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2026-07-27 ~ 2026-07-30

2026/07/30

早期アルツハイマー病、OGA阻害薬ceperognastatの有用性/JAMA

ジャーナル四天王

 O-結合型N-アセチルグルコサミニダーゼ(OGA)阻害薬のceperognastatは、早期症候性アルツハイマー病(AD)の疾患進行抑制効果が認められなかった。米国・Eli Lilly and CompanyのAdam S. Fleisher氏らが、日本を含む5ヵ国72施設で実施した無作為化二重盲検プラセボ対照第II相試験「PROSPECT-ALZ試験」の結果を報告した。OGAを阻害することで、過リン酸化タウの蓄積や神経原線維変化の形成を抑制できることが示唆されていたことから、開発が行われていた。JAMA誌オンライン版2026年7月13日号掲載の報告。

閉経前女性のホルモン避妊薬使用、大腸がんと関連なし/BMJ

ジャーナル四天王

 現代のホルモン避妊薬の現在または最近の使用は、大腸がん発症リスクに影響を及ぼさなかったことを、デンマーク・Danish Cancer InstituteのIsabella H. Lange氏らが、同国レジストリーを用いたコホート研究の結果で報告した。ホルモン避妊薬は、卵巣がんや子宮内膜がんのリスクを低減させる一方、乳がんのリスクを高めることが知られている。しかしながら大腸がんとの関連については依然として限定的で一貫性がなく、とくに現代のホルモン避妊薬(新規プロゲスチン、プロゲスチン単剤、非経口製剤を含む)が大腸がんのリスクに与える影響は明らかにされていなかった。

敗血症性ショック早期蘇生における輸液量と昇圧薬のタイミング(解説:寺田教彦氏)

CLEAR!ジャーナル四天王

2001年にRiversらがearly goal-directed therapy(EGDT)による死亡率低下を報告して以降、早期輸液を含むプロトコール化された蘇生が広く普及した。一方、その後の観察研究では、正の水分出納と死亡との関連が指摘され、輸液過剰への懸念が高まった。2023年のCLOVERS試験では、1~3Lの輸液を受けた敗血症性低血圧患者において、輸液を制限して昇圧薬を優先する方針と、輸液を優先する方針との間で主要転帰に有意差を認めなかった。また、本研究が公表される前の2026年3月に発表されたSurviving Sepsis Campaign(SSC)2026は、敗血症による低灌流または敗血症性ショックに対して、最初の3時間に少なくとも30mL/kgの晶質液を投与することを条件付きで推奨しているが、エビデンスの確実性は低いとしている。

高用量ビタミンDでがん治療関連皮膚障害が改善する可能性

医療一般

 化学療法や放射線療法に伴う皮膚障害は、疼痛や灼熱感、紅斑などによって患者のQOLを大きく低下させるだけでなく、抗がん治療の減量や中断の原因となる。今回、高用量ビタミンD内服により、化学療法・放射線療法関連皮膚障害が改善する可能性が示された。イリノイ大学(米国)のMihir K. Patil氏らによる本研究結果は、JAMA Dermatology誌オンライン版2026年7月15日号に掲載された。  本研究は2021年12月~2024年1月に米国の3つの医療機関で実施された後ろ向きケースシリーズだった。対象は化学療法誘発性紅斑(toxic erythema of chemotherapy:TEC)または急性放射線皮膚炎(acute radiation dermatitis:ARD)に対して高用量ビタミンDを投与され、10日間以上の追跡が可能であった33例だった。

統合失調症と自閉スペクトラム症に共通する6つのポイント

医療一般

 歴史的に、統合失調症と自閉スペクトラム症(ASD)は、一方は精神疾患、もう一方は神経発達障害として、それぞれ異なる疾患に分類されてきた。しかし近年の研究では、これら2つの疾患の間には、重複している部分が多い可能性が示唆されている。サウジアラビア・Northern Border UniversityのNahi Sabih Alruwaili氏らは、両疾患の類似点を示す疾患発症に関与する生物学的メカニズムについてのレビューを行った。Progress in Neuro-psychopharmacology & Biological Psychiatry誌オンライン版2026年6月11日号の報告。

