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2026-02-23 ~ 2026-03-01

2026/02/27

PCOS、体外受精前のビタミンD補充で出生率は向上せず/BMJ

ジャーナル四天王

 体外受精を予定している多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)患者において、ビタミンD補充(4,000 IU/日)の最長90日間の継続は、プラセボと比較して血清中25-ヒドロキシ(OH)ビタミンD濃度(25-OHD)を上昇させるものの、初回胚移植後の出生率は改善しなかった。中国・浙江大学のKai-Lun Hu氏らVitD-PCOS trial groupが、同国の不妊治療センター24施設において実施した無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験の結果を報告した。観察研究では、PCOSの女性におけるビタミンD欠乏と生殖アウトカム不良との関連が一貫して示されており、先行研究でビタミンD補充が体外受精に有益な効果をもたらす可能性があることが小規模な検出力不足の臨床試験において示唆されていた。今回の結果は、体外受精を受けるPCOSの女性における補助療法としてのビタミンD補充の日常的な使用に疑問を投げ掛けるものである。BMJ誌2026年2月17日号掲載の報告。

CAR-T liso-cel、再発・難治性辺縁帯リンパ腫に有効/Lancet

ジャーナル四天王

 再発または難治性の辺縁帯リンパ腫(MZL)患者において、CD19を標的とするCAR-T細胞療法リソカブタゲン マラルユーセル(liso-cel、商品名:ブレヤンジ)は持続的な高い奏効率を示し、安全性プロファイルは管理可能であり、新たな安全性シグナルは認められなかった。米国・Memorial Sloan Kettering Cancer CenterのM. Lia Palomba氏らが、米国、カナダ、欧州、日本の30施設で実施した国際共同第II相試験「TRANSCEND FL試験」におけるMZLコホートの主要解析結果を報告した。再発または難治性のMZLに対する持続的で深い奏効を示す有効な治療法は、いまだ確立されていない。著者は、「今回の結果は、再発または難治性MZLに対する新たな治療選択肢としてリソカブタゲン マラルユーセルを支持するものである」とまとめている。Lancet誌オンライン版2026年2月12日号掲載の報告。

日本発、期待の新薬をどう使うか?(解説:岡慎一氏)

CLEAR!ジャーナル四天王

islatravirは、世界初のエイズ治療薬AZTを開発した満屋 裕明博士が開発した日本発の新薬である。満屋氏は、これまでにも数多くの抗HIV薬を世に送り出し、抗HIV薬創薬の世界的権威であるが、その満屋氏が「この薬剤はすごい!」と話している。どうすごいかというと、とにかく試験管内での抗HIV効果がきわめて強いことと、細胞毒性が見られないらしい。要するに、「よく効いて安全である」ということになる。本臨床試験であるが、現在の非常に強力な3剤併用療法と、ドラビリンとの2剤の合剤1日1回服用を無作為割り付けで比較し、非劣性が証明されている。

乳がん診断後の飲酒、予後との関係~メタ解析

医療一般

 飲酒は乳がん罹患率に影響を及ぼすと考えられる一方で、乳がん診断後の予後との関連については十分に確立されていない。イタリア・University of GenovaのLuca Arecco氏らによる、約250万例を対象としたシステマティックレビューおよびメタ解析の結果、飲酒は用量依存的な乳がんリスク増加と関連していた一方で、乳がん診断歴を有する患者においては飲酒と予後悪化の間に関連はみられなかった。Breast誌オンライン版2026年2月5日号に掲載の報告。

米国「食事ガイドライン」改訂――初の超加工食品制限に評価も、専門家から批判も相次ぐ

医療一般

 米国の「食事ガイドライン(Dietary Guidelines for Americans:DGA)」は、学校給食などをはじめとした国民の栄養摂取の指針となるもので、米国農務省(USDA)と米国保健福祉省(HHS)が5年ごとに改訂している。2026年1月7日に最新版(2025~2030年版)が発表され、大きな内容変更が話題となっている。  改訂版の中心となるメッセージは、「Eat real food(本物の食物を食べよう)」で、全体を通じて「ホールフード」(加工されていない/加工が最小限の食品、全粒粉穀物など)の摂取が推奨されている。従来のDGAは、基本的に塩分や糖分といった1日の栄養目標値の範囲内であれば、あらゆる食品の選択肢が許容されるものとしてきたが、この方針を大きく転換した。

現在の認知症診断、その費用対効果は?

