ニュース 週別アーカイブのコーナー。毎日発信されるニュースを週別に表示。見逃した記事もまとめてこちらでチェック。

2026-07-20 ~ 2026-07-22

2026/07/22

IB~IIIB期ALK陽性NSCLC、完全切除後ensartinibが有効/NEJM

ジャーナル四天王

 完全切除されたIB~IIIB期のALK陽性非小細胞肺がん(NSCLC)の術後補助療法において、経口投与が可能で強力なALK阻害薬であるensartinibはプラセボと比較して、24ヵ月の時点で生存かつ無病状態(非再発)を維持していた患者の割合が有意に高く、新たな安全性シグナルを認めないことが、中国・Tianjin Medical University Institute and HospitalのDongsheng Yue氏らELEVATE Study Groupが実施した「ELEVATE試験」で示された。研究の成果は、NEJM誌2026年7月9日号に掲載された。

肥満症治療薬を比較、1年後の体重減少効果などは?~ネットワークメタ解析/BMJ

ジャーナル四天王

 肥満治療では、近年、減量効果の高い薬物の導入が進み、治療の様相が急速に変化するとともに医療費も急増している。また、肥満は複雑な慢性疾患との認識が高まり、治療成功の尺度を減量のみに依存することは、有益性と有害性を過度に単純化するだけでなく、スティグマを助長する恐れが指摘されている。中国・四川大学のKailei Nong氏らは、各種の肥満治療薬は1年後の体重減少効果がさまざまで、全般的に効果が大きいほど有害事象や投与中止のリスクも高く、ほとんどの薬剤は生活の質(QOL)に意義のある改善をもたらさず、心血管系への有益性を認めるものはほとんどないことを示した。研究の成果は、BMJ誌2026年7月8日号で報告された。

アルツハイマー病検出に有望な血液バイオマーカー、認知機能が正常なアジア人での精度は?

医療一般

 血液バイオマーカーは、アルツハイマー病を検出する有望なツールと考えられる。しかし、認知機能が正常なアジア人集団において、血液バイオマーカーの性能は依然として不明であった。認知機能が正常なアジア人を対象に、血液バイオマーカーの識別性能を評価するため、システマティックレビューおよびメタ解析が実施された。Ageing Research Reviews誌2026年7月号の報告。認知機能が正常なアジア人集団を対象に、血漿中のp-tau217、Aβ42/40および複合バイオマーカーがアミロイドβ(Aβ)PET陽性を識別する能力を評価するため、システマティックレビューおよび変量効果モデルを用いたメタ解析を実施した。CENTRAL、PubMed、CINAHLより、システマティックに文献検索を行った。主要解析では、AβPET陽性の識別能力を評価するため、p-tau217およびAβ42/40それぞれの曲線下面積(AUC)を統合した。副次的解析では、AβPET陽性群と陰性群におけるp-tau217およびAβ42/40のバイオマーカー濃度の標準化平均差(SMD)を検討した。さらに、p-tau217/Aβ42やp-tau217とAβ42/40の組み合わせモデルを含む複合バイオマーカーのAUCを統合した。

移植不適応の再発・難治性DLBCL、R-GemOxにポラツズマブ ベドチン追加でOS改善(POLARGO)/JCO

医療一般

 移植不適応の再発・難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)に対する、ポラツズマブ ベドチン+リツキシマブ+ゲムシタビン+オキサリプラチン(Pola-R-GemOx)療法の有効性と安全性を評価した第III相POLARGO試験の結果、Pola-R-GemOxがR-GemOxと比較して全生存期間(OS)を有意に改善したことを米国・Rutgers Cancer InstituteのMatthew Matasar氏らが報告した。Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2026年7月6日号に掲載。  本試験は16ヵ国64施設で実施された無作為化非盲検の国際共同第III相試験である。Pola-R-GemOxの安全性導入期間(15例)の後、自家造血幹細胞移植の適応とならない再発・難治性DLBCL患者を、Pola-R-GemOx群もしくはR-GemOx群に無作為に1:1に割り付け、21日ごとに最大8サイクル投与した。主要評価項目はOSであった。

