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ここから始めよう!みんなのワクチンプラクティス ~今こそ実践!医療者がやらなくて誰がやるのだ~

受け身のワクチン接種はもう止めよう。正しいワクチンプラクティスで、救える命と避けられる障害がある!

診療科
感染症内科  小児科 
収録内容
第1回 ワクチンプラクティスって何?
第2回 学ぶべき4つのVとは?
第3回 その打ち方は正しいのか? Vaccinological principle (1)
第4回 ルールに沿って、しかし速やかに
第5回 本当の重要性を知る B型肝炎、ヒブ/小児肺炎球菌 Vaccine formulation & VPD (1)
第6回 子供だけに必要なわけじゃない 破傷風、百日咳 Vaccine formulation & VPD (2)
第7回 軽んじてはいけない 麻疹・風疹、日本脳炎 Vaccine formulation & VPD (3)
第8回 知られざる合併症 水痘、ムンプス Vaccine formulation & VPD (4)
第9回 誤解されている HPV、成人肺炎球菌 Vaccine formulation & VPD (5)
第10回 教科書には載っていない Vaccinee
第11回 4Vで3Cを実践しよう(1) Common schedule & Catch-up schedule
第12回 4Vで3Cを実践しよう(2) Communication on vaccine
講師
守屋 章成
収録時間
159分
価格
5,500円(税込)
発行日
2014-05-15
商品コード
CND0203

肺炎球菌、ヒブワクチンが定期接種化されるなど、改善の兆しを見せる日本のワクチン事情ですが、先進国から比べればまだまだ不十分な状況に変わりはありません。正しいワクチン接種によって、多くの小児の命が救われ、麻痺や難聴などの高度障害を減らせるのです。にもかかわらず、接種率の低さ、任意接種扱いのままのワクチンが複数あること、Tdapなどのブースターワクチンの未整備など、問題は山積みです。こういった状況でありながら医学部ではワクチンを単独の教科として時間配分することは少なく、ワクチンに不安を感じる母親とのコミュニケーションが図れず、臨床現場で戸惑うこともあるのではないでしょうか?
このコンテンツでは同時接種の可否、接種間隔、望ましい投与経路、副反応、疫学状況や救済制度はどうなっているか、などの問いに一つずつ触れています。
現場で悩む医師の拠り所となるべく、正しいワクチンの知識を分かりやすく解説。
患者さんの不安を払拭するためのコミュニケーションスキルアップの実演もあります。

第1回 ワクチンプラクティスって何?


今までワクチンのことを系統立てて学んだことはありますか?ワクチンプラクティスとは積極的にワクチンの正しい知識を学び、積極的に必要なワクチンの提案とコミュニケーション、そして接種を行うことです。このワクチンプラクティスには3つの要素(3C)があります。この3Cを知ることで母子手帳の空欄を埋めるだけという受け身から脱却し、正しいワクチンプラクティスを実践することが出来るのです。

第2回 学ぶべき4つのVとは?
ワクチンプラクティスを行うためには、どんな知識が必要なのでしょう?学習領域は膨大です。4つのVで整理して考えましょう。 すなわち、Vaccinological principle(ワクチン学の原則)、Vaccine formulation(個別のワクチン製剤)、VPD(ワクチンで予防可能な疾患ワクチンで予防可能な疾患)、そしてVaccinee(ワクチンの被接種者)です。これらを総合的に理解することで、正しいワクチンプラクティスを行うことが出来るのです。

第3回 その打ち方は正しいのか? Vaccinological principle (1)
ワクチンの投与経路、異なるワクチン同士の投与間隔、同時接種。これらについては日本だけのルールも存在し、正しく理解されてないことが多くあります。ワクチン学的に何が正しいのか理解し、臨床現場ではどう対応すべきか学びましょう。

第4回 ルールに沿って、しかし速やかに
接種禁忌や副反応、その対応法を知っておきましょう。また、接種注意や見合わせについては、海外のプラクティスとかけ離れた独自の「日本ルール」があります。これらを踏まえておくとどのようなプラクティスを実践すれば良いのかがわかります。

