ピメクロリムス、乳幼児アトピーの第1選択に?

提供元:ケアネット

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公開日:2015/04/07

 

 アトピー性皮膚炎(AD)は主に乳幼児に発症する。しばしば局所ステロイド薬が処方されるが、副作用に対する懸念のためコンプライアンス不良となることが多く、非ステロイド薬が必要となる。アイスランド大学のBardur Sigurgeirsson氏らは、5年間の長期大規模非盲検試験を行い、ピメクロリムス1%クリーム(PIM、国内未承認)および局所ステロイド薬はいずれも安全で長期治療による免疫系への影響はなく、局所ステロイド薬の使用量を減少させることを示した。著者らは、「PIMは局所ステロイド薬と同程度に有効で、軽~中等症のAD乳幼児に対する第一選択の治療薬となりうることを支持する結果である」とまとめている。Pediatrics誌オンライン版2015年3月23日号の掲載報告。

 軽~中等症のAD乳児2,418例を対象に検討した。PIM+増悪時の局所ステロイド薬短期併用(PIM)群(1,205例)または局所ステロイド薬群(1,213例)に無作為化し、5年間治療した。

 主要評価項目は安全性とし、副次的評価項目は長期有効性であった。治療成功は、治験責任医師による皮膚症状の重症度の全般評価(Investigator's Global Assessment:IGA)スコアが0(寛解)または1(ほぼ寛解)と定義した。

 主な結果は以下のとおり。

・PIM群および局所ステロイド薬(TCS)群は、いずれも速やかに効果が発現し、3週までに治療成功率は50%を超えた。
・5年後の治療成功率(IGAで評価)は、全体で85%超(PIM群88.7%、TCS群92.3%)、顔で95%(同:96.6%、97.2%)であった。
・PIM群ではTCS群と比較し、局所ステロイド薬の使用日数が非常に少なかった(7 vs. 178日)。
・有害事象のプロファイルおよび発現頻度は両群で類似しており、液性あるいは細胞性免疫機能障害の所見は認められなかった。

(ケアネット)