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2026-02-16 ~ 2026-02-18

2026/02/18

高齢者の減薬、EHRによる医師への通知が有効/JAMA

ジャーナル四天王

 高齢者に対する「潜在的に不適切な薬剤」、とくにベンゾジアゼピン系薬剤や抗コリン薬の処方は、転倒や入院のリスクを約30%増加させることが知られている。臨床ガイドラインは、これらの薬剤の使用制限を推奨しているが、多忙な診療現場における時間の制約や、患者の希望、現状維持バイアスなどが障壁となり、減薬(deprescribing)による処方の適正化は容易ではないという。米国・ブリガム&ウィメンズ病院・ハーバード大学のJulie C. Lauffenburger氏らは「NUDGE-EHR-2試験」において、行動科学の知見に基づく電子健康記録(EHR)への介入ツール(ナッジ[nudge]と呼ばれる医師への通知システム)が、高齢患者における不適切な処方の削減にきわめて有効であることを示した。

PD-L1陽性転移TNBC1次治療におけるADC+ICI(解説:下村昭彦氏)

CLEAR!ジャーナル四天王

PD-L1陽性転移トリプルネガティブ乳がん(TNBC)の初回治療は、IMPassion130試験(Schmid P, et al. N Engl J Med. 2018;379:2108-2121.)、KEYNOTE-355試験(Cortes J, et al. N Engl J Med. 2022;387:217-226.)の結果に基づき、化学療法+免疫チェックポイント阻害薬(ICI:抗PD-L1抗体アテゾリズマブ、もしくは抗PD-1抗体ペムブロリズマブ)が標準治療として用いられている。IMPassion130試験では全生存期間(OS)延長の可能性が示され、KEYNOTE-355試験では統計学的有意にOSが延長された。一方、2次治療以降では抗体薬物複合体(ADC)の開発が活発に行われており、TNBC全体に対するサシツズマブ ゴビテカン(SG)(Bardia A, et al. N Engl J Med. 2021;384:1529-1541.)やHER2低発現TNBCに対するトラスツズマブ デルクステカン(T-DXd)(Modi S, et al. N Engl J Med. 2022;387:9-20.)が用いられており、いずれもOS延長が示されている(T-DXdは探索的)。

更年期症状のほてりや動悸、心血管リスクのアラートに/日本循環器協会

医療一般

日本循環器協会が主催するGo Red for Women Japan健康セミナー「赤をまとい女性の心臓病を考えるin東京」が2月7日に一橋大学の一橋講堂で開催された。今回で3回目を迎える本イベントは、循環器疾患の診断・治療における性差などを患者自身が学ぶための機会として、米国心臓協会(AHA)のサポートのもとで行われている。今回、副島 京子氏(杏林大学 循環器内科)と塚田(哲翁)弥生氏(日本医科大学武蔵小杉病院 総合診療科)が心疾患好発年齢の女性らに向け、受診が必要な症状などについて解説した。

VR介入はMCI/認知的フレイルの高齢者に有効な介入なのか?

医療一般

 軽度認知障害(MCI)や認知症、またはフレイルを有する高齢者の認知機能、移動能力、情緒面の健康をサポートするための介入として、没入型バーチャルリアリティ(VR)の利用が増加している。そのエビデンスは拡大しているが、いずれも小規模なランダム化試験や実現可能性試験であり、依然として情報は断片化している。下関市立大学の窪田 和巳氏らは、MCI/認知症およびフレイルの高齢者に対するVR介入のベネフィット、リスク、VR導入における考慮事項を明らかにするため、最近のシステマティックレビューを実施し、研究結果の統合を試みた。BMC Geriatrics誌2026年1月13日号の報告。

日本人のMg摂取と認知症リスク

医療一般

 食事性マグネシウム(Mg)は認知症予防における変更可能な因子だが、そのエビデンスは不十分である。今回、新潟大学のIrina Bulycheva氏らが、日本人の中高年者コホートでMg摂取量と認知症リスクの関連を調べた結果、男性でのみMg摂取量が少ないと認知症リスクが高いことが示唆された。Journal of Nutritional Science誌2026年1月22日号に掲載。

