双極性障害の再発エピソード、持効性注射剤の効果は 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2017/03/02 双極I型障害(BP-I)の維持療法における長時間作用型アリピプラゾール注射剤400mg/月(AOM400)の有効性、安全性、忍容性について、米国・ケース・ウェスタン・リザーブ大学のJoseph R Calabrese氏らが二重盲検プラセボ対照試験で評価した。The Journal of clinical psychiatry誌オンライン版2017年1月31日号の報告。 本研究は、2012年8月~2016年4月に52週間の無作為化治療中止試験として実施した。現在躁病エピソードを有するBP-I患者(DSM-IV-TR診断)を対象に、経口アリピプラゾールとAOM400で安定した266例をAOM400群133例またはプラセボ群133例に無作為に割り付けた。主要エンドポイントは、無作為化から気分エピソードの再発までの期間とした。ほかのエンドポイントは、気分エピソードの再発率、エピソードの種類とした。 主な結果は以下のとおり。 ・試験完了患者は、AOM400群64例(48.1%)、プラセボ群38例(28.6%)であった。 ・AOM400群は、プラセボ群と比較し、気分エピソードの再発までの期間を有意に延長した(HR:0.45、95%CI:0.30~0.68、p<0.0001)。 ・AOM400群(35/132例、26.5%)は、プラセボ群(68/133例、51.1%)と比較し、気分エピソードの再発率が有意に低く(p<0.0001)、主に躁病エピソードにおいて効果が認められた患者であった(p<0.0001)。 ・AOM400群において、プラセボ群よりも発生頻度の高かった有害事象(発生率5%以上)は、体重増加、アカシジア、不眠、不安であった。 著者らは「AOM400は、気分エピソードの再発までの期間を延長し、再発率を低下させ、おおむね安全で許容された。BP-Iの維持治療に対するAOM400の使用が支持される」としている。 関連医療ニュース 日本人自閉スペクトラム症に対するアリピプラゾールの効果は LAIを適切に使用するための5つのポイント パリペリドン持効性注射剤、国内市販後の死亡例分析結果 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Calabrese JR, et al. J Clin Psychiatry. 2017 Jan 31. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 多枝病変のSTEMI、FFRガイド下完全血行再建か責任病変のみPCIか/NEJM(2024/04/19) ALK陽性非小細胞肺がんの術後補助療法、アレクチニブvs.化学療法/NEJM(2024/04/19) 慢性腎臓病の入院抑制を意図した電子記録+診療推進者介入の効果は証明されず(解説:浦信行氏)(2024/04/19) CPRはいつまで続けるべきか? In-Hospital CPA レジストリからの報告(解説:香坂俊氏)(2024/04/19) 進行肺がん、初診から治療までの待機期間が治療効果に影響/日本呼吸器学会(2024/04/19) 大腸がん患者の死亡リスクが高くなる超加工食品は?(2024/04/19) カルシウムとビタミンDの摂取は閉経後女性の全死亡リスクに影響せず(2024/04/19) 親を見れば自分の肥満リスクが分かる(2024/04/19) 特殊なMRIが治療抵抗性統合失調症の予測に有用か(2024/04/19) 日本における抗CGRP抗体の使用状況~日本頭痛学会会員オンライン調査(2024/04/19) [ あわせて読みたい ] Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20)