双極性障害に対するアリピプラゾールの安全性評価

提供元:ケアネット

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公開日:2019/06/05

 

 双極性障害患者に対する治療法を選択するうえで、薬物療法の安全性および忍容性は重要な因子となる。イタリア・シエナ大学のAlessandro Cuomo氏らは、双極性障害に対するアリピプラゾール治療の全体的な忍容性および安全性プロファイルに焦点を当て、レビューを行った。Expert Opinion on Drug Safety誌オンライン版2019年5月9日号の報告。

 レビューの対象は、躁病および混合エピソードの急性期治療および双極I型障害の維持療法に対するアリピプラゾール経口剤治療、双極性躁病に関連する興奮に対するアリピプラゾール即放性注射剤、双極I型障害の維持療法に対するアリピプラゾール持効性注射剤(AOM)とした。双極性障害に対するアリピプラゾールの安全性は、添付文書に従って検討を行った。PubMed検索より得られた英語の報告およびFDA、EMAのウェブサイトより入手可能な情報を用いて、アリピプラゾールの安全性および忍容性に焦点を当て、検討を行った。

 主な結果は以下のとおり。

・アリピプラゾールは、他の抗精神病薬と比較し、体重増加、脂質異常症、糖尿病、高プロラクチン血症のリスクが低く、良好な忍容性プロファイルを有していた。
・また、アリピプラゾールは、多くの第2世代抗精神病薬と同様に、第1世代抗精神病薬と比較し、錐体外路系副作用が少なく、心血管に対する安全性が良好であった。

(鷹野 敦夫)