メラトニン使用でベンゾジアゼピンを簡単に中止できるのか 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2015/07/13 統合失調症や双極性障害患者における長期のベンゾジアゼピン使用について、徐放性メラトニンを使用することで容易な離脱を促すかどうか、デンマーク・コペンハーゲン大学のLone Baandrup氏らは検討した。The world journal of biological psychiatry誌オンライン版2015年6月18日号の報告。 24週間のランダム化プラセボ対照並行優越性試験。対象者を、徐放性メラトニン群(2mg/日)とプラセボ群に無作為に振り分け、通常のベンゾジアゼピン用量から連続的に漸減を行った。主要転帰は、24週後のベンゾジアゼピン1日投与量とした。副次的転帰は、ベンゾジアゼピン投与量の経時的パターン、中止率、離脱症状とした。 主な結果は以下のとおり。 ・86例(21~74歳)がエントリーされ、徐放性メラトニン群42例、プラセボ群44例に無作為に振り分けた。 ・24週時の平均ベンゾジアゼピン投与量は、両群間で有意な差が認められなかった(徐放性メラトニン群:8.01mg、プラセボ群:5.72mg[ジアゼパム換算]、平均差:-2.29、95%CI:-5.78~1.21、p=0.20)。 ・ベンゾジアゼピン中止率は、徐放性メラトニン群38.1%(16/42例)、プラセボ群47.7%(21/44例)であった(OR:0.64、95%CI:0.26~1.56、p=0.32)。 ・徐放性メラトニンは、ベンゾジアゼピンの離脱症状に影響を及ぼさなかった。 著者らは「ベンゾジアゼピン投与量は、漸減24週間後において、両群ともに比較的低い値であった。本研究では、徐放性メラトニンにより、ベンゾジアゼピン中止を容易にすることはできなかった」としている。 関連医療ニュース ベンゾジアゼピン使用は何をもたらすのか 統合失調症治療にベンゾ併用は有用なのか ベンゾジアゼピン処方、長時間型は大幅に減少 担当者へのご意見箱はこちら (ケアネット 鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Baandrup L, et al. World J Biol Psychiatry. 2015 Jun 18:1-11. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 ベンゾジアゼピン使用と認知症リスクとの関連性が示唆された 医療一般(2018/11/20) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 再発を伴わない二次性進行型多発性硬化症、tolebrutinibが障害進行リスク抑制/NEJM(2025/04/25) 米国出生率、中絶禁止導入州で上昇/JAMA(2025/04/25) 症状のない亜鉛欠乏症に注意、亜鉛欠乏症の診療指針改訂(2025/04/25) サブタイプ別転移乳がん患者の脳転移発生率、HER2低発現の影響は(2025/04/25) 2年間のフレマネズマブ治療の有効性および継続性〜国内単一施設観察研究(2025/04/25) 遺伝性アルツハイマーへのgantenerumab、発症リスク低下に有効か(2025/04/25) tenecteplase、脳梗塞治療でアルテプラーゼと同等の効果(2025/04/25) 低ホスファターゼ症の新たな歯科症状が明らかに―全国歯科調査(2025/04/25) [ あわせて読みたい ] Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20) シネマセラピー ~シネマにみるメンタルヘルス~(2013/04/26)