医療一般

 アルツハイマー病および認知症は、世界において臨床的および経済的に大きな負担となっている。早期診断や介入は、疾患の進行を遅らせる可能性がある。現在の診断ガイドラインでは、臨床評価と併せて画像診断およびバイオマーカー分析を検討することが推奨されている。しかし、医療資源は限られているため、資源配分の指針として診断技術の費用対効果を検証する必要がある。カナダ・Western UniversityのMunira Kashem氏らは、アルツハイマー病または認知症の診断および/または進行フォローアップのための神経画像診断、バイオマーカー、その他の診断、スクリーニング戦略に関する経済評価研究をシステマティックにレビューした。Alzheimer's Research & Therapy誌2026年1月23日号の報告。

飲酒と大腸がん、リスクの高い頻度と量は?

医療一般

 飲酒は大腸がんリスクの上昇と関連していることが示されているが、生涯飲酒に関する研究は限られている。米国国立がん研究所のCaitlin P. O'Connell氏らは、生涯飲酒と大腸腺腫および大腸がんの発症との関連性を推定することを目的とした研究を行った。Cancer誌2026年2月1日号掲載の報告。  前立腺がん、肺がん、大腸がん、卵巣がん検診の効果を評価するPLCO試験に参加した米国成人を対象とした。参加者はビール、ワイン、蒸留酒の摂取頻度について、4つの事前定義された年齢層(18~24歳、25~39歳、40~54歳、55歳以上)ごとに、10段階の頻度カテゴリー(飲酒経験なし~1日6杯以上)を用いて回答した。また、過去1年間のビール・ワイン・蒸留酒摂取量も報告した。参加者を「非飲酒者」「元飲酒者」「現飲酒者」に分類し、生涯平均飲酒量(週1杯未満、1~7杯未満、7~14杯未満、14杯以上)でも分類した。

夜型の生活習慣は心臓の健康に悪影響

医療一般

 夜更かしの習慣は、心臓の健康に悪影響を与えているかもしれない。クロノタイプが夜型の中高年は、朝型でも夜型でもない中間型の中高年と比較して、心臓の健康状態が悪い傾向にあることが、新たな研究で示された。この研究を主導した米ブリガム・アンド・ウイメンズ病院内科部門のSina Kianersi氏は、「夜型の人は、食事の質が低かったり、喫煙したり、睡眠が不足していたり不規則だったりと、心血管の健康に影響を及ぼす行動を取りがちな可能性がある」と述べている。この研究結果は、「Journal of the American Heart Association」に1月28日掲載された。  研究グループによると、夜型の人は体内時計とも呼ばれる概日リズムが乱れることが多く、それが健康的な行動や心代謝機能に悪影響を及ぼす可能性が考えられるという。

枕の高さが緑内障患者の夜間眼圧に影響か

医療一般

 就寝時の簡単な工夫が、緑内障の進行を遅らせるのに役立つかもしれない。新たな研究で、枕を使わずに寝ることで眼圧を下げられる可能性のあることが示された。緑内障では、眼圧の上昇によって視神経が損傷し、不可逆的な視力低下につながる恐れがある。研究では、枕を二つ重ねて使った患者の3分の2で、眼圧の上昇が確認されたという。浙江大学(中国)医学院附属第二病院眼科センターのKaijun Wang氏らによるこの研究結果は、「British Journal of Ophthalmology」に1月27日掲載された。研究グループは、「緑内障患者にとって、枕を使わずに寝ることは、薬物治療やレーザー治療に移行する前に試せる手軽な対策になり得る」と述べている。

