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2026-05-18 ~ 2026-05-24

2026/05/22

COVID-19患者の同居家族、エンシトレルビルで発症予防/NEJM

ジャーナル四天王

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の症状発現後72時間以内に、患者の同居家族に対してエンシトレルビルを投与することにより、接触者のCOVID-19発症を抑制できることが示された。米国・バージニア大学のFrederick G. Hayden氏らSCORPIO-PEP(Stopping Covid-19 Progression with Early Protease Inhibitor Treatment for Post-Exposure Prophylaxis) Study Teamが、日本を含む5ヵ国共同で行われた無作為化二重盲検プラセボ対照試験「第III相SCORPIO-PEP試験」の結果を報告した。エンシトレルビルは、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)3CLプロテアーゼの経口阻害薬であり、本邦においては軽症~中等症COVID-19の治療薬として承認されている。

肥大型心筋症の長期予後予測、心臓MRIとNT-proBNPが有用/JAMA

ジャーナル四天王

 肥大型心筋症(HCM)患者のリスク評価に、心臓MRIおよびNT-proBNPの組み入れが有用であることが示された。米国・University of Virginia HealthのChristopher M. Kramer氏らHCMR Investigatorsが、米国国立心肺血液研究所(NHLBI)主導の大規模前向き登録研究「NHLBI HCM Registry」の結果を報告した。HCMに関する現在のリスク予測ガイドラインは心臓突然死のみを予測するものであり、そのため回避可能であったはずの死亡や、不必要であったはずの植込み型除細動器装着という事態を招いているとされる。JAMA誌オンライン版2026年5月11日号掲載の報告。

40歳以上の一般住民における未診断の肝線維症発症頻度は推定1.6%;ヨーロッパ9ヵ国の国際前向きコホート研究(解説:相澤良夫氏)

CLEAR!ジャーナル四天王

 この大規模な前向きコホート研究では、40歳以上の一般住民を対象に未診断の肝線維症の頻度および肝線維症と代謝因子(肥満、2型糖尿病、脂質異常、高血圧)やアルコール摂取との関連性について検討した。肝線維症は主にフィブロスキャン(VCTE)での肝硬度(LSM)上昇(8kPa以上)によりスクリーニングされ、肝臓専門医によって確定診断がなされた。その結果、肝線維症の推定有病率は1.6%(3万199人中477人)で、肝硬度の上昇は肥満、2型糖尿病、過度の飲酒と強く関連し、その93%は脂肪性肝疾患であった。

MCIからアルツハイマー病への進行率は? スクリーニングツールの精度は?

医療一般

 軽度認知障害(MCI)は、正常な脳老化と病的な脳老化の中間段階であり、30~50%が3~5年以内に認知症へと進行するといわれている。進行リスクの高い患者を早期に特定することは、公衆衛生戦略においてきわめて重要である。イタリア・Italian National Institute of HealthのFlavia L. Lombardo氏らは、MCIからアルツハイマー病への進行リスクを評価した。Alzheimer's & Dementia誌2026年4月号の報告。  MCI患者398例を対象に、INTERCEPTORプロジェクトを実施した。社会人口統計学的、臨床的、神経心理学的、遺伝学的(アポリポタンパク質E)、脳脊髄液(アミロイドβ、タウ)、脳波(脳接続性)、MRI(海馬体積測定)、FDG-PETについて、統一された手順を用いて、ベースライン評価を行った。

糖尿病患者の下痢・便秘に有効なビフィズス菌の種類は?

医療一般

 2型糖尿病患者の下痢・便秘といった消化器症状にプロバイオティクスであるビフィドバクテリウム・ビフィダムG9-1(BBG9-1)が有効であることをマキノ病院の小林 玄樹氏らが明らかにした。Diabetes, Obesity and Metabolism誌オンライン版2026年4月22日号掲載の報告。  研究者らは、下痢または便秘を伴う2型糖尿病患者100例を対象に12週間の非盲検ランダム化比較試験を実施。対照群またはBBG9-1群に1対1に無作為に割り付け、BBG9-1群にはビフィズス菌を1日12mg投与した。主要評価項目は全解析対象者(BBG9-1群43例、対照群51例)の消化器症状評価尺度(Gastrointestinal Symptom Rating Scale:GSRS)の変化。

眼底写真を基にした「網膜年齢」が健康状態を知る手がかりに?