適量のコーヒーで心不全や脳卒中リスクが低下~AHAステートメント

医療一般

 カフェインは世界で最も広く消費されている嗜好薬物の1つであるものの、心血管系に対する詳細なリスクや有効性については、摂取形態や個人差による影響を含めて整理が必要とされてきた。米国心臓協会(AHA)専門委員会のGregory M. Marcus氏(カリフォルニア大学サンフランシスコ校)らは、カフェインおよびコーヒー摂取が心血管系に及ぼす影響に関する最新の科学的ステートメントを発表した。習慣的な適量摂取(カフェイン最大400mg/日、8オンスカップ[約240mL]でコーヒー3~5杯/日)は多くの成人において安全であり、冠動脈疾患、心不全、脳卒中、心房細動、2型糖尿病などのリスク低下と関連していることが示された。Circulation誌オンライン版2026年7月20日号に掲載。

新型インプラントで人工股関節の脱臼リスクが約7割低減

医療一般

 慢性的な股関節痛に悩まされている患者にとって、人工股関節全置換術は生活の質(QOL)を大きく改善する可能性がある。しかし、術後は新しい股関節が脱臼しないよう、日常生活動作に注意を払う必要がある。こうした中、新たな研究で、より優れた設計の人工股関節インプラントによって、股関節脱臼のリスクを約7割低減できることが明らかになった。ウプサラ大学病院(スウェーデン)の整形外科医であるNils Hailer氏らによるこの研究結果は、7月2日付で「The Lancet」に掲載された。

人工甘味料は代謝に影響する? レビューとメタ解析が新たな知見

医療一般

 人工甘味料を含むノンカロリーまたは低カロリーの非栄養性甘味料(non-nutritive sweeteners;NNS)は、過去数十年にわたり、砂糖に比べて健康的な代替品であると言われてきた。しかし、新たな研究によるとNNSは、腸内細菌叢などを介した機序が関与することで代謝に影響を与える可能性があるという。米タフツ大学フリードマン栄養科学政策大学院のMeng Wang氏らが、これまでの研究報告をレビューしたほか、新たなメタ解析を実施した結果であり、詳細は「Current Atherosclerosis Reports」に6月25日掲載された。

子どものジュース摂取、多いと将来の高血圧リスク上昇と関連

医療一般

 子どもがおやつの時間に飲むジュースは、将来の心血管の健康に悪影響を及ぼす可能性があるようだ。子どもの頃から果汁100%のジュースや砂糖入り飲料(sugar-sweetened beverage;SSB)を日常的に飲んでいると、成人期に高血圧を発症するリスクが高まる可能性が、新たな研究で示された。トロント大学(カナダ)栄養学・慢性疾患予防分野のカナダ・リサーチ・チェアであるVasanti Malik氏らによるこの研究結果は、「Circulation」に6月22日掲載された。Malik氏はニュースリリースで、「幼少期の食習慣は、その後の健康に長期的な影響を及ぼす可能性がある。高血圧は若年成人だけでなく、小児や思春期の若者でも増加しており、早期発見と予防の重要性が一層高まっている」と述べている。

2026/07/29

多枝冠動脈疾患、ステント留置後のDAPT延長は有効か/NEJM

ジャーナル四天王

 多枝病変を伴う冠動脈疾患で、薬剤溶出性ステント留置後に抗血小板薬2剤併用療法(DAPT)を12ヵ月間受けた時点で安定状態にある患者において、アスピリン単独療法をさらに12ヵ月間受ける場合と比較して、クロピドグレルとアスピリンによるDAPTの12ヵ月間の延長は、心血管死、非致死的心筋梗塞、非致死的脳卒中の複合のリスクを低下させ、かつ出血リスクの増加を認めないことが、中国・ハルビン医科大学のJinwei Tian氏らが実施した「DAPT-MVD試験」で示された。研究の成果は、NEJM誌2026年7月16日号で報告された。

