てんかん治療におけるベンゾジアゼピンの役割 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2016/04/20 ベンゾジアゼピン(BZP)は、一般に抗不安薬、鎮静薬、抗けいれん薬として処方される薬剤である。米国・サウスアラバマ大学のJuan G Ochoa氏らは、てんかん治療におけるベンゾジアゼピンの役割をレビューした。Current treatment options in neurology誌2016年4月号の報告。 主なレビューは以下のとおり。 ・BZPは、イオンチャネルを介してCI-コンダクタンスを増加させることによりGABAA受容体に作用し、中枢神経系の抑制を促進する。 ・BZPの臨床特性は、GABAA受容体の異なるサブユニットの組成に依存している。各サブユニットは、中枢神経系全体に存在する複数のサブタイプを有し、これらはすべて異なる臨床反応を示す。 ・BZPは、てんかん重積状態の第1選択薬である。BZPに対する治療反応は、治療までの期間が重要であり、てんかん重積状態が持続した場合は効果が損なわれる。 ・静脈内投与可能なてんかん重積状態に最も一般的に用いられるのはBZPのロラゼパム静脈内投与であるが、同様の有効性を有するミダゾラムの非静脈内投与を、代替治療として考慮すべきである。 ・外来患者の急性発作治療に用いられるBZPは、現在ジアゼパム注腸に限定されるが、別の投与経路の開発も進んでいる。 ・複数の抗てんかん薬でも効果不十分な難治性てんかん患者に対し、クロバザムやクロナゼパムは、発作の予防に有効な選択肢である。クロバザムは、GABAA受容体のα2サブユニットに親和性が高いため、鎮静の効果が少ない可能性がある。 ・慢性的なBZP使用による副作用としては、鎮静、耐性、一部の患者における中毒や乱用の可能性がある。 関連医療ニュース てんかん重積状態に対するアプローチは ベンゾジアゼピン系薬の中止戦略、ベストな方法は 不適切なベンゾジアゼピン処方、どうやって検出する (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Ochoa JG, et al. Curr Treat Options Neurol. 2016;18:18. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 2型DM、メトホルミンに追加するなら?/BMJ(2024/05/16) ASPECTS 0~5の広範囲脳梗塞にも血管内治療は有効か?/NEJM(2024/05/16) 日本人統合失調症患者における口腔機能低下(2024/05/16) 多くの死亡患者が電子カルテに生存者として記載(2024/05/16) 2016年から2020年にかけてスクーターによる外傷の発生率が上昇(2024/05/16) 難治てんかんの治療、新たな標的を発見か(2024/05/16) クラミジアワクチン、初期臨床試験で好成績(2024/05/16) [ あわせて読みたい ] Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV シーズンII(2014/07/03) 診療よろず相談TV(2013/10/25)