内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:170

夫が48歳で脳卒中になった夫婦のニューノーマルな生活―AHAニュース

 米国ケンタッキー州に住むJohn Catheyさんの自宅では、その日、浄化槽の工事が行われていた。Johnさんはしばらく狭いスペースに潜り作業を手伝っていたが、そろそろ終わりにしようと足を踏み出した。しかし、彼の足はうまく動かなかった。  妻のPaulaさんはバスルームを掃除していた。少し高い位置にある窓越しに、誰かの叫び声が聞こえ、間もなく工事の作業員がドアをノックした。作業員によると、Johnさんの姿が見えないという。Paulaさんは家を飛び出し周囲を探した。夫は草の上に横たわり、体の左側を動かすことができない状態だった。会話はできたが言葉が不明瞭だった。「脳卒中のようだ。911番に電話を」と作業員が促した。

コロナ感染率、ワクチン2回接種vs.感染後1回接種/NEJM

 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染歴がある人では、ワクチン接種の有無や感染前後での接種にかかわらず、再感染予防効果は最後の免疫獲得イベントからの経過時間が長くなるほど低下したが、この予防効果は、未感染でワクチンを2回接種し同じ時間が経過した場合での予防効果より高く、感染後のワクチン1回接種は再感染予防効果を増強することが、イスラエル・テクニオン-イスラエル工科大学のYair Goldberg氏らの研究で示された。SARS-CoV-2感染は、再感染に対する自然免疫を獲得することが知られる。最近の研究では、BNT162b2ワクチン(Pfizer-BioNTech製)による免疫効果の減衰が示されたが、自然免疫ならびに感染後のワクチン接種で得られるハイブリッド免疫の減衰に関しては不明であった。NEJM誌オンライン版2022年5月25日号掲載の報告。

活性型ビタミンD3、2型DMの発症予防に無効か/BMJ

 活性型ビタミンD3製剤エルデカルシトールは、前糖尿病から2型糖尿病への発症予防効果は認められなかったものの、インスリン分泌が不十分な人に対する有益性を示唆する結果が得られた。産業医科大学病院の河原哲也氏らが、多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験「Diabetes Prevention with active Vitamin D study:DPVD試験」の結果を報告した。観察研究では、ビタミンD欠乏がインスリン抵抗性および将来的な糖尿病のリスク増加と関連することが示されている。一方、ビタミンD補充については、2型糖尿病予防を目的とした無作為化比較試験では一貫した結果は認められていないが、先行研究でビタミンD欠乏症を伴う前糖尿病者に対して有益であることが示唆されていた。BMJ誌2022年5月25日号掲載の報告。

認知症予防に役立つ食べ物とは?

 抗酸化物質を豊富に含む緑色の葉野菜や色鮮やかな果物は体に良いことが知られているが、脳の健康にも良い影響を与える可能性のあることが新たな研究で示唆された。血液中に3種類の重要な抗酸化物質が含まれる量の多い人では、量が少ない人と比べて全ての原因による認知症の発症リスクが低いことが示されたという。米国立老化研究所(NIA)のMay Beydoun氏らによるこの研究結果は、「Neurology」に5月4日発表された。  この研究でBeydoun氏らは、身体検査と聞き取り調査、抗酸化物質の血中濃度を測定する血液検査を受けた45~90歳の男女7,283人のデータを分析した。対象者は抗酸化物質の測定値が高い群、中程度の群、低い群の3群に分類された。追跡期間は平均16〜17年間(最長26年間)で、血中濃度を測定した抗酸化物質は、ビタミンA、C、およびEと、カルテノイド類だった。

紙巻きタバコと電子タバコを併用しても心臓にメリットなし

 電子タバコは禁煙のための手段として使用されることがある。しかし、紙巻きタバコと電子タバコの併用により、紙巻きタバコだけを使用した場合と比べて心臓の健康に及ぼす影響が軽減されるわけではないことが、新たな研究で示された。米ボストン大学のJonathan Berlowitz氏らが実施したこの研究の詳細は、「Circulation」に5月6日掲載された。  電子タバコは通常の紙巻きタバコよりも安全であり、電子タバコだけを使用している人では心血管疾患(CVD)の発症例も少ないことが盛んに宣伝されている。しかし、Berlowitz氏らによると、現状では電子タバコによる問題の報告件数が少なすぎるため、紙巻きタバコよりも電子タバコの方が安全だという最終的な結論を導き出すことはできないという。