中高年のp-tau217値、認知機能低下を予測/JAMA

ジャーナル四天王

 米国・Mass General BrighamのRachel F. Buckley氏らは、6件の長期追跡研究に参加した認知機能が正常な中高年のデータを統合し、血漿中リン酸化タウ217(p-tau217)値の増加が、認知機能障害への進行リスクおよび認知機能の低下速度と関連していることを明らかにした。アルツハイマー病(AD)の血液バイオマーカー、とくに血漿p-tau217値は、認知機能が正常な人のAD初期の脳病理を正確に反映することから、認知機能障害への進行リスクとの関連について検証が求められていた。著者は、「今回の結果は、認知機能が正常な高齢者における予後予測モデルの開発、および認知機能低下の長期リスクの推定においてp-tau217が有用であることを支持するものであり、AD治療薬の臨床試験の設計に示唆を与えるものであった。

CKDの生命予後・腎予後に対するmGFR評価の意義とeGFRの有用性(解説:浦信行氏)

CLEAR!ジャーナル四天王

腎機能評価にはmGFRが最も有用であるが、その煩雑性から生命予後・腎予後との関連を示した成績は少ない。スウェーデンの成人のイオヘキソールを用いたmGFR値とこれらの関連を後ろ向きに評価し、併せてeGFRの有用性を後ろ向きに評価した成績がJAMA誌オンライン版で発表され、追跡期間中央値5.9年の概要がジャーナル四天王(2026年7月3日配信)に掲載された。その結果、mGFR90の群に対してmGFR60ですでに死亡率は1.21倍、腎代替療法導入では実に2.85倍の高頻度であった。この成績はmGFRで60がCKDの閾値であることを明らかにした意義のある研究である。

進行卵巣がんにおけるカルボプラチン腹腔内投与の位置付け/日本婦人科腫瘍学会

医療一般

 2025年12月に卵巣がんの1次化学療法としてカルボプラチンの腹腔内(IP)投与が保険収載された。本年(2026年)7月に開催された第68回日本婦人科腫瘍学会学術講演会では、同がんにおけるIPカルボプラチンの可能性について、岡山大学の長尾 昌二氏が最新の臨床知見を基に紹介した。  PARP阻害薬や抗体薬物複合体(ADC)の登場により急速に変化する卵巣がん治療においてIP化学療法はどのような役割を担えるのか。長尾氏が研究代表者を務めたiPocc試験は、カルボプラチン腹腔内投与の有効性を前向き無作為化比較試験で証明し、世界的にも高く評価されている。その成果はNEJM Evidence誌に掲載され、日本におけるIPカルボプラチンを保険収載に導いた。

カフェインは頭痛を誘発するのか、軽減するのか

医療一般

 カフェインは、鎮痛作用と頭痛の誘因となる可能性という二面性を有している。エジプト・Beni-Suef UniversityのMona Hussein氏らは、この二面性に焦点を当て、カフェインと頭痛との多面的な関係を検証し、さらにカフェインの鎮痛作用の根底にあるメカニズムを明らかにするため、ナラティブレビューを実施した。Brain and Behavior誌2026年6月号の報告。  本ナラティブレビューでは、カフェインの薬理作用、アデノシン受容体調節への関与、さまざまな頭痛タイプ(片頭痛、睡眠時頭痛、硬膜穿刺後頭痛[PDPH]、薬剤の使用過多による頭痛[MOH]、カフェイン離脱性頭痛など)への影響に関する実験的、臨床的、疫学的な研究のエビデンスを統合し、検討を行った。

HER2+局所進行/転移乳がんへの二重HER2阻害療法と併用の1次化学療法、エリブリンvs.タキサンの最終OS解析(JBCRG-M06/EMERALD)/ESMO Open

医療一般

 HER2陽性(HER2+)局所進行/転移乳がんに対して、二重HER2阻害療法(トラスツズマブ+ペルツズマブ)と併用する1次化学療法として、エリブリンと医師選択のタキサンを比較した第III相JBCRG-M06/EMERALD試験の最終解析の結果、全生存期間(OS)中央値が6年を超え、2群間に有意差は認められなかったことが示された。福島県立医科大学の佐治 重衡氏らがESMO Open誌8月号に報告した。本試験ではすでに、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)においてエリブリンがタキサンに非劣性を示したことが報告されている。

