オシメルチニブによるEGFR変異肺がん1次治療、厚労省が優先審査

提供元:ケアネット

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公開日:2018/02/07

 

 アストラゼネカ株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役社長:ステファン・ヴォックスストラム)は2018年2月5日、第3世代EGFR-TKIオシメルチニブ(商品名:タグリッソ)が、厚生労働省より優先審査品目に指定されたと発表。

 オシメルチニブは、本邦において2016月3月に「EGFRチロシンキナーゼ阻害薬に抵抗性のEGFR T790M変異陽性の手術不能又は再発非小細胞肺癌」の適応で承認された。その後、2017年11月に「EGFR遺伝子変異陽性の手術不能又は再発非小細胞肺癌」を予定の効能・効果として、T790M変異の有無に関わらず、EGFR変異陽性非小細胞肺がん(NSCLC)の1次治療への適応拡大に向けた製造販売承認事項一部変更承認を申請していた。

 当指定は、治療歴のない局所進行あるいは転移を有するEGFR変異陽性NSCLCの1次治療においてオシメルチニブの有効性と安全性を検討した、第III相FLAURA試験の結果に基づいている。同試験において、オシメルチニブ投与群は、現在の標準1次治療であるEGFR-TKIのエルロチニブまたはゲフィチニブ投与群と比べて、有意に無増悪生存期間(PFS)を延長した(18.9ヵ月対10.2ヵ月)。また、これらの改善は、脳転移の有無に関するサブグループを含む、事前に既定したすべてのサブグループにおいて認められた。さらにオシメルチニブ投与群は、既存の標準1次治療群と比較して2倍以上の奏効期間中央値(17.2ヵ月対8.5ヵ月)を示し、優れた客観的奏効率と共に、過去の安全性プロファイルと一貫した良好な忍容性を示した。

■参考
FLAURA試験(Clinical Trials.gov)
FLAURA試験(New England Journal of Medicine)

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EGFR変異陽性NSCLCの1次治療、オシメルチニブ vs.標準治療/NEJM

(ケアネット 細田 雅之)