喘息の気道炎症に新知見、擬似ロイコトリエンが関与か

医療一般

 喘息における気道の炎症は、主に気道が刺激された際に白血球が放出するシステイニイルロイコトリエン(CysLT)により引き起こされると考えられてきた。そのため、多くの喘息治療薬は、その作用を阻害するよう設計されている。しかし新たな研究で、炎症を引き起こしているのは、CysLTと構造は似ているものの、全く異なる経路で産生される擬似ロイコトリエンである可能性が示された。研究グループは、この発見が今後の治療法を変える可能性があるとの見方を示している。米国国立衛生研究所(NIH)の支援を受け、米ケース・ウェスタン・リザーブ大学のRobert Salomon氏らが実施したこの研究の詳細は、「The Journal of Allergy and Clinical Immunology」1月号に掲載された。  Salomon氏は、「われわれは以前、構造は似ているものの、体内で全く異なる化学経路を通じて作られる分子を発見していた。

ホールフード食、食べる量は増えても摂取カロリーは減少

医療一般

 未加工の食品を丸ごと食べる「ホールフード食」は、たくさん食べても体重を減らせる可能性の高いことが、新たな研究で示された。2週間にわたりホールフードのみで構成された食事(以下、ホールフード食)を取った人は、超加工食品を中心とする食事(以下、超加工食品食)のみを食べていた人と比べて食事の摂取量が57%も多かったが、食事からの摂取カロリーは1日当たり平均330kcal少なかったという。英ブリストル大学実験心理学教授のJeff Brunstrom氏らによるこの研究の詳細は、「The American Journal of Clinical Nutrition」に12月29日掲載された。

迷走神経刺激療法が治療抵抗性うつ病の症状を長期にわたり改善

医療一般

 治療抵抗性うつ病は、埋め込み型デバイスによって脳と内臓を結ぶ迷走神経に電気刺激を送る迷走神経刺激療法(VNS)により改善する可能性のあることが、新たな研究で明らかになった。このデバイスによる治療で症状の改善が認められた患者の約80%が2年後もその状態を維持し、さらに20%以上は、2年後には抑うつ症状がほぼ消失していたという。米ワシントン大学セントルイス校治療抵抗性気分障害センター所長のCharles Conway氏らによるこの研究結果は、「International Journal of Neuropsychopharmacology」に1月13日掲載された。研究グループによると、VNSは以前からうつ病治療に有望とされており、米食品医薬品局(FDA)は、てんかんおよびうつ病の治療としてVNSを承認済みである。

2026/02/17

発症2時間以内の脳出血、活性型第VII因子の有用性は?/Lancet

ジャーナル四天王

 発症から2時間以内の脳内出血(ICH)患者の治療において、遺伝子組換え活性型第VII因子(rFVIIa)製剤の投与はプラセボと比較して、機能的アウトカムを改善せず、血腫の拡大を有意に抑制したものの、生命を脅かす血栓塞栓性合併症のリスクがわずかに上昇することが、米国・ University of CincinnatiのJoseph P. Broderick氏らFASTEST Investigatorsによる「FASTEST試験」の結果で示された。ICHでは、出血量に比例して重大な障害と死亡のリスクが増加し、出血の拡大は症状発現から2~3時間以内に生じるとされる。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2026年2月4日号に掲載された。

HR+HER2+乳がん1次治療導入療法後のパルボシクリブ維持療法(解説:下村昭彦氏)

CLEAR!ジャーナル四天王

ホルモン受容体陽性(HR+)HER2陽性(HER2+)転移乳がんに対してはCLEOPATRA試験の結果をもとにトラスツズマブ+ペルツズマブ+タキサン(HPT)療法後のトラスツズマブ+ペルツズマブ(HP)維持療法が行われてきた。HR+の場合の維持療法に内分泌療法を併用するかどうかは、第II相試験であるPERTAIN試験(Rimawi M, et al. J Clin Oncol. 2018;36:2826-2835.)によりある程度の有用性が示されているが、維持療法として内分泌療法を併用するかどうかは施設ごとに判断が分かれている。PATINA試験はHR+HER2+転移乳がんに対するHPT療法導入後に維持療法としてHP+内分泌療法(ET)+パルボシクリブ併用療法とHP+ETを比較した第III相試験である(Metzger O , et al. N Engl J Med. 2026;394:451-462.)。

