第2回 私が出合ったマジヤバイ胸部画像読本【Dr.倉原の“俺の本棚”】

  • 公開日:2018/02/13
企画・制作ケアネット

ほかのドクターがどんな本を読んでいるのか、気になりませんか?CareNet.com “おどろき”医学論文が好評の呼吸器内科医 倉原優氏が、自身の本棚から「これは!」とウナる本を毎月1冊ピックアップ。思わず読みたくなる“医書”を紹介します。

※紹介する書籍は倉原氏個人の選書です。ケアネットが推薦するものではありません。

【第2回】私が出合ったマジヤバイ胸部画像読本

書評のタイトルに「マジヤバイ」なんて死語を書いた医師がこれまでいたでしょうか、いやいない。最近は「マジヤバイ」じゃなくて、「マジ卍(マンジ)」って言うらしいですよ。もうオジサンついていけませんよ。

『誰も教えてくれなかった胸部画像の見かた・考えかた』

小林 弘明/著. 医学書院. 2017

さて、世の中には、腐るほど胸部画像の本があります。あ、腐るなんて書いたら怒られる。すいません。

いや、でも大手本屋さんに行ってごらんなさいよ、胸部レントゲンの本だけで10冊…いや20冊はありますよ。ここからどうやって選べばいいんですか。Amazonのレビューで一番★が多い本を買うんですか? いやいや、あんなのアテになりませんぜ、旦那(←Amazonで低評価を受けたことがある著者の恨み節)。

そんな悩みを吹き飛ばす1冊が出ました。その名も、『誰も教えてくれなかった胸部画像の見かた・考えかた』。これといったヒネリは入っていない、正統派なタイトルです。超大手の医学書院から出版されています。266ページ、5,000円(税別)。うん、よくある値段だ。高過ぎず、安過ぎず。著者に目を向けてみましょう。小林 弘明先生。なんと呼吸器外科部長です。これはちょっと驚きました。胸部レントゲンの本って、ほとんどが放射線科医、残りは呼吸器内科医が書いていることが多いんですよね。呼吸器外科医というのはなかなか珍しいと思います。

さて、何百冊と胸部レントゲン本を読んできた呼吸器内科医として言っておきたいことがあります。

現時点で、胸部レントゲンの教科書は本書が最高です。

福本先生風に書くなら、「悪魔的ッ…!」「圧倒的ッ…!」です(わからない人スイマセン)。この本、読んでて驚きました。

胸部レントゲン写真の本って、右傍気管線、右傍食道線、みたいなナントカ線ってのがいっぱい書いてあるじゃないですか。この本のすごいところは、フルカラーで見やすいだけでなく、ナントカ線についてちゃんと説明してくれている点です。初心者用に、レントゲン読影用シートまで中に入ってる。さらに、レントゲンで同定された異常が、胸腔鏡や3DCTでは実際にどう見えるか、外科的な観点のフィードバックまでついています。

そう、これまでは読者に立体構造をイメージしてもらわなければならなかったところを、小林先生はちゃんと胸腔鏡や3DCTの画像を使って補完されているんですよ。だから、ページをめくるたびに「なるほど!」「すげぇ!」を連発してしまいます。

私は、医学書院の回し者でも、小林先生の弟子でもありません。このコラムは、利益相反ゼロです。ただ1つ言えるのは、本書を上回る胸部レントゲンの本なんて、誰にも出せないでしょう、ということです。

間違いなく、殿堂入りの1冊です。

『誰も教えてくれなかった胸部画像の見かた・考えかた』

小林 弘明/著
出版社名
医学書院
定価
本体5,000円+税
頁数 縦
266P 26cm
刊行年月
2017年10月

倉原 優 ( くらはら ゆう ) 氏近畿中央胸部疾患センター

[略歴]

2006年滋賀医大卒業。洛和会音羽病院を経て08年から現職。

自身のブログ「呼吸器内科医」では医学論文の和訳や医療エッセーを執筆。

糖尿病診療コレクション

掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。)
本コンテンツに関する下記情報は掲載当時のものです。
[データ、掲載内容、出演/監修者等の所属先や肩書、提供先の企業/団体名やリンクなど]

初めての方へ

新規会員登録はこちら

新規会員登録はこちら