医療一般

 目は心の窓であるだけでなく、その人の健康状態を映し出す窓でもある――そんな研究結果が発表された。この研究によると、網膜の早期老化は、糖尿病や心疾患といった重大な病気の兆候となる可能性があるという。東北大学大学院医学系研究科眼科学分野教授の中澤徹氏らによるこの研究結果は、「Communications Medicine」に4月8日掲載された。  網膜は、眼球の奥にある光を感知する細胞層である。研究グループによると、網膜は血管や神経の状態を非侵襲的に観察できる部位であることから、眼の画像データを解析して全身の健康状態や疾患リスクを読み解く「オキュロミクス」と呼ばれる新たな研究領域が注目を集めている。

複数ドナー由来の細胞製剤追加で臍帯血移植に有望な結果

医療一般

 白血病などの血液悪性腫瘍の患者に対する臍帯血移植で、通常の単一臍帯血移植に加えて、複数ドナー由来の臍帯血を用いて製造された細胞製剤を追加投与する方法が有効である可能性が、臨床試験で示された。小規模な患者集団において、通常の臍帯血製剤の投与後にこのような幹細胞製剤を投与したところ、ほとんどの患者で重度の移植片対宿主病(GVHD)は認められず、28人中27人が少なくとも1年間生存したことが確認されたという。米フレッド・ハッチンソンがんセンターの臍帯血プログラム部門長のFilippo Milano氏らによるこの研究の詳細は、「Journal of Clinical Oncology」に4月27日掲載された。Milano氏は、「移植患者が実質的に9人の異なるドナー由来の細胞の移植を受けたのは、これが初めてだ」とニュースリリースで述べている。

男性の生殖能力低下、一部のがんリスク上昇と関連

医療一般

 男性不妊症が一部のがんのリスクと関連しているとする研究結果が報告された。ルンド大学(スウェーデン)のMichael Kitlinski氏らが、1973年以降に同国内で生まれた全ての人の医療記録(Medical Birth Register;MBR)を用いて明らかにしたもので、研究結果は「European Journal of Epidemiology」に2月21日掲載され、4月16日に同大学からリリースが発行された。リリースにおいてKitlinski氏は、「生殖能力が低下している男性は、自然妊娠で父親になった男性と比べて、大腸がんのリスクは約2倍であり、甲状腺がんのリスクは約3倍であることが分かった」と述べている。

過剰な塩分摂取は男性の記憶力を低下させる?

医療一般

 ソルトシェーカー(塩入れ)に手を伸ばすことは、記憶力や脳の健康に長期的な影響を与えるかもしれない。新たな研究で、ナトリウムの摂取量が多いことは、過去の個人的な経験や特定の出来事についての記憶である「エピソード記憶」に悪影響を及ぼす可能性があることが明らかになった。こうした影響を受けやすいのは主に男性であり、女性では同様の関連は認められなかったという。エディス・コーワン大学(オーストラリア)のSamantha Gardener氏らによるこの研究の詳細は、「Neurobiology of Aging」6月号に掲載された。

2026/05/21

IgA腎症へのtelitacicept、第III相試験の中間解析結果/NEJM

ジャーナル四天王

 疾患進行のリスクが高いIgA腎症患者において、新規開発中のtelitaciceptの投与により、プラセボと比較し、39週時点の24時間尿蛋白/クレアチニン比(UPCR)が有意に低下した。中国・北京大学第一医院のJicheng Lv氏らTELIGAN Investigatorsが、同国72施設で行われた第III相の二重盲検プラセボ対照無作為化試験の、事前規定の中間解析の結果を報告した。telitaciceptは、IgA腎症の病態に関与するB細胞活性化因子(BAFF)および増殖誘導リガンド(APRIL)の両方を標的とする組み換え融合タンパク質製剤で、IgA腎症への有効性が期待されている。NEJM誌2026年5月14・21日号掲載の報告。

