パニック症に対し第2世代抗精神病薬は有用か 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2016/05/19 パニック症治療に対する第2世代抗精神病薬(SGAs)の役割が提唱されているが、その有用性は明らかとなっていない。イタリア・Villa San Benedetto Menni病院のPerna Giampaolo氏らは、PRISMAガイドラインに基づき、パニック症(他の併存疾患の有無)治療に対するSGAs(単独または増強療法)の有効性および忍容性に関する無作為化比較試験のシステマティックレビューアップデートを行った。International journal of molecular sciences誌2016年4月13日号の報告。 PubMed、PsycINFO、Embase、Cochrane Library、Clinical trials.govより、2015年12月までの研究を抽出した。210件中5件(パニック症患者の試験2件、パニック症または全般不安症併存の双極性障害患者の試験3件)が対象となった。 主な結果は以下のとおり。 ・クエチアピン徐放製剤、リスペリドン、ziprasidone治療による8週間の試験であった。 ・全体として、パニック症状に対するSGAsの有効性は示されなかった。 ・研究の限界により、リスペリドンのパニック症状に対する有効性の予備的適応は、パニック症に対する使用を支持するには不十分であった。 ・しかし、方法論的な限界がこれらすべての研究に悪影響を与えている可能性があるため、結果の妥当性は低下しており、信頼できる結果を引き出すことは難しいと考えられる。 ・ziprasidoneを除き、SGAsの忍容性は短期試験において良好であった。 関連医療ニュース 強迫症状に注意が必要な第二世代抗精神病薬は 社交不安症に対するエスシタロプラムの効果は パニック障害+境界性パーソナリティ障害、自殺への影響は (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Giampaolo P, et al. Int J Mol Sci. 2016;17. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 抗精神病薬、賦活と鎮静の副作用を比較 医療一般(2017/02/16) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] BPSDが死亡リスクに及ぼす影響~日本人コホート研究(2024/04/29) 認知症の修正可能な3大リスク因子(2024/04/29) 人間の脳は世代を追うごとに大きくなっている(2024/04/29) 1日30分座位時間を減らすと高齢者の血圧が低下(2024/04/29) 近くにあるAEDが心停止者に使われることはまれ(2024/04/29) 加糖飲料とフルーツジュースは男子の2型糖尿病リスクを高める(2024/04/29) 夜間の屋外照明は脳卒中リスクを高める?(2024/04/29) CVD患者のフレイルと「アクティブな趣味」の関係(2024/04/29) [ あわせて読みたい ] 今考える肺がん治療(2022/08/24) あなたにとって、開業の「成功」「失敗」とは?【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第42回(2022/08/09) 「後継者採用」という甘い誘いに乗ったら…【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第41回(2022/07/08) 「診療所、知人に売るから大丈夫」、それ本当に大丈夫??【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第40回(2022/06/06) Dr.金井のCTクイズ 初級編(2022/05/17) 診療所の売れ行きに直結する「概要書」の大切さ【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第39回(2022/05/09) 医療マンガ大賞2021「たった一時間されど一時間」受賞者描き下ろし作品(ささき かずよ氏)(2022/04/18) 「急ぎ」のお宝承継をゲットできる医師は…?【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第38回(2022/04/11) Dr.田中和豊の血液検査指南 電解質編(2022/04/10) 医療マンガ大賞2021「命のバトン」受賞者描き下ろし作品(ささき かずよ氏)(2022/03/17)