2026/02/26

がん研究、約10%が不正な「ペーパーミル製論文」か/BMJ

ジャーナル四天王

 ペーパーミル(論文工場)は、がん研究論文において深刻かつ拡大する問題であり、低インパクトファクターの雑誌に限った問題ではないことが、フランス・L'Institut AgroのBaptiste Scancar氏らが行った機械学習モデルの構築・検証およびスクリーニングの結果で示された。著者は、「ペーパーミルの問題に対処するためには、関係者全体でこの課題を共有し行動を起こすことが不可欠である」とまとめている。BMJ誌2026年1月29日号掲載の報告。

更年期のホルモン補充療法、死亡は増加せず/BMJ

ジャーナル四天王

 45歳以降に初めて更年期ホルモン補充療法を受けた女性は、受けなかった女性と比較して死亡リスクは増加しないことが、デンマーク・Copenhagen University Hospital HerlevのAnders Pretzmann Mikkelsen氏らの調査で示された。これまでの研究では、更年期ホルモン補充療法後の死亡率は減少または変化なしと報告されていたが、方法論的な限界が指摘されていた。BMJ誌2026年2月18日号掲載の報告。

一過性受容体電位カチオンチャネルサブファミリーCメンバー6(TRPC6)の阻害は筋ジストロフィーのみならず巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)の治療にも有効(解説:浦信行氏)

CLEAR!ジャーナル四天王

FSGSは糸球体の一部に硬化が見られる疾患でネフローゼ症候群を示す。難治性であり、腎生存率は10年では85.3%、20年では33.5%となり、3人に1人が末期腎不全となって腎臓を失う。日本における患者数は約7,000人と推定されているが、現在FSGSに対する特異的な治療法はない。しかし、最近病態の一部が明らかにされ、TRPC6が注目されている。これの経口阻害薬であるBI 764198の第II相試験の結果が報告され、約40%の症例で尿蛋白が25%以上の減少を示した。その詳細は本年2月5日配信のCareNet.comに紹介されているので参照されたい。FSGSの病態の一部はTRPC6が上昇してポドサイトの細胞内Caが上昇し、ポドサイトが糸球体基底膜から脱落してポドサイトの減少を招き、糸球体の瘢痕化と尿蛋白漏出を招く。

コルヒチン中毒の報告受け、添文の警告や副作用など改訂/厚労省

医療一般

 コルヒチン(商品名:コルヒチン錠0.5mg「タカタ」)の添付文書への警告や重大な副作用の新設、用法及び用量などの改訂について、2026年2月24日、厚生労働省より改訂指示が発出された。  主な改訂内容として、用法及び用量に関連する注意の項では、「痛風発作の緩解への使用において、1日量1.5mgを超える高用量の投与は臨床上やむを得ない場合を除き避けること。1回量、1日量及び投与期間は国内の最新のガイドラインを参考にすること」「痛風発作の予防又は家族性地中海熱への使用において、承認された用量を超えて投与しないこと」の追記がなされた。

デュシェンヌ型筋ジストロフィーの治療薬発売/中外

医療一般

 中外製薬は、2026年2月20日にデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)の治療を目的とした再生医療等製品のデランジストロゲン モキセパルボベク(商品名:エレビジス点滴静注)を発売した。投与対象は、DMDのうち、エクソン8および/またはエクソン9の一部または全体の欠失変異を有さず、抗AAVrh74抗体が陰性である3歳以上8歳未満の歩行可能な患者となっている。また、本製品は2025年5月13日に条件および期限付承認に該当する製造販売承認を取得している。

日本における統合失調症、患者と介護者の負担は?

医療一般

 統合失調症は重篤な精神疾患であり、臨床的、経済的、そして人道的に大きな影響を及ぼす。日本ベーリンガーインゲルハイムのFumiko Ono氏らは、日本における統合失調症患者と介護者への負担を評価するため、文献レビューを行った。Schizophrenia誌オンライン版2026年1月20日号の報告。  2013~23年のPubMed、医中誌、CiNii、J-STAGE、Cochraneデータベースおよび2018~23年の医師会、政府機関、患者団体からの補足資料から該当データを収集した。本レビューでは、統合失調症患者と介護者が経験する疫学、臨床管理、社会的、人道的、そして経済的負担に焦点を当てた。