中等症脳梗塞、血栓溶解療法への早期DAPT追加は有効か/Lancet

ジャーナル四天王

 発症後4.5時間以内に静注血栓溶解療法を受けた中等症の虚血性脳卒中患者において、発症後6時間以内の経口抗血小板薬2剤併用療法(DAPT)の開始により、90日時点の機能的アウトカムの改善が得られる可能性が示された。中国・首都医科大学のAnxin Wang氏らTAPIS Investigatorsが、同国で実施した二重盲検プラセボ対照試験「TAPIS試験」の結果を報告した。急性期虚血性脳卒中の患者に対して、静注血栓溶解療法に抗血小板療法を早期に追加することを支持するエビデンスは得られていなかった。Lancet誌2026年5月16日号掲載の報告。

T2D合併肥満患者、セマグルチドvs.減量手術

医療一般

 糖尿病(T2D)と肥満を合併する患者が多いことはよく知られている。こうした患者では、肥満治療薬と減量手術のどちらを利用し、その医療費、臨床転帰はどのようになるだろう。このテーマについて、米国のニューヨーク大学グロスマン医学部公衆衛生学科のKaran R. Chhabra氏らの研究グループは、T2Dと肥満を合併する患者におけるセマグルチドと減量手術の費用と臨床転帰の比較を検討した。その結果、減量手術は3年間の自己負担額が少なく、総医療費は同程度であり、長期的な主要心血管イベント(MACE)発生率も低いことが示された。Obesity誌オンライン版2026年5月6日に掲載。

抗精神病薬+SSRIの併用による突然死や心室性不整脈リスクはどの程度か

医療一般

 抗精神病薬と選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)は、それぞれ心室性不整脈または突然死のリスク増加と関連しているといわれている。両薬剤の併用は、リスクをさらに高める可能性があるものの、その臨床的エビデンスは限られている。国立台湾大学のHsiu-Ting Chien氏らは、抗精神病薬とSSRIが併用されている患者における心室性不整脈または突然死のリスクを評価するため、本研究を実施した。JAMA Network Open誌2026年4月1日号の報告。

日本人成人の1日の食事の料理数と心血管疾患リスクの関連

医療一般

 日本食の「一汁三菜」に代表される、料理の品数が多い食習慣は、心血管疾患による死亡率の低下など、日本人の健康長寿に寄与する因子として注目されている。今回、北海道大学の高林 早枝香氏らが2018〜19年の国民健康・栄養調査のデータを用いた横断研究を行った結果、1日の全食事の料理の数(NDAM)が多い食習慣は、脂質異常症や肥満、高血圧などの心血管リスク因子の低下と関連している可能性が示された。Nutrition Journal誌2026年5月号に掲載。  本研究は、2018〜19年の国民健康・栄養調査に参加した20歳以上の男女2,900人を対象とした横断研究である。NDAMは、飲料を除くすべての料理および食品を含む1日の食事記録(秤量記録法)に基づいて算出された。

プレハビリテーションにより術後合併症が減少

医療一般

 手術前に、運動や栄養管理をベースにしたプレハビリテーションを実施することで、術後合併症のリスクが大幅に低下することが、新たな研究で明らかになった。そのようなプレハビリテーションを実施した患者では、術後の入院期間も半日程度短縮したという。米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)デヴィッド・ゲフィン医科大学のJustine Lee氏らによるこの研究結果は、「Journal of the American College of Surgeons」に4月29日掲載された。Lee氏は、「今回の結果は、特に合併症リスクの高い患者や、手術前に追加のサポートが有益と考えられる患者に対するプレハビリテーションプログラムの有用性を裏付けるものだ」と述べている。

