日本人うつ病患者、抗うつ薬維持量に影響する因子:静岡県立大 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2016/07/14 うつ病の再発を防ぐためには、急性期の抑うつ症状を効果的に抑制する用量の抗うつ薬で、6ヵ月以上治療を継続するのが理想的である。しかし、治療反応を得たり維持するための抗うつ薬の用量は、個人間で異なる。静岡県立大学の井上 和幸氏らは、日本人うつ病患者を対象に維持期の抗うつ薬投与量における遺伝子多型を含む臨床的特徴の役割を調査した。Biological & pharmaceutical bulletin誌オンライン版2016年6月17日号の報告。 対象は、日本人うつ病患者82例。抗うつ薬の用量はイミプラミン換算を用いて計算し、併用した抗不安薬や催眠薬の用量はジアゼパム換算を用いて計算した。対象患者82例は、イミプラミン換算の中央値に基づき2群に割り付け、抗うつ薬の維持用量における患者特性の影響、脳由来神経栄養因子(BDNF)遺伝子多型(rs6265)およびCREB1遺伝子多型(rs2253306、rs4675690、rs769963)の存在について調べた。 主な結果は以下のとおり。 ・多変量ロジスティック回帰分析では、併用薬のジアゼパム換算量とCREB1 rs4675690は、抗うつ薬の維持量と有意に関連していることが示された。 ・日本人うつ病患者の維持期における抗うつ薬投与量に対し、これらの要因が影響を与えると考えられるが、さらなる大規模コホート研究が必要とされる。 関連医療ニュース 各種抗うつ薬の長期効果に違いはあるか うつ病急性期治療、どの抗うつ薬でも差はない 抗うつ薬の効果発現を加速するポイントは (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Inoue K, et al. Biol Pharm Bull. 2016 Jun 17. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 日本人うつ病患者における健康関連QOLや経済的負担 医療一般 日本発エビデンス(2019/05/02) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] SGLT2阻害薬、自己免疫性リウマチ性疾患のリスクは?/BMJ(2025/10/24) 腹部大手術時の周術期血圧管理、個別化vs.通常/JAMA(2025/10/24) ALK陽性進行NSCLCへのアレクチニブ、OS中央値81.1ヵ月(ALEX)/ESMO2025(2025/10/24) 下剤のルビプロストン、重大な副作用にアナフィラキシー追加/厚労省(2025/10/24) 免疫療法の対象とならない進行TN乳がん1次治療、Dato-DXdがPFSとOSを延長(TROPION-Breast02)/ESMO2025(2025/10/24) 結腸がん術後ctDNAによるde-escalation、リスク低減も非劣性は示されず(DYNAMIC-III)/ESMO2025(2025/10/24) 寝たきり原因第1位「脳卒中」、最新治療アクセス改善と患者支援の最前線/日本脳卒中学会・日本脳卒中医療ケア従事者連合・日本脳卒中協会(2025/10/24) 父親の厳しい子育てが子供のメンタルヘルスに影響(2025/10/24) [ あわせて読みたい ] ~プライマリ・ケアの疑問~ Dr.前野のスペシャリストにQ!【精神科編】(2019/06/15) Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20)