妊婦へのベンゾジアゼピン使用が妊娠アウトカムに及ぼす影響

医療一般

 妊娠中のベンゾジアゼピン(BZD)使用は、流産、死産、早産、在胎不当過小など、妊娠アウトカムへの潜在的なリスクに対する懸念がある。しかし、依然としてその使用は増加している。これまでのエビデンスは、不明確な臨床解釈と方法論的バイアスによって限定的であった。台湾・National Cheng Kung UniversityのBrian Meng-Hsun Li氏らは、BZD使用と早産および在胎不当過小のリスクとの関連を、流産と死産のリスクを競合事象として考慮しながら評価した。JAMA Internal Medicine誌2026年2月1日号の報告。  2011~21年の台湾国民健康保険研究データベースを用いて、妊娠0~36週までの妊婦を対象にオープンラベルランダム化試験を実施した。

カカオの有効成分で、スポーツ時の判断力が向上

医療一般

 サッカーやラグビーなどの競技中は、運動そのものによる身体的疲労に加え、連続的な状況判断による脳の疲労、すなわち認知疲労が生じる。認知疲労は、運動時の精神的疲労感を増強させるだけでなく、運動中の判断力を低下させることが知られている。こうした認知疲労下で有酸素性運動を行った場合、カカオの有効成分であるココアフラバノールを高用量含むサプリメントを摂取することで判断力が向上する可能性があるという研究結果が報告された。早稲田大学スポーツ科学学術院講師の塚本 敏人氏らによる本研究は、Psychopharmacology誌2025年12月号に掲載された。

BRCA1/2病的バリアント保持者におけるリスク低減乳房切除術、生存率を改善するか/JCO

医療一般

 BRCA1およびBRCA2遺伝子の病的バリアント(pvBRCA1/2)を保持する女性において、両側リスク低減乳房切除術(BRRM)により生存率は改善するのだろうか。今回、英国・マンチェスター大学のAshu Gandhi氏らが、pvBRCA1/2保持女性においてBRRMを選択した群と画像検査によるサーベイランスを選択した群の長期アウトカムを前向きコホート研究で比較したところ、生存率に差はなかったが、乳がん発症率はBRRM選択群が有意に低かったことが示された。Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2026年2月4日号に掲載。  本研究は、地域の家族歴・遺伝学サービスを受診しpvBRCA1/2遺伝子検査を受け、pvBRCA1/2を保持していた女性を対象とした前向きコホート研究である。参加者は英国のガイドラインに基づき、BRRMまたはサーベイランスのいずれかを選択した。

日本における経口片頭痛予防薬の有効性、atogepant vs.リメゲパント

医療一般

 片頭痛は、日本の成人において3.2~8.4%が罹患していると推定されている。近年、片頭痛予防の新たな選択肢として、経口のカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体拮抗薬(ゲパント系薬剤)が登場している。慶應義塾大学の滝沢 翼氏らが実施した日本人患者を対象としたアンカーマッチング調整間接比較試験の結果、atogepantはリメゲパントと比較して、月間片頭痛日数の減少やQOLの改善において、より高い有効性を示すことが判明した。Expert Review of Neurotherapeutics誌2026年1月号に掲載。

若手医師は帰属意識が高い?首都圏出身者も移住希望?/医師1,000人アンケート

医療一般

 厚生労働省が2025年12月23日、『令和6(2024)年医師・歯科医師・薬剤師統計の概況』を公表し、都道府県別にみた人口10万人当たりの医師数などが明らかになった。厚生労働省ではこれを基盤として医師偏在をさらに客観的に把握するため、2018年度より「医師偏在指数」も公表している。また、2025年11月に行われた医師偏在対策に関する検討会では、労働時間などの違い、地域ごとの医療需要(医療ニーズ)などといった考慮すべき5つの要素が示され、2027年度からの次期医師確保計画に向けて必要な見直しが検討されるという。