ガバペンチノイドと併用薬で薬物中毒リスクが上昇か

医療一般

 ガバペンチノイド系鎮痛薬(以下、ガバペンチノイド)を他の薬剤と併用すると、薬物中毒のリスクが上昇する可能性が、新たな研究で示された。ガバペンチノイドとオピオイド系鎮痛薬(以下、オピオイド)やベンゾジアゼピン系薬剤(以下、ベンゾジアゼピン)の併用はこのリスクを高め、特に治療初期には顕著なリスク上昇が認められたという。英ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)の薬剤疫学者であるKenneth Man氏らによるこの研究は、「PLOS Medicine」に4月16日掲載された。  Man氏らは、「今回の結果は、ガバペンチノイドが安全ではない、あるいは処方すべきではないことを示すものではない。ただ、特に他の薬剤を使用中の患者に処方する際には注意が必要であり、臨床医は患者を慎重にモニタリングする必要がある」とニュースリリースで述べている。

潰瘍性直腸炎は直腸がんリスク上昇と関連せず

医療一般

 潰瘍性直腸炎患者における直腸がんリスクは一般集団と同程度であるという研究結果が、「Gastroenterology」に2月3日掲載された。  カロリンスカ研究所(スウェーデン)のÅsa H. Everhov氏らは、潰瘍性直腸炎患者における直腸がんリスクを検討した。解析対象は、1997~2023年に直腸炎型の潰瘍性大腸炎と診断された患者1万5,957人(患者群)と、年齢や性別などでマッチさせた15万8,079人(対照群)であった。  その結果、直腸がんおよび高度異形成の累積発生率は、病変の口側進展時点で打ち切りとした解析を含め、患者群と対照群で同程度であった。

2026/05/20

子宮頸がん排除は可能か:予防戦略の世界的強化が必要/Lancet

ジャーナル四天王

 子宮頸がんは最も予防の可能性が高いがんの1つだが、世界中で毎年60万例以上の女性が子宮頸がんがんと診断される。また、低・低中所得国(LMIC)における子宮頸がんの年齢調整罹患率は高所得国(HIC)の3倍、同死亡率は6倍に達し、大きな不均衡が存在する。2020年11月、世界保健機関(WHO)は、この不均衡を是正し、最終的に子宮頸がんの排除を目指す世界的な戦略を立ち上げた。カナダ・Universite LavalのMarc Brisson氏らは、排除戦略立ち上げから5年が経過した時点での世界的な現況を、数理モデルを用いて分析した。研究の成果がLancet誌2026年5月2日号に掲載された。

高齢者のレボチロキシンは中止できるか?(解説:田村嘉章氏)

CLEAR!ジャーナル四天王

 高齢者では甲状腺機能低下症の有病率が高く、甲状腺ホルモン製剤が投与されている者が多い。近年、高齢者におけるポリファーマシーの弊害が叫ばれるようになり、不要な薬剤の減量や中止が推奨されているが、甲状腺ホルモン薬中止についてのエビデンスは不足しており、判断がつかぬまま薬剤が長期継続されているケースも多い。  オランダで行われた本研究は、60歳以上(中央値70歳)の高齢者でレボチロキシン(LT4)を≦150μg/日で投与中の370例のうち、TSH<10mIU/Lの者に対し、LT4の減量、中止が可能かを1年間にわたり検討したものである。

ベンラリズマブ、好酸球増多症候群に対し承認取得/AZ

医療一般

 アストラゼネカは2026年5月18日、ベンラリズマブ(遺伝子組換え)(商品名:ファセンラ皮下注30mgシリンジ/30mgペン)が、「好酸球増多症候群(HES)」に対し、日本で承認を取得したことを発表した。ベンラリズマブは現在、日本、米国、EU、中国を含む80ヵ国以上で重症好酸球性喘息の追加維持治療として承認されており、日本および米国では、6歳以上の小児および青年に対しても承認されている。また、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)の成人患者に対する治療薬としても、日本を含む70ヵ国以上で承認されている。

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