医療一般|page:349

認知症者の自動車運転を停止するためのワークショップ

 認知症者にとって、自動車運転は大きな危険を伴う。カナダの医師は、不適切な運転手を報告する法的な責任を負っており、その決定を患者に明らかにする必要がある。医師は患者との健全な関係を維持したいと考えているものの、認知症者は洞察力が不足しており、運転免許の喪失に対して非常に強い感情を示す。これらが、正確な情報交換を妨げる可能性がある。カナダ・オタワ病院のAnna Byszewski氏らは、このような難しい通達を行う医療従事者のための戦略と支援を提供する目的で、マルチメディアモジュールの開発を試みた。Canadian geriatrics journal誌2017年12月22日号の報告。

ペムブロリズマブ、化学療法併用でNSCLC1次治療のOS延長(KEYNOTE-189)

 Merck社は2018年1月16日、転移性非扁平上皮性非小細胞肺がん(NSCLC)の1次治療の第III相KEYNOTE-189試験において、ペムブロリズマブとペメトレキセド+シスプラチンまたはカルボプラチンの併用が、主要評価項目である全生存期間(OS)および無増悪生存期間(PFS)を達成したと発表。独立データモニタリング委員会による中間解析では、ペムブロリズマブとペメトレキセド+プラチナ化学療法との併用は、ペメトレキセド+プラチナ化学療法単独よりもOSおよびPFSを延長した。この併用におけるペムブロリズマブの安全性プロファイルは以前の報告と一致していた。KEYNOTE-189の結果は、今後の医学会議で発表され、規制当局に提出される。

角膜可塑性は緑内障のリスク因子

 緑内障発症のリスク因子として角膜可塑性(CH)の役割が注目されている。米国・デューク大学のCarolina N. Susanna氏らは、前向き観察コホート研究において、CH低値が緑内障の視野欠損発症リスクの増加と有意に関連していることを明らかにした。著者は、「本研究は前向きの縦断研究であり、緑内障発症のリスク因子としてのCHの役割を支持する結果である」とまとめている。American Journal of Ophthalmology誌オンライン版2018年1月2日号掲載の報告。

成人不眠症に対する音楽療法に関するメタ解析

 原発性不眠症は、成人における最も一般的な問題の1つである。しかし、不眠症に対する非薬理学的介入として、音楽療法を用いるべきか、またどのような治療を優先すべきか、についてはよくわかっていない。中国・The 302nd Hospital of Chinese PLAのFan Feng氏らは、原発性不眠症患者を対象に、音楽療法群(介入群)と非音楽療法群(対照群)との比較を実施するため、検討を行った。International journal of nursing studies誌2018年1月号の報告。

睡眠時間長いと糖尿病リスク高、日系人で強い関連

 米国・ハワイ大学がんセンターのGertraud Maskarinec氏らが、日系アメリカ人を含む約15万人の多民族コホートにおいて2型糖尿病発症と睡眠時間の関連を調査したところ、睡眠時間が長い(9時間以上)と2型糖尿病リスクが12%高く、これは、炎症・脂質プロファイルの悪化・アディポネクチンの低下が介在する可能性が示唆された。Sleep health誌2018年2月号に掲載。

米国成人におけるウイルスとうつ病との関連

 うつ病などの気分障害は、一般的な精神疾患である。うつ病に関連する因子には、C型肝炎、インフルエンザ、水痘帯状疱疹、ヘルペスなどのウイルスを含む感染症への曝露がある。米国・ブリガムヤング大学のShawn D. Gale氏らは、ウイルス曝露とうつ病とのさらなる関連を評価するため検討を行った。Psychiatry research誌オンライン版2017年12月20日号の報告。

自撮り写真でのにきびの遠隔診断、対面診断とほぼ一致

 テレダーマトロジー(遠隔皮膚診断)は過去20年で急激に成長し、特定の皮膚科アプリケーションについて多くの技術革新が、必ずしも検証研究を受けることなく利用できるようになっている。米国・コロンビア大学のHannah M. Singer氏らは、予備的な臨床試験を行い、Network Oriented Research Assistant(NORA)による自己撮影写真を用いたざ瘡(にきび)の評価と、対面診断の結果が一致することを明らかにした。著者は、「NORAは信頼性が高い遠隔診療技術であり、皮膚科学研究のための遠隔皮膚診断プラットフォームとして使用することができ、皮膚科診療へのアクセスを増やすことができるものである」とまとめている。JAMA Dermatology誌オンライン版2017年12月20日号掲載の報告。

