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医療一般

ADHDは消化器症状と関連

 注意欠如・多動症(ADHD)のある人は、ADHDのない人と比べて消化器(GI)症状が見られるオッズが約50%高いことが、新たなエビデンスレビューで明らかになった。この関連は、便秘や過敏性腸症候群(IBS)、遺糞症など特定の消化器症状でより強く認められ、特に遺糞症ではオッズ比が高かったという。英ウォーリック大学医学部のSarah Blake氏らによる研究で、詳細は9月10日付で「Journal of Attention Disorders」に報告された。  Blake氏は同大学のニュースリリースで、「便秘からIBS、さらには消化不良まで、今回調べた腸の症状のほぼ全てがADHDと関連しているようだった。こうした症状は、日常生活に影響を及ぼし得るが、ADHDそのものに注意が向けられていると見過ごされがちだ」と述べている。

脳卒中後の腕の運動機能、脊髄刺激療法で改善

 脊髄刺激療法(SCS)という治療により、脳卒中患者の腕の筋力と可動性が改善したとする報告が、「Nature Medicine」に6月4日付で掲載された。米ピッツバーグ大学医療センターのMarco Capogrosso氏らが行った小規模な研究によるもので、参加者の中には手や指の動きが良くなった人もいたという。  論文の共同上席著者の1人である同氏は、「SCSは補助的な技術として機能するもので、脊髄を刺激することで脳と脊髄の間に残存する神経結合が効率的に機能し、人々はよりスムーズに動けるようになる」と説明。また、「このアプローチは、脳卒中発症から何年も経った患者の腕の動きを迅速に改善することを目的としている」という。

スマートウォッチ、消費カロリーを過大評価か

 フィットネス機能を備えたスマートウォッチ(以下、スマートウォッチ)に表示される消費カロリーは、実際の消費量より多く見積もられていることがあるようだ。フロリダ国際大学(FIU)の研究グループが、人気のある4種類のスマートウォッチの評価を行った結果、間接熱量測定による基準値と比較して、消費カロリーを実際より多く見積もる傾向があることが判明したという。FIU運動学・運動科学准教授のJason Kostrna氏らによるこの研究は、7月29日付で「PLOS One」に掲載された。

笑いが慢性閉塞性肺疾患の呼吸困難を改善か

 笑いは最高の薬だと言われているが、呼吸を楽にするのにも役立つのだろうか。新たな研究によると、答えは「イエス」である。笑い療法は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者の呼吸困難を軽減する上で、従来の呼吸療法である口すぼめ呼吸と同様、有効である可能性が示された。ハジェテペ大学(トルコ)看護学部出身の講師・看護師Goncagul Aldan氏らによるこの研究結果は、欧州呼吸器学会議(ERS Congress 2026、9月5~9日、スペイン・バルセロナ)で発表された。  Aldan氏は、「COPDは呼吸が困難になる重篤な肺疾患である。その患者数は世界中で何百万人にも上り、障害や死亡の主な原因の一つとなっている。

2型糖尿病の網膜症リスク低下、フェノフィブラートvs.スタチン

 2型糖尿病患者におけるフェノフィブラートと視力を脅かす糖尿病網膜症(sight-threatening diabetic retinopathy:STDR)発症リスクとの関連をスタチンと比較して検討した結果、フェノフィブラートの使用はスタチンの使用と比較してSTDR発症リスクの低下と関連していたことを、英国・University of BirminghamのLuyuan Tan氏らが明らかにした。The Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism誌オンライン版2026年9月7日号掲載の報告。

抗うつ薬は糖尿病リスクを増加させるのか

 うつ病は有病率の高い疾患であり、その症状管理のために抗うつ薬が広く使用されている。しかし、抗うつ薬の使用と2型糖尿病リスクとの間に因果関係がある可能性が指摘されている。こうした潜在的な関連性を理解することは、抗うつ薬による代謝へのさまざまな影響に関する新たな知見をもたらす可能性がある。中国・Chinese Academy of SciencesのDongming Liu氏らは、抗うつ薬の使用と2型糖尿病リスクとの関連を明らかにするため、多段階メンデルランダム化研究を実施した。European Archives of Psychiatry and Clinical Neuroscience誌オンライン版2026年8月29日号の報告。

MASLDの肝関連イベント、非侵襲的検査で個別予測可能か

代謝機能障害関連脂肪性肝疾患(MASLD)では、肝線維化を評価する非侵襲的検査が広く用いられているが、経過観察中の検査値の変化を臨床的な肝関連イベントリスクとして解釈することは容易ではない。そこで、フランス・Angers University HospitalのClemence Moreau氏らは、非侵襲的検査の経時的変化を用いて、MASLD患者における肝関連イベント(liver-related event:LRE)の個別リスクを予測できるかを検討した。その結果、肝硬度測定値(liver stiffness measurement:LSM)の推移にFIB-4、性別、年齢、血小板数の情報を組み合わせた「共同潜在クラスモデル(JLCM:Joint Latent Class Model)」により、LREリスクを高い識別能で個別予測できることが示された。本研究結果は、Clinical Gastroenterology and Hepatology誌オンライン版2026年9月8日号に掲載された。