少量の飲酒は死亡率を下げるのか~19万人を21年追跡

医療一般

 少量のアルコール摂取が健康に良い影響を与えるのかどうか、報告は一貫していない。今回、ノルウェー公衆衛生研究所のAage Tverdal氏らは、約19万人という大規模なコホートを対象にアルコールの種類(ビール、ワイン、蒸留酒)と死亡率(全死亡、心血管疾患・虚血性心疾患・がん・アルコール関連疾患による死亡)との関連を約21年間調査し、とくに「少量のワイン摂取」が死亡率に与える影響について詳細な分析を行った。その結果、アルコール摂取量と全死亡リスクにはJ字型の関連がみられ、とくにワイン摂取量との関連が顕著であった。また、少量のワイン摂取は、ビールや蒸留酒の摂取にかかわらず非飲酒者より死亡率が低いことが示された。Scandinavian Journal of Public Health誌オンライン版2026年7月3日号に掲載。

プレハビリテーションが高齢患者の脊椎固定術後の合併症を抑制

医療一般

 プレハビリテーションは、術後の回復を促進する目的で術前に体力や健康状態を向上させる介入で、近年、外科医を中心とする医師の注目を集めている。こうした中、新たな研究で、脊椎固定術の前に4週間のプレハビリテーションプログラムを受けた75歳以上の患者では、術後90日以内の合併症リスクが18%低かったことが示された。首都医科大学(中国)附属宣武医院整形外科部長のShibao Lu氏らによるこの研究結果は、「Annals of Internal Medicine」に6月16日掲載された。Lu氏は、「本研究は、構造化された多面的プレハビリテーションが、高齢者における脊椎固定術後の合併症を減少させる上で有効な方法となり得ることを示した」と述べている。

帯状疱疹ワクチンは動脈硬化性疾患患者の主要心血管イベントリスク低下と関連

医療一般

 動脈硬化性疾患(ASCVD)と診断された50歳以上の成人において、帯状疱疹(HZ)ワクチンの接種は、主要心血管イベント(MACE)およびその他の心血管アウトカムのリスク低下と関連するという研究結果が、米国心臓病学会年次総会(ACC.26、3月28~30日、米ニューオーリンズ)で発表された。  米カリフォルニア大学リバーサイド校のRobert Nguyen氏とAditya Desai氏は、米国のTriNetXデータベースを用い、2018年1月1日~2024年1月1日にASCVDと診断された50歳以上の成人を対象とした後ろ向きコホート研究を実施し、この集団において帯状疱疹ワクチン接種が心血管リスクを低減するかどうかを検討した。

Burnt-out MASLD、肝癌切除後予後を左右する新たな高リスク表現型か

医療一般

 代謝機能障害関連脂肪性肝疾患(MASLD)では、病態の進行に伴って肝脂肪が消失する「Burnt-out MASLD」と呼ばれる状態に至ることがある。今回、肝細胞癌(HCC)患者931例を対象とした研究で、Burnt-out MASLDを有する患者では肝切除後の再発および生存予後の悪化と独立して関連することが示された。術後のリスク層別化に役立つ新たな高リスク表現型として注目される。研究は、埼玉医科大学国際医療センター消化器外科(肝胆膵外科)の渡邉幸博氏らによるもので、詳細は5月29日付の「Liver International」に掲載された。

2026/07/21

高分化型の進行GEP-NET、PRRT vs. エベロリムス/Lancet

ジャーナル四天王

 高分化型の進行膵消化管神経内分泌腫瘍(GEP-NET)の患者において、新規ペプチド受容体放射線核種療法(PRRT)である[177Lu] Lu-edotreotideは、分子標的療法のエベロリムスと比較して、無増悪生存期間(PFS)に関して統計学的に有意かつ臨床的に意味のある改善をもたらした。フランス・Hopital Edouard HerriotのThomas Walter氏らCOMPETE Investigator Teamが、第III相多施設共同無作為化非盲検優越性試験「COMPETE試験」の結果を報告した。PRRTおよび分子標的療法はいずれも、転移のあるGEP-NET患者における承認された治療選択肢であるが、臨床的に推奨される選択順位のエビデンスは不足していた。Lancet誌オンライン版2026年7月2日号掲載の報告。

B群髄膜炎菌ワクチン、淋菌感染症を予防せず/NEJM

ジャーナル四天王

 淋菌感染症リスクが高い男性間性交渉者(MSM)において、B群髄膜炎菌ワクチン(4CMenB)はプラセボと比較して、淋菌感染症の発生率の低下をもたらさなかった。オーストラリア・Griffith UniversityのKate L. Seib氏らGoGoVax Study Teamが、多施設共同二重盲検無作為化プラセボ対照試験の結果を報告した。現状、淋菌感染症の予防として承認されているワクチンはない。淋菌と髄膜炎菌は近縁な細菌であり、観察研究において、4CMenBが淋菌感染症のリスクを低下させる可能性が示唆されていた。NEJM誌オンライン版2026年7月8日号掲載の報告。