全身治療後のサルベージ手術で示された、進行肺がんの新たな長期生存の可能性

医療一般

 進行した非小細胞肺がん(NSCLC)では、初診時に切除不能と判断される症例が多く、治療の主軸は全身治療に置かれてきた。しかし、治療反応が良好な一部の患者に対して、全身治療後に外科切除を行うサルベージ手術の意義は十分に検討されていない。今回、全身治療後にサルベージ手術を行った高度に選択された症例を解析した結果、進行肺がんでも長期生存が現実的となる可能性が示された。研究は愛知県がんセンター呼吸器外科部の瀬戸克年氏、坂倉範昭氏らによるもので、詳細は12月17日付で「Thoracic Cancer」に掲載された。  分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬の登場により、進行NSCLCに対する全身治療成績は大きく向上している。

2026/02/16

ミノサイクリンは急性期脳梗塞に有益か/Lancet

ジャーナル四天王

 急性期虚血性脳卒中に対する発症後72時間以内に開始したミノサイクリン療法は、プラセボとの比較において、安全性への懸念なく90日時点で有意な機能的アウトカムの改善をもたらしたことが示された。中国・首都医科大学のYao Lu氏らEMPHASIS Investigatorsが、同国58病院で行った多施設共同二重盲検無作為化プラセボ対照試験「EMPHASIS試験」の結果を報告した。ミノサイクリンは、広く使用されている忍容性が良好で安価なテトラサイクリン系の抗菌薬で、さまざまな神経疾患に対する有望な薬剤として注目されており、前臨床モデルおよび小規模臨床試験で虚血性脳卒中に対する潜在的なベネフィットが示されていた。著者は、「さらなる研究を行い、今回示された知見を確認し、より重症または軽症の脳卒中患者にも同様のベネフィットが及ぶかどうかを明らかにする必要がある」とまとめている。Lancet誌オンライン版2026年1月30日号掲載の報告。

非糖尿病PADへのメトホルミン、歩行能力を改善せず/JAMA

ジャーナル四天王

 非糖尿病の末梢動脈疾患(非糖尿病PAD)患者において、メトホルミンの投与はプラセボと比較して、追跡6ヵ月時点の6分間歩行距離に関する評価において改善は認められなかったことが、米国・ノースウェスタン大学のMary M. McDermott氏らが行った無作為化二重盲検試験「PERMET試験」の結果で示された。PAD患者の歩行能力を改善する効果が示されている治療法はほとんどない。メトホルミンは、入手がしやすく安価な2型糖尿病の治療薬だが、AMP活性化プロテインキナーゼの活性化、酸化ストレスの軽減、血管内皮型一酸化窒素合成酵素(eNOS)の活性化など多面的な作用を有することで知られている。著者は、「今回示された結果は、メトホルミンはPAD患者の歩行能力を改善しないことを裏付けるものであった」とまとめている。JAMA誌2026年2月3日号掲載の報告。

現行世代の薬剤溶出性ステントを改善するハードルは高い(解説:山地杏平氏)

CLEAR!ジャーナル四天王

新しい世代のシロリムス溶出ステントであるAbluminus DES+を検証したランダム化比較試験であるABILITY Diabetes Global試験の結果がLancet誌に掲載されました。本ステントはシロリムスを薬剤として用い、ポリマーをステント外側(abluminal side)に限定し、さらにバルーン表面にもコーティングを施すことで、血管壁への薬剤送達効率を高めることを狙った設計となっています。  本試験では、糖尿病患者という再狭窄リスクが高い症例において、12ヵ月時点の虚血を伴う標的病変再血行再建(ID-TLR)および標的病変不全(TLF)を主要エンドポイントとして評価が行われました。

6種類のSSRIの安全性プロファイル比較

医療一般

 選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)は、現在のうつ病の薬物治療において中心的な薬剤であるが、実臨床における安全性プロファイルの比較に関しては、依然として情報が不足している。エビデンス不足は、臨床の意思決定や患者アウトカムに深刻な影響を及ぼす。中国・Bayer PharmaceuticalsのAdrian Chin Yan Chan氏らは、主要な6つのSSRIに関する安全性を分析するため、グローバルファーマコビジランス分析を実施した。Cureus誌2025年12月8日号の報告。  WHOの個別症例安全性報告データベースであるVigiBaseを用いて、主要な6つのSSRI(セルトラリン、fluoxetine、パロキセチン、citalopram、エスシタロプラム、フルボキサミン)に関する34万2,000件超の報告を含む包括的なファーマコビジランス分析を実施した。

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