外科/乳腺外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:148

わが国の高齢胃がん患者に対する内視鏡的粘膜下層剥離術、医療経済的な効果は?

 高齢の胃がん患者に対する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)の医療経済的な効果についての情報は、現在ほとんどない。産業医科大学の村田 篤彦氏らは、全国の管理データベースを用いて、高齢患者におけるESDの医療経済的な効果を調査した。その結果、胃がんでESDを受けた高齢患者では、非高齢患者と比べて、ESD関連合併症の発症率に差は認められなかったが、在院日数と入院中の医療費の有意な増加が示された。Journal of Digestive Diseases誌オンライン版2013年10月16日版に掲載。

果物や野菜の摂取量と乳がんリスクの関連~日本人女性での前向き研究

 果物や野菜の乳がんリスクへの影響について、日本人での疫学データは少ない。東京保健医療大学の鈴木 礼子氏らは、日本人女性4万7,289人における果物や野菜の摂取量と乳がん罹患リスクの関連を評価した。その結果、果物・野菜全体の摂取量と乳がんリスクとの間に全体的な関連はないが、閉経前女性においてアブラナ科の野菜の摂取量が乳がんリスク低下と有意に関連していたことを報告した。Cancer Causes Control誌オンライン版2013年10月4日号に掲載。

腹部手術時の癒着防止剤、有益なのは?/Lancet

 腹部手術における癒着防止剤として、酸化再生セルロースとヒアルロン酸カルボキシメチルセルロースは安全に癒着発生を減少することが示された。オランダ・ナイメーヘン・ラットバウト大学医療センターのRichard P G ten Broek氏らがシステマティックレビューの結果、報告した。癒着は腹部手術における最も頻度が高い長期合併症の原因で、小腸閉塞、再手術、女性の不妊や慢性疼痛を引き起こす可能性がある。癒着形成防止剤は、その重症度を軽減することが示されているにもかかわらず、まれにしか用いられていない。その要因として癒着に対する過小評価があるようだが、研究グループは、臨床使用が承認されている4つの癒着防止剤の有益性と有害性について検証した。Lancet誌オンライン版2013年9月27日号掲載の報告より。

がん患者における婚姻状況と生存率の関連

 婚姻状況(配偶者の有無)によって、がん診断時のステージや根治的治療の実施、がんによる死亡率に違いはあるのだろうか。  ハーバード大学のAyal A. Aizer氏らが、米国のがん登録システムであるSurveillance, Epidemiology and End Results(SEER)programを用いて、死亡数の多いがんについて調査したところ、配偶者のいないがん患者では、診断時における転移、治療の不足、がんによる死亡のリスクが有意に高いことが示された。Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2013年9月23日号に掲載。

身体活動は胃がんリスクにも好影響

 身体活動は胃がんリスクの減少に関連している可能性がある。米国メイヨークリニックのSiddharth Singh氏らは、その関連の程度とエビデンスの質を評価するために系統的レビューとメタアナリシスを実施した。その結果、公表されている観察研究のメタアナリシスにおいて、身体活動と胃がんリスク減少の関連が示された。著者らは、身体活動増加にフォーカスしたライフスタイルへの介入は、多くの健康上のメリットに加え、世界における胃がんの疾病負担を減少させるかもしれないとしている。Cancer Prevention Research誌2013年9月18日号オンライン版に掲載。

トラスツズマブ術後治療1年投与と2年投与の比較-ランドマーク解析-(コメンテーター:勝俣 範之 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(129)より-

 乳がん治療は、ここ10年間で大きく変革した。それは、乳がんの増殖因子であるHER2に対する抗体治療薬であるトラスツズマブの登場による。従来の抗がん剤治療は、殺細胞薬といって、がん細胞も正常細胞も見境なく殺してしまうものしかなく、患者は副作用に苦しむことを余儀なくされていた。1990年代後半から、がん細胞に特異的に発現しているさまざまな分子に対する分子標的治療薬の開発が行われ、分子標的治療薬は、副作用が少ない治療薬ということで注目を浴びた。血液腫瘍ではグリベックが開発され、固形腫瘍で最初に開発された薬剤が、トラスツズマブである。

HER2陽性乳がんのトラスツズマブ至適投与期間は?/Lancet

 HER2陽性乳がんの術後補助療法において、HER2阻害薬トラスツズマブ(商品名:ハーセプチン)の投与期間を標準的な1年投与から2年投与に延長しても有効性は改善されないことが、欧州腫瘍学研究所(イタリア、ミラノ市)のAron Goldhirsch氏らが行ったHERA試験で示された。乳がんの約15~20%にHER2遺伝子の過剰発現や増幅がみられる。トラスツズマブは、これらHER2陽性早期乳がんに対する有効性が確立され、術後補助療法として広く用いられている。現在の標準的な投与期間は1年とされるが、至適な投与期間は確立されていない。Lancet誌オンライン版2013年7月18日号掲載の報告。

n-3系多価不飽和脂肪酸、乳がんリスクを抑制/BMJ

 食事に含まれる海産物由来のn-3系多価不飽和脂肪酸(n-3 PUFA)の摂取量が増えるほど、乳がんリスクが低減することが、中国・浙江大学のJu-Sheng Zheng氏らの検討で示された。2008年の世界的ながん統計調査では、乳がんは全がん患者の23%、全がん死の14%を占めている。また、疫学研究では魚類やn-3 PUFAの摂取は乳がんの発症に対し予防的に働くことが示唆されているが、この知見と矛盾する観察試験の結果があるという。BMJ誌オンライン版2013年6月27日号掲載の報告。