呼吸器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:339

鳥インフルH7N9型ウイルスの感染源を同定、症状はH5N1型に類似/Lancet

 2013年2月、中国東部地域で鳥インフルエンザA(H7N9)ウイルスのヒトへの感染が発生し、感染者と家禽との接触が確認された。浙江大学医学部(杭州市)のYu Chen氏らは、同定した感染患者4例の感染源が同省の市場の家禽である可能性が高く、臨床症状は高い致死性を示すH5N1型ウイルス感染と類似するとの調査結果を、Lancet誌オンライン版2013年4月25日号で報告した。

閉塞性肺疾患の増悪に対する新たな非侵襲性バイオマーカーとなるのは?

 閉塞性肺疾患の増悪の診断において、非侵襲性バイオマーカー、とくに喀痰中のインターフェロンγ誘導タンパク(IP-10)、ネオプテリン、呼気濃縮液(Exhaled breath condensate:EBC)のpHは有用な非侵襲性バイオマーカーとなりうることが、オーストラリア ・セントビンセント病院のGeoffrey Warwick氏らによって報告された。Respirology誌オンライン版2013年3月25日号の掲載報告。

新型鳥インフルエンザA(H7N9)ウイルス感染、82例の疫学的特性/NEJM

 中国疾病予防管理センター(CDC)・公衆衛生緊急センターのQun Li氏らは、2013年4月17日時点で入手できた新型鳥インフルエンザA(H7N9)ウイルス感染に関する情報を基に解析した疫学的特性についてまとめ、NEJM誌オンライン版2013年4月24日号に予備報告として発表した。その中で著者らは「H7N9ウイルス感染は中国内6地点で確認され、感染確認患者の多くが非常に重篤であった。疫学的な関連性はなかった」と述べたうえで、「ヒト-ヒト感染について2家族集団でルールアウトはできなかったが、7日間の疾患モニタリングで呼吸器症状を呈した患者の濃厚接触者(1.5%)からウイルスは検出されなかった」と報告している。

新型鳥インフルエンザA(H7N9)ウイルス感染による死亡3例の臨床像/NEJM

 中国・疾病管理予防センターのRongbao Gao氏らは、2013年3月に新型の鳥インフルエンザA(H7N9)ウイルスに感染していることが同定された3例の患者について、臨床像、患者背景、ウイルス学的情報について報告した。3例は上海および安徽の住民で、いずれも死亡に至った感染例である。NEJM誌オンライン版2013年4月11日号掲載の報告より。

禁煙で体重が増えても心血管疾患リスクは減少/JAMA

 非糖尿病者では、禁煙により心血管疾患(CVD)のリスクが大きく低下する一方で体重の増加がみられるが、禁煙による心血管ベネフィットは体重増加では損なわれないことが、米国・マサチューセッツ総合病院のCarole Clair氏らの検討で明らかとなった。米国では喫煙は予防可能な死亡の主要因とされ、CVDの重要なリスク因子である。禁煙によりCVDリスクは実質的に低減するが、禁煙の数少ない有害作用に体重増加があり、肥満もCVDのリスク因子であることから、禁煙を考慮中の喫煙者の高い関心を呼んでいる。JAMA誌2013年3月13日号掲載の報告。

〔CLEAR! ジャーナル四天王(84)〕 「先生、禁煙すると太るからいやです!」 この患者さんにどう説明しますか?

 「たばこを止めたら太っちゃった!先生それでも大丈夫なんですか?」と尋ねられた経験が一度ならずある、という医師は多いであろう。メタボの怖さを患者に説得している医師にとって、この手の質問に「太っても心配ない」と自信を持って答えられるだけの資料を、医師側はこれまで無かった。

非CF性気管支拡張症への長期低用量エリスロマイシン、急性増悪を抑制/JAMA

 オーストラリア・メーター成人病院のDavid J. Serisier氏らによる無作為化試験の結果、非嚢胞性線維症性(non-CF)気管支拡張症患者において、低用量エリスロマイシンの長期投与はプラセボと比較して、わずかではあるが有意に急性増悪を抑制することが報告された。一方で耐性菌の増大も確認された。これまでエリスロマイシンのようなマクロライド系抗菌薬は、non-CF気管支拡張症の臨床アウトカムを改善する可能性が示唆され、一方で耐性菌のリスクについて明らかではなかった。JAMA誌2013年3月27日号掲載の報告より。

タバコの煙に対する感受性と歯周病に関係はあるのか?

 タバコの煙に対する感受性と歯周病に特徴的な関係はみられないことが、スウェーデン・カロリンスカ研究所のJan Bergstrom氏らにより報告された。しかしながら、喫煙者において、歯周病の進行と肺が破壊される病理的プロセスには共変動がみられたとも言及している。これまで、タバコに対する感受性が高いことで発症するCOPD(慢性閉塞性肺疾患)と歯周病の関係についてはあまり検討されていなかった。

抗菌薬治療でCOPD急性増悪例、市中肺炎患者の心血管イベントが増加/BMJ

 慢性閉塞性肺疾患(COPD)の急性増悪例や市中肺炎患者に対するクラリスロマイシン(商品名:クラリスほか)治療により、心血管イベントが有意に増加することが、英国・ナインウェルス病院(ダンディー市)のStuart Schembri氏らの検討で示された。英国では、COPD急性増悪と市中肺炎は入院の主原因であり、治療にはクラリスロマイシンが頻用されている。同薬投与中に心血管イベントが増加する可能性が観察試験で示唆されており、短期投与により冠動脈心疾患患者の心血管死が増加したとする無作為化対照比較試験の結果が知られているが、呼吸器感染症の治療に用いた場合の心血管イベントに及ぼす影響はこれまで不明であった。BMJ誌オンライン版2013年3月21日号掲載の報告。