パニック症に対する薬物療法のシステマティックレビュー 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2018/08/24 パニック症(PD)の治療には、いくつかの効果的な薬物治療がある。しかし、その治療結果は多くの患者で不十分であり、現在推奨されている治療法に対する治療反応の質の改善、抗不安薬の組み合わせを広げることの有用性が示唆されている。イタリア・Villa San Benedetto Menni HospitalのDaniela Caldirola氏らは、過去5年間でPDに対する薬物治療がどのように変化したかを調査するため、薬理学的研究(第III相臨床試験以降)の最新システマティックレビューを実施した。Expert Opinion on Pharmacotherapy誌オンライン版2018年7月31日号の報告。 主な結果は以下のとおり。 ・対象研究は、4件のみであった。 ・D-サイクロセリンは、認知行動療法(CBT)増強治療薬として有望でない可能性が示唆された。 ・推奨される薬剤の最適化に関連する予備的知見は、以下のとおりであった。 ●SSRIは、パニック発作の治療においてCBT単独よりも有用な可能性がある ●広場恐怖症の場合、併用療法が好ましい ●クロナゼパムは、パロキセチンよりもPDの再発減少に有用 著者らは「新たな治療法の欠如を考慮すると、既存の薬剤に対して個別にアプローチを広げていくことは、PDに対する薬物療法の治療結果を改善するための最も実現可能な戦略であると考えられる。リアルタイムにデータを収集するウェアラブルデバイス、ビッグデータプラットフォーム、機械学習のアプリケーションなど、最近の技術的な進歩は、より信頼性の高い治療予測に役立つであろう。有用とされている新規治療法に関しても、さらなる研究が推奨される」としている。 ■関連記事 パニック症への薬物治療のリスクとベネフィット パニック症に対し第2世代抗精神病薬は有用か 双極性障害患者のパニック症の有病率と治療に関するメタ解析 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Caldirola D, et al. Expert Opin Pharmacother. 2018 Jul 31. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] BPSDが死亡リスクに及ぼす影響~日本人コホート研究(2024/04/29) 認知症の修正可能な3大リスク因子(2024/04/29) 人間の脳は世代を追うごとに大きくなっている(2024/04/29) 1日30分座位時間を減らすと高齢者の血圧が低下(2024/04/29) 近くにあるAEDが心停止者に使われることはまれ(2024/04/29) 加糖飲料とフルーツジュースは男子の2型糖尿病リスクを高める(2024/04/29) 夜間の屋外照明は脳卒中リスクを高める?(2024/04/29) CVD患者のフレイルと「アクティブな趣味」の関係(2024/04/29) [ あわせて読みたい ] Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20)