緑膿菌肺炎、CFPM vs.TAZ/PIPC

緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)による肺炎では、タゾバクタム・ピペラシリン(TAZ/PIPC)とセフェピム(CFPM)が広く用いられているが、両薬を直接比較したデータは限られている。そこで、米国・University of Utah HealthのRaneem H. Pallotta氏らは、緑膿菌肺炎患者を対象に、TAZ/PIPCとCFPMの臨床アウトカムを比較した。その結果、TAZ/PIPCはCFPMと比較して30日死亡率の上昇と関連していた。本研究結果は、Clinical Infectious Diseases誌オンライン版2026年9月2日号に掲載された。

光曝露は高齢者の睡眠の質や活動レベルと関連

 日常生活で多くの光を浴びている高齢者は、睡眠や活動リズムが良好な可能性があるようだ。欧州3都市で行われた研究で、日常生活の中で光曝露量が多い高齢者では、日中の活動レベルが高く、覚醒がよりまとまっており、睡眠の質も良好だった一方、高血圧や糖尿病などを報告した人では光曝露量が少ないことが示された。さらに、自宅で光療法を行う場合、実施時刻によって休息・活動リズムとの関連が異なる可能性も示されたという。英サリー大学などの国際研究グループが実施したこの研究結果は、9月2日付で「Journal of Pineal Research」に掲載された。

脊髄くも膜下麻酔後の悪心・嘔吐――機械学習で関連因子を解析

 術後悪心・嘔吐(PONV)は、手術後にみられる頻度の高い合併症の一つで、患者満足度の低下や入院期間の延長にもつながる。今回、脊髄くも膜下麻酔で手術を受けた患者のPONVについて、5種類の機械学習アルゴリズムを用いた解析で、術後のフェンタニル使用が最も強く関連する因子として特定された。研究は、東北大学大学院歯学研究科歯科口腔麻酔学分野の星島宏氏らによるもので、詳細は8月5日付の「PLOS One」に掲載された。  脊髄くも膜下麻酔下で下肢や下腹部の手術、帝王切開を受けた患者におけるPONVの発生率は5~42%と報告されている。

東京遺伝性腫瘍研究会開催のお知らせ

 東京遺伝性腫瘍研究会は10月31日に都内で「第2回 東京遺伝性腫瘍研究会」(世話人:新井 正美氏[順天堂大学])を開催する。  今回のテーマは「遺伝性腫瘍診療ネットワーク-知をつなぎ、人をつなぐ-」でSDHxの臨床や遺伝子検査のピットフォール、多遺伝子パネル検査の実際に関する講義のほか、少人数グループでの症例ディスカッションで臨床現場でのQ&Aを討論する。診療に関わる医療者が率直に語り合い、深め合える場となることを目指す。

せん妄予防に睡眠を調節する薬物療法は有効か

 せん妄は、入院患者によくみられる神経精神医学的症状であり、睡眠や概日リズム調節の障害と関連しているといわれている。中国・浙江大学のHaizhen Chen氏らは、せん妄予防を目的とした睡眠調節薬物療法を評価したランダム化比較試験(RCT)を対象に、システマティックレビューおよびネットワークメタ解析を実施した。Sleep Medicine Reviews誌オンライン版2026年8月27日号の報告。  2025年8月までに公表されたRCTをPubMed、Embase、Web of Scienceよりシステマティックに検索した。

EGFR exon20挿入変異NSCLC、zipalertinib+化学療法による1次治療がPFS改善(REZILIENT3)/WCLC2026

 EGFR exon20挿入変異非小細胞肺がん(NSCLC)の1次治療において、zipalertinibと化学療法の併用は、化学療法単独と比べ無増悪生存期間(PFS)を有意に延長した。シンガポール・Duke-NUS Medical SchoolのDaniel S. W. Tan氏が2026年世界肺がん学会(WCLC2026)で発表した第III相REZILIENT3試験の結果である。  zipalertinibはEGFR exon20挿入変異選択性のTKIであり、第I/II相REZILIENT1試験では、EGFR exon20挿入変異NSCLCに対し、単剤使用で臨床的に意義のある有効性を示している1)。REZILIENT3はEGFR exon20挿入変異陽性NSCLCの1次治療において、zipalertinibと化学療法の併用レジメンの有用性を評価した第III相試験。

1日5,000歩未満でも、早く歩けば死亡リスク低下

 日常的なウォーキングによる健康増進効果については、多くの研究報告がある。とくに、より多くの歩数の確保と、心血管疾患(CVD)やそれに伴う死亡リスクの低下との関連を示すエビデンスが複数存在する。その一方で、歩行ペース(強度)と死亡リスクとの関連については、これまで十分に検討されていない。 そこで、オーストラリア・シドニー大学のLe Wei氏らは、歩数と歩行ペースを組み合わせて死亡リスクとの関連を解析した。その結果、1日当たりの歩数が5,000歩未満であっても、歩行ペースを上げることで死亡リスクが大幅に低下したこと、速く歩くことが難しくても5,000~7,500歩/日の歩数を達成することで同等のリスク低下がみられたことを明らかにした。本研究結果は、British Journal of Sports Medicine誌2026年9月8日号に掲載された。

