内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:159

ノババックス製ワクチン、12歳以上の接種を承認/添付文書改訂

 厚生労働省は7月21日、ノババックス製新型コロナウイルスワクチン「組換えコロナウイルス(SARS-CoV-2)ワクチン」(商品名:ヌバキソビッド筋注)について添付文書を改訂し、初回免疫(1回目・2回目)の接種対象者の年齢を、18歳以上から12歳以上に引き下げたことを発表した。なお、本ワクチンの3回目の追加接種は、従来どおり18歳以上が対象となっている。また、初回免疫でほかのメーカーのワクチンを接種した者に対しては、ノババックス製ワクチンを3回目に使用した際の有効性と安全性は確立していないとしている。

コロナ疑い熱中症患者への最新対応法/日本救急医学会

 日本救急医学会は『新型コロナウイルス感染症流行下における熱中症対応の手引き(第2版)』発刊に関する記者会見を7月15日に行った。初版が発刊されてから2年、今回はとくに“熱中症とマスク着用の関係性”と“蒸散冷却法の使用有無”に焦点が当てられて改訂が行われ、神田 潤氏(帝京大学医学部附属病院 高度救命救急センター/新型コロナウイルス感染症の流行を踏まえた熱中症診療に関するワーキンググループ タスクフォース長・編集長)がこれらの根拠などについて解説した。

片足で10秒立てる中高年者は長寿かも?

 簡単そうに思うかもしれないが、片足で10秒間立ち続けるのは意外に難しい。それができるかできないかが、10年以内の死亡リスクの評価指標となり得るとする、新たな論文が報告された。運動医学クリニックCLINIMEX(ブラジル)のClaudio Araujo氏らの研究によるもので、詳細は「British Journal of Sports Medicine」に6月21日掲載された。  Araujo氏によると、有酸素運動能力や筋力、柔軟性などが加齢とともに徐々に低下していくのとは異なり、バランス能力は60歳ぐらいまでかなりよく維持されているという。しかしその後、急速に低下するとのことだ。同氏らは、「10秒間の片足立ちで静的バランスを簡便に評価できる。高齢者の定期健診に組み込むべきだ」と提案している。

異種ワクチンでのブースター接種、安全性は?/BMJ

 新型コロナウイルス(COVID-19)ワクチン接種について、「ChAdOx1-S」(アストラゼネカ製)によるプライマリ接種とmRNAワクチン(「BNT162b2」[ファイザー製]または「mRNA-1273」[モデルナ製])によるブースター接種(異種ワクチン接種)は、プライマリ+ブースターをすべてmRNAワクチンで接種した場合(mRNA同種ワクチン3回接種)と比べて、重篤な有害イベントリスクの増大は認められなかったことを、デンマーク・Statens Serum InstitutのNiklas Worm Andersson氏らが報告した。同国内でワクチン接種をした成人を対象に行ったコホート試験の結果で、これまで異種ワクチンの安全性に関する情報は不十分だった。BMJ誌2022年7月13日号掲載の報告。

オミクロン株流行時期における5~11歳児に対するBNT162b2ワクチンの有効性(解説:寺田教彦氏)

本研究はBNT162b2ワクチンのオミクロン株流行時期における5~11歳を対象にした研究である。オミクロン株の流行中に新規のワクチン接種を受けた小児におけるBNT162b2ワクチンの有効性を推定するため、イスラエル最大の医療組織であるクラリット・ヘルス・サービス(CHS)のデータを用いて2021年11月23日以降にワクチン接種を受けた5~11歳児と未接種の対照をマッチさせてSARS-CoV-2感染の予防、有症状のCOVID-19患者を比較しており、和文要約は「オミクロン株流行中の5~11歳のワクチン接種、実際の有効性は?/NEJM」に記載がある。

認知症患者とその介護者に対する遠隔医療介入効果~メタ解析

 遠隔医療機器を用いた医療介入は、COVID-19パンデミックにより必要性が高まっていることや、テクノロジーを通じ、医療提供者、患者、その家族のインフラおよび快適性が向上したことから、世界中で標準的な医療行為になりつつある。しかし、認知症患者の家族に対する遠隔医療介入の有効性はよくわかっていない。そのため、単なる便利なツールというだけでなく、エビデンスベースの遠隔医療介入を開発していくための調査が求められている。台湾・高雄医学大学のIta Daryanti Saragih氏らは、認知症患者およびその介護者に対する遠隔医療の心理教育的および行動的な介入の影響と有効性を調査する目的で、システマティックレビューおよびメタ解析を実施した。その結果、遠隔医療介入は、認知症患者のうつ病を軽減するとともに、介護者の知覚能力を向上させることが示唆された。Journal of Nursing Scholarship誌オンライン版2022年6月29日号の報告。

スマートウォッチでCOVID-19を早期発見できる?

 スマートウォッチにより、新型コロナウイルスに感染したかどうかが分かる日が来るかもしれない。皮膚温や心拍数、呼吸数の変化をモニタリングできるウェアラブルアクティビティトラッカー(活動量計)に人工知能(AI)を組み合わせることで、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発症前に感染を特定できる可能性が、新たな研究で示唆された。Dr Risch Medical Laboratory(リヒテンシュタイン)のLorenz Risch氏らが実施したこの研究の詳細は、「BMJ Open」に6月21日掲載された。

9割以上の高齢者がエイジズムを日常的に経験

 年齢に基づいた偏見や差別をエイジズムという。年齢を理由に雇用しないのも、からかうつもりで大切な人に「もう年なんだから」と伝えるのもエイジズムである。そうしたエイジズムを、ほぼ全ての高齢者が日常的に経験していることが、新たな研究で示された。研究論文の筆頭著者である米オクラホマ大学健康運動科学分野のJulie Ober Allen氏は、「エイジズムは、最もありふれた形の差別であり、また最も社会的に容認されている差別なのかもしれない」と話している。研究の詳細は、「JAMA Network Open」に6月15日掲載された。

コロナPCR検査等の誤判定、日本での要因は?

 新型コロナウイルス感染症の診断において、PCRをはじめとする核酸検査には高い信頼性が求められており、厚生労働省では、その測定性能や施設の能力の違いの実態把握と改善を目的として、2年にわたり「新型コロナウイルス感染症のPCR検査等にかかる精度管理調査業務」委託事業を行っている。今回、令和3年度調査結果について報告書がまとめられ、日本臨床検査薬協会(臨薬協)と日本分析機器工業会(分析工)がメディア勉強会を開催。同調査を実施、報告をとりまとめた宮地 勇人氏(新渡戸文化短期大学 副学長)が講演した。

テオフィリン鼻洗浄でコロナの嗅覚障害は改善するか

 気管支喘息治療薬でおなじみのテオフィリンは、細胞内のcAMP濃度を上昇させることで神経の興奮性を高める作用があり、これを利用した嗅覚の改善効果が以前より立証されている。また、最近の研究では生理食塩水鼻洗浄(SNI)にテオフィリンを追加することで、新型コロナウイルス感染後の嗅覚機能障害(OD:olfactory dysfunction)の効果的な治療になり得ることが示唆されている。  そこで、米国・ワシントン大学・セントルイス校のShruti Gupta氏らは新型コロナウイルス関連のODに対し、テオフィリン鼻洗浄の有効性と安全性を評価した。その結果、テオフィリン鼻洗浄の臨床的利点は決定的ではないことが示唆された。JAMA Otolaryngology-Head&Neck Surgery誌オンライン版2022年7月7日号掲載の報告。