自殺企図後も生き続けるためのプロセス 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2017/03/16 うつ病は、自殺や自殺企図の強力な危険因子である。これまでの研究では、自殺企図へのパスウェイについて検討されてきたが、自殺克服のために重要な点について検討した研究はほとんどない。スウェーデン・ルンド大学のLisa Crona氏らは、自殺企図後、生き続けるための個人の戦略について検討を行った。BMC psychiatry誌2017年2月13日号の報告。 理論に基づく定性的なアプローチを用いた。1956~69年に重度のうつ病と診断された元入院患者13例を対象に、最後の自殺企図(21~45歳時に経験)から42~56年フォローアップを行った。2013年6月~2014年1月までに1度、半構造化インタビューを用いて調査した。 主な結果は以下のとおり。 ・自殺企図へのパスウェイは「抵抗できないほどの状況に追い込まれた」と定義した。 ・回復プロセスは「プロフェッショナルケア」「個人の状況での緩和」「生き続ける決断」の3つのカテゴリで構成されていた。 ・これらのカテゴリから「コントロールを取り戻すことによって自分自身をケアする」とラベルされたコアカテゴリが浮かび上がってきた。 ・うつ病からの回復とは無関係に自殺の克服が起こっていた。 著者らは「自殺企図後のケアは、非常に長期的であり、回復プロセスは多面的かつ変動的である。適切な治療、他者とのつながり、意思決定問題の克服が必要となる」としている。 関連医療ニュース 日本成人の自殺予防に有効なスクリーニング介入:青森県立保健大 双極性障害の自殺企図、“だれ”よりも“いつ”がポイント 自殺予防に求められる、プライマリケア医の役割 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Crona L, et al. BMC Psychiatry. 2017;17:69. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 再発を伴わない二次性進行型多発性硬化症、tolebrutinibが障害進行リスク抑制/NEJM(2025/04/25) 米国出生率、中絶禁止導入州で上昇/JAMA(2025/04/25) 症状のない亜鉛欠乏症に注意、亜鉛欠乏症の診療指針改訂(2025/04/25) サブタイプ別転移乳がん患者の脳転移発生率、HER2低発現の影響は(2025/04/25) 2年間のフレマネズマブ治療の有効性および継続性〜国内単一施設観察研究(2025/04/25) 遺伝性アルツハイマーへのgantenerumab、発症リスク低下に有効か(2025/04/25) tenecteplase、脳梗塞治療でアルテプラーゼと同等の効果(2025/04/25) 低ホスファターゼ症の新たな歯科症状が明らかに―全国歯科調査(2025/04/25) [ あわせて読みたい ] Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20)