維持期統合失調症でどの程度のD2ブロックが必要か 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2013/08/08 統合失調症の薬物治療ではドパミンD2受容体を65~80%占有することで、錐体外路症状や認知機能障害のリスクを最小限にし、治療効果を最適化できると考えられている。この受容体占有率を保つことが維持期治療でも必要かどうかは不明である。慶應義塾大学の森口 翔氏らは、維持期におけるD2受容体占有をCATIE試験のフェーズ1のデータより再評価した。Journal of clinical psychopharmacology誌オンライン版2013年 7月29日号の報告。 対象は、抗精神病薬により寛解した統合失調症患者30例[リスペリドン12例、オランザピン12例、ジプラシドン(国内未承認)6例]。寛解の定義は、初期評価および1、2、6ヵ月時点でPANSS特定8項目(2005年のAndreasenらの定義による)が3以下であることとした。6ヵ月時点でのD2受容体占有率のピーク値およびトラフ値は、母集団薬物動態解析およびD2予測モデルを用い、抗精神病薬の血漿中濃度より推定した。 主な結果は以下のとおり。 ・6ヵ月時点でのD2受容体占有率のピーク値およびトラフ値はそれぞれ70.3%±9.8%、60.5%±20.2%であった(推定平均±SD)。 ・約半数(46.7%、14例)の患者においては、D2受容体占有率が65%未満であった。 ・統合失調症の維持治療において、D2受容体占有率は必ずしも65%以上必要でない可能性があることが示唆された。 関連医療ニュース 抗精神病薬の等価換算は正しく行われているのか 維持期の統合失調症患者において現在の薬物投与量は最適か? 統合失調症“再発”の危険因子は? (ケアネット 鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Moriguchi S, et al. J Clin Psychopharmacol. 2013 Jul 29. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 ドパミンD2受容体占有率が服薬に影響?:慶應義塾大学 医療一般 日本発エビデンス(2013/09/30) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 手術低~中等度リスク重症大動脈弁狭窄症、TAVI vs.SAVRの1年成績/NEJM(2024/04/26) 狭小弁輪を伴う大動脈弁狭窄症へのTAVR、自己拡張型弁vs.バルーン拡張型弁/NEJM(2024/04/26) 若年乳がんサバイバーにおける2次原発性乳がんのリスク因子/JAMA Oncol(2024/04/26) アレクチニブによるALK陽性肺がん術後補助療法をFDAが承認/中外(2024/04/26) うつ病の第2選択治療、機械学習で最適化できるか(2024/04/26) テレビや動画の視聴時間の長さは夜間頻尿リスクに関連(2024/04/26) ChatGPTは医師の10倍の速さで事務作業をこなす(2024/04/26) 1型糖尿病患者の血糖変動の認知機能への影響(2024/04/26) [ あわせて読みたい ] ~プライマリ・ケアの疑問~ Dr.前野のスペシャリストにQ!【精神科編】(2019/06/15) Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20)