セクキヌマブ、乾癬性関節炎の症状改善/Lancet

提供元:ケアネット

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公開日:2015/07/16

 

 乾癬性関節炎に対し、ヒト抗インターロイキン17Aモノクローナル抗体セクキヌマブの皮下投与が有効であることが明らかになった。英国・グラスゴー大学のIain B. McInnes氏らが397例を対象に行った第III相無作為化二重盲検プラセボ対照試験の結果、報告した。300mg、150mg投与ともに半数以上の人が目標とした改善率(米国リウマチ学会20%改善率:ACR20)を達成したという。Lancet誌オンライン版2015年6月26日号掲載の報告より。

世界76ヵ所を通じ、397例を対象に試験
 試験は、アジア、オーストラリア、カナダ、ヨーロッパ、米国の医療施設76ヵ所を通じて、2013年4月~2013年11月にかけて、18歳以上の乾癬性関節炎の患者397例を対象に行われた。

 研究グループは被験者を無作為に4群に分け、セクキヌマブ 300mg、150mg、75mg、プラセボを、第3週までは週1回、第4週目からは4週に1回、それぞれ皮下投与した。

 主要エンドポイントは、24週時点でACR20を達成していた患者の割合だった。

ACR20達成率、300mg群、150mg群で5割以上
 結果、ACR20達成率は、300mg群が54%(対プラセボ群オッズ比:6.81、95%信頼区間:3.42~13.56、p<0.0001)、150mg群が51%(同:6.52、3.25~13.08、p<0.0001)だった。75mg群は29%(同:2.32、1.14~4.73、p=0.0399)であり、プラセボ群は15%だった。

 16週までで最も頻度の高かった有害事象は上気道感染症と鼻咽頭炎だった。上気道感染症の発現率は300mg群が4%、150mg群が8%、75mg群が10%、プラセボ群が7%であり、鼻咽頭炎はそれぞれ6%、4%、6%、8%だった。重篤な有害事象の発現率は、それぞれ5%、1%、4%、2%だった。なお死亡例の報告はなかった。

 これらを踏まえて著者は、「セクキヌマブ 300mgと150mgの皮下投与は、乾癬性関節炎の症状を改善することが示された。このことは、本疾患患者にとってセクキヌマブは新たな治療オプションとなることを示唆するものである」とまとめている。

(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)