アレルギー科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:33

妊娠中のn-3系脂肪酸摂取、児の喘鳴・喘息リスク低下/NEJM

 妊娠24週以降にn-3系長鎖多価不飽和脂肪酸(LCPUFA)を摂取することで、出生児の持続性喘鳴または喘息、および下気道感染症のリスクが絶対値で約7%、相対的には31%低下することが明らかになった。デンマーク・コペンハーゲン大学のHans Bisgaard氏らが、妊娠中のn-3系LUPUFA摂取が出生児の持続性喘鳴または喘息リスクに及ぼす効果を検討した単施設二重盲検プラセボ対照比較試験の結果を報告した。n-3系LCPUFAの摂取不足は、喘鳴性疾患の有病率増加に寄与している可能性がある。これまで、観察研究では妊娠中のn-3系LCPUFA摂取不足と出生児の喘息・喘鳴性疾患のリスク増加との関連が示唆されていたが、無作為化比較試験は検出力が低く結果は不確かであった。NEJM誌2016年12月29日号掲載の報告。

新生児期の飼い犬との触れ合いがアトピーのリスク低下に関与

 デンマーク・コペンハーゲン大学のSunna Thorsteinsdottir氏らは、コペンハーゲン小児喘息前向きコホート研究(Copenhagen Prospective Studies on Asthma in Childhood:COPSAC)から2つの独立した出生コホートを用い、生後3年間における室内犬への曝露がアトピー性皮膚炎発症に影響を及ぼすかどうかを検討した。その結果、新生児の室内犬への曝露はアトピー性皮膚炎のリスク減少と強く関連しており、その関連は飼犬頭数に依存的であることを明らかにした。著者は、「機序は不明だが、今回の結果は胎児のときの曝露量がアトピー性皮膚炎のリスクに影響を及ぼす可能性を提起するもので、疾患の経過について早期における環境要因の重要性を強調するものである」とまとめている。Allergy誌2016年12月号(オンライン版2016年8月9日号)掲載の報告。

離乳期早期からの加熱卵摂取は卵アレルギーを予防/Lancet

 積極的なアトピー性皮膚炎治療と併用し、離乳期早期から加熱した卵を少量ずつ段階的に摂取することで、ハイリスク乳児の鶏卵アレルギーを安全に予防できることが明らかとなった。国立成育医療研究センターの夏目統氏らが、アトピー性皮膚炎の乳児を対象に行った無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験「卵アレルギーの発症予防研究(Prevention of Egg Allergy with Tiny Amount Intake:PETIT研究)」の結果を報告した。近年、食物アレルギーの予防戦略として、摂取を遅らせるより早期摂取のほうが有効であるとのエビデンスが増えてきている。このような固形食物の早期摂取によりアレルギー反応が引き起こされることもあったが、著者は、「今回の研究で、食物アレルギーによって引き起こされるアレルギー発症の第二の波を克服する実用的な方法が開発された」とまとめている。Lancet誌オンライン版、2016年12月8日号掲載の報告。

軽症喘息への低用量吸入ステロイドは?/Lancet

 症状発現頻度が週に0~2日の軽症喘息患者に対する低用量吸入コルチコステロイド(ICS)の投与は、症状増悪リスクを減らし、肺機能低下の予防効果もあることが示された。オーストラリア・シドニー大学のHelen K. Reddel氏らが、7,000例超の患者を対象に行ったプラセボ対照無作為化比較試験「START」の、事後解析の結果で、Lancet誌オンライン版2016年11月29日号で発表した。ICSは、喘息増悪と死亡率の低下に非常に有効であるが、症状発現頻度の低い喘息患者は、投与の対象に含まれていない。一方で、週に2日超の患者への投与は推奨されているが、そこを基準とするエビデンスは乏しかった。

アトピー性皮膚炎の自己免疫疾患リスク、喫煙と関連か

 成人アトピー性皮膚炎患者は自己免疫疾患に罹患しやすく、とくに喫煙者で認められることが、デンマーク・コペンハーゲン大学のYuki M F Andersen氏らによる全国健康登録データの検証の結果、示された。これまでに、アトピー性皮膚炎と自己免疫疾患の関連性について指摘はされているが、データはほとんどなく、一貫性が認められなかった。著者は、「今回のデータで因果関係について結論することはできないが、アトピー性皮膚炎患者において自己免疫疾患が増大しているとの認識を正当化できるものと思われる」とまとめている。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2016年10月11日号掲載の報告。

気管支喘息への新規抗IL-5受容体抗体の治療効果は?(解説:小林 英夫 氏)-598

気管支喘息の有病率は減少していないが、本邦での年間死亡数は20年前に7千人を超えていたものが近年は2千人以下と減じた。その最大の理由として、吸入ステロイド薬の普及が挙げられる。しかし、高用量の吸入ステロイド薬ないし吸入ステロイド+長時間作用型β2刺激薬でもコントロールに難渋する重症・難治性気管支喘息が約1割でみられる。そこで、さらなる治療効果を求め、抗IgE抗体や抗interleukin-5(IL-5)抗体が臨床に登場した。新規抗IL-5抗体benralizumabは、Il-5のアルファサブユニット(IL-5Rα)を標的とするヒト化モノクローナル抗体で、受容体結合により抗体依存性細胞障害作用を発揮し、ナチュラル・キラー細胞を介し好酸球のアポトーシスを誘導する。すでに、第II相試験で好酸球性喘息の増悪を改善する効果が得られている。本論文では、benralizumabがプラセボ群に比して年間喘息増悪を有意に抑制すると報告している。