内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:156

モデルナ、オミクロン株対応2価ワクチンを国内承認申請

 2022年8月10日、モデルナ・ジャパンは、追加接種用2価ワクチンmRNA-1273.214 50μgを、18歳以上を対象とした追加接種用ワクチンとして厚生労働省に承認事項一部変更申請を行ったことを発表した。追加接種用2価ワクチンmRNA-1273.214は、mRNA-1273とオミクロン株対応のmRNAを含んでいる。  今回の申請は、臨床試験前に血清学的にSARS-CoV-2検査が陰性であった被験者に対する、第II/III相臨床試験などの結果に基づく。  第II/III相臨床試験では、mRNA-1273.214による追加接種(50μg)が、mRNA-1273の追加接種(50μg)との比較において、オミクロン株(BA.1)に対する中和抗体反応など全ての主要評価項目を達成した。

断続的断食がCOVID-19重症化リスクを抑制?

 断続的断食が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)重症化リスクを抑制するのではないかとする論文が、「BMJ Nutrition, Prevention and Health」に7月1日掲載された。筆頭著者である、米インターマウンテン心臓血管/遺伝疫学部門の責任者、Benjamin Horne氏は、「断続的断食に関しては既に、炎症や心血管リスクの抑制につながることが示されているが、本研究によって新たなメリットの可能性が明らかになった。断続的断食を長期間続けている人はCOVID-19との戦いに有利かもしれない」と述べている。

ガイドライン改訂とパンデミックで日本人の血圧はどう変わった?

 健診データを用いて、2015~2020年度に日本人の血圧がどのように変化したかを解析した結果、2019年のガイドライン改訂や2020年の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックの影響が確認されたとする論文が報告された。東北医科薬科大学医学部衛生学・公衆衛生学教室の佐藤倫広氏らの研究結果であり、詳細は「Hypertension Research」に6月20日掲載された。  近年の日本では国民の血圧に影響を与え得る二つの出来事があった。一つは2019年に日本高血圧学会がガイドラインを改訂し、75歳未満の成人の降圧目標を以前の140/90mmHg未満から130/80mmHg未満(いずれも診察室血圧)に引き下げたこと。もう一つは2020年のCOVID-19パンデミックで、生活様式の変化やストレスが、人々の血圧に影響を及ぼしている可能性が指摘されている。佐藤氏らは、健康保険組合および国民健康保険の健診データを用いた後ろ向きコホート研究によって、一般住民の血圧の変化を調べた。

爪の変色が再入院リスクと独立して関連―国内単施設前向き研究

 入院患者の爪の色から、退院後の再入院リスクを予測可能であることを示すデータが報告された。爪の半月(非高齢者の大半に見られる爪の根元の白い部分)がなくなっているのに爪の色が白く変化している高齢者は、交絡因子を調整後も再入院リスクが有意に高いという。雲南市立病院地域ケア科診療科の太田龍一氏らの研究によるもので、研究成果が「Cureus」に4月19日掲載された。  爪の色は、メカニズムの理解は不十分ながら、慢性疾患患者や低栄養状態では白く変化するケースのあることが知られている。爪の色は簡単に確認できる上に、変化した色は短期間では変わらないため、急性疾患患者の入院前の状態の推測や管理強化・予後予測の指標となる可能性もある。ただし、それらの関連の実態は明らかでない。太田氏らは、入院患者に見られる白い爪と再入院リスクとの関連について、単施設前向きコホート研究により検討した。

痛風発作、心血管イベントの一過性の増加と関連/JAMA

 痛風患者では、心血管イベントの経験者は非経験者と比較して、イベント発生前の0~120日以内に痛風発作を発症する確率が有意に高く、痛風発作後の心血管イベントの一過性の増加と関連する可能性があることが、英国・ノッティンガム大学のEdoardo Cipolletta氏らの調査で示された。研究の成果は、JAMA誌2022年8月2日号に掲載された。  研究グループは、痛風発作が痛風患者における心血管イベントのリスクを一過性で増加させるとの仮説の検証を目的に、後ろ向き観察研究を行った(ノッティンガム大学などの助成を受けた)。

埼玉県の熱中症リスクを把握する

 埼玉県環境科学国際センターは、GIS(地理情報システム)ソフトウェア国内最大手の ESRIジャパンのクラウドサービス ArcGIS Online を利用した暑さ指数(WBGT)の公開を開始した。県内20ヵ所の観測地点から約10分ごとに得られたデータはPCなどで簡単に見られるように地図化してウェブサイトで公開している。  埼玉県は全国的に見ても夏季に高温になる地域で、熱中症リスクが高まる。しかし、県内の熱中症のリスクには地域差がある。そこで、同センターが独自開発した暑さ指数計を用い、暑さ指数観測データをウェブサイトに掲載して、熱中症リスクを県内の地域ごとに把握できるようにしたもの。

COVID-19の後遺症を発症しやすい人とは?

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)では、患者を見るだけで、その人が後遺症を発症しそうかどうかを予測できることがあるようだ。米南カリフォルニア大学老年学分野のEileen Crimmins氏らが実施した研究で、肥満の人では、後遺症の発症リスクが5倍以上上昇することが明らかになった。また、罹患中に脱毛や頭痛、喉の痛みを経験した場合にも、同リスクは上昇していたという。この研究結果の詳細は、「Scientific Reports」に7月8日掲載された。  Crimmins氏らは今回、米国民の代表パネルであるUnderstanding America Study(UAS)のCOVID-19に関する8,400人以上の調査データを用いて、COVID-19後遺症の発症率やその一般的な症状、発症のリスク因子について検討した。同調査では、2020年3月10日から2021年3月31日までの間に、2週間ごとに調査対象者がタブレットやスマートフォンを使って、健康状態や症状発現の有無などに関する質問票に回答していた。

コロナ関連死リスク、BA.1株はデルタ株より低い/BMJ

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による死亡のリスクは、オミクロン変異株(BA.1)のほうがデルタ変異株(B.1.617.2)より低い。英国・Office for National StatisticsのIsobel L. Ward氏らが、後ろ向きコホート研究の結果を報告した。これまでに、オミクロン株のすべての系統(BA.1、BA.2、BA.3、BA.4、BA.5)はデルタ株より感染しやすいが、SARS-CoV-2検査陽性後28日以内の入院および死亡リスクは、オミクロン株のほうがデルタ株より低いことが示唆されていた。しかし、オミクロン株とデルタ株で、死亡診断書から特定されるCOVID-19関連死のリスクを比較した研究は不足していた。BMJ誌2022年8月2日号掲載の報告。

女性の果物や野菜の摂取とうつ病リスクとの関係

 特定の食品群がメンタルヘルスの改善に重要な役割を担う可能性を示唆するエビデンスが増えている。しかし、個々の食事の因子と抑うつ症状との関連を長期にわたる大規模コホートでフォローアップした調査は、これまでほとんどなかった。オーストラリア・マッコーリー大学のPutu Novi Arfirsta Dharmayani氏らは、Australian Longitudinal Study on Women's Healthのコホートより1973~78年に生まれた女性を対象に15年間のフォローアップを実施し、抑うつ症状に関連する果物および野菜の影響を調査した。その結果、果物および野菜の摂取量が多いほど、長期にわたる抑うつ症状リスク低下と関連することが示唆された。European Journal of Nutrition誌オンライン版2022年7月21日号の報告。