4回目のコロナワクチン、感染予防の持続期間は?/BMJ

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するBNT162b2ワクチン(Pfizer-BioNTech製)の4回接種は、3回接種と比較して新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染予防とCOVID-19重症化予防の両方の有効性が認められたが、感染予防効果は比較的早期に減弱することが示唆された。イスラエル・Maccabi Healthcare ServicesのSivan Gazit氏らが、後ろ向き診断陰性デザインによる症例対照研究の結果を報告した。BMJ誌2022年5月24日号掲載の報告。  研究グループは、イスラエルの健康保険組織Maccabi Healthcare Services(MHS、250万人が加入)のデータベースを用い、同国でオミクロン株が優勢であった2022年1月10日(初めて4回目接種が行われた日の7日後)から2022年3月13日までのデータを解析した。  解析対象は、SARS-CoV-2感染歴がなく2022年1月3日から4回目接種を受ける資格を有していた(すなわち、3回目接種から4ヵ月以上経過)60歳以上のMHS会員で、追跡期間中に少なくとも1回のPCR検査を受けた9万7,499例であった。COVID-19の既往歴を完全に把握できない可能性のある2020年3月以降にMHSに加入した人は除外された。

モビコール配合内用剤HD新発売、モビコール配合内用剤LDとの違いは?

 EAファーマ、エーザイ、持田製薬は2022年5月20日、慢性便秘症治療薬「モビコール配合内用剤HD」(以下、モビコールHD)を新発売したことを発表した。  モビコールHDは、慢性便秘症治療薬「モビコール配合内用剤LD」(以下、モビコールLD)の2倍量が1包に包装されている高用量製剤だ。そのためモビコールLDを2包単位で使用する患者にとって、アルミ袋の開封操作の手間や経済的負担の軽減、廃棄物の削減が期待できる。  モビコールLDおよびモビコールHD(両規格あわせて以下、本剤)は、2歳以上の小児、成人で使用可能である。モビコールLDおよびモビコールHDの主成分のポリエチレングリコール(マクロゴール4000)が浸透圧効果により腸管内の水分量を増加させ、その結果、便中水分量が増加することで便が軟化、便容積が増大する。

オミクロン含む2価ワクチン、秋までに国内提供予定/モデルナ

 2022年5月27日、モデルナ・ジャパンはメディアセミナー「mRNAワクチンの革新と使命~最新エビデンスとパイプラインから~」を開催した。  セミナーでは、モデルナ チーフメディカル・オフィサー(CMO、最高医療責任者)ポール・バートン氏が、開発中の2価ワクチンや今後のmRNAワクチンの展望について説明した。  SARS-CoV-2が急速に変化し新しい変異株が出現するなか、ワクチンの感染予防効果が経時的に減弱することを踏まえると、定期的なワクチン追加接種による効果の回復が望まれる。バートン氏は、モデルナの既存ワクチン・スパイクバックスの4回目接種による予防効果を示したうえで、より広い免疫を確保できる可能性があるワクチンとして、開発中の2価ワクチンを紹介した。

米国における片頭痛治療開始患者に対するフレマネズマブの有効性

 成人の片頭痛予防に承認されている、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)を選択的標的としたヒト化モノクローナル抗体(IgG2Δa)フレマネズマブの有効性および忍容性は、ランダム化二重盲検比較プラセボ対照試験で実証されている。リアルワールドでのデータはこれら臨床試験のデータを支持しており、フレマネズマブの臨床的ベネフィットは明らかになっている。オランダ・Teva PharmaceuticalsのMaurice T. Driessen氏らは、実臨床診療に従って治療された成人片頭痛患者の臨床アウトカム改善に対するフレマネズマブの有効性を評価するため、チャートレビューを実施した。その結果、実臨床において、投与レジメンや過去の片頭痛予防治療の失敗数にかかわらず、最大6ヵ月間のフレマネズマブ治療の有効性が確認されたことを報告した。The Journal of Headache and Pain誌2022年4月11日号の報告。

ワクチンはlong COVIDに有効か/BMJ

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)におけるlong COVID(罹患後症状、いわゆる後遺症)の発現は、COVID-19ワクチンの登場以降に減少し、2回目の接種後は少なくとも約2ヵ月にわたり持続的な改善が得られることが、英国・国家統計局のDaniel Ayoubkhani氏らの調査で示された。研究の詳細は、BMJ誌2022年5月18日号に掲載された。  研究グループは、COVID-19ワクチン接種前に重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)に感染した成人において、ワクチン接種とlong COVIDの症状の関連を評価する目的で、地域住民ベースの観察研究を実施した(特定の研究助成は受けていない)。