天性色覚障害患者で4.37(95%CI:1.69~11.03)であった。傾向検定は両解析とも有意であった(p<0.05)。

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