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境界性パーソナリティ障害治療におけるω3脂肪酸とバルプロ酸併用

 境界性パーソナリティ障害(BPD)患者に対するオメガ3(ω3)脂肪酸の有効性について、いくつかのエビデンスが報告されている。以前行われたBPD患者43例を対象とした12週間のランダム化比較試験において、バルプロ酸単独療法と比較し、イコサペント酸エチル(EPA)およびドコサヘキサエン酸エチル(DHA)とバルプロ酸の併用療法の有効性が評価されている。併用療法は、バルプロ酸単独療法(対照群)との比較で、衝動性行動制御、怒りの噴出、自傷行為など、いくつかのBPD症状に対し、より有効であった。イタリア・トリノ大学のPaola Bozzatello氏らは、ω3脂肪酸の投与中止後、両群間の有効性の差が維持されているかを評価するため、24週間のフォローアップ試験を行った。Clinical drug investigation誌オンライン版2018年1月5日号の報告。

国内のインフルエンザ増加続く。推計受診者数1,400万人に/本年第5週

 2018年第5週(平成30年1月29日~2月4日)の定点当たりのインフルエンザ報告数は54.33(患者報告数268,811)となり、第4週(平成30年1月22~28日)の定点当たり報告数52.35よりも増加した。都道府県別では大分県(77.09)、福岡県(69.96)、埼玉県(68.29)、神奈川県(66.31)、高知県(66.19)、鹿児島県(64.61)、千葉県(63.98)、愛知県(62.52)、山口県(62.28)、佐賀県(59.51)、三重県(58.28)、福島県(57.43)、岩手県(56.98)、宮崎県(56.02)、新潟県(55.74)、熊本県(55.06)の順となっている。

初期アルツハイマー病におけるエアロビクスエクササイズの影響

 アルツハイマー病患者は、自立した日常生活動作が妨げられる。アルツハイマー病患者の自立を支えるための介入を特定し、介護の経済的および心理的な負担を軽減することは不可欠である。米国・カンザス大学のEric D. Vidoni氏らは、初期アルツハイマー病患者の機能障害および介護の時間について調査を行った。Journal of geriatric physical therapy誌オンライン版2017年12月28日号の報告。

双極性障害患者における道路交通傷害リスクと薬物治療との関連

 双極性障害患者の道路交通傷害リスクを調査するため、台湾・長庚大学のVincent Chin-Hung Chen氏らは、台湾の全国規模の人口データセットを用いて、非双極性障害患者との比較検討を行った。さらに、双極性障害と道路交通傷害リスクとの関連に対する、リチウム、抗てんかん薬、抗うつ薬、第1世代抗精神病薬、第2世代抗精神病薬の処方で推定される緩和効果についても調査を行った。Journal of affective disorders誌2018年1月15日号の報告。

かかりつけ医の初診料に加算を新設:2018年度診療報酬改定 答申

 中央社会保険医療協議会(中医協)は、2018年2月7日の総会で2018年度診療報酬改定案をまとめ、加藤勝信厚生労働相に答申した。今回の改定では団塊の世代が後期高齢者となる2025年を見据えて「地域包括ケアシステムの構築」が柱の1つとして掲げられ、外来医療の機能分化、歯科医・薬剤師との連携や生活習慣病の重症化予防を推進する項目が盛り込まれている。

抗うつ薬の臨床試験におけるプラセボ効果に関する解析

 抗うつ薬の臨床試験におけるプラセボの反応率は増加し続けていることから、臨床試験の失敗数の増加を招いていると考えられてきた。最近報告された2件のシステマティックレビューで、この問題が調査されており、それぞれの報告で正反対の見解が示された。京都大学の古川 壽亮氏らは、これまでの結果を再検討する解析を行った。Evidence-based mental health誌オンライン版2018年1月12日号の報告。

抗VEGF薬硝子体内注射の効果をリアルワールドデータで確認

 米国・ラッシュ大学医療センターのElizabeth A. Atchison氏らは、米国眼科学会(AAO)によるIRIS(Intelligent Research in Sight)レジストリのデータを解析し、抗血管内皮増殖因子(VEGF)薬の硝子体内注射後の眼圧低下は、わずかだが統計的に有意に持続していることを明らかにした。臨床的に有意な眼圧上昇は、治療眼全体で2.6%に認められたという。Ophthalmology誌オンライン版2018年1月11日号掲載の報告。

人工知能(AI)で胃がんを発見する/がん研究会

 2018年1月22日、公益財団法人がん研究会有明病院(院長:山口 俊晴、所在地:東京都江東区)の平澤俊明医師(上部消化管内科副部長)と株式会社AIメディカルサービス(CEO: 多田智裕、所在地:東京都新宿区)の多田智裕医師(ただともひろ胃腸科肛門科院長/東京大学医学部客員講師)らの研究グループは、人工知能(AI)を活用し、胃内視鏡静止画像の中から高精度に胃がんを検出する内視鏡画像診断支援システムを開発したと発表。