第5回 本当の重要性を知る B型肝炎、ヒブ/小児肺炎球菌 Vaccine formulation & VPD (1)
B型肝炎ワクチンは水平感染や性行為感染症を防ぐ有効策です。ヒブ/小児肺炎球菌ワクチンは、侵襲性の感染症を防ぐだけでなく、日常診療でも非常に重要な意味を持ちます。個別のワクチンの重要性を理解することでワクチンプラクティスの幅が広がります。

第6回 子供だけに必要なわけじゃない 破傷風、百日咳 Vaccine formulation & VPD (2)
10年ごとのブースターが必要な破傷風。ある年齢以上の方は基礎免疫も有していません。また、新生児には致命的な百日咳から小さな命を守るために周りの人々がその免疫を持つ必要があります。成人でもDPTに工夫を施し、ブースター接種を行いましょう。

第7回 軽んじてはいけない 麻疹・風疹、日本脳炎 Vaccine formulation & VPD (3)
海外では麻疹・風疹の排除達成国が多数ありますが、日本ではワクチン接種率が低いなどの理由で未だに流行し、後遺症で苦しむ方がいます。また日本脳炎の発症は稀ですが、予後は極めて不良です。しかしいずれもワクチン接種を行えば予防可能なVPDなのです。

第8回 知られざる合併症 水痘、ムンプス Vaccine formulation & VPD (4)
水痘やムンプスは「罹って免疫をつける疾患」ではありません。水痘の感染力は強く、小児病棟の閉鎖が容易に起こります。ムンプスによる難聴は年間3000例発生し、予後も極めて不良です。ワクチンプラクティスで発症を予防し、その誤解を解きましょう。

第9回 誤解されている HPV、成人肺炎球菌 Vaccine formulation & VPD (5)
その名称から誤解を生むワクチンがあります。いわゆる子宮頸癌ワクチンは未だ子宮頸癌を減らしたというエビデンスがありませんし、成人肺炎球菌ワクチンも市中肺炎の発症を減らせるわけではありません。接種と同時に正しい知識を伝えることが重要です。

第10回 教科書には載っていない Vaccinee
ワクチンは年齢で一律に打てばいいわけではありません。VPDの感染リスクや、その考え方等を理解しましょう。これらは被接種者で異なり、教科書には載っていません。コミュニケーションを図って情報を集め、正しいワクチンプラクティスを実践しましょう。

第11回 4Vで3Cを実践しよう(1) Common schedule & Catch-up schedule
接種が必要なワクチンは多数存在します。接種スケジュールを立てる際は早見表を上手に活用しましょう。また、キャッチアップスケジュールを立てる場合際には被接種者ごとにVPDの感染リスクや、ワクチンに対する本人やその保護者の考え方にも耳を傾けることが必要です。4Vを学んでいれば、スケジュールの立案などは恐れるに足りません。

第12回 4Vで3Cを実践しよう(2) Communication on vaccine
テーマはコミュニケーション。ワクチン接種には必須となります。「詳しい知識がない」、「偏った考えを持っている」、「忌避しようとする方」に対しては非常にデリケートなコミュニケーションが要求されます。まずは正しい知識を伝え、疑問や不安に真摯に応えていきましょう。ワクチンを忌避する保護者の方たちには、「願っているのは子供の健康である」という共通の基盤をもとにコミュニケーションを取り続けることが重要です。

守屋 章成 ( もりや あきなり )氏 長崎大学大学院熱帯医学・グローバルヘルス研究科 グローバルヘルス専攻 熱帯医学コース(博士前期課程) 名古屋検疫所 嘱託医

1998年医師免許取得。 家庭医療研修を経て、都市部・へき地など各地で家庭医として診療所に勤務。 近年special interestとしてワクチンに注力。2011年米国NFID主催の Clinical Vaccinology Course を受講。家庭医をはじめとするプライマリ・ケア従事者全般に正しいワクチンプラクティスを伝え、日本の予防接種をより向上させることが目標。