MASLD合併2型糖尿病、GLP-1RA+SGLT2阻害薬併用は有益か

代謝機能障害関連脂肪性肝疾患(MASLD)と2型糖尿病の併存は、肝線維化進展や心血管イベント、死亡リスクの上昇と関連する。GLP-1受容体作動薬(GLP-1RA)とSGLT2阻害薬はいずれも心血管・代謝面での有用性が示されているが、MASLDと2型糖尿病を合併する患者で併用療法と単剤療法を直接比較したデータは限られている。そこで、サウジアラビア・Imam Abdulrahman Bin Faisal University College of MedicineのMohanad A. Alkuwaiti氏らは、GLP-1RA+SGLT2阻害薬併用療法、GLP-1RA単剤療法、SGLT2阻害薬単剤療法の有効性を、ランダム化比較試験の設計を診療データ上で模倣する、ターゲットトライアルエミュレーションで比較した。

加重ブランケットは入院患者の不安軽減に役立つ?

 病気で入院し、病院のベッドで過ごしているときに不安を感じるのは当然のことであるが、新たなパイロット研究で、その不安は安価で簡単な方法によって和らげられる可能性が示唆された。入院患者に重さ15ポンド(6.75 kg)の加重ブランケットを使用させることで、患者の不安が軽減したことが示された。米Saint Luke’s Hospitalの看護研究プログラムディレクターであるMarci Ebberts氏らによるこの研究結果は、9月1日付で「American Journal of Critical Care」に掲載された。  Ebberts氏は、「入院患者はしばしば強い不安を抱く。そうした不安は、回復や睡眠、メンタルヘルスに悪影響を及ぼす可能性がある。

手術開始時刻で手術時間に差、午前は午後より長く

 手術の開始時刻は、手術の成績に影響するのだろうか。今回、手術開始時刻が手術時間に影響する可能性を示す研究結果が報告された。主要な泌尿器科手術2,627例を後ろ向きに解析したところ、午前に開始した手術は午後に開始した手術より時間が長かった一方、周術期合併症や全生存期間には差が認められなかった。研究は、広島大学腎泌尿器科学の小畠浩平氏、日向信之氏らによるもので、詳細は8月8日付の「World Journal of Urology」に掲載された。  手術開始時刻が手術の効率や患者の転帰に影響する可能性が指摘されている。これまで、遅い時間帯の手術で合併症や死亡、入院期間などのリスクが高まるとの報告がある一方、手術時間や周術期成績に明らかな差はないとする研究もあり、結果は一貫していない。

「定員調整」しても研修医の地域偏在解消は困難

「定員調整」だけでは臨床研修医の定員充足率や地域間格差は解消されない。井出 博生氏(順天堂大学大学院健康データサイエンス研究科 准教授)、小池 創一氏(自治医科大学地域医療学センター 教授)らの共同研究グループは、過去の医師臨床研修マッチングのデータを用いて、各都道府県の臨床研修プログラムの定員枠を増減・再配分するシミュレーションを行い、こう結論付けた。現在のマッチング制度の定員枠だけを地方に移しても地域偏在の緩和は難しいことを定量的に示したもので、研究グループはマッチングシステムの改善と医師偏在対策関連施策の一体的な取り組みの必要性を指摘している。論文はBMC Medical Education誌オンライン版に2026年9月14日付で公開された。

パーソナリティ障害はストーカー行為のリスク因子なのか

 ストーカー行為は、深刻な心理的影響を及ぼす執拗な嫌がらせを伴う行為である。一部の国では近年になって、ようやく犯罪として規定されるようになった。イタリア・Vita-Salute San Raffaele UniversityのEmma Flutti氏らは、ストーカー行為の有病率、類型、パーソナリティプロファイル、性差、ならびに予防および治療戦略の必要性について検討した。La Clinica Terapeutica誌2026年9・10月号の報告。  臨床および司法の混合対象集団を包含し、Medline/PubMed、Scopusを用いて、システマティックに文献検索した。分析対象は、ストーカー行為を行った患者2,378例(女性の割合:14%)。

小細胞肺がん、タルラタマブ3週・4週ごと投与の可能性(DeLLphi-309)/WCLC2026

 既治療の小細胞肺がん(SCLC)に対するタルラタマブの3週ごとおよび4週ごと投与は、従来の2週ごと投与に加えて、患者の状態に合わせた治療の柔軟性を提供する可能性を示した。  既治療のSCLC患者でタルラタマブの投与間隔延長を検討した無作為化第II相DeLLphi-309試験の結果を、米国・カリフォルニア大学ロサンゼルス校のJonathan Goldman氏が世界肺がん学会(WCLC2026)で発表した。  タルラタマブの2週間ごと10mg投与は、既治療のSCLC患者において、化学療法と比較して優れた全生存期間(OS)を示すことが実証されている1)。DeLLphi-309試験では、より投与間隔の長い20mg 3週間ごと、または30mg4週間ごと投与が、既存の10mg 2週間ごと投与と同等の臨床的有効性、安全性、薬物動態プロファイルを示すかを評価した。