小児不安症に効果的な治療は

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 小児における不安症は、一般的に認められる。複数の治療オプションが存在するが、既存のガイドラインでは、どの治療を使用するかについて一貫性がない。米国・メイヨー・クリニックのZhen Wang氏らは、小児不安症に対する認知行動療法(CBT)および薬物療法の有効性および有害事象を比較し、評価を行った。JAMA pediatrics誌オンライン版2017年8月31日号の報告。

 各種データベースを用いて2017年2月1日までの文献を検索した。選択した研究は、パニック障害、社交不安症、特定の不安症(specific phobias)、全般不安症、分離不安症と診断された小児および青年を対象に認知行動療法(CBT)、薬物療法、またはそれらの併用治療を行った無作為化および非無作為化比較試験とした。独立したレビューアーにより研究を選択し、データ抽出を行った。ランダム効果メタ解析を用いてデータをプールした。主なアウトカムは、主要不安症状(患者、親、臨床医による報告)、寛解、治療反応、有害事象とした。

 主な結果は以下のとおり。

・115研究より、7,719例が抽出された。
・このうち、4,290例(55.6%)は女性であり、平均年齢は9.2歳(範囲:5.4~16.1歳)であった。
・選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)は、プラセボと比較し、主要不安症状を有意に減少させ、寛解(RR:2.04、95%CI:1.37~3.04)および治療反応(RR:1.96、95%CI:1.60~2.40)を有意に増加させた。
・セロトニンノルエピネフリン再取り込み阻害薬(SNRI)は、臨床医により報告された主要不安症状を有意に減少させた。
・ベンゾジアゼピンおよび三環系抗うつ薬は、不安症状の有意な減少が認められなかった。
・CBTと待機および未治療を比較した場合、CBTは主要不安症状、寛解、治療反応を有意に改善した。
・CBTは、fluoxetineより主要不安症状を軽減し、セルトラリンより寛解の改善が認められた。
・セルトラリンとCBTの併用療法は、いずれかの単独療法よりも、臨床医により報告された主要不安症状、治療反応を有意に減少させた。
・直接比較した研究はまれであり、ネットワークメタ解析の推計は不正確であった。
・有害事象は、薬物治療で共通して認められたが、重度ではなかった。また、CBTでは認められなかった。
・SSRIまたはSNRIによる自殺率を評価するには、研究サイズが小さく、研究期間が短かった。
・1つの研究において、ベンラファキシンの自殺念慮に関して、統計学的に有意ではない増加が認められた。
・CBTは、プラセボまたは薬物療法よりも、脱落が少なかった。

 著者らは「小児の不安症状を軽減するためにCBTとSSRIの有効性を裏付けるエビデンスが確認された。SNRIも有効であると考えられるが、エビデンスの一貫性が低かった。各種薬物療法とCBTの直接比較については、臨床現場での研究が必要である」としている。

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