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Dr.ハギーの関節リウマチ手とり足とり~まずは触ってみる~ <早期介入編>

プライマリ・ケア医のための関節リウマチ面白レクチャー!

シリーズ名
Dr.ハギーの関節リウマチ手とり足とり
診療科
膠原病・リウマチ科 
収録内容
第1回 関節リウマチ診療の現在
     ~T2Tとはなんだ~
第2回 早期診断のコツ
     ~ぐっと握ってRAを疑う~
第3回 関節リウマチの良し悪し
     ~疾患活動性を評価する~
第4回 抗リウマチ薬の使い方
     ~寛解目指して一直線(1)~
第5回 関節注射の勘どころ
     ~寛解目指して一直線(2)~
第6回 生物学的製剤の使い方
     ~寛解目指して一直線(3)~
講師
萩野 昇
収録時間
101分
価格
8,250円(税込)
発行日
2014-10-07
商品コード
CND0209

関節リウマチ診療は近年大きな変貌を遂げ、「治らない疾患」から「寛解が可能な疾患」となりました。重要なのは疾患の早期発見・早期介入。関節リウマチを早期に診断し寛解へ導くには、プライマリ・ケア医の役割がとても大きいのです。
一方で、何十年と長期で関節リウマチを患っている患者は、近年の著しい関節リウマチ医療進展の恩恵を受けていません。しかしながら、長期罹患患者も現在の関節炎の程度と身体障害の程度を適切に評価し、可能な限り疾患活動性を低くする治療を行えば、患者のQOLを高めることができます。つまり長期罹患患者に対しても、プライマリ・ケア医ができることはたくさんあります。
この番組は、関節リウマチの診療の最新知見を「早期介入編」と「長期罹患編」に分け、プライマリ・ケア医が臨床上必要なリウマチ診療に関する知識と手技を、楽しい小噺を交え、手とり足とり解説します。

第1回 関節リウマチ診療の現在 ~T2Tとはなんだ~


プライマリ・ケア医にとってはとっつきにくいイメージのある関節リウマチ。しかし近年、治療法が格段に進歩し、今では早期発見・介入し寛解を目指すのが常識となっています。この世界的な新しい関節リウマチ治療方針がTreat to Target(T2T)。その鍵を握っているのは、プライマリ・ケア医です。早期介入編第1回は「関節リウマチ診療の現在」と題して、まずリウマチ診療の昨今の激変を概観し、一般医にもできるリウマチ診療の道筋を示します。
講師は、リウマチ専門医の若きホープDr.ハギーこと萩野昇先生。落語家に扮したリウマチ小噺を交え、わかりやすく、楽しくリウマチ診療の今をレクチャーします。

第2回 早期診断のコツ ~ぐっと握ってRAを疑う~
関節リウマチ診療において、早期診断は極めて重要です。そのために知っておかなければならないのは確定診断のための診断基準ですが、それ以前にプライマリ・ケア医にとって大事なのは、まず症状が軽微なうちからリウマチを疑う姿勢。そこで役立つのが「スクイーズテスト」です。第2回「早期診断のコツ」では、関節リウマチと診断する際の基準についての説明と、「ぐっと握って関節リウマチを疑う」スクイーズテスト、そして関節診察の実演を、まさに手とり足とりお伝えします。

第3回 関節リウマチの良し悪し ~疾患活動性を評価する~
関節リウマチは、『これさえ診ておけばよい』というスタンダードの検査値が存在しないため、疾患活動性の評価が難しいとされています。
現在では、その指標のひとつに、膝から上の28関節を評価する「DAS(Disease Activity Score)28」と呼ばれるスコアが主に使用されています。28ヵ所の関節を押して圧痛・腫脹の有無を確認し、炎症反応などを加えてスコアリングし算出するものです。実演では、関節のどの部分にどのくらいの力加減で圧痛の有無を確認するか、丁寧にご説明します。ただし、膝から下の関節についての評価がすっかり抜けているので、足の診察も行いましょう。
疾患活動性評価の一番の基本は診断と同じく、「まずは触ってみる」こと。患者の関節に触って、腫れや痛みを診ることが大切です。

第4回 抗リウマチ薬の使い方 ~寛解目指して一直線(1)~
抗リウマチ薬の中で非常に大きな成果を得た薬剤に「メトトレキサート(MTX)」があります。日本ではなかなか十分な量を処方できなかったMTXですが、2011年より最大量1週間に16mgまで使用できるようになりました。ただし、効き目があるからといってMTXをやみくもに使っていては寛解に導くことはできません。用量や増量スケジュール、どんな副作用があって投与方法はどうするか?今回は、MTXを中心とした抗リウマチ薬を手とり足とり解説します。
禁忌がなければMTX。MTXを制する者は関節リウマチを制すると言っても過言ではありません。

第5回 関節注射の勘どころ ~寛解目指して一直線(2)~
関節リウマチ患者の関節の痛みを改善させる治療法の中で、とくに即効性があり、安価で副作用の少ない方法は関節腔内への注射療法ではないでしょうか。関節腔内・筋骨格軟部組織へのステロイド注射の手法は決して難しくなく、非専門医でも施行できます。ぜひ日常診療に取り入れて患者の悩み・痛みをピンポイントで解決してください。第5回「関節注射の勘どころ」では実演を織り交ぜて、関節腔内注射の準備・手順、そして関節へのアプローチまでをまさに手とり足とりお伝えします。

第6回 生物学的製剤の使い方 ~寛解目指して一直線(3)~
生物学的製剤はリウマチ診療にとってなくてはならないものになりつつあります。日本では10年以上の使用経験があり、すでに一般的治療となっている生物学的製剤ですが、どの患者にどの生物学的製剤が効果があるかなどを予想する方法は、実はまだ確立されていません。しかし現時点では、生物学的製剤を使用する前に潜在性結核に罹患しているかを確かめることが一番大切です。そのためにはどんなスクリーニングが必要か?潜在性結核のほかに必要な検査とは?Dr.ハギーが手とり足とり解説する生物学的製剤の基本ついて、プライマリ・ケア医もここまでは押さえておきましょう。

萩野 昇 ( はぎの のぼる )氏 帝京大学ちば総合医療センター 血液・リウマチ内科

2000年 東京大学医学部卒業、横須賀海軍病院インターン、東京大学医学部附属病院・国立国際医療センター(当時)研修、東京都立駒込病院内科シニアレジデントを経て2006年より東京大学医学部附属病院アレルギー・リウマチ内科で診療・臨床教育に従事。 2011年6月より帝京大学ちば総合医療センター 血液・リウマチ内科 講師。 日本内科学会認定 総合内科専門医、日本リウマチ学会認定 リウマチ専門医、米国内科学会会員、米国リウマチ学会会員。 リウマチ学(Rheumatology)の可能性を広く天空に解き放ちたい!と念じつつ、日々の診療と教育に当たる。ライフワークは遷延する発熱や原因不明の筋骨格・軟部組織の痛み・悩みを診断し、治療すること。