外科/乳腺外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:150

ER陽性乳がんへのタモキシフェン10年延長投与、再発・死亡リスクをさらに低下/Lancet

 エストロゲン受容体(ER)陽性乳がん患者に対するタモキシフェン(商品名:ノルバデックスほか)補助療法について、10年間の長期投与が標準療法とされる5年投与と比べて、再発および死亡のリスクをさらに有意に低下することが、英国・オックスフォード大学のChristina Davies氏らによる「ATLAS試験」の結果、明らかにされた。これまでの検討で、診断後15年以内の同患者は、5年間のタモキシフェン補助療法によって、乳がん死のリスクが大幅に低下することが明らかになっていた。Lancet誌2013年3月9日号(オンライン版2012年12月5日号)掲載の報告。

小型の腹部大動脈瘤、至適な超音波検査の間隔とは?/JAMA

 瘤の直径が3.0~5.4cmの小さな腹部大動脈瘤(AAA)の破裂の予防に要する超音波検査は数年に一度で十分である可能性が、英国・ケンブリッジ大学のSimon G Thompson氏らRESCAN Collaboratorsの検討で示された。AAAは破裂後の生存率が20%と低く、通常は破裂するまで無症状である。欧米では、瘤径<5.5cmのAAAは破裂のリスクが手術に伴うリスクよりも低く、多くは成長も遅いため超音波による監視検査が行われるが、破裂前の瘤の増大を検出する適切な検査間隔についてはコンセンサスが得られていないという。JAMA誌2013年2月27日号掲載の報告。

ハーセプチン、乳がん術後補助化学療法への用法・用量追加を公知申請

 中外製薬は7日、「HER2過剰発現が確認された乳癌」「HER2過剰発現が確認された治癒切除不能な進行・再発の胃癌」を効能・効果として販売を行っている抗悪性腫瘍剤トラスツズマブ(遺伝子組換え、販売名:ハーセプチン注射用60、同150)について、「HER2過剰発現が確認された乳癌における術後補助化学療法としての1週間間隔投与」の用法・用量追加の公知申請を同日付で厚生労働省に行ったことを発表した。

マンモグラフィ検診の過剰診断率情報が、受診動向に影響/BMJ

 乳がんのマンモグラフィ検診の過剰診断について知る一般女性は少なく、高い過剰診断率に関する情報は検診の受診動向に影響を及ぼす可能性があることが、オーストラリア・シドニー大学のJolyn Hersch氏らの検討で示された。マンモグラフィ検診では、生存中には臨床的に発現しない病変を検出する過剰診断のリスクがあるが、このリスクの程度には大きな幅がある。乳がんの過剰診断の社会的認知度は低く、一般の女性が過剰診断にどう対応するか、検診の選択の際にこれらの情報をどう活用するかに関するエビデンスはほとんどないという。BMJ誌2013年1月26号(オンライン版2013年1月23日号)掲載の報告。

乳がん、大腸がん検診、予防効果を得るまで約10年を要する/BMJ

 マンモグラフィによる乳がん検診や、便潜血検査による大腸がん検診では、受診者1,000人当たり1例の死亡を予防するのに約10年を要することが、米国カリフォルニア大学サンフランシスコ校のSei J Lee氏らの検討で示された。欧米のガイドラインでは、がん検診はより健康的でより高齢の集団を対象とするよう推奨されているが、検診による害に対しベネフィットを得るには時間を要する。乳がんや大腸がんの検診が生存ベネフィットをもたらすのに要する時間差はこれまで明らかでなかった。BMJ誌2013年1月13日号(オンライン版1月8日号)掲載の報告。

ネクサバール、放射性ヨウ素治療抵抗性の分化型甲状腺がん患者の無増悪生存期間の延長を達成

 ドイツのバイエル ヘルスケア社と米国オニキス・ファーマシューティカル社は3日、放射性ヨウ素治療抵抗性の局所進行性または転移性分化型甲状腺がん患者を対象としたネクサバール錠(一般名:ソラフェニブトシル酸塩)の第III相臨床試験において、主要評価項目である無増悪生存期間の統計学的有意な延長が認められたことを発表した。バイエル薬品が10日に報告した。

家族性のがんリスクに関する検討/BMJ

 がんの家族性リスクが早期発症例に限定されるかどうかを判断するため、ドイツがん研究センターのE Kharazmi氏らは、全国規模のSwedish Family-Cancer Databaseを用いて前向きコホート研究を実施した。その結果、「子」のがんリスクが最も高くなるのは「親」が若い年齢で同一がんが診断された場合だが、「親」が高齢で診断された場合においてもリスクが増加することが認められた。著者は、「家族性のがんは、高齢でがんに罹患した家族を持つ人々における早期発症をいうのではなく、早期発症と遅発性発症という別個の構成要素があるのかもしれない」と考察している。BMJ誌2012年12月20日号に掲載。