PARP阻害剤オラパリブ卵巣がんに国内承認~BRCA変異問わず~

 アストラゼネカ株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役社長:ステファン・ヴォックスストラム)は2018年1月19日、「白金系抗悪性腫瘍剤感受性の再発卵巣癌における維持療法」を効能・効果とした本邦初のPARP阻害剤オラパリブ(商品名:リムパーザ錠)の国内における製造販売承認を取得したと発表。  オラパリブは、DNA損傷応答(DDR)機能を活用した新規の作用機序を持つ世界初のPARP阻害薬。DNAの相同組換え修復機構が機能していないがん細胞に特異的に細胞死を誘導する画期的な作用機序を有する。

血漿中脂質過酸化反応に対する抗精神病薬の影響

 ポーランド・ウッチ医科大学のAnna Dietrich-Muszalska氏らは、ユニークな作用機序を有する新規抗精神病薬であるアリピプラゾールに関して、酸化ストレスのマーカーであるTBARS(チオバルビツール酸反応性物質)レベルで測定したヒト血漿中脂質過酸化に及ぼす影響について、クエチアピン、オランザピン、クロザピン、リスペリドン、ziprasidoneなどの他の抗精神病薬と比較し、評価を行った。Psychiatry and clinical neurosciences誌オンライン版2017年12月27日号の報告。

ニボルマブ・イピリムマブ併用、腎細胞がんに国内申請

 小野薬品工業株式会社とブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社は2018年1月15日、抗PD-1抗体ニボルマブ(商品名:オプジーボ)および抗CTLA-4抗体イピリムマブ(商品名:ヤーボイ)について、根治切除不能又は転移性の腎細胞がんに対する両剤の併用療法に係る国内製造販売承認事項一部変更承認申請を行ったと発表。

統合失調症の発症バイオマーカーを共同研究

 ヤンセンファーマ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社⻑:クリス・フウリガン)は2018年1月15日、統合失調症前駆期の正確な診断、精神病発症予測をサポートするバイオマーカーを開発するため、国立精神・神経医療研究センター、富山大学、東邦大学、奈良県立医科大学、久留米大学、千葉大学と共同研究を行うと発表した。

長期の夜間シフトは女性のがんを増やす?

 乳がんは世界中の女性の中で最も多く診断されるがんであり、以前から女性の夜勤労働者と乳がんリスクとの関連を明らかにしようと、多くのメタアナリシスは試みたが、その結論は多様である。中国・四川大学では、長期にわたる夜間作業が、女性のがんのリスクを増加させるかを確認するためにメタ解析を行った。Cancer Epidemiology, Biomarkers and Prevention誌オンライン版2018年1月8日号掲載。

肥満とオランザピンの急性代謝系副作用との関連

 オランザピンは、統合失調症や様々な適応外疾患の管理に用いられる第2世代抗精神病薬である。オランザピンの急性代謝反応は、肥満に関連する多くの副作用を引き起こす。統合失調症患者は肥満率が高いが、元々ある肥満関連代謝障害がオランザピンの急性副作用を増大させるかどうかは不明である。カナダ・ゲルフ大学のLogan K. Townsend氏らは、非肥満マウスと高脂肪食(HFD)肥満マウスにおけるオランザピンの反応を比較した。Psychoneuroendocrinology誌オンライン版2017年12月8日号の報告。

日本人のビタミンD摂取量と脳卒中死亡が逆相関

 ビタミンDの心血管の健康に及ぼす重要性に関する報告が増えている。今回、JACC研究(The Japan Collaborative Cohort Study)で日本人集団における食事でのビタミンD摂取量と脳卒中・冠動脈疾患死亡リスクの関連を調べたところ、ビタミンD摂取量が脳卒中死亡と逆相関することが示唆された。Stroke誌オンライン版2018年1月8日号に掲載。

医療者が壊れる前のファーストエイド

 医療事故に直面し傷ついた患者・遺族と医療者双方をケアし、支援していくシステムの普及を目指し設立された一般社団法人Heals(Healthcare Empowerment and Liaison Support)の設立シンポジウムが、2017年12月23日に都内において開催された。シンポジウムでは、医師、看護師をはじめとする医療従事者、弁護士など法曹関係者、患者団体など約170名が参加し、現状の問題点や今後の展望についてディスカッションが行われた。