ベンゾジアゼピンの長期使用は統合失調症の認知機能低下と関連しているか

医療一般

 統合失調症患者に対するベンゾジアゼピン(BZD)の長期使用と認知機能との関連については、十分に解明されていない。中国・上海交通大学のCaiping Liu氏らは、統合失調症におけるBZDの長期使用と認知機能との関係を調査するため、コホート研究を実施した。BMC Psychiatry誌オンライン版2026年6月10日号の報告。本研究では、中国の統合失調症患者を対象とした非定型抗精神病薬による治療に関する観察研究(SALT-C)のデータを用いて評価を行った。BZDを60日以上使用していた長期使用患者57例を対象とし、年齢、性別、罹病期間、使用された非定型抗精神病薬について傾向スコアを用いてマッチさせたBZD非使用患者57例との比較を行った。認知機能はモントリオール認知評価(MoCA)、精神病症状は陽性・陰性症状評価尺度(PANSS)、疾患重症度は臨床全般印象度-重症度(CGI-S)尺度、心理社会的機能は個人的・社会的機能遂行度尺度(PSP)を用いて評価した。群間比較には、独立サンプルのt検定またはマン・ホイットニーのU検定を用いた。BZD使用者におけるBZD用量とMoCA合計スコアとの関連を評価するために、スピアマンの順位相関係数による分析を行った。また、MoCA合計スコアに関連する因子の検討には、重回帰モデルを用いた。

BCMA標的治療後の再発・難治性多発性骨髄腫、CAR-T vs.遺伝子改変抗体

医療一般

 B細胞成熟抗原(BCMA)標的治療後の再発・難治性多発性骨髄腫に対するサルベージ治療として、CAR-T細胞療法と遺伝子改変抗体療法の有効性および安全性を比較したメタ解析の結果を、中国・Huazhong University of Science and TechnologyのYun Kang氏らが報告した。解析の結果、CAR-T細胞療法は抗体ベースのアプローチと比較して有意に高い全奏効率(ORR)を示し、とくにGPRC5D標的CAR-Tが有望であることが示唆された。Blood Cancer Journal誌オンライン版2026年7月14日号に掲載。

体力のある人は加齢に伴う腎機能低下が緩やか/筑波大学

医療一般

 腎機能が保たれている一般集団において、全身持久力や心肺機能を反映する有酸素性運動能力と、加齢に伴う推算糸球体濾過量の経時的変化(eGFR slope)との関連を調査した結果、有酸素性運動能力が高い人ほど加齢に伴うeGFRの低下速度が緩やかであり、有酸素性運動能力が腎臓に対して保護的な役割を果たす可能性があることを、筑波大学の吉越 駿氏らが示した。Medicine & Science in Sports & Exercise誌オンライン版2026年7月3日号掲載の報告。  慢性腎臓病(CKD)患者では、腎機能低下に伴い有酸素性運動能力も低下することが知られている。

患者説明に使う資料や情報源は?~がん専門医500人に聞く

医療一般

 情報過多の現代、医療情報も多種多様なレベルのものが世の中にあふれている。数十年前と比べ医師と患者の立場がフラットになりつつある昨今、患者自身の学習意欲もあいまって、診療時間中のコミュニケーションに費やす時間は増加傾向にある。診療の効率化が求められる中でも、医師にとっては患者に対し、患者自身の疾患に関する正しい知識を端的に提供したいというニーズは根強いのではないだろうか。  患者の視点に立った情報発信については、若尾 文彦氏(国立がん研究センター がん対策情報センター副センター長)率いる研究班や「がん情報の均てん化を目指す会」をはじめとする多くの団体が検証を重ねている。

早朝の収縮期血圧、新築マンションへの引越しで◯mmHg低下

医療一般

 高断熱・高気密および省エネ・創エネ性能を備えた新築マンション「ZEH-M(Net Zero Energy House Mansion)」への転居前後での冬季の家庭血圧について、同一被験者で前後比較を行った結果、高血圧治療中の患者や血圧高値者において、早朝収縮期血圧が最大で約7mmHg有意に低下した。本結果は大阪大学の中神 啓徳氏らの研究グループの研究によって明らかになり、Hypertension Research誌2026年7月13日号に掲載、第26回日本抗加齢医学会総会で報告された(2026年6月26〜28日開催)。

