注射剤のアナフィラキシーについて提言 医療安全調査機構

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 日本医療安全調査機構(医療事故調査・支援センター)は、注射剤のアナフィラキシーによる事故防止のための提言(医療事故の再発防止に向けた提言 第3号)を公表している(1月18日)。アナフィラキシー発症の危険性が高い薬剤や発症が疑われる場合の具体的な対応、常時から備えておくべき事項などについて、以下の6つの提言が示された。

提言1(アナフィラキシーの認識):アナフィラキシーはあらゆる薬剤で発症の可能性があり、複数回、安全に使用できた薬剤でも発症し得ることを認識する。

提言2 (薬剤使用時の観察):造影剤、抗菌薬、筋弛緩薬等のアナフィラキシー発症の危険性が高い薬剤を静脈内注射で使用する際は、少なくとも薬剤投与開始時より5分間は注意深く患者を観察する。

提言3(症状の把握とアドレナリンの準備):薬剤投与後に皮膚症状に限らず患者の容態が変化した場合は、確定診断を待たずにアナフィラキシーを疑い、直ちに薬剤投与を中止し、アドレナリン0.3 mg(成人)を準備する。

提言4 (アドレナリンの筋肉内注射):アナフィラキシーを疑った場合は、ためらわずにアドレナリン標準量0.3 mg(成人)を大腿前外側部に筋肉内注射する。

提言5 (アドレナリンの配備、指示・連絡体制)アナフィラキシー発症の危険性が高い薬剤を使用する場所には、アドレナリンを配備し、速やかに筋肉内注射できるように指示・連絡体制を整備する。

提言6 (アレルギー情報の把握・共有):薬剤アレルギー情報を把握し、その情報を多職種間で共有できるようなシステムの構築・運用に努める。

 この提言は、医療事故調査制度のもと収集した院内調査結果報告書を整理・分析し、再発防止策としてまとめているもの。第1号は「中心静脈穿刺合併症」、第2号は「急性肺血栓塞栓症」をテーマとしてそれぞれ2017年に公表されている。

 今回の第3号では、同制度開始の2015年10月から2017年 9 月の 2 年間で、同機構に提出された院内調査結果報告書476 件のうち、「注射剤によるアナフィラキシーに係る死亡事例」として報告された12事例を分析。“死亡に至ることを回避する”という視点で、同様の事象の再発防止を目的としてまとめられている。

■参考
日本医療安全調査機構:医療事故の再発防止に向けた提言 第3号

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(ケアネット 遊佐 なつみ)

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