呼吸器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:341

プライマリ・ケアでのCOPD患者の自己管理・定期管理vs.通常ケア、長期ベネフィットは?/BMJ

 プライマリ・ケアでの慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者のマネジメントについて、総合的自己管理や定期管理と、通常ケア(患者の判断で受診)とを比較した無作為化試験の結果、総合的自己管理や定期管理は通常ケアと比べて、QOLや効果の実感に関して長期的なベネフィットが示されなかったことが、オランダ・Radboud大学のErik W M A Bischoff氏らにより報告された。プライマリ・ケアでは特に、COPDに対して周到で効果的なマネジメント戦略が必要とされる。しかし、著者らは、ガイドラインに即した定期管理の効果には疑問の声もあり、総合的自己管理プログラムのベネフィットは示されているが、プライマリ・ケアでの効果は明らかではないとして本検討を行った。BMJ誌2012年12月1日号(オンライン版2012年11月28日号)掲載より。

HER1/EGFRSチロシンキナーゼ阻害剤タルセバ、米国で追加適応申請

 アステラス製薬は20日、米国子会社であるアステラス ファーマ US, Inc.とジェネンテック社が米国で共同販促をする HER1/EGFRチロシンキナーゼ阻害剤タルセバ(一般名:エルロチニブ)について、既承認の診断法で確認された EGFR 遺伝子変異を有する局所進行性又は転移性の非小細胞肺がんに対する一次治療の追加適応症について、米国食品医薬品局(FDA)に販売許可申請を提出したと発表した。

禁煙対策で喫煙率が年間-3.3%と大幅に低減/Lancet

 ウルグアイでは禁煙対策の導入により、喫煙率の年間低下率3.3%という良好な効果が得られたことが、同国保健省のWinston Abascal氏らの調査で示された。喫煙者の80%を低~中所得国の住人が占め、高所得国では喫煙率が低下していることもあって、低~中所得国の世界的なたばこ関連疾病負担の割合が増大しているという。人口約3,500万人の南米の中所得国であるウルグアイでは、2005年に包括的な禁煙プログラムが導入され、キャンペーンが実施された。Lancet誌2012年11月3日号(オンライン版2012年9月14日号)掲載の報告。

ガバペンチン、難治性慢性咳嗽の治療に有効/Lancet

 難治性慢性咳嗽の治療として、抗てんかん薬ガバペンチンが有効なことが、オーストラリア・ニューカッスル大学のNicole M Ryan氏らの検討で示された。難治性の慢性咳嗽は重篤な症状やQOL障害を引き起こす。難治性咳嗽には中枢性感作に関連する疾患(神経因性疼痛など)との類似性がみられ、神経因性疼痛にはガバペンチンが有効とされる。また、慢性咳嗽に対するガバペンチンの効果を示唆する2つの症例シリーズ研究が知られている。Lancet誌2012年11月3日号(オンライン版2012年8月28日号)掲載の報告。

シスプラチンベースレジメンにおける静脈血栓塞栓症のリスクを検討

シスプラチンと血栓塞栓症リスク増加の関連を示唆する報告がいくつかあるが、シスプラチンベースの化学療法による静脈血栓塞栓症(VTEs)のリスクについての研究は十分ではない。米国のSonia Seng氏らは、無作為化比較試験の系統的レビューとメタアナリシスを行い、シスプラチンベースの化学療法が非シスプラチンベースの化学療法と比べて、進行固形がん患者の有意なVTEsリスクの増加と関連していることを報告した。Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2012年11月13日号に掲載。

化学療法への誤解、医師とのコミュニケーションが良い人が悪い人の約2倍

 転移性肺がん・大腸がん患者の大半は、化学療法によってがんが治癒すると誤解していることが明らかになった。また誤解をしている人の割合は、医師・患者間のコミュニケーションが良いと感じている患者の方が高かった。米国・ダナ・ファーバーがん研究所のJane C. Weeks氏らが、約1,200人の転移がん患者を対象に行った調査で明らかにしたもので、NEJM誌2012年10月24日号で発表した。転移性の肺がんや大腸がんに対する化学療法は、数週間から数ヵ月の延命効果は期待でき症状が緩和される可能性はあるが、治癒は得られない。