インフルA型、B型それぞれの感染に影響する個人的・環境的要因

医療一般

 インフルエンザの感染伝搬について、個人的および環境的要因が及ぼす影響について評価したカナダ・マクマスター大学のNushrat Nazia氏らによる研究の結果、高年齢であることはとくにB型インフルエンザ感染において防御的に働く可能性が示された。また環境・地理的要因がインフルエンザ感染に与える影響はウイルスの型ごとに異なっていた。Influenza and Other Respiratory Viruses誌2026年2月号掲載の報告。  本研究は、カナダの厳格なキリスト教徒「フッター派(Hutterite)」のコミュニティを対象に行われた。同コミュニティは外部との接触が少なく、ライフスタイルが共通した単一的で明確な集団構造を持つ。

都市生活者の心臓に良いのは芝生ではなく樹木

医療一般

 都市部に暮らす人々では、自宅の周辺に樹木が多いという環境が、心血管疾患(CVD)リスクの低さと関連していることが明らかになった。しかしその一方、芝生や背の低い草地の広さは、CVDリスクの高さと関連しているという。  この研究は、米カリフォルニア大学デービス校のPeter James氏らによるもので、詳細は「Environmental Epidemiology」2月号に掲載された。論文の筆頭著者であるJames氏は、「われわれの研究結果は、公衆衛生介入において居住環境の樹木の保護と植樹を優先すべきであることを示唆している。そのような取り組みは、芝生を敷くといったことへの投資に比べて、心臓の健康にメリットをもたらす可能性が高い」と述べている。

祝日や年末に外傷は増える? 国内データが示す外傷の季節性

医療一般

 救急外来や外傷医療の現場では、患者数の増減が医療提供体制に大きな影響を与える。これまで外傷の発生には季節性があることが知られてきたが、祝日や年末年始といった社会・文化的イベントとの関係を、長期かつ日単位で検証した研究は限られていた。日本全国38万人超の外傷データを解析した本研究では、ゴールデンウィークや年末など特定の時期に外傷が増加する一方で、お盆や年始には減少することが明らかになった。研究は、総合病院土浦協同病院救命救急センター・救急集中治療科の鈴木啓介氏、遠藤彰氏によるもので、詳細は12月18日付で「Scientific Reports」に掲載された。  外傷は世界的に主要な死因・障害原因であり、医療・社会に大きな負担を与えている。

2026/02/25

スタチンによる好ましくない作用、多くは過大評価~メタ解析/Lancet

ジャーナル四天王

 スタチン製剤の製品ラベル(たとえば、製品特性概要[SmPC])には、治療関連の可能性がある作用として特定の有害なアウトカムが記載されているが、これらは主に非無作為化・非盲検試験に基づくため、バイアスの影響を受けている可能性があるとされる。英国・オックスフォード大学のChristina Reith氏らCholesterol Treatment Trialists’ (CTT) Collaborationは、このようなスタチン製剤の好ましくない作用(undesirable effect)のエビデンスをより高い信頼性をもって評価することを目的に、大規模な二重盲検試験の個別の参加者データを用いたメタ解析を実施した。研究の成果は、Lancet誌2026年2月14日号で発表された。

脳梗塞発症後4.5~24h、tenecteplase vs.抗血小板療法/JAMA

ジャーナル四天王

 非大血管閉塞性の急性期脳梗塞で、救済可能な脳組織を有する患者では、発症後4.5~24時間までの静脈内tenecteplase(遺伝子改変ヒト組織型プラスミノゲンアクチベータ)投与は標準治療と比較して、症候性頭蓋内出血のリスクが増加するものの、90日時点の良好な機能的アウトカムの達成率が有意に高いことが、中国・National Center for Neurological DisordersのGaoting Ma氏らOPTION Investigatorsが行った「OPTION試験」の結果で示された。脳梗塞の治療では、静注血栓溶解療法は発症から4.5時間以内に行うことが標準とされてきた。しかし近年、画像診断技術の向上により、血流は低下しているが死滅していない救済可能な脳組織(ペナンブラ)を詳細に特定できるようになり、治療時間枠の拡張の可能性が示唆されている。研究の成果は、JAMA誌オンライン版2026年2月5日号に掲載された。

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