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日本の出生年別のピロリ菌感染率~17万人のメタ解析

 一般集団におけるH. pylori感染率(有病率)のトレンドの変化が、日本での胃がん死亡率の低下をもたらした主な要因と考えられている。そこで、愛知医科大学のChaochen Wang氏らは、H. pylori感染率それ自体が出生コホートパターンを示すかどうかを確認するために、日本人のH. pylori感染率を報告した研究の系統的レビューを行い、17万752人のメタ回帰分析を実施した。Scientific reports誌2017年11月14日号に掲載。

atezolizumab+ベバシズマブ+化学療法、進行肺がん1次治療のPFS改善(IMpower150)/ロシュ

 スイス・ロシュ社は2017年11月20日、進行非扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)1次治療における、抗PD-L1抗体atezolizumabの第Ⅲ相試験IMpower150の結果を発表した。試験の結果、atezolizumabとベバシズマブおよび化学療法(パクリタキセル+カルボプラチン)の併用は、ベバシズマブと化学療法の併用と比較して、複合主要評価項目の1つ無増悪生存期間を有意に改善したと発表した。具体的な数値は発表されていない。

高齢で診断された前立腺がん、予後に影響するのは?

 前立腺がん診断時の年齢が高いことが予後不良に関連することを示す研究がいくつか報告されている。そこで、スウェーデン・カロリンスカ研究所のAndreas Pettersson氏らは、集団ベースのコホート研究で、診断時年齢と予後との関連を調べ、その関連が腫瘍特性、初期治療、診断年、検知方法、合併症と独立しているかどうかを検討した結果を報告した。著者らは結果から「本結果は、現在の臨床現場において、前立腺がんの高齢患者は診断のための検査や治癒目的の治療を十分に受けていないことを示している」としている。Annals of oncology誌オンライン版2017年11月17日号に掲載。

抗菌薬は上気道感染症後の細菌合併症を減らせるのか

 抗菌薬使用と上気道感染症(URTI)後細菌合併症との関連を検討した前向きコホート研究で、URTI後の細菌合併症はまれであり、また抗菌薬は細菌合併症予防における保護効果がない可能性が示唆された。スウェーデン・ストックホルム県ランスティング公衆衛生局のThomas Cars氏らが報告した。BMJ open誌2017年11月15日号に掲載。

オシメルチニブ、CNS転移の進行リスク低減を確認:FLAURA

 AstraZeneca社(本社:英国ロンドン、CEO:Pascal Soriot)は2017年11月18日、シンガポールで開催されたESMOアジア2017で、中枢神経系(CNS)転移に対する有効性についての第III 相FLAURA 試験のサブグループ解析の結果を発表。EGFR変異陽性進行非小細胞肺がん(NSCLC)の1次治療において、オシメルチニブ(同:タグリッソ)が、エルロチニブ(商品名:タルセバ)またはゲフィチニブ(同:イレッサ)による標準治療と比較して、CNS病勢進行リスクを低減させたことが明らかになった。

最短8週間治療が可能なC型肝炎治療薬が登場

 アッヴィ合同会社は、すべての主要なジェノタイプ(GT1~6型)のC型肝炎ウイルス(HCV)に感染した成人患者に対して1日1回投与、リバビリンフリーの治療薬であるマヴィレット配合錠(一般名:グレカプレビル/ピブレンタスビル、以下マヴィレット)を11月27日に発売した。マヴィレットは肝硬変を有さない、直接作用型抗ウイルス薬(DAA)未治療のジェノタイプ1型(GT1)および2型(GT2)のC型慢性肝炎(HCV)感染患者にとって、最初で唯一の最短8週間治療となる。薬価は1錠24,210.40円。

腫瘍変異負荷は小細胞がん免疫治療のバイオマーカーとなるか(CheckMate-032)/WCLC

 再発小細胞肺がん(SCLC)の治療選択肢は限られており、生命予後も不良である。固形がんにおけるニボルマブ±イピリムマブの第I相試験CheckMate-032の初回報告では、ニボルマブ・イピリムマブの併用はSCLCに対し、良好かつ持続的な効果を示し、この結果をもって、NCCNガイドラインに推奨されている。しかし、非小細胞肺がん(NSCLC)のバイオマーカーであるPD-L1は、この試験において治療効果との関連性は示しておらず、SCLCにおける免疫治療の明らかな効果予測バイオマーカーは明らかでない。

非喫煙女性の肺がんに飲酒が関連か

 生涯非喫煙者における肺がんの病因はほとんどわかっていない。スペイン・コルーニャ大学病院のJose A. Garcia Lavandeira氏らが、ケースコントロール研究のプール解析で、生涯非喫煙者における肺がんリスクにおける飲酒の影響を検討したところ、ワインと蒸留酒の摂取が、とくに女性で、肺がんリスクを増加させる可能性が示唆された。ただし、本研究の限界を考慮すると本結果を慎重にとらえるべき、と著者らは述べている。European journal of public health誌オンライン版2017年11月13日号に掲載。

重度のストレスやうつ病からの復職に効果的なリハビリは

 うつ病やストレスに関連する精神疾患による世界的な負担は大きく、効果的なリハビリテーションが必要とされている。自然療法のリハビリテーションは、精神疾患患者の復職への手助けとなる可能性がある。スウェーデン農業科学大学のPatrik Grahn氏らは、長期的な重度のストレスやうつ病を有する患者群を対象に、自然療法のリハビリテーションプログラムの期間が、プログラム開始1年後のアウトカムに対し、どのような影響を及ぼすかについて調査した。International journal of environmental research and public health誌オンライン版2017年10月27日号の報告。

EGFR変異陽性肺がん、今後の治療シークエンスは?

 EGFR変異陽性進行非小細胞肺がん(NSCLC)に対するEGFR-TKIの選択肢が増えてきている。これらの薬剤をどう使用すれば、患者さんにとって最大限のベネフィットが得られるのだろうか。2017年10月30日に開催されたアストラゼネカ株式会社主催のメディアセミナーで、関 順彦氏(帝京大学医学部附属病院腫瘍内科 教授)が、開発中の薬剤を含め、各薬剤の無増悪生存期間(PFS)や毒性から、今後の治療シークエンスについて展望した。

セリチニブ、食事との服用で有効性維持と毒性低減を両立(ASCEND-8)/WCLC2017

 セリチニブ(商品名:ジカディア)750mg空腹時投与は、未治療の進行ALK陽性NSCLCに優れた効果を示すものの、下痢、悪心嘔吐などの消化器症状が発現する。ASCND-8は、ALK陽性NSCLCに対し、セリチニブ450または600mgを低脂肪食と服用した群と、750mgの空腹時服用を比較した無作為化オープンラベル試験。第18回世界肺癌(WCLC)では、未治療患者における有効性の中間解析と、安全性のアップデート結果について、韓国・Yonsei Cancer CenterのCho BC氏が発表した。

ADHD児への有酸素運動効果は

 ADHDは、世界の小児の約8~10%に発症する最も一般的な精神神経疾患の1つである。ADHD児の大多数が成人期まで持続的な症状を有していることを示唆する研究が増加しており、ADHDによる人生経過への影響を明らかにしている。ADHD管理の主流は、薬物療法と、行動および心理的な介入であり、潜在的な治療戦略としての運動介入については、あまり注目されていない。シンガポール国立大学のQin Xiang Ng氏らは、ADHD児に対する運動介入の短期的および長期的な影響を調査するため、システマティックレビューを行った。Complementary therapies in medicine誌2017年10月号(オンライン版8月31日号)の報告。