統合失調症患者における抗精神病薬使用と死亡率

 統合失調症における抗精神病薬での治療が、患者の死亡率の増減に関連しているのか、また、特定の薬剤と投与経路との間に臨床的な意味の違いがあるのかは、よくわかっていない。東フィンランド大学のHeidi Taipale氏らは、統合失調症患者に対する抗精神病薬治療と死亡率との関連について検討を行った。Schizophrenia research誌オンライン版2017年12月20日号の報告。

身体活動がPTSDに及ぼす影響

 心的外傷後ストレス障害(PTSD)の有病率は高まっており、治療を受けていない場合、個人、家族および最終的には社会全体へ重大な影響を及ぼす可能性がある。これまでのPTSD治療には、心理療法と薬物療法があるが、患者は、それ以外の治療を受ける機会を制限されている。心理療法と薬物療法を組み合わせたこれまでの治療方法を強化するため、費用対効果の高い補助療法に関する研究が求められている。

男性のAGA、高血圧と有意に関連

 男性型脱毛症(AGA)については、これまでの研究で、メタボリック症候群に関連するさまざまな因子との関係が示されているが、一貫した結果は得られていない。韓国・延世大学校原州医科大学のBo-Kyung Kim氏らが、韓国の地域住民を対象とした断面調査を行った結果、AGAに関連のある因子には性差があり、男性では高血圧とAGAとの有意な関係が認められたことを報告した。著者は、「AGA発症のメカニズムに性差がある可能性があり、AGAの男性患者では血圧を評価し、高血圧の場合は介入したほうがよい」とまとめている。International Journal of Dermatology誌2018年2月号掲載の報告。

ブルーリボンキャラバン~もっと知ってほしい大腸がんのこと2018 in東京~【ご案内】

 東京医科歯科大学医学部附属病院 消化器化学療法外科、同院 大腸・肛門外科、同院 腫瘍センター、同大学院 応用腫瘍学講座、同大学院 未来がん医療プロフェッショナル養成プランは、認定NPO法人キャンサーネットジャパンと共催で、2018年3月3日(土)に大腸がん疾患啓発イベント「ブルーリボンキャラバン」を開催する。同イベントは、大腸がんの診断・検査から外科的治療・薬物療法について広く知ってもらうことを目的に、国際的な大腸がん啓発月間でもある3月に毎年開催されている。会場は、東京医科歯科大学M&Dタワー 2階 鈴木章夫記念講堂。当日は来場者全員にオリジナル冊子「もっと知ってほしい大腸がんのこと」のプレゼントがあり、ブルーを身に着けて来場した方には粗品も用意されている。

前立腺がん、患者の受診に同行する家族は半数未満

 バイエル薬品株式会社(本社:大阪市、代表取締役社長:ハイケ・プリンツ)は2018年1月31日、前立腺がんの治療経験のある患者および前立腺患者の家族について、治療への取り組みやコミュニケーションについて意識調査を行った。同調査は、2017年12月21日~12月26日に、前立腺がんの治療経験のある患者103名、前立腺がん患者の家族103名を対象に、インターネットによるアンケート形式で実施した。

てんかん患者におけるMRIに共通する脳SPECT画像の解析

 SISCOMやSTATISCOMは、てんかんの局所発作のためのMRIを中心に、発作/発作間欠期SPECT(単一光子放射断層撮影)分析に効果的であると臨床的に証明されている。最近では、この分析のためにソフトウェアも利用可能となった。米国・メイヨー・クリニックのZaiyang Long氏らは、これら局所発作の分析方法について、その性能の調査と比較を行った。Journal of neuroimaging誌オンライン版2018年1月10日号の報告。

座りっぱなしの人の糖尿病対策あれこれ

 2018年1月23日、日本イーライリリー株式会社と日本交通株式会社は、共同で「ライフスタイルに合わせた糖尿病の治療と対策セミナー」を都内において開催した。セミナーには、糖尿病患者、糖尿病予備群、健康に興味がある日本交通株式会社のタクシードライバーが参加。医師、管理栄養士、フィジカルトレーナーの3人の専門家から糖尿病診療と対策についてレクチャーを受けた。

NSCLC2次治療以降のS-1、ドセタキセルに非劣性(East Asia S-1Trial in Lung Cancer)/Ann Oncol

 最近の分子標的療法や免疫療法の進歩にもかかわらず、化学療法は依然として進行非小細胞肺がん(NSCLC)治療における実質的な選択肢である。進行NSCLC患者の2次または3次治療において、S-1の有効性をドセタキセルと比較した、軒原 浩氏らによるEast Asia S-1Trial in Lung Cancer試験の結果が、Annals of Oncology誌2017年11月1日号に掲載された。

正常組織で正確に発がんリスク診断。国がんが測定法開発

 国立研究開発法人国立がん研究センター(理事長:中釜斉、東京都中央区)は2018年1月23日、これまで測定困難であった正常組織に蓄積された微量の点突然変異の測定法の開発に成功したと発表。この新たな測定法を用いて正常な胃と食道での点突然変異とDNAメチル化異常両者の蓄積量を測定し、発がんリスクとの関連を調べた。