頭髪分析による薬物モニタリング、頭痛患者での精度は 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2016/12/15 慢性的に治療している頭痛患者の服薬アドヒアランスをモニタリングするため、頭髪分析が有益なのかという可能性について、イタリアのモデナ・レッジョ・エミリア大学のAnna Ferrari氏らが評価した。本研究では、(1)頭痛患者の頭髪における23種類の薬剤検出率(2)患者が自己報告した薬剤と頭髪から検出された薬剤の一致度(3)患者自己報告の薬剤摂取量に頭髪から検出されたレベルが反映されているかについて分析を行った。European journal of clinical pharmacology誌オンライン版2016年11月20日号の報告。 対象は、頭髪サンプリング前の3ヵ月間に、下記薬剤を1剤以上毎日服薬することに同意した原発性頭痛患者93例。対象薬剤は、アルプラゾラム、アミトリプチリン、citalopram、クロミプラミン、クロナゼパム、delorazepam、ジアゼパム、デュロキセチン、fluoxetine、フルラゼパム、レボメプロマジン、levosulpiride、ロラゼパム、ロルメタゼパム、ミルタザピン、パロキセチン、クエチアピン、セルトラリン、トピラマート、トラゾドン、トリアゾラム、ベンラファキシン、ゾルピデム。各患者の詳細な薬剤歴と頭髪サンプルを収集した。頭髪サンプルは、液体クロマトグラフィー・エレクトロスプレー・タンデム質量分析法によって従来方式を用いて分析した。 主な結果は以下のとおり。 ・頭髪サンプルより、23種類すべての薬剤が検出された。 ・自己報告した薬剤と頭髪から検出された薬剤の一致度は、ほとんどの分析において優れていた(p<0.001:Cohen's kappa)。 ・アミトリプチリン、citalopram、delorazepam、デュロキセチン、ロラゼパム、ベンラファキシンについては、用量と頭髪レベルとの間に有意な関連が認められた(p<0.05:線形回帰分析)。 著者らは「頭髪分析は、頭痛患者の慢性的な薬物使用を収集するための特異なマトリクスであることが判明した。各患者の頭髪から検出された薬剤レベルは、服薬アドヒアランスに対する信頼できるマーカーであると考えられる」としている。 関連医療ニュース 片頭痛予防にSSRIやSNRIは支持されない 疼痛治療「プラセボでも一定の効果が」臨床試験に課題も 片頭痛の予防に抗てんかん薬、どの程度有用か (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Ferrari A, et al. Eur J Clin Pharmacol. 2016 Nov 20. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 妊娠前/妊娠初期のGLP-1作動薬中止、妊娠転帰と体重変化は?/JAMA(2025/12/19) 血友病Bに対する遺伝子治療、第III相試験の最終解析/NEJM(2025/12/19) メチシリン感性黄色ブドウ球菌菌血症に対するクロキサシリンとセファゾリンの比較(CloCeBa試験)(解説:寺田教彦氏)(2025/12/19) 『肝細胞癌診療ガイドライン』改訂――エビデンス重視の作成方針、コーヒー・飲酒やMASLD予防のスタチン投与に関する推奨も(2025/12/19) ER+低リスクDCIS、手術せず内分泌療法単独での有用性を検証(LORETTA)/SABCS2025(2025/12/19) 肺がん治療における経済的視点/治療医に求められる役割(2025/12/19) スタチン使用は本当にうつ病リスクを低下させるのか?(2025/12/19) 危険なOTCが国内流通か、海外での規制や死亡例は(2025/12/19) 「TAVI弁展開後における弁尖可動不良事象に関するステートメント」公表/THT協議会(2025/12/19) [ あわせて読みたい ] ~プライマリ・ケアの疑問~ Dr.前野のスペシャリストにQ!【神経内科編】(2016/12/07) 総合内科専門医試験対策 “苦手”科目をクイック復習 2016 (2016/07/29) 認定内科医試験完全対策 総合内科専門医ベーシック vol.4(2016/06/07) 認定内科医試験完全対策 総合内科専門医ベーシック vol.3(2016/05/31) Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV シーズンII(2014/07/03)