進行胆道がん、デュルバルマブ+ゲムシタビン+シスプラチン療法の長期生存利益と一貫した安全性を確認(TOPAZ-1)

医療一般

 切除不能または転移のある胆道がんに対するデュルバルマブとゲムシタビン+シスプラチン(GC)併用療法の有用性を示した第III相TOPAZ-1試験について、事後解析結果が報告された。事後解析結果が報告された。4年超の追跡においてデュルバルマブ併用群はプラセボ併用群と比較して長期生存利益を維持し、4年生存率は約3倍に達した。ソウル国立大学病院(韓国)のDo-Youn Oh氏らによる本研究は、JAMA Oncology誌オンライン版2026年7月9日号に掲載された。  胆道がんは予後不良であり、多くの患者は切除不能あるいは遠隔転移を伴った状態で診断される。

BMI高値者の肥満症診断は十分か?

医療一般

 肥満症診断の有無は、BMI高値の人の疾患リスクと関連しているのだろうか。このテーマについて、米国・テキサス大学マクガバン医科大学内科・外科学部肥満医学・代謝機能センターのDeborah B.Horn氏らの研究グループは、CALOR研究において民間のデータベースを使い、BMI基準で肥満に該当する人を診断記録の有無で層別化し、解析した。その結果、日米ともにBMI高値の人では、肥満症診断が十分ではなく、関連疾患の有病率が高いことがわかった。この結果はObesity誌オンライン版2026年7月18日号に掲載された。

夜間頻尿の背景に“夜間多尿”――排尿日誌データから見えた加齢の影響

医療一般

 夜間頻尿は高齢者に多い症状であり、その背景には膀胱機能低下だけでなく夜間多尿など尿量分布の変化が関与すると考えられている。今回、日本の17施設で夜間頻尿患者875例を対象に、排尿日誌を用いて夜間多尿の実態が解析された。その結果、夜間多尿の割合は加齢とともに増加し、特に80歳以上で顕著であった。夜間頻尿は年齢や尿量分布など複数の要因が関与する多因子性の病態と考えられた。研究は、岐阜大学大学院医学系研究科泌尿器科の川瀬紘太氏、古家琢也氏らによるもので、詳細は6月12日付の「Neurourology and Urodynamics」に掲載された。

2026/07/28

AD診断のAβPET、センチロイドの適正なカットオフ値は/JAMA

ジャーナル四天王

 アミロイド陽電子放出断層撮影(PET)は、アルツハイマー病(AD)の神経病理学的指標であるアミロイドβ(Aβ)の脳内沈着の測定法であり、研究および臨床の現場で広く用いられている。センチロイド(Centiloid)尺度は、AβPET画像の視覚的読影に有益とされる客観的かつ標準化された指標であり、臨床での使用に有望と考えられている。米国・カリフォルニア大学サンフランシスコ校のGanna Blazhenets氏らMeta-Centiloid研究グループは、AD診断におけるAβPETの信頼性の高い陽性判定の基準となるセンチロイドのカットオフ値を確定する目的で検討を行った。研究の成果は、JAMA誌オンライン版2026年7月13日号に掲載された。

PSSA菌血症治療の常識は変わるか?(解説:栗原宏氏)

CLEAR!ジャーナル四天王

現在のPSSA(Penicillin-Susceptible Staphylococcus aureus)を取り巻く環境は10年前とはかなり変化している。欧米を中心に、かつては稀とされていたPSSAの割合が再増加傾向であることが本研究の背景となっている。PSSAであれば、治療としてペニシリンGは、最も狭域で抗菌活性が高く、内服アモキシシリンへの移行が容易、腎障害・肝障害・静脈炎が少ない可能性があるなど利点が多い。その一方で、低レベルペニシリナーゼ産生菌がPSSAと誤判定されていた場合の治療失敗リスクを踏まえて、抗ブドウ球菌ペニシリン系薬が第一選択とされていた。本研究はPSSAに対して「念のために抗ブドウ球菌ペニシリンを使う」という従来の治療戦略に再考を促す結果となった点で意義が大きい。

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