中年期の筋トレ習慣が糖尿病リスク低下につながる

医療一般

 中年期を通して筋力トレーニングを続けている人は、2型糖尿病(T2DM)のリスクが42%低いことが明らかになった。さらに、筋トレとともに有酸素運動を行い、テレビ視聴時間が短い人では、より大きなリスク低下が認められた。浙江大学(中国)のTianyue Zhang氏らの研究によるもので、詳細は「JAMA Network Open」に6月22日掲載された。  有酸素運動によるT2DMのリスク抑制に関しては豊富なエビデンスがあるのに対して、筋トレのエビデンスは多くなく、特に長期間の前向き研究に基づく知見は少ない。Zhang氏らはこの点について、米国の看護師健康調査(NHSおよびNHS II)と医療従事者対象調査(HPFS)のデータを用いた検討を行った。

2026/07/20

ナッツで認知症は予防可能か?

医療一般

 ナッツは、さまざまな健康上のベネフィットと関連付けられている。しかし、認知症との関連をめぐるエビデンスは、いまだ結論が出ていない。中国・浙江大学のMengjia Zhao氏らは、3つのプロスペクティブコホート研究を対象に、ナッツ摂取と認知症の長期リスクとの関連を検討することを目的に、本研究を実施した。Nutrients誌2026年5月28日号の報告。「Health and Retirement Study(HRS:2013~20年)」、「Framingham Offspring Study(FOS:1998~2018年)」、「Whitehall II Study(WHII:2002~16年)」のデータを用い、ベースライン時点で認知症でなかった45歳以上の成人を対象に解析を実施した。木の実およびピーナッツを含むナッツの摂取量の評価には、妥当性が確認された食物摂取頻度調査票(FFQ)を用いた。HRSではベースライン時に1回、FOSおよびWHIIでは複数回の調査を通じ、繰り返し評価が行われた。すべての原因による認知症の発症は、HRSでは妥当性が確認されたアルゴリズム、FOSでは専門家パネルによる判定、WHIIでは医療記録との照合によって特定された。ナッツ摂取と認知症発症との関連について、コホートごとにCox比例ハザードモデルを用いて推定を行ったうえで、それらの結果をプールした。

日中の過度の眠気と入眠潜時延長、高血圧リスクの警告サインか

医療一般

 日中に過度の眠気(excessive daytime sleepiness;EDS)を感じることは、高血圧の警告サインである可能性があり、特に入眠に時間を要する場合はその可能性が高まる——そんな研究結果が、米ペンシルベニア州立大学医学部の研究グループにより報告された。EDSを有する成人は、高血圧を有しているか、将来的に高血圧を発症するリスクが高いことが示されたという。この研究は、米国睡眠医学会(AASM)および睡眠研究学会(Sleep Research Society)が共同で設立した米国睡眠関連学会連合(APSS)の年次総会(SLEEP 2026、7月14〜17日、米ボルチモア)で発表予定であり、要旨が「Sleep」5月増刊号1に掲載された。

テストステロン処方前、ガイドラインに沿った診断は12%

医療一般

 テストステロン製剤を処方された男性の多くが、事前に必要な検査を受けていない可能性があることが、新たな研究で示された。テストステロン製剤の処方前に、ガイドラインに沿った診断検査を受けていたのは12%にとどまっていたという。米ミシガン大学アナーバー校内科学分野のMaria Papaleontiou氏らによるこの研究結果は、米国内分泌学会年次学術集会(ENDO 2026、6月13~16日、米シカゴ)で発表された。  Papaleontiou氏はニュースリリースで、「本研究結果は、患者ケアを改善し、不適切なテストステロン製剤の処方を削減できる機会があることを示している。

高齢患者の術後せん妄スクリーニング、病院間で実施率に大きな差

医療一般

 高齢患者では、手術後に混乱や見当識障害などを特徴とするせん妄が生じることが少なくないが、術後せん妄のスクリーニング実施率には病院ごとに差があることが、新たな研究で明らかにされた。米国外科学会(ACS)が開発したGeriatric Surgery Verification(GSV)プログラムの認証を取得した病院(GSV認証病院)では、ほぼ全ての術後患者にせん妄スクリーニングが実施されていたのに対し、非認証病院での実施率は50%程度にとどまったという。GSVプログラムは、せん妄、転倒、肺炎などの一般的な術後合併症の予防に重点を置いた医療品質向上プログラムである。

週間アーカイブ